アーカード(HELLSING)

「アーカード(HELLSING)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

アーカード(HELLSING) - (2025/09/08 (月) 06:22:42) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2010/01/17 Sun 17:30:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(b,#000000,#dc143c){素敵だ やはり人間は 素晴らしい} &font(b,#000000,#dc143c){化物を倒すのは いつだって人間だ} &font(#000000,#dc143c,20,b){人間でなくてはいけないのだ!!}} &bold(){アーカード}は、マンガ[[HELLSING]]の主人公。ファンからの愛称は「旦那」。 CV.[[中田譲治]] #openclose(show=【目次】){ #contents() } *【概要】 数百年の時を生きる[[吸血鬼]]で、[[イギリス]]の対吸血鬼特務機関「王立国教騎士団」、通称「ヘルシング機関」に所属している。 役職は「ゴミ処理係」で、[[ウォルター・C・ドルネーズ]]の後任。 吸血鬼でありながら人間に味方(臣従)し吸血鬼を狩る腕利きのハンターで、&bold(){「&ruby(ノスフェラトゥ){[[不死者>アンデッド]]}」「&ruby(ノーライフキング){死なずの君}」}等様々なあだ名を持つ。 (基本的な)容姿は長い黒髪を常にざわめかせる長身の美青年で、普段は赤いコートにつばが広い帽子を被り、サングラスをかけている。 これらの格好は本来は対紫外線用の装備だが、本人は日光を克服しているのであまり意味はない。たぶん本人の趣味。 *【人物】 傲岸不遜な人柄で、敵と見做したもの全てに容赦しない。 容姿は人間そのものだが、その精神性はまさしく&bold(){&ruby(フリークス){化物}}であり、例え力に格段の差がある常人であろうと、つい一瞬前まで尊敬していた人物だろうと、命令一つで一寸のためらいもなく殺し尽くす。 作中での悪鬼羅刹のごとき活躍っぷりから、ファンの間では&bold(){「ラスボスはどう考えても旦那」}という共通認識が広まっている。 初期の頃は割とフランクな口調でいきなり作画が簡略化されるようなコミカルな描写もあったが、連載が進むにつれて眷属となったセラスがコメディリリーフとしての役割を与えられてからは、そうした描写はだんだん無くなっていった。((ジャッカルの精とのやり取りが唯一なくらい)) 敵の攻撃を避けずにそのまま受ける事が多く、&bold(){どうやって敵を倒すかよりも、どうやって倒されるかが注目されていた}珍しい主人公。&s(){極度のM疑惑までかかっている} 全身を法儀式を施した剣で針山にされても、心臓を銃で吹っ飛ばされても、楽しそうに笑いながら立ち上がる。 まるで&font(b,#000000,#dc143c){「お前強いんだろ?私を倒せるなら倒してみろ」}と挑戦者を迎え撃つ魔王のような調子である。 正真正銘・凶悪無比の化物であるが、人間に対しては蔑むどころか敬意や羨望を感じており、「生・老・病・死」や理不尽と死と絶望の権現のようなアーカード自身に堂々と立ち向かって生きる人間は素直に認める。 そのため、老いと真っすぐ向き合う相手に密かな憧憬を抱いたり、「すっかりお婆ちゃんになってしまった」と嘆く女王陛下に対し膝をついた上で&font(b,#000000,#dc143c){「貴方も50年前の様なおてんばのままだ」} &font(b,#000000,#dc143c){「貴方は今こそが確実に美しいのだ」}と賛美し、ある人物が外法で若返った時は&font(b,#000000,#dc143c){「今のお前よりも、以前の老いたお前のほうがずっと美しかった」}と吐き捨てている。 &bold(){&color(#F54738){「化物を倒すのはいつだって人間である」}}という信条を持ち、諦めずに全力を尽くす素晴らしい人間達を見ると歓喜とともに最大限の敬意を示す。 これは当人が&bold(){「己の人生に負け、負けた事実に耐えきれずに化物というチートに逃げてしまった」}という敗北感に起因している。 その反面、人間を辞めた(辞めてしまった)化物どもには一切の容赦がない。 一応敵対者が化物を自称した場合、&font(b,#000000,#dc143c){「ならば化物らしさを示してみろ!」}と言わんばかりに色々素直に喰らったり何だったりしてくれたり%%マゾ疑惑の最大の原因%%、部分的には褒めることもある。 しかし、いかんせん彼の思うところの化物らしい化物の水準は&bold(){大体自分以上の圧倒的な身体能力か多岐に渡る特殊能力}のため、基本的に落胆したり、あるいは何の気無しにそのまま圧倒して抹殺してしまう。 つまり&font(#ff0000,b){化物を気取るなら俺とタメを張るくらいはやってみせろ}、という事である。旦那は自分を含めて化物を卑下する事が多いが、ここまでくると厄介とかそういう次元ではない。 こうして期待外れに終わった敵はアーカード的には人間どころか化物ですらなくなり、良くて「狗」、生意気なくせに実力が伴っていないと&font(b,#000000,#dc143c){「クソみたいなヤツ」「犬のエサ」}だとかの扱いになる。 しかし、上述のように命令次第で誰であろうと殺す反面任務や命令にどうしても反して殺すことはほぼ無く、彼自身もまた『私も狗』と自認しているように人間と化物の信念とは別に任務は任務として割り切っているところがある。 また化物の判定は&bold(){思いのほか狭い。}と言うかこの手のキャラクターには珍しく、どう見ても人間とは思えないレベルの人体改造やヒーリング能力と言った異能の使用、卑怯卑劣な手段や道具を使用してくる行為そのものは人間の知恵として認めている。 種族的に人間を完全にやめない限り、あらゆる手段はアーカードにとっては人類としての英知と努力で済むようである。 *【経歴】 本編開始より数十年前、ヘルシング家先代当主アーサーはアーカードの危険性を警戒し、ヘルシング邸の地下に彼を封印。渇ききって身動きできなくなっていた。 だが本編10年前、ヘルシング家の当主となった[[インテグラ>インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング]]に封印を解かれたのを機に彼女の従僕となり、[[少佐>少佐(HELLSING)]]率いる「最後の大隊」やヴァチカン特務局第13課「イスカリオテ」と戦う。   以下ネタバレ注意 その正体は、&bold(){&color(#F54738){かの有名な吸血鬼「ドラキュラ」その人}}。 ルーマニアの救国の英雄であり、知略と武勇で自国を善く治めた「串刺し公」[[ヴラド・ツェぺシュ>ワラキア公ヴラド3世]]。 アーカードと言う名前も、「ドラキュラ」の逆さ読み。ちなみに英語吹き替えでは「アルカード」と発音されている。 (&font(#ff0000){Alucard}→&font(#0000ff){Dracula})((『ドラキュラ』の先行とも言われる小説『[[吸血鬼カーミラ]]』に登場する「吸血鬼は生前の身分に縛られる=偽名がアナグラムに限られる」という設定が元か)) 500年前、戦いの末に捉えられ処刑されようとしたその瞬間に「何物か」に誘われて血を吸い、人間をあきらめて吸血鬼となった。 吸血鬼に血を吸われて吸血鬼化した眷属ではなく、いわゆる「真祖」に属する。 -余談だが、この「吸血鬼に血を吸われて変異した眷属ではなく、自分から吸血鬼になった魔物の中の魔物」を意味する「真祖」という言葉は実は結構最近出来た言葉。最初に使われたのはマンガ「[[BASTARD!!-暗黒の破壊神-]]」のダイ・アモン編だと見られている。&br()日本における吸血鬼フィクション中興の祖「[[吸血鬼ハンターD]]」で「神祖」という言葉が使われており、それを翻案したものだと思われる。 その後本編の100年前、恐らくはブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の物語同様にミナ・ハーカーを巡る闘争の末にヘルシング教授とその仲間に倒された後、改造されて「色々混み入った事情」によりヘルシング家に使役されている。 余談だが、&bold(){ヴラド3世の直系の子孫はあの英国女王}。つまり前述の女王陛下を賛美するシーンは孫娘が自分とは違い真っ当に老いる事ができてて超嬉しいお爺ちゃんの図でもある。 (祖父ジョージ5世の妻メアリーを通じて15代目の孫にあたる。) そして同時に&bold(){ヘルシング家は英国王家のご先祖様を使役している}というとんでもない構図になる。&font(l){ヒラコーこれ知ってたんか} *【能力】 『最後の大隊』所属の連中とは違い純粋な吸血鬼であり、吸血鬼としての身体能力、特殊能力は最高峰に位置する。 規格外の怪力を始めとした様々な特殊能力を持っており、流水や十字架といった吸血鬼の弱点も克服している。お日さまも平気(大嫌いなだけ)。 そして最大の脅威は&bold(){他を圧倒する[[不老不死>不死]]。}斬っても刺しても爆破してもすぐさま再生して反撃できる。むしろ相手に殺させてから反撃にかかる事がしょっちゅう。 **&ruby(クロムウェル){拘束制御術式} #center(){&font(b,#000000,#dc143c){拘束制御術式第3号 第2号 第1号 解放} &font(b,#000000,#dc143c){状況A「クロムウェル」発動による承認認識} &font(b,#000000,#dc143c){目前敵の完全沈黙までの間 能力仕様限定解除開始} &font(b,#000000,#dc143c){では教育してやろう 本当の吸血鬼の闘争というものを}} 普段アーカードに掛けられているセルフリミッター。 これにより力をセーブしているが、ひとたび解放すれば敵に反撃の機会を与えず圧倒する。 拘束制御術式の3~1号が開放されるとまず人間としての外郭が溶け崩れ、[[ムカデ]]やバスカヴィルといった使い魔が溢れ、夥しい数の目玉が蠢き、腕が何本も生えた不定形のアメーバ状態になる。 この状態で最後の大隊の&ruby(ヴェアヴォルフ){人狼部隊}構成員を一方的に鏖殺してみせた。 初披露となったルーク・ヴァレンタイン戦では、使用する際に「」←のように手を構えて四角形を作り、その中心から相手を見据えるポーズを取るのが特徴的。 **拘束制御術式零号 #center(){&bold(){&font(#660000){拘束制御術式&ruby(ゼロ){零}号 開放!!}} &bold(){&font(#660000){帰還を果たせ!!幾千幾万となって帰還を果たせ}} &bold(){&font(#660000,20){謳え!!}} &font(b,#000000,#dc143c){私は ヘルメスの鳥} &font(b,#000000,#dc143c){私は自らの 羽根を喰らい} &font(b,#000000,#dc143c){飼い慣らされる}} 主君(本編ではインテグラ)の承認を得てのみ開放可能な奥の手。 アーカード自身が詠唱を行うことで自身の寝床である棺桶が開き、それに呼応して&font(#ff0000,b){アーカードが「中」に取り込んでいた命の全てが「外」に解き放たれ、溢れ出す。} ……本作の設定における「真の吸血鬼」は、他者の血を吸う事で対象の命の全存在を吸収し所有する権能を持つ((この力を持つ「真の吸血鬼」は、本編の世界において最早絶滅同然の状態らしい。アーカードの直系眷属である[[セラス・ヴィクトリア]]はちゃんと所有しているので、真祖限定の権能ではないようだ。))。 そして死ぬ度に命のストックを消費して復活する。このストック消費は「心臓を破壊された時」という場面に限定される。 つまり殺しきるには&bold(){何百万回も心臓を潰さなければならない}のだ。理不尽なまでの不死性はこの能力の恩恵である。 すなわちアーカードは&bold(){数百万の命が人間大に圧縮された状態で跳ね回っている}わけで、少佐はこれを&bold(){&font(#f1c232){「運動する領地」}}と例えた。 拘束制御術式零号解放とは、この今までに吸って内包した命を全員出現させて敵を蹂躙するという攻撃である。 その数は数百万、まさに数の暴力。&bold(){&color(red,black){「死の河」}}とも呼ばれる最終奥義。 発動自体を阻止する場合は、発動までに数百万というアーカードの残機をそっくり潰さなければならず、事実上不可能。 零号解放の詠唱を開始した直後、その場で睨み合っていた&bold(){最後の大隊とバチカンの軍勢が一斉に旦那のみを敵として認識し、} &font(#ff0000,b){「恐ろしいことになる」}と半ば恐慌状態に陥りつつ一斉に攻撃を開始するも阻止は間に合わなかった。 #center(){&bold(){&color(purple){「何だ!?何が起きている!!??」}} &bold(){&font(#f1c232){「死だ!死が起きている!」}}} しかし「死の河」はどうやら「小出し」が利かないらしい。 解放する場合は全軍解放が固定であり、&bold(){本体たるアーカードがただ1つの命のただ1人の吸血鬼になるため、それまでとは違い心臓を潰されれば本当に死んでしまう}。 ただし、まずアーカード(の主君)に死の河開放を決断させる状況を作る戦略を前提として、 ・アーカードがただ一人の吸血鬼になった瞬間すぐに殴れる位置に潜んでおく ・最後の攻撃役がアーカードとまともに打ち合える化物級になれるように何らかの武器(本物の奇跡の残骸とか)を用意する ・数百万の肉壁をブチ抜ける高火力兵装や遠距離火器で無理矢理突破する ・数百万の亡者((もちろんアンデッドなので個々がちょっとやそっとでは死なず、さらにはアーカードが血を吸い殺した相手なら誰でも良いので中にはトバルカインやリップヴァーンなどの遠距離攻撃を持った強者も混ざっている。つまり亡者は生前の異能力も再現されている。))を力尽くで突破できる凄腕軍団を待機させる ……などの殺す手段を&bold(){別途で用意する必要がある。} ただしアーカードの美学を踏まえると、人間を辞めるような手段を取るとアーカードから「この敵になら殺されてもいい」という思想が完全に消えるため悪手となる。 しかもこの「ただ一人の吸血鬼」状態は&bold(){一時的なもの}で、死ぬ前に周辺から吸血を始めれば再び残機が増えまくって台無し。 実際、劇中では死の河を回収したついでに最後の大隊の攻撃やマクスウェルの死刑執行で巻き添えを食らい亡くなったロンドン市民の命、死の河の攻撃で倒れた最後の大隊・バチカンの軍勢をも吸収しているらしく、&bold(){その時点で残機は更に増えている。} しかも少佐の見立てでは&bold(){最低でも100万か200万かという増大ぶりで、彼自身も&font(#000000,#dc143c){「これは食いきれるかわからんなぁ」}と至極ご満悦}という有様。 それでも確かに、短時間とはいえアーカードを物理的に撃破可能な状態には&bold(){出来る。出来るのだ。} &bold(){だがアーカードとタイマン張って倒せるかどうかは別問題。} 吸血鬼のカテゴリ内でもなお最恐クラスの戦闘能力を持つアーカードは、ただ1回倒すだけでも壊滅級の難易度。実際死ぬのは大抵&s(){マゾのため}小手調べのいわば無抵抗裸体同然の状態。 500年戦い続けたこの化物は、残機なしでもやっぱりどうしようもない化物なのだ。 それを厳しい制限時間つきで殺らねばならない。&bold(){無茶すぎる。} **武器 ・&bold(){.454カスールカスタム} 愛用武器である[[2丁の大型自動拳銃>二丁拳銃/二挺拳銃]]。 色は銀色で、ランチェスター大聖堂の銀十字を鋳溶かして作った&bold(){13mm爆裂徹甲弾}((.454カスール改造弾))が採用されている。 ジャッカルにも言えるが対吸血鬼を想定した特殊な弾丸を使っており、拳銃とは思えない威力を発揮する。 &font(b,#000000,#dc143c){「こいつ喰らって平気な&ruby(フリークス){化物}なんかいないよ」}とはアーカードの談。 長年愛用していたようだが、再生者であるアンデルセン神父の異常再生力の前には力不足となってしまうことになった。 ・&bold(){対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」} &bold(){全長39cm・重量16kg}の黒い大型自動拳銃。 アンデルセン神父との交戦を経て、アンデルセン神父を殺しきるために更なる威力を求めたアーカードが注文した結果生み出された逸品>変態銃]]。 &bold(){専用の}13mm炸裂徹甲弾((弾殻:純銀製マケドニウム加工、弾頭:法儀礼済み水銀、装薬:マーベルス化学薬筒NNA9))を装填しており、異常な重量と反動故に&bold(){&color(red){人類では扱えない代物}}と断言された[[恐るべき武器>変態銃]]。 なお[[某ウィリス>ダイ・ハード(映画)]]似の「ジャッカルの精」が宿ってるとかなんとか。 ウォルター曰く装填数は6発だが、作中では&bold(){明らかにそれ以上の回数を乱射している}。 リロードの描写はときどき申し訳程度にあるくらい。ファンからはネタで「気分」や「ノリ」でリロードしてるとか言われるレベル。 しかしこの2つの拳銃は&font(#ff0000){百万発入りのコスモガン}なので全然問題ない(公式設定)。 *【勝機、あるいは敗北】 因みに、初代ヘルシング卿とその仲間達は正面から死の河を突破して旦那を倒したトンデモ野郎達だが、そんな彼らは -アーサー・ホルムウッド ただの[[貴族]] -ジャック・セワード 精神科医 -キンシー・モリス [[金持ちのパンピー>金持ちキャラ]] -エイブラハム・ヴァン・ヘルシング 大学教授 である。 こいつらのような[[教授や医者>異能者と戦える一般人]]は[[クトゥルフ神話]]くらいにしかいないだろ。 初代ヘルシング卿によって胸に杭を打ち込まれ、ようやく訪れた敗北の後、彼に「お前には領地も領民も何も残っていないのだ。何も」と憐憫にも似た言葉を投げかけられた。 ウォルター戦で死の河を回収した際には、少佐の策略により「自己観測できる限り何処にでもいてどこにもいない」シュレディンガーも一緒に吸収してしまった事で、数百万の魂の中で自らを見失ってしまい、「どこにもいない、生きてもいないし死んでもいない」状態にされ、消滅してしまう。 英語音声版のOVAではインテグラの「消えるな!!」が「&bold(){Stay with Me!!}」と訳されており、彼女にとって精神的支柱となっていた事も改めて補強された。 少佐的には500年くらいしないと帰ってこないと思っていたが、30年で自分の中で自分の命をシュレディンガー以外殺しきり、インテグラの元に帰還する。 シュレディンガーの特性までも吸収したため、弱体化するどころか以前にも増して不死性が向上し、「人間と戦って死ぬ」と言う本懐が遂げられるかは疑問視されている。 まぁ旦那のことだし今を楽しみながらいつかきっとくる「人間によって化け物が打倒される美しい光景」を気長に待つのだろう。 #right(){&color(red){The bird of Hermes is my name,} 私はヘルメスの鳥 &color(red){eating my wings to make me tame.} 私は自らの羽を食らい飼い慣らされる ――棺の蓋より } *【余談】 #center(){ 何の因果か。 500年前の時も、100年前の時も、 そして後の世に言う「飛行船事件」の結末の時も、 旦那がこの世を去る時はいつも視界いっぱいの日輪だった。 その度に旦那の脳裏には500年前の処刑の際に見た夕暮れの光景が去来し、 彼はその度に思うのだ。 &font(b,#000000,#dc143c){「日の光とは、こんなにも美しいものだったとは」}と。 } *【偏愛】 なお、旦那は萌えキャラの一面も持つ。 普段の姿でもある種の色気があるが、彼はHELLSING外伝「the dawn」にて少女の姿を取って物語に現れた事があり、その姿は普段の恐ろしげな青年姿ではなく、赤いコートの変わりに全身真っ白のスーツを着こんだロリっ娘。通称・ロリカード、ロリ旦那。   そのあまりのギャップに三千世界のロリコンどもが萌やし尽くされた。OVAではショタ(声は青年時と同じくジョージ)として扱われた。 外国のファンも「Girlycard(ガーリーカード)」と呼んで熱を上げている。 ただ、とある執事はそんな彼女も容赦なく縦に真っ二つにした。全然効いてなかったけど。 また、某絶対神敵殺すマンに強烈なメンチを切られた際に見せた微笑みが、少女漫画の[[イケメン]]もかくやという程にふつくしい。 「腕が千切れそうだぞクリスチャン、どうするんだ?」 「それがどうした。早く掛かって来いよ化物。」 「…素敵だ。やはり人間は素晴らしい。」 あんな笑顔されたら女子どころか我らも墜ちる。 アーカード=ドラキュラ=ヴラド公である事を考えると、旦那の趣味は意外や意外、なんと刺繍。 幽閉されていた時に裁縫と共によくやっていたらしい。 ジョナサン・ハーカーを家に招き入れた時に自ら料理を作って振る舞い、ベッドメイクもした事から、家事も得意であると推測される。いつでも嫁or婿に出せるぞ。 ああ見えてガラスのハートの持ち主でもある。 常日頃超自信満々で一部マゾっぽいとはいえ基本サディストな態度を貫き、散々&bold(){「私は化物だ」}と言ってるわりに、面と向かって「化物」と言われるとショゲるし、宿敵の死に思わず涙したり、思い出し泣きをする泣き虫でもある。乙女か。 こんなパーフェクトな吸血鬼捕まえてあんなことやこんなことも命令できるアーサーは羨ましい限りである。 ヒラコー曰く、彼は性別やらなんやらを超越した存在であるという。 年齢性別を問わずかつて吸血した人間の意志を全て保有しており、それをアーカードという人格で無理矢理まとめることで旦那のパーソナリティが構成されている。 様々な一面を持っているのはそのためかもしれない。 旦那の事をより深く知りたい人はブラム・ストーカー著「吸血鬼ドラキュラ」を読むことをお勧めする。華麗な恋愛遍歴にギャップを感じること間違いなし。 #co(){ 上述した通り、人間のもつ不撓不屈の信念に誰よりも敬意を払うアーカード。 ヴラド・ツェペシュとして信ずる神のもと、数々の難敵と絶望を踏破しながらも、最後の最後で諦めて人間をやめてしまった彼にとって、「化け物の全力」を踏破して自身に土をつけた初代ヘルシング卿たちは何より眩く映ったのかもしれない。 「人間として在れなかった弱い化け物」であるがゆえに、人間を羨み尊ぶのだろう。%%命令に従うだけの人間は「狗」呼ばわりで容赦しないようだけど。%% } #center(){ &font(b,#000000,#dc143c){追記・修正し続けていた&br()&br()私の中で私の項目を&br()&br()三百四十二万四千八百六十七&br()&br()一項目以外は全部編集して編集し尽くしてきた} &font(b,#000000,#dc143c){もう私はここにいる&br()&br()もう私はどこにもいないしどこにでもいれる&br()&br()だから&ruby(・・・・・){ここにいる}} } #center(){&font(#660000,b){「おかえり 伯爵」} &font(b,#000000,#dc143c){ただいま 伯爵}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,177) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2010/01/17 Sun 17:30:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(b,#000000,#dc143c){素敵だ やはり人間は 素晴らしい} &font(b,#000000,#dc143c){化物を倒すのは いつだって人間だ} &font(#000000,#dc143c,20,b){人間でなくてはいけないのだ!!}} &bold(){アーカード}は、マンガ[[HELLSING]]の主人公。ファンからの愛称は「旦那」。 CV.[[中田譲治]] #openclose(show=【目次】){ #contents() } *【概要】 数百年の時を生きる[[吸血鬼]]で、[[イギリス]]の対吸血鬼特務機関「王立国教騎士団」、通称「ヘルシング機関」に所属している。 役職は「ゴミ処理係」で、[[ウォルター・C・ドルネーズ]]の後任。 吸血鬼でありながら人間に味方(臣従)し吸血鬼を狩る腕利きのハンターで、&bold(){「&ruby(ノスフェラトゥ){[[不死者>アンデッド]]}」「&ruby(ノーライフキング){死なずの君}」}等様々なあだ名を持つ。 (基本的な)容姿は長い黒髪を常にざわめかせる長身の美青年で、普段は赤いコートにつばが広い帽子を被り、サングラスをかけている。 これらの格好は本来は対紫外線用の装備だが、本人は日光を克服しているのであまり意味はない。たぶん本人の趣味。 *【人物】 傲岸不遜な人柄で、敵と見做したもの全てに容赦しない。 容姿は人間そのものだが、その精神性はまさしく&bold(){&ruby(フリークス){化物}}であり、例え力に格段の差がある常人であろうと、つい一瞬前まで尊敬していた人物だろうと、命令一つで一寸のためらいもなく殺し尽くす。 作中での悪鬼羅刹のごとき活躍っぷりから、ファンの間では&bold(){「ラスボスはどう考えても旦那」}という共通認識が広まっている。 初期の頃は割とフランクな口調でいきなり作画が簡略化されるようなコミカルな描写もあったが、連載が進むにつれて眷属となったセラスがコメディリリーフとしての役割を与えられてからは、そうした描写はだんだん無くなっていった。((ジャッカルの精とのやり取りが唯一なくらい)) 敵の攻撃を避けずにそのまま受ける事が多く、&bold(){どうやって敵を倒すかよりも、どうやって倒されるかが注目されていた}珍しい主人公。&s(){極度のM疑惑までかかっている} 全身を法儀式を施した剣で針山にされても、心臓を銃で吹っ飛ばされても、楽しそうに笑いながら立ち上がる。 まるで&font(b,#000000,#dc143c){「お前強いんだろ?私を倒せるなら倒してみろ」}と挑戦者を迎え撃つ魔王のような調子である。 正真正銘・凶悪無比の化物であるが、人間に対しては蔑むどころか敬意や羨望を感じており、「生・老・病・死」や理不尽と死と絶望の権現のようなアーカード自身に堂々と立ち向かって生きる人間は素直に認める。 そのため、老いと真っすぐ向き合う相手に密かな憧憬を抱いたり、「すっかりお婆ちゃんになってしまった」と嘆く女王陛下に対し膝をついた上で&font(b,#000000,#dc143c){「貴方も50年前の様なおてんばのままだ」} &font(b,#000000,#dc143c){「貴方は今こそが確実に美しいのだ」}と賛美し、ある人物が外法で若返った時は&font(b,#000000,#dc143c){「今のお前よりも、以前の老いたお前のほうがずっと美しかった」}と吐き捨てている。 &bold(){&color(#F54738){「化物を倒すのはいつだって人間である」}}という信条を持ち、諦めずに全力を尽くす素晴らしい人間達を見ると歓喜とともに最大限の敬意を示す。 これは当人が&bold(){「己の人生に負け、負けた事実に耐えきれずに化物というチートに逃げてしまった」}という敗北感に起因している。 その反面、人間を辞めた(辞めてしまった)化物どもには一切の容赦がない。 一応敵対者が化物を自称した場合、&font(b,#000000,#dc143c){「ならば化物らしさを示してみろ!」}と言わんばかりに色々素直に喰らったり何だったりしてくれたり%%マゾ疑惑の最大の原因%%、部分的には褒めることもある。 しかし、いかんせん彼の思うところの化物らしい化物の水準は&bold(){大体自分以上の圧倒的な身体能力か多岐に渡る特殊能力}のため、基本的に落胆したり、あるいは何の気無しにそのまま圧倒して抹殺してしまう。 つまり&font(#ff0000,b){化物を気取るなら俺とタメを張るくらいはやってみせろ}、という事である。旦那は自分を含めて化物を卑下する事が多いが、ここまでくると厄介とかそういう次元ではない。 こうして期待外れに終わった敵はアーカード的には人間どころか化物ですらなくなり、良くて「狗」、生意気なくせに実力が伴っていないと&font(b,#000000,#dc143c){「クソみたいなヤツ」「犬のエサ」}だとかの扱いになる。 しかし、上述のように命令次第で誰であろうと殺す反面任務や命令にどうしても反して殺すことはほぼ無く、彼自身もまた『私も狗』と自認しているように人間と化物の信念とは別に任務は任務として割り切っているところがある。 また化物の判定は&bold(){思いのほか狭い。}と言うかこの手のキャラクターには珍しく、どう見ても人間とは思えないレベルの人体改造やヒーリング能力と言った異能の使用、卑怯卑劣な手段や道具を使用してくる行為そのものは人間の知恵として認めている。 種族的に人間を完全にやめない限り、あらゆる手段はアーカードにとっては人類としての英知と努力で済むようである。 *【経歴】 本編開始より数十年前、ヘルシング家先代当主アーサーはアーカードの危険性を警戒し、ヘルシング邸の地下に彼を封印。渇ききって身動きできなくなっていた。 だが本編10年前、ヘルシング家の当主となった[[インテグラ>インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング]]に封印を解かれたのを機に彼女の従僕となり、[[少佐>少佐(HELLSING)]]率いる「最後の大隊」やヴァチカン特務局第13課「イスカリオテ」と戦う。   以下ネタバレ注意 その正体は、&bold(){&color(#F54738){かの有名な吸血鬼「ドラキュラ」その人}}。 ルーマニアの救国の英雄であり、知略と武勇で自国を善く治めた「串刺し公」[[ヴラド・ツェぺシュ>ワラキア公ヴラド3世]]。 アーカードと言う名前も、「ドラキュラ」の逆さ読み。ちなみに英語吹き替えでは「アルカード」と発音されている。 (&font(#ff0000){Alucard}→&font(#0000ff){Dracula})((『ドラキュラ』の先行とも言われる小説『[[吸血鬼カーミラ]]』に登場する「吸血鬼は生前の身分に縛られる=偽名がアナグラムに限られる」という設定が元か)) 500年前、戦いの末に捉えられ処刑されようとしたその瞬間に「何物か」に誘われて血を吸い、人間をあきらめて吸血鬼となった。 吸血鬼に血を吸われて吸血鬼化した眷属ではなく、いわゆる「真祖」に属する。 -余談だが、この「吸血鬼に血を吸われて変異した眷属ではなく、自分から吸血鬼になった魔物の中の魔物」を意味する「真祖」という言葉は実は結構最近出来た言葉。最初に使われたのはマンガ「[[BASTARD!!-暗黒の破壊神-]]」のダイ・アモン編だと見られている。&br()日本における吸血鬼フィクション中興の祖「[[吸血鬼ハンターD]]」で「神祖」という言葉が使われており、それを翻案したものだと思われる。 その後本編の100年前、恐らくはブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の物語同様にミナ・ハーカーを巡る闘争の末にヘルシング教授とその仲間に倒された後、改造されて「色々混み入った事情」によりヘルシング家に使役されている。 余談だが、&bold(){ヴラド3世の直系の子孫はあの英国女王}。つまり前述の女王陛下を賛美するシーンは孫娘が自分とは違い真っ当に老いる事ができてて超嬉しいお爺ちゃんの図でもある。 (祖父ジョージ5世の妻メアリーを通じて15代目の孫にあたる。) そして同時に&bold(){ヘルシング家は英国王家のご先祖様を使役している}というとんでもない構図になる。&font(l){ヒラコーこれ知ってたんか} *【能力】 『最後の大隊』所属の連中とは違い純粋な吸血鬼であり、吸血鬼としての身体能力、特殊能力は最高峰に位置する。 規格外の怪力を始めとした様々な特殊能力を持っており、流水や十字架といった吸血鬼の弱点も克服している。お日さまも平気(大嫌いなだけ)。 そして最大の脅威は&bold(){他を圧倒する[[不老不死>不死]]。}斬っても刺しても爆破してもすぐさま再生して反撃できる。むしろ相手に殺させてから反撃にかかる事がしょっちゅう。 **&ruby(クロムウェル){拘束制御術式} #center(){&font(b,#000000,#dc143c){拘束制御術式第3号 第2号 第1号 解放} &font(b,#000000,#dc143c){状況A「クロムウェル」発動による承認認識} &font(b,#000000,#dc143c){目前敵の完全沈黙までの間 能力仕様限定解除開始} &font(b,#000000,#dc143c){では教育してやろう 本当の吸血鬼の闘争というものを}} 普段アーカードに掛けられているセルフリミッター。 これにより力をセーブしているが、ひとたび解放すれば敵に反撃の機会を与えず圧倒する。 拘束制御術式の3~1号が開放されるとまず人間としての外郭が溶け崩れ、[[ムカデ]]やバスカヴィルといった使い魔が溢れ、夥しい数の目玉が蠢き、腕が何本も生えた不定形のアメーバ状態になる。 この状態で最後の大隊の&ruby(ヴェアヴォルフ){人狼部隊}構成員を一方的に鏖殺してみせた。 初披露となったルーク・ヴァレンタイン戦では、使用する際に「」←のように手を構えて四角形を作り、その中心から相手を見据えるポーズを取るのが特徴的。 **拘束制御術式零号 #center(){&bold(){&font(#660000){拘束制御術式&ruby(ゼロ){零}号 開放!!}} &bold(){&font(#660000){帰還を果たせ!!幾千幾万となって帰還を果たせ}} &bold(){&font(#660000,20){謳え!!}} &font(b,#000000,#dc143c){私は ヘルメスの鳥} &font(b,#000000,#dc143c){私は自らの 羽根を喰らい} &font(b,#000000,#dc143c){飼い慣らされる}} 主君(本編ではインテグラ)の承認を得てのみ開放可能な奥の手。 アーカード自身が詠唱を行うことで自身の寝床である棺桶が開き、それに呼応して&font(#ff0000,b){アーカードが「中」に取り込んでいた命の全てが「外」に解き放たれ、溢れ出す。} ……本作の設定における「真の吸血鬼」は、他者の血を吸う事で対象の命の全存在を吸収し所有する権能を持つ((この力を持つ「真の吸血鬼」は、本編の世界において最早絶滅同然の状態らしい。アーカードの直系眷属である[[セラス・ヴィクトリア]]はちゃんと所有しているので、真祖限定の権能ではないようだ。))。 そして死ぬ度に命のストックを消費して復活する。このストック消費は「心臓を破壊された時」という場面に限定される。 つまり殺しきるには&bold(){何百万回も心臓を潰さなければならない}のだ。理不尽なまでの不死性はこの能力の恩恵である。 すなわちアーカードは&bold(){数百万の命が人間大に圧縮された状態で跳ね回っている}わけで、少佐はこれを&bold(){&font(#f1c232){「運動する領地」}}と例えた。 拘束制御術式零号解放とは、この今までに吸って内包した命を全員出現させて敵を蹂躙するという攻撃である。 その数は数百万、まさに数の暴力。&bold(){&color(red,black){「死の河」}}とも呼ばれる最終奥義。 発動自体を阻止する場合は、発動までに数百万というアーカードの残機をそっくり潰さなければならず、事実上不可能。 零号解放の詠唱を開始した直後、その場で睨み合っていた&bold(){最後の大隊とバチカンの軍勢が一斉に旦那のみを敵として認識し、} &font(#ff0000,b){「恐ろしいことになる」}と半ば恐慌状態に陥りつつ一斉に攻撃を開始するも阻止は間に合わなかった。 #center(){&bold(){&color(purple){「何だ!?何が起きている!!??」}} &bold(){&font(#f1c232){「死だ!死が起きている!」}}} しかし「死の河」はどうやら「小出し」が利かないらしい。 解放する場合は全軍解放が固定であり、&bold(){本体たるアーカードがただ1つの命のただ1人の吸血鬼になるため、それまでとは違い心臓を潰されれば本当に死んでしまう}。 ただし、まずアーカード(の主君)に死の河開放を決断させる状況を作る戦略を前提として、 ・アーカードがただ一人の吸血鬼になった瞬間すぐに殴れる位置に潜んでおく ・最後の攻撃役がアーカードとまともに打ち合える化物級になれるように何らかの武器(本物の奇跡の残骸とか)を用意する ・数百万の肉壁をブチ抜ける高火力兵装や遠距離火器で無理矢理突破する ・数百万の亡者((もちろんアンデッドなので個々がちょっとやそっとでは死なず、さらにはアーカードが血を吸い殺した相手なら誰でも良いので中にはトバルカインやリップヴァーンなどの遠距離攻撃を持った強者も混ざっている。つまり亡者は生前の異能力も再現されている。))を力尽くで突破できる凄腕軍団を待機させる ……などの殺す手段を&bold(){別途で用意する必要がある。} ただしアーカードの美学を踏まえると、人間を辞めるような手段を取るとアーカードから「この敵になら殺されてもいい」という思想が完全に消えるため悪手となる。 しかもこの「ただ一人の吸血鬼」状態は&bold(){一時的なもの}で、死ぬ前に周辺から吸血を始めれば再び残機が増えまくって台無し。 実際、劇中では死の河を回収したついでに最後の大隊の攻撃やマクスウェルの死刑執行で巻き添えを食らい亡くなったロンドン市民の命、死の河の攻撃で倒れた最後の大隊・バチカンの軍勢をも吸収しているらしく、&bold(){その時点で残機は更に増えている。} しかも少佐の見立てでは&bold(){最低でも100万か200万かという増大ぶりで、彼自身も&font(#000000,#dc143c){「これは食いきれるかわからんなぁ」}と至極ご満悦}という有様。 それでも確かに、短時間とはいえアーカードを物理的に撃破可能な状態には&bold(){出来る。出来るのだ。} &bold(){だがアーカードとタイマン張って倒せるかどうかは別問題。} 吸血鬼のカテゴリ内でもなお最恐クラスの戦闘能力を持つアーカードは、ただ1回倒すだけでも壊滅級の難易度。実際死ぬのは大抵&s(){マゾのため}小手調べのいわば無抵抗裸体同然の状態。 500年戦い続けたこの化物は、残機なしでもやっぱりどうしようもない化物なのだ。 それを厳しい制限時間つきで殺らねばならない。&bold(){無茶すぎる。} **武器 ・&bold(){.454カスールカスタム} 愛用武器である[[2丁の大型自動拳銃>二丁拳銃/二挺拳銃]]。 色は銀色で、ランチェスター大聖堂の銀十字を鋳溶かして作った&bold(){13mm爆裂徹甲弾}((.454カスール改造弾))が採用されている。 ジャッカルにも言えるが対吸血鬼を想定した特殊な弾丸を使っており、拳銃とは思えない威力を発揮する。 &font(b,#000000,#dc143c){「こいつ喰らって平気な&ruby(フリークス){化物}なんかいないよ」}とはアーカードの談。 長年愛用していたようだが、再生者であるアンデルセン神父の異常再生力の前には力不足となってしまうことになった。 ・&bold(){対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」} &bold(){全長39cm・重量16kg}の黒い大型自動拳銃。 アンデルセン神父との交戦を経て、アンデルセン神父を殺しきるために更なる威力を求めたアーカードが注文した結果生み出された逸品>変態銃]]。 &bold(){専用の}13mm炸裂徹甲弾((弾殻:純銀製マケドニウム加工、弾頭:法儀礼済み水銀、装薬:マーベルス化学薬筒NNA9))を装填しており、異常な重量と反動故に&bold(){&color(red){人類では扱えない代物}}と断言された[[恐るべき武器>変態銃]]。 なお[[某ウィリス>ダイ・ハード(映画)]]似の「ジャッカルの精」が宿ってるとかなんとか。 ウォルター曰く装填数は6発だが、作中では&bold(){明らかにそれ以上の回数を乱射している}。 リロードの描写はときどき申し訳程度にあるくらい。ファンからはネタで「気分」や「ノリ」でリロードしてるとか言われるレベル。 しかしこの2つの拳銃は&font(#ff0000){百万発入りのコスモガン}なので全然問題ない(公式設定)。 *【勝機、あるいは敗北】 因みに、初代ヘルシング卿とその仲間達は正面から死の河を突破して旦那を倒したトンデモ野郎達だが、そんな彼らは -アーサー・ホルムウッド ただの[[貴族]] -ジャック・セワード 精神科医 -キンシー・モリス [[金持ちのパンピー>金持ちキャラ]] -エイブラハム・ヴァン・ヘルシング 大学教授 である。 こいつらのような[[教授や医者>異能者と戦える一般人]]は[[クトゥルフ神話]]くらいにしかいないだろ。 初代ヘルシング卿によって胸に杭を打ち込まれ、ようやく訪れた敗北の後、彼に「お前には領地も領民も何も残っていないのだ。何も」と憐憫にも似た言葉を投げかけられた。 ウォルター戦で死の河を回収した際には、少佐の策略により「自己観測できる限り何処にでもいてどこにもいない」シュレディンガーも一緒に吸収してしまった事で、数百万の魂の中で自らを見失ってしまい、「どこにもいない、生きてもいないし死んでもいない」状態にされ、消滅してしまう。 英語音声版のOVAではインテグラの「消えるな!!」が「&bold(){Stay with Me!!}」と訳されており、彼女にとって精神的支柱となっていた事も改めて補強された。 少佐的には500年くらいしないと帰ってこないと思っていたが、30年で自分の中で自分の命をシュレディンガー以外殺しきり、インテグラの元に帰還する。 シュレディンガーの特性までも吸収したため、弱体化するどころか以前にも増して不死性が向上し、「人間と戦って死ぬ」と言う本懐が遂げられるかは疑問視されている。 まぁ旦那のことだし今を楽しみながらいつかきっとくる「人間によって化け物が打倒される美しい光景」を気長に待つのだろう。 #right(){&color(red){The bird of Hermes is my name,} 私はヘルメスの鳥 &color(red){eating my wings to make me tame.} 私は自らの羽を食らい飼い慣らされる ――棺の蓋より } *【余談】 #center(){ 何の因果か。 500年前の時も、100年前の時も、 そして後の世に言う「飛行船事件」の結末の時も、 旦那がこの世を去る時はいつも視界いっぱいの日輪だった。 その度に旦那の脳裏には500年前の処刑の際に見た夕暮れの光景が去来し、 彼はその度に思うのだ。 &font(b,#000000,#dc143c){「日の光とは、こんなにも美しいものだったとは」}と。 } *【偏愛】 なお、旦那は萌えキャラの一面も持つ。 普段の姿でもある種の色気があるが、彼はHELLSING外伝「the dawn」にて少女の姿を取って物語に現れた事があり、その姿は普段の恐ろしげな青年姿ではなく、赤いコートの変わりに全身真っ白のスーツを着こんだロリっ娘。通称・ロリカード、ロリ旦那。   そのあまりのギャップに三千世界のロリコンどもが萌やし尽くされた。OVAではショタ(声は青年時と同じくジョージ)として扱われた。 外国のファンも「Girlycard(ガーリーカード)」と呼んで熱を上げている。 ただ、とある執事はそんな彼女も容赦なく縦に真っ二つにした。全然効いてなかったけど。 また、某絶対神敵殺すマンに強烈なメンチを切られた際に見せた微笑みが、少女漫画の[[イケメン]]もかくやという程にふつくしい。 「腕が千切れそうだぞクリスチャン、どうするんだ?」 「それがどうした。早く掛かって来いよ化物。」 「…素敵だ。やはり人間は素晴らしい。」 あんな笑顔されたら女子どころか我らも墜ちる。 アーカード=ドラキュラ=ヴラド公である事を考えると、旦那の趣味は意外や意外、なんと刺繍。 幽閉されていた時に裁縫と共によくやっていたらしい。 ジョナサン・ハーカーを家に招き入れた時に自ら料理を作って振る舞い、ベッドメイクもした事から、家事も得意であると推測される。いつでも嫁or婿に出せるぞ。 ああ見えてガラスのハートの持ち主でもある。 常日頃超自信満々で一部マゾっぽいとはいえ基本サディストな態度を貫き、散々&bold(){「私は化物だ」}と言ってるわりに、面と向かって「化物」と言われるとショゲるし、宿敵の死に思わず涙したり、思い出し泣きをする泣き虫でもある。乙女か。 こんなパーフェクトな吸血鬼捕まえてあんなことやこんなことも命令できるアーサーは羨ましい限りである。 ヒラコー曰く、彼は性別やらなんやらを超越した存在であるという。 年齢性別を問わずかつて吸血した人間の意志を全て保有しており、それをアーカードという人格で無理矢理まとめることで旦那のパーソナリティが構成されている。 様々な一面を持っているのはそのためかもしれない。 旦那の事をより深く知りたい人はブラム・ストーカー著「吸血鬼ドラキュラ」を読むことをお勧めする。華麗な恋愛遍歴にギャップを感じること間違いなし。 #co(){ 上述した通り、人間のもつ不撓不屈の信念に誰よりも敬意を払うアーカード。 ヴラド・ツェペシュとして信ずる神のもと、数々の難敵と絶望を踏破しながらも、最後の最後で諦めて人間をやめてしまった彼にとって、「化け物の全力」を踏破して自身に土をつけた初代ヘルシング卿たちは何より眩く映ったのかもしれない。 「人間として在れなかった弱い化け物」であるがゆえに、人間を羨み尊ぶのだろう。%%命令に従うだけの人間は「狗」呼ばわりで容赦しないようだけど。%% } #center(){ &font(b,#000000,#dc143c){追記・修正し続けていた&br()&br()私の中で私の項目を&br()&br()三百四十二万四千八百六十七&br()&br()一項目以外は全部編集して編集し尽くしてきた} &font(b,#000000,#dc143c){もう私はここにいる&br()&br()もう私はどこにもいないしどこにでもいれる&br()&br()だから&ruby(・・・・・){ここにいる}} } #center(){&font(#660000,b){「おかえり 伯爵」} &font(b,#000000,#dc143c){ただいま 伯爵}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,178) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: