日本刀(漫画・ゲーム)

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日本刀(漫画・ゲーム) - (2025/10/25 (土) 14:27:13) のソース

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この項目では、[[漫画]]・アニメ・[[ゲーム]]等創作物における[[日本刀]]の扱いや現実との違いについて説明する。
日本刀本来の歴史等に関しても少々記述するが、より詳しい詳細は個別記事を参照されたし。
 
#openclose(show=目次){
#Contents
}

*■ 創作における日本刀
研ぎ澄まされた細身の刀身が醸す美しさや切れ味の良さ、[[日本>日本国]]を代表する武器であるといったイメージから人気が高い。

アニメや漫画、ゲーム、あるいは時代劇といった作品の影響から、今なお日本の少年はもとより、海外のWOTAKUな人々の心を鷲掴みにする魅惑の武器である。
時代劇系作品から現代ものまで幅広く登場し、「日本刀を使う剣士」というだけでキャラが立つぐらいには人気がある。

本来日本刀には長さなど細かい定義があるのだが、創作の世界、特に時代考証が適当・重視していない作品では太刀や脇差等全てまとめて「[[刀]]」として扱われている事が少なくない。
このあたりはロングソードや[[バスタードソード]]、アーミングソードあたりがまとめて「[[剣]]」として扱われているのと同じようなものだろう。

[[SF]]作品では日本刀型のブレードが普及していて達人からモブ兵士まで刀使いになっていることも多い。
特に様式美にこだわるサイバーパンクジャンルでは「ニンジャ」「悪い大企業」「怪しい[[日本語]]のネオンサインが輝くビル街」辺りと並んで「カタナ」は世界観を表すものとして欠かせない武器である。
概ね「細身」「片刃」「1mぐらいの大きさ」「切っ先がある」「反りは少なめ」あたりの条件を満たせば刀として扱われ、鍔や鞘が無いデザインのものも少なくない。

**◇強さ
***漫画など
創作に登場する際には他の近接武器と同じように現実離れした切れ味、破壊力を持っている事が多く、例え銃火器でも刀には敵わない。
たかが鉛の弾など叩っ斬るだけである。ライフル弾のように超高速で回転しながら飛んでくるものを真っ二つにするのはさすがに切れ味云々の次元の話ではない気もするが。

特に主役級の人物が振るう刀はそういった補正が顕著である場合が多く、作品によっては常識外の切れ味を持つことがある。
鉄を斬る(が、こんにゃくだけは斬れない)、次元だの概念なのまで両断する、衝撃波を放つ、何らかの特殊能力・魔力が秘められている等々……。

また、それらは刃こぼれ等の劣化とは無縁であり、折れるような事があったとしても、それは次なる強力な刀を手にする前兆であることが多い。

刀を使った戦闘スタイルの象徴として居合切りが必殺技として扱われる事も多く、中には居合のよる一撃で敵を仕留めた…と思ったら目のも止まらぬ速さで納刀して居合切りをし続ける、なんて戦闘スタイルを見せる事もある。

***ゲーム
和風要素がメインかどうかで扱いは大きく変わる。
和風要素がメインであればほぼ確実に主役武器。強さも大抵は上記のような強力な武器となる。
種類なども豊富で様々な刀が登場することも多い。

和風要素を主軸としないゲームでは「近接武器の1ジャンル」「和風キャラクターのメイン武器」といった扱いとなることが殆ど。
盾と組み合わせて使う文化がほぼ無い事や居合切りのイメージからか、武器種としての「刀」は一般的な「剣」カテゴリに比べ、攻撃性能が高いが防御は弱い、クリティカル率が高い、速度が速いといった前のめりな性能が多い。
特に速度面は重視されているのか、鈍重な刀武器というのはかなり稀。
[[国別代表もの]]のような作品では日本刀のキャラの立ちやすさからか和風キャラの定番装備として登場率は高め。
ただこちらの場合、キャラクター性と使用武器が密接に紐づいていることが多いため、刀ならではの特徴が持たされることは少ない。

 
*■ 現実の刀について
[[日本刀]]のページも参考に。

#openclose(show=以下、創作と関係なく長いので格納){
**◇歴史的な立ち位置
***武器として
現代の日本では「武器は基本的に[[戦争]]で使うもの」というイメージは強く、『実戦=戦争』という&font(b,red){誤った大前提}で語られがちである。

この日本刀という武器は、平時の私闘にもよく使われており、そもそも剣術というのも戦争で使う技術というよりも、些細なきっかけで斬り合いになったときや強盗に襲われたときといった平時の荒事に対処する技術だったという説がある。

というのも、普段我々が知る剣術の基礎が生まれた[[鎌倉時代]]末期~[[戦国時代>戦国時代(日本)]]までの期間というのは、現代の日本からすれば&font(b,blue){犯罪者の楽園}といっても過言ではないほど&bold(){治安が悪く}、口喧嘩が刃物を使っての殺し合いに発展することは珍しくない時代であった。
特に室町時代からは庶民でも帯刀する人が増えたので、&bold(){[[護身術]]や治安維持として剣術が発達した}とされている。

例えば剣術が活躍した例としては、[[応仁の乱]]で活躍した武将、細川勝元は幼少期に友人と喧嘩になり、刃傷沙汰になりかけた際、剣術を修練していたためにこれを切り抜ける事に成功している。
また別の場面では成人後は今度は愛人♂との痴情のもつれによる襲撃を受けているが、これも同様に切り抜けている。
いずれにしても合戦のさなかで起きた出来事ではなく、日常生活上のものである。

戦乱のない平和な時代のイメージが強い江戸時代でも、戦国時代よりはマシとはいえ、警察不足により治安が悪かったのは否めず、剣術を始めとする武道・武術が幕府から奨励されたのも、旅先などで犯罪者から身を守る力を養ったり、警察不足を補うために庶民にも治安維持を担ってもらったりするためだったという裏話もある。

この辺の事情はかなり複雑であり、時代劇を始めとするフィクションでは(アカデミズムのようなごく限られた場を除いて)まず合戦や政治以外の&bold(){日常生活方面の要素があまり注目されてこなかった}ことも大きいが、時代劇ではたまにある「強大な暴君側と無力で虐げられる民衆側」という、定番の&bold(){わかりやすい構図がやりにくい}こともあり、フィクションでは基本的には描かれない。

***シンボルとして
日本刀は&bold(){「刀は武士の魂」}と称され、日本刀は&ruby(武士){サムライ}のシンボルであるというイメージが浸透しているが、このような標語が普及したのは、実は&bold(){(制度上の)武士がいなくなった明治時代以降}である。
一応、江戸時代にはその前身となる「刀は武士のシンボル」的な『意識』はあったが、&bold(){刀そのものは武士の象徴というわけではなく、}長めの刀と短めの刀を各一振りずつ携帯する、&bold(){大小二本差という行為}をしている事が重要だった。

さらに戦国時代まではというと、[[弓矢>弓]]こそが武士のシンボルだった。これは武士の始祖達が、[[馬]]を乗りこなしながら、弓矢で戦う専門兵だったからである。
実際には時代が下るにつれて武士が合戦で使う、主な&ruby(メインウェポン){表武器}は室町時代には[[薙刀>ポールウェポン]]や長大化した日本刀へ移り、戦国時代には[[槍]]へと変わっていったが、優れた武士のことを「弓取り」と呼んでいたのはこの名残である。

もっとも平安時代の末期には既に、刀剣類の携帯は男児の嗜み的な思想があったようだ。
室町時代からは&bold(){「一般庶民であっても打刀か短刀を身に付けることが一人前の大人の証」}という文化が浸透していったが、身分統制が進んでいるイメージの強い江戸時代でも似たような風習が幕末まで残っていたりする。((江戸時代の日本は統一国家というより、江戸幕府を中心に、各大名が治める大小様々な国が集まる軍事連合といった方が実態に近く、方言など文化や法の地域差が激しかった。))

**◇百人斬りと耐久性
たまに漫画で百人斬り等と言われるが、日本刀の強度には限度があり、3人~4人斬ると刃に血と脂が付き斬れ味がかなり落ちるとされている。

そもそも論として、平時の私闘にしろ合戦時の乱戦にしろ、刀や槍で敵を立て続けに数人切り殺したり刺殺するだけでも&bold(){自身に&color(red){圧倒的な強さ}がないと&color(blue){逆に戦闘不能になる}}リスクがあり、捕虜の虐殺でもない限り実行は困難であるという指摘もある。

サムライが二、三振り刀を持つのはカッコ付けや威張る為ではない。
いざ戦いとなった時のストック(銃の予備[[マガジン>銃器部品]]みたいな感覚)のようなものである(ただし、どの程度一般化されていたのかは不明)。
中には床に大量の刀を床に刺してとっ換えひっ換えしながら戦ったなんていう、江戸の暴れん坊もびっくりな[[室町将軍>足利義輝]]もいるとか、いないとか。
 
だが刀の耐久性には異論もある。

上記の説が始めて登場したのは山本七平氏の&bold(){「私の中の日本軍」}であるが、その内容もおおざっぱにいえば「&font(purple){日本刀で斬れるのはせいぜい3人まで}」程度の記述。
その根拠も氏自身の体験によるものとしているが、&font(red){血や脂の付着によるものとも、}&font(green){刃毀れによるものとも、}&font(blue){一言も記していない。}
またその体験というのも、戦死した「戦友の遺体を軍刀で切り取った際に、最初はうまくいかず、二度目チャレンジでどうにか切り取ることができたものの、柄に不具合を感じた」といった感じの体験談しか出てこず、あとは軍刀に対する不評が伝聞情報として記してある程度である。

江戸時代の死体を用いた試し斬りでは10体弱は背骨ごと叩き斬れていたり、そもそも[[包丁]]ですら簡単に脂巻きで切れ味が落ちることは無いので、数人斬ったら駄目になる、ということも無い。
(もっとも、刃先は繊細なので、扱い次第では刃毀れするが)

また、日頃から錆落としや油分の拭き取り等の手入れをしなければならない。
それを怠ると上記のようにあっさり駄目になる。これは洋の東西を問わず、中世の刃物全般にいえることである。
自動で刃こぼれなどを修復してくれたり、いくら人を斬っても殺傷力を保つ刀…というのは、我々の常識では説明しようのない不思議な力が当然のように跋扈しているフィクションだからこそである。

なお合戦で使用された刀の中には、峯などに相手の刀などによる切り込み傷のあるものが多い。
たとえば無銘正宗(名物石田正宗)には大きな切り込み傷が多数存在し、実戦で使用されたことを窺わせている。
また桜田門外の変で奮戦した彦根藩士永田太郎兵衛の刀は斬りこみ傷が多数あり、同じく彦根藩士の河西忠左衛門の刃こぼれした刀も現存している。

**◇各種技法について
***打ち合い・斬り結び(鍔迫り合い)
漫画やアニメでよく見かける「打ち合い・斬り結び」は、実際にすると刀身は驚くほどにすぐボロボロになり使い物にならなくなるとされる・((一応示現流は兜割りなんてやっちゃっているが、日本刀は一般的なイメージと比べてデリケートである。))((実はヨーロッパの刀剣類でも似たような話があり、刃で受けるか平で受け流すかは論争になることがある。))

そもそも鍔迫り合いは名前通り鍔同士を当てることであって、アニメ等のように刀身同士で意図的に狙ってやるような物ではない。
なおその刀身を打ち合わせる事全般を「鍔迫り合い」と称したりするケースも多いが、実際はこれは誤用。
鍔迫り合いはあくまで言葉通り「鍔同士がぶつかり合って迫り合う」状態まで至った(つまり打ち合いや斬り結びを経て生じるのが「鍔迫り合い」)物をのみを指し、それ以前の刀身のみがぶつかっている状態は正確には「打ち合い・斬り結び」である。

しかしながら、斬り結びは偶発的に起きることは有りうる話で、幕末の剣豪であった[[斎藤一>斎藤一諾斎(新選組)]]も&font(b,red){「実戦では相手の攻撃を受け流したり、躱したりするのは中々難しい。」}としている。
慣用句の「火花を散らす」という言葉も、互いに刀の刃を激しく打ち合わせて火花を散らして戦っていた様子が語源となっている。((また類義語として扱われる「鎬を削る」も互いの刀が組み合って鎬(刀身の平にある膨らんだ部分)が削れ合う様が起源となっており、後述にあるような「鎬で受け流す」技法とは関係ない。))

しばしば「相手の攻撃は刀身の鎬で受け流す」または「弾くように捌く」のが防御手段として主流であるかのような言説も見られるが、実際にはここら辺は剣術の&ruby(方式){流派}により対処法が大きく違うため、「刃で受ける」か「鎬で受ける・受け流す」かはバラバラであり、&bold(){一概にこれが正しい使い方と断言することはできない。}
とはいえ日本剣術全体で見ると&bold(){単純な受け}を忌避する傾向が強く、刃と刃が触れあったら股間を蹴り上げたり、相手の体勢を崩したりすることが推奨されている流派もあれば、二天一流のように相手を突くような姿勢で刃を受けるというものもある。

ぶっちゃけ「相手の刃を自分の刀で受けることはタブー」というのは極論であり、厳密には「相手の刃を自分の刃で受けないのが理想」だが実戦では困難であると共に、刀はあくまでも使用者の命を守る為のモノ。
&bold(){使用者が破損を気にして命を落とすのは本末転倒である}ため、「相手の刃を受ける必要がある時はカウンターや牽制、体勢崩しを同時に行う」「カウンターや体制崩しをより効率良く行うため受け流しを行えば尚良い」というのが正確である。

しかし、現在我々が知るこれ等の剣術の技法は、平均的な使い手よりも優位に立つための「知る人ぞ知る裏技」的な面もあったことも否定できず、&size(17){&bold(){全ての刀持ちがこのような使用法を守っていたわけではない}}ことに注意しなければならない。
&font(blue){&bold(){剣術における刀剣の使い方と当時の平均的な刀剣の使い方は=ではない}}のである。

***峰打ち
漫画やアニメ等ではよく相手を気絶・無力化するのに「峰打ち」を使うことがあるが、峰打ちとは本来[[鈍器]]として相手の骨を砕く為の技術、戦術である。
しかし&font(red){日本刀の峰部分は脆弱部であり}、峰打ちをすると刀身が痛むため、&bold(){&font(purple){「峰打ちの存在自体が創作ではないか?」}}という意見や、&bold(){&font(green){「峰打ちには刀身を痛めないように打つコツがある」}}という反論もあるが、&bold(){剣術の&ruby(方式){流派}は何通りもあるため、(日本刀の技法に関しての)統一見解はないということに留意するべきである。}

要は峰打ちというのは[[鋼鉄>鋼(金属)]]の棒でぶん殴っているのと同義なのだ。
現実の人体がそんなもので殴られたら気絶だけですむ筈がない。骨折ならまだ良い方、加減を誤れば内臓破裂で死に至る可能性もある。
「安心しろ。峰打ちだ」が常套句だが&bold(){実際は何の安心も出来ない}訳だ。

全力の峰打ちを脇に食らって気絶してもものの数時間で平然と立ち上がり「イテテ、あの野郎、派手にやりやがって…」で済むのは、やはり人体構造が常軌を逸した、不思議な現象豊かなフィクションの超人だからなのである。

***介者剣術/介者剣法
[[甲冑>鎧兜]]を着ている者同士の戦いで使用される剣術であり、普段着で行われる素肌剣術と分別されることが多い。
江戸時代より前の時代の剣術は介者剣術が主流であった&bold(){……といわれているが、実際には柳生心眼流など一部の流派が伝承で伝えているのみであり、本当に主流であったかは微妙である。}

&size(17){とまぁ、&font(b,red){各種技法関係の実用性、実在性の是非はきりがない}ので、ここら辺でやめておこう。}

**◇基本動作関連
***突く
日本刀に限らず、刀剣類の突きは相手を絶命させやすいが、斬撃は絶命させにくく、厚手の衣服でも効果が落ちやすい。
反面、突きは斬撃よりも衝撃力が少なく致命傷を追わせても、相手の攻撃動作を止めることができず、相討ちで落命する可能性が高かった。((レイピア同士の決闘では両人が死亡することが多かったため、決闘をやらなくなり、結果的に死人が減ったという事例がある。))

突きのもうひとつの弱点として、頭に血が上ったり、恐怖心などで平常心を失うと、無意識に『斬る』『叩く』動作を行ってしまう問題があり、これは突きが人間の本能に反した動きだからといわれる。((例えば幕末の剣豪だった斎藤一は「実戦では一旦落ち着かないと、突きが出来ない(要約)」としているし、明治初期に起きた士族による神風連の乱や西南戦争の軍医の記録によれば、死者生存者関係なく斬撃が多かったといわれる。また日本刀にまつわる慣用句は斬撃を司るものが多く、例として戦国武将の一人だった太田牛一は、自身の書いた「信長公記」にて、鎬を削り鍔を割り、火花を散らし…といった表現を用いているがいずれも斬撃に関わる言葉である。))

***切(斬)る、打つ
棒などで強めに叩く動作を表す「打つ」という表現と(刃物で)切るという表現は、少なくとも刀剣類を使う上で明確に区別していなかったようである(太刀「打ち」、「打」刀、「打」太刀など)。
全体的にはどうも「打つ」は主観的または技法的なもので剣術の伝書や軍記物語によく見られ、「切る」は客観的な表現であり、こちらは軍記物以外の記録や戦の手柄を記録した感状に多いらしい。

**◇持った感じの重さ
現実の刀剣は結局のところ鋼鉄の塊なので、世の少年少女が思っているよりかは大抵重たい(それでも両手持ち用の刀剣としては軽い部類にあたる)。
刀の扱いに慣れれば一振り位なら普通に出来るが(そのまま斬り倒せるかはまた別の話)、セーラー服が似合う手足に筋肉の欠片も見受けられない美少女が縦横無尽に駆け回りながらその細腕で刀を踊るように振り回す・すれ違いざまに複数の斬撃を同時に叩き込む…なんて芸当は、女性どころか剣術を熟知した[[ガチムチ体型なビルダー>ボディビル]]であってもまず無理。
仮に出来るとしても、無駄な体力消耗や身体への無駄な負荷に繋がるので振りまくることはまずない。やはり色々な物理法則などが都合のいい時だけ丁度いい塩梅で差っ引かれたフィクションの超人だからこそ(ry
実際問題振った後いかに早く態勢を整えられるか、いかに相手の反撃を回避するかなどは重要なので、結局刀に振り回されないだけの体幹や腕力は必要となる。

ちなみに重たいといっても現代における日本刀の代表例とされる打刀の場合、重量は700~1400g前後と、アマチュア用の金属バットは規定で900g以上と定められているので、大体それよりちょっと重たい程度。
これだけ聞くと軽そうに思えるかもしれないが、実際は重心の違いや持ちやすさの違いがあるので、実際に振ろうとすると金属バットやそこらの軽いダンベル(5kgとか)よりも明確に重たいと感じやすい。
全体としてはそこまで重くはないのである程度成長した男女ならば、単純に持ち上げるだけならばそう困らないだろう(危険物なので注意は必要だが)。
余談だがYouTubeには横からの一撃や上段から振り下ろす一撃ではあるが、&bold(){女性が}片手持ちで巻藁を切断している動画が存在する。

**◇形状の変化とか
よく西洋剣が叩き切るのに対して日本刀は切断する、と言われることもある。
……が、実際は西洋剣にも切れ味のいいものが多く存在するし、日本刀も時期によってかなりの違いがあるので何とも言えない。

俗に、甲冑合戦が主流の平安~鎌倉初期には打撃力と丈夫さを重視したつくりになっており、そうした刀が元寇で蒙古兵の強靭な革鎧に苦戦し、[[正宗]]や[[薙刀>ポールウェポン]]が辛うじて斬れたことから
蒙古軍の三度目の襲来を懸念し、鎌倉時代末期には切れ味を重視したつくりになるも、その後は元の打撃力や丈夫さを重視したものに戻っている。
&bold(){……といわれているが伝承の類いであり、確かな根拠があるわけでも検証したわけでもない。}((日本では戦後長らく、軍事研究が忌避されてきた。特に戦術・戦闘法・武器が全くといっていいほど進んでおらず、戦前のままだったり、美術品としての話が主体だったりする。))

また、鎌倉~室町時代と戦国時代とでは戦模様も大きく異なっていて、この時は太刀が主流とされていて今の日本刀よりも大きくて重たかったとされる一方で、持った感じが後世の短めの刀よりも軽いという意見もある。

しかし、規格化されたものでもない故、各個体毎のバラツキが大きい((実際に使われた物の場合消耗したり研ぎ減って痩せている事も有るので本来の使われていた時の状態とは異なるケースも珍しくない。))ので、これまた一概にこうだったとは言えなかったりする。

一応伝承の類いではない学術的な方面では、室町時代半ば辺りからは文化が変わり、より小型で反りの浅い今の日本刀の形である打刀が増えていったが、太刀を使う武将も普通に居たとされている。この頃から武将が太刀(名刀)を打刀に打ち直したというケースも割と見られる。
また、戦国時代からは刀が大量生産されるようになり、技術の進歩が大きかった一方で品質の低下も見られる……とされているが、これば美術品としての話であり、実用品としては江戸時代のモノよりは良かったのではないかという意見もある。

江戸時代には幕府によって刀の長さにも規制が入り、その他諸々の都合から、打刀は残っているが太刀に関しては表舞台からほとんど消え去っている。

因みに漫画『るろうに剣心』の[[相楽左之助]]が使ってた斬馬刀は日本刀ではない(そもそもアレは形が斬馬刀ですらないのだが……)。
斬馬刀とは古代中国で発明された、長い柄の先についた長い刃で足を切る為の物である。「再筆」では日本刀型になっているが、これも厳密には別種の武器である。
なのだが、るろうに剣心以前の漫画で斬馬刀といえばその形式であったというややこしい経緯がある。}


*■日本刀がよく登場する作品
中~近世ぐらいの日本を舞台にした作品ではほぼ確実に登場する。

・幕末機関説いろはにほへと
・[[シグルイ]]
・[[バガボンド>バガボンド(漫画)]]
・[[るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-]]
・あずみ
・PEACE MAKER
・[[SAMURAI DEEPER KYO]]
・[[斬]]
・[[銀魂]]
・[[BLEACH]]
・[[刀語]]
・[[装甲悪鬼村正-FullMetel Daemon MURAMASA-]]
・[[我間乱>我間乱〜GAMARAN〜(漫画)]]
・[[喰霊]]
・[[GANTZ>GANTZ(漫画)]]
・[[終末少女幻想アリスマチック]]
・[[刃鳴散らす]]
・Dogs
・[[世界忍者戦ジライヤ]]
・[[忍者戦隊カクレンジャー]]
・[[侍戦隊シンケンジャー]]
・[[手裏剣戦隊ニンニンジャー]]
・[[鬼滅の刃]]
・[[刀使ノ巫女]]
・[[サムライスピリッツ]]シリーズ
・幕末浪漫 月華の剣士
・[[ブシドーブレード]]
・仮面の忍者 赤影
・[[変身忍者 嵐]]
・[[快傑ライオン丸]]
・[[風雲ライオン丸]]
・[[日本三國]]
・[[ブレット・トレイン>マリアビートル]]
・[[カグラバチ]]

*■日本刀がよく自生している作品
・[[彼岸島>彼岸島(地名)]]
 
*■日本刀をよく使うキャラ
**漫画・アニメ
・[[剣桃太郎]]、[[赤石剛次]]([[魁!!男塾]])
・剣獅子丸、赤石十蔵(暁!!男塾)
・鞍馬豪血、赤石剛壱、神泉零([[男塾外伝 赤石剛次]])
・大峩(男塾外伝 死天王)
・[[緋村剣心]]([[るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-]])※逆刃刀という不殺の刀を振るう。
・[[ロロノア・ゾロ]]、[[シリュウ>シリュウ(ONE PIECE)]]、[[トラファルガー・ロー]]、[[イーザンバロン・V・ナス寿郎聖>五老星(ONE PIECE)]] ([[ONE PIECE]])
・[[石川五ヱ門>石川五ェ門(ルパン三世)]](ルパン三世)※あらゆる鉄を切り裂く[[斬鉄剣]]が得意技。切れないものはこんにゃくのみ。
・アルテア([[GEAR戦士 電童>GEAR戦士電童]])
・ファン・ガンマ・ビゼン([[海皇紀]])
・[[カミナ>カミナ(グレンラガン)]]([[天元突破グレンラガン]])
・[[ガンダムアストレイ レッドフレーム]]([[機動戦士ガンダムSEED ASTRAY]])
・[[マイティストライクフリーダムガンダム>ストライクフリーダムガンダム]]([[機動戦士ガンダムSEED FREEDOM]])
・[[ダリルバルデ]]([[機動戦士ガンダム 水星の魔女]])
・[[シュバルゼッテ>GUND-ARM(水星の魔女)#id_3d6c80f4]]([[機動戦士ガンダム 水星の魔女]])
・[[エヴァンゲリオン初号機]]([[新世紀エヴァンゲリオン]])※アニメ本編では一切使用しないが、ゲーム作品や立体物では二対の巨大な日本刀を振るう。
・黒鋼([[ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-]])
・[[神田ユウ]]([[D.Gray-man]])
・ミドリ([[舞-乙HiME]])
・ナオト(Dogs)
・弐村剣輔([[喰霊]])
・諫山黄泉([[喰霊-零-]])
・ジャック・スミス([[鉄のラインバレル]])
・[[ニガリ>ニガリ(コロッケ!)]]([[コロッケ!]])
・ミフネ([[ソウルイーター>ソウルイーター(漫画)]])
・小夜(BLOODシリーズ)
・木場優児(マーダーライセンス牙)
・馬眼(グラン・バガン)
・血祭武士(ザ・サムライ)
・面堂終太郎([[うる星やつら]])
・[[ヤジロベー>ヤジロベー(ドラゴンボール)]]([[ドラゴンボール>ドラゴンボール(DRAGON BALL)]])
・[[黄金剣士ドラン]]/黄金合体ゴルドラン/大空合体スカイゴルドラン([[黄金勇者ゴルドラン]])
・カイリ(海傑エルマロ)
・[[亜双義一真]]([[大逆転裁判>大逆転裁判シリーズ]])
・真田遼/烈火のリョウ([[鎧伝サムライトルーパー]])
・沢松之助([[エリア88>エリア88(漫画)]])
・ナナシ([[七つの大罪>七つの大罪(漫画)]]) 
・[[乙骨憂太>乙骨憂太(呪術廻戦)]]([[呪術廻戦]])
・ランスロット(黙示録の四騎士) 
・サムライソード([[チェンソーマン]])
・佐分(合法都市)
・矢吹達郎(ブラッドラインズ)
・助川仙吉(バキ外伝 創面)
・[[佐部京一郎>地下闘技場(バキシリーズ)]](バキ外伝 拳刃)
・[[宮本武蔵>宮本武蔵(バキシリーズ)]]([[刃牙道>バキシリーズ]]) ※国宝・國守
・武蔵([[ブラックエンジェルズ]])
・天草銀(ウダウダやってるヒマはねェ!)
・[[ノブナガ=ハザマ]]([[HUNTER×HUNTER]])
・渋谷和也(ブラックアウト)
・[[アトミック侍>アトミック侍(ワンパンマン)]]([[ワンパンマン]])
・佐々木光一(超人戦線)
・[[島津豊久>島津豊久(ドリフターズ)]]([[ドリフターズ>ドリフターズ(漫画)]])
・西園寺莢一([[少女革命ウテナ]])
・大場なな([[少女☆歌劇 レヴュースタァライト>少女☆歌劇 レヴュースタァライト(アニメ版)]])
・諸星弾/SEVEN([[ULTRAMAN>ULTRAMAN(漫画)]])
・&ruby(たかむら){篁}(SAKAMOTO DAYS)
・マッチ([[トリコ>トリコ(漫画)]]) ※名刀「竜王」
・ディーチャー・キング([[バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ]]) ※"物干し竿"
・&ruby(こうじゅんいん){皇遵院} &ruby(しずく){雫}(東京決闘環状戦)
・[[マスク・ザ・レッド>十傑集]]([[ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日]])
・[[九条薔薇丸]]([[TOUGH>タフシリーズ(猿渡哲也)]])

**小説・ラノベ
・[[シャナ>シャナ(灼眼のシャナ)]]([[灼眼のシャナ]])※シャナが振るう宝具は[[贄殿遮那]]という[[日本刀]]型。
・[[シズ>シズ(キノの旅)]]([[キノの旅]])
・サモエド仮面([[学園キノ]])
・[[神裂火織]]([[とある魔術の禁書目録]])
・[[園原杏里]]([[デュラララ!!]])
・ルーク・エインズワース([[聖剣の刀鍛冶>聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)]])
・[[黒鉄一輝]]、東堂刀華([[落第騎士の英雄譚]])
・刀藤綺凛(学戦都市アスタリスク)
・[[鑢七花]]([[刀語]]) ※虚刀・鑢という刀&bold(){そのもの}
・死屍累生死郎、[[キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード]]([[物語シリーズ(西尾維新)]])  ※妖刀「心渡」

**ゲーム
・[[クロノ>クロノ(クロノ・トリガー)]]([[クロノ・トリガー]])
・[[太刀>太刀(モンスターハンター)]]([[モンスターハンター]])
・フルクシャ(モンスターハンターフロンティア)
・[[セフィロス]]([[FINAL FANTASY Ⅶ]])※正宗という長すぎる日本刀が武器
・[[犬井灰根]]([[パワプロクンポケット]])
・[[ネプテューヌ/パープルハート>ネプテューヌ(超次元ゲイムネプテューヌ)]]([[超次元ゲイム ネプテューヌ]])
・[[スパーダ>スパーダ(DMC)]] ([[Devil May Cry]])
・[[バージル>バージル(DMC)]] ([[Devil May Cry3]])
・[[ネロ>ネロ(DMC)]] ([[Devil May Cry4]])
・[[雷電>雷電(メタルギアソリッド)]]([[メタルギアソリッド>METAL GEAR SOLID]])
・[[御剣冥夜]]([[マブラヴ]]シリーズ)
・[[ゼンガー・ゾンボルト]]([[スーパーロボット大戦シリーズ]])
・[[須田恭也]]([[SIREN]])
・矢倉市子([[SIREN2]])
・ハワード ライト ([[SIREN NT>SIREN:New Translation]])
・[[魂魄 妖夢]]([[東方Project]]) ※白楼剣、楼観剣
・喜多川祐介/フォックス([[ペルソナ5]])
・[[ダンバン>ダンバン(ゼノブレイド)]]([[ゼノブレイド]])
・[[シン>シン(ゼノブレイド2)]]([[ゼノブレイド2]])
・ノア([[ゼノブレイド3]])
・エイ([[ゼノブレイド3]])
・シャドーレッド&魔霊将軍 轟雷([[超鋼戦紀キカイオー]])
・御剣平四郎(ソウルキャリバーシリーズ)
・朱鷺宮神依([[アルカナハート]]シリーズ)
・天羽零彗([[デモンブライド]])
・ミリン、ナルメアほか([[グランブルーファンタジー]]) ※ナルメアが振るうカタナは刀身に比べて柄が異様に長い、半ば[[長巻]]めいた特殊なもの
・[[斑鳩(閃乱カグラ)]] ※飛燕
・エイジ・シンジョウ([[闘神伝>闘神伝シリーズ]]) ※愛用の日本刀は「無銘の太刀」として代々シンジョウ家に伝わってきたが、実は夜鬼一族に伝わる四聖武具の一つ・白虎の太刀だった。
・[[梅喧]]、[[ジョニー>ジョニー(GG)]]([[ギルティギア>GUILTY GEAR(ギルティギア)]]シリーズ)
・[[吉光>吉光(鉄拳)]]([[鉄拳>鉄拳(格闘ゲーム)]]/ソウルキャリバーシリーズ)※妖刀「吉光」
・ユズリハ(UNDERNIGHT IN-BIRTH)
・サムライ、若([[ネクロスの要塞]])
・RYOMA(パワーストーン)
・ビシャモン、朧ビシャモン(ヴァンパイアシリーズ)
・[[鷹丸>鷹丸(謎の村雨城)]]([[謎の村雨城]])
・[[リィン・シュバルツァー]]([[英雄伝説 閃の軌跡]])

**特撮
・[[宇宙剣豪ザムシャー>ザムシャー(ウルトラ怪獣)]]([[ウルトラマンメビウス]])
・変身忍者 嵐([[変身忍者 嵐]])※速風という日本刀が武器兼変身アイテム。
・磁雷矢/山地闘破([[世界忍者戦ジライヤ]])※磁光真空剣という刀が必殺武器。磁雷矢がその名を呼ぶと[[レーザーブレード>レーザーブレード(特撮)]]のごとく光り輝く。
・[[バトルフィーバーロボ]]、[[倉間鉄山将軍>バトルフィーバー隊]]([[バトルフィーバーJ]])※バトルフィーバーロボは電光剣という巨大な日本刀で[[秘密結社エゴス]]の悪魔ロボットを両断する。
・二代目バルイーグル/飛羽高之([[太陽戦隊サンバルカン]])※バルカンスティックを[[日本刀]]に変えて必殺の太刀「飛羽返し」を繰り出す。
・[[剣将ブドー>ブドー魔人衆(星獣戦隊ギンガマン)]] ([[星獣戦隊ギンガマン]]) ※妖刀ギラサメという刀が武器。
・[[七の槍 サンダール]]([[忍風戦隊ハリケンジャー]])
・[[シンケンオー]]、[[腑破十臓]]([[侍戦隊シンケンジャー]])
・[[滅>滅/仮面ライダー滅]]([[仮面ライダーゼロワン]])
・[[桃井タロウ>ドンモモタロウ/桃井タロウ]]([[暴太郎戦隊ドンブラザーズ]])
・[[桜井景和>桜井景和/仮面ライダータイクーン]]([[仮面ライダーギーツ]])
・[[ハチオーグ]]([[シン・仮面ライダー]])

**映画・アメコミ・海外ドラマ
・ミショーン([[ウォーキング・デッド>THE WALKING DEAD/ウォーキングデッド(ドラマ)]])
・オートモ([[ロボコップ3>ロボコップ3(映画)]])
・シルバーサムライ/ケンイチロウ・ハラダ、[[デッドプール/ウェイド・ウィルソン>デッドプール]]([[X-MEN]])
・美影桔梗(ウルヴァリン([[マッドハウス]]版))
・[[ダークニンジャ]]([[ニンジャスレイヤー]]) ※ベッピン、ガルシア
・[[ヤモト・コキ]]、[[シルバーカラス>シルバーカラス(ニンジャスレイヤー)]]([[ニンジャスレイヤー]]) ※ウバステ
・アリス([[バイオハザードⅣ アフターライフ]])
・ゼルダ・ウィンストン(デッド・ドント・ダイ)
・バラシン、上条幹夫([[CASSHERN>CASSHERN(映画)]])
・カーラ・スマイス大尉(バトル・オブ・ロサンゼルス) 
・ケンジ(ラッシュアワー3) 

*■日本刀そのものがモチーフのキャラクター
・シメサバ丸([[GS美神 極楽大作戦!!]])※手にした人間を操ってしまう妖刀。
・[[冥獣人サムライのシチジュウロウ>冥獣人四底王]]([[魔法戦隊マジレンジャー]])※実は刀の方が本体。
・鬼炎(ヴァンパイアシリーズ)※ビシャモンの正体で、刀の姿をした魔界生物。鎧の姿をした般若とコンビを組み人間に憑依する。
・[[はたもんば>はたもんば(地獄先生ぬ~べ~)]]([[地獄先生ぬ~べ~]])
・刀剣男士の皆さん(刀剣乱舞)
・[[刀眼魔>眼魔(仮面ライダーゴースト)]]([[仮面ライダーゴースト]])
・エクスカリバー星人([[銀魂]])
・[[ドンムラサメ]]([[暴太郎戦隊ドンブラザーズ]])
・十六夜([[とらいあんぐるハート2>とらいあんぐるハート]])※同名霊刀の精霊。エロゲ界隈における武器人化系ヒロインの元祖の一角。


追記修正は日本刀を研いでからお願いするでござる。

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