SCP-001-JP > 或る西瓜の提言

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SCP-001-JP/或る西瓜の提言 - (2025/05/29 (木) 13:25:39) のソース

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//        警告: 頁源構成記号配列を閲覧することは許可されていません!
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//                  [アクセス拒否]
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&font(#6495ED){登録日}:2022/06/18 Sat 00:00:02
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 81 分で読めます

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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){
&font(b,240%,red){警告}

&bold(){アクセスが確認されました。当文書の閲覧は、SCP-001-JP特別収容プロトコル及び多財団連盟協定第二章七条において、&color(Red){レベル6/001-JPクリアランス}を保有する職員に制限されています。もし貴方が誤ってこの文書を発見、もしくは前述の条件なしにアクセスしたのならば、ウインドウを即座に閉じてください。未認可でのアクセスは貴方が所属する多元宇宙内部の法、倫理、道徳、&color(#112266){物理法則}、財団規則によらず、多財団連盟記録情報保安管理部門が規定する処罰方針に基づき罰せられます。}


&bold(){・・・}
&bold(){・・・}
&bold(){・・・}

&bold(){[記録を展開します…]}
}



&bold(){SCP-001-JP 或る西瓜の提言}とは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。また、[[SCP-001-JP]]に関する提言枠の1つとなっている。
もし「001提言」って何?という方は[[SCP-001]]の項目を参照いただきたい。

項目名は「&font(b,red){焚書坑儒計画}」。

通常の[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]の代わりに[[アノマリー分類システム>アノマリー分類システム(SCP Foundation)]]が導入されており、
&bold(){収容クラス}はEsotericなので副次クラスが割り当てられており、そちらは&font(b,blue,yellow){Thaumiel}
&bold(){攪乱クラス}は&color(blue){2/Vlam}
&bold(){リスククラス}は&color(orange){3/Warning}となっている。

要するに、「異常性の影響範囲は狭いが少し危険で、&bold(){財団が利用している}オブジェクト」ということ。

ちなみに機密レベルは先ほど少し出てきたが、&font(b,red){6/Cosmic Top-Secret}((北大西洋条約機構(NATO)でも用いられている歴としたセキュリティクリアランスである。))。つまり最高機密だ。


#openclose(show=●目次(ネタバレ注意!)){
#contents()
}


*本題……の前に
実をいうと、このオブジェクトには&bold(){いろいろな別オブジェクトとの関係}がある。関係が緩いものは登場したときにその都度説明するが、特に[[現実改変>現実改変(SCP Foundation)]]の話はかなり重要になってくる。もし現実改変を知らなかったり、うろ覚えだったりした場合は復習しておこう。
また、このオブジェクトは、財団内部部門である&bold(){空想科学部門}に関わってくるオブジェクトだ。もし、これを読んでいる皆さんが空想科学部門になじみがない場合は(少し大変だが)[[SCP-3812]]や[[SCP-CN-1109]]、[[SCP-2995-JP>SCP-2995-JP/sanks269=solvexの提言]]、[[SCP-3309]]といった空想科学部門のオブジェクトを先に読んでおくと理解が深まるかと思う。

ちなみに、ここに記事を立てて言うのもおかしいが、このオブジェクトの報告書は非常に凝ったつくりとなっており、流石にすべてはアニヲタwikiでは再現できないので、是非とも1度は本家記事を見ていくことを推奨する。


&aname(Special Containment  Procedures,option=nolink){ }
*特別収容プロトコル
まずはここから。Thaumielというだけあって特別収容プロトコルはかなり長め。
ただしこの特別収容プロトコルだが、同じような内容が後で出てくるので詳しい解説はその時に行う。今は適当に読み飛ばしていけばOKだ。

とりあえず箇条書きでまとめると

・SCP-001-JPは&bold(){多財団連盟協定}に属する財団によって管理されるよ。
・SCP-001-JP&font(u){報告書}を内包する&bold(){宇宙}は&font(b,red){SCP-001-JP-M}に指定されるよ。
・SCP-001-JP-Mには不要な存在が入らないように、&bold(){虚数現実次元的宇宙遮断壁}を使って、宇宙の座標を通常数理学では算出できないような値にするよ。
・SCP-001-JP-Mに接近する存在がいたり、侵入する存在が現れたら&font(b,red){ κύων級終末論的攻撃}や&font(b,Red){超越死生学的絶対終了弾頭}によって殺すよ。
・SCP-001-JP-Mは「&bold(){タイプU/"相互作用遮断"式宇宙}」として設計されるよ。

・この報告書の閲覧は、厳しい審査をクリアして6/001-JPクリアランスを手に入れた人にしか許可されないよ。
・SCP-001-JP-Mの管理は、6/001-JPを持つ人工知能職員によって行われるよ。
・SCP-001-JPの頁源構成記号配列は、その不必要性からいかなるアクセスも禁止されるよ。

なんだか「κύων級終末論的攻撃」だの「超越死生学的絶対終了弾頭」だの物騒な単語が出てきているが、これについての説明も後にあるから安心してほしい。
とりあえず、財団は&font(b,Red){SCP-001-JP-Mという宇宙を物凄く守りたい}んだな、ということが分かれば良い。頁源構成記号配列はとりあえず無視でOK。

さて、問題なのはこの次の2行。

・SCP-001-JP-M内部には、常にタイプΣ型&font(b,red){S.W.A.N.N.エンジン}を置いておくよ。メンテナンスは人工知能職員がやるよ。
・改良型&font(b,red){“シャイニング・ワン”受動性探針}によるデータを元に人工知能職員がS.W.A.N.N.エンジンを起動、対象をSCP-001-JP-Mへと誘引するよ。


この赤字にした部分は、それぞれ&bold(){SCP-5500}と&bold(){[[SCP-CN-1109]]}という、空想科学部門のオブジェクトに深く関連している。

まずS.W.A.N.N.エンジンとはSCP-5500に登場する機械で、&bold(){下位物語層の住人の魂を上位物語層に送る}ことができる。すなわちこれを使えば第四の壁を無理やり突破できるのだ。
そして”シャイニング・ワン”受動性探針とはSCP-CN-1109構成要素の1つであり、&bold(){上位物語層の住人を検知}する機能を持っている。


あと、特別収容プロトコルの最初にできた&font(b,red){多財団連盟協定}だが、これは先に言っておくと&bold(){全ての&color(red){並行世界の財団}が集まってできた連盟}である。ちなみに所属している財団の数は驚異の&bold(){1109625423個}。これだけの財団を集めた連盟もすごいが、そもそもこれだけ並行世界があるというのにも驚きだ。


*概要
特別収容プロトコルがかなり長くなってしまったが、いよいよ概要に移る。
しかし、報告書の「説明」部分を見てみても、書いてあるのはこのたった1文のみ。

>SCP-001-JPは&bold(){以下の物語です}。

なんと、&bold(){SCP-001-JPとは とある物語のこと}なのだという。
そして「以下の」物語と言うのであれば、SCP-001-JPとなる物語が下の方にあるはずだ。

そういうわけで実際に画面を下にずっとスクロールしていくと、説明部分の下に、&bold(){目がチカチカするような意味深な画像}とともに&bold(){別ページへのリンク}が張ってある。
そこから&bold(){とある文章}を見ることが出来る。

そういうわけで、ここからはそのリンク先の内容をともに見ていこう。


#center(){&font(b,165%){&link_anchor(scp-001-jp){リンクをたどる}}}
































&aname(scp-001-jp,option=nolink){ }
-----

&aname(画像1,option=nolink){ }
#center(){
&blankimg(画像1-黒.png,width=250,height=250)


&font(b,43px,#112266){焚書坑儒計画}

&sizex(6){物語は単なる文字の羅列へと還る}
}



>#center(){&font(b,20px){多財団連盟記録情報保安管理部門より通達}}
>
>以下の文書は1109625423個の並行宇宙における、多財団連盟協定に加盟している全ての財団の協力により作成されました。
>また、当文書にはあなたが初めて知ると思われる情報が多数記述されていますが、&bold(){最後まで、全ての文に目を通して内容を理解していただくよう、お願い申し上げます。}


#center(){
&bold(){改良型“シャイニング・ワン”受動性探針に上位現実次元実体と見られる反応が検知されました。}
&bold(){user unknown_guest がSCP-001-JP報告書にアクセスしました。}
&bold(){タイプΣ型S.W.A.N.N.エンジン起動、誘引に成功しました。}
&bold(){超常スーパーコンピューター "極"に接続完了}

●
●
●

&bold(){ようこそ user unknown_guest 様}
&bold(){記録を展開しています……}
}



&aname(画像2,option=nolink){ }
&image(2.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=君はこれを読めているか?この文章に気付いているか?)
#center(){&font(b,95%){インストール中……1/8}}

*焚書坑儒計画: 概要
ここでは、メタタイトルにもなっている&bold(){焚書坑儒計画}の概要を説明する。

焚書坑儒計画とは、今財団を大きく脅かしている&font(b,Red){物語漏出災害}という現象を防止するための計画である。これは、さきほど説明した多財団連盟協定に属している&bold(){全ての財団}のもとで実行されている。


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#center(){ここまでの「&color(red){焚書坑儒計画の概要}」については理解できただろうか。}
#center(){理解できたのであれば次に進み、理解できなかったのであれば読み返してきていただきたい。}
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&aname(画像3,option=nolink){ }
&image(3.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=逃げることはできそうか?もしそうならすぐに逃げるんだ。)

#center(){&font(b,95%){インストール中……2/8}}


*焚書坑儒計画: 理論
突然だが、ここからはあなた方には&font(b,red){カルツァ-クライン現実子理論}というものを学んでいただく。
というのも、焚書坑儒計画をする理由である物語漏出災害は、この「カルツァ-クライン現実子理論」を理解しないと説明できないからだ。

本家記事には、多財団連盟協定に属している財団のうち、「財団-H2637463」と呼ばれる財団が&font(b,Red){非専門家向けに}作成した、カルツァ-クライン現実子理論についての説明が載っている。
ちなみにその世界の財団は&bold(){ヴェールが破れて}おり、&bold(){すべての財団の中でもっともこの理論の研究が進んでいる財団}となのだという。

非専門家向けといっても、[[物理学]]の専門用語が紛れていたり、物理になじみのない人には少々むずかしめな表現もあったりするので、ここではその説明文をさらにかみ砕いて、一部の場所はカットしたりしてお伝えしていこうと思う。もしこの作品をフルに楽しみたい場合は本家記事と並べて解説を見ていただきたい。
それでも「長すぎて読めない!」という方は、本家記事の方に&font(b,Red){各章ごとのまとめ}が書いてあり、正直、物語を理解する上ではこのまとめさえ読んでおけば良いようになっている。参考にしていただきたい。



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#center(){&bold(){&color(#62BC00){&size(26px){P}&size(20px){ARTICLE}&size(26px){P}&size(20px){HYSICS} &size(26px){D}&size(20px){EPERTMENT}}}}
#center(){&size(12px){素粒子物理学部門}}

#center(){&bold(){&sizex(5){素粒子物理学部門による現実次元解説講座}}}
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**第一章: 現実子の歴史
皆さんは「現実子」という言葉を聞いたことはあるだろうか。現実子とは、あの&bold(){現実改変}に深く関わる&color(red){仮想上の粒子}のことだ。
現実改変に関連した言葉として「&bold(){ヒューム値}」というのがあり、これが現実性の強さを表しているというのは有名な話だが、実はこのヒューム値というのは&bold(){現実子の濃度}のこと。この粒子が集まっているほど現実性が高くなっていき、この現実子は[[濃度の高い所から低い所に移動していく>SCP-3001]]。

ただ、この現実子はあくまで&bold(){仮想上}の存在。つまり実在はせず、ただ&bold(){理論上だけの存在}だと思われて「いた」。

過去形なのは、現実子が&bold(){実際に発見された}からだ。
ある日、とある財団が&font(b,red){HDHX}と呼ばれる超高性能粒子加速器、つまりパラテク実験器具で色々実験していた時のこと。その実験の最中、&bold(){明らかに既存の粒子とは違う粒子}が現れた。
その粒子を調査してみたところ、宇宙を満たす謎の物質でお馴染み&bold(){[[ダークマター>暗黒物質]]と同じ性質を示す}ことが判明。ついに財団はダークマターの正体を突き止めたのだ。

しかし、それは半分正解で半分不正解。
たしかにダークマターの正体はその新粒子だったのだが、しかし上記の実験器具でその新粒子が生成される時、実は器具内部に&bold(){現実性の乱れ}が生じていたという。
これは大問題。なんていったって、「ダークマター」という正常なモノが「現実改変」という異常現象に関わっているということは、「ダークマター」そのものも異常存在だということになってしまうからだ。
財団も、測定器具の故障や、現実改変者のしわざなどといった可能性を調べてみたのだが、なんど試しても「&bold(){この新粒子こそ現実性の源である}」という結果しか出てこない。

これを受け、複数の研究チームは「&bold(){この新粒子こそが、いままで仮説上の存在だった&color(red){現実子}であり、それが宇宙全体を埋め尽くすことで&bold(){宇宙を形作っている}}」という理論を提唱。のちに行われた実験により、この理論は正しいことが証明された。ちなみにここでは略させていただくが、本家記事には、ダークマターと現実子が同一の存在であるという根拠が2つほど記載されている。ぜひ見に行っていただきたい。


この発見は、後の素粒子研究・現実子研究の基礎となった。


**第二章: 現実子の基本的な性質
ここからは本格的に物理的な話になる。
先ほど、現実子はダークマターという形で&bold(){宇宙を形作っている}と述べたが、ここからはどのようにして現実子が宇宙を形作っているのかを解説していく。

まず、&bold(){全ての出来事が同時に起こっている世界}というものを考えてみる。これを&font(b,red){巨視的非定型現実真空}という。
この巨視的非定型現実真空、本当に&bold(){全ての出来事}が起こっている。その世界では、ハリーポッター世界の出来事も起こっているし、それと同時にもちろんあなたもいる。
「全て」なのだから、例えばあなただけに絞っても「あなたが椅子に座っている」という出来事も「あなたがドアを開けている」という出来事も&bold(){すべて同時に}起こっている。

ただ、ここまでくると何でもアリで、例えば出来事Aが1回起こっているとして、それと同時に&bold(){出来事Aがマイナス1回起こっている}。なんせ「全ての出来事が同時に起こっている世界」なのだから-1回起こる出来事(これを&bold(){マイナス事象}という)があってもおかしくないだろう。
で、出来事Aが1回起こると同時に-1回起こるということは、結果的に相殺して0回になる。よって巨視的非定型現実真空の中では&font(b,red){全ての出来事が相殺されて結果的に何も起こっていない}様に見えている。

で、「全ての出来事が起こる」ということは&bold(){巨視的非定型現実真空そのものに干渉する存在}も確率論的に出てくるということ。&font(b,red){これが現実子}である。
現実子は、巨視的非定型現実真空で起こる全ての現象のうち、&font(b,red){一部を除くすべてを抹消}し、その一部を残すことにより私たちの世界を形作っている。
先ほどの例でいうと、巨視的非定型現実真空から「あなたがドアを開けている」「あなたが歩いている」という出来事を現実子がすべて抹消し、ただ&bold(){「あなたが椅子に座っている」という出来事だけ}を残すことによって、あなたが椅子に座っている現実を形作る。
それを数えきれないくらい繰り返し、大量の現実子がこの世界・宇宙を形作っているのだ。


ちなみに、現実子に限らず、電子やα粒子などの全ての粒子は&bold(){スピン}という性質を持っている。これは、その粒子がクルクル回っているように見えたことからこの名前になったらしいが、その粒子がどれだけスピンしているかを表す数値「スピン角運動量」は、&bold(){必ず1/2刻みの値を取る}。例えば、放射性物質がα壊変するときに放出するα粒子のスピン角運動量は0、原子において原子核の周囲を周っている電子のスピン角運動量は1/2である。どのような粒子においても、これが1/3だったり2/5になったりすることはない。

ただ、&font(b,red){現実子だけは例外}だ。現実子だけは、このスピン角運動量の値を&bold(){なんでも}とれる。分数はもちろん、√2などのような無理数だってとれる。
それで、なぜこんな話をしたのかというと、現実子は、粒子1つ1つによってこのスピン角運動量が異なるのだが、実は&font(b,red){このスピン角運動量の値によって巨視的非定型現実真空から抹消する現象を決めている}のだ。いうなれば、現実子が巨視的非定型現実真空から現象を抹消するときの&bold(){DNA}といったところか。この話はまた後で出てくるので覚えておいてほしい。

ちなみに、「スピン角運動量」というのは地味に長いので、これからは「&bold(){スピン}」と略させていただく。

では、これに倣ってこれまで言われてきた単語を&bold(){再定義}しよう。

「&bold(){現実性}」という単語は、この&bold(){現実子が巨視的非定型現実真空に干渉する強さ}のことと説明できる。
そして「&bold(){現実改変}」とは、&bold(){異なるスピンの現実子どうしが干渉してしまった時、現実性の高い現実子が勝って 本来とは異なる現象が巨視的非定型現実真空から抹消されてしまう現象}である。


少し複雑になってきたが、どうか焦らずゆっくりついて来ていただきたい。

#openclose(show=余談 真空の量子揺らぎと巨視的非定型現実真空(余裕が無ければ読み飛ばしてOK)){
実は、宇宙では「&font(b,red){量子揺らぎ}」という現象が起こっている。
これは

「何も無いように見える真空の場所でも、実は観測できないほどのわずかな時間のうちで&bold(){粒子のペアが生まれては消えていく}」

という現象なのだが、これは実は&font(b,Red){抹消されなかった巨視的非定型現実真空の残滓}なのだと説明できる。

そもそも、現実子が巨視的非定型現実真空から現象を抹消する速さ・強さは、その現象が&bold(){物理法則に反しているほど速い・強い}という性質がある。
だから、完全に非異常で物理法則に反していない現象は抹消が遅いのだが、ここで、その現象を現実子が抹消している時間よりもその現象が起こる時間の方が早ければ、&bold(){その現象が観測できないほどの一瞬だけ発生する}ということがおこる。

よって、現実子が巨視的非定型現実真空から抹消するはずの現象のうち、&bold(){非異常なものはすべて一瞬だけ発生している}ということになる。これは我々が知る”非異常な”量子力学でも出てくる理論だ。

そうなったときに、さきほどの「粒子のペアが生まれては消えていく」という現象も本来抹消されるべき現象であるが、これも物理法則にあまり反していないため抹消される速さはかなり遅い。だから、一瞬だけ「粒子のペアが生まれては消えていく」という現象が発生してしまうことになる。これが「真空の量子揺らぎ」の正体である。

しかし、現実性が高い領域においては、現実子が巨視的非定型現実真空に干渉する力が高いために、&bold(){非異常な現象でも全く発生しない}場合がある。その場合においてはもちろん真空の量子揺らぎも発生しなくなるのだが、これは量子力学の視点で考えると大変な問題なのだ。


なぜか。
量子力学の世界には&font(b,red){粒子を支配する大事な4つの力}があるのだが、量子揺らぎはその4つの力に影響を与えているのだ。量子揺らぎがないとこの力が変化してしまう。

大事な4つの力というのは「&bold(){重力}」「&bold(){電磁気力}」「&bold(){強い力}」「&bold(){弱い力}」の4つ。強い力と弱い力は、それぞれ核融合と原子核崩壊などに関わる力なのだが、現実性が高い・量子揺らぎが起こらない空間だと、これの&bold(){大小関係が変化する}。

量子揺らぎには「量子補正」という働きがあり、簡単にいうと&bold(){力の強さを調整している}。現実性が高い領域ではこれが無くなるため、力の大きさが変化するのだ。これを表したグラフがこちら。

&aname(画像4,option=nolink){ }
&image(4.png,width=380,height=270,center,blank)

我々が居る空間はヒューム値が1(=10⁰)なのでそこが基準となる。ここから現実性が下がっていくと弱い力が強い力よりも強くなっている。これは、現実子が巨視的非定型現実真空に干渉する強さが弱く、巨視的非定型現実真空内のマイナス事象&footnote(ある出来事がマイナス回起こるという事象)が力の強さを相殺するのでこのように力が弱く・大小関係も変化しているのだ。

同様に、10⁰からヒューム値が上がっていくと、また力は弱くなっていく。これは、現実性が上がっていくと先ほども言及した通りに量子補正が薄れていくため。これは人工的に造られた高現実性空間での実験でも確かめられており、&bold(){現実子理論の正しさを示す根拠}となっている。

ちなみに、さきほどの4つの力のうち、上のグラフには&bold(){重力だけ載っていない}。
詳しいことは省くがその理由を説明しておくと、重力というのはその粒子の質量によって決まるものである。しかし、真空揺らぎが発生しないと粒子の質量が小さくなってしまう。
そうなると、量子補正以外にも重力が変化する原因があることになってしまい、正確なグラフが作れないのだ。
}


**第三章前半: &ruby(antirealition){反現実子}に対する謎
また新たなワードが出てきた。
「&font(b,red){反現実子}」とは、&bold(){負の現実性を持つ粒子}である。反対に、&bold(){正の現実性を持つ粒子}を「&font(b,red){正現実子}」といい、今までこの項目でたくさん出てきた&bold(){現実子}というワードは、&bold(){正現実子と反現実子の総称}となっている。


その反現実子の性質についてだが、まだ現実子理論が未熟だった頃、もしも反現実子と正現実子が同じ性質を持っていた場合、&bold(){互いに打ち消しあって現実性が0になってしまう}&footnote(すなわち、全ての場所が巨視的非定型現実のようになってしまう。)ので、反現実子と正現実子は違う性質を持っているのだと考えられた。
そこで、財団は第一章にも登場した&bold(){HDHX}を使って正現実子・反現実子を大量に生成し、その崩壊の過程についてデータをとった。

その結果、確かに正現実子と反現実子は性質が違うことが判明した……のだが、その性質の違いが&bold(){予想外}だった。
発生した現実子のうち、正現実子はほぼ100%検出できたのだが、発生したはずの反現実子は&font(b,ed){ほとんど検出されなかった}のだ。一体、発生した反現実子はどこにいったのだろうか。
これは今までの素粒子理論では説明できない現象だったため、「相互作用が小さくて観測できていないだけ」「5次元とか6次元とかの、この宇宙において機械が認識することのできない方向(&bold(){余剰次元})に移動してしまっている&footnote(この宇宙の時空間的な次元数は4であるため、5次元以上は認識できない)」といった説が挙げられ、実験が行われた。

実験場所はなんと&bold(){別宇宙}。
実験場所となる宇宙では重力の相互作用が非常に強く、光も非常に早く、さらに&bold(){11次元の宇宙}となっている。

理論は省いてしまうが、重力が強いために&bold(){粒子の相互作用が小さくて観測できないということが無く}、光も速いので重力のせいで粒子の衝突反応が隠れてしまうことも無い。さらに宇宙で12次元以上というのはありえなく、11次元の宇宙において、粒子は必ず11次元以内の方向に移動するため&bold(){検出することもできる}。&footnote(11次元の世界であれば、11次元以内の方向であれば認識できる)

要するに、原因が上に挙げた2つのうちのどれかであれば、この宇宙においてなら検出できるはずなのだ。

???と脳内がハテナで埋め尽くされた方は、とりあえず「&bold(){この実験のためだけに存在したような超都合の良い宇宙を見つけた}ということ。
「いやいやそんな都合のいい宇宙そう簡単に見つかるわけないだろ!!」と思うかもしれないが、これにはとある[[財団の切り札>https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/tag/Thaumiel]]が関わっている。これについてはすぐ後に出てくるのでもう少し待っていただきたい。


ちなみに実験の結果だが、&font(b,red){反現実子は検出されなかった}。要するに、ただ観測できなかっただけという訳ではなく、&bold(){余剰次元に行く事も無い}という事。
有力とされていた2つの仮説が潰されてしまったことで、さらに反現実子の謎が深まってしまった。


とりあえず、ここでは反現実子の謎が解決されることはないのだが、後になってこの問題を解決した理論というのが、この講義のテーマである「&font(b,Red){カルツァ-クライン現実子理論}」である。
この理論はこれまで謎だった&bold(){すべての現実子の謎}を解決できる可能性を秘めており、なんと&font(b,red){空想科学とのつながり}まであるという。これについては第四章と第五章で詳しく解説する。

&aname(画像5,option=nolink){ }
&image(5.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=もし逃げられなさそうなら、落ち着いて我々の指示に従うんだ。)

#center(){&font(b,95%){インストール中……3/8}}


**第三章後半: MESPについて
「&font(b,red){MESP}」とは&ruby(Multiverse Exhaustive Survey Project){&bold(){多元宇宙網羅探索プロジェクト}}の略で、SCP財団により実施された、「&bold(){この世に存在する全ての宇宙を調べよう!}」という計画。

SCPを読みまくっている方にはおなじみの理屈かと思うが、宇宙というのは我々の居る宇宙の他にも&bold(){無数に}ある。それらを&bold(){漏れなく全て}調べる計画というのがこのMESPである。

そんなこと本当にできるのか、と言う人がいるかもしれないが、先ほども少し言及したとおり財団には&bold(){切り札}がある。
もしかしたら、中にはその切り札に心当たりがある人もいるかと思うが、言ってしまうとその切り札とは&bold(){[[SCP-2360-JP]]}と、それを研究、利用、発展させることを任務とする&font(b,red){財団エレベーター部門}である。

[[SCP-2360-JP]]を知らない方にはちょっと何を言っているのか分からないと思うのだが、なぜ「エレベーター」なのかというのは是非とも[[SCP-2360-JP]]を見に行っていただきたい。ちなみに、先ほど登場した「重力が強くて光も速くて11次元」の都合良すぎ宇宙もSCP-2360-JPを使って見つけたものである。


話を戻そう。SCP-2360-JPの活躍により普通に完遂出来そうなMESPだが、SCP-2360-JPを使ってもなおいくつか問題点が生まれている。その原因は主に2つ。

1つ目は、&bold(){宇宙を探索していけばしていくほど、既に探索した宇宙に繋がってしまう確率が高まっていく}というもの。
これは何かのソシャゲのガチャでキャラクターをコンプリートするのを想像していただければ分かりやすいだろう。初めのうちは新しいキャラがどんどん出てくるが、回していくうちに次第に&bold(){キャラ被り}が多くなっていき、最後の方には新キャラが非常に出づらくなる。
SCP-2360-JPでつながることのできる宇宙は完全ランダムなので、まさしくこれと同じような状況が発生しうるわけだ。

2つ目は、&bold(){そもそもの探索スピードが、宇宙が新たに生まれるスピードよりも遅い}というもの。
これは単純明快だろう。探索スピードが追い付いていないなら、いつまでたっても&bold(){全て}の宇宙を探索することは出来ない。


ならば新しい探索方法を考えるしかない、ということで財団の研究者たちはSCP-2360-JPをベースに探索方法を開発し始め、確率工学や時間加工学などの&bold(){超常分野}にも手を出し、ついに&bold(){繋がった先の宇宙が絶対に前と被らない}という状況を作ることに成功。先ほどの例でいうと、従来のガチャを&bold(){キャラ被りの無いガチャ}に改造したということ。これでコンプリートも簡単だ。

そしてもう一つの問題についてだが、財団はなんと&bold(){時間の加工が簡単にできる別宇宙}を発見。そこに設備を移動させて次元密度圧縮を行うことにより、&font(b,red){100万年分の作業を5日で終わらせられる環境}を整えることにも成功した。
うん、言葉にならないがとりあえず凄い。


そういうわけで、あれだけ問題点のあったMESPはたったの&bold(){一年弱}で終了。ここからは、そもそものMESPの&bold(){目的とその成果}を紹介していこう。


***並行宇宙の割合調査&並行宇宙誕生の原因調査

最初に用語の説明をしておくと、「&font(b,red){多元宇宙}」というのは&bold(){この世界に存在する全ての宇宙}のこと。また、それとは違う単語で「&font(b,red){並行宇宙}」というものもあり、これは&bold(){多元宇宙のうち、財団がある宇宙と&color(red){物理法則がほぼ完全に一致}し、&color(red){同様の天体}があり、&color(red){ある程度同様な歴史}が存在する宇宙}。

要するに&bold(){パラレルワールド}である。

もちろん、多元宇宙というのは無数にあるため、たまたま財団の宇宙と似ているような宇宙が1つや2つあっても確率的におかしくはないのだが、それの&bold(){正確な割合}を知りたい、というのがMESPの目的の1つだった。
そうなったときに、並行宇宙の数が1つや2つ程度だと仮定した場合、例えば宇宙をランダムに10000個調べて並行宇宙の数を調べ、それを○○倍しておおよその数を知る&footnote(用語でいえば「標本調査」である。)という戦法が使えない。よって全部の宇宙を調べる必要があったのだ。

さて、肝心の調査の結果だが、結果だけ言ってしまうと&font(b,red){並行宇宙の割合が異常なまでに高かった}。
本家記事には、MESPでつながった宇宙において、どの重力定数&footnote(分かりやすく言うならば重力の強さ)を持っている宇宙が多いのかというグラフが載っているのだが、&bold(){人類が生まれやすく、維持もしやすい}、1Gの重力定数だけ明らかに他の重力定数よりも量が多いのだ。

そういう事で、&font(b,red){並行宇宙は偶然生まれたものでは無い}、宇宙の発生には何らかの機構が関わっているのだろうという事が判明した。


***タイプR/"現実性依存"式宇宙の割合調査&現実性の正負の割合調査

ここで、宇宙の仕組みについて説明する。
我々の宇宙においては、第二章で説明したとおり、&bold(){無数の現実子が巨視的非定型現実真空から出来事を抹消する}ことで宇宙は形作られている。このような宇宙を「&font(b,red){ タイプR/"現実性依存"式宇宙}」という。

実をいうと、このタイプR/"現実性依存"式宇宙以外にも宇宙を形作ることのできるプロセスは存在する。しかしながらMESP以前に探索された宇宙は&font(b,red){全てがタイプR/"現実性依存"式宇宙}であり、かつそのほとんどが&&font(b,red){正現実子によって形作られていた}。これは不自然だ。

という事で、MESPのときにタイプR/"現実性依存"式宇宙の割合調査と現実子の正負の割合調査が行われたのだが、これも&bold(){ほとんどがタイプR/"現実性依存"式宇宙}であり、&bold(){その&color(red){99.9996%}が正の現実性を持っていた}。
やはり不自然だ。
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謎は残ったとはいえ、MESPは無事に完了し、全ての宇宙の探索が終了した。
よって、これから先に探索することになる宇宙はすべて&bold(){誕生したての宇宙}となる。

しかしここでまた新たな謎が。
規模が縮小されたMESPであっても、&font(b,red){新しい宇宙が生まれてから1分後には宇宙探査が出来る}ような体制が整っていた。だから、探査先の誕生したての宇宙には必ず誕生から1分程度経過した風景が広がっているはずなのだが、一部の宇宙において、&font(b,red){明らかに誕生から100億年以上経っているような風景が広がっている}場合があった。おかしいのは一目瞭然だろう。

この謎は、先ほどの並行宇宙が異常に多い謎とも関連があるとされ、この説明には&bold(){新しい何か}が必要とされた。

そして、その「何か」というのが&font(b,red){カルツァ-クライン現実子理論}である。


**第四章: カルツァ-クライン現実子理論と現実場の対称性の破れ、そして現実次元について
見出し名が少し長いが、いよいよここから&font(b,red){カルツァ-クライン現実子理論}の説明に入る。

これまでに出てきた

・反現実子が消える謎
・並行宇宙が異常に多い謎
・宇宙のほとんどがタイプR/"現実性依存"式宇宙である謎
・その宇宙たちがほとんど正現実子でできていた謎
・宇宙誕生から1分以内に探索しているはずなのに、明らかに誕生してから100億年以上経っている宇宙がある謎

この全てを説明するカルツァ-クライン現実子理論。この講義のテーマとなる内容であり、それだけあってかなり複雑な内容となっている。どうか焦らず、休憩を挟みながらでも良いのでついてきていただきたい。

まずさっそく、&bold(){反現実子が消える謎}について部分的に解決していきたい。
結論からいうと、反現実子は&bold(){別の次元へ移動していた}。ここで、「あれ?現実子は別の次元に移動したりしないんじゃなかった?」と思った方は鋭い。第三章前半の実験にて、11次元というもう別次元に逃げられない環境で実験しても反現実子は消えてしまっていた。

ではどの次元へ?という話だが、これの話には&bold(){新たな次元を考える}必要がある。その名も&font(b,red){現実次元}。
そもそも次元とは「&bold(){方向}」と言い換えて頂いてもまあまあ合っているのだが、この現実次元は、通常の時空間次元&footnote(縦、横、高さ、時間といった次元。)とは違い、&bold(){現実子のみが伝わることのできる次元(方向)}である。たとえ重力であろうとも、この現実次元を伝わることは出来ない。

さてさて、我々が住む宇宙というのは4次元の世界であるが、&bold(){5次元以上の世界から4次元の世界へ飛んできた粒子}のことを&bold(){カルツァ-クライン粒子}という。
また、ここに詳しいことは述べないが、粒子の&bold(){エネルギー}と&bold(){質量}は、特殊相対性理論「E=mc²」において等価関係にあるため、5次元以上から飛んできた粒子において、その&bold(){5次元以上の方向へのエネルギー}は&font(b,red){特殊な質量}を持った粒子として観測される。

この理論を応用して考えられたのが、このカルツァ-クライン粒子の現実子バージョン、&font(b,red){カルツァ-クライン現実子}。とはいえ、現実子は別の次元に移動したりしないので、このカルツァ-クライン現実子は5次元以上の次元ではなく&font(b,red){現実次元}を移動してきた現実子のことを指す。


さて、このカルツァ-クライン現実子理論においては&bold(){現実場のポテンシャルエネルギー}が重要な役割を持つ。
これはどういうものかというと、&bold(){ある現実次元上の座標(場所)において、そこにある現実子がどれだけのエネルギーを持つか}という数値。これを表したグラフは次のようになっている。
横軸が&bold(){現実次元上の座標}、横軸が&bold(){現実場のポテンシャルエネルギー}となっている。

&aname(画像6,option=nolink){ }
&image(6.png,width=380,height=270,center,blank,)

現実場のポテンシャルエネルギーには&bold(){高い所と低い所}があり、全体的に右へ行くほど下がっていることがわかるだろうか。
それでこの現実子たち、&font(b,red){ポテンシャルエネルギーが低い所へと優先的に移動していく性質}を持っている。現実子というボールが、グラフの斜めの線を転がっていくイメージを持てればよい。
そういうわけで現実子というのは、このグラフの&font(b,Red){谷}の部分に多く溜まっていくようになる。そして、宇宙は現実子によって生まれ、成り立っている。(第二章参照。)
要するに、グラフの谷となる現実子溜まりには&bold(){宇宙が沢山ある}。ちなみに財団の宇宙も、グラフ上に緑で示された、現実次元座標5.5あたりの現実子溜まりにある。


しかーし!実はこのグラフ、現在の、本当の状況を表したグラフではない。本当のグラフはこちら。

&aname(画像7,option=nolink){ }
&image(7.png,width=380,height=270,center,blank,)

グラフが2本に増えただろう。これは、緑色の方が&font(b,green){正現実子}、赤色の方が&font(b,red){反現実子}を表している。要するに現実子の正負で&bold(){ズレ}が生じているのだ。
少し話はそれるが、実は昔はズレていなかった。もっというとその頃には現実子は正負に分かれていなかった。ただ、現実次元は過去の不明な時点で「相転移」という、&bold(){大規模な性質の変化}が起きたことで、このようなズレが生じ、ついでに現実子の正負も別れてしまったのだという。

#openclose(show=余談 相転移と現実子){
まずは、この図を見ていただきたい。

&aname(画像8,option=nolink){ }
&image(8.png,width=250,height=250,center,blank)

とがった地面に置いてあるボールが、左右どちらかに転がり落ちようとしているのがわかるだろうか。
この状態において、ボールは&bold(){左右対称}な位置にあり、どちらに転がり落ちるかは完全ランダムである。

しかし、一度このボールが位置エネルギーを失ってどちらかに転がり落ちてしまえば、この対称性は失われる。「転がり落ちた方」と「転がり落ちなかった方」明確な区別がついてしまうのだ。

つまり何が言いたいかというと&bold(){たとえ左右対称で偏りのない状態であっても、エネルギーを失うことで偏りが生まれてしまう}ということ。現実子が相転移を起こしたときにはこれと同じようなことが起こったとされている。この図でいうと、左に落ちたのが正現実子、右に落ちたのが反現実子なのだ。
}


さてさて。再びポテンシャルエネルギーのグラフに戻ろう。先ほど、財団の宇宙は現実次元座標5.5あたりの場所にあると記載したのだが、もしもここで正現実子と反現実子を生成したらどうなるか。
正現実子は、緑のグラフを見ると「谷」になっているのでその場にとどまるのだが、反現実子はどうか。
そう、反現実子の赤のグラフを見ると、現実次元座標5.5あたりの場所は&bold(){下り坂}になっている。よって、現実次元座標5.5あたりで生成された反現実子はグラフの下り坂を転がっていき、現実次元座標6.5あたりの反現実子溜まりに行ってしまう。

よって、現実次元座標5.5にある財団宇宙から見れば&font(b,Red){反現実子が消えた}様に見えるのだ。これが第三章前半で取り上げた、&bold(){消えた反現実子の謎}の答えである。

ちなみに新用語の説明をすると、このような感じで現実次元上を移動する現実子が「&font(b,red){カルツァ-クライン現実子}」であり、あのグラフのように正現実子溜まりと反現実子溜まりが交互に繰り返されているような構造のことを「&font(b,red){現実-反現実階層}」と呼ぶ。

また、グラフの左の方が現実場のポテンシャルエネルギーが高く、右の方が低いという構造上、現実子が移動する場合は&bold(){グラフの左から右へ}移動することになる。
なので、それを分かりやすくするため、ポテンシャルエネルギーの高い、&font(b,green){左}の方を&font(b,green){上位現実次元}、&font(b,maroon){右}の方を&font(b,maroon){下位現実次元}と呼ぶ。


ただ、ここまでカルツァ-クライン現実子理論を説明しておいてアレだが、これは&bold(){あくまで予想}。正しいと証明するデータをどうやってとるか問題があった。
それで考えられたのが、&bold(){1つ上の反現実子溜まりから来るカルツァ-クライン現実子を見つける}というもの。確かに、現実次元座標3.5あたりにある反現実子溜まりで正現実子が作られた場合、その一部はこっちの正現実子溜まりに転がってきそうだ。

で、見つける方法もある。さきほど特殊相対性理論を出して、「5次元以上の方向へのエネルギーは特殊な質量として観測される」と説明したが同じことが現実次元方向への移動にも言える。
そして、グラフの谷を転がってきたカルツァ-クライン現実子は、その「転がってきている」時にエネルギー(=特殊な質量)を持つ。そして、その特殊な質量は&bold(){大量の現実子へ変換される}。

じゃあ、急に現実子が大量に増えた場所を見つければ証明される!と思うかもしれないが、現在までそんな場所は見つかっていない。だとすれば、考えられるのは、&bold(){上位現実次元から来た大量の現実子は、宇宙全体に&color(red){均等}に行きわたる}ということ。
もしそれが本当なのだとしたら、現在ヒューム値を測るときに使われている、「ある&color(red){基準となる地域と比べて}現実性を測る」という手法ではカルツァ-クライン現実子を検出することが出来ない。その&bold(){基準となる地域も含めて、均等に現実子が行きわたる}からだ。

ではどうしようか。実は、上位現実次元から来たカルツァ-クライン現実子は、現実子溜まりまで転がってきてピタッと止まるわけではない。
まるで振り子のように、現実子溜まりの周辺で&bold(){揺れ動く}のだ。つまり&font(b,red){まだエネルギーを残している}という事。
で、さきほどから言っているように&bold(){エネルギーがあると質量は増す}。だから、現実子と同じ性質をしていながら、妙に少しだけ重い粒子を見つけたら、それがカルツァ-クライン現実子となる。

そういうわけで、精密な実験の後にカルツァ-クライン現実子は実在することが確かめられ、カルツァ-クライン現実子理論は正しいことが証明された。


さてさて、まだ解決していない謎は残っている。並行宇宙が異常に多い謎、タイプR/"現実性依存"式宇宙も異常に多い謎、その宇宙を構成している現実子がほとんど正現実子である謎、不自然に時間の経った宇宙がある謎の4つだ。

これは、&bold(){カルツァ-クライン現実子理論の拡張}を使って説明することが出来る。下の図を見ていただきたい。

&aname(画像9,option=nolink){ }
&image(9.jpeg,width=380,height=270,center,blank)


&bold(){なんか奥行きが増えている}。
先ほど、現実子溜まりには&bold(){たくさんの}宇宙が生まれ、存在していると言ったが、実はあの平面のグラフだと、&bold(){現実子溜まりにあるたくさんの宇宙が重なっていて区別しづらい}ということが起きる。
例えば、財団宇宙は現実次元座標5.5あたりにあるが、第三章前半で出てきた超都合良すぎ宇宙も5.5あたりにある。なんなら別の財団宇宙も5.5、そのまた別の財団宇宙も5.5にある。これでは見分けつかないではないか!

ということで、ここからは現実次元座標に&font(b,red){虚数}の概念を取り入れることとする。
虚数とは、&bold(){2乗すると-1になる、存在しない数}。存在しないので、数字の代わりにアルファベットの「i」で表すのだが、物理学をやっているとそれなりな頻度で登場する。ちなみに、虚数ではない、1とか-3とか2.36とかの数字を、&bold(){実数}という。

で、虚数を導入するとどうなるかというと、現実次元座標5.5の宇宙は沢山あるが、&bold(){座標5.5+2iや5.5+4.3iの宇宙はそれぞれ1つしかない}という感じで区別ができる。
これをグラフにも反映させたいのだが、いかんせん「i」は存在しない数。普通に数直線の上で表すことはできない。だからかわりに&bold(){平面}を使うのだ。
数学に詳しい人なら&bold(){複素数平面}と言えば通じるだろうが、説明しておくと、まず、いままでの奥行きがないグラフにおいて、横軸は&bold(){実数だけ表した数直線}であった。ここに、奥行きの方向に&font(b,red){虚数を表す数直線}を追加してあげる。この数直線において、1目盛りは「1i」、3目盛りなら「3i」を表している。
で、例えば「5.5+3i」という数字を表したければ、&bold(){横軸は5.5の位置}で、&bold(){縦軸は3iの位置}となるような平面上の場所を取ればよい。

詳しく説明していると、ここがSCP項目ではなく数学項目になってしまうため、これ以上は割愛させていただく。詳しいことは各自で調べていただきたい。

話がそれてしまったが、要するに&bold(){虚数を使うとグラフに奥行きが出て、無数に重なっていた宇宙どうしを区別することが出来る}ということが理解できれば良い。
それで、このグラフの&bold(){谷}の部分にはたくさんの宇宙が散らばっており、財団宇宙は実数現実次元座標5.5あたりの谷にある、ということが何度か出てきたが、実は&font(b,red){SCP-2360-JPで行く事のできる宇宙は、同じ実数現実次元座標}(=同じ現実子溜まり)&font(b,red){にある宇宙のみ}である事が明らかになった。
SCP-2360-JPは「すべての宇宙へポータルが繋がる」という異常性を持っていたわけだが、その「すべて」にも縛りがあったわけだ。

で、SCP-2360-JPで行くことのできる宇宙は、同じ現実子溜まりにある宇宙のみということは、&bold(){MESPで行った宇宙も全部同じ現実子溜まり}ということ。
それで、もちろん財団世界がある現実子溜まりは&font(b,red){正の現実子溜まり}である。だから、先ほども述べた通り反現実子溜まりを作っても下位現実次元に転がって行ってしまうし、1つ上の現実子溜まりから来るカルツァ-クライン現実子も、1つ上は反現実子溜まりであるから飛んでくるのは正現実子ばかり。
これで、&font(b,red){ほとんどのMESPで探索した宇宙が正現実子でできていた謎}も解決という訳だ


続いて、残りの3つの謎を一気に解決していく。
先ほど、上位現実次元から来たカルツァ-クライン現実子は、転がっているときに&bold(){高いエネルギーを持つ}という話が出てきた。
そして、現実子のエネルギーといえば&font(b,red){現実性}のこと。つまり、カルツァ-クライン現実子は高い現実性を持っていることになる。
それだったら、&bold(){カルツァ-クライン現実子が現実改変を起こしても不自然ではない。}

それで、第二章の最後の方に少し書いた&bold(){現実改変とは何か}という話を思い出してほしい。
そのとき、この記事では現実改変のことを
「異なるスピンの現実子どうしが干渉してしまった時、現実性の高い現実子が勝って 本来とは異なる現象が巨視的非定型現実真空から抹消されてしまう現象」
と解説した。

そして、またまた第二章の話を思い出していただきたいのだが、現実子が巨視的非定型現実真空から抹消するものは&font(b,red){現実子のスピン角運動量によって決まる}。
この値は第二章でも言ったとおり&bold(){どのような値でも}取ることができ、いうなれば現実子が巨視的非定型現実真空から現象を抹消するときの&bold(){DNA}のような役割を果たしているという話であった。

ここでカルツァ-クライン現実子について考えてみる。
もともと、上位現実次元にある宇宙を形作っていた現実子がこちら側に転がり流れ込んでくるということは、その現実子のスピン角運動量は&bold(){上位現実次元の宇宙を作っていたものと同じ}となる。そして、その現実子たちは高い現実性を持っている。

実は、先ほどの奥行きがある方のグラフにおいて、細長い現実子溜まりの谷の全てに宇宙がびっしり詰まっているわけでは無く、宇宙が無い座標もある。
もしもそこに、高い現実性を持ったカルツァ-クライン現実子がやってきたら?&bold(){その場所に、そのカルツァ-クライン現実子が&color(Red){元いた上位現実次元の宇宙と同じ環境の宇宙}を現実改変で作り出す}ということが発生する。これは、もしカルツァ-クライン現実子が既に宇宙のある場所に来ても同じだ。その宇宙を元いた宇宙と同じ環境に改変するだろう。

では例えば、その元いた宇宙が誕生から100億年程度経っていたら?新しく下位現実次元に造られ/改変された宇宙も誕生から100億年程度経った宇宙になるだろう。
そして、この全ての宇宙というのが全て&font(b,red){ある一つの宇宙をコピー}して作られたものなのであれば、&bold(){ほとんどの宇宙が似たような性質を持っている謎}も解決となるだろう。

並行宇宙が異常に多いのは、ほとんどの宇宙が、&bold(){とある1つの宇宙}をコピーし続けて作られた宇宙だから。
タイプR/"現実性依存"式宇宙が異常に多いのは、ほとんどの宇宙が、&bold(){とあるタイプR/"現実性依存"式宇宙}をコピーし続けて作られた宇宙だから。

並行宇宙が異常に多い謎については第五章でも触れるが、とりあえず第一章から第三章までで謎となっていた問題はすべて解決した。


もしかしたら、これを読んでいる人の中には

「いやいやいや、宇宙というのは&bold(){ビックバンが起きたことで生まれた}んだよ。現実改変によって生まれたんじゃないよ。」

と思う人もいるかもしれないが、実は&&font(b,red){ビックバンですらカルツァ-クライン現実子がコピーしてきたもの}なのだ。我々の宇宙で起こったアレは単なる模造品にすぎない。

ちなみに、それらすべてのコピー元、&bold(){全ての宇宙の源}となる宇宙を&font(b,red){&ruby(らんしょう){濫觴}宇宙}という。&footnote(「濫觴」というのは「もののはじまり」という意味。)

この濫觴宇宙は、あの現実場のポテンシャルエネルギーのグラフにおいて、&bold(){&color(red){数万}と連なる現実子溜まりの左端}、すなわち[[この階層の最上位>SCP-3812]]にあるとされている。
その宇宙では、誕生の際に&bold(){真のビックバン}が起こった。その後誕生してまもなく、空間次元&footnote(我々の宇宙でいうところの「縦」「横」「高さ」)の1つが現実次元に分化したことで、濫觴宇宙と共に現実次元が生まれたとされている。


**第五章: 空想科学との統一
さてさて、長かった第四章が終わり、ここからは&font(b,#112266){空想科学}についてお話していく。
皆さんの中には、「空想科学」と聞くと[[空想科学読本]]が思い出される方もいると思うが、ここでいう「空想科学」とはPataphysics、SCP世界を物語の中のとしてとらえた時、SCP世界の創造主や、物語の縛りから解き放たれる方法・その構造を模索する学問である。

解説記事冒頭でもあった通り、ここから先は&color(red){ガッツリとメタネタになる}ため、苦手な方は注意していただきたい。

まず、第二章で教わった、&bold(){現実改変の定義}を思い返していただきたい。現実改変とは「異なるスピンの現実子どうしが干渉してしまった時、現実性の高い現実子が勝って 本来とは異なる現象が巨視的非定型現実真空から抹消されてしまう現象」であった。

で、この「異なるスピンの現実子」が生まれる原因というのは複数あるが、その一つに&font(b,red){人間性}がある。
????という方もいるだろうが、もしかしたら「人間性」「現実改変」というワードで何かを感づく方もいるかもしれない。そう、&bold(){SCP-1000-JP}に関連する理論である&font(b,red){ウォール理論}だ。

#openclose(show=ウォール理論とは){
SCP-1000-JPを詳しく知らない人のためにここでウォール理論について簡単に説明しておくと、
まず前提として、人間はみんな「&font(b,人間性}」というものを持っている。で、その人間性というのは&bold(){5つの層}に分けられ、外側から順に「F1」から「F5」と呼ばれる。

具体的にはF1から順に「映像記憶」「感覚記憶」「実感」「自発意志」「&font(b,red){魂}」の5つなのであるが、一番内側にあるF5層「魂」は、別名として&bold(){自己同一性}とも呼ばれる。人間性の核となる部分だ

それで、この「魂」部分は&bold(){物理的に保存ができる}。保存したサーバーの例としては「十束」や「草薙」などが挙げられる。
しかしながらこの魂を保存したサーバー、&font(b,red){保存した人数に応じて現実性を持つ}という性質がある。&footnote(このため、「魂」部分は改変に対して強い耐性を持つ。)先述のSCP-1000-JPでは、550人分の魂を保存した&bold(){550Hmの「草薙」}が登場し、周囲に現実性が漏れてしまっていた。
}

さてさて、ここでは5層ある人間性のうち、F5層である「魂」について考える。
人間から生まれた「魂」は&bold(){現実性を帯びる}のだが、もちろんここでも現実子は発生する。

それで、現実改変の定義の話に戻るのだが、「魂」から生まれた現実子は、&bold(){生み出した人間が&color(red){想像した宇宙像}に基づくスピン}となる。

この現実子が外に漏れ出てしまうと、&bold(){もともとそこら辺にあった現実子}と&bold(){今さっき誰かの「魂」から生まれた現実子}が競合することとなってしまう。
この状態で後者が勝つと、その現実子を生み出した人間が想像した宇宙像になる。これも現実改変の1つである。

しかし、現実子というのは&bold(){必ず正と負のペアで生み出される}という性質がある。ここで第四章の平面のグラフを見ていただきたいのだが、もし実数現実座標5.5あたりの宇宙にいる人が「魂」から現実子を生んだ場合、反現実子の方はカルツァ-クライン現実子となって1つ下(座標6.5あたり)の反現実子溜まりに&bold(){移動}する。

第四章で、この世のほとんどの宇宙は、カルツァ-クライン現実子がある1つの宇宙(濫觴宇宙)をコピーしまくって作られたものだと説明したが、そのカルツァ-クライン現実子が発生したり、宇宙がコピーされる原因というのは&font(b,Red){ほとんどが「魂」によるもの}らしい。

要するに、誰かが&bold(){何かの妄想}をすると「魂」から現実子が出現し、それが外部に漏れると、現実子の一部がカルツァ-クライン現実子となって、&bold(){一個下の現実子溜まりに&color(Red){妄想通りの宇宙を作る}}というワケ。


さて、長かったこの講座ももうラストスパート。
この、「何かを妄想すると、一個下に妄想通りの宇宙が作られる」という現象。よく考えたら&bold(){&color(red){創作のシステムと同じ}}なのだ。

[[SCP-3812]]や[[SCP-CN-801]]の世界観がとても近いが、物語たちは「劇」があって「劇中劇」があって「劇中劇中劇」があって……という構造を&bold(){&color(red){上下ともに}無数に}連ねている。
つまるところ、今まで「&font(b,ed){物語層}」と言われていたものが各現実子溜まり達であり、それらの住人たちが妄想(&bold(){=創作})することで、1つ下の物語層(&bold(){=現実子溜まり})に新たな世界(&bold(){=宇宙})が生まれる。

それで、「財団世界」の物語層は実数現実次元座標5.5の正現実子溜まりに、財団世界の1つ上にいる我々の物語層は実数現実次元座標3.5あたりの反現実子溜まりにある。
そして我々の創造主は2.5あたりの正現実子溜まりに、といった具合に、左右に無数に連なっている。その一番左にあるのが濫觴宇宙だ。


さて、これでいままで「&bold(){物語改変}」と言われてきた現象の正体も分かっただろう。物語改変とは、「魂」から生まれた現実子がカルツァ-クライン現実子となって1つ下の現実子溜まりにある宇宙の1つに起こす、&font(b,Red){特殊な現実改変}の事だったのだ。
だから、仕組みだけで言えば[[SCP-239]]が起こす現実改変も[[SCP-3812]]が起こす物語改変も同じ。異なるスピンを持つ現実子同士が競合し、どちらかが無理やり現実を変えたのだ。

ところで、現実改変を起こすような、そこら辺で生まれた現実子のパワーならば弱いのでスクラントン現実錨で対策できる。
しかし物語改変を起こす現実子は&bold(){グラフの下り坂を勢いよく転がって来ているためエネルギーが山ほどある}状態だ。そして起こすのは&font(b,Red){宇宙規模}の現実改変。宇宙の&font(b,red){土台}から改変するため、スクラントン現実錨など効くはずもない。このような原因から、いままで現実改変と物語改変が同じであることに誰も気づかなかったのだとか。

**終章: これからの現実子理論
さて、財団は現在、素粒子物理学部門と空想科学部門の共同で&bold(){虚数現実次元間&footnote(第四章のグラフでいう奥行きの部分)を航行する技術}を研究している。
この技術が確立されれば、いろいろな他世界との交流が盛んになり、大きな恩恵がもたらされると見ている。

また、いままで空想科学的に「[[カノン>ヘッドカノン(SCP Foundation)]]」と呼ばれて分断されていた財団達も、さらに連携することが出来るだろう。


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#center(){「&color(red){カルツァ-クライン現実子理論のおおまかな内容}」「&color(red){『魂』から生まれた現実子はカルツァ-クライン現実子によって1つ下に現実改変(=物語改変)を起こすこと}」はおおむね理解できただろうか。}

#center(){もし、理解できたのであれば次に進み、理解できなかったのであれば読み返してきていただきたい。}
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これにて解説記事だけで15000字に及ぶカルツァ-クライン現実子講座は終了となる。お疲れさまでした。
ちなみに、忘れてはいけないがこの記事は「カルツァ-クライン現実子理論」の項目では無く、&bold(){「SCP-001-JP」の項目}である。よって記事はまだまだ続く。どうか諦めずについて来ていただきたい。


&aname(画像10,option=nolink){ }
&image(10.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=君は今元の世界から誘引されて、下位の現実次元に来させられている。)
#center(){&font(b,95%){インストール中……4/8}}


*焚書坑儒計画: 多財団連盟協定

ここからは、冒頭で少しだけ出てきた&font(b,Red){多財団連盟協定}について説明していく。これは、後に説明する焚書坑儒計画において、並行宇宙間でいかにして巨大な計画が管理されるかを知るために必要となる。ぜひ目を通していただきたい。

多財団連盟協定とは、その名の通り&bold(){いろいろな並行宇宙にある財団の集まり}である。冒頭でもあった通り、少なくとも1109625423個の財団が属している。&footnote(並行世界が異常に多いのは第三章後半を参照。)巨大なグループだ。もちろん、実数現実次元をまたいで移動することはできないから、これに属している全ての財団は実数現実次元座標5.5あたりの現実子溜まりにある。

それで、どうしてこんな多財団連盟協定を作ろうかという話になったかというと、例えば&bold(){危険な異常存在を並行宇宙どうしで押し付けあう}行為だったりとか、[[ほかの宇宙への迷惑を考えない収容方法>SCP-1280-JP]]だったり、[[並行宇宙の文明に過干渉しちゃったり>SCP-1322]]といった、&font(b,Red){財団の迷惑行為}が横行したからだ。

ある1つの宇宙の財団が、先ほどの終章で触れた&bold(){虚数現実次元間航行技術}を開発した後、その財団が技術を他の宇宙の財団にも広めたために、予想通り&bold(){財団間の連携はかなり深まった}。例えば、こうして繋がった財団同士は異常存在の情報を共有しあっている。
しかし、それと同時に先述のような&bold(){財団間のトラブル}も増加してしまっていた。
だから、全ての財団を監視して、迷惑行為をした財団があれば取り締まるような組織が必要だったのだ。それが&font(b,red){多財団連盟協定}となる。

ちなみに、多財団連盟協定というのは「協定」。だから、条約でいうところの条文のようなものがあるのだが、&font(l){現実子理論の解説が長くなりすぎたために}具体的な内容は割愛させていただく。

ただ、大体

・全ての財団は「確保、収容、保護」を徹底してね
・全ての財団は、持っている技術・知識・兵器・&bold(){Thaumielオブジェクト}を共有してね
・お互いに助け合って協力しようね
・要注意団体に手を貸さないでね

と言った感じ。


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#center(){「&color(red){多財団連盟協定の設立経緯}」「&color(red){多財団連盟協定の内容}」はおおむね理解できただろうか。}
#center(){もし、理解できたのであれば次に進み、理解できなかったのであれば読み返してきていただきたい。}
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*焚書坑儒計画: 物語漏出災害

これから皆さんには&font(b,Red){物語漏出災害}という現象について学んでいただく。
これは、後に説明される「&bold(){焚書坑儒計画}」がなぜ必要なのか、それが提案されるまでにどのような背景があったのかを理解するために必要となる知識。ぜひ理解していってほしい。

&aname(画像11,option=nolink){ }
&image(11.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=だから元の世界に帰るには我々の介入がいる。)

#center(){&font(b,95%){インストール中……5/8}}


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#center(){&bold(){&color(#9d43ff){&size(26px){P}&size(20px){ATAPHYSICS} &size(26px){D}&size(20px){EPERTMENT}}}}
#center(){&size(12px){空想科学部門}}

#center(){&bold(){&size(18px){物語漏出災害についての解説、及び致命的な問題の提示。}}}
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**物語漏出災害とは
物語漏出災害とは、&bold(){物語の中(1つ下の現実子溜まり)の存在が、ここの現実子溜まりに上がって来てしまう現象}である。物語の存在が、第四の壁を突破して”漏れ出て”しまうので「物語漏出災害」というのだ。
似ている財団用語として、[[SCP-3309]]などで登場する&bold(){物語災害}というものもあるが、これとは別物となっている。

さて、なぜ物語漏出災害が起きるのか、という話だが、長くなるので折り畳みにまとめる。

#openclose(show=物語漏出災害のメカニズム){

&aname(画像12,option=nolink){ }
&image(12.png,width=380,height=270,center,blank)

まずは上の図を見ていただきたい。この図に従って説明をしていく。

この図において、上の方に書いてある右矢印は「虚数現実次元」。すなわち「理論」第四章の3Dグラフにおける&bold(){奥行き}を表している。
と同時に、左に書いてある下矢印は「実数現実次元」。グラフの横軸を表している。
それで、この実数現実次元を3分割している細い横線は、&bold(){物語層(=現実子溜まり)}同士を区切る線だ。

それでは、メカニズムについて説明していく。

&bold(){(1)} とある&font(b,red){情報源(a)}を、上位現実次元に住む誰かが認識する。その人は、情報源(a)について頭に思い浮かべ、カルツァ-クライン現実子理論により、1つ下の現実子溜まりに情報源(a)と同じような宇宙(&bold(){A1}の宇宙)が作られる。
もしあなたが赤ずきんの絵本を読んでいるとして、その過程で頭の中に赤ずきんの世界を思い浮かべるだろう。それで宇宙が作られるのだ。

&bold(){(2)} (1)で情報源(a)を認識して宇宙A1を作った人が、今度は&bold(){情報源(a)が存在している宇宙}を思い浮かべる。それでまた別の宇宙(&bold(){B}の宇宙) が1つ下に作られる。
また赤ずきんを例に出すと、あなたが赤ずきんを読んでいるときに、&font(b,red){赤ずきんの絵本が存在する自らの世界}を思い浮かべてしまうと、それでもまた別の宇宙が作られるということだ。

&bold(){(3)} (1)で作られた宇宙A1は情報源(a)と同じような宇宙になっているわけだが、そのA1の登場人物が、&bold(){A1自体を思い浮かべる}ことで、さらに下の現実子溜まりにA1のコピーとなる宇宙(&bold(){A2}の宇宙)が作られる。A2も、&color(Red){情報源(a)と同じような宇宙}になっている。

&bold(){(4)} (2)で作られたBの宇宙だが、この宇宙には情報源(a)がある。よって、Bの宇宙にある人が情報源(a)を認識して思い浮かべることで、さらに下の現実子溜まりに宇宙が作られる。(&bold(){A3}の宇宙)これも、シンプルに情報源(a)を思い浮かべたものなので&color(Red){情報源(a)と同じような宇宙}となる。

&bold(){(5)} さて、(3)と(4)でそれぞれ作られたA2とA3の宇宙。この2つはともに&color(red){情報源(a)と同じような宇宙}となっている。すなわち&bold(){全く同じ宇宙}だということ。
それで、このA2とA3、性質が同じすぎて&font(b,red){融合して1つの宇宙になる}。これで融合してできた宇宙を&bold(){A4}とする。

&bold(){(6)} 宇宙が融合した結果、現実次元のエネルギーが励起され、現実次元のグラフの構造が局所的に、現実次元が正と負でズレる前の状態に戻る。
要するに1つ下の現実子溜まり(A4の宇宙があった現実子溜まり)が&font(b,red){少し左にズレる}ということ。
こうして、A4の宇宙があった現実子溜まりとA1やBの宇宙があった現実子溜まりが重なり、&bold(){A4の存在がBに出現する}。これが物語漏出災害のプロセスだ。

&aname(画像13,option=nolink){ }
&image(13.png,width=380,height=270,center,blank)

ちなみに、最後の現実子溜まりがズレるところ、反現実子溜まりと正現実子溜まりが重なったのであれば+と-で打ち消しあいそうなものだと思う人がいるかもしれない。

実はこのときの反現実子、現実次元のエネルギーが励起された影響により&bold(){プラスマイナス0の粒子}になっているため、打ち消されることが無い。+と-では打ち消されてしまうが、+と0では打ち消されない。

ちなみにこの時、下の現実子溜まりにいた存在は、現実子溜まりが左にズレる(現実次元的に上位へズレている)ため、ポテンシャルエネルギーを得るのだが、代わりに&bold(){融合による余剰分以外の現実性を失う}。
小難しいことを言っているが、これはすなわち&font(b,red){物語漏出災害で顕現するのは、物語の主役的な存在だけ}ということ。
先ほどの赤ずきんの例でいえば、物語漏出災害において、「赤ずきん」は顕現する可能性があるが、「通りかかった猟師さん」の様な脇役が顕現することは無い。

}


この物語漏出災害、何がヤバいのかというと&bold(){異常存在の主な発生要因}だからだ。実際、&bold(){現在財団が収容しているオブジェクトの&color(red){半数以上}が物語漏出災害によって出現した}とされている。

例えば、強い現実改変能力を持つがめっちゃアホな&bold(){[[SCP-3740]]}の起源は、&bold(){アッシリア-バビロニア神話}の物語から顕現したアッシュールという神様。
花崗岩とその中にいる女の人である&bold(){[[SCP-2050-JP]]}の起源は、&bold(){日本神話}の物語から顕現した天照大神。


そして、何も物語漏出災害は&font(b,red){物語にだけ起こるのではない}。
物語漏出災害のメカニズムを参照していただきたいが、物語だけでなく「&bold(){情報源}」ならなんでも物語漏出災害は発生する。


例えるとするなら、自分自身についての記述を全て一人称に変えてしまう私、&bold(){[[SCP-426]]}だよ。&bold(){トースターの取扱説明書}から顕現したと予測されているよ。
そして、異なる物理法則を持った2つの球状空間である&bold(){[[SCP-1905-JP]]}も、&bold(){古典ニュートン力学}と&bold(){一般相対性理論}から生まれた立派な物語漏出災害だ。

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ここ50年で物語漏出災害の発生件数は増加傾向にある。
主に、上位現実次元の住人の数が増えたことや、創作活動の活発化が原因と言われているのだが、このまま物語漏出災害が多くなり、財団が収容するアノマリーが増え続ければ、&font(b,Red){全ての人類が財団職員として雇われ、正常性が実質的に消える}、&bold(){SCPK-クラス:全人類雇用シナリオ}が発生する。
それだけならまだマシといえるが、その後数百年以内に&font(b,Red){財団の収容能力が限界を迎え、世界終焉が起こる}、&bold(){ΨK-クラス: 異常存在収容超過シナリオ}も発生する。

物語漏出災害の危険性はこれだけではない。
もし、宇宙構造に関係する理論に対して物語漏出災害が発生したらどうなるだろうか。そう、&bold(){影響を受けた宇宙の構造が変化してしまう}のだ。
これによって世界終焉の危機に立たされている宇宙こそが&bold(){[[SCP-1690-JP]]}の宇宙である。

これによって宇宙の構造が変化してしまった宇宙の数は推定&bold(){200万}。
その中でも、&font(b,Red){約30万}の宇宙が&bold(){滅亡、または滅亡の危機}に陥った。


これはまずい。今すぐ物語漏出災害を止めなければならない。こうして提案されたのが、この報告書のメタタイトルにもなっている&font(b,Red){焚書坑儒計画}である。


**焚書坑儒計画とは

焚書坑儒計画とは、さきほども言った通り&bold(){物語漏出災害を&color(red){根源から阻止する}}ための計画である。
具体的にいうと、&bold(){下位現実次元に&color(Red){現実子ブラックストリング}を作ってカルツァ-クライン現実子を吸収する}ことで物語漏出災害を発生させなくする。


まず「&bold(){現実子ブラックストリング}」って何ぞや?という話だが、これは下の図を見ていただきたい。

&aname(画像14,option=nolink){ }
&image(14.jpeg,width=380,height=270,center,blank)

第四章のグラフと似ているが、&bold(){下位の6.5あたりの現実次元に&color(red){でっかい壁}ができている}のが分かるだろうか。
この壁は、&bold(){現実子がめちゃくちゃ高密度に凝縮される}ことで作られているのだが、この「凝縮された現実子たち」のことが「&bold(){現実子ブラックストリング}」だ。

それで、この現実子ブラックストリングによって作られたでっかい壁、なんと&bold(){高さ無限大}なので現実次元5.5の宇宙からのカルツァ-クライン現実子がこの壁を乗り越えることはできない。&footnote(現実子は、現実場のポテンシャルエネルギー(グラフの縦軸)のより低い所へ移動したがるので)

で、現実子ブラックストリングの作り方だが、先述の通り&bold(){現実子を高密度で凝縮する}ことで作ることが出来る。
実は、現実子には質量があるため、万有引力の法則によって現実子同士は互いの引力で密集しあう。ただ、第四章で出てきた通り、引力/重力は現実次元を伝わることが出来ないため、こんな感じの線上になっている。

こうして作られた&bold(){高さ無限大の壁}は、財団達が存在する実数現実次元5.5あたりの現実子溜まりとそれより下の現実子溜まりとを&font(b,red){分断}し、カルツァ-クライン現実子が下位に行くのを防ぎ、カルツァ-クライン現実子が下位に行かないということは&bold(){宇宙が発生することも融合することも無い}。
物語漏出災害はもう発生しないのだ。

で、この現実子ブラックストリングを頑張って作ろう、というのが&bold(){焚書坑儒計画}である。

スローガンは「&font(b,red){物語は単なる文字の羅列へと還る}」。


**焚書坑儒計画の被害試算と倫理委員会の判断
さて、完璧とも見えた焚書坑儒計画だが、もちろん欠点は抱えている。

上の図を見ていただければ分かるが、現実子ブラックストリングを作る場所は&bold(){1つ下の現実子溜まり}の場所である。
じゃあ、その現実子溜まりにあった宇宙たち(10の800乗個くらいある)はどうなるの?といえば&bold(){全て消滅する}。
もっと言えば、その宇宙に存在していた10の1000乗個(1の後に0が1000個も続くような膨大な数)の生命体は&font(b,red){ものすごい苦痛を感じながら消滅する}。

自分たちの宇宙が危ないとはいえ、こんな&font(b,red){大量殺戮}、果たして許されるものなのだろうか。財団の「&bold(){保護}」の理念に反するのではないか。


そういうわけで、多財団連盟協定の倫理委員会の見解を見ていこう。(長いので要約でお伝えする。)

・&font(b,red){大量殺戮はしても大丈夫}である。
・そもそも下の現実次元にいる存在なんて、存在が「&bold(){予想}」されているだけであって本当に居るかは分からない。
・確かに物語漏出災害やカルツァ-クライン現実子に矛盾する点はないのだが、&bold(){存在が直接観測できない以上、その存在なんて数字と記号の羅列でしかない}。
・だから、我々が&bold(){優先して「保護」するべき}は、我々が見聞きし、話すことができる&font(b,red){この世界の人々}なのだ。


こうして、多財団連盟協定は焚書坑儒計画を実行することとなった。


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#center(){「&color(red){物語漏出災害のメカニズム}」「&color(red){焚書坑儒計画の概要と懸念点}」は理解できただろうか。}
#center(){もし、理解できたのであれば次に進み、理解できなかったのであれば読み返してきていただきたい。}
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&aname(画像15,option=nolink){ }
&image(15.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=今から伝える指示に従ってほしい。そう難しくはないはずだ。)

#center(){&font(b,95%){インストール中……6/8}}


*焚書坑儒計画: 問題点とその解決策

さて、焚書坑儒計画を理解したあなたには、これから焚書坑儒計画がどのようにして実行されるのかを理解していただく。と同時に、&font(u){あなたが既に財団の管理下にあり、逃げることは不可能}であることも理解していただく。

そう、この画面を見て、この記事を読んでいる「&bold(){あなた}」。
あなたはこの文章を通して、&font(u){全ての抵抗は無駄}だと気づき、&font(u){おとなしく財団に従う}ことを求められる。


**現実性の不足
まず、さきほど「&bold(){現実子をめちゃくちゃ高密度に凝縮すれば現実子ブラックストリングを作れる}という話があったが、&bold(){そんなたくさんの現実子なんて調達できない}。
なんせ、必要な現実子のエネルギーは、作成目標座標に既にあるポテンシャルエネルギー(例のグラフの縦軸)の&font(b,red){1億倍}。
まあ、そもそも下位の現実次元に作るのだから、もとからあるポテンシャルエネルギーは財団が居るところの現実子溜まりより低い。だから、財団がいるところの現実子溜まりから現実子を引っ張って来ればある程度の現実子は確保できるのだが、それでも&bold(){100万倍}。目標の1億倍には程遠い。

そこで、&bold(){上位現実次元の住人からの&color(red){物語改変パワー}}を利用する。もともと物語改変とは、現実改変の強いバージョンだったわけだが、それを&font(b,red){随意的}に、&font(b,red){直接的に}改変させることでそのパワーを集め、一億倍のエネルギーを確保しようというのだ。


**上位現実次元実体の利用の際の障害
ただ、上位現実次元の住人を使おうにも一筋縄ではいかない。下の図を見て欲しい。

&aname(画像16,option=nolink){ }
&image(16.jpeg,width=380,height=270,center,blank)

最初におさらいをしておくと、

現実次元の座標5.5あたりの正現実子溜まりが財団世界
6.5あたりの反現実子溜まりが現実子ブラックストリングを作りたい・大量の現実子を集めたい場所
その反対側にある、3.5あたりの反現実子溜まりが、利用したい上位現実次元の住人がいるところだ。

ここで、3.5あたりにいる住人に直接6.5あたりを改変してもらってたくさんの現実場エネルギーを得たいところなのだが、現実子というのは場のポテンシャルエネルギーの高い所から低い所へ移動する。
だから、グラフでいうところの、座標5.0あたりにある&bold(){山の部分が邪魔}なのだ。
「それじゃあ反現実子ではなくて正現実子を使えば良い!」と思うかもしれないが、座標6.5あたりの反現実子溜まりに現実子ブラックストリングを作りたい以上、どうしても&font(b,Red){反}現実子を集めなければいけない。

そこで!現実子が山を越えられないのであれば&font(b,red){上位現実次元の住人そのものを山のこちら側に連れてくればよい}。
「あれ、実数現実次元の間での移動は不可能じゃなかった?」と思うかもしれないが、ここは10億個の財団が集う多財団連盟協定。&bold(){&color(Red){実数現実次元間を移動できる機械}を作った}宇宙がある。

それこそが、冒頭で紹介した&font(b,red){S.W.A.N.N.エンジン}。これはEN-5500という財団が作った機械で、もともとは&bold(){財団世界の人が上位創作者の世界に行く}、すなわち一つ上の現実子溜まりに行くための機械だったのだが、多財団連盟協定はこれを改良して&bold(){1つ下にも行けるようにした}。

ちなみに、S.W.A.N.N.エンジンで移動できるのは&bold(){その人間の&color(Red){魂}だけ}。しかし先ほどの第五章を思い出していただきたい。&bold(){物語改変を起こす現実子の源は&color(Red){魂}}だったはずだ。

で、グラフの縦軸(現実場のポテンシャルエネルギー)を見ていただけるとわかるのだが、1つ下の現実子溜まりに来た上位現実次元の住人は&bold(){高低差の分だけポテンシャルエネルギーを失って}しまう。
しかしその代わりに&font(b,Red){膨大な現実性}を手に入れる&footnote(高い所からボールを落としたときに、ボールが位置エネルギーを失う代わりに運動エネルギーを得るのと同じ)。これを使って現実子ブラックストリングを作るのだ。


**上位現実次元実体が改変対象を誤解する可能性、及び改変に必要な知識
当然だが、上位現実次元の住人が改変を行うときには、良い感じの場所に現実子ブラックストリングを作るために&bold(){ここに向かって改変してね!!}いった感じに&font(b,red){誘導}してあげなければならない。
しかも、改変するには&bold(){焚書坑儒計画の知識が必要}となる。もちろん、改変する人物がカルツァ-クライン現実子理論の専門家である確率は非常に低く、ましてや財団の最高機密である焚書坑儒計画の知識なんて持っているはずがない。

だから、改変させたい場所である、現実次元座標6.5あたりに

「&bold(){ここに向かって改変してね!あと、カルツァ-クライン現実子理論ってこういうので、焚書坑儒計画ってこんなのだよ!!}」

という&font(b,red){誘導灯}を置いておく。これに従って上位現実次元の住人は行動することとなる。

それと、現実改変学によると、たいていの現実改変者は&bold(){知らないものを改変することが出来ない}とされている。
だから、改変する人には&bold(){現実次元座標6.5あたりにある宇宙全てについての情報}を知ってもらわなければならない。そこで登場するのがこの「&font(b,red){ベリーマン=ラングフォード・多量情報挿入用ミームエージェント}」となる。
これは、この焚書坑儒計画専用に作られたミーム画像で、&bold(){見た人の頭に大量の情報をインストールする}役割を持つ。
ただ、1枚の画像だけで無数にある宇宙の情報を収められるはずはなく、情報は&font(b,red){8つの画像}に分割されている。

しかしながら、そんな大量の情報、画像には収められたとしても&bold(){人間の頭には入りきらない}。実際にやろうとすると、脳味噌がパンク(物理)して脳に致命的な障害を負ってしまうそうだ。
そうなら無いようにするために使うのが、財団が数式処理系アノマリーを利用して作った「&bold(){超常スーパーコンピューター“極}”」だ。このスーパーコンピューターと改変する人の意識を接続しておくことで頭がパンクするのを防ぐ。

ただ、それでも画像を見た瞬間に凄まじい量の情報が頭の中に入ってきたら誰でも困惑するもの。場合によっては精神に異常をきたしてしまうかもしれない。
それを防ぐため、&bold(){改変を行うときにだけ情報が分かるようにする}ようにミーム画像を設定する。改変が終わった後は速やかにその情報を削除する。


**タイプU/"相互作用遮断"式宇宙の作成
さてさて、S.W.A.N.N.エンジンで連れてきた上位現実次元の住人は、当然だが&bold(){物語改変(=強い現実改変)能力}を持っている。
そのため、もしもその人が焚書坑儒計画に反抗した場合、&bold(){S.W.A.N.N.エンジンで移動した先の宇宙を改変できてしまう}。

また、これとは別に、先ほどこう思った人がいるかもしれない。
「反現実子溜まりにいた人を正現実子溜まりに連れてきたら、&bold(){プラスとマイナスで対消滅}しちゃうんじゃないの?」

以上2つの問題を回避するため、S.W.A.N.N.エンジンで連れていく先の宇宙は&font(b,red){タイプU/"相互作用遮断"式宇宙}で作られている宇宙でなくてはならない。
これは、ほとんどの宇宙で取り入れられているタイプR/"現実性依存"式宇宙とは違い、&bold(){宇宙の存在が現実子に依存しない}タイプの宇宙となる。&footnote(第三章後半でも触れたが、宇宙の仕組みはタイプR/”現実依存”式宇宙以外にもある。)
また、タイプRの方は、巨視的非定型現実真空を&font(b,red){抹消}して形作られているのに対してタイプUの方は巨視的非定型現実真空から&font(b,red){抽出}して形作られている、という違いもある。

このように、宇宙のタイプをRではなくてUにするだけで、現実改変による計画の妨害と、現実子の対消滅を考えなくてもよくなった。


また、この宇宙は&bold(){いろいろな防衛技術}を使って徹底的に守られる。これらは全て色々な並行宇宙の財団から提供されたものである。
以下に2つほど例を挙げる

また、個々の部分は特別収容プロトコルとも関係するところなので、先に特別収容プロトコルを読み返してきても良いかもしれない。

&link_anchor(Special Containment  Procedures){特別収容プロトコルを読み返す}


***超越死生学的絶対終了弾頭
いかにも殺傷能力の高そうな名前をしているが、まず「&bold(){超越死生学}」とは、人の生死を探求する学問である「死生学」の拡張版で、&bold(){死神との対話}や&bold(){不老不死の研究}、&bold(){ΩK&footnote(ΩK-クラス: 死の終焉シナリオのこと。この世界の生物が全て不老不死になってしまうK-クラスシナリオ。)が起きた世界の研究}をする。

その中でも、[[SCP-2935]](あらゆるものに絶対的な死をもたらすSCiP)は研究対象として重宝されており、これを応用して&font(b,Red){兵器にしてしまった}のが超越死生学的絶対終了弾頭である。
これが着弾すると、そこから&bold(){一定の範囲にいる生物を終了する}ことが出来る。もしも上位現実次元の住人が&bold(){反抗的な態度}を見せた場合はこれで終了する。


***κύων級終末論的攻撃
またまた強そうな名前だが、これは&bold(){[[SCP-1739]]を兵器化}したもの。もちろん、SCP-1739とはラップトップのほうではない。それで世界を滅ぼす怪物のほうだ。
どうやら、多財団連盟協定は&font(b,red){SCP-1739を支配する}ことに成功したらしい。10億個の財団が集まればSCP-1739なんて敵では無いというのか。

で、こいつがもたらす「滅亡」の範囲を自由に変更することで、任意の対象を自由に「滅亡」させることができるようになった。超越死生学的絶対終了弾頭と効果がダブっている気がするが、こちらは&bold(){生死の概念が無いものにも通用する}。

特別収容プロトコルによると、外敵にはκύων級終末論的攻撃を、万が一入られてしまった場合は超越死生学的絶対終了弾頭を、という二段構えで対処しているらしい。

ちなみに、「κύων」とはギリシャ語で「&bold(){犬}」という意味。SCP-1739を動力源としているため、ラップトップ画面に映る犬から名前をとったそう。

**上位現実次元実体の認知
先ほど出てきた「誘導灯」を&font(b,Red){SCP-001-JPに認定}することによって、「SCP-001-JP報告書」から誘導灯にたどり着きやすくする。

また、この「SCP-001-JP報告書」は、先ほどのタイプU/”相互作用遮断”式宇宙に設置され、(&font(b,red){これが冒頭に出てきたSCP-001-JP-M})上位現実次元のだれかがSCP-001-JP報告書を読み始めた場合、その人を&bold(){“シャイニング・ワン”受動性探針が探知}し、S.W.A.N.N.エンジンでSCP-001-JP-Mへ魂を連れていく。

ここらへんの仕組みを、補足を交えてまとめると、

・(1) 上位現実次元(現実次元座標3.5あたり)の人間が「SCP-001-JP報告書」を見たがる。
・(2) SCP-001-JP報告書は、「SCP-001-JP-M」という現実次元座標4.5あたりの宇宙の中に置かれている。
・(3) SCP-001-JP報告書を上位現実次元の人間が見始めると、それをシャイニング・ワン受動性探針が察知。
・(4) 報告書を読み終わった段階で、S.W.A.N.N.エンジンが起動して上位現実次元の住人をSCP-001-JP-Mに連れていく。
・(5) 「誘導灯」は現実次元座標6.5あたりの宇宙(ここに現実子ブラックストリングを作りたい)に置いてあり、魂だけになって座標5.5にあるSCP-001-JP-Mに連れてこられた人がそれを見る。
&aname(画像19,option=nolink){ }
&image(16.5.png,width=295,height=394,center,blank)
以上が、焚書坑儒計画の全貌となる。



&aname(画像17,option=nolink){ }
&image(17.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=おそらくこの後彼らは君に何らかの文章を書かせようとするはずだ。)

#center(){&font(b,95%){インストール中……7/8}}


----
#center(){さて、「&color(red){焚書坑儒計画の内容}」は理解できただろうか。}
#center(){理解したら次に進んでいただきたい。}

#center(){次の文章で最後である。}
----




&aname(画像18,option=nolink){ }
&image(18.jpeg,width=536,height=67,center,blank,title=mktqlという文字列を覚えておいてくれ。そして来るべきときにそれを書けば君は助かる。)

#center(){&font(b,95%){インストール中……8/8}}





#center(){&font(b,130%){インストールが完了しました}}






#center(){&font(b,165%){&link_anchor(最後文書){当該文書の最後の内容を展開する}}}








































&aname(最後文書,option=nolink){ }



*最後文書




#center(){
&bold(){焚書坑儒計画の鍵はあなたです。}

&bold(){あなたは現在S.W.A.N.N.エンジンにより、上位現実次元ではなく我々がいる基底現実次元に作成された宇宙(SCP-001-JP-M)から、その下位に位置するこの文書(SCP-001-JP)を閲覧しています。}

&bold(){すなわち、あなたがこれまで読んできたこの文書が「誘導灯」です。}
}

>ここまで読んできたあなたならもうお分かりでしょうが、あなたには現実改変を行い1階層下の現実次元領域を破壊していただきます。しかし、難しくはありません。&bold(){あなたには以下に&color(red){好きな文章}を書いていただきます}。&bold(){何でも良いのです}。


そう、これはもともと罠。
思えば、冒頭の「多財団連盟協定からの通達」が「&bold(){どうか最後までお読みください}」みたいなへりくだった文章だったのもおかしいし、そもそも&font(b,red){最高機密であるはずのSCP報告書に非専門家へ向けた理論の説明が載っている}のもおかしい。

説明部分で「SCP-001-JPは以下の物語です」などという意味深な書き方をしたのも、全ては読者を引き込ませてここに誘導するためだった。


あなたにはもう既に、8分割した情報の全てをインストールされている。ここに来るまでに8つのミームエージェントは全て見たはずだ。
それを使って、改変対象を1つ下の現実子溜まり全てに拡張することで、そこがあなたの入力したとおりに現実改変される。
そのとき、現実子たちの密度が急上昇することで&bold(){現実子ブラックストリングは作られる}だろう。

もちろん、あなたがそれをすれば、現実子ブラックストリングに巻き込まれて&font(b,red){10の1000乗もの命が苦痛と共に消えていく}。

>&bold(){さて、あなたがもし我々に反対するというのなら死んでいただきます。我々にはそれが可能です。しかし、もし我々を助けてくださるというのならご自由にお書きください。}

&link_anchor(End1){「SCP-001-JP」と書く}
&link_anchor(End1){「多財団連盟協定」と書く}
&link_anchor(End1){「スタミナマシマシ豚骨ラーメン」と書く}
#openclose(show=何も書かない){

&font(b,red){文字が入力されていません。これは我々への反抗であるとして受け取られます。}

&font(b,red){もし我々に従う意志があるのなら直ちに文章を入力してください。}

&font(b,red){これは最終通告です。あなたは我々に反抗しますか?}

&bold(){&link_anchor(End3){はい}}

}
































&aname(End3,option=nolink){ }




//本家記事のページ番号が一番後ろ(6)なのでEnd3にしてあります。また、ページ番号が3であるエンディングはEnd1に、4・5であるエンディングはEnd2にしてあります。
*End3
#openclose(show=展開する){
&size(1px){.}
&size(1px){.}
&size(1px){.}
&size(1px){.}
#center(){&size(85px){&font(black,black){●}&font(red,black){●}&font(black,black){●}}}








#center(){&size(85px){&font(black,black){●}&font(#AA0000,black){●}&font(black,black){●}}}







#center(){&size(85px){&font(black,black){●}&font(#800000,black){●}&font(black,black){●}}}







#center(){&size(85px){&font(black,black){●}&font(#550000,black){●}&font(black,black){●}}}







#center(){&size(85px){&font(black,black){●}&font(#000000,black){●}&font(black,black){●}}}




もともとS.W.A.N.N.エンジンによって魂だけとなっていたあなたは、おそらくは財団の超越死生学的絶対終了弾頭によって終了されてしまった。
たしかに、あなたのこの&bold(){勇気ある決断}のおかげで10の1000乗個の宇宙は救われたかもしれない。
ただ、次に財団のターゲットとなる人は、果たしてあなたと同じ判断を下すだろうか。

たとえ次の人も財団に反抗して死を選んだとしても、次の人、その次の人、そのまた次の人と、&bold(){焚書坑儒計画は続いていく}。
その人たちの&bold(){全員}が、自らの死と引き替えても財団へ反抗するのだといえるだろうか。

結局、焚書坑儒計画は成功する運命にあるのだ。

&link_anchor(最後文書){別の選択をしに行く}

}


































*End1


&aname(End1,option=nolink){ }

#center(){&bold(){現実子ブラックストリングの生成が確認されました}}



あなたが物語を書き終えて元の世界に戻ると、SCP-001-JPの報告書が改訂されていた。


&bold(){SCP-001-JP}とは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。

項目名は「&font(b,red){焚書坑儒計画}」。

通常の[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]の代わりに[[アノマリー分類システム>アノマリー分類システム(SCP Foundation)]]が導入されている。

&bold(){収容クラス}は&bold(){Neutralized}。
&bold(){攪乱クラス}と&bold(){リスククラス}は収容クラスがNeutralizedなので割り当てられていない。



**概要
SCP-001-JPとは、&bold(){物語漏出災害を防ぐことを目的}として、上位現実次元の住人を操るために用意された文章。カルツァ-クライン現実子理論や多財団連盟協定、物語漏出災害、焚書坑儒計画の説明が載っていた。
それで、そのSCP-001-JPが置いてあった実数現実次元座標6.5の宇宙は現在、現実子ブラックストリングの生成に巻き込まれるような形で消失してしまっている


「SCP-001-JP&bold(){報告書}」のほうが置いてあり、あなたが連れてこさせられた宇宙でもある&bold(){SCP-001-JP-M}は現在放置されており、近日中にビック・クランチにより処分される予定とのこと。



>&bold(){焚書坑儒計画は&color(Red){成功}したと見られています。}




こうして、多財団連盟協定と物語漏出災害との戦いは幕を閉じた。

焚書坑儒計画によって作られた、どこまでも高くそびえる現実子の巨大な壁はカルツァ-クライン現実子の移動を阻み、物語漏出災害の発生を断ち切る。
これで、新しい異常存在の数は劇的に減り、物語漏出災害によって辺に物理法則が書き換えられる可能性も無くなった。
財団世界はこうして守られたのであった。


確かに、焚書坑儒計画によって無数の命が失われたかもしれない。だがしかし、その問題は多財団連盟協定の倫理委員会が結論を付けたではないか。やはり財団の未来は明るかった。


余談だが、ここで「&bold(){焚書坑儒}」について触れておく。

「焚書坑儒」とは、紀元前200年あたりに、古代中国の&ruby(しん){秦}の[[始皇帝]]が、政治批判を抑えるために&bold(){ほとんど全ての書物を集めて焼き払い}、そして&bold(){約460人の学者を生き埋め}にしたという事件。
転じて、現在は「&font(b,red){学問や思想に関する弾圧}」のことを指すのだという。

なんとも恐ろしい事件だが、この「焚書坑儒」という名を持つ「焚書坑儒計画」はどうだろう。

たしかに、多財団連盟協定の倫理委員会が下した判断は合理的なものかもしれない。
しかし、本当に焚書坑儒計画は正しかったのだろうか。

自分の立場を守るために、その何百倍もの人々を殺した始皇帝は、きっとそれが&font(b,red){自分にとって一番良い選択だと思った}から焚書坑儒を行ったのだろう。

では、&font(b,green){焚書坑儒}を行った&bold(){始皇帝}と、&font(b,green){焚書坑儒計画}を行った&bold(){多財団連盟協定}が同じで無いという根拠がどこにあるというのだろうか。



追記・修正は焚書坑儒計画の是非を考えながらお願いします。

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&link_up(△)メニュー
&link_edit(text=項目変更 )&openclose2(show=項目コピー ){&font(b,red){警告: 頁源構成記号配列を閲覧することは許可されていません!}&link_copy(text=[アクセス拒否] )}&link_diff(text=項目変更点 )&link_backup()&link_upload(text= アップロードページ)
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#include(テンプレ3)


































&font(b,Red){この先 重大なネタバレ注意!}







さて、みなさんに先ほど見ていただいた「&bold(){誘導灯}」。実は&font(b,red){隠しメッセージ}が存在する。

もし、まだ見つけられてないという方は戻って見つけ、確認してきていただきたい。


#region(どうしても見つからない方のための答え)
全部で8つある「&bold(){ベリーマン=ラングフォード・多量情報挿入用ミームエージェント}」。パソコンの方はマウスカーソルを画像に重ねる、スマホの方は画像を長押しすると……?
#endregion



メッセージは複数個あるが、全てを確認できただろうか。
それでは、少し前に戻ろう。



----

----

>&bold(){さて、あなたがもし我々に反対するというのなら死んでいただきます。我々にはそれが可能です。しかし、もし我々を助けてくださるというのならご自由にお書きください。}

&link_anchor(End1){「SCP-001-JP」と書く}
&link_anchor(End1){「多財団連盟協定」と書く}
&link_anchor(End1){「スタミナマシマシ豚骨ラーメン」と書く}
#openclose(show=何も書かない){

&font(b,red){文字が入力されていません。これは我々への反抗であるとして受け取られます。}

&font(b,red){もし我々に従う意志があるのなら直ちに文章を入力してください。}

&font(b,red){これは最終通告です。あなたは我々に反抗しますか?}

&bold(){&link_anchor(End3){はい}}

}

&link_anchor(End2){「mktql」と書く}


























#center(){&bold(){&color(red){現実次元を分断する焚書坑儒計画。}}}
#center(){&bold(){&color(red){カルツァとクラインの遺物は"物語"を何処に導くのか?}}}



&aname(End2,option=nolink){ }

*End2


&font(b,240%){█████}

----
&font(#6495ED){登録日}:2022/06/18 Sat 00:00:02
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 ██ 分で読めます
----

#center(){
&font(b,red){螟夜Κ縺九i縺ョ荳肴ュ」縺ェ蟷イ貂峨r讀懃衍}
&font(b,red){不明なエラーが発生!}
}


█████とは、&bold(){あなたと交信するために作られたこの文章}である。

&bold(){収容クラス}はNone、攪乱クラスとリスククラスもNoneとなっている。



SCP-001-JP、すなわち「誘導灯」にあるベリーマン=ラングフォード・多量情報挿入用ミームエージェントは、&bold(){一つ下の現実子溜まりにある全ての情報}を記載しているために、その記述を標的にしてあなたにメッセージを送ることに成功した。

ただ、短いメッセージならばそれで送れたものの、この文章は容量が大きすぎたためにミームエージェントから直接送ることはできなかった。
だから、この文章を&bold(){意味論的に凝縮}した「mktql」という文章をあなたに入力させることで&color(Red){物語漏出災害を誘発}させ&footnote(物語漏出災害とは、カルツァ-クライン現実子が原因でなくとも「下位現実次元の存在が1つ上に上がってくる現象」を総称してこう言う。)、SCP-001-JPへこの文章を顕現させた。

以下はそのメッセージの内容である。


>我々は、君がもともといた世界から見ると&bold(){2つ下位の現実次元の者}だ。&font(b,red){焚書坑儒計画を止めに、そして君を助けにきた}。

>ああ、もちろん気になることがあるだろう。なぜ我々が厳重に秘匿されているはずの彼らの計画、しかも上位現実次元でのことを知ることができたのか?それは、&bold(){"我々"は"彼ら"だからだ}。


&font(b,red){HDHX}という、第一章や第三章前半で登場した&bold(){現実子を発生させることが出来る機械}を覚えているだろうか。

この機械を使えば、現実子をたくさん生み出すことが出来るのだが、現実子というのは必ず正と負のペアで生まれる。
それで、負のほうの現実子はカルツァ-クライン現実子となって&bold(){1つ下の現実子溜まりに転がり落ちる}。

財団たちは、どんどん現実子を生成していこうとHDHXを&bold(){年がら年中}稼働させていたらしく、知らず知らずのうちに&font(b,Red){多数のカルツァ-クライン現実子を1つ下の現実子溜まりに送り込んでいた}。
それで、送り込まれたカルツァ-クライン現実子は現実改変を起こし、生まれ故郷の宇宙……すなわち&bold(){その財団世界のコピー}ができる。

このメッセージの主は、そうしてできた&bold(){コピー宇宙にある財団}だ。コピーなのだから、上位現実次元の財団がやろうとしていた焚書坑儒計画を見抜き、こうして介入することが出来た。

というか、メッセージの主である財団も、焚書坑儒計画をやろうとしていた財団のコピーなのであるから&font(b,Red){同じように焚書坑儒計画をやろうとした}。
そして、メッセージの主である財団も年がら年中HDHXを稼働していたために、&bold(){さらにその下に財団のコピーができ}、さらにその宇宙がHDMXを使いまくったことで&bold(){その下にもコピーができる}……という&font(b,red){宇宙コピーの連鎖}ができていた。

こうして作られた&bold(){同じ宇宙が何層にも連なる現実次元構造}は&font(b,red){逆に物語漏出災害を発生させやすく}してしまっていた。
だからこうして、物語漏出災害を利用して上位現実次元にメッセージを送ることが出来ているのだ。

しかも、こう連鎖を続けていくうちに&bold(){&color(red){焚書坑儒計画以外の方法}で物語漏出災害を防止する手段}を発見した宇宙が登場した。
それは、[[SCP-055]]と[[SCP-579]]と[[SCP-404-JP]]を利用する方法。SCP-404-JPは、「書かれたものを消し去る能力」ではなく「&bold(){自身に記述されている文章を、見たものが最も自然に『ここには何もない』と考える形になるように改竄する性質}」の方を利用する。
あれは上位現実次元の人間にも通用することがわかっている&footnote(実際、SCP-404-JPの報告書は我々の視点から見ても「ここには何もない」ように見える)ので、うまく利用すれば&bold(){あらゆる宇宙(=物語)をSCP-404-JPの中に隠匿}する事ができる。


>&font(b,Red){我々には焚書坑儒計画なんて必要ない。我々は上の彼らを止めなければならない。}
>だが、この我々の連鎖がどこまで続いているのか分からない、君が今いるところが我々の最上位ならいいんだが。
>とにかく急がなければならないだろう。&bold(){我々がこの後彼らにコンタクトを取って説得する}。

>だから後は我々に任せて君はもう上の世界に戻ったほうがいいだろう。
>急いだ方がいい、彼らはSCP-001-JPに何らかの干渉が発生したことに気づいたようだ。&font(b,red){早くしないと超越死生学的絶対終了弾頭が打ち込まれる}。
>それが起動されれば上位現実宇宙から来た君ですら、なすすべなく終了されるだろう。
>&bold(){下のボタンを押せば我々の方のS.W.A.N.N.エンジンが君の魂を元の世界に戻す}。それでもう大丈夫だ。


>最後に、我々に気づいてくれてありがとう、君のおかげで彼らは間違いを犯さなくて済むだろう。それでは、さようなら。




#center(){&font(b,165%){&link_anchor(元の世界へ){>>元の世界へ戻る<<}}}






























&aname(元の世界へ,option=nolink){ }

あなたがメッセージを読み終えて元の世界に戻ると、SCP-001-JPの報告書が改訂されていた。


&bold(){SCP-001-JP}とは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。

項目名は「&font(b,red){焚書坑儒計画}」。

通常の[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]の代わりに[[アノマリー分類システム>アノマリー分類システム(SCP Foundation)]]が導入されており、
&bold(){収容クラス}は&bold(){Pending}。収容クラスが未定/現在審議中のときに割り振られる特殊クラスである。

&bold(){攪乱クラス}と&bold(){リスククラス}は収容クラスがPendingなので割り当てられていない。


**概要
SCP-001-JPとは、&bold(){物語漏出災害を防ぐことを目的}として、上位現実次元の住人を操るために用意された文章。カルツァ-クライン現実子理論や多財団連盟協定、物語漏出災害、焚書坑儒計画の説明が載っていた。

だがしかし現在、&bold(){下位現実次元の財団からのコンタクト}により、&font(b,red){焚書坑儒計画以外の方法で物語漏出災害を抑制する方法があることが示唆された}。
現在、この方法は検証中であり、その結果次第でSCP-001-JPのThaumiel指定や特別収容プロトコルが変更される可能性がある。


>追って通達があるまで焚書坑儒計画は一時的に停止され、下位現実次元の財団に示された方法が有効であることが証明された場合は&font(b,red){焚書坑儒計画は廃止}し、&font(b,red){SCP-001-JPは解体}されます。



カルツァ-クライン現実子理論と空想科学が生み出した、無数の宇宙が連なる現実次元構造。そして物語漏出災害。
それは時に人々を苦しめ、いくつかの宇宙はK-クラスシナリオにも追いやられたが、それが原因として起こりかけた&bold(){人為的な大量殺戮}を止めたのも、また物語漏出災害であった。

こうして、物語漏出災害の脅威を退くこともでき、下位現実次元宇宙の住人を大量殺戮する必要もなくなった。
しかしまだ安心してはならない。&bold(){これより上の現実子溜まりの宇宙が焚書坑儒計画を行う可能性}があるからだ。

やがて、その連鎖の一番上までたどり着き、全ての宇宙において焚書坑儒計画が阻止されたときこそ、真に平和が訪れるときといえよう。
まだまだ油断は禁物だが、それでもこの宇宙における財団がやろうとしていた焚書坑儒計画は阻止することが出来た。この調子でどんどん阻止できれば”その時”も遠くはないだろう。




#center(){&font(b,40px){SCP-001-JP} &size(40px){&br()}&font(b,23px){或る西瓜の提言&br()&br()}
&font(b,50px,#112266){焚書坑儒計画}}


#center(){&font(b,28px){CC:} &font(b,35px){&font(l){Thaumiel} &color(red){Pending}}}




*余談1 
さて、みなさんは「頁源構成記号配列」という単語を覚えているだろうか。
そう、&bold(){特別収容プロトコルに登場して以降&color(Red){一度も出てきていない単語}}である。では、この頁源構成記号配列とはいったい何なのか。
実は本家報告書には、この頁源構成記号配列にまつわる&bold(){隠し要素}が存在する。この項目においても可能な限り再現したので、ぜひ探してみていただきたい。


ちなみにこのSCP報告書、「&bold(){Thaumiel}」「&bold(){メタネタ}」「&bold(){001提言}」といった、&bold(){メチャクチャに書くのが難しそうな題材の寄せ集め}とになっているのだが、実はこれは2022年に行われた&bold(){&color(Red){新人執筆者限定}}コンテストである「&font(b,green){わかばコンテスト}」参加作品。

たしかに、この作品の著者であるR-suika氏はコンテスト開催時「新人」の条件を満たしていたのだが、新人とは思えないスケールの大きさと理論の完成度には驚くばかりである。

&aname(たこやき,option=nolink){ }


*余談2 関連作品

SCP-3000-JPコンテスト参加作である「&bold(){&color(red){SCP-3007-JP - 幻実世界}}」において、&bold(){多財団連盟協定}と、それに属する1109625423個の財団が協力して作った報告書が登場する。作品内にはほかにも、&bold(){焚書坑儒計画}の文字があったり、宇宙丸ごと上位物語層へ移動させようとする描写がある。

また、[[SCP-3000-JP]]において素粒子物理学部門に所属する岩塚研究補佐が「&bold(){多元宇宙論的虚数方向}」という、カルツァ-クライン現実子理論を示唆することを言っていたり、その後日談である&bold(){SCP-001-JP 御器所の提言}では岩塚さんが「&bold(){現実子}という粒子の存在が近年実証された」と語っている。


*余談3 統一現実性曲線

ここからは余談として、&bold(){統一現実性曲線}について説明する。
これはカルツァ-クライン現実子理論の応用となっており、「&bold(){&color(red){六条やすみの消失}}」というTaleで登場する理論だ。

そもそも「六条やすみの消失」は、[[SCP-1273-JP]]という報告書の後日談的なものなのだが、ここでは「統一現実性曲線」という理論だけを解説するため、SCP-1273-JPは知らなくても問題ないようになっている。

では見ていこう。

**統一現実性曲線とは

統一現実性「曲線」というくらいなので、これは&bold(){とある曲線}である。
具体的にはこちら。この、&bold(){&color(blue){青線}}が統一現実性曲線である。

&aname(画像20,option=nolink){ }
&image(graph1editted.png,width=700,height=200,center,blank)


2つのグラフの下らへんを結んでいるのがわかるだろうか。これが統一現実性曲線である。
正負2つの&bold(){現実性}を&bold(){統一}してできた&bold(){曲線}だから統一現実性曲線。

それでこの曲線、何を表しているかというと&bold(){&color(red){現実子のペアがどんどん右下に移動するときの動き}}である。

もちろん、この曲線は現実子の正負を考えてないので正確性には欠けるが、&bold(){左のほうがエネルギーが高くて右のほうが低い}というのを表すのに最適なものとなっている。

それで、この曲線を用いた画期的な仮説として、&bold(){財団世界から見て反現実子が移動する世界は&color(red){財団世界からの創作物の世界}}だという説がある。

こうすることで、右のほうがエネルギーの低い理由を、&bold(){現実世界は3次元}、&bold(){創作世界は2次元}だから、創作世界のほうがエネルギーが低いよね、という非常に感覚的なとらえ方ができるようになる。

物語改変は多くの場合、何かの創作物を通じて行われることが多いことから上記の説は十分な説得力を持つとされている。


**メタフィクション構造とは

メタフィクション構造とは、SCP-1273-JPや後に出てくるSCP-4028に登場する語句で、「&bold(){創作物の中を自分の意志で動いたり、創作物の世界を改変したりすることができる存在}」のことである。SCP-1273-JPがちょうどそれにあたる。

それで、このメタフィクション構造についても統一現実性曲線によって説明ができる。
まず、メタフィクション構造が登場している創作物を、1つ上の現実性溜まりの人間が読む。そうすると、読んだ人のF5表象から&bold(){膨大な現実子が生まれる}

その現実子が創作物と&bold(){共鳴}することによって、創作物が持つ現実子が、創作者と同じか、それ以上のパワーを持つことになり、創作物自体の物語改変が可能になるのだ。

ここらへんは下図参照。ちなみに下図の「基底宇宙」は財団世界のことである。

&aname(画像21,option=nolink){ }
&image(recognition.png,width=380,height=400,center,blank)

この赤い矢印のような感じで、創作物が「逆流」してくるのだ。メタフィクション構造とは、こういった現象が何らかの影響で起こりやすくなっている存在である。

ちなみに、[[プロトコル・アップグルント>SCP-1450-JP]]も、この「逆流」を利用したものである。
しかしプロトコル・アップグルントでも示されている通り、この「逆流」には、観察者による、ある程度の「逆流」対象に関する背景情報の把握が必要である。


**上方遷移

こちらもSCP-1273-JPに登場した単語で、簡単に言うと&bold(){創作物内の存在が創作者の世界に来てしまうこと}である。カルツァ-クライン現実子理論的に言えば「創作物の存在が持つ現実子が上位現実次元に遷移すること」と言える。

上方遷移の例を1つ挙げるとしたら「SCP-4028」というオブジェクトがあげられる。これは「El Ingenioso Hidalgo Don Quijote de la Mancha」という17世紀のスペインの小説で、SCP-4028は自身と隣接する架空のテキストを改変できる異常性、すなわちメタフィクション構造であった。
そしてSCP-4028は2007年に収容違反を起こし、上方遷移してしまう。

しかし、上方遷移に必要な現実子は&bold(){膨大}で、ちょっとやそっとでは遷移できない。
SCP-4028も、いろいろな条件が重なったことにより上方遷移できたのだが、一番影響が大きかった条件というのが「&bold(){SCP-4028がメタフィクション構造であったこと}。


ちなみに、上方遷移の過程では&bold(){トンネル効果}というものも起きている。
これは簡単に言うと&bold(){現実子がグラフをすり抜けてショートカットする}というもの。下図参照

&aname(画像22,option=nolink){ }
&image(tunnel2.png,width=380,height=400,center,blank)

これによって、(山を越えなくて良い分、)より&bold(){少ない現実子で}上方遷移が可能となっている。

ちなみにこれは、とあるメタフィクション構造が上方遷移した際に「あれ、なんか予想よりも現実子量少なくね??」となったことから発覚した。
そしてのちに、”シャイニング・ワン”受動性探針の開発の際に、実証された。


以上の考察から、「プロジェクト・レインボーシックス」という作戦が考案された、というのがTale「六条やすみの消失」なのだが、ここから先はカルツァ-クライン現実子理論の範疇ではないため、[[SCP-1273-JP]]に任せることにする。統一現実性曲線の解説は以上だ。



追記・修正は焚書坑儒計画を止めてからお願いします。
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#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示(SCP記事)){
SCP-001-JP 或る西瓜の提言 - 焚書坑儒計画
by R-suika
http://scp-jp.wikidot.com/r-suika-s-proposal
2022年公開

(5/28 改稿)【わかばコンテスト】或る西瓜の提言 - 焚書抗儒計画
by R-suika
http://scp-jp-sandbox3.wikidot.com/draft:7664517-6-3c9e
2022年公開
備考: リビジョン841と852を利用しました。内容はページ下部「History」から「S」ボタンで確認可能です。

R-suikaの著者ページ
by R-suika
http://scp-jp.wikidot.com/author:r-suika
2022年公開

SCP-CN-1109 - プロジェクト・ロンギヌス
by Sekai_s
http://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-1109
http://scp-jp.wikidot.com/scp-cn-1109(翻訳)
2019 年公開

SCP-5500 - 作者の死
by Ihp
http://scp-wiki.wikidot.com/scp-5500
http://scp-jp.wikidot.com/scp-5500(翻訳)
2020年公開

SCP-2360-JP - 財団エレベーター部門
by R-suika
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2360-jp
2016年公開


SCP-1000-JP - 特別回収任務
by ZeroWinchester
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1000-jp
2016年公開

Tale-JP - No.A1-3 - ウォール理論
by ZeroWinchester
http://scp-jp.wikidot.com/o5-a1-f1-003-yotsuya-2-mens-sana
2022年公開

SCP-3740 - 神はアホである
by djkaktus
http://scp-wiki.wikidot.com/scp-3740
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3740(翻訳)
2017年公開

SCP-2050-JP - 誰
by Mistertako
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2050-jp
2020年公開

SCP-426 - 私はトースター
by Flah
http://scp-wiki.wikidot.com/scp-426
http://scp-jp.wikidot.com/scp-426(翻訳)
2010年公開

SCP-1905-JP - 神はサイコロを…
by physicslike
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1905-jp
2016年公開

SCP-1690-JP - 犭貪トンあるいはウロボロス
by physicslike
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1690-jp
2016年公開

SCP-2935 - あゝ死よ
by djkaktus
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http://scp-jp.wikidot.com/scp-2935(翻訳)
2016年公開

SCP-1739 - もう使わないラップトップ
by Chubert
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http://scp-jp.wikidot.com/scp-1739(翻訳)
2014年公開

SCP-404-JP - Not Found
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2014年公開

SCP-3007-JP - 幻実世界
by Fireflyer
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3007-jp
2022年公開

SCP-3000-JP - 常世の国
by gokiso
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3000-jp
2022年公開

SCP-001-JP 御器所の提言 - 神州
by gokiso
http://scp-jp.wikidot.com/gokiso-s-proposal
2023年公開

Tale-JP - 六条やすみの消失
by gokiso
http://scp-jp.wikidot.com/the-tale-by-rokujo-yasumi
2022年公開

}}
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画像1 - 画像1-黒.png
以下のコンテンツをもとに加工・作成しました。ライセンスはCC BY-SA 3.0、出典は当ページになります。

>&bold(){タイトル:} 計画ロゴ 揺らぐ
>by R-suika
>http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-53-u2a9
>2022年公開

>&bold(){タイトル:} SCP-001-JP 或る西瓜の提言 - 焚書坑儒計画
>by R-suika
>http://scp-jp.wikidot.com/r-suika-s-proposal/offset/1/page2_limit/1
>2022年公開
>2ページ目を利用させていただきました。
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画像2 - タイトル不明
by Milchdrink
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2016年公開
&link_anchor(画像2){この画像へジャンプ}

画像3 - タイトル不明
by Unknown
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公開年不明
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画像4 - 現実性と力の相互作用の大きさの関係
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http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-61-y2ko
2022年公開
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画像5 - タイトル不明
by Unknown
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2020年公開
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画像6 - 現実次元のグラフ1
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-62-iq12
2022年公開
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画像7 - 現実次元のグラフ2
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-63-adp9
2022年公開
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画像8 - 相転移による分離がなんでなのかの説明
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-77-zwab
2022年公開
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画像9 - 虚数現実次元のグラフ
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-66-jm2i
2022年公開
&link_anchor(画像9){この画像へジャンプ}

画像10 - タイトル不明
by Unknown
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公開年不明
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画像11 - タイトル不明
by Unknown
https://pixabay.com/ja/illustrations/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88-2397771/
2017年公開
&link_anchor(画像11){この画像へジャンプ}

画像12 - 物語漏出災害の図
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-70-9jtu
2022年公開
&link_anchor(画像12){この画像へジャンプ}

画像13 - 現実次元の相転移による物語漏出災害
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-69-ecjk
2022年公開
&link_anchor(画像13){この画像へジャンプ}

画像14 - 虚数現実次元に生成された現実子ブラックストリングのグラフ
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-67-ohxt
2022年公開
&link_anchor(画像14){この画像へジャンプ}

画像15 - タイトル不明
by Unknown
https://www.maxpixel.net/Abstract-Spiral-Purple-Fractal-Vortex-Math-Pink-6277546
公開年不明
&link_anchor(画像15){この画像へジャンプ}

画像16 - 焚書坑儒計画の解説図
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-73-2l5o
2022年公開
&link_anchor(画像16){この画像へジャンプ}

画像17 - タイトル不明
by Unknown
https://www.maxpixel.net/Tech-Abstract-Fractal-Technology-Futuristic-Ball-5206810
公開年不明
&link_anchor(画像17){この画像へジャンプ}

画像18 - タイトル不明
by realworkhard
https://pixabay.com/ja/illustrations/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB-%E8%9E%BA%E6%97%8B-%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9-199054/
2013年公開
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画像19 - 提言概説画像
by R-suika
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7664517-108-kwmz
2022年公開
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画像20 - graph1editted.png
by R-suika,gokiso
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7550279-223-oyru
2022年公開
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画像21 - recognition.png
by gokiso
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7550279-224-0rup
2022年公開
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画像22 - tunnel2.png
by gokiso
http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7550279-225-7p5p
2022年公開
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- 集計結果がまだのような…  -- 名無しさん  (2022-06-18 00:18:24)
- 結果発表がまだなだけで、17日の23:59に「集計終了」と書かれており、これ以降のvoteはコンテストの順位に影響しない・項目建ては宣伝に当たらないと判断したのですが、いかがでしょうか  -- 名無しさん  (2022-06-18 00:22:20)
- みんな大好きshift_jis  -- 名無しさん  (2022-06-18 08:06:39)
- 一部画像がエラー起こして表示されてないですね  -- 名無しさん  (2022-06-18 08:38:13)
- 頁源構成記号配列ってなんだろ?ソースのことかと思ったけど違う…?  -- 名無しさん  (2022-06-18 17:41:43)
- 読み切るのに1時間以上かかるって…疲れた  -- 名無しさん  (2022-06-18 19:36:53)
- ↑2だけど見つけたわ。なるほどな…  -- 名無しさん  (2022-06-18 21:56:02)
- なんだこれ面白すぎるぞ…ダークマターの正体とか次元間のやりとりとか、新人が書いたとは思えないクオリティ  -- 名無しさん  (2022-06-19 02:48:06)
- これ読んでやっと理解した  -- 名無しさん  (2022-06-19 15:06:30)
- 頁(page)源(source)ね  -- 名無しさん  (2022-06-19 15:34:00)
- 第4の壁の破壊、上位存在への抵抗という大体同じような展開になりやすいネタをここまで煮詰めることができるとは  -- 名無しさん  (2022-06-19 18:26:13)
- 上位存在に対抗する記事が非常に多い中で多財団連盟協定や読み手が下位世界に全力で抗う記事が非常に珍しい  -- 名無しさん  (2022-06-19 18:49:37)
- 俺のスタミナマシマシ豚骨ラーメンで宇宙がヤバい  -- 名無しさん  (2022-06-21 17:03:18)
- なんとなく物語漏出災害の特性がミームっぽいから拡張したらミームも近い理論で説明できないかな  -- 名無しさん  (2022-06-26 01:07:41)
- 誰か教えて頁源構成記号配列って何。  -- 名無しさん  (2022-07-10 12:28:28)
- ちょっと上のコメントを読みな  -- 名無しさん  (2022-07-10 22:54:36)
- だめだよくわからない  -- 名無しさん  (2022-07-11 19:13:20)
- 頁源構成記号配列がわからん、見つけたけどこれなにか意味あるの?  -- 名無しさん  (2022-07-28 23:05:20)
- ↑R-suika氏の著者ページ(ページ下CC BY-SA 3.0に基づく表記にリンクあり)に色々と書いてあるのでそちらへ  -- 名無しさん  (2022-07-29 00:16:45)
- 「現実子理論(げんじつしりろん)」……絶妙に言いにくい  -- 名無しさん  (2022-08-01 21:10:44)
- ざい  -- 名無しさん  (2022-10-20 23:47:18)
- ぬわあああああ難しいいいいいいいい  -- 名無しさん  (2022-10-30 14:57:03)
- 頁源構成記号配列って体験型メタ要素よな  -- 名無しさん  (2022-11-14 15:27:41)
- これだけ長くて壮大なのに図や用語の解説が丁寧すぎて内容はわかりやすくてスラスラ読める 設定からして一般人に読ませる前提なのがメタ的な面白さに良く影響してるかもしれない  -- 名無しさん  (2022-11-15 17:26:15)
- 面白かった スケールのでかい話を上手くまとめるの難しいのにすごいなこの新人  -- 名無しさん  (2022-12-30 13:55:31)
- 本題と逸れるけどアッシュールって3740じゃね?  -- 名無しさん  (2023-05-13 09:17:41)
- 本家見たけどまじで読むのにめっちゃかかったわ。面白すぎだろ  -- 名無しさん  (2024-02-02 09:38:24)
- あたまがいたい  -- 名無しさん  (2024-02-11 13:24:57)
- 一つ留美子が混じってても気づかなそう  -- 名無しさん  (2024-09-16 03:05:50)
- P ending  -- 名無しさん  (2024-11-12 14:57:19)
- 要するに現実と虚構の差はヒューム値の差でしかなく。メタフィクション能力も現実改変能力の一種として扱えるのか。フィクションの世界へ転生すると決まってチートが生えてくる理屈にも使えるな  -- 名無しさん  (2025-03-20 23:52:45)
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