トリル

【名前】 トリル
【読み方】 とりる
【登場作品】 『BEAST』『BEAST+』
【CV】 下屋則子

【詳細】

アニメ版のオリジナルキャラクター
容姿にロックマンと似ている点が幾つかある、赤ん坊ナビ。(外見は人間換算ならば3~4歳あたり。)

ロックマンと融合することでロックマンを獣化させたり、ウイルスを封じ込めて自分の玩具にする、大声で泣くことでサイバーワールドほぼ全域に影響を及ぼす、赤ん坊から子供へ成長するなど、見た目からは想像もできないほど強力だが謎が多い数々の能力を持つ。

その正体は、並行世界・ビヨンダードディメンショナルエリア研究所にて、獣化因子戦争を終結させるべくビヨンダードの光正博士によって作られた、獣化因子に対する抗体「シンクロナイザー」。

ロックマンにだけ懐いたり、ロックマンと融合し獣化する理由は、ロックマンがこちらの世界の光正博士のデータ(究極プログラム)を基に光祐一朗が作り上げたナビであり、トリルもまたビヨンダードの光正博士によって作られたナビであるため、世界は違えど同じ光正のデータが共鳴していることによる。
ロックマンの獣化の発現は、獣化因子に対する抗体が作用しシンクロナイザーとして獣化能力を引き起こしているため。

獣化因子戦争を終結させる力を持って作られているが、その抗体故に使い方を誤れば獣化因子をより強大にしてしまうという一面も併せ持っているため、諸刃の剣となっている。

ロックマンとは真逆で幽霊など怖いものも大好きで、好奇心旺盛。
それ故、ビヨンダードのディメンショナルエリア研究所での実験は退屈だったために自ら研究所を脱走し、こちらの世界へやってきてしまった。
ビヨンダードの光正博士が、アイリスを世話係としていた事から、彼女のことを「お姉ちゃん」と呼んでいる。
また、アイリスは獣化したロックマンの融合・分離を制御することが可能。

BEAST

登場~成長

『BEAST』第1話「ビヨンダード」にて赤ん坊の状態で初登場。

こちらの世界の旧アメロッパ軍基地のサイバーワールドに、次元の亀裂「フォッサアンビエンス」と共に突如現れた。

この時サイバーワールドでは、ビヨンダードの2体の電脳獣が衝突しフォッサアンビエンスを発生させるなど、こちらとビヨンダードの2つの世界に綻びを生じさせていたため、異常な気温上昇が続いていた。
この気温上昇により、『Stream』第32話「時空戦争」で20年前のサイバーワールドに取り残されたダークロイド唯一の生き残りであるバブルマンは、この時代(デューオの試練の最中)のカーネルに施された凍結封印*1から20年の年月を経て現代で自然解凍され、偶然にもトリルを発見。

最初は名前が不明で、ロールが「ビープ」と名を付けたが、ロックマンが唐突に「トリル」と呼び始め、以後もずっとトリルで通したことで早々に無かったことにされた

バブルマンがニホンインターネットシティに戻ってきたところでロックマン達に目撃され、トリルはロックマン達の手に渡った。
直後、出現した電脳獣とロックマン達が交戦している中、ロックマンに触れた瞬間にロックマンと融合し「獣化」を果たした。

ブルースサーチマンロールにはまるで懐かずロックマンにだけ懐くということでロックマンが疲労に悩まされる中、第3話「コピーロイド」の最後で、なんと赤ん坊から成長し子供になり、言葉もいきなり話せるようになった。
人間でいう6歳あたりだろうか?

シンクロナイザーという正体

2体の電脳獣「グレイガ」「ファルザー」からは、「獣化因子を持たないビヨンダードのネットナビであるロックマンが、何故自分達(獣化因子を持つ者)と同じように獣化できるのか」という疑問を抱かれる。
電脳獣達は自身の配下であるゾアノロイド達に、ロックマンが獣化する秘密を探らせ、彼らはその秘密がトリルにあり、さらにトリルがシンクロナイザーであることを突き留める。
これにより、電脳獣は獣化因子戦争に勝利するためトリルを突け狙うようになる。

ゾアノロイド達に狙われた際、意図せずロックマンと融合し獣化、暴走を繰り返してしまうのだがその暴走は、姿を隠したアイリスによって解除される。
この一連の事象に疑問を抱いた炎山は、トリルの秘密はアイリスが握っていると勘付いて、ネット警察主導で彼女と出会おうとする。
そうして第12話「トリルの秘密」にて、熱斗達の前でアイリスにより、「トリルもアイリスもビヨンダードの存在」「トリルは獣化因子戦争を終結へ導くカギ」であると明かされた。

その後、グレイガ軍のゾアノダークマンにアイリス共々捕縛され、ビヨンダードへ送還されてしまう。

生まれ故郷ビヨンダードにて

第14話「ビヨンダード2」では飛ばされた早々、アイリスによってタッチペンに入れられ逃がされる。
そのタッチペンは新垣コジローに拾われ、彼の豊漁を導くお守りとして活用されてしまう。
絶えずロックマンを呼ぶ声は発していたのだが途切れ途切れであり*2、熱斗達に発見されるまでにやや時間がかかった。

第19話「湖の秘密であ〜る」では、ディンゴと共にカレーの材料の肉を探しに行った矢先で偶然にも、ゾアノダークマンの部下であるキャプテン・クロヒゲチロルが構える城の中でアイリスを発見し合流。
さらに、ビヨンダードでアイリスの制御を用いたロックマンとの融合で、ロックマンが暴走しない獣化を行えるようになった。

第20話「ディメンショナルエリア研究所」で、自身の出自や秘密が全て明かされ、第23話「カーネル暴走」でシンクロナイザーとしての力を発揮し、グレイガ軍のゾアノロイドとなったビヨンダードのカーネルをアイリスと融合させ獣化因子を抑え込み、元の一つの姿に戻した。
しかし、その直後、クロヒゲのダイブマンに捕獲されてしまい、ビヨンダードのDr.ワイリーの手に渡る。

第24話「ワイリー研究所」にて、グレイガがファルザーを討ち取るという形で決着がついた直後、ワイリーがトリルの力で2体の電脳獣を融合させ、電脳獣を超える「超電脳獣グレイザー」を生み出した。
その余波でトリルの身体はデータ分解を始めてしまうのだが、祐一郎の機転で「同じ光正のデータを持つロックマンにトリルのデータを組み込むことで、ロックマンがシンクロナイザーになれる」という事実が明らかになる。

トリルと融合しシンクロナイザーの力を得たロックマンは、その力で2つの世界の獣化因子を消していくことに成功するが、ワイリー(グレイザー)はロックマンに獣化因子を注入することで阻止。
しかし、シンクロナイザーとしての力を発揮した状態で熱斗が決死の覚悟でクロスフュージョンしたことで、シンクロナイザーの力を持った新たな獣化スタイルのCFロックマンが誕生。
獣化因子に対する抗体であるシンクロナイザーの力により、獣化因子そのものであるグレイザーの攻撃を完全に無効化し破壊、シンクロナイザー本来の用途で獣化因子戦争を終結へ導いた。

熱斗達が元の世界へ戻っていく中、アイリスに「あなたも彼らと共に行っていい」と告げられるが、トリル自身は「自分の力で被害を及ぼしてしまった」「別れるのは嫌だけどロックマンみたく強くなってみんなを助ける」ため、アイリスと共にビヨンダードへ残り、大好きなロックマンと別れる決意をした。

BEAST+

こちらの世界のキャッシュサーバーには、アイリス共々そのデータが保存されていた。

地球上の全てのデータを吸収してしまったキャッシュ2ndの中で、熱斗とロックマンを救出すべく、自身はキャッシュデータの中から現れ、熱斗とロックマンを封印から解き放つという、キャッシュデータでありながらも恐るべき能力を披露した。

人格としてはロックマン達と過ごした子供時代のトリルそのものであり、キャッシュによって構築されたファントムナビ達とは違って、熱斗とロックマンを助けるという行動をとった。

【余談】

トリルはビヨンダードではシンクロナイザーと呼ばれているが、こちらの世界のロックマンが光正の「究極プログラム」を基にして作られ、光正の似たデータ同士が共鳴するのであれば、トリルもまた「究極プログラム」を持つナビと捉えることも十分にできる。

特に獣化因子に対する抗体でありながら、『BEAST+』最終話でキャッシュデータとはいえ熱斗とロックマンをキャッシュの封印から解き放つという恐るべき力を見せている。

その場合、前作『Stream』の劇場版『光と闇の遺産』にて登場した、究極プログラム同士の融合体であるフォルテクロスロックマンと酷似する部分も出てくる。
あちらは光正が作り上げたファラオマンの究極プログラムが自己再生しその究極プログラムを持つフォルテと、光正の究極プログラムを基に光祐一朗が作り上げた究極プログラムを持つロックマンの融合であり、この2体のナビにも光正が関与している。
アニメ内における獣化が、劇場版のフォルテクロスロックマンと似たようなパワーを発揮しているのもそういったことによるものだろうか。

また、「トリル」とは音楽における装飾記号で「その音とその2度上の音を速く反復させて音を揺らす」というもの。
音ゲーでは、A→B→A→B…のように2つの配置を交互に繰り返す譜面パターンのことを指す。
『Stream』に登場したアニメオリジナルナビのスラーも、音楽用語に由来する名となっている。

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最終更新:2025年06月08日 14:42

*1 過去の存在であるカーネルが、未来の存在であるバブルマンをデリートすると未来に悪影響を及ぼす可能性があるという判断から、コオリホウガンで封印されていた。

*2 トリル曰く、タッチペンの中は寝心地がよかったため。