バレル

「オレには返さねばならぬ恩がある・・・」

【名前】	バレル
【読み方】	ばれる
【所有ナビ】	カーネル
【登場作品】	ゲーム：『5』『6』 アニメ：『Stream』『BEAST』
【アニメ版CV】	千葉一伸 樫井笙人(老年期)

【詳細】

カーネルのオペレーター。
アメロッパ軍の元 総司令官で、軍隊で活動していた頃は「不死身のバレル」と呼ばれていた人物。

モチーフは『ロックマンDASH』シリーズの「バレル・キャスケット」から来ている。
『ロックマンDASH』におけるバレルは「ロール・キャスケット(*1)」の祖父であり、気さくでユーモアな性格をした老人。
名前以外の要素は一切引き継いでいない…と思いきや、『Stream』に登場した老バレルの容姿は「眼球部分を覆うレンズをつけていないバレル・キャスケット」というものであった。

初登場は『5』。「とある人物」からネビュラの野望の阻止を依頼され、チームオブカーネルを結成しようとしていた。
そのメンバー候補として過去に何度も事件を解決した実績のある光熱斗に目を付け、実力テストと称して偽の科学省の事件を引き起こし、熱斗とロックマンの前に姿を現した。

シリーズでも珍しい「血縁者ではないが常に熱斗の味方である大人の指導者」であり、作中ではロックマンをネビュラに攫われ弱音を吐く熱斗を殴りつける場面もあった(*2)。

なお、ブルース版にも脇役ではあるが登場する。
同じく「ある人物」からの依頼によりチームオブブルースとは別ルートでネビュラに対抗しており、ネビュラグレイ撃破後に熱斗とDr.リーガルの前に現れる。
ちなみにカーネルの方もブルースの救助やネビュラグレイ撃破の手助けに来ており、そのオペレーターの顔見せという形ともとれる。
続く『6』ではどちらのバージョンでも「WWWの司令官」という立場で熱斗と敵対。その事実を知った熱斗は強いショックを受けていた。

元々Dr.ワイリーとバレルの父親は友人の関係であり、軍人である父親に変わってワイリーがバレルを育てていた。
すなわちワイリーはバレルの育ての親に当たり、カーネルもワイリーから与えられたネットナビであった。
前作『5』でネビュラの野望の阻止を彼に依頼したのもワイリーである。
その父親の死をきっかけにネットワーク社会への復讐心をより強めたワイリーは本格的に活動を開始する。
電脳獣に目を付けたワイリーに対して、バレルは育ての親である恩もあってワイリーには反対できず、「電脳獣の復活計画」に協力していた。
従いつつもバレルは心の中で「ワイリーに昔の優しい心を取り戻してほしい」と願っており、最終的に反旗を翻し熱斗とともにワイリーと対峙した。

なお、バレルの父親の死を知ったワイリーはある種の覚悟としてカーネルから「優しさをつかさどるプログラム」と「あらゆる電子機器を自由に操れるオペレーション能力」を分離し、冷酷な戦闘ナビへと作り変えている。
この際に取り出したデータを利用して作り出されたのがアイリスである。
その経緯からアイリスはカーネルの妹に当たるため、バレルはカーネルと同様にアイリスのことを気にかけていた。
『6』ではその事を利用されてチロルたちにアイリスを人質に取られ、暴行を受けてしまうシーンもある。

また、熱斗の才葉学園での担任である麻波剛とは友人で、軍隊時代に空手で対戦し友情が芽生えたという経緯を持つ。
娘の手術費用に困っていた麻波剛をWWWに誘ったのもバレルである。

電脳獣との決戦の後、フォースプログラムの暴走でWWW本拠地が爆発してしまう中、バレルはワイリーの傍に残りそのまま爆発の中へ消え行方不明となってしまう。
エンディングでは熱斗への卒業祝いとしてアイリスが使っていたコピーロイドがまりこ先生経由で届けられるが、その後のスタッフロールでコピーロイドを渡すバレル本人が映るので、どうやら生存はしている様子。
エンディング後に20年後が描かれているがバレルの動向は公式説明がない。

アニメ版

「バレル大佐」と呼ばれており、熱斗の事はゲーム版の「光」から「熱斗くん」と呼んでいる。

Stream

『Stream』ではアメロッパ軍大佐で「不死身のバレル」の異名を持つ点は同じだが、特殊な設定で登場している。

第2話で老人の姿でこの時点で存在するはずのない「プログレスPET（傷つき）」を所有している。
8話でセリフ後に死亡し、2日後に埋葬された。

現代の老化したバレルは既にデューオの試練を達成していた経験があるため、自分が死亡する前に旧友であるDr.ワイリーを呼び出し、

• カーネルがサイバーワールド内で時空移動が可能な「時空サーベル」
• 過去には存在しない現代の最新型PET（プログレスPET）のデータ
• プラグイン装置（過去にはワイヤレスプラグイン端子がないため、ケーブル端子にこれを装着してワイヤレスプラグインを可能にする）

の3つを作らせてバレル自身が過去の自分へ送信することで、現代の熱斗たちがデューオの試練に立ち向かえる手筈を整えていた。

遡ること20年前のバレル（ゲームで見られる姿）は、軍の訓練中に未来から飛んできたデューオの光を浴び、デューオの紋章を持つ1人に選ばれる。(*3)
そして前述の3つの道具が未来の自身から送信され、デューオの試練に選ばれたことを自覚し、カーネルを未来へ送り込み、熱斗やロックマンたちをサポートしていく。

物語中盤にあたる劇場版『光と闇の遺産』で、Dr.リーガルのネビュラグレイを用いた地球電子化を防ぐべく(*4)、過去と未来でスペクトルが同時稼働していることから生まれた時空間の歪みに飛び込み、20年後の未来（現代）へとタイムジャンプし、初めて熱斗と出会う。
ワイヤー仕込みの鉄棒と高い身体能力、軍事兵器の知識を以て熱斗を窮地から救う。
ネビュラグレイを撃破した後、熱斗達の行く道を確保するため、閉じ行くシャッターにプログレスPETを投げ込んで時間を稼いで別れたのだが、この時にPETに傷が付いている。

その後の本編第31話にて、炎山の調査と劇場版での出来事を踏まえ、以下の結論が出された。

• 度々助けてくれるカーネルはアメロッパ軍所属（軍事機密）でオペレーターはバレル大佐
• 現代のバレルは第2話のデューオの試練開始直後に50歳で死亡（老衰）し、第8話で葬儀が行われた
• ネビュラグレイ事件で出会ったバレルは20年前の姿であるが、20年での急激な老化(*5)が謎
• 出会ったバレルは過去から時空を超え未来へやって来た

第32話では、サイバーワールドのあらゆるロックを解除できるプログラムを用いて金庫破りを続け、アメロッパ軍の軍事データにまで手を出したジャッカス(*6)を逮捕した後、シェードマンを追い過去へやってきたロックマンを保護する。
ロックマンが未来へ帰った後、切れゆく回線の中で「デューオの紋章を持つ仲間を集めろ」と助言を残した。

そして第50話にて、デューオの紋章を全て揃えデューオの彗星を制御し地球抹殺を阻止するため、過去のスペクトルと現代の時空タワーの2つを用いて、20年前のバレルが命がけで現代へタイムジャンプを果たした。
直後、現代のワイリーからシンクロチップを託され、クロスフュージョンしてクロスフュージョンメンバーと合流。

最終話「新たなる未来へ」では抹殺されてしまった地球を取り戻すべく、デューオと戦うことを仲間たちと決意するが全く歯が立たない。
それでも自分達のネットナビとの絆をデューオに理解してもらうため、カーネルと共にデューオと融合し、気の遠くなるような長い宇宙の旅を経て地球が再生する。
バレルはこの長い時間を経たため急激な老化を起こしてしまっていた。

BEAST

第14話で並行世界・ビヨンダードの住人として「不死身のバレル」の異名を持つ軍人として登場。
ビヨンダードに飛ばされて早々、道も戦い方も分からずピンチに陥った熱斗を助けている。
互いの素性を明かす会話の中で、熱斗は自分達の世界にも軍人のバレルがいたことを話していた。

生身の戦闘手段はこちらの世界（過去）のバレルと同じく、ワイヤー仕込みの鉄棒。

ビヨンダードのワイリーが起こした「獣化因子戦争」を止めるべく、抵抗勢力として戦い続けている。
そのため、カーネルの愛や優しさなどの感情データを抜き取ることを光正博士に頼み、戦いに徹するための戦闘マシーンにしている。(*7)

同じ抵抗勢力の覆面隊長（マサ）とは旧知の仲のようで、合流した際には「マサ」と呼んでいる。

グレイガ軍基地へ乗り込むが、グレイガの成長が予想外の強さだったために返り討ちに遭い、カーネルを失う。
そして第21話にて、ボロボロの状態でディメンショナルエリア研究所に辿り着き、熱斗たちに助けられるが、カーネルがグレイガ軍のゾアノロイド・ゾアノカーネルとなってしまったことを打ち明ける。
ゾアノカーネルの襲撃で大怪我を負い、パクチーの村で治療を受けることに。

第23話でパクチーの静止を振り切りながら、彼女と共に熱斗たちと合流しカーネルに対抗しようとする。
トリルがシンクロナイザーの力を発揮したことでカーネルとアイリスが元の1つの姿になり一時的に本来のカーネルを取り戻すが、第24話「ワイリー研究所」にて研究所のディメンショナルエリア突破にあたってカーネルが自爆デリートする。
その後も最後までパクチーと共に熱斗たちと同行し続け、獣化因子が消えていく世界の姿を見届けた。

ちなみにビヨンダードでのバレルの活躍は、次シリーズ『BEAST+』第1話にて、熱斗がはる香に「獣化ウイルスをちぎっては投げ、ちぎっては投げ…」と熱弁していた。

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【他言語版での名称】

言語		名前
英語		Baryl
中国語	簡体字	巴雷尔
	繁体字	巴雷爾

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*1 言わずもがな、エグゼ世界でのロールポジション

*2 なお、この場面は対となる『チームオブブルース』では「弱音を吐く熱斗を炎山が叱咤し、激昂してしまった熱斗が炎山を殴る」という描写であり、殴る方と殴られた方の立場が完全に逆になっている

*3 友人であるワイリーに念のための身体検査をされた際、デューオの紋章データの唯一のオリジナルバックアップを取ってもらっていたが、これは5年後の未来（現代では15年前）の飛行機事故でデューオのプローブとなったリーガルにより盗まれたことが第47話「なんでおまえがここにいる」で明らかになる

*4 恐らくはデューオの試練が達成できなくなることを阻止するため

*5 推定年齢が50歳程だが、熱斗は100歳ぐらいと評している。

*6 金庫破りのジャッカスについては、第29話「金庫破りの男」にて、現代においてラットがジャッカスの手口を真似るためにロック解除プログラムを集めていた。その事件を炎山とラウルが調査していく過程でジャッカスに辿り着き、ジャッカスの回想で第32話で逮捕された際の記憶が再現されている。この時、炎山はバレルが何者かを知らず、20年前にもカーネルが活躍していた事実を初めて知った。

*7 抜き取ったデータは光正が処分するには惜しいと判断したためアイリスとして構築され、トリルの世話係となった。