路線変更(連載漫画)

登録日:2012/09/02 Sun 11:01:46
更新日:2025/07/24 Thu 09:23:23
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特撮についてはこちら→路線変更(特撮)



路線変更(連載漫画)とは、連載中の漫画のジャンルや題材にしている物が突然ガラリと変わるという大きな出来事である。


【概要】

例えば、


高校生の少年が活躍する野球漫画

大学生の青年の恋愛コメディ漫画

といった変化が該当する。
なお、「十二支ホームコメディ」として始まりながらその十二支の背景設定が明らかになるにつれてシリアスなファンタジー漫画になっていった『フルーツバスケット』は、路線変更というわけではなくそもそも「ホームコメディ」自体が作者の構想を無視してつけられたアオリ。作者は単行本1巻の時点で「私は特にコメディと思って描いてないです」と述べており、終盤の展開の伏線も序盤のうちから描いている。



ギャグテイストな冒険漫画

シリアステイストな冒険漫画

のようにジャンルはそのままでシナリオの雰囲気が変化した物も路線変更と言われる事があるが、これらは厳密な意味での路線変更ではない。
ジャンルを変更せずとも長く続いていれば作品の雰囲気も多少変化していくものであり、こういったものも含めてしまうとキリがなくなる。
例えば『Dr.スランプ』や『天才バカボン』は、どちらも表題にある主人公の影がどんどん薄くなっていき、脇役が主人公の座に昇格しているが、こういった事例は含まない。

路線変更が施される主な理由として、
  • 不人気返上の為
  • ネタ切れ・マンネリ化
  • 編集部の申し立て(所謂大人の事情
  • 作中の時間の流れ
  • 読者からの要望
  • 作者の好み
  • 作者の志向の変化
  • とあるエピソードの予期せぬ大反響
等が挙げられる。
こうする事により、新しいファンの増加、マンネリ化の防止、連載期間中のターニングポイントとして話題になる事がある。

しかしながら路線変更のリスクも当然大きく、以前のエピソードが黒歴史と化して話に矛盾が生じてしまったり、キャラクターに死に設定が出来たり、キャラクター自体の入れ替えが発生したりしてしまう。
そして何よりも「前の方がよかったのに…………(`3´)」と以前のファンに一気に失望されることもザラにある。
従って路線変更は一か八かのギャンブルであり、成功すれば人気作になり、失敗すれば黒歴史になってしまう。

ちなみに路線変更後にヒットした長寿作品は大体話の纏まりがあやふやになっていく為か「いい加減に終われ!」と言われる事も多い。
同じく路線変更した『ドラゴンボール』のように作者は終わらせたいけど、諸般の事情で社会が許さなかったために長期化されたものも。

ジャンプ作品は雑誌全体のテーマが「友情・努力・勝利」であるためか、はたまた成功例が多い為か、
ギャグからバトルへ路線変更(テコ入れ)される事が多く、それ自体がギャグ漫画でネタにされるケースもしばしば。


【路線変更を遂げた作品】

☆成功した例


☆失敗した例



☆微妙なライン




追記・修正は路線変更の瞬間を目の当たりにした人がお願いします。

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最終更新:2025年07月24日 09:23

*1 設定としては残っており、第一回超人オリンピック編でカナディアンマンが巨大化している。巨大化しなくなった理由は「周りに迷惑になるから」との事。

*2 「はい キン肉マン浮きます」のシーンから、少なくとも王位争奪トーナメントの頃までは「飛べる」設定は残っていたとする解釈はある。……と思ってたら、2011年から開始された『完璧超人始祖編』以降では超人たちが普通に飛んで移動する場面が描かれており、少なくとも現在は初期の設定を無かったことにはしていないようだ。

*3 ゆで先生お2人が明言したわけではないが、無印原作(新章含む)・無印アニメ・Ⅱ世原作(究極タッグ編含む)・Ⅱ世アニメでそれぞれパラレルとするのが一般的な解釈。一説には究極タッグ編のタイムトラベルで未来が分岐したとも

*4 ジャンプ誌面では一話ごとのページ数は「ストーリー漫画>ギャグ漫画」という方針を採っており、これは路線変更を行っても変えられる事は無い。ちなみに単行本のページ数は両者共に一定の事が多いため、「ギャグ漫画スタートのバトル漫画」は他のバトル漫画に比べ連載期間比の巻数が少ない傾向にある。

*5 マンガショップから刊行された単行本では連載第1回の次のエピソードとして挿入されているため作風の違和感は少ない。逆に言えば連載第2回から一気に作風がギャグに寄ってしまったという事でもあるが。

*6 それでもさすがに「しんのすけが前戯をプロレスごっこだと勘違いする」などぼかされてはいるが

*7 いろんな解釈があったが、初期の時点で「敵側に巡洋艦扱いの重雷装艦がいるのは連合国の再現としては明らかにおかしい」として深海棲艦≠連合国海軍とする意見も結構あった

*8 それどころか、転生者のドラゴンスレイヤーの老人が片手間にドラゴンを滅ぼしたなど、異世界らしさを崩壊させるような設定まで散見された

*9 余談だが烈が死んだときの担当と同じ人物で、原作者が異世界らしいイベントを考えてくるのを「そうやってやると刃牙にならない」と感じ先のことを考えないでやることを提案した張本人

*10 前述のドラゴン関係以上に「スマホウ」というまんまスマホを流通させて現代社会に近づけさせ、国ではVIPとして扱われているといった扱いで、当然読者からは大不評だった

*11 本作は「異世界で烈海王が培った中国拳法で暴れ回る」というコンセプトで始まったのに、「あがく者」には「ちいと能力(スキル)」が与えられているという根本から覆しかねない設定が追加されていた。この理屈なら、烈にも「ちいと能力(スキル)」が備わっている筈なのだが……?

*12 名義上は作画ではあるが元々本企画は大のバキシリーズファンである陸井氏発案の物である

*13 実は陸井も上記のブログでは原作に対して批判しており、担当がこのようなことをしていることは知らなかった模様

*14 原作とアニメで過程は異なるが、どちらも後に改心している

*15 アニメでは死亡せず、癌の発症自体が無かった事にされている。

*16 実はこれも「やんちゃで現代っ子な部隊員に振り回されるザク隊長の職場コメディ」→「ジオン側いち兵士が小隊長として見たジャブロー攻防戦、これを経て絶対的なエースに成長したザク隊長とRX-78-2の一騎打ちの2部構成の『ギャグじゃない』ガンダム漫画(長編としてはこれのラストに実質ワンシーンだけお人よしなザクさんのギャグに戻して完結)」→「司令に昇進してもやっぱり部下との世代差に戸惑ったり人の良さが裏目に出てしまったりするけど、部下からはなんだかんだ頼りにされているザクさんの職場ドタバタコメディ」と路線を複数回変更している

*17 これ自体も、ダイクンが立ち上げた政党の票田確保として業界組合長の父ちゃんに依頼が来た…と、政治劇メインのガンダム漫画作品っぽい展開から入る。ただこの時期は「場を収めようとしてデギンがパーティのど真ん中で腹踊り」などまだいつものしょうもないギャグも多めだった

*18 アニメシリーズに登場しないためか、サスロは本作では設定自体をオミットしてガルマを三男にしている

*19 例として現場労働者→デギン派幹部のドズル、近所の氷屋の店主さん→ザビ家お抱えの運転手のマ・クベ

*20 それまでに無かったわけではなく、アッガイ谷を扱った回でもララァは本編同様の経緯で死んでいる

*21 大概は問題の答えがわからず、「試験用紙に何が書いてあるか」は愚か、科目すらわからない事もある。

*22 この時も「出生届受付の過失が明らかになり、まだ小学校を卒業できない」という無理矢理極まりない手段で中学校への入学を中止させた。

*23 おとなりさんパニック!→閃武学園激闘伝→夜明けの炎刃王。

*24 2008年に発売された『R20 ロックマン&ロックマンXコンプリートワークス』のカバー裏には、ロックマンシリーズの漫画版を手掛けた作者も含めたロックマン関係者からの祝いの色紙が掲載されている。その中にはコロコロコミックで「ロックマンエグゼ」の漫画を描いた作者や、ロックマンゼロの漫画よりも後に連載された「ロックマンゼクス」の漫画を描いた作者の色紙も掲載されている。にも関わらず、ロックマンゼロの作者である舵真秀斗氏の色紙は掲載されていなかった

*25 また舵真氏は2番目のステージをクリアできず自身のHPの掲示板で「パターンを覚えなくちゃいけないゲームは面倒臭くて、楽しむというよりストレスが溜まる」と不貞腐れたり、原作ファンを露骨に蔑ろにする発言を繰り返して掲示板を炎上させたり、自身で考えた「ゼロはヘルメットが外れると弱体化する」という脳内設定を公式化するよう要請する(「たのみこむ」に発案までしていた)といった問題行為を繰り返しており、路線変更関係なく元々カプコンから嫌われていた模様

*26 なお、後に作者が出した同人誌にて前作『ライフエラーズ』よりも売れていなかったことを語っている。