ユーハバッハ

登録日:2014/10/06 (月) 14:25:58
更新日:2019/08/15 Thu 17:57:55
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封じられし王は900年を経て鼓動を取り戻し

90年を経て理知を取り戻し

9年を経て力を取り戻し

9日間を以て世界を取り戻す

(聖帝頌歌(カイザー・ゲザング))






“ A ” ユーハバッハ        
Yhwach

[職業]滅却師(クインシー) 見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)皇帝
[所属]見えざる帝国「星十字騎士団(シュテルンリッター)

 [聖文字]“ A ”
 [能 力]The Almighty ― 全知全能(ジ・オールマイティ)
  ― 未来を見通し、その未来を改変する
 [完聖体]??????



漫画「BLEACH」の登場人物。


 概要


初登場は484話「THE BUCKBEARD」より。
滅却師の組織『見えざる帝国』の皇帝にして、配下たちから「陛下」と呼ばれる。
また、自身も『星十字騎士団』の1人である。

争いを好まないと言いつつ敵も部下たちも容赦なく殺す理不尽かつ冷酷非道。
しかし、虚圏を占拠し第3十刃(トレス・エスパーダ)ハリベルを捕え、イーバーンやリューダースをはじめとする破面を手駒にするなど、実力やカリスマは高い。
千年前の死神との戦いに敗れ、復讐を目論んでいる。
総隊長・山本元柳斎重國とは千年前の戦いの因縁がある。


 能力



一歩踏み出す 二度と戻れぬ

三千世界の 血の海へ

(BLEACH55 THE BLOOD WARFARE より)


他者に触れることで自らの魂の欠片を与え、その者の心身の欠陥を満たすことができる。

例・病が治おる。寂しい心が満たされる。卑怯者が勇敢になる。脚を失ったものが治おるなど。

さらにその人間が死ぬと、与えた魂は自分に還り、その者が得た知識・才能・能力などを全て受け継ぎパワーアップできる。
また、これらは死神にも有効であり、死ぬときも同様にユーハバッハに還るが、虚にも有効なのかは不明。霊王の代わりが務まることからおそらく虚にも有効。

滅却師とは真逆の能力である。

この能力を発展させたのが『聖文字(シュリフト)』。他者の魂の内に直接、能力の「頭文字」を刻むことで、より深く強力な魂のかけらを分け与える力。刻んだ「頭文字から連想する能力」が目覚めるという性質上、簡単にチート能力が手に入る。ユーハバッハの一部(血など)を取り入れることで、印(頭文字)を刻む儀式を終える。


◇-聖別(アウスヴェーレン)

自身が不要と判断した「星十字騎士団」から、与えた力と命を強制的に回収し、他者に与え直す能力。
力を回収された者は死に、与えられた者は更なる力を得て復活する。


◇-大聖弓(ザンクト・ボーゲン)

超巨大な光の弓から、これまた巨大な「滅却聖矢(ハイリッヒ・プファイル)」を複数発射する。
和尚に吹き飛ばされた際、自分自身を射って強制的に戻るために使われた。山じいを斬ったのもこの矢。


◇-外殻静脈血装(ブルート・ヴェーネ・アンハーベン)

静脈血装(ブルート・ヴェーネ)」を外へ放出し、自身を取り囲んで防御壁にする。
さらにこの防御壁に触れたものの身体を侵食し、力と肉体を奪うことが出来る。


◇-簒奪聖壇(ザンクト・アルタール)

天空に出現する五芒星から光を放ち、敵から知識、才能、能力のすべてを奪い取る。



滅却師は虚の力を取り込むとダメージを受けるなどし、卍解についても(メダリオンの力で)吸収していると自身の完聖体が使えなくなるが、
彼の場合はそのようなデメリットは恐らくない。
他の滅却師では扱えない『残火の太刀』ですら吸収してもデメリットは特に見受けられない。


 正体

一護の母・黒崎真咲の死の元凶である。
黒崎真咲は純血統滅却師(エヒト・クインシー)であり、一護は母・真咲から滅却師の能力を受け継いでいた。
そして、9年前のグランド・フィッシャー事件の背後では、ユーハバッハが「不浄」と取り決めた滅却師から力を奪うための儀式『聖別(アウスヴェーレン)』が行われていた。
これにより、一護の母・真咲と混血統滅却師(ゲミシュト・クインシー)であった雨竜の母が力を奪われ絶命した。

滅却師の王にして始祖であり、彼より後に生まれた滅却師には全員彼の血が流れている。
ユーハバッハはこのことから一護、雨竜を含めた滅却師を息子と呼んでいる。
一護の斬魄刀『斬月』(と思われていた存在)は、一護の滅却師の力の根源であり、千年前のユーハバッハの姿を象ったものであった。また、斬月自身も、自らがユーハバッハであった自覚がある。

赤子の頃、『三重苦』を持っていたが、能力によって当時の人々から重宝され、『三重苦』を克服した。
また、この能力によって人々は信仰していた神の名で自身を崇めたので、成長してからその神の名を名乗るようになった。
少年期は『天鎖斬月』に酷似していた。
他者から魂を取り込み続けないと『三重苦』に戻ってしまうため、敵味方問わず殺しているのである。

恐らく元ネタとなったのは「YHVH」。

如何にして滅却師になったのか、千年前の戦いの詳細、滅却師完聖体など未だ不明な事は多いので、今後の活躍も期待である。


 軌跡

現世へ黒崎一護の足止めに行ったイーバーン、瀞霊廷へ元柳斎に宣戦布告に行ったリューダースが戻ってくるなりいがみ合っていたところで初登場。
リューダースの右腕を吹き飛ばして制した後、報告を聞くや否や2人を即抹殺した。

一護が虚圏に浸入したのを見計らい、自ら『星十字騎士団』を率いて瀞霊廷に侵攻開始。
側近のハッシュヴァルトと共に戦況を傍観していたところに更木剣八が来襲。
これを難なく圧倒した直後、宿敵の元柳斎が来襲し交戦。
彼の卍解の前にあっけなく倒されたかに見えたが、倒れたのは影武者であり、自身は「無間」に投獄されている藍染惣右介に会っていた。
戻って影武者=Rのロイド・ロイドを賞賛を送って殺し、元柳斎の卍解を奪い彼を殺した。
さらには引き上げようとした時にキルゲの『監獄』を破って現れた一護とも交戦し、捕えて連れて行こうとするも活動時間の限界が来たため断念し帰って行った。

しばらく後に石田雨竜を自身の後継者として配下に加える。
これは雨竜が混血統滅却師であるにも関わらずかつて聖別で力を奪えなかったため、
雨竜には自身の力を超える何かがあるに違いないと睨んだためらしい。
ハッシュバルト曰くあえて配下にすることで行動を制限する意図もあった模様。

そして再び瀞霊廷へ侵攻。
高台から戦況を見物し、霊王宮から修業を終えた一護が戦場に降り立つと、雨竜とハッシュバルトを連れ霊王宮にまで進攻した。

自らの親衛隊が二枚屋王悦により倒されるものの、瀞霊廷に残した星十字騎士団たちを聖別することで親衛隊を蘇らせる。
その後自身は零番隊のリーダーである兵主部一兵衛と交戦。
滅却師の技を駆使して戦うも兵主部の斬魄刀の力により自身の力も名も奪われそのまま滅ぼされるかと思われたが、
自らの聖文字を発動させることにより逆転し兵主部を葬る。

ついには霊王を殺しただけでなく、世界の崩壊を食い止めるべく浮竹が使用した神掛けにより現れた霊王の右腕も取り込み、
死神達に時間を稼がれてしまったものの、口元以外が多数の目と影で覆われた異形の姿と圧倒的な力を手に入れる。
その力により霊王宮を自らの望む世界に作り替え、自らは銀架城(ジルバーン)に代わる新たな居城、”真世界城(ヴァールヴェルト)” にて君臨する。




 以下、最終決戦のネタバレ

真世界城(ヴァールヴェルト)”の玉座にて、仲間達の助けにより親衛隊の防衛網を潜り抜けてきた一護と織姫を迎え撃ち、全知全能(ジ・オールマイティ)により二人を圧倒。
天鎖斬月を破壊して一護の心を折る。
そしてもはや親衛隊も不要と、石田や死神たちと善戦していたハッシュヴァルト、ジュラルドから力を奪い葬ったうえでソウル・ソサイエティに降り立つ。
そこで藍染と遭遇して交戦、彼をも圧倒し、更には月島の能力により天鎖斬月を修復して追ってきた一護、恋次を再び退けた…

かのように見えたが、それは鏡花水月が見せた錯覚であった。
鏡花水月の幻により生まれた隙に、至近距離の月牙を喰らい、体を吹き飛ばされる。
全知全能によりすぐさま復活するも、駆け付けた石田に「ユーハバッハの能力を一瞬だけ無力化できる(やじり)」を撃ち込まれる。
それでもなお天鎖斬月を砕くが、その中から現れた斬月により体を両断され、遂に力尽きる。

彼が今わの際に明かしたその目的とは、『現世、ソウル・ソサイエティ、虚圏の境をなくすことにより生と死を一つのものとし、世界から死の恐怖を消し去ること』だった。

推測の域を出ないが、彼がハッシュヴァルトを聖別しなければ、石田は一護の応援に駆け付けられず、全知全能を無力化されることはなかったかもしれない。
更に石田が使った鏃は彼が父から授かったもので、その父は何十年も前に自身の父(雨竜の祖父)が使っていた通行証によって真世界城へ侵入している。
まぁ普通は星十字騎士団以外の滅却師なんてやって来るはずなどなかったのだろうが、ザル警備も結果的には仇となった。

自身を唯一至上の存在とし、自分以外の存在全てを捨て駒或いは自分に抗う力を持ち得ないとした皇帝は、
ある意味その報いを受けるような形で、友人だけでなくかつての敵たちとすら力を合わせた一護に倒されたと言える。


 最大の能力

◇-The Almighty(ジ・オールマイティ)

「全知全能」の名を持つ、ユーハバッハの聖文字"A"の能力。
ハッシュヴァルト曰く「全てを知り、全てを見通す」能力だという。
未来に起こることを予見し、相手の能力を知ることで、自分自身に対する全ての攻撃を無力化する。
この力は夜になるとハッシュヴァルトと力が入れ替わり、ハッシュヴァルトは夜の間だけ「全知全能」の力を使用可能になるが、代わりにユーハバッハは「全知全能」の力を一時的に失ってしまう。
恐らくハッシュヴァルトと同じように、夜は「世界調和」が使える。


「全知全能」の真の力は「未来を見通し、未来を意のままに改変する」能力。
この力によりその場でこれから起こりうる未来を自分にとって都合のいい様に書き換え、相手の立っている場所に罠を仕掛けておいて確実に罠を命中させたり、相手の武器を触れずして破壊したり、防御を無視して一方的にダメージを与える事が可能。
描写から見るに、月島さんの能力の「事象に自らの存在を挟み込む」とは異なり、言葉通りの意味で、自由に書き換えることが出来るのだろう。
特別な発動条件も不要なので、自由に未来改変出来る。

作中最強クラスと言って問題無い非常に恐ろしい能力ではあるが、「完全無欠・抵抗不可能」な能力ではない。
まず、霊王関連の事象は把握できないこと。まあ、これは霊王がよりチートだった、ということだろう。

次に、干渉できるのが「未来」という性質上?の弱点もある。ユーハバッハの能力は現在から先の分岐を見通して干渉している。
これにより「過去に介入し、分岐する能力」によって抵抗を許してしまう。
実際、月島一護に対し「ユーハバッハの力の干渉がなかった」という過去を挟むことで、「すべての未来で天鎖斬月は直せない」という未来に抗った。
また、石田に与えた聖文字の力「完全反立(アンチサーシス)」も、既に起きて確定した物事を入れ替えるという性質上、対抗できる芽があるかもしれないとされる。
何故そんな面倒な能力を…と思うかもしれないが、他の団員の例から見てもどういう能力が芽生えるかは本人の資質によるものが大きいのだろう。
ただこれらに関してはあらかじめ予知し再び未来を改変出来るので、明確な弱点ではない。

藍染の能力を無効化できないという弱点もある。
あくまで未来を予見・予知して改変するだけで相手の能力を封じる類の能力ではないため、鏡花水月の能力に翻弄されてしまった。
しかも使用者の藍染は不死身の存在となっているので、直接使用者を倒そうにも世界崩壊させる以外に打つ手が無い(と思われる)。
そして完全催眠は『催眠されている』と思っても具体的な対策はほぼ取れないため、陛下も解除されるまで待つ必要があった。

ユーハバッハは一護が天鎖斬月を直して再び挑みに現れることを事前に見通すなど、予知の精度は極めて高い。
しかし、ここにもいくつかの穴がある。
一護が斬月を持って現れ、その斬月で斬られるというイメージを見ていたのだが、この時丁度朝であり、
ハッシュヴァルトから能力を返してもらう前後だったために悪夢だと勘違いしていた(流し読みしがちだが、ここらはかなり計算されている)。
そのことから察するにほぼ自動で能力が発動して危機を察知できるはずなので強力な反面、状況によっては能力か夢か幻か判別できないということでもある。
更に実際の場面とはシチュエーションが異なっていたため、予知の内容によっては解釈が挟まる余地があり、簡単には使いこなせない能力だと思われる。

また、未来改変についても必ずしもお手軽に出来る訳ではない。
自分の死を書き換え、世界を崩壊させようとした時の天鎖斬月への干渉はヒビを入れるに留まり、完全には破壊できなかった。
忙しかったからか藍染の能力が原因かは不明だが、干渉すれば常に100%の結果が得られるわけではないということである。
そして一時的に能力停止させられた後に再度未来改変しようとした時は、流石に認識しておく間が必要だったのか、
ギリギリで天鎖斬月を破壊出来たのは良いが、その後の斬月には改変が間に合わずに敗北してしまった。


 その他の謎

色々と能力を奪っており、その中でもあのジェラルドの能力を奪っているため、全知全能がやぶれても生き返れていたのでは?という疑惑がある。
明らかに進行上の都合乙と言えるが、もしかするとジェラルドは素人達の猛攻や能力停止によって、『奇跡』の能力自体は残っていなかったのかもしれない…。

読者からは何故奪い取った残火の太刀を使わなかったのか、よくネタにされている疑問視されている。
使わなかった理由としては、本当は扱うことができない(1500万度の熱とかだし)、使うまでもなかった、強大な力で影響が大きすぎるので何となくやめた、死神の力なんて使いたくない、自分の力で戦う方がオサレだから……などが考えられるが真相は闇の中である。
といってもまっとうな頭の持ち主なら、相手が何らかの手段で卍解を奪還したことを考えればそんな不安定な代物使うより自分の力で戦ったほうが安定して戦えると考えるだろう。チートじみた力を持っているならなおのこと。

滅却師に対しては自分のものを与えた後に返してもらった、死神は滅却師の敵、
という認識だからか基本的に冷酷に見えるのだが、人間(というか生者)に関しては妙に見逃している印象が強い(一護や織姫をガン無視)。
ちなみに作中の敵の滅却師は1000年以上尸魂界に潜んでいたりすることから、恐らく生者では無いと思われる(この世界では厳密な生死の区別がつかないけど)。
これはウッカリや嫌がらせなどではなく、霊王を殺し現世・尸魂界・虚圏を1つにし、生と死の境をなくそうとしていた彼の慈悲(彼の目的は各勢力の全滅や支配などではなく、恐怖を取り除くことを目的とした彼なりの世界平和である)だったのかもしれない。





「今日は追記・修正がよく見える」

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