拳精(映画)

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&font(#6495ED){登録日}:2024/12/11 Wed 09:49:08 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &sizex(6){&font(b,i,#f4a460){さらにはやく!さらにはげしく!!}}&br()&sizex(7){&font(b,i,#f4a460){ジャッキー拳法ますますパワーアップ!!}}} &b(){『&Ruby(けんせい){拳精}(原題:拳精/英題:Spiritual Kung-Fu/韓国公開時:金剛血印)』}は、1978年に製作された英国領香港のカンフー映画。 [[ジャッキー・チェン]]主演・武術指導。 日本では東映の配給により1980年6月14日より公開された。 #openclose(show=▽目次){ #contents()} *【概要】 ジャッキーが初期の武侠アクション路線にてキャリアを積んでいた時期に製作されたタイトルの一つ。 日本では東映配給の『拳』シリーズの一つとして紹介された。 後に格闘ゲーム『[[鉄拳>鉄拳(格闘ゲーム)]]』でも、ジャッキーをモデルとするレイ・ウーロンの持ち技として再現された&b(){&Ruby(ごじゅうのけん){”五獣拳”}}が登場してくるのが本作である。 なので『拳』シリーズでも特に有名で人気の高い作品の一つではあるのだが、タイトルが『〇〇拳』でないことから正式なタイトル名を知らないという当時の昭和キッズも少なくないのだとか。 また、作品の人気に対してジャッキー本人にとっては&b(){不本意な状況で撮影させられた作品}として記憶されており、当時の所属事務所の社長にして(一応は)本作でも監督としてクレジットされているロー・ウェイへの恨み節もあってか、自著にて散々に貶されている。((当時のジャッキーはロー・ウェイの経営する事務所の所属ではあったものの、ロー・ウェイはブルース・リーの後継者として呼び寄せたジャッキーがその代わりにならないと判るや散々に罵り冷遇していた。しかし、ジャッキーが出向という形で別会社でジャッキーの意見を尊重する形で製作した『蛇拳』と『酔拳』が大ヒットすると厚顔無恥にも掌を返しただけでなく、ジャッキーのアイディアを潰した上で『酔拳』の路線で無理に作らせたタイトルの内の一つが本作であった。)) ただし、ジャッキー本人の評価も上述の通りで、寧ろ無理やりに撮影に臨まされた当時の周囲の状況や、重ね重ねロー・ウェイへの不満と確執が主な感想の内容であり、作品自体は分かりやすくも痛快なカンフーアクションであり、強行スケジュールで短期間で撮影を終えた割には舞台設定も充実した良作である。((強行スケジュールであることからも解る通り、脚本は用意されたが撮影自体はジャッキー達が現場で仕上げたものでありロー・ウェイは関わっていない。)) 日本では、東映配給の他の『拳』シリーズと同じく、日本独自の主題歌(『チャイナ・ガール』…etc.)が付けられると共にBGMに大幅に編集が加えられており、原語版とは大きく印象が違う部分も。 特に、クライマックスとなる黒幕との戦いでは殆どフルコーラスで流される『チャイナ・ガール』のノリの良さがコミカルな要素も含む殺陣の展開を盛り上げており、このバージョンを知っている当時の視聴者からは&b(){「このバージョン以外は考えられない」}との声も。 本作は韓国でも『金剛血印』のタイトルで公開されて人気を集めたが、本来のバージョンには存在しない韓国人女優とのキスシーンが追加撮影で加えられている。 *【物語】 &font(b,#ff0000){※以下はネタバレ含む。} ━━ある夜、多数の秘伝の拳法の指南書を納めた少林寺の経蔵に凄腕の賊が押し入り、見張りを倒して門外不出の暗殺拳“七殺拳”の極意書を盗み去った。 恐るべき“七殺拳”に勝てる可能性があるのは“五獣拳”のみなのだが、 “五獣拳”は極意書自体が何処かへと紛失してしまい、長らく所在が不明に……。 即ち、今のままで極意書を悪用されては天下に“七殺拳”に対抗する術が無いということ。 緊急事態に慄き、紛糾する館長以下の少林寺の首脳部。 そんな上の人間の慌てぶりは何処吹く風と、自分も賊にやられた一人ながら無関係を決め込んでいた寺男のイーロンだったが、実は悪戯好きのこの若者こそが今回の事件の解決のカギを担っていることには当人すらも気づきていなかった。 そして、イーロンが再び経蔵の見張り番をしていた夜に、突如として隕石が少林寺の近くに墜落する珍事が発生。 この、隕石の落下の衝撃により誰の目にも届かない所に落ち込んでいた“五獣拳”の極意書から“五獣拳”の拳精達が抜け出して悪さを始めたのだった。 こうして「経蔵に幽霊が出る」として、噂話になった拳精達。 彼等は散々に悪さをして、噂を確かめにやって来た若手の僧や寺男達を這々の体で追い返すのだった。 そこへ、イーロンがやって来る。 イーロンも同じ目に遭わせてやろうとした拳精達だったが、何とイーロンの目には秘伝のお札の力でも借りなければ他の誰も見ることの出来なかった拳精達の姿がハッキリと見える。 それを利用して拳精達が逃げ込んだ場所を特定し“五獣拳”の極意書を見つけ出したイーロンには、拳精達も観念して姿を現す。 ……実は、イーロンこそが“五獣拳”の極意を会得できる可能性のある素質を持つ男であり、拳精達が動き出したのと同じく、隕石の落下を機にその証が目覚めていたのだ。 “五獣拳”の極意書の内容から、拳精達の正体を察して拳法の師匠になってくれることを頼んだイーロンと、自分達の主人となれる相手を見つけた拳精達、互いに頭を下げ合うあべこべな状況ながらも、互いの利害が一致した彼等は夜毎に経蔵で“五獣拳”の会得の修行を開始。 程なくして、見事にイーロンは達人へと生まれ変わると、副館長が見守る中で百人抜きの試練を乗り越えると、イーロンもまた“七殺拳”捜索の為に外に出ることを許されるのだった。 一方、巷では盗み出された“七殺拳”を会得したルーツァオによる著名な拳法家の襲撃と虐殺が続き、外界の拳法家達の総帥であるシンエンホウまでもが殺される。 シンエンホウの娘フェンツを連れて少林寺へと戻ったイーロンだったが、それと時を同じくして遂にルーツァオが少林寺へと押しかけ、自分に拳法界の覇者たる証を渡すように迫っていた。 果たして、イーロンの“五獣拳”は見事にルーツァオの“七殺拳”を討ち果たせるのか━━? *【主な登場人物】 ※吹替の初出はTBS『月曜ロードショー』 -&b(){&Ruby(イーロン){一龍}}(原語では単に“&Ruby(ロン){龍}”) 演:ジャッキー・チェン/吹替:石丸博也 本作の主人公。 僧では無いものの、少林寺にて下働きをしつつ拳法を学んでいる寺男。 才能はあるものの、不真面目で調子がよく悪戯好きの若者。 本人には全く自覚が無かったが“五獣拳”を会得し得る可能性を秘めており、隕石の落下により拳精達が動き出したのと同時に資質が目覚め、彼等を師として“五獣拳”を会得する。 -&b(){五獣拳の拳精} それぞれに“五獣拳”の型を象徴する精霊達。 揃って真っ赤なざんばら髪に白い肌という不気味であると同時にユーモラスな姿をしており、頭には各々が象徴する獣のシンボルを戴いている。 霊体と実体の中間的な存在らしく、資質のあるイーロンでも無ければ霊験あらたかなお札でも使わなければ姿が見えないが、拳精達からは好き勝手に人間に触れることが可能。%%そのためか、ラスボスとの対決が殆ど6vs1だったが無問題。%% &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){イーロンの勝利に貢献するが、最後に自身たちが宿る書物をないがしろにしたイーロンを懲らしめる。}}  &b(){・龍の拳精}   「知」を掌る“龍拳”の精。   拳精達のリーダー格。   &b(){・蛇の拳精}   「情」を掌る“蛇拳”の精。   特に悪戯好き。  &b(){・虎の拳精}   「力」を掌る“虎拳”の精。   精霊達の中では特に大柄。  &b(){・鶴の拳精}   「静」を掌る“鶴拳”の精。   精霊達の中では最も小柄。  &b(){・豹の拳精}   「動」を掌る“豹拳”の精。 -&b(){&Ruby(フェンツ){鳳子}} 演:ウー・ウェンシウ/吹替:潘恵子 本作のヒロイン。 世俗での拳法界の総帥である&b(){&Ruby(シンエンホウ){石英風}(演:ファン・シュウイー/吹替:小林清志)}の一人娘で、一見すると可愛らしい娘だが、実際には父親からカンフーの手解きを受けた手練れ。 “七殺拳”の極意書が盗まれた件で少林寺に呼ばれた父親に付いてきた所でイーロンに一目惚れされて喧嘩となった時には撃退していたのだが、後に“五獣拳”を身に着けたイーロンには子供扱いされてしまい、余りの屈辱から父親に泣いて助けを求めたものの、僅かな隙に何者かに父親を殺害されてしまっており、イーロンに父親の敵討ちを託すことになる。 -&b(){&Ruby(フィミン){慧明}大師} 演:リー・トン・チュン/吹替:小林修 現在の少林寺館長。 “七殺拳”の極意書が盗まれた件にて責任を取り、断食業に入り蟄居する。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実は本作の黒幕。}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){少林寺の館長にありながら“七殺拳”の極意書を奪った張本人であり、ルーツァオの実父。&br()蟄居したというのも見せかけであり、寺を抜け出しては息子に指示を与えており、シンエンホウも殺害した。&br()ルーツァオがイーロンに倒された後は正体を顕し襲いかかり、息子以上の実力でイーロンを追い詰めるが、(自分達の)ピンチとあってか堪らずに飛び出してきた拳精達の援護を受けたイーロンに破れる。}} -&b(){&Ruby(ウェイクン){慧空}} 演:リー・ハイロン/吹替:藤本譲 盲目の少林寺副館長。 フィミンが蟄居した後は“七殺拳”の捜索の指揮を執り、イーロンが試練を乗り越えて外に出るのも許した。%%盲目の為に心眼が働くのか、最終決戦では拳精達の存在に外野の中では唯一人だけが気付いている様子を見せていた。%% -&b(){&Ruby(ウェイウー){慧悟}} 演:リー・マンチン/吹替:村松康雄 少林寺の師範代を務める手練れ。 シンエンホウに留めを差した技の型から犯人の疑いをかけられ、自ら寺を去るように仕向けられる。 無論、そのカンフーの腕を恐れた黒幕が万が一にも為にルーツァオの邪魔にならないように罪を捏ち上げたもの。 -&b(){&Ruby(ウェイシン){慧澄}} 演:ワン・カンユー/吹替:小島敏彦 少林寺の経蔵係。 相当な手練れながら、恐るべき実力を持つ賊の前には敵わずに“七殺拳”の極意書を奪われてしまう。 -&b(){チェンシン} 演:ウー・テーサン/吹替:二見忠男 少林寺の厨房係。 酔拳の使い手なのか、いつも酔っ払ってはいるが実際には中々の手練れ。 -&b(){&Ruby(ルーツァオ){陸青}} 演:ジェームス・ティエン/吹替:青野武 %%黒幕が控えているが%%本作の悪役。 かつて、地に落ちた家名を復活させる為に少林寺から奪われた秘伝中の秘伝である“七殺拳”の極意を会得し、名だたる拳法家達を次々と殺害してゆく。 *【余談】 -原語版では、如何にも当時らしいというか著作権(それも外国)についての意識が低かったらしく、BGMが他の映画作品や日本人キーボーディストの喜多郎のアルバムから引用されたものが使用されていた。 -序盤で、経蔵に賊が押し入る際にイーロンを倒す方法に2つのパターン(後頭部を直接に殴るor薬を嗅がせて眠らせる)がある。&br()恐らくは、どちらも撮影された後にどちらかが没になるのか曖昧なままで編集段階にて後のシーンが繋げられてしまったことで、バージョンによって両方のパターンの何れかであるという奇妙な状況になっているのだと思われる。 追記修正は“五獣拳”を会得してからお願い致します。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 面白いんだけど、ラスボスを実質インチキで撃破したのはなんだかなぁって感じ。あと、ローウェイにしてはきちんとコメディしてるなと思ったらほとんど関わってないのね。 -- 名無しさん (2024-12-11 12:26:25) - 五獣拳はダブルドラゴンとかゲキレンジャーとか色々な作品でリスペクトされているので、当時としては相当なインパクトがあったんだろうな。 -- 名無しさん (2024-12-11 22:19:41) - 実はラストの1対6、あれは -- 名無しさん (2025-03-08 00:19:45) - 実はラストの1対6。 -- 名無しさん (2025-03-08 00:20:23) #comment() #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2024/12/11 Wed 09:49:08 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &sizex(6){&font(b,i,#f4a460){さらにはやく!さらにはげしく!!}}&br()&sizex(7){&font(b,i,#f4a460){ジャッキー拳法ますますパワーアップ!!}}} &b(){『&Ruby(けんせい){拳精}(原題:拳精/英題:Spiritual Kung-Fu/韓国公開時:金剛血印)』}は、1978年に製作された英国領香港のカンフー映画。 [[ジャッキー・チェン]]主演・武術指導。 日本では東映の配給により1980年6月14日より公開された。 #openclose(show=▽目次){ #contents()} *【概要】 ジャッキーが初期の武侠アクション路線にてキャリアを積んでいた時期に製作されたタイトルの一つ。 日本では東映配給の『拳』シリーズの一つとして紹介された。 後に格闘ゲーム『[[鉄拳>鉄拳(格闘ゲーム)]]』でも、ジャッキーをモデルとするレイ・ウーロンの持ち技として再現された&b(){&Ruby(ごじゅうのけん){”五獣拳”}}が登場してくるのが本作である。 なので『拳』シリーズでも特に有名で人気の高い作品の一つではあるのだが、タイトルが『〇〇拳』でないことから正式なタイトル名を知らないという当時の昭和キッズも少なくないのだとか。 また、作品の人気に対してジャッキー本人にとっては&b(){不本意な状況で撮影させられた作品}として記憶されており、当時の所属事務所の社長にして(一応は)本作でも監督としてクレジットされているロー・ウェイへの恨み節もあってか、自著にて散々に貶されている。((当時のジャッキーはロー・ウェイの経営する事務所の所属ではあったものの、ロー・ウェイはブルース・リーの後継者として呼び寄せたジャッキーがその代わりにならないと判るや散々に罵り冷遇していた。しかし、ジャッキーが出向という形で別会社でジャッキーの意見を尊重する形で製作した『蛇拳』と『酔拳』が大ヒットすると厚顔無恥にも掌を返しただけでなく、ジャッキーのアイディアを潰した上で『酔拳』の路線で無理に作らせたタイトルの内の一つが本作であった。)) ただし、ジャッキー本人の評価も上述の通りで、寧ろ無理やりに撮影に臨まされた当時の周囲の状況や、重ね重ねロー・ウェイへの不満と確執が主な感想の内容であり、作品自体は分かりやすくも痛快なカンフーアクションであり、強行スケジュールで短期間で撮影を終えた割には舞台設定も充実した良作である。((強行スケジュールであることからも解る通り、脚本は用意されたが撮影自体はジャッキー達が現場で仕上げたものでありロー・ウェイは関わっていない。)) 日本では、東映配給の他の『拳』シリーズと同じく、日本独自の主題歌(『チャイナ・ガール』…etc.)が付けられると共にBGMに大幅に編集が加えられており、原語版とは大きく印象が違う部分も。 特に、クライマックスとなる黒幕との戦いでは殆どフルコーラスで流される『チャイナ・ガール』のノリの良さがコミカルな要素も含む殺陣の展開を盛り上げており、このバージョンを知っている当時の視聴者からは&b(){「このバージョン以外は考えられない」}との声も。 本作は韓国でも『金剛血印』のタイトルで公開されて人気を集めたが、本来のバージョンには存在しない韓国人女優とのキスシーンが追加撮影で加えられている。 *【物語】 &font(b,#ff0000){※以下はネタバレ含む。} ━━ある夜、多数の秘伝の拳法の指南書を納めた少林寺の経蔵に凄腕の賊が押し入り、見張りを倒して門外不出の暗殺拳“七殺拳”の極意書を盗み去った。 恐るべき“七殺拳”に勝てる可能性があるのは“五獣拳”のみなのだが、 “五獣拳”は極意書自体が何処かへと紛失してしまい、長らく所在が不明に……。 即ち、今のままで極意書を悪用されては天下に“七殺拳”に対抗する術が無いということ。 緊急事態に慄き、紛糾する館長以下の少林寺の首脳部。 そんな上の人間の慌てぶりは何処吹く風と、自分も賊にやられた一人ながら無関係を決め込んでいた寺男のイーロンだったが、実は悪戯好きのこの若者こそが今回の事件の解決のカギを担っていることには当人すらも気づきていなかった。 そして、イーロンが再び経蔵の見張り番をしていた夜に、突如として隕石が少林寺の近くに墜落する珍事が発生。 この、隕石の落下の衝撃により誰の目にも届かない所に落ち込んでいた“五獣拳”の極意書から“五獣拳”の拳精達が抜け出して悪さを始めたのだった。 こうして「経蔵に幽霊が出る」として、噂話になった拳精達。 彼等は散々に悪さをして、噂を確かめにやって来た若手の僧や寺男達を這々の体で追い返すのだった。 そこへ、イーロンがやって来る。 イーロンも同じ目に遭わせてやろうとした拳精達だったが、何とイーロンの目には秘伝のお札の力でも借りなければ他の誰も見ることの出来なかった拳精達の姿がハッキリと見える。 それを利用して拳精達が逃げ込んだ場所を特定し“五獣拳”の極意書を見つけ出したイーロンには、拳精達も観念して姿を現す。 ……実は、イーロンこそが“五獣拳”の極意を会得できる可能性のある素質を持つ男であり、拳精達が動き出したのと同じく、隕石の落下を機にその証が目覚めていたのだ。 “五獣拳”の極意書の内容から、拳精達の正体を察して拳法の師匠になってくれることを頼んだイーロンと、自分達の主人となれる相手を見つけた拳精達、互いに頭を下げ合うあべこべな状況ながらも、互いの利害が一致した彼等は夜毎に経蔵で“五獣拳”の会得の修行を開始。 程なくして、見事にイーロンは達人へと生まれ変わると、副館長が見守る中で百人抜きの試練を乗り越えると、イーロンもまた“七殺拳”捜索の為に外に出ることを許されるのだった。 一方、巷では盗み出された“七殺拳”を会得したルーツァオによる著名な拳法家の襲撃と虐殺が続き、外界の拳法家達の総帥であるシンエンホウまでもが殺される。 シンエンホウの娘フェンツを連れて少林寺へと戻ったイーロンだったが、それと時を同じくして遂にルーツァオが少林寺へと押しかけ、自分に拳法界の覇者たる証を渡すように迫っていた。 果たして、イーロンの“五獣拳”は見事にルーツァオの“七殺拳”を討ち果たせるのか━━? *【主な登場人物】 ※吹替の初出はTBS『月曜ロードショー』 -&b(){&Ruby(イーロン){一龍}}(原語では単に“&Ruby(ロン){龍}”) 演:ジャッキー・チェン/吹替:石丸博也 本作の主人公。 僧では無いものの、少林寺にて下働きをしつつ拳法を学んでいる寺男。 才能はあるものの、不真面目で調子がよく悪戯好きの若者。 本人には全く自覚が無かったが“五獣拳”を会得し得る可能性を秘めており、隕石の落下により拳精達が動き出したのと同時に資質が目覚め、彼等を師として“五獣拳”を会得する。 -&b(){五獣拳の拳精} それぞれに“五獣拳”の型を象徴する精霊達。 揃って真っ赤なざんばら髪に白い肌という不気味であると同時にユーモラスな姿をしており、頭には各々が象徴する獣のシンボルを戴いている。 霊体と実体の中間的な存在らしく、資質のあるイーロンでも無ければ霊験あらたかなお札でも使わなければ姿が見えないが、拳精達からは好き勝手に人間に触れることが可能。%%そのためか、ラスボスとの対決が殆ど6vs1だったが無問題。%% &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){イーロンの勝利に貢献するが、最後に自身たちが宿る書物をないがしろにしたイーロンを懲らしめる。}}  &b(){・龍の拳精}   「知」を掌る“龍拳”の精。   拳精達のリーダー格。   &b(){・蛇の拳精}   「情」を掌る“蛇拳”の精。   特に悪戯好き。  &b(){・虎の拳精}   「力」を掌る“虎拳”の精。   精霊達の中では特に大柄。  &b(){・鶴の拳精}   「静」を掌る“鶴拳”の精。   精霊達の中では最も小柄。  &b(){・豹の拳精}   「動」を掌る“豹拳”の精。 -&b(){&Ruby(フェンツ){鳳子}} 演:ウー・ウェンシウ/吹替:潘恵子 本作のヒロイン。 世俗での拳法界の総帥である&b(){&Ruby(シンエンホウ){石英風}(演:ファン・シュウイー/吹替:小林清志)}の一人娘で、一見すると可愛らしい娘だが、実際には父親からカンフーの手解きを受けた手練れ。 “七殺拳”の極意書が盗まれた件で少林寺に呼ばれた父親に付いてきた所でイーロンに一目惚れされて喧嘩となった時には撃退していたのだが、後に“五獣拳”を身に着けたイーロンには子供扱いされてしまい、余りの屈辱から父親に泣いて助けを求めたものの、僅かな隙に何者かに父親を殺害されてしまっており、イーロンに父親の敵討ちを託すことになる。 -&b(){&Ruby(フィミン){慧明}大師} 演:リー・トン・チュン/吹替:小林修 現在の少林寺館長。 “七殺拳”の極意書が盗まれた件にて責任を取り、断食業に入り蟄居する。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実は本作の黒幕。}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){少林寺の館長にありながら“七殺拳”の極意書を奪った張本人であり、ルーツァオの実父。&br()蟄居したというのも見せかけであり、寺を抜け出しては息子に指示を与えており、シンエンホウも殺害した。&br()ルーツァオがイーロンに倒された後は正体を顕し襲いかかり、息子以上の実力でイーロンを追い詰めるが、(自分達の)ピンチとあってか堪らずに飛び出してきた拳精達の援護を受けたイーロンに破れる。}} -&b(){&Ruby(ウェイクン){慧空}} 演:リー・ハイロン/吹替:藤本譲 盲目の少林寺副館長。 フィミンが蟄居した後は“七殺拳”の捜索の指揮を執り、イーロンが試練を乗り越えて外に出るのも許した。%%盲目の為に心眼が働くのか、最終決戦では拳精達の存在に外野の中では唯一人だけが気付いている様子を見せていた。%% -&b(){&Ruby(ウェイウー){慧悟}} 演:リー・マンチン/吹替:村松康雄 少林寺の師範代を務める手練れ。 シンエンホウに留めを差した技の型から犯人の疑いをかけられ、自ら寺を去るように仕向けられる。 無論、そのカンフーの腕を恐れた黒幕が万が一にも為にルーツァオの邪魔にならないように罪を捏ち上げたもの。 -&b(){&Ruby(ウェイシン){慧澄}} 演:ワン・カンユー/吹替:小島敏彦 少林寺の経蔵係。 相当な手練れながら、恐るべき実力を持つ賊の前には敵わずに“七殺拳”の極意書を奪われてしまう。 -&b(){チェンシン} 演:ウー・テーサン/吹替:二見忠男 少林寺の厨房係。 酔拳の使い手なのか、いつも酔っ払ってはいるが実際には中々の手練れ。 -&b(){&Ruby(ルーツァオ){陸青}} 演:ジェームス・ティエン/吹替:青野武 %%黒幕が控えているが%%本作の悪役。 かつて、地に落ちた家名を復活させる為に少林寺から奪われた秘伝中の秘伝である“七殺拳”の極意を会得し、名だたる拳法家達を次々と殺害してゆく。 *【余談】 -原語版では、如何にも当時らしいというか著作権(それも外国)についての意識が低かったらしく、BGMが他の映画作品や日本人キーボーディストの喜多郎のアルバムから引用されたものが使用されていた。 -序盤で、経蔵に賊が押し入る際にイーロンを倒す方法に2つのパターン(後頭部を直接に殴るor薬を嗅がせて眠らせる)がある。&br()恐らくは、どちらも撮影された後にどちらかが没になるのか曖昧なままで編集段階にて後のシーンが繋げられてしまったことで、バージョンによって両方のパターンの何れかであるという奇妙な状況になっているのだと思われる。 追記修正は“五獣拳”を会得してからお願い致します。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 面白いんだけど、ラスボスを実質インチキで撃破したのはなんだかなぁって感じ。あと、ローウェイにしてはきちんとコメディしてるなと思ったらほとんど関わってないのね。 -- 名無しさん (2024-12-11 12:26:25) - 五獣拳はダブルドラゴンとかゲキレンジャーとか色々な作品でリスペクトされているので、当時としては相当なインパクトがあったんだろうな。 -- 名無しさん (2024-12-11 22:19:41) - 実はラストの1対6、あれは -- 名無しさん (2025-03-08 00:19:45) - 実はラストの1対6。 -- 名無しさん (2025-03-08 00:20:23) - 実はラストの1対6。あれは「怪獣総進撃」 のオマージュだと思ってる -- 名無しさん (2025-03-08 00:22:33) #comment() #areaedit(end) }

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