アイリス

「私を友達って言ってくれたのは、あなたが初めてだから」

【名前】 アイリス
【読み方】 あいりす
【分類】 登場人物???
【登場作品】 『6』
【アニメ版CV】 仙台エリ

【詳細】

物憂げな表情を浮かべた小柄な少女。物静かな性格で滅多に笑顔を浮かべる事がない。
才葉シティウイルスに感染したロボット犬に襲われていたところを光熱斗が助けたのを切っ掛けに、『6』の物語は始まることになる。

神出鬼没の行動を取る謎多き存在で、あちらを歩いていたかと思えば、瞬間移動したかのごとく別の場所を歩いていることもあり、目を離した隙に遠くへ移動していることもあった。
また、プログラミング技術に長けており、その能力はカーネルフォースプログラムを奪ったことで落下の危機にあったスカイタウンを瞬く間に代理プログラムを組み上げて持ち直させるほど。
更に獣化して暴走したロックマンの行動を封じるような力を見せたり、強制的に電脳獣を分離させたりと超常的な力を発揮している。

+ 正体
その正体は、WWWを結成する前のDr.ワイリーアメロッパ軍在籍中に開発した軍事用ネットナビである。
元はカーネルに組み込まれていた「電子機器 制御能力」と「やさしさ」のデータであったが、それをカーネルから分離して「カーネルの妹」に当たるネットナビとして擬似人格を持たせた存在である。
元のデータの通り、あらゆる電子機器及びプログラムへ干渉して制御する能力に特化している。

アイリスがネットナビでありながら現実世界に現れるのは、ワイリーが開発して才葉シティで研究が進められているコピーロイドに自らのデータをインストールしているためである。
主に才葉学園の入り口から見える場所に置かれたコピーロイドの初期タイプを使用していた。
度々外を出歩いていたため、才葉学園では「勝手に動くコピーロイド」として噂にもなっていた。
また、『6』のシナリオで不自然な位置にあったコピーロイドは恐らく彼女が使っていたもの。

開発当初は自我が薄かった事もあり、ワイリーに言われるがままアメロッパ軍の軍事機械を操作していたが、ある日その処遇に疑問を抱いてアメロッパ軍から逃走する。
以後は電脳世界を彷徨い、開発したワイリーさえもその所在を把握できていなかった。しかし、光熱斗と接触し交流を持ったことでWWW側に所在を知られてしまう。

万博会場に偽装したWWWのアジトへ“偽の招待状”でおびき寄せられて捕縛された熱斗達を助けるべく、単身でWWWのアジトへと向かう。
そして“単なるネットナビ”としてワイリーに操られ、巨大コピーロイドにインストールされた電脳獣グレイガ電脳獣ファルザーの2体の制御に利用されるが、自我を取り戻して反抗する。
巨大コピーロイドの電脳にプラグインしてきた兄のカーネルと共に、電脳獣の片割れを倒す事に成功する。

しかし、もう1体の電脳獣が消滅寸前で苦し紛れにロックマンの身体を乗っ取ったため、カーネルと合体して“完全体カーネル”となり電脳獣をロックマンから引き剥がすことに成功する。
この時、ワイリーが仕込んでいた二人の合体を阻止するための自爆プログラムを利用し、引き剥がした電脳獣を道連れにする形で完全に消滅した。

彼女は現実世界で光熱斗とふれあいを重ねる内に、熱斗に対して淡い恋心を抱くようになっていった。電脳獣を道連れにする直前で、遺言として想いを熱斗に伝えようとするも、自身がネットナビであることを理由に諦めをつけてやめてしまう。
それに対して熱斗はというと、恋愛には相変わらず鈍感だったため、全く気付く事はなかった。
しかし、熱斗がアイリスを大切な親友の一人として常に気にかけていた事は疑いようがなく、熱斗の友情がアイリスの感情を揺り動かし、最終決戦へと誘ったことは確かである。

最後の最後でワイリーが完全に更生したことについて、桜井メイルから「ワイリーの心にアイリスが戻ってきた」と語られており、消滅後もアイリスは「優しさ」の象徴として主要人物の記憶に残っていく。
その後、獄中のワイリーはインターネットの破損箇所を自動で探知・修復する「リカバリーシステム」の開発に携わり、完成したシステムに彼女の名前を冠している。

なお、作中で気絶した状態で人質にされた際「電気ショックで気を失っているだけ」と語られているが、彼女がそもそもコピーロイドにインストールされたネットナビであるというのは前述したネタバレの通りである。
…人が気絶するほどの電流なんか浴びせたら、コピーロイド自体が故障してしまいそうなものだが、この時点でアイリスの正体がバレたりしなかったのだろうか?(アニメでは、熱斗を敵の攻撃からかばって気絶した事でコピーロイドが機能を停止し、彼女の正体が露呈している)

+ 元ネタとなったキャラクター
元ネタは『ロックマンX4』に登場する同名のレプリロイド。
世界観や設定が全く異なるため同列に語ることは不可能だが「カーネルの妹」という設定だけはそのまま引き継がれているため、X4既プレイ者なら名前を聞いだけでカーネルとは無関係ではないことが何となく察せてしまう。
元ネタの方ではゼロに、エグゼ世界では誰かさんに恋心を抱きながら、どちらも最終的には「アイリスの死」という悲恋で終わる事も地味に共通している。
敵ナビとして誰かさん(より正確にはその双子の兄の生まれ変わり)に討ち取られたわけじゃないのがまだ救いか…。
もし原作をより忠実にオマージュした「敵となったアイリスを自らデリートする」という苦い結末であれば、友人を手にかけた誰かさん兄弟も、同名キャラの悲劇を繰り返す事になるX4の顛末を知るプレイヤーも「俺は一体何の為に戦っているんだ」となっていた事請け合いなので、死という結末こそ同じでもこのような形が正解だったのかもしれない。

+ アニメ版
『BEAST』第7話で姿を現し、第8話から本格的に登場。
アニメ版では、「人間の少女に見える姿」ではない「ネットナビとしての姿(ただし、こちらは、あくまで素性を隠すために用いる仮の姿)」も存在する。ピンク色のリンクPET_EX(エンブレムは髪飾り)を所持している。
その姿の時のカラーリングはトリルのような薄い黄色を基調としたもので、目の部分は仮面によって隠されている。
トリルからは「お姉ちゃん」と呼ばれている。

並行世界・ビヨンダードの存在で、ビヨンダードのカーネルの妹。
光正博士の意志を受け継ぐリーガルをはじめとした善良な科学者たちのディメンショナルエリア実験を利用したDr.ワイリーが引き起こした「獣化因子戦争」に身を投じることを決意したバレル大佐により、カーネルから愛や優しさといったデータが抜き取られた。
このデータを処分することを躊躇した光正によって、アイリスが作られた。

その後、獣化因子戦争を終結へ導ける「シンクロナイザー」として作られたトリルの世話係を任されたのだが、トリルが実験の途中で逃げ出しこちらの世界へやって来たことで、自らも追ってこちらの世界へやって来た。
現実世界での活動を可能にするため、ビヨンダードの光正博士に「物質を電子データに変換し瞬間移動が可能なコピーロイド」を授かっている。ネットナビでありながら現実世界に現れ、かつ神出鬼没だったのはこれによるもの。

トリルをビヨンダードへ連れ戻すため、誰にも見つからないよう隠れながら、トリルと融合し獣化するロックマンの暴走を静止し融合解除を行うなどの活躍を見せる。
この時はコピーロイドを用いて人間の少女の姿で現実世界におり、PETをプラグインして電脳世界に仮面の少女ナビを送り込むという演出をしていたため、当初はアイリスが仮面の少女ナビを所持していると思わせる演出をしていた。*1

第8話で熱斗達が通う秋原小学校へ転校生として現れる。これは、トリルがロックマンに何故か懐く理由を探るための行動であった。

第7話、第11話で炎山と出会っており、それ以来彼からは特別な秘密を握っている存在として秘密裏に調査されており、「獣化ロックマンを制御できる仮面の少女ナビの正体がアイリス」という限りなく近い確信をされていた。
第12話で、ついに自身やトリルがビヨンダードの存在であることを明かす。

第20話にて、ゾアノヤマトマン率いるゾアノ兵の攻撃を受けてしまい、コピーロイドが破損して現実世界にいられなくなってしまった。
その後に熱斗達が辿り着いたディメンショナルエリア研究所で、自分の正体・素性を明かす。コピーロイドが修復され再び熱斗達と共に活動が可能となったのだが、グレイガ軍のゾアノロイドと化した兄・ゾアノカーネルと出会ってしまう。

第23話にて、トリルのシンクロナイザーとしての力で自らカーネルと融合することで、ゾアノカーネルの獣化因子を抑え込んで本来のカーネルとしての人格と記憶を取り戻すことに成功するのだが、完全に獣化因子の影響が消えたわけではなく、第24話「ワイリー研究所」にて獣化因子によってバレル大佐や仲間達の足手まといになることを拒んだカーネルは、アイリスを逃がして自ら自爆しデリートされた。
最終話で獣化因子戦争が集結した後は、トリルと共にビヨンダードに残り復興していくことを目指す。

アニメのアイリスが生存したまま物語が終了するという結末は、ゲーム及び元ネタであるX4、ひいてはそのメディアミックス群での彼女「達」の顛末を考えると生存エンドというのはかなり珍しい展開と言える。

『BEAST+』では第25話にて、キャッシュの作り上げた世界の住人として登場。
世界もアイリスも他の人間もキャッシュデータにより再構築された幻である。
熱斗の友人としての明るい姿を見ることが出来る…と言えば聞こえはいいが、元のアイリスはネットナビなので当然この彼女はジャミングマンが化けた偽物である。


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最終更新:2025年03月28日 23:11

*1 実際にゾアノスワローマンやゾアノダークマンには、アイリスがトリルに関する秘密を握る仮面の少女ナビを持っていると思われ、狙われた。