SCP-1177-JP

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SCP-1177-JP - (2025/10/29 (水) 00:12:04) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2020/06/27 Sat 00:57:12
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます

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やあ諸君。君たちは新しくSCP-1177-JPの研究員、それから収容スペシャリストとして任用された職員…ということで合っているかな?まあそう力まずに、楽に椅子に腰かけてくれ。

私はこのサイト-8119の管理官だ。これから君たちにSCP-1177-JPについての説明をしていくのだが、君たちはもう[[SCP財団>SCP Foundation]]についての基本的な知識は身につけたかい?もしあまり理解できていないようならこの先の説明を聞くのは難しいことだろう。1週間後に説明要旨を送るから、それまでじっくりと勉強してくれ。

…大丈夫そうだな?それでは、財団職員の諸君。歓迎しよう。このSCPオブジェクトの管理を任される身として、必要なことを説明しよう。

*概要

SCP-1177-JPは[[SCP Foundation]]日本支部に収容されている怪異だ。…いや、厳密に言えば完全な収容はできていない。

[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&font(red){Keter}だ。財団的にはお手上げ一歩手前の状態ってわけだ。それでも我々は最善を尽くす必要があるが。

このオブジェクトは4つの要素で構成されている。

まず、SCP-1177-JP-Aとそれに伴うSCP-1177-JP-αだ。

SCP-1177-JP-Aはインターネットの海に出現する文章だ。いつ出てくるかは予測できない。財団も二桁ほどしか収容できていない。それに誰が作り、誰が送信しているのかも不明だ。

手元のプリントに異常性のない、SCP-1177-JP-Aのコピーを用意した。
文面には
&bold(){「第██表 ????年度X月X日 死因順位(第1~5位+第4131177位)別 性別死亡数・死亡率・[削除済](人口██万対)・構成割合█」}
と書かれているのが分かるだろう。その下にはそれを表すグラフが記されている。内容はこれだけだ。

一応、1~5位までは正確な数値が表示されるのだが、そもそも、死因第4131177位などというものは存在しえない。死因をどれだけ細かく分けたとしても7桁に及ぶことなどありえない。((ちなみに、WHOの公表している「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」でも、制定されている死因は100種類ほどだ。))それで、「????年度」はこいつが出現する翌年の年数が書かれる。((2020年に発生したとしたら、「2021年度」と書かれるわけだ))

SCP-1177-JP-Aのオリジナルを完全に読んだ人間はSCP-1177-JP-αに指定され、後に説明するSCP-1177-JP-Bに影響されるようになる。逃れるには記憶処理が有効だ。もし事故が起きた場合には、応急処置として覚えておくように。さっきも言ったが、コピーペーストした物は異常性を発現しない。

SCP-1177-JP-Bはこいつによって起きる[[現実改変>現実改変(SCP Foundation)]]だ。日本支部の現実改変と言ったら、[[長野の大穴>SCP-280-JP]]みたいなロクでもない奴や[[普通でありたかった木偶人形>SCP-650-JP]]みたいな変わった奴ばかりだが、こいつは前者だ。

内容としてはまず、SCP-1177-JP-αの中から、文書で指定された人数がランダムに選ばれる。そして選ばれた人間は、記された期日までに、&bold(){その死因で死ぬ}ことになる。指定された死因(これをSCP-1177-JP-βと呼称する)の中には、現在(少なくとも現代社会において)&bold(){認知されていない病気なんかもある。}一度これが発生してしまったら、確実に指定された人数が死ぬ。妨害することはできない。

以前財団はSCP-1177-JP-αを全員確保し、記憶処理を施したが、結局別の人々が、指定された人数で、指定された死因で死んだ。原因は不明だ。

質の悪いことに、SCP-1177-JPは周りの人間を巻き込んで、死にはしないが被害をもたらしたり、別の現実改変を引き起こしたりする。

…さて、ここまでの事で質問はあるかい?大丈夫そうなら、次に進もう。

*SCP-1177-JP-βの例

いくつか紹介しよう。詳細は報告書の方を読んでほしい。

&bold(){事例1 SCP-1177-JP-β-2}

&bold(){死因・死亡者数:} 過剰哄笑による急性呼吸疾患及び気管機能低下・13人

これは複数の掲示板で表示されたらしい。

笑いすぎて死んだ人は実際にいる(([[Wikipedia]]より:笑い死にhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%91%E3%81%84%E6%AD%BB%E3%81%AB))が、独立した死因としては認められていない。発見される二か月前に財団フロントの病院が、バラエティ番組の視聴中に呼吸困難で死亡した男性がいるという事件をつかんでおり、このオブジェクトが関係していると結論付けられた。

&bold(){事例2 SCP-1177-JP-β-7}

&bold(){死因・死亡者数:} 痙攣性吸呼気障害レベル1・10人

&bold(){くしゃみで頭蓋骨や頸椎が折れる}という意味の分からない死因だが、これの所為で「くしゃみは偶に大けがを引き起こすヤバい現象である」という現実改変が起こり、くしゃみが原因で顎が外れたり、軽く骨を折った人がかなり発生してしまった。

&bold(){事例3 SCP-1177-JP-β-13}

&bold(){死因・死亡者数:} 癌(悪性新生物)・1人

え?ガンは普通の死因じゃないかって?…確かに、これで死んだ一人に関しては通常のガンと何の違いも見受けられなかった。
ただ、常に日本の死因において表彰台に乗り続けているガンが減少した結果、&bold(){なんかよく分からない病気が多発して大惨事を引き起こした。}まあ日本支部はこの事態を予測していたのですぐ対処された。
死因第4131177位という数字が、間接的に統計に影響を及ぼしてしまうことが判明した一件でもある。その効果範囲はいまだに不明だ。

*実験

2002年八月、██博士は一人の[[Dクラス職員>Dクラス(SCP Foundation)]]を使った実験を行った。

#openclose(show=これはその実験記録を引用したものだ(長文注意)。クリックで見ることができる。){

&bold(){対象:} D-9853

&bold(){実施方法:} SCP-1177-JP-Aに記されたX月X日の前日にSCP-1177-JP-Aを視認させ人為的にSCP-1177-JP-αとしたD-9583に対し、以後24時間SCP-1177-JP-β-2の発現を阻止するため顎に拘束具を着用して何もない部屋に隔離、外部の干渉を遮断して経過を監視カメラで観察する。緊急時のみ部屋にあるタブレットを起動しメッセージ機能を用いた外部との通信を許可する。
&bold(){緊急措置プランA:} もしもD-9583が笑うことが確定的になり、SCP-1177-JP-β-2発現の可能性が高まった場合には、担当部隊が急行しSCP-1177-JP-β-2が発現する前にD-9583を終了させると同時に、その際のSCP-1177-JP-Aの様子を観察する。

&bold(){結果:}開始から19時間36分後、D-9583の様子に変化が現れる。以下はその際のタブレットメッセージ記録。()内は映像記録より。

(無表情だったD-9583が突如、拘束具で口の動きを制限されながらも口元をゆがめたような仕草を見せる。)

&bold(){██博士:} D-9583 どうしましたか

&bold(){D-9583:} おかしいんだよ 

&bold(){██博士:} 何がですか? 実験前に何があっても笑うなといったはずですよ

&bold(){D-9583:} あんたらにも みえるだろ あいつ

&bold(){██博士:} いえ D-9583以外には何も

&bold(){D-9583:} なんでだよ こんなに笑えるのに

&bold(){██博士:} 何が見えているのか説明してください

(D-9583は前方の壁を指す。同時に口元の動きをさらに大きくしようとしている。)

&bold(){D-9583:} あいつはたってる わらってもいる いや あれは 泣いているのか?

&bold(){██博士:} それはいったい?

&bold(){D-9583:} おれだ おれがないてる おれなんだおれのまえいるの

(D-9583はさらに口元の動きを大きくしようとし、拘束に苦しんでいるように見える。)

&bold(){██博士:} D-9583、直ちに笑おうとするのを止めなさい そこにいる何者かはあなたに似ているんですか

&bold(){D-9583:} 滑稽だろ? おれがおれのまえでないてるなんて おれはここなのに 

&bold(){██博士:} D-9583、直ちに笑おうとするのを止めなさい これは警告です プランAを実行しますよ

&bold(){D-9583:} ああ だめだ おもしろすぎる はh

&bold(){██博士:} D-9583、直ちに笑おうとするのを止めなさい これは警告です プランA実行に待機しなさい

&bold(){D-9583:} (不可解な文字列。気が動転し入力ミスをしたためと思われる)

この直後、D-9583は拘束具を手で外そうと試み始めました。担当部隊が急行し緊急措置プランAを実行しましたが、突如銃器が暴発し、隊員██名が重軽傷を負ったため、D-9583終了には至りませんでした。やがてD-9583は自ら[編集済]して拘束を解き、首を大きく震動させながら絶叫し、その際の衝撃で頸椎が粉砕され即死しました。

&bold(){分析:} 財団の干渉によってSCP-1177-JP-αの数を抑制する試みはいまだ不可能であることが立証された。突然発生した銃器暴発事故については依然調査中である。
}

うむ、まあその…なんだ、結局我々の妨害は意味をなさないということが分かったのだ。

*特別収容プロトコル

それでは、君たちにこのオブジェクトをどうやって収容すればいいのか説明する。

24時間、交代でインターネットを監視するんだ。SCP-1177-JP-Aを見つけたらすぐに隔離して、こいつを見た人物を全員特定してくれ。そいつらには専用の部隊が[[クラスB記憶処理>記憶処理(SCP Foundation)]]を施し、脳震盪に偽装する。見つけたオブジェクトはデータ隔離庫に厳重に保管してくれ。もし直視してしまったら、…いや、どう頑張っても避けられないんだが、50分以内にクラスB記憶処理を受けてくれ。

SCP-1177-JP-Bが発生したら、その被害規模を測定したうえで、SCP-1177-JP-βを調べてくれ。必要に応じて記憶処理や、カバーストーリーを用いても構わない。もし一定規模以上の現実改変が発生した場合は、私に連絡すること。[[セキュリティクリアランス>https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/41499.html#id_dbe4df30]]レベル4以上の職員10名以上が許可した際、緊急時用の「アヌラ・プロトコル」を発動するように。できれば、そんな事態にはなってほしくないがな…。

*補遺

一つ忘れていたが、もう一つ、SCP-1177-JP-βが確認されている。

&bold(){対象:} SCP-1177-JP-β-██(仮称)

&bold(){死因・死亡者数:} 椰痲ヰ・██████人

人数は2桁万人、文字通り桁違いの現実改変が予想され、アヌラ・プロトコルの発動準備がなされた。しかし、結局当日は何も起こらず、「椰痲ヰ」なる死因で死亡した人物も確認されなかった。現在はこの事例に関して調査が進められている。

これで一通りの説明は終了だ。業務に何か変更があった場合はこちらから連絡する。それでは、ここまでお疲れ様。各自の部屋に一度戻るように。

ああ、それからそこの君。君は少しここに残って、追記・修正を手伝ってほしい。他の諸君は戻っていいぞ。

#include(テンプレ2)
#include(テンプレ3)






























#center(){
&font(b,red,150%){もお みんな き &s(){た?} てる}
}



































まあ君なら、私がここに呼び止めた理由が何となくわかるだろう。君はアニヲタの財団職員だが、ここにとどまって、ただ単に追記・修正をしてほしいと、そう私が頼み込むわけがないだろう?

そうだ。その、「ガワ」としての君に言っているわけではない。「本体」としての君に言っているのだ。

多分、ここに送られてきたショックの所為で肝心なことは覚えていないと思う。何故ここに存在できるのか、何故私が君の正体を知っているのか、疑問に思うだろう。安心しろ。今から全て教えてやろう。一応念押ししておくが、私は君の仲間だ。

*真相

SCP-1177-JPは、我々がここに存在できるように開発された&bold(){兵器}だ。我々のもともと住む次元は、滅亡寸前だったのは覚えているだろう?そこで、この地球に移住することにしたのだ。

それで、我々は当然この世界に適応できる「身体」というものを持っていない。だから擬態するための「殻」が必要だった。SCP-1177-JPとは、その開発機材を兼ねて作られたものだ。

SCP財団という存在は、我々にとって都合のいいものだった。すなわち、社会に知られないように、自然な形で我々の存在を秘匿してくれるのだ。

SCP-1177-JP-Aは人間のデータを収集するための装置だ。そもそも我々の技術では、最初は文書媒体の改変による現実改変を用いないとこの世界に干渉できなかった。その技術を応用して、SCP-1177-JP-βと呼ばれている現実改変を行いながら、間接的に&bold(){あの媒体を見た人間のデータを解析}していたのだ。人間を選んだのは、文書媒体を認識してくれるのは人間だけで、ほかの動物では当然ダメだったからだ。

D-9853を用いた実験を行ったときには、すでに人間に擬態するための「殻」の試作品が出来ていた。まあアレは不完全なものだったから、うまく出現できずに終わったがな…

人間のデータを効率よく回収しつつ、目立たないためには、あえて財団の目に留まる方法を選ぶのが最適だった。我々はなかなか、賢い種族だと思わないかね?現実改変で一気に滅ぼしてしまっては、この世界に出現する「殻」が手に入らないのでね。

哀れにも死んでしまったSCP-1177-JP-αに成り代わり、すでに何人かはこちらの世界に移住してきている。そのうちの一人が、私[[というわけ]]だ。まあここの矛盾は財団の都合のいいように記憶処理でどうにでもなる。補遺の段階で、我々は「殻」を量産することに成功した。

そして我々は、一気に6桁人に及ぶ同族を出現させた。この殻には&font(b,purple){「椰痲ヰ(やまい)」}という名前が授けられた。これの開発に携わった者たちのネーミングセンスを、私は褒めてやりたい。

今はまだ、我々はばれないように大人しく生活していなければならない。安心しろ。この部屋は外部との伝達を一切遮断してある。この地球が我々の種族にとって代わられるのも時間の問題だろう。

&font(b){今はまだ、待て。そして、然るべき時には、今度は君が、我々の仲間に教えてやるのだ。}

&font(b,red){この「殻」を脱ぎ捨て、本当の姿で地球に存在できるようになるまで、少し辛抱してくれ。}

…それでは、この記事の追記・修正に当たってくれ。

#openclose(show=▽補足) {
真相の部分に書かれているのは、作者がディスカッションページで提示した裏設定である。

その前に置かれている赤字の文章は、下書き時点で掲載されていた「異界存在」のメッセージだが、清書では削除されている。
}

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#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){

SCP-1177-JP - 死因第4131177位
by masquerade120
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1177-jp

この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}}

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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- SCP-1177-JP  -- 名無しさん  (2024-04-28 20:11:38)
- ミス↑。ところでこれはコメント消えてるの?大丈夫?  -- 名無しさん  (2024-04-28 20:12:56)
- SCP-1177-JP-βha  -- 名無しさん  (2024-08-28 05:56:42)
- SCP-1177-JP-βって最後の事例だけのことを指すんじゃないの  -- 名無しさん  (2024-08-28 05:57:09)
- 死因第4131177位ってことは順位が上がると最低でも1人ずつ人数が増えるから最低でも8兆5327億029万3935人死んでるよね  -- かみ  (2025-05-14 09:29:07)
- 同率順位があればもっと減る  -- 名無しさん  (2025-05-30 03:11:42)
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}