青の地平のトーラ プレイログ B組:導入

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    文字色説明

    GM : トーラ PC発言 行動説明、PL発言など  ナレーション、状況説明  雑談、システム文など
    SGM:            雑談など
    PL : 沙紗  PC発言 行動説明、PL発言など
    見学者



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  セッションB-1-1 2016/01/17
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        [雑談] では、準備のほうは大丈夫でしょうか……
        [雑談] いつでもOKです
        [雑談] 問題ないですよ
        [雑談] では……


    BGM: 風の行方
        from ヘブンストラーダ(AniSeed, 2005)
        Composed by 霜月はるか
        Vocal/Chorus by 霜月はるか



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A.D. 3780 ソル・クラスタ

アルシエル再生から4年。
塔間ネットワークが整備され、人の行き来は年を追うごとに活発になり、
3つの塔をめぐるツアーも企画されるような時代。
今まさに、世界は800年ぶりに一つになろうとしていた。


見かけ上は平和になった世界。
だが、過酷な時代の経験は今も生々しい傷のまま人々の心に残っていた。
文字通りの意味で全ての人々が動乱に巻き込まれたここソル・クラスタにおいては
特にその傾向が顕著である――



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    アルトネリコTRPG コスモスフィアキャンペーン

          青の地平のトーラ
          Tora, won nnoini dor
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        [雑談] 素晴らしいOPでした!
        [雑談] 良いopです


――大牙 トコシヱ隧道――

    BGM: 闇市場
        from アルトネリコ3(バンダイナムコ/ガスト, 2010)
        Composed by 中河健


ソル・クラスタの中でも有数の大都市として知られるこの街は、今もなお多くの人で賑わっている。
それでも昨年の全塔避難騒動による影響は少なからず出ており、ここトコシヱ隧道に住んでいた人の中にも
まだ避難先から戻ってない人がいるようだ。


そんなトコシヱ隧道の商業地区で、鍛冶屋「鋼の庵」を営む一人の女性がいる。
大きな通りではなく細い路地に構えた店、その佇まいは「地味」という一言に尽きる。
全体を灰色に染め上げ、窓は換気用とおぼしきもの以外には見当たらない。
それが、逆にこの店を引き立たせているとも言える。
また、女性の鍛冶屋は珍しいらしく、風の噂で訪れる客も多い。


        [雑談] 導入いい感じだね イメージできるぞー
        [雑談] では、沙紗さん登場お願いします
        [雑談] 工房BGM……だと
        [雑談] ここから登場か なるほど

    BGM: カリンの製鉄工房
        from リリーのアトリエ(ガスト, 2001)
        Composed by 小林美代子



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沙紗:「ありがとうございましたー!」
沙紗:「さてこれで今日の依頼は終わり……っと、まだこんな時間かぁ。散策できるかな?」

今日の最後の客を見送ってその店から出てきたのは、赤いジャケットに身を包んだ女性、沙紗だ。
その体つきは細く小さい。鍛冶屋というには不釣り合いな体つきではあるが、
亡き父の仕事を継いで7年目の現在は定期的にくる客もそこそこ多い。


彼女は店を出ると、トコシヱの外を目指して歩いていく。
と、そこへ……

**:「あ、沙紗ちゃん! もうお店はおしまい?」

近づいてきたのは、常連客の一人のようだ。

沙紗:「あ、こんにちわ。ごめんなさい、今ちょうど閉めちゃったところで。これから散策に行くのよ」
:「そう、ちょっと頼みたいことがあったのだけど……」
:「まあいっか、また今度お邪魔することにするね」
沙紗:「ちょっと待って」

沙紗はそう言って懐からペンとメモを取り出す。

沙紗:「初めて来た時に話したと思うけど、もし緊急の内容でなければ
    『頼みたいこと』と『あなたのお住まい』をこれに書いてもらえるかしら?」

沙紗:「これをお店のポストに入れてくれたら、帰ってきた時に確認できるから」 ペンとメモを渡す

        [雑談] 客対応が良いぞ
        [雑談] サービスはきっちりやりまっせ!

:「分かった、 ……じゃあ、これを入れておくね」
沙紗:「よろしくね。それじゃ、また明日」
:「うん、外に行くなら気を付けてね」

        [雑談] 今思えば、お住まいよりも次の日に来る時間を書いてもらえばいいのでは?と...
        [雑談] その辺りは、補完されるでしょう

        [雑談] 次のシーン行っちゃいますか?
        [雑談] このシーンでやることは終わったので大丈夫です


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――大牙 蒼天の道――

    BGM: 大牙の道
        from アルトネリコ3(バンダイナムコ/ガスト, 2010)
        Composed by 中河健



        [雑談] トコシエを抜けた感じだね(脳内MAP更新中)

散策を始めて、どれだけ経っただろう。
あたりは夕焼けの色に染まり、そろそろ夜の帳も降りてくる頃だ。

たまに見つけるモンスターはハンマーで撃退しつつ、散策を続けている沙紗。
背負っているバッグは少し膨らんでおり、散策の成果が表れているようだ。

沙紗:「よし、今日はこれで終わりにしよう」

最後に見つけた石材をバッグに入れると、トコシヱのほうへと歩いていく。



トコシヱ隧道に近くなってきたころ……
ふと、周囲の雑音が消え、代わりに耳障りな音が聞こえる。モンスターの気配だ。
辺りを見回すと、少し離れたところに複数のモンスターと……人がいるではないか。

    BGM: 加速するココロ
        from アルトネリコ3(バンダイナムコ/ガスト, 2010)
        Composed by HIR


沙紗:「危ないっ!」

**:「誰!? こっちに来ると危ないよ!」

        [雑談] トーラさんキター

沙紗:「間に合うっ!?」
**:「ちょ、ちょっと、見てわからない!? こっちにはモンスターが……」
沙紗ハンマーを携え 「大丈夫、これがあるからね。あなた、武器はどうしたの!?」

彼女は確かに武器を――槍を持っている、しかしなぜかそれを使って戦ってはいないようだ。

沙紗:「武器が無いようなら、逃げなさい。こいつらは、あたしがなんとかするから!」
沙紗:「退がって!」

沙紗は臨戦態勢を取り、一息にモンスターの群れに肉薄する。
一方の女性は、沙紗のハンマーを見て戦力になるだろうことを悟ったようだ。しかし逃げることはせず、代わりに、

        [雑談] モンスター「ぐるるる……」

**:「分かりました、でも私も戦えます。
    少しの間、敵を引き付けてくださいませんか?」

沙紗:「……分かったわ」
**:「感謝します! では……」

        [雑談] ここから演出入れます
        [雑談] 了解。しばし待ちます
        [雑談] おk


    BGM: Black tar
        from ゼノブレイドクロス(任天堂/モノリスソフト, 2015)
        Composed by 澤野弘之
        Vocal by mpi
        Rap by David Whitaker



モンスターと戦っていた女性は、すばやく敵から距離をとり、体勢を整えた。
目を瞑り、大きく深呼吸を2回、精神を統一していく。

やがて目を見開き、壊れた槍を身体の前に立てて構えた。
そして、大きく息を吸い込み、低い声で謳いだす――




    nnoi dorna dest dauan,
    枯れ果てた森に夜明けが訪れ

    Was touwaka wa houd infel plina
    新たな緑を愛おしく抱く

    nor pecee lequera syec kailya
    私たちに善き慈悲の心芽生えなければ

    => sabl won zarnn bansh so wase en syec iqwayes en gaunji keenis
    輝きは叩きつける砂嵐の前に永久に失われる

    spaha dia xorg jam caan ftt getrra dorzee
    傲慢なる王国は鐘の音と共に汚れた地へと消えた

    den na karf lamenzeo en boia gyaya tarfe,
    だが人々の嘆きと愚かな争いが止まなければ

    willie werllra meso tea
    すぐに儚い涙が散っていくだろう


謳い始めるやいなや、天を向く槍の穂先を中心にして雷を纏った眩い光球が現れた。


    omga siss der mortoa en wim ini marta
    全てはひとたび死に絶え 少女がそれを再生した

    rinc wiene oz alroen syearr
    贖罪の祈りの調べと共に

    sik got sii kiala, cause pomb aulla wee ki ra haf dahzel
    禁断の宝に手を伸ばすこと勿れ 呪いにより再び苦難の道が開く

    irs tatakaria govan deata manaf ks tictim
    人を責め苛み操ろうという者がいる

    herr toya ks elle tim gidiu manaf oz dest
    それらは未だに人を滅ぼそうとする

    synk ferxs na chsee der nozess anturn ween zayea spiritum
    死に瀕しても心を変えることは無かった友よ

    Ma i wa won burle dor rre iasien slep ween cest ferda prooth
    青の地平の上 朝露はまだ眠っています 流された血を深く抱いて

    haf fayra tou dep sos quive anw wase zadius
    心に火を点し激しい憎悪を鎮める

    neia biron moy ssvid, oure swant we degle
    それは少しでも生き続けるため 破壊ではなくただ救済のため

    hymme giz cest art tyuss toe an ar bistel
    獣の心と重なり 真の恐怖を謳う

    an hyear nuboisu yuez, van knawa art kurt mea
    さあ戦おう 昔の私に戻ったかのように



    Wee zweie wa syec yanwe iemma pisful deadl,
    この愛しき穏やかな日々の中でも

    en neen weel, en neen haoud, na synk lehaw idesy
    どんなに願おうと、どんなに求めようと、過去が救われることは無い

    aiph pyuf ryusse nha yeeel yulun neen sapon zash, oh
    もしも遠くへ旅に出れば辛い記憶をあまり思い出さなくなるだろうか、いや

    pak tea gatyunla
    すぐに地獄の扉が開く

    Wee wol ga rre zetsfy yurfe rippllys tim kyll
    残酷な幻は殺戮の瞬間を映す

    pauwee wael tou layy metafalya yuez jass kierre bexm
    歪んだ力は望んだ刻の到来を喜ぶ



        [見学用] 男前なヒュムノスかと思って一瞬取り乱してしまった…
        [雑談] 曲は続いていますが演出はいったん終わりです
        [雑談] 沙紗さん、リアクションお願いします
        [雑談] これはまた良い訳だ

沙紗(彼女、レーヴァテイルだったの!?)
    表情には出さなかったが、驚いた拍子に僅かに動きが鈍る。

謳っている女性は沙紗に視線を合わせ、わずかに微笑みうなずいた。
そしてすぐに敵へと向き直り、詠唱を続行する。




詩のボルテージはさらに上がっていく。
光球はすでにかなりの大きさになり、電場の異常を身体で感じるほどだ。


sys:1D
DiceBot : (1D6) → 4


沙紗とにらみ合っていたモンスターのうちの一匹が突如向きを変え、謳っている女性へと突進していく。

**:……!!

**:5+2D 回避
DiceBot : (5+2D6) → 5+10[6,4] → 15


彼女は槍を動かして攻撃を受け流そうとした。
これがうまく奏功し、モンスターは体勢を崩して転倒、そのまま崖を転がり落ちていく。


        [雑談] 演出戦闘始まってる……!

そうこうしているうちに、彼女の詩魔法は充分な溜めが完了したようだ。

**:「発動します! 離れて!」
沙紗:「!! 分かった!」

敵と味方の距離が離れるタイミングを慎重に見計らい、詩魔法を発動する!


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――轟音と土煙が去った後、モンスターは影も形も残っていなかった。

    BGM: 夕焼け空は茜色
        from アルトネリコ(バンプレスト/ガスト, 2006)
        Composed by 中河健


沙紗:「終わった……みたいだね」

**:「助かりました、お怪我はありませんか?」
沙紗:「ええ、なんとか。あなたこそ、大丈夫?」

沙紗は先ほど詩魔法を放った女性――レーヴァテイルに近づく。

**:「はい、私は大丈夫です」
沙紗:「なら、良かった。……あなた、レーヴァテイルよね?」
**:「……まあ、分かってしまいますよね。そうです、私はクラスタニアのレーヴァテイルです」
沙紗:「あ、別にレーヴァテイルだからどうってわけじゃ無いのよ。ここに来るのは珍しいなって……」
**:「今日は蒼谷の郷に用事があって、ちょっと長引いたら
    最終バスの時間を逃してしまったので、こんなことに……」

沙紗:「ふむふむ……」

沙紗:「あ! 自己紹介遅れたね。あたしは沙紗よ」
**:「さしゃしゃ…… 失礼、沙紗さんですね、先ほどはありがとうございました」
トーラ:「私はトーラと言います」
沙紗:「う、やっぱり言いにくいですよね」
トーラ:「い、いえ、その、ごめんなさい……」
沙紗:「いいのいいの。日常茶飯事だから」

沙紗:「それで、トーラさんの槍なんですけど、うちで直しましょうか?」
トーラ:「えっ?」 (ちょっと驚く)
トーラ:「壊れているってよく分かりましたね、実は確かにそうなんですけれど」
トーラ:「だましだまし使っていたのですが、どうもやっぱり駄目だったみたいで……」
沙紗:「鍛冶屋やってるから、多少は武器の状態を見たり、扱うのはお手の物よ」
トーラ:「えっ、鍛冶屋なのですか!?」 (さらに驚く)
沙紗:「さすがに驚くよね……」
トーラ:「いや、だって、こんな……」

と言いかけてあからさまに言葉を濁すトーラだったが、

沙紗:「あー、それ言っちゃだめ! あたしだって気にしてるんだからー!」
トーラ:「ご、ごめんなさい!」

沙紗:「……コホン」
トーラ:「つ、つまり、そのハンマーはそういうことってことですよね? どうりで……」

と、ばつが悪そうに話を変えるトーラ。

沙紗:「そそ。なるべく軽くて丈夫な素材使ってるんです。今回のようなことがあるので丈夫さ重視ですけどね」
トーラ:「なら、これも何かの縁ですので、見ていただけないでしょうか?」
沙紗:「もちろん。今回はおまけしておくから、お代は要らないよ」
トーラ:「いえ、そんな、料金はちゃんと払いますよ。それでは私の気持ちが収まりませんから」
沙紗:「……じゃあ、半額で。それ以上はもらわないよ」
トーラ:「いえ、困ります。誇り高きクラスタニアの民として、そのようなことは……」
沙紗:「お店のサービスはありがたく受け取っておくものよ?」
トーラ:「うーん、ちょっと困りましたね、それなら……
     なにかお金以外の形でお礼をさせていただくのはどうでしょうか?
     たとえば、……お食事を奢らせていただくとか」


沙紗:「うーん……」 しばし考え
沙紗:「分かったわ。そうしましょう」
トーラ:「ありがとうございます。それで、この槍なんですが……」

トーラは槍の状態を手短に説明していく。

        [雑談] 自然な流れでシーンが変化しそう

トーラ:「…… どうでしょうか? 直りますでしょうか?」
沙紗:「ふむふむ……。ちょっと時間かかりそうだけど、これならなんとかなりそうだね」
トーラ:「そうですか、どれくらいの時間がかかりますか?」
沙紗:「ざっと3、4時間くらいかな。これくらいの時間に来て頂ければ直ってると思うので」
トーラ:「わかりました。そうすると、明日ですね」
トーラ:「もしお時間があったら、受け取りのときにそのままどこかに食べに行きませんか?
     まあ、お仕事中かもしれませんけれど……」

沙紗:「そうですね。そう言えば、あたしの店の場所知らないですよね? これから一緒に行きましょうか」
トーラ:「あっ、そうでしたね。お仕事場はどちらに?」
沙紗:「トコシヱ隧道よ」
トーラ:「それなら帰り道の途中ですね、わかりました、行きましょう」

        [雑談] このあと、店の中のシーン入れますか?
        [雑談] そうですね。少しだけ入れましょうか
        [雑談] 了解です
        [雑談] 鍛冶屋クルー
        [雑談] (本来想定してないシーンですけど)


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        [雑談] というわけで場面転換

――沙紗の店――

    BGM: カリンの製鉄工房


沙紗:「さて、と。それじゃ、一旦トーラさんの槍を預かりますね」
トーラ:「はい、ではお願いしますね」 と、槍を渡す

沙紗:「帰りの道中は大丈夫かな?」
トーラ:「今は上帝門に宿をとっていますので、たぶん大丈夫でしょう」

沙紗(上帝門……最近あまり行ってないな)

沙紗:「そうでしたか。なら大丈夫そうですね」
沙紗:「では、また明日のこの時間にいらしてくださいね」
トーラ:「明日の夕方ごろですね、わかりました。よろしくお願いしますね」

        [雑談] とりあえず店の中一旦終了、次の日へ移行かな?
        [雑談] はーい
        [雑談] おお!

トーラは一礼し、店を立ち去って行った。


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――翌日 トコシヱ隧道、沙紗の店――

    BGM: 闇市場

トーラ:「こんにちわー。トーラです、沙紗さんはいらっしゃいますか?」
沙紗:「あ、トーラさん。いらっしゃいませー!」
沙紗:「もう少しだけ待っててね。そろそろ終わるから!」
トーラ:「はい、わかりました」

沙紗がやっていたのは、実は槍の修理だ。他の依頼は全部済ませてあった。

トーラ(沙紗の仕事をぼーっと見ている)

残っているのは確認の作業。自分と、使い手が確かめること、その二つだ。
槍を持ち上げ、感触を確かめる。少し研磨をして……


沙紗:「トーラさん。この槍を持っていただけますか? 感触を確かめて欲しくて」

と、修理していた槍を渡す。

トーラ:「はい」

まずは普通に持ち、重さとバランスに変化がないかどうかを確かめる。

トーラ:「ちょっとだけお店の外に出てもいいでしょうか? 少し動かしてみたいので……」
沙紗:「いいですよー」
トーラ:「では……」 (沙紗も付き添いに出る)


外に出たトーラは周囲に人がいないことを確認すると、おもむろに槍を構える。
まずは普通の突きを2~3回ほど、すばやく後ろに向き直りもう一度、
さらに前進しながらの突き、と順次試していく。

沙紗(これが、クラスタニアのレーヴァテイルかー……。近接戦闘も詩魔法も出来るなんて)

最後にトーラは石突きを地面に突き立てた。昨日、詩魔法を詠唱していたときの構えだ。
そのまましばらく精神統一をしていたようだが、今回は謳うことはなく、構えを解いた。

トーラ:「ありがとうございます、ばっちりです。何も問題はありません」
沙紗:「ああ、良かった。いつも扱っている武器とはわけが違うので、
    ちゃんと直せていなかったらどうしようかと……」

沙紗:「どうやら問題ないみたいですね」
トーラ:「では、中に戻りましょう」
沙紗:「そうですね」

扉を開け、店の中へ戻る二人。

トーラ:「ええっと、作業はまだ何かありますか?」
沙紗:「いえ、今ので最後ですよ」
トーラ:「わかりました。では、さっそくお代を……」
沙紗:「今回は武器の修理なので……代金はこれくらいですね」 計算機を叩いて提示する
トーラ:「はい、どうぞ」 
トーラと提示通りの金額を出して、 「残りはお約束通りに、ということで」 と付け加えた
沙紗:「まいどあり!」

        [雑談] 1リーフは10円相当

トーラ:「今日はまだお仕事ですか?」
沙紗:「ううん、今日はもう終わりよ」
沙紗:「では、少し準備をするので外で待っていただけますか?」
トーラ:「はい」

トーラは店の外に出た。沙紗はそれを見送ると、準備を始めた。

沙紗:「さて、と。必要なものは……」



沙紗:「お待たせしました! ……ところで、食事はどこにしましょうか?」
トーラ:「特にここという場所がなければ、上帝門にいいお店があるので
     そちらで、と思うのですがどうでしょうか?」

沙紗:「あ、ならそこにしましょう」
トーラ:「では、行きましょうか」


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――上帝門――


    BGM: 大門を潜りぬけよ
        from アルトネリコ3(バンダイナムコ/ガスト, 2010)
        Composed by 中河健


塔と空路で繋がる大牙唯一の街。
近年では、地表や他の塔との交流も始まり、以前よりも活気が増している。

メインストリートのカラクリ通りから狭い路地に入り、少し進んだところにある
小さな広場に面した場所にその店はあった。




トーラ:「着きました、ここです。私のお気に入りの店なんですよ」
沙紗:「こんな店があるんですねー。知りませんでした」

    BGM: South Bridge
        from シムシティ3000(EA/Maxis, 1999)
        Composed by Kirk Casey


店内ではちょうど生演奏が行われているようだ、確かに雰囲気のいい店ではある。
二人は適当な空きテーブルを見つけてそこに座った。

トーラ:「では、好きなものを頼んでくださいね」
沙紗:「では、『やきにく』と『新鮮野菜詰め合わせ』にします」
トーラ:「ハンバーグセットとミルクティーで」

        [雑談] ()
        [見学用] いい回復量だ!
        [雑談] やはり肉だね

女性としては微妙に違和感のあるメニューをこともなげに頼む二人。

        [雑談] 違和感www
        [雑談] 「薬のジョウテー」にある使用アイテムと「渡り鳥々」にあるキーアイテムだねw
        [雑談] そこまで調べてるとは……!
        [雑談] 今調べたw
        [雑談] さすがに覚えられないです……
        [雑談] 僕もアイテム周りはまったく覚えてないからw

トーラ:「沙紗さんの鍛冶はなかなかの腕だと思うのですが、長く続けてらっしゃるのですか?
     それにしてはとてもお若いように見えるのですが……」

沙紗:「うーんと、今年で7年目だね。17の時からやってるんだ」
沙紗:「父親の店を引き継いだ形だけどね」
トーラ:「ということは……」 (計算はするが口には出さない)
トーラ:「そうですよね、私は以前上帝門に40年くらい住んでいたのですが、
     その時から『鋼の庵』という名前のお店があった気がします」

沙紗(親の代から知ってるのね……)
    と心の中で考える沙紗。

トーラ:「あっ、でも、お伺いしたのは今回が初めてだと思います」
沙紗:「だろうね。もし来ていたなら、あたしの店に入った時点で何かしら反応があるはずだもの」
トーラ:「まあそれもありますが、やっぱり当時は大牙にとってクラスタニアは……」
沙紗:「そうですよね……」

沙紗:「トーラさんは、クラスタニアのレーヴァテイルってことだから、軍人さんよね?」
トーラ:「はい、私は確かにそうですが、クラスタニアのレーヴァテイルの全員が
     そうだというわけではありませんよ?」

沙紗:「そうなんですか?」
トーラ:「最近は軍の人員整理も進んでいますし、
     そうですね、今はもう人口の2割に届かない程度になったとは思います。
     ……私ももう退役しましたので、詳しいことは把握していませんが」

沙紗:「退役……ってことは、今は何をなさってるんですか?」
トーラ:「今は特に何もしてはいません。ふだんは家にいて、ときどきこうやって
     下や地表に行くぐらいでしょうか」


運ばれてきたハンバーグを切り分けながらトーラは答える。
多めの野菜を少しずつ口へ運びながら、少し考え事をするような沙紗。

沙紗:「地表、ですか……」
トーラ:「はい。沙紗さんも地表に行くことはありますか?」
沙紗:「少しだけ行ったことがありますね。あまりに遠いので、長居は出来ませんでしたが……。
    街の周辺にはない良い材料が落ちていることもあるのよ」

トーラ:「なるほどね…… って、危なくないですか? 地表の村に行くのならともかく、
     他を探索しようとするのは……」

沙紗:「……そうね。一度だけ、本気で死にかけたこともあるわ」
トーラ:「……そうですよね、私もできるだけ一人では行かないようにしていますから」
沙紗:「実は今回の修理で使った素材は、地表付近で採れたものもあるのよ。
    だから、行っていて良かったと思ってるわ。
    そうじゃなかったら、トーラさんの槍は壊れていたままだったかもしれないし」

トーラは感心したようにうなずく。
少しの間ののち、様子を探るようにトーラは話を振った。

トーラ:「ところで、ひとつ聞きたいのですが、」
沙紗:「なんでしょう?」
トーラ:「……その、沙紗さんは、……」
トーラ:「私たちのこと、……」

トーラ:「……いえ、なんでもありません」
沙紗:「?」

結局、別の話題に変えるトーラ。

トーラ:「去年のあの時は、どちらに避難していましたか?」
沙紗:「避難の時ね。あの時はソル・シエールの方へ行っていたわ」
トーラ:「ソル・シエールですか! 私はメタ・ファルスだったのですが、
     ソル・シエールってどんなところでしたか? やっぱりこことは違いますよね?」

沙紗:「そうね……。この上帝門なんかより、塔がすごく近くにあってびっくりしたわ」
沙紗:「それに、ここに比べると森が多かったような……。おかげで散策は飽きなかったわね」
トーラ:「へぇー…… たしかソル・シエールの塔って、
     ここの塔よりずっと大きいんですよね? テレモで見たことがあります。
     それにしても、緑豊かな場所はうらやましいですね」

沙紗:「大牙の環境は、お世辞にも良いとは言えないですからね……。
    ずっと向こうで暮らそうかと考えたこともありますが、ここのお客さんを裏切りたくはなかったので、
    結局戻ってきたんですよ」

トーラ:「ソル・シエールって、人間と……レーヴァテイルの関係って、どうでしたか?」

先ほど直接聞けなかったことを、搦め手から聞こうとしているようだ。

沙紗:「昔は、人間の方がレーヴァテイルをこき使ってる所もあったみたいですけど、
    今は少しだけ人間もレーヴァテイルも仲良くなってるみたいですよ」

トーラ:「そうですか……」

トーラは少し思案しているような表情を見せ、メタ・ファルスが特殊だったのかな、と独り言をこぼした。

沙紗:「メタ・ファルスは、どうだったの?」
トーラ:「メタ・ファルスは小さな世界です。ここより狭い場所かも知れません。
     でも、美しい自然のメタファリカ、そして……」


再び、何かを言いかけて止めたような間。

トーラ:「……私も、一時は向こうに留まろうと思いました。
     残念ながら呼び戻されてしまったのでそうはいきませんでしたが」


沙紗:「メタファリカ、か。そんな暇があるか分からないけど、一度行ってみたいなぁ」
トーラ:「こちらがもう少し落ち着いてくれれば、ゆっくり旅行してみるのもいいと思いますよ。
     ほんとうに、いい人たちがたくさんいる場所ですから」

沙紗:「日帰りで行けるならいいのだけど……」

沙紗は軽くため息をつき、冷めたやきにくを切りながら口へ運ぶ。

トーラ:「ですよね……」



話はしばらく続き、皿の上の料理はそろそろなくなりそうな頃合い。
トーラは意を決して、もう一度聞く。

トーラ:「あの、沙紗さんは、私たちレーヴァテイルのこと、怖いとか憎いとか、……」

しかし、だんだんその声は小さくなっていく。

トーラ:「……思ったり、しますか?」

沙紗:「……どうして、そう考えるの?」

トーラ:「…… だって、私たちは……」

結局、言葉に詰まってしまう。

沙紗:「あのね、あたしは、そんなこと全然思ってないよ」

トーラ:「……」

沙紗:「建前としては、お客さんに種族なんて関係無い。
    お店に来て、代金を払ってサービスを受けてくれるなら、そんなもの関係無いもの」


沙紗:「あたし自身の本音としては……」
沙紗:「昔、貴女達レーヴァテイルがあたしたち人間をどう扱ってたなんて、今は関係無いでしょ?
    今、貴女達があたしたちとどうしたいのか、それが重要だと、あたしは思うわ」


        [雑談] 平和になった世界だからこそ

トーラ:「……」

沙紗:「それはね、今が平和だから言えることかもしれない。
    だけど、そう思い続けていないと、あたしは……」

沙紗:「あたしは、昨日貴女がレーヴァテイルだと分かった時点で、見捨てていたかもしれない」
沙紗:「だから、あたしは、今も昔もレーヴァテイルは嫌いなんかじゃない。
    良いレーヴァテイルだってたくさん会ってきたんだもの!」


トーラ:「……ありがとう」
沙紗:「……ごめんなさい、ちょっと熱くなっちゃったわ」
沙紗:「今、あたしがレーヴァテイルを憎んだり、怖いとか思ってないって伝えたかったから……」

心の中でありがとうと繰り返すトーラの目には、涙が浮かんでいた。

        [雑談] なんだか言ってることが滅茶苦茶な気がするが、何、気にすることはない()
        [雑談] 凄くよい感じですけど?
        [雑談] 大丈夫、これからこっちがもっとめちゃくちゃにします

トーラ:「……沙紗さんは、強い人だと思います。
     私は、沙紗さんのことをもっと知りたい」


トーラ:「…… 私に、ダイブしてくださいませんか?」

沙紗:「……え?」
沙紗:「ええええええええぇぇぇぇぇぇっ!?」



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        [雑談] ということで今日はここまでw
        [雑談] いい感じの終わり方だw
        [雑談] このように導入が終わるのか
        [雑談] 急展開すぎるw
        [雑談] いやーいい感じに決まったwww
        [雑談] ダイブへの持って行き方すばらc
        [雑談] まずは、最後の「レーヴァテイルに対してどう思っているか」の所
           最高のRPをありがとうございます

        [雑談] ちょっと時間かけちゃいましたが、結果オーライかな?
        [雑談] ダイブの予行演習として一つ突きつけてみたのですが、予想以上のすばらしさでした
        [雑談] 即興でやらせるとは...
        [雑談] 食事シーンからは見ごたえありましたからね
        [雑談] 答えがどうあろうとあそこからダイブの話に持っていくつもりでしたが……
           素晴らしいの一言です

        [雑談] なんとなく人間性というか、心情は決めてましたが
        [雑談] ありがとうございます///
        [雑談] あ、ダイブでは突きつける質問に即興で答えさせるシーンが普通に出ますよ?
           だってそれがダイブですから

        [雑談] そうですね
        [雑談] ダイブ前に突きつけてくるのは予想外だったw
        [雑談] まあレベル1は練習みたいなものですからそこまでにはなりませんが……
           一応覚悟しておいてください

        [雑談] 了解です



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  セッションB-1-2 2016/02/20
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    BGM: Central Park Sunday
        from シムシティ3000(EA/Maxis, 1999)
        Composed by Marc Russo


沙紗:「えっと……ダイブって、その……」
沙紗:「あんまり、気軽にするようなものじゃないって聞いたけど……」
トーラ:「あれっ? そうでしたっけ?」

        [雑談] ダイブしてくださいへの反応ね 面白そう
        [雑談] ダイブへの認識がだいぶ違う
        [雑談] シャキーン

沙紗:「少なくとも、ソル・シエールの方々はそうみたいですよ」
トーラ:「…… そういえばそうかもしれません。クラスタニアでは……」

何か言いかけたが、結局言わずに話を変える。

        [雑談] 一体どこからこんな話を聞いたんだろうか、と自分でも疑問符
        [雑談] 塔の環境しだいで文化も違うしいいんじゃない?
        [雑談] ソル・シエールでレーヴァテイルと接していた経験を作っておこう()
        [雑談] クラスタニア生まれならダイブ感覚結構ずれてるし

トーラ:「沙紗さんは、誰かにダイブをしたことはありますか?」
沙紗:「ない……ですね」
トーラ:「そうですか…… まあ、ダイブとはいってもそんな恐ろしいものではありません」
トーラ:「現実世界ではできない体験もできますし、それに
     よりお互いのことを分かり合えるきっかけになるかもしれません」

沙紗:「な、なるほど……。あたしのことをもっと知りたいっていうのは、ダイブを通じて、ということなのね?」
トーラ:「私はあなたという人に興味があります。
     どうしてそういう風に人間とレーヴァテイルに分け隔てなく接することができるのか」

トーラ:「…… ちょっと押しつけがましいですが、そういう理由です」

沙紗:「ここで話すだけでなく、もう少し深く知りたい、か」
そう呟き、沙紗は答えた。

沙紗:「あたしは構いませんよ。ただ、お店のこともあるから時間は限られると思う」

トーラ:「正直、断られるかと思っていました。
     沙紗さんは優しいですね、まだ会ったばかりの人なのに……」

沙紗:「あたしは、あまり人と多く接することってないから、自分のことを知りたいとか、そういう人はいなかったの」
トーラ:「……もったいないですね。こんなに魅力的な人がここにいるのに」
沙紗:「ほとんどはお店の中だけで閉じてしまいますから。客と店主と、それ以上の関係になることはほとんどないわ」
トーラ:「沙紗さんの腕ですから、お店を続けていれば、きっと……」

トーラ:「そういえば、お父さまの店を引き継いだということですが、お父さまはお元気でしょうか?」
沙紗:「……」 少し俯く
沙紗:「父は、少し前に他界してるの」
トーラ:「ご、ごめんなさい、つい……」
沙紗:「いいのよ。こんな話、他の人にはまだ話したことないのよ」



    BGM: 独り想うこと
        from イリスのアトリエ グランファンタズム(ガスト, 2006)
        Composed by 中河健


沙紗:「そうね、あれは7年前のことだったかしら。
    父は、あたしと同じように、毎日依頼をこなしてはいろんな場所に散策に行っていたわ。
    あの日は、あたしもついて行ったの。
    だけど、帰り道にあたしがドジを踏んだせいで、父はあたしの代わりに重傷を負ってしまって……」

トーラ:「……」
沙紗:「その日から父は仕事が出来なくなってしまった。家族はあたしと父だけだったから、あたしが仕事を継いだんだ」
沙紗:「あの人は、仕事熱心で、いつもお客さんのことを想ってた。だけど……
    何も握れなくなった父は、お客さんに対して何も出来なくなった自分を責めていたの。

    それでどんどん憔悴して……今から5年ほど前に病気で、他界したわ」


トーラ:「そうでしたか…… 失礼ながら、ごきょうだいは?」
沙紗:「あたし一人だけ。もう一人生まれる予定だったみたいだけど、その前に母も他界してしまったから」
トーラ:「……それで、女性ながら鍛冶のお仕事をされているのですね」
沙紗:「そう。でも、あたしは鍛冶の仕事に憧れてた。
    こんな形で継ぐことになるとは思わなかったけれど、勉強しておいて良かった。
    そうでなければ、路頭に迷っていたかもしれない」

沙紗:「4年前、クラスタニアに連行されても良かったとも……」
トーラ:「な、何を言っているのですか! そんなこと……」
沙紗:「クレンジング、でしょ? クラスタニアから帰ってきた人の知人から少し聞いてるわ」
トーラ:「……」

沙紗:「でもね。父の仕事を継いだからには、亡くなった父の分までお客さんのためになろうって思ったの。
    父を信頼して来てくれたお客さんは、あたしにとってもお客さんだから……」

沙紗:「今はもう、大丈夫」

しかし、トーラにはもう聞こえていないようだ。深く俯き、肩を震わせている。

トーラ:「そこまで知っているなら、どうして……」
トーラ:「どうして、そんなに、私たちに、優しく……」

彼女の頬を涙が伝う。

沙紗:「言ったでしょ? 良いレーヴァテイルにたくさん会ってきたって」
沙紗:「あたしたち人間にも、良い人も悪い人もたくさんいる。
    それは、多分レーヴァテイルも同じだと思う。
    それでも、人間に対して想ってるように、レーヴァテイルに対しても同じように想ってはいけないのかしら?」


トーラ:「……」
トーラ:「私たち、もしかしたら似た者どうしなのかもしれません」

小声でつぶやくトーラ。
しばらくの間、場を沈黙が支配する。ようやく、少し表情が明るくなったトーラが口を開いた。

トーラ:「……この話はやめにしましょう。ダイブに行くなら、もっと楽しくしないと」
沙紗:「そうですね」



    BGM: South Bridge

沙紗:「……ところで、具体的にダイブってどのようなことをするのかしら?」
トーラ:「まずダイブ屋に行って、ダイブマシンという機械に入ります。
     ダイブが始まると、ちょうど夢を見ているような感覚になるそうです。
     ただし、普通の夢と違って、ちゃんと意識的に行動できるそうですが。
     あとは、その“夢”の内容にしたがって、思うように行動するだけです」

沙紗:「……不思議だわ。そんな技術があるなんて」

        [雑談] ようやく表情がnumまで戻った
        [雑談] 未だにFou paksな感じ

ちょうど近くに来た店員を呼び止め、トーラはチーズケーキを追加で注文した。

トーラ:「沙紗さんはどれにします?」
沙紗:「いちごタルトかな」
店員:「チーズケーキといちごタルトですね。かしこまりました、暫くお待ちください」

トーラ:「……その分だともしかするともう聞いているかもしれませんが、
     クラスタニアではごく一般的に行われている行為です。
     ただし、その目的はこれから私たちがやろうとしているダイブとはちょっと違いますが……」

沙紗:「う、うん……」
トーラ:「まあとにかく、安全性は確保されていますのでそこの心配はありませんよ」
沙紗:「い、いえ、そういうことじゃなくて、その……」
トーラ:「?」
沙紗:「……」

恥ずかしさからか、テーブルに突っ伏している沙紗。
しかしトーラは全く事情が分かっていないようだ。

トーラ:「??? え、えっと……?」
沙紗:「やっぱり何でもありません。知らない方が良いこともありますから!」
トーラ:「…… は、はい……」
沙紗:「……」

上げた顔は、少し赤くなっている。少々後悔した沙紗のもとに、 ちょうどデザートが届いたようだ。

店員:「お待たせしました。ご注文のレアチーズケーキといちごタルトです。ごゆっくりどうぞ」

とりあえず無言でタルトを食べていく沙紗。しかし、

トーラ:「ここのレアはおいしいんですよ。一口食べてみます?」
沙紗:「一口目くらいは、自分で味わいましょうよ」
トーラ:「はい、あーん」
沙紗:「ちょ、ちょっと……むぐっ!」
トーラ:「ね、おいしいでしょ?」
沙紗:「おいしいっ」
トーラ:「甘い物はそんなに好きではないんですけど、これだけは例外なんです」
沙紗:「これは病みつきになるかも……」



トーラ:「ダイブ、今日はもう時間的に無理かもしれませんが、いつにしますか?」
沙紗:「あっ、もうそんな時間かぁ。すっかり忘れてた」

        [雑談] 夕方くらいからずっといますよね
        [雑談] yes 夕方からですね
        [雑談] 結構しゃべってるから、時間は経過してるはず
        [雑談] トコシヱ→上帝門の移動もしてるし

沙紗は時計を見つつ答える。

沙紗:「多分、今日ここに来た時と同じくらいの時間なら空いてると思う」
トーラ:「では、また明日……でもいいでしょうか? 今度はトコシヱで」
沙紗:「ええ。それで、トコシヱの何処にいたしましょうか?」
トーラ:「……そういえばトコシヱのダイブ屋ってどこだったかな? まあ、その時間帯になったら、お店に伺いますね」
沙紗:「依頼の内容によってはお待たせするかもしれませんが、その方がいいかもしれませんね」
トーラ:「はい」



沙紗:「では、一旦お開きにしましょうか」
トーラ:「そうですね」
トーラ:「トコシヱまで送りましょうか?」
沙紗:「いいえ、大丈夫ですよ。護身術は身につけていますから、悪党だろうがモンスターだろうが返り討ちにするわ」
トーラ:「ふふっ、そうですね」
トーラ:「今日は楽しかったです。では、また明日」
沙紗:「ええ、また明日」



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        [雑談] 結構ハイペースで文を紡いでた分、頭がオーバーヒートしそう……
        [雑談] 心震わす、魅力的なシーンでしたので……
        [雑談] 山場だったなー (なおまだダイブではない
        [雑談] なんだか怖くなってきたな





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