青の地平のトーラ プレイログ B組:CSLv.2 前半

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    文字色説明

    GM: トーラ  PC発言 行動説明、PL発言など  ナレーション、状況説明  雑談、システム文など
    SGM: カルム PC発言 行動説明、PL発言など
    PL :  沙紗   PC発言 行動説明、PL発言など



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  セッションB-2-2 2016/03/16
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    BGM: Di-Ve
        from ロビン・ロイドの冒険(ガスト, 2000)
        Composed by 土屋暁



  ダイブポイントの初期値は 1000 +【想い】×20 です。
  【想い】ロールをお願いします。


  11+2D 【想い】
  DiceBot : (11+2D6) → 11+6[4,2] → 17


  ダイブポイントの初期値は1340です。
  では、これからダイブを開始します。



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  Checking condition of clients...

  < Diver >
  Vital Signs: Normal
  Consciousness: Hypnotized

  < Revatail >
  Install Point Scanning: Completed
  Consciousness: Tranquilized

  DHW Connection Established.
  Determining Dive Level. . . Done

  Initial G.W.C.: 003000Hmag/s
  Start Frequency: 000080400Hz (Lv. 2)

  Extracting Cosmosphere. . . OK

  The dive got start successfully. Good luck!


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    BGM: ヴァルシャー(雨季)
        from メールプラーナ(ガスト, 1996)
        Composed by 山西利治



前回のダイブの記憶もまだ鮮明に残るまま、
沙紗はふたたびトーラのコスモスフィアへと降り立った。


石舞台の中心で目を覚ました沙紗の視界に飛び込んできたのは、
またも見渡す限りの大平原の姿であった。
だが、その様相は以前とは大きく異なっている。


かつて地肌を曝していた荒涼たる大地は、今やその大部分が緑に覆われている。
澄んだ青空の下、草木薫る爽やかな風が吹き渡り、沙紗の頬を優しく撫でる。


「次にダイブするときは、この荒野の姿は、びっくりするぐらい変わっているかもしれませんね」
レベル1の最後にトーラの発した言葉が、ここに現実となり、目前に広がっている――



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        cosmosphere.TORAI.Lv.2
        nowhere dense country <愛し疎国>

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沙紗:「うわぁ……」

目の前に広がる景色を見て、沙紗は驚いた。

沙紗:「こんなに良くなっているなんて。あの時トーラさんが言っていた通りね」

前回のダイブで、パラダイムシフトを起こした後のことを思い返す。
ほっと胸を撫で下ろし、しばし世界の空気を感じている沙紗。

沙紗:「良かった……」

カルム:<●><●> (遠くから見つめています)


        [雑談] 見つめすぎw
        [雑談] 位置的には後ろかな?
        [雑談] うん 今からそちら行くね


そこに後ろから飛んできたのはカルムだ。

カルム:「また会えたね、沙紗さん」


沙紗:「カルム! 久しぶりね」
カルム:「また、ダイブしてくれて嬉しいよ」
沙紗:「あたしもカルムに会えて嬉しいわ」

カルム:「前階層とは異なり、緑豊かな世界が形成されたね。これは沙紗さんのお陰なのかな?」
沙紗:「ううん」 首を横に振ります
沙紗:「これはね、トーラさん自身が頑張ったからだと思うの。あたしは、その手助けをしただけよ。
    だって、ここはトーラさんの精神世界だもの」

カルム:「沙紗さんはその様に思っているんだね。僕としても嬉しいよ。
     心がある人は、優しいし反応も面白い。やっぱり、トーラは良い人と出会えたんだね」

沙紗:「そ、そんなことないよ」

面と向かって言われるのは少し恥ずかしいようだ。

カルム:「トーラの幸せは、僕の幸せだからね。これからも、仲良くしてください」
沙紗:「もちろんよ!」


沙紗:「トーラさん、今度は何処にいるのかな」

カルムは沙紗の呟きを聞いて答える。

カルム:「何処にいるのかな? 向こう側に町が出来ているから、僕としては気になるね」

  ポインタ[凪の大平原][荒野の碑][永久の町]が開放されました。

カルムの視線を追って、沙紗も町の姿を確認した。

沙紗:「本当だ。それなら、行ってみましょ」



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  [凪の大平原]に移動します。ダイブポイントの消費はありません。


緑の平原の中、以前はなかった道を二人は歩いていく。

沙紗:「それにしても、本当に緑が豊かになってるわ」
カルム:「荒れ果てた地が、ここまで豊かになるとは思って無かったよ。
     心が癒されたから、緑豊かになったのかもね」

沙紗:「あたしも驚いた。信じてなかったわけじゃないのだけど、まだ多く残ってるんじゃないかなって思ってた。
    でも、この景色を見て安心したわ」


沙紗:「この景色は、トーラさんは見たことがあるのかしら……?」
カルム:「精神世界は記憶と妄想が入り乱れているから、どうなんだろうね?
     綺麗な景色を見たことがあるのか、それとも思い描いた世界なのかは、沙紗さんの想像に任せるよ」



        [雑談] いい答え >記憶と妄想が


沙紗:「そこは教えてくれないのね」
カルム:「トーラが許してくれるなら、本人に聞くのが手っ取り早いよ。
     僕は心の監視者だから、むやみに記憶を解放するわけにはいかないし」

沙紗:「この世界が記憶のものなのか、妄想のものなのか、今は分からない。
    けど、世界がこのように変わってるってことは、良い方向に心が変化して行ってるってことなのよね?」

カルム:「何も無い世界が豊かになるってことは、少なからず良い方向に進んでいるとは思うね」
沙紗:「なら、今はそれでいいかな。 ……そろそろ、町へ向かいましょ?」
カルム:「わかったよ。この先を進めばたどり着くよー」



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  [永久の町]に移動します。ダイブポイントを50ポイント消費します。
  DP: 1290

    BGM: 帝都の影
        from イリスのアトリエ エターナルマナ2(ガスト, 2005)



平原を歩くにつれ、道の両側に広がる原野はしだいに畑へと移り変わっていく。
ほどなく、沙紗は新しくできた町へとたどりついた。


小さな町ではあるが、店などの施設は一通りそろっているようで、人通りは多い。
しかし、どういうわけか、この町には活気があまり感じられない。
喫茶店のテラスで静かに食事を取る人々、ひそひそと立ち話をする女性、おとなしい子どもたち。
行き交う人々の表情は、一様に暗い。


町の広場に入ろうとした沙紗を、二人組の衛兵が呼び止めた。


衛兵A:「止まれ、何者だ?」

沙紗:「ええと……」

突然の事に驚いて、言葉が出ない沙紗。

  DP: 1290 → 1240

衛兵B:「待て、この人はこの町の鍛冶だ」
衛兵B:「……失礼しました、どうぞお通りください」

  ポインタ[鋼の庵]が開放されました。

沙紗:「あの、衛兵さん。これはどういうことなんですか?」
衛兵B:「どういうこと、とはなんでしょうか?」
沙紗:「町に入るのに、呼び止められたことについて、です」
衛兵A:「すみません、ちょっとした勘違いで……」
衛兵B:「いや、そういう話ではないだろう」
衛兵B:「でも、あなたもこの町の住人なら知っているはずでは?」
沙紗:「この町の、住人……?」
衛兵B:「ん? なんか怪しいな……」

  【話術】で判定 難易度20

  13+2D 【話術】
  DiceBot : (13+2D6) → 13+10[4,6] → 23



        [雑談] お店やってる人として、伝達力を上げていたのが功を奏しているな
        [雑談] 取得技能が役立ってる


衛兵B:「まあいい、もう一度伝えても問題があるわけではあるまい」
衛兵A:「最近、この町を治める領主殿が代替わりしたことは知っていますよね?」
沙紗:「ごめんなさい。言ってることがよく分からないわ」
衛兵A:「……? どこか旅にでも出られていたのですか?」
沙紗(この世界の人じゃないって伝えても、多分信用されないでしょうね……)
沙紗:「ええ、まぁそんなところです」

衛兵B:「なるほど。まあ、とにかくつい最近領主さまが代わったのです。
     その新しい領主さまが規則を作ったわけです。『調和律』というのを」

沙紗:「『調和律』……。その中に、さっき呼び止めた理由があるのね?」
衛兵B:「おっと、交代の時間だ。すみませんが、御触れを見るなり別の方に聞くなりしてください」
衛兵A:「失礼します」
沙紗:「あ、ちょっと……」

衛兵は足早に去っていった。

沙紗:「行っちゃった……」

まだ聞きたいことがたくさんあったのに、という顔をする沙紗。

沙紗(これだけ時間に厳しいことも、『調和律』に書かれていることなのかしら……)
沙紗:「さっき話してた鍛冶屋の場所も、聞きそびれちゃったなぁ。他の人に聞きながら行ってみようかしら」

独り言のようにそう呟くと、広場の中を歩いて行った。



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        [雑談] 沙紗さん、あまりごまかさなかったですね その結果、完全に怪しまれてましたが……
        [雑談] この町の記憶はないからね。むしろ怪しまれるべきかと
        [雑談] まあそういうところに性格が出るのも楽しみということで
        [雑談] 私の人間性がどんどんバレていくぜw



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  セッションB-2-3 2016/03/26
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沙紗は立ち話をしている女性達に近づいて話しかけた。

沙紗:「あの、少しいいかしら?」
女性A:「誰よ? この町の人?」
沙紗:「いいえ、あたしは今ここに来たばかりです」
沙紗:「ここに鍛冶屋があると聞いたのですが、知っていたら場所を教えていただけないでしょうか?」
女性A:「町の人じゃないのね、まあいいけど」
女性B:「鍛冶屋なら、確かあっちの方にあったはずです」

女性が指した方向をちらっと見てから、教えてくれた女性達に頭を下げる。

沙紗:「ありがとうございます」
女性B:「どういたしまして」


        [雑談] 少しだけ話をしてもいいですか?
        [雑談] 大丈夫ですよ ただし、この人たちが全部の情報を持っているわけではないです


沙紗:「それにしても、この街はいつもこんな雰囲気なのかしら? 少し、活気が無いように見えるけど……」
女性A:「こんな風になったのはつい最近よぉ、前はこうじゃなかったんだから」
沙紗:「最近?」
女性A:「そう、前の領主さまが亡くなられて、その娘さんが跡を継いで。それからこんな感じね」
沙紗:「そうなんですか……」
沙紗:「あ、ごめんなさい。邪魔しちゃって。教えて頂いてありがとうございました」

もう一度礼をして、沙紗は教えられた場所に向かった。



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  [鋼の庵]に移動します。ダイブポイントを50ポイント消費します。
  DP: 1190

    BGM: 小さな屋根の下で
        from イリスのアトリエ エターナルマナ2(ガスト, 2005)
        Composed by 中河健



どうやらこの町はトコシヱ隧道と構造がよく似ているようだ。
広場から少し離れた細い路地に面した場所、見知った建物が確かにあった。



沙紗(あれ? この建物……)
沙紗(私のお店……だよね?)


        [雑談] まさに前のレベルで作ったものです
        [雑談] なんとなく予想はしていたが、やはりか


沙紗(前の層で作ったもの、本当に残ってたんだ……)



工房の中には、今入ってきた沙紗とカルムの他に人影はなかった。

周囲には、各種の鉱石、導力坩堝炉、金床にハンマーなどがあり、
現実世界の沙紗の店の様子が――より正確に言えば、
トーラが訪れた時の状態が完全に再現されている。


しかしそうだとすれば、おかしい所がある。
トーラに納品したはずのナイフが、これ見よがしに柱に刺さっている。
それに、机の上に置いてあったはずの、トーラからの依頼品の設計図がどこにも見当たらなくなっている。




沙紗:「本当に、私の店なんだね……」
カルム:「ここが、前階層で作った工房だね」 (興味深く眺める)
沙紗:「あの時は、本当に残るのかな? って心の片隅では思ってたんだ。
    でも、この店を見たら……」 
少しだけ、顔を伏せて
カルム:「トーラが沙紗さんを認め、心を成長させたからね。僕は残ると信じていたよ」
沙紗:「そう……よね」

沙紗は辺りを見回し、柱に刺さってるナイフを見つけた。

沙紗:「! これって……」
カルム:「見覚えがあるのかい?」

ナイフを抜いて確認する。


それは間違いなくトーラの依頼品のサバイバルナイフだ。

ナイフの柄には青い髪の毛が一本巻き付いている。
どうやら、トーラがここに来ていたのは間違いなさそうだ。



沙紗:「このナイフ、ダイブする前に確かにトーラさんに渡したものよ」
カルム:「現実世界の物ってことだね」
沙紗:「そうよ。でも、どうして柱に刺さってたのかしら?」
沙紗:「それに、この髪の毛……」
沙紗(まさか、そんなことするわけ無いよね……?)
カルム:「巻き付いている髪はトーラの髪の毛だと思うよ。ってことは、何かを伝えようとしているのかな……」
沙紗:「トーラさんが、伝えようとしていること……?」

沙紗:「そういえば、まだこの世界でトーラさんを見てないわ」
カルム:「そうだね」
カルム:「僕が思う限り、刃物を無闇に使う人ではないし、工房内に刺さっていることに対して違和感を覚えるよ。
     現実世界で沙紗さんから貰った大切な物なら、保管場所を考えるはず」

沙紗:「たしかに……言われてみればそうよね」

沙紗:「ねぇ、カルム。さっきの女性の方が話していたことと、衛兵さんが話していたことなのだけど
    あれって、トーラさんに関係あると思う?」

カルム:「前領主と関係があるかが、はっきりしていないから、僕は分らないよ」
沙紗:「難しい質問でごめんね。どうしても頭から離れなかったものだから……」
カルム:「僕はもう少し、情報や手掛かりを探してみるしかないかな。
     今、工房で見たこと、人から聞いた情報。まだ、調べることは多そうだし」

沙紗:「そうね。もう少しこの街の人の話を聞いてみましょ」

沙紗はナイフを丁重にしまい、工房の外へ出ていった。



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  [永久の町]に移動します。ダイブポイントの消費はありません。

    BGM: 帝都の影


沙紗:「この街のこと、領主のこと、それから『調和律』のこと。聞かなきゃいけないことは多いわ」


        [雑談] 気になることは少なくないからなー
        [雑談] 情報収集をする場合、周囲で沙紗が話を聞けそうな人は次の通りです:

              1.青果の露店を出している行商人男性
              2.ベンチでぼーっとしている若い女性
              3.先ほどの女性二人組
              4.ひとりで遊んでいる男の子

            上の4組のうち3組までと話をすることができます。
            なお、人によって持っている情報が異なります。

        [雑談] まぁ、みんながみんな同じ情報持ってたら、それはそれで怖いな
        [雑談] この中で時の流れに敏感そうなのは……
        [雑談] 意外と子供も馬鹿にならない


沙紗はまず、青果の露店を出している行商人と話をすることにした。

行商人:「らっしゃい! なにか要り様で?」
沙紗:「すみません。買い物ではなくて……
    あたし、ここに来たばかりで訊きたいことがあるんです」

行商人:「はいよ」

沙紗:「最近領主が代わったと聞いているのですが、どんな方なのですか?」
行商人:「ああ、新しい領主ね」
行商人:「俺はこの町の住人じゃないもんで、あまり詳しくないんだが……
     代替わりしたと聞いて、営業の許可をとりに城に行ったときに見たな。
     見た目、お嬢さんとそれほど変わらない感じの歳だったなぁ」


沙紗:「そうなんですか。ということは、その方の名前はご存知なのですか?」
行商人:「ああ、波部(はべ)というらしい」
行商人:「だが、下手に名前で呼んだりしたら怒られるぞ?」
沙紗:「え?」
行商人:「? 何だって?」
沙紗:「どのように呼べばいいのでしょうか?」
行商人:「『領主様』が無難だろう、多分な」
沙紗:「なるほど……」


        [雑談] 迷いっぱなしですまぬ……すまぬ
        [雑談] むしろシナリオのコンセプトとして迷わせてるので問題なし


行商人:「せっかくだから何か買ってかないか? 安くしとくよ」
沙紗:「いいのですか? それなら、これとこれを……」 いくつか商品を指差します
行商人:「まいどあり!」

  沙紗は果物をいくつか買った。
  DP: 1190 → 1170

沙紗:「最後にもう一つだけ伺ってもいいですか?」
行商人:「お客さんなら大歓迎だ。なんだい?」
沙紗:「『調和律』には、どのような規則があるのですか?
    身近なものでもいいので、教えていただけないでしょうか?」

行商人:「ああ、住人以外にはあまり関係ない規則らしいから、把握してないんだ、すまないね」
沙紗:「そうなんですか……。商売の邪魔をしてしまって、すみませんね。
    色々教えて頂いて、ありがとうございました」


行商人:「ところで、さっき領主の話を聞いていたが、これから城に行くのか? 場所は分かってるか?」
沙紗:「そういえば……。どこにあるのでしょうか?」
行商人:「そうだと思ったぜ。城は、あの道をずっとまっすぐ行った先だ」

  ポインタ[暗星城]が開放されました。

沙紗:「ありがとうございます」

もう一度礼をして、沙紗は露店を去った。



        [雑談] 情報はそこそこですね
        [雑談] 少なすぎず多すぎず。誰に聞こうか迷うな
        [雑談] ベンチに座っている女性に話しかけます



次に沙紗は、ベンチでぼーっとしている女性の所へ向かった。

沙紗:「あの、少しお話よろしいですか?」
女性:「ん? あなたは誰?」




沙紗:「あたしは、つい先ほどこの街に来た者なのですが……
    この街について、お尋ねしてもいいですか?」

女性:「はいはい、なんでしょう?」

沙紗:「領主様が代わる前は活気があったと聞いているのですが、どうして今は皆暗いのですか?」
女性:「あー…… やっぱり暗いですよね」
女性:「あれです。最近できた法律のせいです」

沙紗:「『調和律』のこと、ですよね。あれは、どういう規則なんですか?」
女性:「この町の人じゃないんですよね? それならあなたにはあまり関係ないと思いますけど……」
沙紗:「いえ、正確には分からないんです。この街の衛兵さんは、あたしのことを知っていたみたいでしたが……
    でも、あたしにはこの街の記憶がないんです」

女性:「?? え、えーと……」

相手の女性は、意味がよく分からず混乱しているようだ。

沙紗:「ああ、難しく言ってすみません。もしかしたら、あたしにも関係あるのかなって……」
女性:「…… ま、まあいいや。“調和律”ですよね?」

女性:「『全ての人は、他の全ての人と友好的な関係になければならない』」
女性:「要は、『みんな仲良くしなさい』という規則」

沙紗:「えっと、それだけ……ですか?」
女性:「それだけです」
沙紗:「でも、それと何の関係があるのですか?」
女性:「もしあなたもこの町の人なら、すぐに分かると思いますよ……」

彼女はうんざりした顔で答える。

沙紗:「そう……ですか。教えて頂いて、ありがとうございました」

礼をする沙紗に対し、今度は彼女のほうから話を切り出してきた。

女性:「あの、こちらからも一つ、聞いてもいいでしょうか?」
沙紗:「は、はい」
女性:「もしかして、最近、この人を見かけませんでしたか?」

そう言って見せたのは、トーラの写真だ。

沙紗:「トーラさんを知ってるんですか!?」
女性:「この人はトーラというのですが…… え!?」 

驚きのあまり、大声を出してしまう沙紗。相手もまた驚いている。

女性:「トーラはあたしの親代わりの人です」
沙紗:「えっと……その……」
沙紗:「親代わりというのは?」
女性:「いえ、それはそのままの意味で、“親”の“代わり”です」
沙紗:「……」

少し放心状態になる沙紗を見て、女性は勘違いに気づいたようだ。

女性:「あっ、違って! そういう意味ではなくて!」
女性:「難しい言葉で言えば、『後見人』です」
沙紗:「そ、そういうことね」

沙紗:「トーラさんは、貴女にとってどのような人なんですか?
    後見人なだけ、というわけでもないですよね?」

女性:「…… まあ、それはそうかもしれませんが、今はそれどころではないんです」

女性:「話を戻すと、トーラ、ここしばらく姿が見えなくて、どうやら家にも帰っていないようで……」
沙紗:「そん、な……」
沙紗:「書き残しとか、何もなかったのですか?」
女性:「……」
女性:「……『逃げろ』、とだけ」
沙紗:「『逃げろ』……?」
女性:「そう、『捕まる前に逃げろ』と。理由は書いてありませんでした」
沙紗:「……」

女性:「それで……なにかトーラのこと、知っていませんか?」
沙紗(あのナイフは、これのことを指していたのかしら?)
沙紗:「あるとしたら……」

沙紗:「あるとしたら、このナイフくらいかしら?」

沙紗は先ほど工房から持ってきたナイフを、青い髪の毛と一緒に見せた。

女性:「……これは?」
沙紗:「このナイフはね、あたしの工房にあったの。柱に刺さった状態で。
    髪が巻き付いていたってことは、何か焦っていた状況なのかなって……。
    とにかくも、トーラさんはあたしの工房に入っていたかもしれない」

女性:「そちらには、手紙かなにかは置いてありませんでしたか?」
女性:「あたしの所は、ちょっとわかりづらい場所に置いてあったのですが……」
沙紗:「ううん、このナイフだけだったわ」
女性:「そうですか……」
沙紗:「もしかしたら、見落としていた可能性はあるかもしれないけど……」

女性:「わかりました、ありがとうございます」
沙紗:「いえ、こちらこそありがとうございました」
女性:「あたしももう一度探してみます」
沙紗:「あたしもそうしてみるわ。ところで、お名前は?」
カナメ:「カナメです」
沙紗:「あたしは沙紗よ。よろしくね」
カナメ:「……はい」


        [雑談] 2人め終了です どうしますか?
        [雑談] とりあえず欲しい情報は手に入ったので、工房に戻ります



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  [鋼の庵]に移動します。ダイブポイントの消費はありません。

    BGM: 小さな屋根の下で


沙紗(さっきは驚いてあまり見れなかったけど……もう少し冷静に見てみようかな)

沙紗はトーラの残したメッセージがないか、工房の中を逐一探し始めた。
まず最初にざっと見渡した感じでは、書置きのようなものは何もなさそうだ。

沙紗:「見えるところには置いてないか……」


        [雑談] どこを探しますか? チャンスは3回です
        [雑談] 探す場所を具体的に指定してください
        [雑談] 自分の店に何があるかを考えて、探索かな……?
        [雑談] 探索だね
        [雑談] 受付の机を調べるよ(引き出しとか)


沙紗:「まずは、ここからね」

沙紗は机の引き出しを一つ一つ開けて調べた。しかし、探している物はないようだ。

沙紗:「無い……ね。他にどこを探そうかしら」


沙紗(トーラさんが気にしそうな場所……?)
沙紗:「あたしの最初の作品が置いてある棚、かな」

沙紗は棚の上を調べた。念のため、置いてあるものをずらしてみたが、何もなかった。

沙紗:「ここにもないか……」


沙紗(何か、何かあるはずなんだけど……)

沙紗は、トーラと出会ってから、この工房に来た時のことを思い返している。


        [雑談] なかなか思いつかぬぅ


カルム:「室内も良いけど、工房外になにか無いかな?」
沙紗:「工房の、外?」
沙紗:「あの箱、確認してなかったわね……」
カルム:「工房を作ったけど、工房だけを作った訳ではないからね。見る場所は沢山あると思うよ」
沙紗:「すっかり失念していたわ。どうして中だけに固執してしまったのかしら……」
沙紗:「とにかく、外に出て確認してみるわ」


        [雑談] 工房の外にある箱(現実は依頼書投函ポストのつもり)を調べます


沙紗は依頼用のポストを調べた。
ポストの中には、折りたたまれた設計図が入っていた。
その裏面には、手書きの文章が書かれている。



    BGM: 虚空に咲く花
        from マナケミア(ガスト, 2007)




┌―――――――――――――――――――――――――――――――――

|  この手紙を読んでいるということは、きっと今頃
|  私は領主に捕まってしまっていることでしょう。

|  「調和律」を止めることに失敗し、
|  私は反逆者となってしまいました。
|  もしかすると沙紗さんにも影響が及ぶかもしれません。
|  私のせいで、本当に申し訳ありません。

|  どうか、万が一の前にここから逃げてください。
|  私のことは心配いりません。
|                          トーラ

└―――――――――――――――――――――――――――――――――




沙紗:「これは……」
沙紗(トーラさんが、領主に捕まった……!?)
カルム:「ああっ、手紙落したよ? 何が書いてあるのかな?」

思わず手紙を落とす沙紗。それを拾って読むカルム。

沙紗:「ねぇ、カルム。あたし、どうすれば……」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





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