「Q&A。ところでごろうじん」
「んあ?なんだい」
「わたしがのるよていの機体のなまえについてなんですが…」
「『シャオリン999』、いい名前だろう?」
「Q&A。いや、そうではなくてですね。知ってのとおりわれわれ『情報同盟』のオブジェクトにはその機体がもつせいのうに因んだなまえがつけられます。しかし、あの『シャオリン999』はそれがあてはまりません。なぜです?『シャオリン』とはいったい?」
「ああ、そんなことかい。あたしゃ元々遊び心の欠片もない名付け方が気に入らなくてねぇ」
「Q&A。あまりおおきな声でいわないほうがよいかと。『反逆罪』にとわれますよ」
「こんなくたばる寸前のババアを牢獄にぶち込んでどうするってんだい!血税を使って老いぼれを養ってくれるなんて、いつから『情報同盟』の福祉はそんなに豊かになったのさね!うぅ……ゲホッ!、ゲホッ……」
「Q&A。あまりおおごえを出さないでください。ほら、酸素吸入器です。すって」
「すまないねぇ。さてどこまで話したか。確か『シャオリン』についてだったね」
「ええ」
「なぁに、あたしの長い人生の中で短い間だったけど明るく照らしてくれた奴の名前だっただけの話さ。つまらなくて悪かったね」
「……Q&A。たいせつな方だったんですか?」
「それなのに同じ名前を付けた存在を戦場に送り出すなんて、あたしもだいぶイカれちまってるね。でも最後の作品になるかと思ったら名付けずにはいられなかった」
「………」
「なぁ、お嬢ちゃん。ババアのちょっとした遺言を聞いてくれるかい?」
「ゆいごんなんてそんな……」
「いや、おそらくこいつが完成したらすぐにお迎えが来る。自分の身体のことは自分が一番よくわかっている。ああ、整備マニュアルは既にまとめてあるから心配しなくていいよ」
「…Q&A。わかりました。きくだけききましょう」
「ありがとね。まぁなんだ、当たり前だけど難しいことさね。なるべく『シャオリン』を長く使ってやってほしい。こいつはかわいいあたしの子供なんだ。あまり長く生きられなかった『アイツ』に代わって、いろんなものを見せてやってほしい。そんだけさ」
「……」
「……シェリー?」
「Q&A。そんなことでいいんですか?言われなくともわたしは『シャオリン999』とかちつづけますよ。『最果てのナンバーズ』ですから」
「アッハッハ!生意気言うようになったじゃないかい!…あぁ安心した!『シャオリン』を頼んだよ、シェリー=アクダクト」
「んあ?なんだい」
「わたしがのるよていの機体のなまえについてなんですが…」
「『シャオリン999』、いい名前だろう?」
「Q&A。いや、そうではなくてですね。知ってのとおりわれわれ『情報同盟』のオブジェクトにはその機体がもつせいのうに因んだなまえがつけられます。しかし、あの『シャオリン999』はそれがあてはまりません。なぜです?『シャオリン』とはいったい?」
「ああ、そんなことかい。あたしゃ元々遊び心の欠片もない名付け方が気に入らなくてねぇ」
「Q&A。あまりおおきな声でいわないほうがよいかと。『反逆罪』にとわれますよ」
「こんなくたばる寸前のババアを牢獄にぶち込んでどうするってんだい!血税を使って老いぼれを養ってくれるなんて、いつから『情報同盟』の福祉はそんなに豊かになったのさね!うぅ……ゲホッ!、ゲホッ……」
「Q&A。あまりおおごえを出さないでください。ほら、酸素吸入器です。すって」
「すまないねぇ。さてどこまで話したか。確か『シャオリン』についてだったね」
「ええ」
「なぁに、あたしの長い人生の中で短い間だったけど明るく照らしてくれた奴の名前だっただけの話さ。つまらなくて悪かったね」
「……Q&A。たいせつな方だったんですか?」
「それなのに同じ名前を付けた存在を戦場に送り出すなんて、あたしもだいぶイカれちまってるね。でも最後の作品になるかと思ったら名付けずにはいられなかった」
「………」
「なぁ、お嬢ちゃん。ババアのちょっとした遺言を聞いてくれるかい?」
「ゆいごんなんてそんな……」
「いや、おそらくこいつが完成したらすぐにお迎えが来る。自分の身体のことは自分が一番よくわかっている。ああ、整備マニュアルは既にまとめてあるから心配しなくていいよ」
「…Q&A。わかりました。きくだけききましょう」
「ありがとね。まぁなんだ、当たり前だけど難しいことさね。なるべく『シャオリン』を長く使ってやってほしい。こいつはかわいいあたしの子供なんだ。あまり長く生きられなかった『アイツ』に代わって、いろんなものを見せてやってほしい。そんだけさ」
「……」
「……シェリー?」
「Q&A。そんなことでいいんですか?言われなくともわたしは『シャオリン999』とかちつづけますよ。『最果てのナンバーズ』ですから」
「アッハッハ!生意気言うようになったじゃないかい!…あぁ安心した!『シャオリン』を頼んだよ、シェリー=アクダクト」
『シャオリン999』が完成して一ヶ月後、自身で宣告した通り老婆は眠るように息を引き取った。