&font(#6495ED){登録日}:2017/8/29 (火曜日)13:23:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 古代魚とは、肉鰭綱(Sarcopterygii)・条鰭綱(Actinopterygii)に属する魚の総称であり、 古代から姿がほとんど変わっておらず、現代まで絶滅せずに生き残ってきた為に「[[生きた化石]]」とも呼ばれている。 *概要 古生代(約5億年前)や中生代(約6000万年前)頃の姿を保っているのが特徴(実際に古生代で見た訳ではないが)。 デザインも特徴的で重厚感があり、長い歴史の中の環境の変化に耐えられる様、「大型」で「肉食」の魚が多い。 あっという間に大きく成長するので、飼育は一般的な熱帯魚よりも大変である。 *主な&ruby(にくきこう){肉鰭綱} 筋肉質の鰭(ひれ)を持つ事で分類される。この為、泳ぐというよりも歩くと言った方が近いかもしれない。 手足の発展途中とも考えられる事から、四肢動物(陸上脊椎動物)はこのグループから進化したものとも考えられている。 ◇[[&font(#ffa500){シーラカンス}>シーラカンス(古代生物)]] 白亜紀(約6500万年前)の頃のシーラカンスの化石は種類・数共に多く発掘されていたが、それ以降の時代はパッタリと化石が途絶えた為、 白亜紀に大量絶滅((多くの生物が一度に絶滅することは大量絶滅と呼ばれ、デボン紀以降では4回起こっている。))したと考えられていたが、1938年に南アフリカで、1952年にはインド洋のコモロ諸島で、1997年にはインドネシアのスラウェシ島近海で現存種が発見された。 現存種は深海魚として生息しているが、深海は環境の変化が少ない為に生き残れてきたのではないかと考えられている。 もしかすると、日本近郊の深海でも生息しているかもしれない。 日本で「生きた化石」と言えば、シーラカンスを指し示すほど有名になった。 ワシントン条約によって飼育はさすがに難しいが、沼津港深海水族館では特別に許可をもらって展示されている。 詳細は[[シーラカンス(古代生物)]]の項目へ。 ◇&font(#778899){ハイギョ} デボン紀(約4億年前)に[[ハイギョ]]の化石が発見されている。 現存種は淡水にしか生息していないが、その頃の化石には海水で生息していたものも含まれている。 [[ハイギョ]](肺魚)と呼ばれる通りに肺で酸素呼吸する点が特徴であり、幼体は鰓(えら)呼吸であるが、成長するに従って鰓が退化して肺が発達して肺呼吸となる。 数時間毎に水面に上がって肺呼吸する必要があるので、これが出来ないと水に溺れて死んでしまう。 また、二酸化炭素の排出は鰓から水中へと排出する為、水から上がってもやがて死んでしまう。 [[ハイギョ]]が長らく生き延びられてきたのは、水の無くなる乾季になると「夏眠」といって体の周りに粘膜のカプセルを作って土の中で眠り続ける事が出来る為。 「夏眠」は一時的なものではあるが、環境変化に強い事は事実である。 ワシントン条約によって制限されていない、アフリカハイギョ・ミナミアメリカハイギョは個人でも飼育可能。 なお、跳躍力も高くて水槽から跳んで[[逃げる]]ので、水槽のフタは厳重に。 こちらも項目があるので詳細は[[ハイギョ]]の項目を参照していただきたい。 *主な&ruby(じょうきこう){条鰭綱} 現生の魚類の大部分がこれに含まれる。肉鰭綱以外のグループといった方が早い。 ◇[[&font(#ffa500){アロワナ}>アロワナ]] 近年ではワイルドの生育領域が限られており、流通しているほとんどは東南アジアで人工繁殖させた個体である。詳細は[[アロワナ]]の項目へ。 特に「紅龍」と呼ばれるアジアアロワナは高価(数万~数十万)で取引されており、その真っ赤な身体が幸福の龍を思わせるのか中国当局が買い漁ったとも。 最大で1メーター越えとなるシルバーアロワナは人工繁殖によって稚魚が非常に安価で流通しているが、1年も経たずに30センチ越えの成長をするので、設備投資が想像以上にかかる。 この様に、生体価格よりも設備投資の方が超高くなる事もあって、安易にシルバーアロワナを購入して成長すると持て余す人も多い(放流ダメ、絶対)。 ◇&font(#008000){ピラルクー} [[アロワナ]]目に含まれるが、成魚は[[アロワナ]]よりも大きくて3メートルほど。最大のものになると5メートル級で、「世界最大の淡水魚」とも言われている。 小魚等の肉食性ではあるが人食いではない。ただし、その巨体がぶつかってボート転覆などの被害が出る事はある。 また、ピラルクーが跳ねた時の尾が漁師に直撃して骨折したり、頭への打ち所が悪くて最悪の場合は死亡するといった事故もあるほどに力強い。 鱗自体が大きく固くて靴べらにも出来るほどなので、その直撃ダメージは然るべき。 個人的な飼育は可能ではあるが、小型の[[プール]]並の設備が必要になるので水族館で見て楽しんだ方が賢明だろう。 食用として現地の市場では販売されているが、個体数が減少している為にワシントン条約の保護動物に指定されている。 ◇&font(#4b0082){ガー} アリゲーターガーやスポッテッドガーが有名で、成体は2メートル越えとなる。 性質自体はおとなしく、肉食性ではあるが人食いではない。ピラルクー同様に生きた鈍器であり、鋭い歯やナイフを通さない鱗(ガノイン鱗と呼ばれる)を持ち、 捕獲した時に暴れられてダメージを受ける場合がある。現地ではスポーツフィッシングの対象魚となっている。 日本では誰かが飼育放棄して放流したガーが、琵琶湖や皇居や名古屋城のお堀などの河川に定着しており、近年問題となっている。 ブラックバスやブルーギルほどの深刻な悪影響を与える事は無いものの、生態系を脅かす事は十分に考えられる為、2018年に特定外来生物に指定された(放流ダメ、絶対)。 ◇&font(#a0522d){チョウザメ} 水族館で見た人も多いであろうチョウザメは、高級食材であるキャビアの原料としても有名(お陰で乱獲されて個体数は減少したが)。 その肉質も美味なだけではなく、健康と美容に良いコラーゲンやタンパク質をたっぷりと含んているので、ヘルシーなチョウザメ料理は女性に人気。 蝶々のような鱗を持った鮫(に似た体型)なのでチョウザメと呼ばれているが、サメの種類では無くてサバやアジの仲間であったりする。 西洋ではロイヤルフィッシュと呼ばれ、中国でも煌魚(エンペラーフィッシュ)と呼ばれている。 1~2メートル級(種類によっては5メートル越え)で、150歳まで生きるものもいる。 昔は日本の河川でも産卵時に見かける事はあったそうだ。現在は[[北海道]]や茨城県や[[宮崎県]]で養殖されている。 ◇&font(#20b2aa){[[ポリプテルス]]} [[ポリプテルス]]とは「多くの(Poly)ひれ(pterus)」という意味で、恐竜を彷彿とさせる複数の背びれが背中にある。 胸びれのつけ根の筋肉が発達して四肢動物の腕のようになっている為、むしろ肉鰭類に近い。 種類によって、30センチから1メートルと様々で、鰓呼吸と空気呼吸を併用している。 生息地はアフリカ諸国の川や湖でガーと同様にガノイン鱗を持っており、夜行性の為か猫と同じように目に光が当たると光って見えるのも特徴である。 肉食性で夜間になると小型の甲殻類や小魚やカエル等を捕食する。 比較的丈夫で、他の古代魚と違って複数飼育も可能なので、底面積の広い水槽で同種もしくは大人しい種とのんびり飼うのがオススメ。 意外と水槽の飛び出し事故が多いので、対策が必要。 詳細は[[ポリプテルス]]の項目へ。 ◇&font(#483d8b){モルミルス} 上記の[[ポリプテルス]]と同じくアフリカ諸国の河川や湖に生息している古代魚。 全てが淡水性の種で目が非常に悪いのだがそれを補うために[[発電する魚]]として有名。 とはいってもデンキウナギやデンキナマズのように他の生物を殺傷する威力はなく、 あくまで目が悪いのを補うためにレーダーのように使う違いがあるのだが。 下顎が飛び出していたり、ストローのようになっていたりと特殊化した口を持った種が 多いのも特徴でその奇妙な姿からアクアリウムでも人気の種。 しかしその特殊化した口故に人工飼料は食べにくい(全く食べないわけではないが)ので 冷凍赤虫などを与えた方がよいとされている上、痩せやすいので意外と飼育は難しいとも言われる。 エジプトなどアフリカの国によっては食用にしている地域もあり、意外と美味だそうだ。 ちなみに体格比で見れば脊椎動物の中で最大の脳を持っており、ボールで遊んだりと 実際に魚類の中では高い知能を示すとか。 モルミルスと聞いてパッとしない人もいるかもしれないが水族館や図鑑で見た人も 多いであろうエレファントノーズフィッシュもこの仲間である。 詳細は[[モルミルス>モルミルス(魚)]]の項目へ。 ◇&font(#daa520){ナイフフィッシュ} 東南アジアや南アジア、アフリカの淡水域にかけて生息している古代魚。 鱗がなく、ツルツルとした体表と腹鰭がなく、尻鰭と尾鰭が一体化したオタマジャクシか [[ウナギ]]を思わせる鰭を持っている等何とも言えない体型が特徴で小魚や甲殻類、カエルなどを捕食する肉食性。 小型種もいないわけではないが基本的に大型化する種類であり、大きな種だと1mを超えることも。 あまり類を見ない形質からペットとしても人気であるが現地では食用としても漁獲、 養殖されており実際に美味であるという。 見た目からはわかりにくいが実は[[アロワナ]]に近い仲間でもある。 追記・修正は餌やり後にお願いします 。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,5) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - で味は? -- 名無しさん (2017-08-29 13:56:02) - ここには書いてないけどイワシやニシンも結構原始的な魚なんだっけか -- 名無しさん (2017-08-29 16:57:33) - ↑イワシはわからないけどニシンは比較的古い魚なのは確か。特にカスピ海にいる種類が古い形質を残したままだとか。 -- 名無しさん (2017-08-29 17:32:34) - ↑2アロワナとかピラルクーは白身で普通にいける、ガーは鳥のささみや胸肉っぽいがウロコがクッソ硬いので丸焼きにして剥ぐか、ノコギリで切断するという歩留まりの悪さらしい -- 名無しさん (2017-08-29 21:56:31) - あれ?ぬいぐるみは? -- 名無しさん (2017-08-29 22:20:36) - ↑全部存在して草。ただブランドはバラバラの模様 -- 名無しさん (2017-08-30 06:12:20) - 仮にワシントン条約が無かったとしてもシーラカンスの飼育はムズそう -- 名無しさん (2017-08-30 07:00:01) - ガーパイクなんてマイクロチップ埋め込めばいい話だろ。環境省はアカミミガメとかを何とかしろよ。 -- 名無しさん (2020-05-06 18:40:59) - ↑獲って食べれば良い。美味いし規制も無いぞ。 -- 名無しさん (2020-09-11 14:48:24) - いくら硬骨魚類だからってチョウザメがサバやアジの仲間はさすがに語弊がありすぎる -- 名無しさん (2023-09-22 00:45:45) #comment #areaedit(end) }