路線変更(連載漫画)

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路線変更(連載漫画) - (2025/06/16 (月) 14:53:41) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/09/02 Sun 11:01:46
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 21 分で読めます

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特撮についてはこちら→[[路線変更(特撮)]]


路線変更(連載漫画)とは、連載中の[[漫画]]のジャンルや題材にしている物が突然ガラリと変わるという大きな出来事である。
例えば

#center(){{{
高校生の少年が活躍する野球漫画
↓
大学生の青年の恋愛コメディ漫画}}}

といった変化が該当する。
なお、「十二支ホームコメディ」として始まりながらその十二支の背景設定が明らかになるにつれてシリアスなファンタジー漫画になっていった『[[フルーツバスケット>フルーツバスケット(漫画)]]』は、路線変更というわけではなく&bold(){そもそも「ホームコメディ」自体が作者の構想を無視してつけられたアオリ}。作者は単行本1巻の時点で「&bold(){私は特にコメディと思って描いてないです}」と述べており、終盤の展開の伏線も序盤のうちから描いている。


#center(){{{
ギャグテイストな冒険漫画
↓
シリアステイストな冒険漫画}}}

のようにジャンルはそのままでシナリオの雰囲気が変化した物も路線変更と言われる事があるが、これらは厳密な意味での路線変更ではない。
ジャンルを変更せずとも長く続いていれば作品の雰囲気も多少変化していくものであり、こういったものも含めてしまうとキリがなくなる。
例えば『[[Dr.スランプ>Dr.スランプ(Dr.SLUMP)]]』や『天才バカボン』は、どちらも表題にある[[主人公の影がどんどん薄くなっていき>主役/メインヒロイン降格]]、脇役が主人公の座に昇格しているが、こういった事例は含まない。
 
路線変更が施される主な理由として、
-不人気返上の為
-ネタ切れ・マンネリ化
-編集部の申し立て(所謂[[大人の事情]])
-作中の時間の流れ
-読者からの要望
-作者の好み
-作者の志向の変化
等が挙げられる。

こうする事により、新しいファンの増加、マンネリ化の防止、連載期間中のターニングポイントとして話題になる事がある。

しかしながら路線変更のリスクも当然大きく、以前のエピソードが[[黒歴史]]と化して話に矛盾が生じてしまったり、キャラクターに死に設定が出来たり、[[キャラクター自体の入れ替え>退場(創作)]]が発生したりしてしまう。
そして何よりも「前の方がよかったのに…………(`3´)」と以前のファンに一気に失望されることもザラにある。
従って路線変更は一か八かのギャンブルであり、&bold(){成功すれば人気作}になり、&bold(){失敗すれば黒歴史}になってしまう。

ちなみに路線変更後にヒットした長寿作品は大体話の纏まりがあやふやになっていく為か「いい加減に終われ!」と言われる事も多い。
同じく路線変更した『ドラゴンボール』のように作者は終わらせたいけど、&bold(){諸般の事情で社会が許さなかったために}長期化されたものも。

[[ジャンプ作品>週刊少年ジャンプ]]は雑誌全体のテーマが「友情・努力・勝利」であるためか、はたまた成功例が多い為か、
ギャグからバトルへ路線変更(テコ入れ)される事が多く、それ自体がギャグ漫画でネタにされるケースもしばしば。


***【路線変更を遂げた作品】

#openclose(show=成功した例){
&sizex(5){&bold(){☆成功した例}}

・[[ドカベン]](1972年~2018年、水島新司)
おそらく大胆な路線変更を行った作品の最古参である。
今では野球漫画の金字塔として知られている本作、当初は&bold(){柔道を題材に扱っていた。}
作者の水島御大は最初から野球漫画を描きたかったのだが、当時、[[ライバル]]誌「[[週刊少年サンデー]]」で別の野球マンガ「男どアホウ甲子園」を既に連載していたために仕方なく柔道マンガとしてスタート。
程なくして「男どアホウ甲子園」が終わると、野球へと題材を変更。
無事、路線変更は成功。気が付いてみれば続編含めて数十年続く大人気漫画となった。


・[[ダメおやじ]](1970年~1982年、古谷三敏)
&bold(){週刊少年サンデーに連載された}&font(#ff0000){中年親父主役}のギャグ漫画。
前半(アケボノコミックス版)では作者が所属していた「フジオ・プロ」とそこのトップ赤塚不二夫らの協力により
「[[バカボンのパパ]]と真逆の、&bold(){ポンコツで鬼嫁にフルボッコされる威厳のない父親}」の悲惨生活が描かれた。
しかし作者が「フジオ・プロ」を離れしばらくたった連載中盤では会社倒産等がありつつも表現が緩和されだし、主人公の駄目っぷりが「ギャンブル中毒・左遷・精神崩壊」と
リアルにきつい方に行った後、普通の(?)恐妻家レベルまで生活が安定。
そして電子書籍版で「マイ・ウェイ編」と命名された後半(少年サンデーコミックス版4巻以降)では主人公が社長令嬢と知り合ったことで一気に出世し、
結果&bold(){マイペースで包容力のある男性の休暇と仕事を描いたコメディ&大人のDIY趣味漫画}へと変化。鬼嫁はいい嫁になるも単身赴任や旅続きで家族の出番が激減してしまった。
また「マイ・ウェイ編」後半では主人公が旅に出たことで再度物語のスタイルが変化。
終盤では「しゃべる動物」や「次男が[[忍者]]に弟子入り」等普通のギャグ話も描かれており、その中で主人公が悲惨時代に[[タイムスリップ]]して過去の自分を振り返っていた。
ちなみに主人公は前述したように後半では頼れる親父になるのだが、名前が「&bold(){ダメ助}」なせいか社長令嬢等からも「ダメおやじ」と呼ばれていた。
なお、1974年に[[ナック>ナック(アニメ会社)]]により[[テレビアニメ化>アニメ化]]されているが、その時は原作が路線変更前だったため、悲惨なまま終了している。
(ちなみに放送時期はあの[[チャージマン研!]]と同時期。)
作者によると、路線変更の理由は奥さんから&bold(){「まだダメおやじを描いていたの?」}と言われたので「十年変えなかった設定を変えてみようと思った」との事らしい。


・[[リングにかけろ]](1977年~1981年、車田正美)
序盤こそ、貧乏な家庭環境やいじめっ子に負けずに青春を送っていく高嶺姉弟の人情ものとして始まり、
ライバルである[[剣崎>剣崎順]]との出会いから次第に科学的なトレーニングを行っていくシリアスなストーリーとして進んで行った。
しかしながら試合がインフレするにつれて、だんだん敵を場外どころかドームの外まで吹っ飛ばさなければ試合が終わらないような超人ボクシング漫画になり、
遂には100対1の野試合やら手に[[ダイヤモンド]]を埋め込んだヤツやらが出てくる完全なバトル漫画にシフトした。

そういったシナリオの中で[[伏線]]を拾っていく中、いつの間にやらレフェリーすら登場しない[[SF]]決闘が展開されていくこととなり、後の車田漫画の源流となった。
この路線変更について、同時期に連載を持っていた[[小林よしのり>小林よしのり(漫画家)]]は「&bold(){ヤツ(車田)は突然何かを悟りやがった}」と評している。
ちなみに後述の『キン肉マン』においても、主人公の高嶺竜児が2コマだけ登場するシーンがある。(※この時キン肉マンも日米対決をテーマにしたエピソードだった)


・[[キン肉マン>キン肉マン(漫画)]](1979年~1987年、ゆでたまご)
始めは怪獣と闘うために[[ニンニク>ニンニク/大蒜]]を食べて[[巨大化]]するダメ超人・キン肉マンを主人公にしたギャグ漫画だったが、
作者がプロレスファンだったことから、いつしかプロレステイストのバトル漫画へシフトチェンジし、弱かったキン肉マンもどんどん強くなり途中から全く巨大化しなくなった((設定としては残っており、第一回超人オリンピック編でカナディアンマンが巨大化している。巨大化しなくなった理由は「周りに迷惑になるから」との事))…というかこの時期の技が顧みられることはほとんどなくなった((「はい キン肉マン浮きます」のシーンから、少なくとも王位争奪トーナメントの頃までは「飛べる」設定は残っていたとする解釈はある))。
矛盾やトンデモ理論が多いことで有名だが、それも魅力の一つとなり続編が現在も連載中。今や日本を代表する超大作の一つとなった。&font(l){そして話のスケールと比例するようにゆで理論のスケールも大きくなった。ウルルとグロロとか}
ジャンプではすっかりおなじみのバトル化路線への変更を行った最古参の作品のひとつ。
後年、あらゆるジャンプ作品がバトル化に突っ走ったきっかけとも言える。
ヒットしたとはいえ本来のギャグ路線を変えたのが心残りだったらしく、アニメ化が決定した際は&bold(){作者の要望}でアニメは第一回超人オリンピック編以降もギャグが増える形となった。
キン骨マン&イワオやナチグロンのような最初期のメンバーを「キン肉マンの応援団」と扱うことがあるのも、この理由からアニメでは王位争奪編まで普通に出番があったため。
&s(){『Ⅱ世』のキン骨マンⅡ世たるボーン・コールドはどういうことになるの?と言ってはいけない。元々あれ『スグル期アニメ』の設定をスルーしてる部分めっちゃ多いし。}((ゆで先生お2人が明言したわけではないが、無印原作(新章含む)・無印アニメ・Ⅱ世原作(究極タッグ編含む)・Ⅱ世アニメでそれぞれパラレルとするのが一般的な解釈。一説には究極タッグ編のタイムトラベルで未来が分岐したとも))

ちなみに矛盾やトンデモ理論について作者の二人は
「最初の連載の時は新人であり、そのあたりの理解が足りなかった」「(当時『リングにかけろ』を掲載していた)車田先生が似たような作風だったので、こんな感じでいいんだろうと判断してしまった」
と発言している。
現在は「これが僕たちの作風だから」という面が大きいようだ。


・[[ドラゴンボール>ドラゴンボール(DRAGON BALL)]](1984年~1995年、鳥山明)
ジャンプにおけるバトル路線変更で、最も有名な作品であろう漫画。
[[西遊記>西遊記(中国古典)]]風の冒険漫画から、格闘バトル漫画へとチェンジした。
でも初期は「まるでストーリー漫画のような眼」と[[亀仙人]]が[[メタ発言]]をかましたりと、ギャグ要素も強かった。%%最後までギャグてんこもりだったじゃんは禁句。%%
そもそも一話ごとのページ数からも分かるように、ジャンプ誌面では「ギャグ漫画枠」で連載がスタートしている。((ジャンプ誌面では一話ごとのページ数は「ストーリー漫画>ギャグ漫画」という方針を採っており、これは路線変更を行っても変えられる事は無い。ちなみに単行本のページ数は両者共に一定の事が多いため、「ギャグ漫画スタートのバトル漫画」は他のバトル漫画に比べ連載期間比の巻数が少ない傾向にある。))
元々は路線変更することなく終了する予定だったのだが、担当に「人気がない」と言われた作者は連載続行を決意。
「強さを追い求める主人公」という要素を重点化し、結果バトル漫画として大成功を収める事となる。

ちなみにしばしば勘違いされやすいが、この「人気がない」というのはあくまで&bold(){前作『Dr.スランプ』の全盛期と比べた場合の話である。}
実際はアンケートで下位になる事もあったものの、中堅ポジションはキープしており、
良いときにはアンケート4位を取った回もあるとの事(当時の編集長の発言より)。
実際、当時の掲載順を見ると、そこまで下位に掲載されてはいないことがわかる。


・[[遊☆戯☆王>遊戯王]](1996年~2004年、高橋和希)
最初は様々な[[闇のゲーム>闇のゲーム(遊戯王)]]で悪人を懲らしめる漫画だったが、
その中で扱った(当時はまだ珍しかった)「[[トレーディングカードゲーム>トレーディングカードゲーム(TCG)]]」を題材にした話が読者の大反響を呼ぶ。
その後しばらくしてからカードゲーム路線にシフト。本作が生んだ「[[遊戯王OCG>遊戯王オフィシャルカードゲーム]]」は、後にTCG界のトップに登り詰める事となる。
前半部をアニメ化した東映版のオリジナルストーリーすらもデュエルが多めであることからも、当時のカード人気がわかる。

ちなみに原作では、意外にも&bold(){カードのみを題材にした長編は2本しかない}(数え方によるが本作の中長編は7本ほど)。
カードゲームにシフトした後も別のゲームを題材にしたり、カードメインではない完結編を行ったりしている。
またこの手の路線変更を行った作品にしては珍しく初期がなかったことにされず、登場人物が初期のエピソードに関する言及をしている場面も存在する。
本作は路線変更というよりは、&bold(){方向性のシフト}と言った方が正しいのかもしれない。
(もちろんの事カードを扱っていた期間の方が長い)

本作が嚆矢となって下記のデュエル・マスターズを始め多くのTCG販促漫画が生まれたのだが、
元々本作はそれらと違い販促漫画じゃなく劇中には[[カードゲームとしては荒唐無稽な効果>砦を守る翼竜]]のカードも多数あったという事情もあり、他作品と比べて[[原作漫画に登場した時と実際に発売されたカードの効果が全く違う>ラーの翼神竜]]という事が&bold(){非常に}多い。
反面、遊戯王OCGには[[原作のカードゲーム路線以外の要素を拾い上げたカード>No.67 パラダイスマッシャー]]も数多く存在する。

尚、この手の漫画で即座に忘却の彼方に流されていくか、もしくはただの[[噛ませ犬>かませ犬]]になりがちな「第1話の敵」だが、
本作に登場する「第1話の敵」の[[牛尾哲]]はなんと次々作『[[遊戯王5D's]]』にまで登場しており、%%原作と比較したときの年齢はともかく%%なんやかんやで変わってなかったりさりげなく成長していたり、それ以降の作品にも彼のオマージュと思われるモブがさりげなく紛れていたりする。


・[[デュエル・マスターズ>デュエル・マスターズ(漫画)]](1999年~、松本しげのぶ)
今なお連載の続く人気カード漫画。
元々上記の『遊☆戯☆王』がカードで人気を得始めた直後に始まった漫画であり、
当初は遊戯王内のカードゲーム「マジック&ウィザーズ」の元ネタでもある「[[Magic the Gathering]]」を題材にした漫画だった。
ところが、当初の[[ラスボス>白凰(デュエル・マスターズ)]]との最終決戦を境に、MTGのウィザーズ社制作のオリジナルのカードゲーム[[デュエル・マスターズ>デュエル・マスターズ(TCG)]]の漫画となる。
その後はマジックが登場しなくなり、死に設定が多発してしまった。
後にアニメ化された際はMTGの部分はデュエルマスターズに変更された。

ちなみに「デュエルマスターズに路線変更したから人気が出た」という訳ではなく、
元々MTG時代中期頃から[[コロコロ>コロコロコミック]]読者からの支持がどんどん伸びていき、
MTG時代末期の牛次郎戦付近で遂に読者アンケート一位を獲得した為に
&bold(){「コロコロの読者相手でもカードゲーム人気出るじゃん!」}と編集部が判断、
コロコロの読者層に合わせてMTGの制作会社がルールを簡略化したデュエルマスターズを急ピッチで制作した…という事情だったりする。

それほどまでに編集部の権限が強く、カードの売れ行きなどによってドンドン設定変更を強いられるらしく、『VS』の一時期は鬱に陥ったこともあったようだ。
そんな中で産まれたキャラクターはダーティな設定を持つ者も多いが、最終的には読者に無事受け入れられている。
因みに低年齢層向けTCG漫画だからといってデュエル描写が単純なんて事はなく(尺の都合上の描写の省略は多いが)、むしろ結構リアル寄りで、当時のガチコンボやジャッジキル、メタ読みなんかも描かれている。

2018年には「もし主人公がDMではなくMTGを選んでいたら?」というIFのもと
『&bold(){[[切札勝舞はマジック・ザ・ギャザリングを使いつづける]]}』と題したスピンオフ漫画が発表された。


・[[魁!!男塾]](1985年~1991年、宮下あきら)
連載初期は軍国主義をテーマにしたギャグマンガであったが、
連載3ヶ月程という短い期間で超人的身体能力を有す塾生達による格闘バトル漫画に路線変更。
6年という長期連載作品となり、[[スピンオフ]]や続編も作られた。
ただし最終章の「風雲羅漢塾編」だけは(作者が当初から決めていたようで)最初のようなギャグ路線に戻した上で、打ち切りの煽りにより多少の短縮はあったものの、卒業式の最終回で綺麗に完結させた。
%%え?この漫画は最後までずっとギャグマンガじゃないかって?そうですが何か問題でも?%%


・[[幽☆遊☆白書]](1990年~1994年、冨樫義博)
元々はバトルが絡まない1話完結作品だったが人気が振るわず、バトル漫画への変更により人気作となった。
なお、実は本作のバトル漫画化は、作者によると連載開始前から予定していたとの事。
タイトルもバトル路線変更後の事を考えて「幽☆遊☆記」という西遊記のもじりにしていたとか。(名前が変わったのは直前に[[漫☆画太郎]]の『[[珍遊記>珍遊記~太郎とゆかいな仲間達~]]』が始まったため)


・[[ジャングルの王者ターちゃん]](1988年~1995年、徳弘正也)
一話完結のギャグ漫画として始まったが、タイトルを「新-」と改めてからはバトル路線に移行。
なお、路線変更といっても従来の1話ギャグも続けて書き、長編バトルと交互に書くという両立スタイルである。(他だとサンデーの『[[GS美神 極楽大作戦!!]]』もこのタイプ。バトル漫画として人気が確立されてからもギャグ的なキャラ設定や描写が多いのもこのため)
無印のキャラがそのまま『新-』でも登場することがあるため、「こんなキャラいたかな?」と『新-』の単行本を読んでも見つからないことがしばしば。


・[[家庭教師ヒットマンREBORN!]](2004年~2012年、天野明)
最初は1話完結式のギャグ漫画だったが、路線変更の定番であるストーリー形式のバトル漫画になった。
一方で初期から伏線が巧みに張られており、ギャグ時代のキャラや設定が度々サプライズ的に用いられ、ラストではまさかのネタが…
%%…準レギュラーだったにもかかわらず後半ほぼ出番が無くなり、アニメでも存在を抹消された内藤ロンシャンは泣いていい%%


・[[行け!!南国アイスホッケー部]](1991年~1996年、久米田康治)
おそらくこの記事にある作品の中で最も特殊な路線変更を成功させた[[サンデー>週刊少年サンデー]]の漫画作品。
&bold(){アイスホッケーの漫画が、全くスポーツ要素のない下ネタギャグ漫画になるとは誰が予想できただろうか?}(ホントです)
作画も当初はあだち充の影響を色濃く受けた作風であったのだが、
最終的に記号的なデフォルメの利いた画風となり、同じ作者の漫画とは思えないレベルに変貌している。


・[[かってに改蔵]](1998年~2004年、久米田康治)
久米田康治のサンデーにおける次々作。こちらも連載初期と末期で作風が全くと言っていいほど変わっている事で有名である。
当初は『南国』後半の作風を引き継いだ下ネタギャグ漫画だったのだが、単行本9巻あたりから日常の「あるある」を羅列し、ブラックジョークや猟奇的なネタで〆るかなり毒の強いブラックコメディとなった。
それに伴って当初はツッコミ役だったヒロインの名取羽美が猟奇的な性格に、被害者役だった坪内地丹が内弁慶の気持ち悪いオタクキャラに変化していき、2人の作中のヒエラルキーが相対的に低下したことから元はボケ役だった勝改蔵はツッコミ役になっていった。

画風も『南国』からさらにデフォルメが進行し非常にさっぱりとした絵柄になり、現在の久米田康治の作風はここで完成されたと言える。
なお、衝撃的な[[最終回]]を迎えたことでも有名な漫画でもあるが、その布石は連載開始当初から打たれていた。


・宇宙鉄人キョーダイン(1976年~1977年、成井紀郎)
『[[仮面ライダーストロンガー]]』のコミカライズも手掛けた成井紀郎が『テレビマガジン』で連載した漫画版。
当初は映像作品の雰囲気を踏襲したシリアス路線だったが、連載が進むにつれてキョーダインが低頭身になり、
敵とのやり取りにギャグが挿まれるなどされた結果、連載第6回を境目に&b(){完全にギャグマンガに転向。}
街中を舞台にキョーダインもとい&b(){ジョーダイン}達と、同じく頭身を下げられてしまったダダロイド達がドタバタギャグ風味に激突するという内容で最終回まで通した。
(ただし、丁度作風転向の時期に増刊号に掲載された、デビルアトラスのエピソードは完全シリアスである&footnote(マンガショップから刊行された単行本では連載第1回の次のエピソードとして挿入されているため作風の違和感は少ない。逆に言えば連載第2回から一気に作風がギャグに寄ってしまったという事でもあるが。))

成井氏は単行本完全版のインタビューで、映像作品の方が結構遊びが入っている感じだったから
漫画の方にもそういった要素を挿んだ結果、受けが良かったため最終的にギャグ路線で固まったとコメントしており、
実際最終話は普段より増ページされるなど、連載漫画としての待遇はそれなりに良かったことがうかがえる。


・[[エロイカより愛をこめて]](1976年~2012年、青池保子)
第1話は作者の前作『イヴの息子たち』のようなSFコメディに&color(red){ゲイ}の怪盗エロイカがからむという感じだったが
第2話に登場した少佐こと「鉄のクラウス」の人気を受けて、それ以降は彼とエロイカを中心にした少女漫画なのに女性レギュラー皆無のスパイアクションコメディへと変更した。

冷戦期の終わりという根本設定の危機に見舞われつつもガチの軍事アドバイザーをつけて40年以上も連載された。
人呼んで(?)少女漫画界の[[ゴルゴ13>ゴルゴ13(漫画)]]。


・[[クレヨンしんちゃん]](1990年~2010年、臼井儀人)
青年漫画誌である『漫画アクション』連載のためか、「夜の営み((それでもさすがに「しんのすけが前戯をプロレスごっこだと勘違いする」などぼかされてはいるが))」など大人向けの描写が結構多く描かれるなどブラック色が強い内容だった。
アニメで『クレヨンしんちゃん』を知って、原作を読んでいろんな事を知った人も少なくないはず。

アニメ化を機にファミリー路線へと徐々にシフトしていき、そういった描写もなくなっていったのは有名(一応、アニメ版と同程度の下ネタはたまに出てくる)。
ただし、原作のほうでは死の描写もある為、アニメでは放送されないものもある。
漫画の方も4コマ誌である『まんがタウン』へと[[移籍>移籍連載]]しており、これも作風の変更の一因であろう。


・[[学校怪談]](1995年~2000年、高橋葉介)
当初は一部登場人物が共通するだけの一話完結型オムニバス作品だったが、作者がその路線に行き詰まりを感じた事から、
後半の主人公に当たる九段九鬼子先生とその教え子達が日常の中で遭遇する怪異を描く方式に変更された。

また、内容もオーソドックスなホラーから、バトルありコメディありゲストキャラありのバラエティ豊かな作風へとシフトしていった。
ちなみにあまりにも自然に切り替わったため、編集者ですら4話目まで路線変更に気が付かなかったらしい。


・[[天~天和通りの快男児~]](1992年~2002年、福本伸行)
当初は下町人情漫画として始まったが、ほどなくして本格麻雀漫画に転進(一応、ごく初期でも[[麻雀]]は取り扱ってはいたが)。
その後、ラストも[[赤木しげる>赤木しげる(天〜天和通りの快男児〜)]]の死を描くなど、麻雀してない回も結構目立っている。
福本氏は本作を境にそれまでの人情物から麻雀やギャンブルを題材とした漫画が増加しており、%%話も長くなりがちになるなど良くも悪くも%%氏のターニングポイントとなった作品だろう。


・[[私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!]](2011年~、谷川ニコ)
上記の『遊☆戯☆王』と似たような方針転換を行った作品。
当初はぼっち女子である「もこっち」こと[[黒木智子]]の残念な日常を延々と描いていく漫画として始まりアニメ化もされたが、二年の[[修学旅行]]編から女子レギュラーが大幅に増加。
内容も彼女たちの噛み合っているようで噛み合っていない残念な人間模様・青春群像劇を描く方向へとシフト。

アニメ終了後人気は落ち込んでいたが、この路線変更でネットではそれまで以上に多くの人気を獲得する事に成功する。

上記の路線変更に違和感を覚える意見が少な目なのは、「登場人物が増える=ぼっちの主人公が精神的に成長し、他人への視野が広がった』と無理なく解釈できる事と『成長して尚主人公の捻くれた性質は何ら変わらない」という一貫性の賜物だろうか。


・トイレット博士(1970年~1977年、とりいかずよし)
当初はタイトル通りのスカトロギャグ漫画であったが、やがてネタが枯渇した為に主人公を交代し人情ギャグ漫画へと路線変更を行った。これが大成功し創刊間もないジャンプの人気漫画として当時としては異例の長期連載となった。

一方、タイトルにもなっている[[元主人公>主役/メインヒロイン降格]]のトイレット博士は元々影が薄かったのもあってほとんど出番がなくなり、やがて出番がないことそのものをネタにされるようになり、最終回には影も形もなかった。


・のぞみ♡ウィッチィズ(1986年~1996年、野部利雄)
当初は演劇漫画として始まったものの、「&bold(){演技力勝負}」という絵的に映えない路線から人気が出ず、4巻からなんと&bold(){ボクシング漫画}に転向。
約10年に渡り連載され単行本全48巻からなる人気作となり、OVA化も果たした。


・[[ケシカスくん]](2004年~、村瀬範行)
自我を持つ文具やその持ち主のドタバタを描いたギャグ漫画であり、2000年代からコロコロコミックの看板となっている作品。
連載初期は自我を持つお調子者な消しゴムのケシカスくんがボケ役として持ち主の人間であるボウズを振り回す話が多く、文具同士のおふざけな関係や下ネタや顔芸を売りとしており、ある意味コロコロのギャグ漫画のテンプレを抑えた作風だった。
ところが連載途中からツッコミ役だったボウズがボケ役も兼任するようになるキャラ変が起こり、主人公と相棒が互いにボケとツッコミを兼任するようになったため、この2人が何かしらの悪巧みをして周囲のキャラを振り回すパターンの話が激増。
やがて、初期の作風で見られた下ネタや顔芸などの要素は残しつつも「小学生の日常あるある」や「世間の話題をネタにしたブラックジョーク」を取り扱う日常系ギャグ漫画へと路線を変えた。
元々連載初期の時点で人気はあった漫画だったのだが、この路線変更以降は人気も一層増してアニメ化やグッズ化なども果たし、同じ連載雑誌の『[[絶体絶命でんぢゃらすじーさん]]』に続く長期連載作品としての立場を確立している。


・[[艦隊これくしょん -艦これ- 4コマコミック 吹雪、がんばります!]](2013年~2021年、桃井涼太)
艦これメディアミックス作品最古参の一角。
最初は「『艦娘の育成学校』である鎮守府を舞台に、新造艦である駆逐艦娘達が正式に着任するまでの訓練模様を描く」というオリジナル色の強い内容でスタートしたものの、
途中で進水式カッコカリが行われて駆逐艦娘達が正式に配備されて以降は、主にイベントの模様や新規実装されたキャラ及び改二の紹介などを中心とした内容にシフトした。
このためか初期には&s(){ゲーム版でもかなり曖昧だったためとはいえ}((いろんな解釈があったが、初期の時点で「敵側に巡洋艦扱いの重雷装艦がいるのは連合国の再現としては明らかにおかしい」として深海棲艦≠連合国海軍とする意見も結構あった))明言が避けられていた「戦勝国側艦艇」が、艦娘として実装された時に普通に登場するなど、実質的には&bold(){公式の広報4コマ}に近い側面も持っていた。

その後は一応舞台となる鎮守府こそ変わっていないものの、新造艦が来ても訓練は行われず、駆逐艦や駆逐艦の後輩枠にあたる海防艦であっても登場してすぐに配備される等、『艦娘の育成学校』という設定は完全に形骸化している。
(掲載サイトでのあらすじは最後まで「ほのぼのどたばたスクールライフ」だったが)
また、連載期間も当初は1年で終了する予定だったのが、路線変更に伴い延長され、全230話・8年弱の長期連載となった。


・バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ(2020年~、陸井栄史)
[[烈海王>烈海王(バキシリーズ)]]が死後に異世界ファンタジーの世界に転移するスピンオフ。
ちょうど当時連載中だった「[[八神庵]]の異世界無双」が好評だったこともあり、同じように濃い人気キャラである烈海王が異世界でどう活躍するのか期待する声も大きかった。

しかしいざふたを開けてみると烈が異世界モンスターらと戦う場面は殆ど描かれず((それどころか、転生者のドラゴンスレイヤーの老人が片手間にドラゴンを滅ぼしたなど、異世界らしさを崩壊させるような設定まで散見された))、あろうことか烈を差し置いて[[担当編集者と同名の狂言回し>冠茂(焼きたて!!ジャぱん)]]ナカムラ((余談だが烈が死んだときの担当と同じ人物で、原作者が異世界らしいイベントを考えてくるのを「そうやってやると刃牙にならない」と感じ先のことを考えないでやることを提案した張本人))ばかりが活躍し((前述のドラゴン関係以上に「スマホウ」というまんまスマホを流通させて現代社会に近づけさせ、国ではVIPとして扱われているといった扱いで、当然読者からは大不評だった))、烈は地球から転生した「世界を変えるような能力を持っていながらも志半ばで命を落とした」過去の偉人(通称「あがく者」)の一人で、それらが集合した[[どこかで聞いたような>終末のワルキューレ]]格闘大会で天草四郎と戦う((本作は「異世界で烈海王が培った中国拳法で暴れ回る」というコンセプトで始まったのに、「あがく者」には「ちいと能力(スキル)」が与えられているという根本から覆しかねない設定が追加されていた。この理屈なら、烈にも「ちいと能力(スキル)」が備わっている筈なのだが……?))、という烈海王でも異世界転生でもある必要がない&s(){[[魔界>魔界転生(石川版)]][[転生>魔界転生(OVA版)]]と間違えているのではないかと疑われる程の}展開が繰り広げられていた。

この展開は作画の陸井栄史も相当不本意だったようで((名義上は作画ではあるが元々本企画は大のバキシリーズファンである陸井氏発案の物である))、自身のブログに「闘技場はあかんて。もし1話かけてノリノリで偉人達の選手入場とかやるようなら僕はこの漫画に板垣先生っぽい神を降臨させて世界を火の海にするしかなくなってしまう(意訳)」と不満を述べるなど、内部分裂の様相を呈し、もはや連載そのものの続行を危ぶむ読者まで現れた。

……のだが、こうした数々の不満の声がきちんと編集部に届いたのか、2巻終盤においてナカムラも格闘大会もまるっきり投げ捨てて改めて烈海王がファンタジー世界で冒険(やりたいほうだい)する漫画として仕切り直しを図り、以降は読者からの評価も好転している。&s(){なので路線変更と言うよりは、本来の路線に軌道修正したと言うべきか……}

ちなみにこの元凶は前述した担当。あるインタビューで『原作が「異世界テンプレの中で活躍する烈海王」というプロットを持ってきたのを&b(){「そんなのは刃牙らしくないじゃないですか!」「考えて書いたら刃牙じゃないでしょう!」ということで没にした}』という、序盤の酷さの裏付けとなる発言をしていたことが判明した((実は陸井も上記のブログでは原作に対して批判しており、担当がこのようなことをしていることは知らなかった模様))。
なお、単行本ではドラゴンスレイヤーはドラゴンを滅ぼしていないことになっている、ナカムラは過剰に持ち上げられていない、とセリフを変えたことで内容がかなり修正されている。&s(){それでも酷いけど}

ただし、人気が安定している現在では「偉人トーナメントはあまりに時期尚早過ぎただけで、展開としてはさほど悪くはない」「それはそれとして烈海王VS偉人は見てみたい」「異世界モノとしてのノウハウを掴んだ今なら偉人トーナメントも面白くなりそう」「異世界ネタを一通り描き終わった後ならやってもいい」という冷静な意見もしばしば聞かれるようになっている。
作者側も丸っきり投げっぱなしにした訳ではなく、あがく者の設定と伏線も少しずつだが丁寧に回収されてきているので、今後の展開に期待したい所である。
&s(){ただしナカムラテメーはダメだ}


・[[はねバド!]](2013年~2019年、濱田浩輔) 
good!アフタヌーンで連載されていた、バドミントンを題材にした漫画作品。
元々作者は本作を「ゆるふわ系のスポ根作品」にするつもりだったのだが、担当から「アンケートで票が伸びていない。打ち切りの候補に挙がってしまっている。」と伝えられた事で、思い切った路線変更を決断。
単行本が3巻までと4巻以降とで作風が全く異なるのは、それが理由である。
その結果、本作は一転して大ヒットを記録し、6年間も続く程の長寿作品へと成長を遂げたのだが…問題なのがその路線変更の「内容」である。

&font(b,red){まさかスポーツ漫画で主人公が絶望の末に闇堕ちしてラスボス化する((原作とアニメで過程は異なるが、どちらも後に改心している))とか、主人公の母親が癌で死ぬ((アニメでは死亡せず、癌の発症自体が無かった事にされている。))とかいうパンチの効いた鬱展開が繰り広げられる事になるとは、誰が想像しただろうか…。}

それでもアニメ化もされるなど、「商業的には」成功した好例だと言える。
とは言え流石にそのままアニメ化したら倫理的にまずいと判断されてしまったのか、アニメ版は一部のキャラの設定が大幅に変更になるなど、最早全くの別物だと言える程のテコ入れがされてしまったのだが。
ちなみに作者はアニメには、ほとんど関わっていないとの事。


・[[行け!稲中卓球部]](1993年~1996年、古谷実) 
週刊ヤングマガジンに連載されていたギャグ漫画。
題名通り稲豊中学校の卓球部を舞台にし、当初は主人公の卓球部員・前野と、その相棒の井沢がお馬鹿な行動で部長の竹田を始めとした周囲を振り回すギャグ漫画だったが、個性豊かな登場人物が増加していったことや、特に女子マネージャーの岩下と神谷がレギュラーに定置して以降は、竹田と岩下、井沢と神谷がそれぞれ交際を始めたりと、元来のギャグ描写は残しつつも、普遍的な青春群像劇へとシフトしていった。
上記のケシカスくん同様、路線変更前もある程度の人気はあったが、路線変更によってさらなる人気を得た作品である。


・宇宙島のガルマくん([[機動戦士ガンダムさん]]内掲載作品)
まず前提にしたい話として、もともと『1st』の設定面にあまりこだわらない本作では「おおまかな筋のみ1stから流用する」とか「キャラの本当に基本的な設定だけ1stと一緒で、それ以外は全部新規」といった形でシリーズ作品や普通の連載作品を始める・『ガンダムさん』内の扱いのまま完結させることが結構あった(これに該当する作品だと『[[隊長のザクさん]]』((実はこれも「やんちゃで現代っ子な部隊員に振り回されるザク隊長の職場コメディ」→「ジオン側いち兵士が小隊長として見たジャブロー攻防戦、これを経て絶対的なエースに成長したザク隊長とRX-78-2の一騎打ちの2部構成の『ギャグじゃない』ガンダム漫画(長編としてはこれのラストに実質ワンシーンだけお人よしなザクさんのギャグに戻して完結)」→「司令に昇進してもやっぱり部下との世代差に戸惑ったり人の良さが裏目に出てしまったりするけど、部下からはなんだかんだ頼りにされているザクさんの職場ドタバタコメディ」と路線を複数回変更している))がwiki内に項目あり)。

そしてこの『ガルマくん』も元々はギレンが&s(){[[フリーデンの責任者のおじちゃん>ジャミル・ニート]]、の意味じゃない方の}ニートなだけでおおむね『サザエさん』とかあのあたりのフォロワー的な日常ギャグ作品であり、良くも悪くも普段の『ガンダムさん』なゆるいギャグ作品であった。
…が、なんと途中のエピソードでデギン父ちゃんのコネ((これ自体も、ダイクンが立ち上げた政党の票田確保として業界組合長の父ちゃんに依頼が来た…と、政治劇メインのガンダム漫画作品っぽい展開から入る。ただこの時期は「場を収めようとしてデギンがパーティのど真ん中で腹踊り」などまだいつものしょうもないギャグも多めだった))からギレン兄ちゃんとドズル兄ちゃんが[[おおむね本編同様のダイクン>ジオン・ズム・ダイクン]]と引き合わされた&s(){あとイセリナの一言が結果的にギレンを焚きつけることになった}ことで&bold(){空気感・雰囲気はそのままにギレンが政治家…というか独裁者を本気で目指し始め、あらすじの方針が大きく方針転換}。
ギレンの目論見通りデギンは政界に進出して発言力を増し、結果的にデギン一家の意向からダイクンは途中で殺され、欠員が出たのもあって身内人事でギレン・キシリア・ドズル((アニメシリーズに登場しないためか、サスロは本作では設定自体をオミットしてガルマを三男にしている))もコロニーの政界に…と、「絵柄がギャグ作品なだけで&bold(){内容はおふざけ皆無のザビ家エピソードゼロ}とそれに巻き込まれたことで環境の大きな変化に戸惑う一部の原典キャラ((例として現場労働者→デギン派幹部のドズル、近所の氷屋の店主さん→ザビ家お抱えの運転手のマ・クベ))」とシリアスな作品に変更。事実上『1st』や『ORIGIN』を大和田先生なりにフォローした短編漫画としてストーリーを完走した。
本作のラストは&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){本編キシリアが居眠りの中で過去を回想していたこと、そのため「史実ではあるけど、流れとしてのみは夢オチ」であることが明かされた直後、本来の『1st』通りにシャアが彼女を射殺。最期にキシリアが見たのは『ガルマくん』初期の権力や名声などなくても家族みんなで助け合って楽しく暮らしていたあの頃に戻った他のザビ家メンバー、そして彼らに呼ばれる中で自らもまた「楽しかった、そしてきょうだい仲良しだったあの頃」に戻った自分だった…}}という、ある意味では救いのないものであった。

同時期の『ガンダムさん』内掲載作品では「ガルマ&シャアのお笑い一直線」でシャアとガルマの決裂が描かれる(こちらは&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){結局TV局側の指示でコンビを解消したことが決め手になり、ガルマもシャアもお笑い芸人を辞めて軍人になる。そのシャアからの増援依頼を受けて北米戦線に向かうガルマが「久しぶりにネタ合わせもしようかな」とコンビ芸人時代を思い出すシーン(≒この後シャアが裏切ってガルマは死ぬ『本編』の展開に合流した)}}というラスト)、彗星ヒヨコシリーズでは&bold(){シャアのMIAやララァの戦死}が描かれる((それまでに無かったわけではなく、アッガイ谷を扱った回でもララァは本編同様の経緯で死んでいる))などギャグ→本編のシリアスさに合流のパターンは多く見られた。おそらくすべて大和田先生が最初からこういう路線変更を予定して描いていたらしく、批判を集めたものは皆無。
その反動なのか?『ガンダム創世(単行本では『ガンダムを作った男たち。』)』では一貫して当時の富野監督たちFG班の史実をなぞる分、ギャグや「お笑いシーンを入れるための脚色」も最後まで多めとあまり路線変更しておらず、ギャグを全部切ったと言えるのは安彦先生の入院、アニメ新世紀宣言の際の「人の心の光」をスタッフや参加者たちが体感するくだりくらい。
}


#openclose(show=失敗した例){
&sizex(5){&bold(){★失敗した例}}
・とどろけ!一番(1980年~1983年、のむらしんぼ)
コロコロコミック掲載の、今でもカルト漫画としてしばしば話題に上がる迷作。
当初は、登場人物が破天荒な[[必殺技]]を繰り出す、荒唐無稽((大概は問題の答えがわからず、「試験用紙に何が書いてあるか」は愚か、科目すらわからない事もある。))な中学受験を題材にした漫画だった。
しかし受験終了後も((この時も「出生届受付の過失が明らかになり、まだ小学校を卒業できない」という無理矢理極まりない手段で中学校への入学を中止させた。))連載は続き、「今までの受験はこのための特訓を兼ねていた」と、ボクシング漫画に路線変更。
作者によればテストの必殺技がネタ切れになってしまい、そのために同じく必殺技を使えるボクシング漫画に変えたらしい。
しかし結果人気が無くなり、[[打ち切り>打ち切り(漫画)]]となった。
ちなみに路線変更直後、読者からクレームの手紙と共に消しゴムのカスや鉛筆の削りカスを同封する嫌がらせ行為が多発した。
この辺の話は同作者の『コロコロ創刊伝説』でも触れられている。
一応補足しておくと上述のクレームなどが有名ではあるが、『コロコロ創刊伝説』で明かされた裏話によれば、路線変更後に人気が急降下したのは事実である一方で雑誌の連載陣の中で見ればむしろ本来は打ち切りにならない程度の人気は維持していた(中の下くらいの立場)ようだが、人気が落ちた後に停滞した状況で連載を続けることを良しとしない編集が打ち切りの判断を決め、作者の連載続行の希望は退けられたようだ。
なお、この漫画をなかった事にしたかったのかただ単に忘れられていたのかは不明だが、2009年に「STAND UP!」の連載が始まる時には「コロコロ初のボクシング漫画(じゃないかもしれないけど…)」と公式サイトに記載されていた。


・タカヤ(2005年~2006年、坂本裕次郎)
ラブコメ漫画(読み切り)→学園バトル漫画→異世界ファンタジー漫画と2度に渡る路線変更を行ったが、いずれも失敗に終わり打ち切りとなった。
「あててんのよ」の名言を生み出した読み切りが一番面白かったとの声もある。
特に「学園バトル→異世界ファンタジー」の流れは、あまりに唐突過ぎて(主に悪い意味で)話題となり、当時のジャンプで[[別のギャグ漫画でもネタにされるほど>太臓もて王サーガ]]であった。
路線ごとに異なるサブタイトルがついているあたり、もしかしたら人気取りの苦し紛れではなく最初からこの方針だったのかもしれない。


・密♥リターンズ!(1995年~1996年、八神健)
『幽☆遊☆白書』などの路線変更の成功にあやかったと思われる担当編集の強引な路線変更により、失敗してしまった作品。
当初は[[ファンタジー]]要素をふくんだ恋愛ドラマだったが、なぜかバトル漫画路線に入ってしまった。
作者自身はバトル化を拒んでいたのだが、結局バトル路線にされてしまい、7巻で終了してしまう。
ちなみに、本作の担当編集は直前に『[[とっても!ラッキーマン]]』を担当しており、同作もバトル方面への路線変更をして2匹目のどじょうを狙った可能性がある。
(なお、ラッキーマンはバトル路線化の前後で特に人気が変化したわけではない事は明記しておく)


・[[タイムウォーカー零]](1991年、飛鷹ゆうき)
[[過去改変]]を扱った作品から[[タイムトラベル]]しながらの同じくバトル化、打ち切りへのコース。詳しくは単独項目へ。


・[[武士沢レシーブ]](1999年、うすた京介)
ギャグ漫画だが、連載中盤頃から「ゼリー」と呼ばれる異形の生命体とのバトル要素が入るように。
編集部の意向ではなく、作者が当初から決めていた路線ではあったが、結局読者受けは悪く打ち切りに。

前作の「[[マサルさん>セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん]]」があまりにも人気過ぎ、&bold(){『うすた京介=シュールギャグ漫画家』という図式が読者の中で完成してしまっていた}事や、&bold(){主人公の武士沢のキャラがマサルとモロかぶりしてしまっていた}(なので余計に読者がその路線を期待してしまった)のも要因だろう。
が、その結果作者ですら「実力以上」と評したほどの漫画史に残る最終話が産まれたというのが何とも……。

なお、作者も自分が求められているものが何かを悟った&s(){悪く言えば諦めた}ようで、次作「ピューと吹く!ジャガー」はシュールギャグ路線に戻っている。


・ロックマンゼロ(2003年~2006年、舵真秀斗)
ストーリーの根幹を揺るがす設定無視やオリジナル設定が多いが、何と&bold(){ギャグ漫画への路線変更をやらかしてしまった。}
本人曰く「編集部と共にギャグの方針にした」。
バトル漫画化した作品は数あれど、バトル漫画からギャグ漫画に路線変更をしたものは他に類を見ない。
当然、ただでさえ悪い評判はガタ落ちになり、公式で黒歴史化した&footnote(2008年に発売された『R20 ロックマン&ロックマンXコンプリートワークス』のカバー裏には、ロックマンシリーズの漫画版を手掛けた作者も含めたロックマン関係者からの祝いの色紙が掲載されている。その中にはコロコロコミックで「ロックマンエグゼ」の漫画を描いた作者や、ロックマンゼロの漫画よりも後に連載された「ロックマンゼクス」の漫画を描いた作者の色紙も掲載されている。にも関わらず、ロックマンゼロの作者である舵真秀斗氏の色紙は掲載されていなかった)((また舵真氏は2番目のステージをクリアできず自身のHPの掲示板で「パターンを覚えなくちゃいけないゲームは面倒臭くて、楽しむというよりストレスが溜まる」と不貞腐れたり、原作ファンを露骨に蔑ろにする発言を繰り返して掲示板を炎上させたり、自身で考えた「ゼロはヘルメットが外れると弱体化する」という脳内設定を公式化するよう要請する(「たのみこむ」に発案までしていた)といった問題行為を繰り返しており、路線変更関係なく元々カプコンから嫌われていた模様))ようである。


-ウズマジン(2007年~2008年、おおせよしお)
トレーディングカードゲーム『ウズマジン』のタイアップ漫画。
当初は原作TCGのキャラクターを用いた現代世界でのバトル漫画だったのだが、連載途中から唐突にストーリーに超展開が発生し、原作の背景ストーリーをベースにした異世界バトル漫画に移行する。
路線変更後も最終的に一応ストーリーは大団円っぽい雰囲気で終了となったが、明らかに打ち切り的な終わり方で伏線も回収されないままとなった。
&bold(){漫画だけではなく原作TCGすらも売上不振によって唐突な打ち切りで終了}しており、漫画の路線変更も原作の苦しい状況が影響した部分もあると見られる。
一応、単行本最終巻における後日談の描き下ろしによって路線変更前のストーリーに関しては多少のフォローは行われている。


・電脳遊戯クラブ(2009年~2011年、小笠原真)
当初はゲーム制作を題材にしたギャグ漫画であり、下ネタ中心のギャグをやりつつも電脳遊戯クラブに所属する主人公たちのゲームに対する想いなどを描きながら部員集めをするなど、一応は部活モノの体をなした漫画ではあったのだが、「一応は完成したしこれでいいか…」というノリで1度だけ体験版紛いなゲームを作って以降ゲーム制作をやらなくなり、週ごとに適当なサブキャラを出しては&s(){古臭い}コントを繰り広げる完全なギャグマンガと化す。
毎週使い捨てのごとく現れる新サブキャラたちによるお下劣なギャグはお世辞にも万人受けするものとはいえず、その頃には掲載順位もほぼ巻末が固定。
しかしただ一人妙に濃い顔と[[真面目>まじめ(真面目)]]なもっともらしいノリで素っ頓狂なことを言いだす「師匠」だけは比較的受けがよく、作者も描きやすかったのか、元々の電脳遊戯クラブメンバーそっちのけで彼の出番が多くなる。
……そこまでならまだよかったのだが、何と&bold(){主人公を含めた師匠以外のキャラを全てリストラして師匠が中学生の悩みを解決する}
&bold(){『喝!!ワシが師匠ぜよ!!』になりそのまま続行してしまった。}
挙句「これまで連載されてた電脳遊戯クラブという漫画は忘れてください(意訳)」という注釈まで入れるほど。
当然こんな暴挙の結果多くの読者に反発され…というより「ゲーム制作の部活モノ」→「下ネタを多用したギャグマンガ」→「師匠」のテコ入れの連発具合を見るに、なるべくして打ち切りとなった。
前述の通りタイトルを変えて「忘れてください」とまで言っていたものの、最終巻は電脳遊戯クラブ名義で出されており、師匠パートは大部分が未収録である。


・虹を呼ぶ男(1987年~1989年、水島新司)
上記の『ドカベン』の路線変更を成功させた水島新司の別の野球漫画。
こちらは最初からお得意の野球漫画であり、主人公・七夕竹之丞の破天荒な活躍とデビューしたての長嶋一茂とのライバル関係が主軸だった。
しかし残念ながら一茂は大成せず、漫画の人気も伸び悩んだためオフシーズンの相撲挑戦から相撲漫画になるも結局打ち切り。
竹之丞自身は『ドカベン ドリームトーナメント』編で久々に姿を見せていた。


・[[健全ロボ ダイミダラー]](2008年~2016年、なかま亜咲)
[[掲載誌移動>移籍連載]]に際して『健全ロボ ダイミダラーOGS』とタイトルを改めて連載再スタートをしたのだが、
それまでのギャグとお色気要素が詰め込まれた[[ロボット]]ものコメディという作風を放棄し、
何を血迷ったか&bold(){異形の存在に惨殺される民間人}等といったゴア描写を露骨に取り入れるという暴挙を敢行。
当然ながら読者からは大不評で、程無くして再度元のコメディ路線に戻す事となり、作者も単行本後書きで失敗を認めるほどであった。
総じて作品の方向性を見失ってしまったが故に迷走した、路線変更の失敗例の典型と言える。

ちなみに2014年放送のアニメ版は方向性を見誤った原作と異なり当初の作風を貫いており、相対的に視聴者からの評価が上がる事となった。

}


#openclose(show=微妙なライン){
&sizex(5){&bold(){・微妙なライン}}

・[[秘密戦隊ゴレンジャー]](少年サンデー)→秘密戦隊ゴレンジャーごっこ(1975年~1976年、石ノ森章太郎)
厳密には別作品ということになるが、前者はシリアスなスパイアクション漫画として始まったが、
[[TV版のギャグ要素が強まる>ゴレンジャーハリケーン]]につれギャップが広がり、[[黒十字軍の将軍]]を一人倒したところで、
何と&bold(){TV番組のゴレンジャーをまねる子供たちの町内を舞台にした、お色気ギャグ漫画が始まった。}

&size(20){※この漫画の作者はゴレンジャーの基本設定を考えた石ノ森先生です。}

また、町内系ギャグマンガになったついでになんと『[[がんばれ!!ロボコン]]』(昭和ロボコン)と世界観を共有し、ロボコンが準レギュラーとして登場。
ファンサービスなのか先生がどっかで語っておきたかったのか、&bold(){「ロボコン本人が語る登場人物たちのその後」}というワンシーンも存在する。

良くも悪くも?石ノ森先生の作風の広さがうかがえる一作となっている。


・[[大空魔竜ガイキング(松本めぐむ版)>大空魔竜ガイキング(松本めぐむ版)]](1976年、松本めぐむ(現:尾瀬あきら))
「テレビランド」誌で連載された『大空魔竜ガイキング』の漫画版。
連載中版までは同作者の『[[鋼鉄ジーグ>鋼鉄ジーグ(松本めぐむ版)]]』から引き継いだかのようなハード一直線の人間ドラマが展開されていたが、
終盤戦を前に突然&bold(){コミカル方面}に舵を取り、それまでの展開が嘘のような子供向けの内容になった。
とはいえ、路線変更後もこれはこれで一応見どころはあるとの声はあるため、読者からはやや[[賛否両論]]気味。


・海人ゴンズイ(1984年、ジョージ秋山)
巨匠・ジョージ秋山の漫画作品で、信じられない事だが&bold(){週刊少年ジャンプ連載作品}。
内容は……一言で評するのならば、一にも二にも「ジョージ秋山の漫画」。それ以上に評するのはほぼ不可能と言っていいだろう。
序盤は[[日本>日本国]]の流刑島に漂着した黒人[[奴隷]]の子供・ゴンズイが、陰湿な島の番人や人食い魚を相手に&font(l){地味な}死闘を繰り広げるという展開だったが、
とてもジャンプの読者に受けが良かったとは言えず、連載中途で&bold(){大人キャラほぼ全員リストラ、ゴンズイを始めとする子供達だけがレギュラーの漫画}になり、
ダーク寄りだった内容も、多少サバイバル漫画チックな方向性に路線転換する事となった。
……結局、絵面的に地味かつ、ジャンプの紙面からかけ離れた内容だったことには変わりなく、打ち切られてしまったが。
ぶっちゃけ路線変更云々以前に、&bold(){掲載誌を間違えていた}としか言いようがない作品。%%ガロに載っててもおかしくないレベル%%
最後に余談だが、本作と入れ替わりで終わったのがかの『[[Dr.スランプ>Dr.スランプ(Dr.SLUMP)]]』で、本作と入れ替わりで始まったのがかの『[[ドラゴンボール>ドラゴンボール(DRAGON BALL)]]』である。%%ジャンプの光と陰……?%%


・スーパーくいしん坊(1982年~1987年、ビッグ錠×牛次郎)
月刊少年マガジン誌で連載された、『包丁人味平』コンビによる料理漫画。
連載初期から中盤辺りまでは、主人公の鍋島香介が市井を舞台にした料理対決などで、
&bold(){どう考えても現実的でない奇抜かつ破天荒なギミック}を用いた料理法で周囲を圧倒するという内容だったが、
中盤で牛次郎氏が原作から外れてビッグ錠氏単体の作品になってからは、相手の料理を分析して自己流のアイデアを加えて対抗するという
どちらかといえば普通の料理漫画へと転換し、内容も人情物に近い雰囲気の作劇も描かれるようになった。

一時期ネット上でネタにされる傾向にあったのは牛次郎氏が原作を務めてた連載初期の作風である。
ちなみにネットで最も有名であろうネタ「&bold(){出来らぁっ!}」は7巻のエピソードなので、ビッグ錠氏が考えたということになる。


・マジックピータン(1998年、にしみやおさむ)
北海道新聞の日曜版で連載。
初期は異世界から現れた魔法使いピータンと街の少年少女が織り成す『[[ドラえもん>ドラえもん(作品)]]』を彷彿とさせる日常モノだったが、
早い段階で&bold(){異形の魔物たちの潜む異世界で仲間たちと共に戦う}というファンタジー戦記に路線変更。
にしみや先生は植田まさし系統のほのぼのとしたタッチの漫画家なのだが、そのキャラデザインでシリアス展開が繰り広げられ、
中には&bold(){敵に捕らえられた少年の身体が次第に魔物化してゆく}など相当ハードなものも。
話の出来自体は存外良かったものの、新聞連載ということもあってか単行本化はされていない。


・お江戸忍法帖(1995年~1999年、たがみよしひさ)
江戸時代を舞台に三流忍者の集まり・日雇忍群おたすけ組の活躍(?)を描いた忍者コメディ。
最初期は毎回何かしらの依頼を受けて忍務に赴くも、なんやかんやあって失敗してブラックなオチがつくという内容だったが、
徐々に戦闘の比重が増えていき、初の長編エピソードである万華教編で本格的にバトル路線に突入、
最終的に&bold(){妖術あり、巨大ロボットあり、改造人間あり、その他何でもあり}な%%奇天烈%%個性豊かな敵達との戦いを描くバトル漫画と化した。
また、バトルの内容も当初は完全に結果オーライだったり敵がうっかり自滅したりとまだギャグ寄りだったが、話が進むにつれてどんどんガチの殺し合いと化している。


・[[最強伝説 黒沢]](2003年~2006年、福本伸行)
ビッグコミックスオリジナル連載の福本伸行の漫画。
前半は底辺男を取り巻く哀愁と人情を中心にしたコメディ作品だったが、中盤以降は不良との喧嘩に焦点を当てたバトル路線にシフトして行った。
…と見せかけて、続編開始の際に&bold(){実は最初からバトル物のつもりで始めたが、肝心の喧嘩がなかなか始まらなかった}という裏話が明かされた。
つまり本作の路線変更の経緯は&bold(){コメディ→バトル}ではなく&bold(){バトル→コメディ→バトル}であり、一時期コメディ方面に&font(l){脱線}路線変更していたのを元の路線に戻したというのが正確らしい。
実際タイトル(『最強伝説』)や初期の煽りにバトル物を想定していた頃の片鱗が見られる。


-[[神緒ゆいは髪を結い]](2019年、椎橋寛)
週刊少年ジャンプで連載されていた漫画。作者の代表作である『[[ぬらりひょんの孫]]』のキャラクターが登場するなどの繋がりが見られる。
連載当初は二重人格の美少女が繰り広げる日常コメディだったが、掲載順が低迷するとご当地の美少女スケバン達と戦うホラー要素ありの&s(){ギャグ}バトル漫画に一気に路線が切り替わった。
大規模な路線変更だったことから困惑の声も含めて話題を呼んだが、結局掲載順が浮上することはなく打ち切りに終わった。
ただし、路線変更後の内容や「静岡県死のヴァイオリンスケバン」「奈良県怪光線お釈迦スケバン」などの個性的なスケバンは評価する声も出ており、路線変更が逆に悪い方向に作用したというパターンでもない。
余談だが、本作の路線変更は打ち切りの危機によるテコ入れと認識されているが、一応タイトルの別案などから察するに、路線変更は初期の時点で選択肢としては用意されていたとは思われる。


-[[『JINKI』シリーズ]](1999年~、[[綱島志朗]])
幾多の雑誌を渡り歩きながら続いている流浪のロボ漫画。
月刊ガンガンWINGにて連載された一作目は女の子が乗る美少女モノでありながら、リアル系じみたメカニックなどなかなかに泥臭い戦闘描写で評価されながらも、エニックスお家騒動の影響により一旦中断((なお、後に作者が出した同人誌にて前作『ライフエラーズ』よりも売れていなかったことを語っている。))。
月刊コミックブレイドへ移籍し『ジンキ・エクステンド』へと仕切り直した際は美少女路線を強く推し出した作風へシフト。
可愛い女の子たちが人気を博すも初期の路線を好むファンも多く賛否両論といったところであった。

その後、編集部と喧嘩別れをし電撃大王にて一作目の完結編に当たる『JINKI -真説-』を連載。
&bold(){完全版コミックスにて主人公(&color(red){13歳少女})の[[行為>セックス]]を加筆した事で話題を呼んだ。}
その後、月刊ドラゴンエイジにて『ジンキ・エクステンド リレイション』を連載。能力バトルといった作風にシフトし、暴力描写も激しくなった。
そして月刊チャンピオンREDにて『人狼機ウィンヴルガ』を、後にヤングチャンピオン烈へと移籍して『人狼機ウィンヴルガ 叛逆編』を連載。
&bold(){完全にエログロ路線へとシフト}し、古参読者たちは付いてこれず離れた者が多い。
その一方でTwitterなどでは&s(){主に[[その手の趣味>リョナ]]を持つ}新規読者たちを獲得。
現在に至るまで連載雑誌と作風が大きく変わり移籍を重ねるにつれてエログロ描写が過激になっていきながらも迫力のあるロボットバトル描写は高クオリティを保ち続けているなど、&font(l){ストーリーはともかく}メカ描写に関しては一貫した評価となっている。
&s(){ただし「ロボ要素がノイズになってる」「純粋なエロ漫画描いてくれ」という本末転倒な意見も見られたりも}

-[[星のカービィ デデデでプププなものがたり]](1994年~2010年、2018年~[[ひかわ博一]])
コロコロコミックで連載されていた[[星のカービィ]]のコミカライズ漫画。
当初は[[星のカービィ 夢の泉の物語]]の内容にちなんだストーリーであり、カービィとオリジナルキャラの「チービィ」が、夢の泉からスターロッドを盗んだデデデ大王とポピーからスターロッドを取り返すために冒険の旅に出るいう内容で、デデデが用意したダンジョンやイベントを攻略していくというストーリーものだったが、2巻の途中からデデデが「&bold(){プププランドを水戸黄門の世界に変える}」という理由からスターロッドをあっさり夢の泉に返したため、それ以降は1話完結のギャグ漫画となった。
とは言えこの路線変更後も人気は全く衰えることは無く「カービィ漫画と言えばコレ」と言われるほどの人気作に成長したのだが……
詳しくは当該項目を参照。

}

追記・修正は路線変更の瞬間を目の当たりにした人がお願いします。

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