ユーハバッハ

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ユーハバッハ - (2025/10/19 (日) 12:05:48) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2014/10/06 Mon 14:25:58
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます

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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){&sizex(6){&bold(){&color(red){この項目はアニメ未放送部分のネタバレを含みます}}}} 
































#center(){&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){封じられし滅却師の王は}}}

&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){900年を経て鼓動を取り戻し}}}

&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){90年を経て理知を取り戻し}}}

&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){9年を経て力を取り戻し}}}

&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){9日間を以て世界を取り戻す}}}

(&ruby(カイザー・ゲザング){聖帝頌歌})}

                                                                                            

#center(){
&size(20){&bold(){&color(#402020){─────まだ私を名も無き者だと思っているか}}}

&size(20){&bold(){&color(#402020){我が名はユーハバッハ [[お前>兵主部一兵衛]]の全てを奪う者だ}}}
}




&underdot(#c0c0c0,2px){&sizex(6){&color(#402020){“ A ” ユーハバッハ}        }}
&sizex(3){&color(#402020){Yhwach}}

&font(#7fbfff){[職業]&ruby(クインシー){滅却師} &ruby(ヴァンデンライヒ){見えざる帝国}皇帝}
&font(#7fbfff){[所属]見えざる帝国「&ruby(シュテルンリッター){星十字騎士団}」}

 &font(#99ddff){[[[身長]]]200cm}
 &font(#99ddff){[聖文字]“ A ”}
 &font(#99ddff){[能 力]The Almighty ― &ruby(ジ・オールマイティ){全知全能} ―}
  &font(#99ddff){― 未来を見通し、その未来を改変する}
 &font(#99ddff){[完聖体]??????}
 &font(#99ddff){[[[CV>声優(職業)]]]菅生隆之}



漫画『[[BLEACH]]』の登場人物。

目次
#contents

*&font(#4169e1){†} 概要
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初登場は484話「THE BUCKBEARD」より。
&ruby(クインシー){[[滅却師>滅却師(BLEACH)]]}の組織『&ruby(ヴァンデンライヒ){見えざる帝国}』の総帥にして、配下達からは&bold(){&color(#402020){「陛下」}}もしくは&bold(){&color(#402020){「ユーハバッハ様」}}と呼ばれる&bold(){&color(red){『BLEACH』本編の黒幕。}}
また、帝国の精鋭部隊『&ruby(シュテルンリッター){[[星十字騎士団>星十字騎士団(BLEACH)]]}』の創設者である。


*&font(#4169e1){†} 人物
----
風貌は立派な髭を蓄えた長髪の大柄な男。服装は見えざる帝国共通の白い軍服の上に使い込まれた赤黒い[[マント]]を羽織っている。
一見物腰は落ち着いているが、&bold(){&color(#402020){「争いを好まない」}}と言いながら敵対者はおろか&bold(){味方である部下達さえも}容赦なく殺害する冷酷非道で無慈悲な人物。
しかし、虚圏を占拠し&ruby(トレス・エスパーダ){第3十刃}の[[ティア・ハリベル]]を捕え、アズギアロ・イーバーンやリューダース・フリーゲンを始めとする&ruby(アランカル){[[破面>破面(BLEACH)]]}を手駒に迎えるなど、純粋な戦闘力やカリスマ性も非常に高く、彼に心から忠誠を誓っている部下も少なくない。
また活躍を認めた部下を正当に評価し褒める場面もあり、霊王を取り込もうとしているところを妨害しに来た[[黒崎一護]]を[[石田雨竜]]が止めた際には&bold(){&color(#402020){「よくやった雨竜」}}と称賛した他、奮闘の末に死を迎えた[[“R”のロイド・ロイド>ロイド・ロイド(BLEACH)]]や[[ジェイムズ>マスク・ド・マスキュリン]]にも賛辞を送っている。

……とはいえ、多くの滅却師から絶対的な畏怖の象徴として見られているのも事実であり、配下の統率方法は&bold(){恐怖政治}に近いところがある。
騎士団内でも若手にあたるバンビーズらはユーハバッハのやり方や性格をあまり理解していなかったが、古株の[[ロバート・アキュトロン]]などは部下すら平然と切り捨てる彼の冷酷さを熟知していた。
無論、上述したように心から忠誠を誓っている者も決して少なくはない。
例として挙げるならば、労いの言葉を受けて感涙していた“R”のロイド・ロイド、処刑の決定を粛々と受け入れた[[蒼都>蒼都(BLEACH)]]、見捨てられてなお忠実であり続けた[[ナナナ・ナジャークープ]]、能力に関する言い付けを徹底的に厳守した[[リジェ・バロ]]((後日談小説『[[BLEACH Can't Fear Your Own World]]』においては、リジェはユーハバッハを狂信していたという事実がリルトットの口から語られている。))など。

ちなみに滅却師の始祖という言葉で誤解してしまうが、本編でのユーハバッハの年齢は&bold(){1200歳そこら}と(長寿の死神と比べれば)かなり&bold(){若手の部類}に入る。
1000年あまり前の幼い[[ユーグラム・ハッシュヴァルト]]との初邂逅の時点でユーハバッハは200年かそこらしか生きていない。
つまり後述の1000年前の戦いを整理すると、200年程度しか生きていないユーハバッハが数十年しか生きていない普通の人間((本編の帝国の滅却師が長命なのは尸魂界に入ったため。))を率いて、当時で少なくとも1000年以上は生きている[[山本元柳斎重國]]が率いる[[護廷十三隊>護廷十三隊隊長]]の[[死神>死神(BLEACH)]]に戦いを挑んだという事になる。
そう考えると、中々アグレッシブというか無謀すぎる挑戦である(のちの時代に起こった『尸魂界篇』の戦いにおける一護たちとの差よりは遥かにマシだが。)

因みに、バズや千年前のユーハバッハによると、ユーハバッハの誕生より前にも滅却師がいた模様である。にもかかわらず、彼は滅却師の始祖を名乗っている。これがどういうことなのかは現時点では明かされていない。
ただ辻褄を合わせるならば、霊王が100万年前からいる存在なのにも関わらずユーハバッハの誕生自体は1200年前とごく最近だったことや、不全の者がユーハバッハの誕生以降ハッシュヴァルトが産まれるまで現れなかったこと、アニメ28話の回想で下に落ちるユーハバッハが一度赤子に戻り母親らしき人物が受胎していること、そして和尚の不転太殺陵の"おんしが二度と生まれて来ぬよう"や"転生すらも許さぬ"という台詞を踏まえると、ユーハバッハは転生を繰り返している存在である可能性があるという考察もある。
ただその場合、100万年前から1200年前までの間、ユーハバッハはずっと不全の者として産まれ続け、間引かれていたという可能性もあり、もし本当にそうだとすれば非常に闇が深い話と言えよう。


*&font(#4169e1){†} 性格
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人物欄でも記されている通り徹底的に情け容赦の無い&bold(){冷酷非道な性格。}
山本元柳斎は彼の部下を軽んじるところは1000年前から変わっていないと言っているので、これは千年血戦篇に至る過程で変化したわけではなく元々の性格であった模様((1000年前に戦死した主要な部下達については未だ顔と名前を覚えている程度には気に留めていたようなので、元柳斎との戦いに敗れた事で元々あった冷酷さに拍車がかかったのが原作登場時点での彼の姿という可能性はある。))。
ただし、現在でも自身が特別気に入った相手には&bold(){相当甘いという一面も持つ。}

一護に対しては当初&bold(){&color(#402020){「敵でも味方でもない」}}と言いながら接しており、彼が滅却師の力に目覚めて以降は尸魂界を滅ぼす前の最終決戦を除けば、力は奪っても&bold(){命を奪う事まではしなかった。}
利用するという目的もあっただろうが、一護の出生の秘密も帝国に連れ帰った後で聞かせると言っている。

また、雨竜に至っては本当に&bold(){甘いを通り越した格別の対応}をしている。
まず相応の理由があっての事だが、雨竜が騎士団に入ってからはバンビーズ以上の新参者にもかかわらず即刻後継者に任命し、自らの側近にしている。
更に雨竜が自分を後継者とした理由に疑問を呈した際には&bold(){&color(#402020){「ただ受け容れるだけの愚者でなくて何より」}}と好意的に評した上で素直に理由を話して聞かせてもいる((バズビーがユーハバッハの真意を問おうとした際、マスキュリンが「そんなことをすればタダでは済まない、許されない」と制しており、そこが尚更雨竜には甘い対応である事が強調されているところ。))。
加えて霊王宮に向かう寸前に&bold(){&color(#402020){「&ruby(わか){訣}れの挨拶を済ませたか? もう会えないぞ」}}と念入りに意思を確認するという、普段の彼からは信じられない程の&bold(){気遣いの言葉}を雨竜に伝えている。

もう一つ特筆すべき点は&bold(){&color(red){嘘を絶対に言わない}}事である。
作中においてユーハバッハは(自身の認識している感覚・情報の範囲内においては)本当に何一つ嘘を言っていないし、本作では非常に珍しく&bold(){秘匿主義の人物というわけでもない((部下の1人(それも古株)であるロバートも「陛下は嘘が嫌いだ その存在意義に嘘は無い」と断言している。))。}
更に言えば、真実を言わなかったり適当に誤魔化すというのが敵味方問わずに『BLEACH』の登場人物の中では非常に多い特徴の一つなのだが、ユーハバッハには&bold(){それが全くない((敢えて例外を挙げるとすれば雨竜を後継者にすると部下達に宣言した時だが、この時もどちらかと言えば誤魔化しというよりも「疑問も懸念も要らない」と彼の中にある確信を疑う余地はないし、それをする事は無礼であると念押ししたという面が強い。))。}

まず一護に対しては自分が知っている事は全部教えようとしているし、一護と初めて邂逅した時も懇切丁寧に彼の力の説明をしていたりする。
アニメ版『千年血戦篇』で補足されたが、無間での[[藍染惣右介]]との会話でも&bold(){&color(#5f4975){「私の力を脅威と考えるからこそここに来たのだろう?」}}と煽る彼に対して素直に&bold(){&color(#402020){「そうだ」}}と認めた上で、&bold(){&color(#402020){「だが崩玉と融合したお前は殺すにも連行して封殺するにも時間がかかりすぎる」}}と言っている((逆に言えばユーハバッハや帝国には多大な時間さえあれば崩玉を取り込んだ藍染にすら対処できる方法があるという証左でもある。))。
また雨竜に対しても後継者に任命した理由を包み隠さず話し、更には雨竜が聖別を乗り越えた理由も率直に&bold(){&color(#402020){「私は知らない」}}と認めていたりもする。

『BLEACH』のラスボス兼黒幕なだけあって様々な事柄を知っている点においては恐らくあの[[浦原喜助]]や藍染以上なのだが、重要な情報を秘匿しがちな浦原や、自身が知らない事にすら知ったかぶり、挙句に一護から&bold(){&color(#f88d2a){「自分の知らないことが目の前で起きるのは怖いか」}}と指摘された際にも認めずに強がった藍染とは&bold(){決定的に異なる}のである。
ちなみに一護との初対決を観れば分かるが、自身の想定を上回る事態にはこれまた素直に驚愕し&bold(){&color(#402020){「しくじった」}}と&bold(){自身の失策である事を認めている。}

自分が知っている事は状況が許す限り全て話し、知らない事は誤魔化さずに知らないと答え、驚くときは素直に驚き、失敗した時もきちんと自身の非を認め、脅威と感じた者には&bold(){「特記戦力」}と認定して然るべき対処をし、かつて自身が敗れた護廷に対しても時間をかけて念入りな情報収集を徹底してそれを配下に共有する((作中のエス・ノトの言葉から情報は本当にユーハバッハ直々に用意したものらしい。))。
つまりこのユーハバッハという人物は、過去に大敗した経験への反省もあり、「全知全能」という作中屈指のチート能力を持っているという恵まれた境遇に反して、それに驕らずに情報収集も対策も怠らない&bold(){用意周到で綿密な性格の持ち主}とも言えるのである。
そして冷酷無情ではあるが甘いところもあり、なおかつ素直なところもあり、そして嘘や隠し事も一切しないという、『BLEACH』の登場人物どころか数あるこの手の創作物の中でも&bold(){非常に珍しいタイプのラスボス}なのだ。

ただしアニメでは星十字騎士団のメンバーに「滅却師は死神から非道な襲撃を受けた」と語っている。千年前に攻め込んだのはあくまでもユーハバッハ率いる光の帝国の方であり、死神は自分達の陣地の防衛をしただけに過ぎないはずなのだが。
もしかしたら作中で明かされていないだけで本当に死神から非道な襲撃を受けたのかもしれないし、攻め込んだ側が「非道な襲撃」と称したくなるほどにまで初代護廷十三隊が強烈でインパクトの大きい存在だったとも受け取れるため、明確な答えを出す事は難しい。


*&font(#4169e1){†} 能力
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#center(){&bold(){&color(#402020){一歩踏み出す 二度と戻れぬ}}

&bold(){&color(#402020){三千世界の 血の海へ}}

&bold(){&color(#402020){(BLEACH 55「THE BLOOD WARFARE」)}}}

**&font(#4169e1){†} 基礎戦闘力
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&bold(){作中最高峰の実力者}。その力量は配下である星十字騎士団はおろか十三隊の隊長格や十刃レベルを超越する高次元の猛者であり、その実力はかつての崩玉を取り込んだ藍染にも引けを取らない。
そのため彼と互角に渡り合える者は作中の中でも限られている。

霊子兵装には刀剣を用い、作中では滅却師十字から召喚する翼の意匠がある刀身の形が斬月と酷似した大剣や“大聖弓”から放たれる霊子の青白い矢を剣のように使って戦う。また、滅却師故に戦況に応じて弓矢(神聖滅矢)を使用する場面もある。

滅却師の基本戦術を用いた身体能力も桁違いであり、上述した刀剣を用いた戦闘ではキルゲの監獄で消耗していたとはいえ、滅却師完聖体のキルゲを終始完封していた一護の卍解・天鎖斬月の超速戦闘に互角以上に立ち回り、彼の斬術を物ともせず圧倒し続けた。ユーハバッハが繰り出す血装や飛廉脚は他の滅却師の追随を許さないレベルに鍛え上げられていると思われ、滅却師の頂点に君臨するに相応しい力を発揮している。

浮竹十四郎の神掛により現れた霊王の右腕であるミミハギ様および、本体の霊王を吸収することで、霊圧をはじめとしたあらゆるスペックが極限まで跳ね上がっており、アニメ版の補完シーンでは霊王を吸収中に変化したユーハバッハの霊圧は、&bold(){崩玉と融合して高次元の存在となった藍染のみが唯一まともに知覚できていたレベル}で、瀞霊廷に居る浦原や護廷十三隊の隊長格といった実力者達でさえ藍染に指摘されるまではユーハバッハの霊圧を感じ取れなくなっていた程である。

**&font(#4169e1){†} 固有能力
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**&font(#b369d3){◇-魂を分け与える力}
滅却師は皆、周囲の霊子を集めて自分の力にする能力を持っているが、ユーハバッハには他の滅却師にはない特別な力が先天的に存在する。
&b(){『魂を与える力』}である。これは滅却師でありながら滅却師の在り方とは相反する力であり、ユーハバッハの力の根源でもある。
他者に触れる、或いは触れられる事で自らの魂の欠片を与え、その者の心身の欠陥を満たす事ができる。
これにより、1人の魂では埋める事が出来なかった傷が癒えていく((例:病が治る。寂しい心が満たされる。卑怯者が勇敢になる。脚を失った者が元通りに治るなど。))。
それと同時にその者が得た知識・才能・能力・経験などの全てはユーハバッハの魂に刻まれ、その人間が死ぬと与えた魂はユーハバッハ自身に還る。
つまり与えた魂が還って来る度にその全てを継承して強くなる事ができ、かつては動く事さえできなかったユーハバッハはこれを繰り返す事で自由な肉体や強い力を手に入れてきた。

ただし、これは決して単純に便利なだけの力ではないようで、魂の欠片を与えられた者は短命となるリスクを抱える事となる。
中には魂を与えられてから数年、あるいは数ヶ月、時には数日で死に至る者もいたという。
もっとも、ユーハバッハ本人にとってはそれだけ早く力を回収できるという事でもあるため、それもまた便利な長所とも言えるのだが。

能力自体が&b(){魂の欠片を与える事で心身の欠陥を満たす}というその特異性からか、[[兵主部一兵衛]]との戦闘において、能力で力を半分に削られたにもかかわらず自力で元の力を取り戻している。
曰く、&b(){半分に&ruby(そ){殺}いだその力でさえ自らに再び与える事が出来る}らしい。

この&b(){触れる事で自らの魂の欠片を与える力}だが、長年の研鑽ゆえか直接触れずとも魂の欠片を与える事もできるようになっており、作中では戦場に魂の欠片をばら撒くというとんでもない事までしでかしている。
こうした権能は死神にも有効であり、彼らが死ぬ際も同様にユーハバッハに還るが、&ruby(ホロウ){[[虚>虚(BLEACH)]]}にまで有効なのかは明言されていない。
しかし『千年血戦篇』最初期に登場した破面のイーバーンが滅却師の力を持っていたり、滅却師にとって本来は毒であるはずの虚の力を奪った描写がある点から、恐らく虚にも有効であるという線が有力と思われる。
基本的に滅却師は虚の力を取り込むと身体に異常をきたすなどするが、彼の場合はそのような事態には陥っていない。(霊王の一部を吸収している時とはいえ)イーバーンとは比較にならないような強大な虚の力ですら奪ってもデメリットは特に見受けられなかった。
更に他の滅却師では扱えないという「残火の太刀」すらも平然と手中に収めている。
総じて、とことん主人公陣営を勝たせる気のないチート中のチート能力である。
&ruby(配下){滅却師}が死のうと&ruby(敵){死神他}が死のうと痛手はなく、逆に自身が強化され続けるのだから。

この力を更に発展させたのが『&ruby(シュリフト){聖文字}』という能力。
他者の魂の内に能力の「頭文字」を直接刻む事でより深く強力な魂の欠片を分け与える事が出来る。
刻んだ&b(){「頭文字から連想する能力」}が発現するという性質上、誰にでも簡単に任意の強大な力を植え付けられるかのように見えるが、後述の聖別を行なって力を回収した後もその対象者が聖文字により得た能力自体は失われていない点から考えると、ユーハバッハ自身が頭文字から連想する能力そのものを与えているのではなく、ユーハバッハに与えられた魂の欠片によって対象者の内に眠っていた個々の潜在能力が目覚めているのだと思われる。&s(){Xの文字を見つけたときは相当嬉しかっだろう。}
こうして魂の譲渡と収奪を繰り返してきたユーハバッハは、数多の滅却師の魂を重ねて形作られた存在と見る事が出来る。
つまり、ユーハバッハの魂の欠片そのものが死神達の扱う[[斬魄刀]]の浅打に近しい存在とも言える。
聖文字を刻印する儀式は対象者がユーハバッハの一部を自身の身体へと取り込む事で完了し、作中では血杯を飲むという形で行なわれた。
この儀式を経る事で、魂の欠片を受け取った者が短命になるという上記の能力の欠点を克服している模様。


**&font(#b369d3){◇-&ruby(ブルート){血装}}
滅却師全体の共通能力である、血管に霊圧を送り込む事で身体能力を跳ね上げる技能。
アニメ版のキーワード解説では滅却師の能力が高い者が扱えば卍解状態の死神に匹敵するという解説がされているので、始祖として滅却師の頂点に立つユーハバッハが使えば、当然ながら他の滅却師が追随出来ないレベルの血装を展開出来る。
その証左として後述するユーハバッハの血装のみ扱える固有技が存在する。

また、この能力は全知全能の力と合わせると滅却師の血を引いている者の体の制御権を一時的に奪う事すらも可能。
作中では自身の剣を媒介にして一護の血装を無理矢理発動し、これにより一護は為す術も無く体を操られ、霊王に止めを刺してしまった。


**&font(#b369d3){◇-&ruby(アウスヴェーレン){聖別}}

#center(){&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){掲げよ!}}}

&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){銀の紋章・灰色の草原・光に埋もれた円環の途}}}

&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){瑪瑙の眼球・黄金の舌・頭蓋の盃・[[アドナイェウス>霊王(BLEACH)]]の棺}}}

&bold(){&italic(){&color(dodgerblue,black){掲げるものは、お前の心臓!}}}

&bold(){&color(dodgerblue,black){&ruby(アウスヴェーレン){聖別}}}}


自身が不要と判断した星十字騎士団メンバーから、与えた力や命を強制的に回収し、他者に与え直す能力。
ここで奪われた側は死に至る場合もあり、反対に与えられた側は更なる力を得た上で死からすら復活する。『BLEACH』においてとても珍しい&bold(){死者を蘇らせる事ができる力。}
特筆すべき点として、本作では絶対視されていた霊圧や霊子の概念をも無視するという点でも非常に稀有かつ法外な能力と言える。
アニメ版#25では上記の詠唱をするシーンが追加され、これも術式の一つである事が判明した。

初出の際の能力説明でハッシュヴァルトは対象を星十字騎士団と限定したが、実際は「あらゆる滅却師から」とするのが正確と思われる。
力を回収された者が死ぬというのも即死に限った事ではなく、力を根こそぎ奪われた事によって後に衰弱死する等のパターンもある。
作中で聖別の対象となった者に待ち受けていた主な結末は「その場で白骨化し力と命の両方を奪われた」、「失ったのは力のみだがやがて衰弱死した」、「完聖体の力のみを失った」の3通り。
この事から、聖別では少なくとも「全ての力と命を根こそぎ徴収する」「重篤に陥るレベルまで力のみを徴収する」「完聖体の力のみを徴収する」くらいの匙加減は可能なのかもしれない。また、[[リルトット>リルトット・ランパード]]等は咄嗟に回避を試みるなどして辛くも直撃は免れた事で完聖体を失うだけに留まった点から、結果は聖別の光をどの程度浴びたかにもよるのだろう。
この数回にわたる聖別を悉く完全に逃れたのが石田雨竜であり、その理由は&bold(){滅却師の始祖にして全知全能たるユーハバッハを以てしても分からないと言う程}である((黒崎兄妹も聖別の対象から免れているが、恐らくこちらは滅却師の他に死神などの性質も入っているからだろう。そしてこの黒崎兄妹は滅却師の血こそ混じっているが、滅却師ではない。作中でもユーハバッハは、滅却師にもかかわらず聖別から逃れたのは雨竜ただ一人だと明言している。))。


**&font(#b369d3){◇-&ruby(ジ・オールマイティ){全知全能}}

#center(){&bold(){&color(#402020){“眼”を開いた私は 今この瞬間から遥か未来に渡る全てを見通す事ができる}}

&bold(){&color(#402020){見通したものを全て“知る”事ができる}}

&bold(){&color(#402020){そして知った“力”は全て私に味方する}}

&bold(){&color(#402020){その力で私を倒す事はおろか 傷付ける事すらできなくなるのだ}}

&sizex(6){&bold(){&color(#402020){それが我が力 『&ruby(ジ・オールマイティ){全知全能}』}}}}


ユーハバッハの聖文字“A”の能力。
ハッシュヴァルト曰く&bold(){&color(#80c7bc){「全てを知り 全てを見通す」}}能力だという。
全ての未来を見通し相手の力を知る事で、自分自身に対する全ての攻撃を無力化する。
文章だけを見ると誤解しやすいが、未来を見通しているが故に回避ができるという事ではない。
といっても作中で明確に無力化で対処したのは[[兵主部一兵衛]]の力のみで、それ以降は能力を無力化したような描写はない。
&s(){基本的にまともな戦闘にならないから仕方ないが……}

その真の力は&b(){&color(red){「未来を見通し、未来を意のままに改変する」}}能力。
この力により、その場でこれから起こりうる未来を自分にとって都合のいい様に書き換える事ができる。
相手の立っている場所に罠を仕掛けておいて確実に罠を命中させたり、相手の武器を触れずして破壊したり、防御を無視して一方的にダメージを与える事も可能。
描写から見るに、[[月島秀九郎]]の「過去に自らの存在を挟み込む」能力とは異なり、&bold(){言葉通りの意味で}自由自在に書き換える事が出来るのだろう。
恐らく特別な発動条件なども存在しないため、任意のタイミングで意のままに未来を改変できる。

なお、この力は夜になるとハッシュヴァルトと力が入れ替わり、ハッシュヴァルトは夜の間だけ「全知全能」の力を使用可能になるが、代わりにユーハバッハは「全知全能」の力を一時的に失ってしまう。
恐らくこの際は日中のハッシュヴァルトと同じように、「&ruby(ザ・バランス){世界調和}」が使える状態になっているものと考えられる。

余談だが、千年前と本編軸の全知全能だと能力が違う可能性がある。
千年前に和尚に封印される際のユーハバッハの瞳の数は2つ(力を封印される際に二つの瞳が重なり合う形で1つになった)だったのに対し、本編の全知全能の時は3つだったことや、全知全能のことを知っていたはずの和尚が霊王宮での対戦の際にその能力について驚愕していたことから、1000年前の全知全能は単なる未来視であり、今のような知った力の無力化や未来改変などの能力は備わっていなかった可能性が高い。
また、瞳の数についてだが、虚を除く全ての種族の力を持つ霊王が四つ、全ての種族の力を持つ一護が不入参道での修行中の目に現れた瞳は五つだったことから、瞳の数はその者が持つ種族の力の数を表してると言われている。
よって、ユーハバッハは千年の間に霊王のパーツを手に入れ、滅却師と人間の他に完現術者の力も手に入れた可能性があり、それが全知全能の力の変質に繋がっていると思われる。

作中最強クラスと言って問題無い非常に恐ろしい能力ではあるが、「完全無欠・抵抗不可能」な能力ではない。

まず一つ目に「霊王関連の事象は把握できない」という点。まあこれは[[霊王>霊王(BLEACH)]]がよりチートだった、という事だろう。

次に、干渉できるのが「未来」であるという、性質上?の弱点もある。
この能力は&bold(){現在から先の分岐}を見通して干渉している。なので、&bold(){「過去改変能力」によって抵抗を許してしまう}。
実際、「全ての未来において折られている」と改変されてしまった[[天鎖斬月>斬月(BLEACH)]]は、個人の能力の中では作中でも屈指の回復力を有する[[井上織姫]]の能力をもってしても修復できなかったが、月島の能力によって「ユーハバッハに折られなかった」という過去を後から挟み込む事で再び修復可能な状態になった。
ユーハバッハが「月島が過去を改変する事」や「過去を改変した上で天鎖斬月を修復して再度向かってくる事」は予知して改変していなかった点から、[[過去改変]]能力によって新たに発生した分岐については未来視の範疇外であると推察される。

また、雨竜に与えた聖文字の力「&ruby(アンチサーシス){完全反立}」も既に起きて確定している物事を入れ替えるという性質上、この能力に対抗できる芽があるかもしれないとされる。
何故そんな厄介な能力を雨竜に……と思うかもしれないが、他の団員の例から見ても、やはり聖文字によってどういう能力が発現するかは本人の資質によるという事だろう。
ただ、これらに関しては過去改変が行われた後で再び未来を予知して改変出来る上、実際未来視もしていたので完璧な対応策という事でもない。

そして、&bold(){未来視の能力で見る情報も藍染の「鏡花水月」の催眠によって誤認しうる}という弱点がある。
あくまで未来を予見、予知して改変する……つまり「視覚」を使った能力であるため、完全催眠にかかっている場合、未来を予知する時点で間違った認識で未来を見てしまう。
当然、誤認した未来を書き換えたところで思い通りの結果にはならない。

なお、いつ鏡花水月の始解する瞬間を見たのか?という当然の疑問についてだが、最初の侵攻時に藍染と会った後に体内時間を少し狂わされていた件から、この時にこっそり見せられていた可能性がある。
それでなくとも藍染に関して未来視を使った際に必然的に「見てしまう」可能性はかなり高く、根本的に相性が悪いと言えよう。
そして完全催眠の術中に陥ってしまっては未来改変したところで、「錯覚だ」で実は間違ってましたというオチになってしまう。

使用者の藍染は未だ不死身の存在になったままなので、直接使用者を倒そうにも世界ごと崩壊させる以外に手っ取り早い手段が無い(と思われる)。
更に言うと完全催眠は『催眠されている』と思っても具体的な対策はほぼ取れないため、ユーハバッハも解除されるまで待つ必要があった。

ユーハバッハは一護が天鎖斬月を直して再び挑みに現れる事を事前に見通すなど、予知の精度は極めて高い。
しかし、ここにもいくつかの穴がある。
一護が斬月を持って現れてその斬月で斬られるというイメージを見ていたのだが、この時は丁度朝であり、&bold(){ハッシュヴァルトと能力が入れ替わる前後だったために}それを予知ではなく単なる悪夢だと勘違いしてしまっていた。
しかもこの時の斬月が出刃包丁じみた見た目の元祖斬月の形状だったので、元から「これは予知だ」と認識しながら見ていなければ勘違いするのも当然な未来だった((流し読みしがちだが、ここらはかなり計算されて描写されている。))。
その事から察するに、ほぼ自動で能力が発動して危機を察知できるはずなので非常に強力な反面、稀なケースではあるが状況によっては&bold(){そのビジョンが能力なのか夢なのか判別できない}という事でもある。
更に実際の場面とはシチュエーションが異なっていたため、予知の内容によっては能力者自身の解釈が挟まる余地があり、簡単には使いこなすのが難しい力だと思われる。

実際、能力を預かっていたハッシュヴァルトはユーハバッハに比べれば断片的な未来予知しか出来なかった。
ただし、それでもユーハバッハや己の死は予知していたなど十分に広範囲ではある。
ハッシュヴァルトの未来視を改変できなかった件については、未来が確定して視えていたのか、上述の勘違いの件からユーハバッハがその未来を見逃していただけで、正しく認識していれば改変できたのかまでは不明。

また未来改変についても、必ずしも何でもかんでもお手軽に出来るわけではなく、ハッシュヴァルトでは扱えず、ユーハバッハにとってもそう簡単には扱いづらかった事がうかがえる。
まず、兵主部戦の終盤で敗北の瀬戸際まで未来改変を温存していた事も、決して舐めプしていたわけではなく単純に使えなかったからである。
(制御に1000年の月日を要した((1000年前も未来改変が出来たのかは不明。ただし情報通の兵主部ですら想定外の能力だったようなので、1000年前の戦いでは使っていないと考えるのが妥当。))&制御出来なければ滅却師を巻き込む恐れがあったため)
その後の描写にもこれは表れており、具体的には能力の行使に物理的にいくらかの時間を要する。
視た瞬間に全てを知って全ての改変を完了するような能力ではなく、視る事も、それを元に改変する事も手作業であるかの如く多少は時間を要すると察せられる。
何故ならば自分の死を書き換え、世界を崩壊させようとした時の天鎖斬月への干渉はヒビを入れるに留まり、完全には破壊できなかったからだ。
他にやる事が多くて時間が不足していたからか藍染の能力が原因かは不明だが、干渉すれば瞬時に理想的な成果が100%得られるわけではないのだろうという事である。

雨竜の父・石田竜玄がユーハバッハの能力を一瞬停止させる特攻アイテム「静止の銀」を持って侵入していた事や、その静止の銀を使って雨竜が不意打ちを仕掛ける事に至っては事前に察知すらできていなかった。
雨竜の場合、過去改変能力の影響か、静止の銀の影響か、はたまたそれ以外の要因があるのかは不明だが、ユーハバッハの未来視から外れていると思われる。
そして雨竜によって一時的に能力を停止させられた後に再度未来改変しようとした時は、流石に認識しておく間が必要だったのか、ギリギリで天鎖斬月を破壊出来たのは良いが、その後壊れた刀の中から現れた元祖斬月には対応が間に合わずに敗北してしまった。

**技
・&bold(){&color(#402020){&ruby(クヴァール・クライス){苦悶の環}}}
&bold(){アニメ版オリジナルの技。}
敵の周囲を取り囲むように無数の&ruby(ハイリッヒ・ボーゲン){神聖弓}を生成し、全方位から&ruby(ハイリッヒ・プファイル){神聖滅矢}を連射して集中砲火を叩き込む。
破壊力・殺傷力の調整も自在であり、劇中では矢を刺した無数の瓦礫で一護を押し潰しながら動きを封じる芸当も見せている。

・&bold(){&color(#402020){&ruby(ザンクト・ボーゲン){大聖弓}}}
超巨大な神聖弓を作り出し、これまた巨大な神聖滅矢を複数発射する。
兵主部に吹き飛ばされた際、自分自身を射って強制的に戻るために使われた。
矢を直接手に持って剣として使う事もでき、元柳斎にもこの矢剣でトドメを刺した。

・&bold(){&color(#402020){&ruby(ブルート・ヴェーネ・アンハーベン){外殻静血装}}}
「&ruby(ブルート・ヴェーネ){静血装}」を体外へ放出し、自身を取り囲んで防御壁にする。
更にこの防御壁やユーハバッハに触れた者の身体を侵食し、力と肉体を奪う事も出来る。

・&bold(){&color(#402020){&ruby(ザンクト・アルタール){簒奪聖壇}}}
天空に五芒星を展開し光を放ち、対象から力の全てを奪い取る。
瀕死の身と化していた“R”のロイド・ロイドの息の根を止めたのは恐らくこの技。

・&bold(){&color(#402020){&ruby(ザンクト・ツヴィンガー){聖域礼賛}}}
滅却師の極大防御呪法。
原作では彼に変身していた“R”のロイド・ロイドのみが使用していたが、相剋譚ではユーハバッハ本人も一護戦で使用。
掌からローマ数字が刻まれた4本の光の柱を出現させて結界を作り、中に踏み入れた者を光の刃で断ち切る攻防一体の結界を作る術。
しかし、一護の月牙十字衝の火力には一方的に破られてしまった。

・&bold(){&color(#402020){聖兵の創造}}
霊王の力を取り込んだ後に力の残滓で創り上げた聖兵。
聖別で奪い取った大量の聖兵の命を基にして創り上げたようで、神聖弓および神聖滅矢を扱える。
リルトットやジゼル、更にジゼルによってゾンビ化されたバンビエッタ、キャンディス、ミニーニャらとアニメで交戦。途中でマスクが剥がれたことで中の黒い塊と複数の目が露わになったため、その姿にはリルトット達も驚愕していた。


*&font(#4169e1){†} 正体
----
一護の母・[[黒崎真咲]]の死の元凶である。
真咲は&ruby(エヒト・クインシー){純血統滅却師}であり、一護は母・真咲から滅却師の能力を受け継いでいた。
そして、9年前のグランドフィッシャー事件の背後では、ユーハバッハが「不浄」と取り決めた&ruby(ゲミシュト・クインシー){混血滅却師}から力を奪うための儀式『&ruby(アウスヴェーレン){聖別}』が行われていた。
これにより、一護の母・真咲は虚が混じってしまっていたために、雨竜の母・叶絵は混血統滅却師であったために不浄と見做され、力を奪われた末に命を落とす結果となった。

ユーハバッハは1200年前に誕生した滅却師の始祖であり、彼より後に生まれた滅却師には例外なく彼の血が流れている。
この事から彼は一護、雨竜を含めた滅却師を息子と呼ぶ。

一護の[[斬魄刀]]「斬月」(と思われていた存在)は一護の「滅却師の力の根源」であり、1000年前のユーハバッハの姿を象ったものであった。
また、斬月自身も自らがユーハバッハであった自覚がある。

赤子の頃は目も見えず、耳も聞こえず、更には声を出す事も含めて一切動く事さえ出来ないという有り様であったが、前述の能力を当時の人々から重宝されていくうちに三重苦を克服した。
また、この能力によって人々が&b(){信仰していた神の名}で自身を崇めた事で、その神の名を自ら名乗るようになった。
少年期の姿は「天鎖斬月」に酷似している。
他者から魂を取り込む事をやめれば赤子の頃のような全盲の身体に戻ってしまうため、敵味方問わず絶え間無く殺し続ける必要があるのだ。

恐らく元ネタとなったのは「[[Y・H・V・H>唯一神(Y・H・V・H)]]」。


*&font(#4169e1){†} 出生から尸魂界侵攻前まで
----
およそ1200年ほど前、現世のとある場所にて生まれる。
その赤子は生まれつき手足を動かせず、目、耳、鼻、口といった人が生きていく上で必要不可欠のあらゆる機能すらも不全な状態だった。
しかし彼は&bold(){『自身の魂を分け与える力』}と&bold(){『力を分け与えた者が死亡するとその経験と力の一部が自身に還って来る』}という特殊な能力を持っていた。
そして分け与えた力が戻って来る度にその子はあらゆる機能を取り戻し、周囲の人間はその奇跡の如き力を持つ子供に自分たちが信仰する神の名をつけた。
それこそが&bold(){&color(#402020){ユーハバッハ}}という名である((こういった経歴から彼にはユーハバッハとは別に元々の本名があると思われるが、その名は不明。))。

その特異な力を行使し自身は&bold(){200年}という普通の人間ではありえない時を生き永らえながら滅却師の国を築いた。
周辺諸国や領土を侵略戦争で取り込みながら、その国は大きくなり、やがて&bold(){&color(dodgerblue,black){&ruby(リヒトライヒ){光の帝国}}}という名で君臨する事になる。
ユーハバッハが200年程の歳月を生き、帝国の繁栄と統治が佳境に入った頃に、彼はある存在に戦いを挑む事を決断する。
それこそが&bold(){&ruby(ソウル・ソサエティ){尸魂界}}である。
彼は尸魂界、そしてそこに住む死神という存在が如何に脅威かも知り得ていたので、それに挑む新たな戦力として&bold(){星十字騎士団}を立ち上げた。

中でも彼が騎士団に求めていたのは自身と同じ力を持つ者の存在、すなわち&bold(){『半身』}であった。
徴兵制度で騎士団の兵を募る中、遂に彼は&bold(){&color(#402020){『自身の目』}}でその存在を探し当てた。
それこそが当時まだ少年だった&bold(){&color(#80c7bc){ユーグラム・ハッシュヴァルト}}である。
ハッシュヴァルトは自身と[[バズビー>バズビー(BLEACH)]]の仇敵であるユーハバッハに求められ困惑するも、バズビーへの劣等感に苛まれていたハッシュヴァルトはユーハバッハに「お前こそが必要な存在だ」と言われた事とその際のバズビーの態度から、迷いながらも&bold(){殆どその場の勢いで}バズビーと訣別し、自分を求めてくれるユーハバッハに付いて行く事を選んだ。

それから幾年月の果て((原作で分かる限りハッシュヴァルトを迎え入れてから3年は費やしている。))騎士団の戦力が円熟したのを契機にユーハバッハは&bold(){&color(#F54738){尸魂界に血戦を挑む。}}

#region(アニメ版#24ネタバレ。非常に重要な内容なので閲覧注意)
#center()
しかし、死神側も光の国が攻めてくる事は事前に察知しており、帝国が尸魂界に攻め入る直前に交渉の場を設けた((この対談では虚と世界のバランスの話し合いがあまり出ていないので、恐らく歴史で伝えられている滅却師と死神の対話とは無関係だと思われる。))。
そしてユーハバッハの元に現れたのは、なんと零番隊にして死神の頭目でもある真名呼和尚こと[[兵主部一兵衛]]だった(([[修多羅千手丸>修多羅千手丸(BLEACH)]]はユーハバッハに「久しい」と言っていたので、彼女もこの時に同席してユーハバッハに会っていた可能性がある。))。
兵主部が提示した内容は世界の均衡を保つ事を死神に任せて、帝国は自国の繁栄のみを追求する。また帝国には尸魂界は一切関与しない。
この2つの条約で尸魂界と帝国に不可侵条約を結ぶというものだった。

兵主部はこれを互いに利しかないと言い条約を結ぼうとするが、そもそもユーハバッハは&bold(){「かつて三界に分かれる前の世界に戻す」「今の世界で人間が死に怯える事を断ち切る」}という信念と野望で尸魂界に攻め込もうとしていたので、その条約を一蹴。
それに対して兵主部は「ユーハバッハは&bold(){なにも分かっていない}」という一言ともに左腕を出す。

そして&bold(){&color(#a9a9a9,#1f2221){兵主部の左腕の目}}と&bold(){&color(#402020){ユーハバッハの目}}が同時に開かれる。

#center(){
&size(20){&bold(){&color(#a9a9a9,#1f2221){見せてやろう}}}

&size(20){&bold(){&color(#402020){見えているぞ}}}
}


兵主部が左腕を開放してユーハバッハに見せたもの───それは&bold(){三界がどのように成り立ったのか、そして霊王がどのような存在であるか}だった。
これを見せてユーハバッハの士気を挫かんとする兵主部だったが、今の霊王の姿を見たユーハバッハは更に激昂する。
目と血装を開放し、今にも兵主部と戦わんとするユーハバッハに零番隊の頭目は&bold(){誰もが想像も出来なかった一手をユーハバッハに撃つ。}

なんと[[自身の左腕>ペルニダ・パルンカジャス]]を&bold(){ユーハバッハに与えた}のである。
しかしこれによりユーハバッハは&bold(){&color(#402020){『自身の目』}を封じられてしまう。}
もはや死ぬまで目を封じられてしまったユーハバッハにはこれで尸魂界に攻め込む事も脅かす事も出来ないだろうと判断した零番隊の頭目は「手を引け」という一言ともに光の国を去る。
しかしユーハバッハもまた自身の目を封じられようとも戦意は微塵も揺らがずに尸魂界との&bold(){&color(#F54738){血戦}}に挑むのだった。



#endregion


*&font(#4169e1){†} 尸魂界血戦
----
そして尸魂界の侵攻に乗り出したのだが、当時尸魂界でも世界や瀞霊廷を護る為に山本元柳斎が立ち上げた新たな組織が存在した。
それこそが他ならぬ&bold(){&color(#F54738){護廷十三隊}}である。

アニメ版#7にて1000年前の初代護廷十三隊との戦いが補完されたが、文字通りの&bold(){&color(#F54738){惨敗だった。}}
なにせ副団長であるヒューベルトを始め部下を根こそぎ全滅させられ、翻って敵方の隊長格はほぼ無傷だったのである((一般隊士の死体は数多くあった。また、ハッシュヴァルトは元柳斎の卍解の詳細を原作時点でも知らなかったので、彼はこの時は前線に出ていなかった可能性がある。))。
そんな骸の上で哄笑しながら元柳斎を迎え撃とうとしたユーハバッハだったが、しかし元柳斎との一騎打ちになるわけでも、隊長格全員でユーハバッハと戦ったわけでもなかった。
ここから護廷側が取った行動は、ユーハバッハをもってして後に&bold(){&color(#402020){「敵を討つのに利するものは全て利用する 荒くれ者の集う殺し屋の集団であった」}}と述懐するに相応しい一手だった。
なんとユーハバッハのすぐ後ろに積み上がっていた死体の山の中から突如、元柳斎の右腕にして一番隊副隊長の[[雀部長次郎]]がユーハバッハを&bold(){奇襲}。
ユーハバッハはこの攻撃に全く反応出来ずに負傷し、これにより動きが完全に止まった直後に残火の太刀((この時は全ての炎を一刀に収束しただけの基本技のみ。))の直撃を受けるという凄惨窮まる敗北であった。

つまり復活したユーハバッハが護廷側の戦力把握と情報入手を念入りすぎる程に徹底し、卍解奪掠などのガンメタを張りまくり、最初の奇襲で真っ先に雀部を葬った事などの戦術は全て&bold(){1000年前の教訓から得た物なのである。}
ちなみにアニメ版ではこの時は前述のように兵主部の手で全知全能の力を封じられており、ユーハバッハの目は普通の状態だった((原作でも1000年前の戦いの情報を持っているはずの兵主部一兵衛や二枚屋王悦らがユーハバッハの能力を知らなかったので、当時は全知全能を使っていなかった事はほぼ間違いない。))。
また作中では終盤に追い込まれた時を除くとピンチの時でも終始余裕の態度を保っているので想像し辛いが、実際は再度の侵攻までに1000年もの時間を費やした事から、その自信の担保は完全復活と全知全能の力の制御あってこそのもので(その間、敵戦力の解析や対策も相応に進んだが)、1000年前は全力で心底追い込まれたのだと思われる。

このように1000年前の戦いに敗れた経験から死神への復讐も目論んでおり、特に護廷十三隊の長である山本元柳斎や零番隊の頭目である兵主部一兵衛との間には1000年前から浅からぬ因縁が存在していた。


*&font(#4169e1){†} 本編の軌跡
----
現世へ一護の足止めに赴いたイーバーン、瀞霊廷へ元柳斎への宣戦布告に出向いたリューダースの両名が、戻ってくるなりいがみ合っていたところで初登場。
リューダースの右腕を吹き飛ばして制した後、彼らの報告に耳を傾ける。
そして宣戦布告の際に預言者気取りで未来を語ったという理由でリューダースを処刑した挙げ句、イーバーンに至っては可もなく不可もなしと言うあんまりな理由で同じく処刑した。
もっとも、この時点でのユーハバッハは聖文字の力が使えず、未来が視えなかったため、そのような彼の前で未来を語ったリューダースの振る舞いが目に余ったのかもしれない。
&s(){即処刑するあたりは理不尽としか言いようがないが。}


一護が&ruby(ウェコムンド){虚圏}に浸入したのを見計らい、自ら星十字騎士団を率いて瀞霊廷への侵攻計画を実行に移す。
側近のハッシュヴァルトと共に戦況を傍観していたところに[[更木剣八]]が襲撃するが、これを難なく圧倒した直後、宿敵の元柳斎が到着し交戦を開始。
彼の卍解の前にあっけなく倒されたかに見えたが、ここで戦って敗れたのは[[影武者]]であり、この間に自身は「無間」に投獄されている藍染に会っていた。
無間から戻ったユーハバッハは影武者=“R”のロイド・ロイドに賞賛の言葉を贈りつつ、死の淵で苦しむ彼の息の根を止める。
そして激昂する元柳斎の卍解を奪い、瞬く間に彼をも殺してしまった。
この時に山本元柳斎の死体を踏みつけ&bold(){凄まじい程に長い独白}を口にしている。

#region(それがこちら)
#center(){
&bold(){&color(#402020){死しても逃さぬとでも言うつもりか 下らぬ}}

&bold(){&color(#402020){山本重國 半端者よ&br()私が何故5人の特記戦力から貴様を外したか知る由も無かろう}}

&bold(){&color(#402020){貴様 何故左腕を治さなかった&br()あの人間の女に命ずれば治す事はできた筈だ 何故それをしなかった&br()解っている 貴様は人間を利用したくなかったのだ}}

&bold(){&color(#402020){知っているぞ&br()貴様は藍染との戦いの最中も人間である黒崎一護を巻き込む事を案じていた}}

&bold(){&color(#402020){そして今も尸魂界だけでなく 現世までもその背に負って私の前に立ち そして敗れた}}

&bold(){&color(red){貴様は弱くなった 山本重國 かつての貴様は違った}}


&size(20){&bold(){&color(#402020){貴様が創設した当初の護廷十三隊は 護廷とは名ばかりの殺伐とした殺し屋の集団だった}}}

&size(20){&bold(){&color(#402020){だが それ故に恐るべき集団だった}}}

&bold(){&color(#402020){それを束ねる山本重國 貴様は正に剣の鬼&br()敵を討つに利するものは全て利用し 人はもとより 部下の命にすら灰ほどの重みも感じぬ男だった}}


&bold(){&color(#402020){だが 我等滅却師を殲滅してそれは変わった&br()安らかな世を手に入れた貴様らは守るべきものを増やし 慈しみ つまらぬ正義や誇りの為に二の足を踏む惰弱の一群に成り下がった}}

&bold(){&color(#402020){貴様は死ぬ迄 知らぬままだったが故に教えてやる}}

&bold(){&color(#402020){尸魂界はこれから死ぬが}}


&size(25){&bold(){&color(red){護廷十三隊は千年前 我等と共に死んだのだ}}}
}

原作では&bold(){4ページ}、アニメ版では若干早口で言ってるにもかかわらず&bold(){2分はある}あまりにも長すぎる口上である。
おかげで一部の読者や視聴者からは「生粋の厄介ファン」「まさにアンチの熱量は時に純粋なファンをも凌駕する」等、散々な言われように。
言うまでも無いが、こんなに語っていなければその間に尸魂界に更なる壊滅的な被害も出せたはず((よく一護も捕らえられたと誤解されるが、一護が現れたのはこの後なので、この独白があろうがなかろうが一護に対処する時間は変わらなかったりする。))。
そして後述する藍染の仕込みをハッシュヴァルトは&bold(){分かっていた}ので、それを理解した上でこれを黙って聞いていた訳である。

#endregion

その後は[[キルゲ・オピー]]の「&ruby(ザ・ジェイル){監獄}」を破って現れた一護とも交戦し、捕えて連れて行こうとするも活動時間の限界が来たため断念しその場は帰っていった。
ちなみにこの時に活動時間にはまだ余裕があるとユーハバッハは思っていたが、藍染が(恐らく嫌がらせの一心で)ユーハバッハの感覚を若干狂わせて、活動時間の限界を誤認させていたのだ。
ハッシュヴァルトの方は藍染に直接会っていないので、当然ユーハバッハが活動時間を誤認している事には気付いていた。

一次侵攻が終わった後に雨竜を帝国に招き入れ、自身の後継者として配下に加える。
これは雨竜が混血統滅却師であるにもかかわらず、かつて聖別で力を奪えなかったため、雨竜には自身の力を超える何かがあるに違いないと睨んだためらしい。
ハッシュヴァルトは敢えて彼を配下にする事で行動を制限する意図もあったものと推測している。

そして再び瀞霊廷へ侵攻。
高台から戦況を見物し、霊王宮から修業を終えた一護が戦場に降り立つと、雨竜とハッシュヴァルトを連れ霊王宮にまで進攻した。

そこで[[零番隊>王属特務・零番隊(BLEACH)]]の襲撃を受ける。
自らの親衛隊がまとめて王悦の手によって倒されるものの、瀞霊廷に残した星十字騎士団達を聖別する事で親衛隊を蘇らせると共に強化を施した。
その後は自身は零番隊のリーダーである兵主部一兵衛と交戦。
滅却師の技を駆使して戦うも兵主部の斬魄刀の力により自身の力も名も奪われそのまま滅ぼされるかと思われたが、自らの聖文字を発動させる事により逆転し、兵主部を戦闘不能に追い込む。

ついには追いついてきた一護を利用して霊王を殺害しただけでなく、世界の崩壊を食い止めるべく浮竹がその身を賭して発動した神掛けによって現れた霊王の右腕も取り込む事にも成功。
死神達に時間を稼がれてしまったものの、これにより口元以外が多数の目と影で覆われた異形の姿と圧倒的な力を手に入れる。
その力により霊王宮を自らの望む世界に作り替え、自らは&ruby(ジルバーン){銀架城}に代わる新たな居城『&ruby(ヴァールヴェルト){真世界城}』に君臨した。



**&font(#4169e1){†} 以下、最終決戦のネタバレ
----
「真世界城」の玉座にて、仲間達の助けにより親衛隊の防衛網を潜り抜けてきた一護と織姫を迎え撃ち、&ruby(ジ・オールマイティ){全知全能}により2人を圧倒。
そして天鎖斬月を破壊して一護の心を折る。
更には、こうなればもはや親衛隊すら不要とし、隊長格の中でも指折りの実力を誇る死神らを複数相手に善戦していた[[ジェラルド・ヴァルキリー]]のみならず、雨竜と死闘を演じていた長年の右腕であるハッシュヴァルトすらも聖別にかけて切り捨てた上で、尸魂界に降り立つ。
そこで藍染と遭遇してこれと交戦。間もなく彼を圧倒し、続いて現れた[[阿散井恋次]]の奇襲を難なく捌き、そして天鎖斬月を修復して追ってきた一護の胴に特大の風穴を穿ち、今度こそ完全に一護への引導を渡した。



―
――
―――
#center(){
&bold(){&color(#402020){……さらばだ一護 お前の抵抗は心地良かった}}

&bold(){&color(#402020){せめて&ruby(ソウル・ソサエティ){尸魂界}と共に滅べ}}
}


----
&link_up(△)メニュー
&link_edit(text=項目変更)&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ)
----

#include(テンプレ3)















#center(){
&bold(){&color(#5f4975){……そうか}}













&size(18){&bold(){&color(#5f4975){黒崎一護に視えているか}}}
}




















かのように見えたが、それは鏡花水月が見せた錯覚であった。&s(){一体いつから黒崎一護を倒したと錯覚していた}
鏡花水月の幻により生まれた隙に至近距離の月牙を喰らい、体を吹き飛ばされる。

「全知全能」によりすぐさま復活するも、駆け付けた雨竜により特殊な&ruby(やじり){鏃}付きの矢を撃ち込まれてしまった。
この鏃は「静止の銀」という物質で作られており、聖別で死亡した滅却師達の心臓に血栓として現れていたもの。
これは「聖別」を行なった者の血にこの銀を混ぜる事で効果を発揮し、&bold(){その者の能力全てをほんの一瞬だけ無にできる}のだという。
竜弦がたとえ息子に憎まれようとも愛する妻の遺体を解剖していたのは、全てこの時のためだったのだ。
今まで他者から幾度も力を奪ってきた彼が、その副産物によって一瞬とはいえ自身の力を失う羽目になるとは何たる皮肉だろうか。

そして、能力を停止させられてもなお天鎖斬月を砕くが、その中から現れた斬月によって体を両断され、1200年もの時を生きた滅却師の祖は遂に滅びゆく事となる。

#center(){
&bold(){&color(#402020){道は閉ざされたぞ 一護 恐怖無き世界への道が}}

&bold(){&color(#402020){現世も &ruby(ソウル・ソサエティ){尸魂界}も &ruby(ウェコムンド){虚圏}も一つになるべきだ&br()生と死は混じり合い 一つになるべきだったのだ}}

&bold(){&color(#402020){だが それも最早叶わぬ お前のお陰でな 一護}}

&bold(){&color(#402020){無念だ}}

&bold(){&color(#402020){お前のお陰で生と死は形を失わず&br()命あるすべてのものは これから先も死の恐怖に怯え続けるのだ}}

&bold(){&color(#402020){永遠に}}
}


彼が今際の際に明かしたその目的とは、&bold(){&color(#402020){「現世、尸魂界、虚圏の境をなくす事により生と死を一つのものとし、世界から死の恐怖を消し去る事」}}だった。

推測の域を出ないが、彼がハッシュヴァルトを聖別しなければ雨竜は一護の援護に駆け付けられず、そうなれば「全知全能」を無力化される事もなかったかもしれない。
更に雨竜が使った鏃は彼が父・竜弦から授かったもので、その竜弦は何十年も前に自身の父であり雨竜の祖父・宗弦が使っていた通行証によって真世界城へ侵入している。
かつての聖別で混血統の滅却師はほぼ死滅し、更に残りも死神によって狩り尽くされたため、その場にやって来てユーハバッハに対抗し得る騎士団以外の滅却師など石田竜弦以外にあり得なかったのだろうが、それでも聖別で切り捨てた騎士団の一人でも警備に充てていれば、あるいは石田竜弦をマークしていれば侵入を許さなかった可能性だってあったかもしれない。

自身を唯一至上の存在とし、敵・味方全ての自分以外の者を例外なく捨て駒、或いは自分に抗う力を持ち得ない弱き存在と判断した皇帝が、そんな自分とは真反対に友人のみならずかつての敵達の力さえ借りた一護に倒された結末は、自分以外を尽く切り捨ててきたその報いを受けた形と言える。

その後、小説『[[BLEACH Can't Fear Your Own World]]』にて、死後その遺体は兵主部一兵衛の手により新たな霊王として封印された事が明かされた。


*&font(#4169e1){†} その他の謎
----
作中で描写があるだけでも数々の能力を奪っており、その中でもあのジェラルドの能力も奪っているため、全知全能が破られても生き返れていたのでは?という疑問がある。
もしかするとジェラルドは[[日番谷冬獅郎]]達の猛攻や彼の能力停止によって「&ruby(ザ・ミラクル){奇跡}」の能力自体が残っていなかったのかもしれない。
もしくは雨竜が放った「静止の銀」の効果がこういったところにも影響していたのだろうか。

その他に、一部の読者からは何故奪い取った残火の太刀を使わなかったのかと疑問視される事がある様子。
考えられる理由としては、
・本当は扱う事ができないから
・使うまでもなかったから
・強大な力による影響が大きすぎるため使用を控えたから
・宿敵である死神の力など使いたくないし使えば[[東仙要]]と同じ堕落になるから
・あくまで山じい対策で奪っただけだから
・聖別の応用で自分の力を強化するために使ったから
・自分の力で戦う方がオサレだから
……などまともな考察からふざけたものまで挙げられるが、真相は闇、もとい作者の頭の中である。
それ以前にそもそもの話、彼ほどの周到かつ真っ当な思考の持ち主ならば、死神側が何らかの手段で卍解を奪還した点を考慮すれば奪った卍解を迂闊にひけらかすよりも自分の力で戦った方が上策と考えるだろう。
その卍解を凌駕するレベルのチートじみた力と非常に多彩な技を持っているのだから尚更である。
余談になるが、「本当は扱う事ができないから」に関しては、決して嘘やはったりを用いないという彼の一貫した性質上、「自分の力で戦う方がオサレだから」以上に真っ先に候補から外れる考察である。

滅却師に対しては自分の一部を与えた後に返してもらっただけ、死神はそもそも滅却師の敵……という認識だからか基本的に全方位に冷酷に見えるのだが、人間(というか生者((ちなみに作中の敵の滅却師は1000年以上尸魂界に潜んでいたりする事から、恐らく生者では無いと思われる。まあ、この世界での厳密な生死の区分は読者には分からないが。)))に関しては妙に見逃している印象が強い(例:一護や織姫をガン無視)。
これは決してうっかりや嫌がらせなどではなく、霊王を殺して現世・尸魂界・虚圏の三界を1つにし、生と死の境をなくそうとしていた&bold(){彼の慈悲}((彼の目的は各勢力の全滅や支配などではなく、[[恐怖>エス・ノト]]を取り除く事を目的とした彼なりの世界平和である。))だったのかもしれない。

また、散々前述したが作中において彼が最も甘い対処をしていた相手は他ならぬ&bold(){石田雨竜である。}
雨竜に関しては最初に血杯を飲ませて以降は&bold(){完全に放置。}
ハッシュヴァルトは騎士団に雨竜の動向を監視させていたと言っていたが、騎士団が最も活発に動いていた二次侵攻中盤までは自身の傍にずっと置き、なんと霊王宮でほとんどの騎士団がいなくなった後に&bold(){自由行動を許しているのだ。}
ユーハバッハは当然雨竜の母である片桐叶絵の仇が自身だという事は熟知していて、彼の翻意も見抜いていたはず(そもそも石田家自体が帝国と袂を別った過去がある一族であるが故、彼は殊更注意すべき存在と言えよう)。
自身の血杯まで飲ませておけば今度こそ聖別で始末出来るだろうと踏んでいたのだと仮定しても、それにしたって&bold(){「聖別を乗り越えた唯一の混血統滅却師である雨竜には始祖たる自分も理解出来ない、自身をも凌駕するなにかがある」}とまで言い切った雨竜への対処としては甘過ぎではなかろうか?

ちなみに上述の配下にする事で行動を制限する意図云々はあくまでハッシュヴァルトの推察であり、&bold(){ユーハバッハ本人はそんな事を一言も言っていないし、それを騎士団に命じていた描写もない。}
ハッシュヴァルトが雨竜を警戒して付け狙っていたのは、あくまでハッシュヴァルト個人の彼に対する不信というか&bold(){徹頭徹尾の個人的な私怨であり}、ユーハバッハはハッシュヴァルトに雨竜を警戒せよと命じた事実はない。


最後の聖別時に「私にはもう息子すらいらない」とまで言い切っていたので始末する気だったのは間違いないだろうが、もしかしたら雨竜がこの聖別さえも最後まで乗り越えていたならば、宣言していた通り、生も死もない新たな世界で本当に&bold(){「自身の後継者」}に任命するつもりだったのかもしれない。
本文中にて何度も言ってきたが、ユーハバッハは(本人の主観に基づく範囲でなら)嘘を言わないし誤魔化しもしない。
更にハッシュヴァルトでさえ雨竜はユーハバッハに認められた存在だと最期に言っている事も踏まえると、やはりユーハバッハは本当に雨竜を自身の後継たり得る存在として特別視していたであろう事は間違いないだろう。


*&font(#4169e1){†} 余談
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1000年前の姿は前述通りに斬月として扮した容姿だったが、アニメ版第1クールでの1000年前の尸魂界の侵攻時には本編と同じように、髭を伸ばしていた作画ミスが生じている。
DVD版では修正されている。


アニメ版第2クール『決別譚』のOP映像では&bold(){「満面の笑みを浮かべながら、ヘリコプターで雨竜を迎えに来て手を差し伸べる」}という&font(l){シュールな}形で登場しており、視聴者の腹筋を破壊した((なお、このOP映像では敵も味方もオサレな私服を着ており、当然ユーハバッハも例に漏れず見た事もない黒いスーツ姿だった。))。
&font(l){ヘリから完全に身を乗り出してるし、どんだけ石田が好きなんですか、陛下……}
ちなみにこのヘリの操縦担当はあろう事かハッシュヴァルトである。
&font(l){今どんな気持ちで操縦してるんだお前……}

アニメ版第3クール『相剋譚』第1話でユーハバッハが前述した長きに渡り力を取り戻し、Aの能力を発動させる時間がアニメ内の時間で9分という演出をされている。
それまでは前シーズンの零番隊のVSユーハバッハ&星十字騎士団の先鋭部隊の総力戦大まかな流れのおさらいであった。


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&size(20){&bold(){&color(#402020){仕上げだ &ruby(シュテルンリッター){星十字騎士団}全名に伝えよ}}}

&size(20){&bold(){&color(#402020){アニヲタWiki(仮)を徹底的に追記・修正せよ}}}
}


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