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空が墜ちてくる

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kissling

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オープニング


紋章暦76年末。
ラース=フェリアの空の一角、地平線近くに突如として強烈な光を放つ天体が現れた。

予言や超古代の文献を調べた結果、判明したのはこのような事実である。

彼の天体は古代神の一柱"原初の光"アールヴァクル。
最も古き古代神であり、央界が生まれるまでの間世界を遍く照らす役割を負っていた。内包する力だけなら古代神の中でも最大と言われている。
冥界に閉じ込められた他の古代神が主八界を足がかりとして天界に攻め昇ることを目指したのに対し、アールヴァクルは他の誰も取らなかった方法を選んだ。凄まじいエネルギーが渦巻く各世界の緩衝地帯『精霊界』をそのまま突っ切り、原身のまま天界に昇ろうとしたのである。その軌道上に、偶々ラース=フェリアの大地が重なってしまった。
両者の衝突時刻は約半年後、紋章暦77年7月7日。
衝突した場合、世界は粉々に砕け散る――。

直ちに各国首脳及び主要機関の長を集めた対策会議が開かれることとなる。
会議の主導権を握った探索者協会会長ガルディオス=リンドブルムと、魔導管理委員会主席ティトーリオ。両者の意見は真っ向から対立していた。

「何度言ったら判る!? 今からできる方法はこれしかねえ。世界を守ろうと思ったら俺らも覚悟決めなきゃなんねえんだよ!」
「ふぅ……まったく、馬鹿げています。一柱の古代神を追い返すために無数の古代神をこの世界に呼び込むなど、目の前の滅びを回避するために新たな滅びの中に身を躍らせているに過ぎない。その後始末をいったいどうやってつけるつもりなのですか?」
「素直に巣に帰ってくれるんならそれでよし。言うこと聞かねえようだったら――ぶっ倒す。今まで俺らはそうやって世界を保ってきたんだろうが。違うか?」
「あなたが勝算のない賭けを好きなのは分かりましたが、他の者をそれに巻き込まないでいただきたいものですね」
「俺に言わせればてめえの案こそクソくらえだ。この大地を見捨てて尻尾巻いて逃げ出すなんざ、御免こうむるな。そんなに逃げたいんならてめえ一人で逃げやがれ」
「私を侮辱する気ですか。世界の消滅が不可避であるなら、その前に一人でも多くの者を救い出す努力をするのが指導者たるものの責務です。あなたには現実が見えていない」
「言ったな、若造が。少なくともジジイみてえに覇気のない案を出すてめえよりは見えてるつもりだぜ?」
「品のない罵倒ですね。組織の長としての程度が知れます」

両者睨み合い、しばしの沈黙が降りる。

「――決裂、だな」
「――決裂、ですね」

吐き捨てるように言って、二人は席を立ち会議場を後にする。同時に矢継ぎ早に部下への指示を出すことも忘れない。意見は違えど、今この時からは一分一秒が勝負となることは両者共にわきまえていた。

「てめえら、帰るぞ! 空砦、炎砦、海砦、氷砦の起動準備を進めろ、場所のわからねえ残りの3つの探索もだ! 事後承諾で構わん、許可は俺が取る!
本部では引き続き大規模召還紋章の研究を続けさせる。後はありったけの戦力をかき集めろ、神様ご一行をお迎えするためのな!
――半年後だ。半年後に、"セブン=フォートレス"を起動させて冥界の門を開く!」
「本部に連絡してください。異世界間転移魔法の最終調整に入るように、と。例のサブプロジェクトも始動させます。学院には過去の記録から異世界の座標を算定する作業を依頼してください。それと、転移先の世界の安全を確認するための志願者も募る必要があるでしょう。――期限は半年。それまでに、一人でも多くの命を救います」


   セブン=フォートレスショートキャンペーン
        「空が落ちてくる」


      その日、世界から夜が消えた。
      この世界に時間は、残り半年。


世界情勢


会議から2ヶ月。
世界中の探索者は大きく3つの勢力に分かれている。探索者協会側、魔導管理委員会側、それ以外である。各国は混乱の泥沼化を避けるため、どちらの勢力にも中立の立場を取ることを表明している。公的には一般大衆には事実は伏せられているが、噂の形で徐々に広まりつつあり、各地で社会不安からの混乱が起きている。

探索者協会の目的は、各地方にある地脈の中心点に置かれた最重要拠点"セブン=フォートレス"を同時起動させ巨大な紋章を描き出し、過去最大規模の冥界の門を開くことである。
「可能性が0.1%でもあるのならそれに賭ける」「この大地を捨てるぐらいなら死んだ方がマシ」「古代神の中にも悪い奴ばかりじゃない」などと考える者がこの勢力に属している。
戦士系の所属が多い。

魔導管理委員会の目的は、タイムリミットまでに一人でも多くの人間を異世界へと避難させること。
「絵空事よりも現実を、博打よりも確実性を選ぶ」「世界よりも、ただ大切な一人を守りたい」「どんな世界に住むことになってもとにかく生き延びたい」という考えの者が賛同。
当然ながら魔術師の所属が多いが、それ以外のクラスの者も均等に所属している。

そして多くの者がどちらかの勢力に所属し抗争を始めた結果、人手の回らなくなった通常の依頼を受けている者たちもいる。
どちらかの勢力に加担することで抗争の道具となるのを嫌う者、目の前の困った人々を見過ごしておけない者、ただ日々の糧を得るために働く者などである。

最初の1ヶ月の抗争で両者の間の線引きはほぼ確定され、現在は小康状態を保っている。ただ、どちらの勢力にもメリットとなるような古代兵器の発見などがあれば即座にも再び衝突が起こるだろう。


PC紹介


名無しの少女


性別 年齢 14
クラス ミスティック レベル 0
ワークス 属性 森/森

「O Tannenbaum~♪」(楽しそうに鍋をかき回している)
「~ッ! ~!!」(涙を溜め、全身で拒絶の意を示している)
外見
白い肌に長い黒髪、黒い瞳。表情は豊かで、またそれを隠そうとしない。それゆえ実年齢、外見より幼い印象を受ける。イメージ画像は38ページ、トリックスター参照。
性格
純真で、天真爛漫。基本的には従順であるが、納得できないことは頑として聞かない。喜怒哀楽がはっきりしており、表情がそれに応じてクルクルと変わる。好奇心は旺盛、多少のことは気にとめない。
記憶を失っていることについては不安に思ってはいたが、それは頼るもののない不安であり、共に旅をする者が出来て後は逆に失った記憶を知ることに躊躇いさえ持っている。旅立ちの時点では、正義感や義務感という概念はないが、仲間は失いたくないと思っている。
生い立ち
精霊族である他には、一切不明。ただし、出生に何らかの特別な背景がある模様。
現在の状況
記憶を失っており、見寄、故郷等分からない状態。何者かに追われているところをカレンに助けられる。
特記事項
  • 人語を解すが、発声は歌及び旋律に限られる。
  • 歌の中には、一般に知られていない言語によるものもある。
  • 絵及び筆記による単語で意思疎通を図る場合がある。
  • カレンに助けられる以前の記憶が一切ない。
  • 出生に特別な背景がある。


カレン


性別 年齢 17歳
クラス キャスター レベル
ワークス 属性 空/海

「このグズ、あんたなんか死んじゃえばいいのよ」
「いいから私の言う通りにしなさいよ」
外見
赤髪の少女。
身長は168cm程度、大きな瞳とめまぐるしく変わる表情が特徴的。

性格
短気で、直情型。よく言えば闊達。
自分が正しいと思い込んでおり、間違ってもそれを認めようとしない。
自分はつらい経験を乗り越えているので、人より世の中の事が分かっているという誤解があり、そのような性格の元になっている。
貧しい生い立ちのためか、お金に執着する傾向がある。

生い立ち
捨て子。ストリートで育ち、大きくなる。
10歳になるころにリデラに引き取られる。そこで憧れの人であるティトーリオと出会う。
ティトーリオにほめてもらえるのが嬉しくて、魔法の修行を行う。

現在の状況
ティトーリオの後を追って、管理委員会に行こうとしたが、止められてしまう。
それなら強くなって、ティトーリオの力になるんだと探索者になろうと思い家を出る。

特記事項

目的
ティトーリオに自分を認めてもらうこと。
その思いは幼稚な憧れであって、恋心ではないのだが、本人はそれに気付いていない。


アレックス=リンドブルム


性別 年齢 18
クラス ホワイトナイト レベル 3
ワークス 白き騎士 属性 空/炎

「僕は…いや、なんでもない。それでいこうか」
「誰かが死ななきゃならないなら…その役目は僕だ」
外見
身長170cm程度、軽くウェーブがかったブラウンの髪の青年。顔の造作は母譲りの美形といっていいが、線が細い。いつも穏やかに微笑んでいる。
性格
自己主張することが少ない。自分なりの理想と信念を抱いているが、それを隠しがち。他人に意見を言うのが苦手で、会議などでは言葉が出ない。そのため誰かがリーダーシップをとるとつい流されてしまう。
基本的に温室で育ったので逆境の経験が少ない。
生い立ち
幼いころに母を亡くし、同時期に父が多忙になったため、あまり両親と関係することなく成長した。そのためか自分に自信を持てない性格になっている。
大人になってからは周囲の勧めに従い探索者協会に所属。父の下で働くようになったが、私的な関係は密ではない。
現在の状況
つい最近シェローティア神殿からホワイトナイトへの昇格を認められたが神殿に属すことはなく、現在も探索者協会の下っ端として働いている。
特記事項
ホワイトナイトに昇格した際、神官から「白い光」を授与された。破邪の力だが、それを行使したとき命を落とすと説明されている。
両組織の動きについて彼がどう考えているか補足。彼は異世界への移住をベターと考えているが、全員がそうできるわけではないことを知っている。ならばこの世界に残る人を助けるために探索者協会のプランに協力する、というのが彼のスタンス。全員が移住できるならそれに越したことはない。
目的
探索者協会の目的を達成する。ただし、そのために魔導管理委員会の計画を妨害できるかというと微妙。

イアン=F=ロスタス


性別 年齢 20?
クラス フォーチュンテラー レベル 5
ワークス 予言者 属性 海/幻

「アレックス様、よろしいのですね?」
「傷つけたいと思わなかったから、私は戦う術を持たない」
外見
身長160cmちょっと。小柄で痩せ気味。目深にローブをかぶっており、唯一露になっている口元は常に微笑を湛えている。手にはオーブを持ち、時折何かを見通すように視線を向ける。全体的に華奢で頼りないが、その異様な格好と、常に絶える事の無い微笑が得体の知れない印象を与えている。
性格
感情の起伏が少ない。無いのではなく抑えている。常に丁重でやわらかい物腰。憐れむような態度をとることも多い。自身の過去などプライベートな話題を滅多にしない。
生い立ち
人の心を読み、未来を予知するという特異性から、人から避けられ、かつ避けて生きてきた。両親はいない。フォーラの出身だが、彼のことを詳しく知るものはいない。かろうじて、旅を供にしたものが僅かにいるだけである。噂によると妹がいるらしい。
現在の状況
たまたまガルディオスと知り合い、たまたま気に入られて頼まれたため、アレックスの右腕となる。
特記事項
人を避けるのは、恐れさせたくないからである。一方で、得体の知れない姿を演出するのは、不用意に近づけて傷つけないためである。心を知られるということが恐怖を与えることを知っており、そのことに怯える人間に対して同情的である。また、他人より直感に優れており、未来を視る事もある。
目的
彼の目的は、ひたすらに他者を助けることである。彼の救済対象は、人間にとどまらない、亜人、動植物あるいは魔獣まで。唯一彼のみが対象外である。迫り来る世界の危機の予知に、使命感を覚えている。が、差し当たりはアレックスを助ける事が目的である。

NPC紹介


ガルディオス=リンドブルム

探索者協会会長。
45歳。顎鬚を生やし、愛用の大剣を常に携えた獰猛な印象の男性。身長1m90オーバーの偉丈夫。身体もでかくて声もでかくて態度もでかい。「ついでに人間もでっかい」とは本人の弁。
長年一介の探索者をやっていたが、30の時に休業しシェローティアの探索者協会に入る。政治的な嗅覚に異様に鋭く、瞬く間に現地の組織のトップに上り詰めた後にバラバラになっていた各地の探索者協会を併呑、わずか10年で往年の探索者協会の組織を復活させた。
威圧的な面構えと物言いに誤解されがちだが情には厚く、義には義で報いるタイプ。協会内では「大将」と呼ばれ親しまれている。
15年前に妻を亡くして以来独身だが、子供が一人いる。

ティトーリオ

魔導管理委員会主席。
26歳。眼鏡をかけた理知的な印象の青年。年齢に比して老成しており、いついかなる時も冷静さを失わない。頭脳明晰で魔術の才も傑出している。
その有能さを認められ、8年前に史上最年少で今の立場につく。半ば形骸化していた管理委員会の組織に大胆な改革を実行し、同時に魔法の流通ルートを押さえることで資金力と組織力を確保。世界的な影響力を持つ組織として復活させた。
歯に衣着せぬ物言いから衝突も多いが、判断の的確さと公正さにおいては評価が高い。

リデラ

年齢不詳。ぼろぼろの帽子に黒いローブを着た魔女のような見かけの老婆。
外見に似合わず面倒見のいい人物で、フォーラ地方のルイダスで孤児相手に無償で学問を施す学校を営んでいる。生活に必要な知識の他、素質のある者には魔法も教えている。彼女の教え子は数多いが、正式に弟子をとったのは生涯でただ二人である。



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