&font(#6495ED){登録日}:2025/07/16 wed 11:26:05 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){おお、前よりも随分と賢そうな顔になったじゃあないか。}} SCP-019-JPはシェアード・ワールド『[[SCP Foundation]]』に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。 [[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&font(red,b){Keter}……からの&bold(){Neutralized}。 かつては安全な収容は不可能とされていたが、現時点ではすでに無力化済み。 *概要 まず、このオブジェクトが何だったかから順を追って説明しよう。 これはかつて、典型的な堕落した[[現実改変能力者>現実改変(SCP Foundation)]]であった。 ざっくり言うと、&bold(){ある日突然現実改変能力を手に入れ、それを使って悪行三昧していたクズ}。 つまりは[[GOC>世界オカルト連合(SCP Foundation)]]の言うところの「フェーズ4:お子様神」、欲求を満たすためだけに我儘に能力を振るう末期症状である。 自分のことを救世主だと豪語しているが、数多くの窃盗、暴行、殺人、強姦、[削除済]を犯していたまごうことなき極悪人で、それを指摘されると逆ギレして能力を暴走させて暴れ出すという救いようのなさであった。 同時にIQ300を自称しているが、実際の知能はかなり貧困。まあ、当然と言えば当然か。 さて、こんなヤツが収容された経緯はというと、財団職員が参加していた結婚式に乱入し、&bold(){職員や赤ちゃんを含む18人を殺害、7歳児含む女性4人を強姦、駆けつけた警官隊まで虐殺した}のを、財団の対現実改変能力部隊に発見されたからという胸糞の悪くなるにも程のあるとんでもないもの。 しかもこれ以前にも似た様な事件を十数件起こし、現実改変で揉み消していた模様。 ……筆者も書いていてイラついてきたので、ここからは「コイツ」名義で統一させてもらう。どうせ本名も分からんし。 そんな奴を財団も放っておける訳が無く、上記の部隊により収容した訳だが、 当のコイツは&bold(){「財団に協力してやるために捕まってやっている」}とほざいており、実際に何度か他オブジェクトの収容違反を能力で妨害したりしている。 しかしその度に「財団の特殊部隊」に自分を採用しろと脅迫し、受け入れられなければ暴れる始末。 ここまでくると、オブジェクトの収容違反もコイツが現実改変で起こしたのではなかろうかと疑いたくなってくる。 *インタビュー そんな厄介者であっても、意思疎通が可能な以上情報取集のためにインタビューし、記録に残さなければならない。 とはいえ……こんな救いようのないアホなので、どんな会話が繰り広げられているかは想像が付くと思う。 上記の説明に不快感を覚えるようなら読み飛ばしてもらっても構わない。特別この後の説明に影響がある訳でも無し。 >&font(b){SCP-███-JP ((数字の部分が隠されているのはどうか無視していただきたい……)) :} せっかく捕まってあげてるのに、退屈で仕方ないよ。ねえ博士、ちょっとさあ、財団の特殊部隊で僕を使ってみてよ。 > >&font(b){███████博士:} こんにちはSCP-███-JP。その質問に対する回答は否です。あなたの行動を鑑みてください。 > >&font(b){SCP-███-JP:} へっ。僕の行動のどこに法律違反があるんだ? んー? 超能力で殺人を行ったことを法的に立証できるのかい? ああん? 言っとくけどさ、僕が能力を使った相手はみんなこう言ってるんだよ、「殺してください」、「突っ込んでください」(SCP-███-JPは女性のものと思われる声真似をした)とかね。あはは、合意なんだよ、ぜーんぶ。 > >&font(b){███████博士:} なるほど。ところで、あなたはどうやってその能力を手に入れたのですか? > >&font(b){SCP-███-JP:} んー、さぁ? ある朝起きたら突然超能力が手に入ったんだよ。アメコミみたいじゃないか! きっとこれは神様かなんかがさ、「お前はこれを使って好きなことをしていい」ってくれたんだよ。ラノベとか漫画でもあるじゃん、スーパーパワーを手に入れた主人公が暴れまくるって。で、そういうキャラはどんだけ暴れても許されるでしょ? だから僕も許されるわけよ。こんなパワーを貰ったんだから、有効活用しなきゃ! だから僕も特殊部隊に入れてよ、ほら! > >&font(b){███████博士:} そうですか。検討させていただきます。 まがりなりにもKeterクラスに分類されるほどの現実改変能力持ちだが、 シンプルにクズ、能力が危険、頭も悪い。現実改変能力者自体はこいつ以外にも存在する以上、わざわざこんなヤツの収容を続ける意味もないし、収容を続けたところでロクな事にならないのは目に見えている。 というわけで確保・収容・保護を目的とする財団も、コイツをとっとと終了することにしたのだった、&bold(){が……} *マヌケテルな無力化経緯 そうと決まれば経験豊富な財団。GOCほどではなくとも現実改変能力者の研究データも終了実績もいくつもある。 おそらくその手順に従いコイツを即死させようとしたはずだが、何らかのミスにより頸部を半ば切断するにとどまってしまった。 するとコイツは咄嗟に近くにいた実験動物の檻に入っていた&bold(){ボノボ ((チンパンジーの近縁種である類人猿。)) と首を取り替える}という現実改変を実行。それによって生き延びようと試みた。 しかし、&bold(){その瞬間コイツは呆気なく死亡}。 後にはボノボの頭と人間の胴体を持つキメラが残るのみだった。 そして、&bold(){ボノボが現実改変能力を使用。}やったことは……&bold(){首から下を元のボノボに変化させること}であった。 ボノボからしてみれば、突然自分の体が人間のものに変えられたので違和感が凄かったのだろう。元に戻りたいと思うのも当然である。 それ以降、ボノボは現実改変能力を一切使用していない。 というより、全身元のボノボに戻ったので異常性自体が消失してしまった模様。 要するに、&bold(){コイツの現実改変能力は首から下の肉体にだけ宿っていた}のである。 「IQ300の救世主」を自称していたクセに、&bold(){特別なのは胴体だけで、頭はサル未満}というのはなんとも皮肉なオチである。 と言う訳で、オブジェクトクラスはNeutralizedになり、特別収容プロトコルは ・サイト-8169にある大型動物収容房で飼育 ・隠しカメラによって映像を監視し、現実改変能力の行使があった場合直ちに報告 ・1日に2回、果実を中心とした類人猿用の餌を与える ・ストレスを軽減するため、適切な遊具と植物を設置し、3日に1回房内を掃除する ……という(監視以外は)動物園での飼育と同じものが敷かれるのであった。 そんなこんなでボノボ君改めSCP-019-JPはのんびりと飼われることになったのだが、無力化したはずのオブジェクトが復活したケースも存在するため、念のため監視は続けられている。 まあ、復活の心配はあるまい。だって、今のコイツは…… #center(){{&bold(){&sizex(7){SCP-019-JP}}}} #center(){{&bold(){&sizex(7){普通のボノボ}}}} なのだから。 *余談 [[現実改変>現実改変(SCP Foundation)]]の項目に詳しいが、基本として現実改変能力者は自分自身を対象に改変を行うことはできない。 にもかかわらずコイツが「自身とボノボの首を挿げ替える」なんてことができたのは、 胴体の方にあった現実改変を行う「ナニカ」が、コイツの意思を読み取りそれをもとに現実を書き換えていたからだったのだろう。 そういう意味ではなかなか貴重な現実改変者のサンプルだったと言えるかもしれない。 *類似オブジェクト ・SCP-531-D - ドリーマー コイツの元ネタかと疑うくらい似ている「薄っぺらい人間性の現実改変能力犯罪者」。 精神年齢の低い若い男性であり、能力を盾に財団に遊び道具だの女だのを散々要求して[[クレフ博士>クレフ博士(SCP Foundation)]]に処刑された。 ちなみに項目自体は「メアリー・スーそのもの」と酷評され速攻で削除されたが、 Tale「終了依頼」に処刑の様子が描かれ、「悪い現実改変能者とその末路」の典型として世界観に残ることになった。 ・[[SCP-425-JP]] - 草食い柳 テキストの「部首」を捕食することで形容した対象を現実改変させる一本の柳の木。 ちなみに本項目のコイツと負けず劣らずの自滅をしているが詳細は個別項目を参照。 追記・修正はボノボより賢くなってからお願いします。 ---- #right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){ SCP-019-JP - 普通のボノボ by tokage-otoko http://ja.scp-wiki.net/scp-019-jp この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 前に同じ内容の項目なかったっけ -- (名無しさん) &size(80%){2025-07-16 11:33:14} - 実は当初はかなり異なっていて、頭部を切断された結果能力が制御不能になって人間を無差別に攻撃するってオブジェクトだったんだよね。 -- (名無しさん) &size(80%){2025-07-16 11:38:00} - あるジョークオブジェクトの影響で「普通のゴリラ」に変化したことも。確保 収よウ ホ護 -- (名無しさん) &size(80%){2025-07-16 12:07:18} - ログ化したまま項目立てるな。ログ化したままコメントするな -- 名無しさん (2025-07-16 12:29:44) - ↑ 申し訳ありませんでした。訂正ありがとうございます。 -- 項目作成者 (2025-07-16 12:40:38) - いちばん↑「現実改変」の項目にコイツの記述があったので、それかと -- 名無しさん (2025-07-16 14:47:03) - もうある項目かと思ってた。まあ若いだけあってシンプルだし、たびたび口に上るからな -- 名無しさん (2025-07-16 16:34:17) - ちなみに実はコイツが生き延びてた(かも知れない)っていう設定のTaleもあるんだが……個人的にはコイツは「因果応報な死に方をしたマヌケ」で終わった方がスッキリするので、正直蛇足かなって -- 名無しさん (2025-07-16 17:24:58) - ↑ならそう思えばいい。他人がどう思おうとそれは他人の勝手。 -- 名無しさん (2025-07-16 17:28:49) - 能力の根幹が胴体の何処かにあったらしいが何処にあったんだろう -- 名無しさん (2025-07-16 18:03:38) - 首だけ能力がなかった、という方がオチとして笑えるから「首から上以外」が能力の根幹というのがいいな -- 名無しさん (2025-07-16 22:13:53) - 名前が伏せ字になってるのは「現実改変者(旧███-JP)が死んだことに伴い生じたボノボが019-JPに指定された」って過程からなんだけど、ややこしいから省いてるのかね -- 名無しさん (2025-07-17 03:24:28) - こいつ自体はただのクズだけど間接的に実験動物として近々殺されるかも知れなかったボノボを1匹救ってはいるんだよな -- 名無しさん (2025-07-17 04:18:56) - この記事だと途中でコイツ呼ばわりされているけど、インタビュー終了報告だと博士にもあれ呼ばわりされている。 -- 名無しさん (2025-07-17 05:46:52) - 能力持ちだったのは引きこもりではなく部屋自体の方だったってケースもあるからな。 -- 名無しさん (2025-07-17 23:38:23) - 終了手段が薬物による安楽死とかでなく「斬首」ってあたり財団職員の皆さんがどれだけ鬱憤を溜めていたかよくわかる -- 名無しさん (2025-07-17 23:56:38) - ↑薬物だと、効き始めるまでに何かやらかされる可能性があるからじゃない?斬首なら多分即死行けるかもだし -- 名無しさん (2025-07-17 23:58:49) - GOCも「遠距離からの暗殺(ライフルでヘッショとか)」が基本みたいだしそれが安牌なんだろうな -- 名無しさん (2025-07-18 01:53:22) - ↑の方の「能力の根幹~」筆者曰く「前立腺」ソースは「SCP財団10周年インタビュー企画」のパート13 -- 名無しさん (2025-07-18 09:25:27) - Taleの隠し文字は何? 元々はガチで神と同類だったけど改造された前立腺の現実改変で知性と品性が猿以下にナーフされてたってこと? -- 名無しさん (2025-07-19 07:34:47) - ↑2 少し違うが「脳ミソがち○こでできている」ってことか… -- 名無しさん (2025-07-19 22:49:14) - ボノボが「性的交渉でコミュニケーションを取る習性のある生物」というのがまた皮肉 -- 名無しさん (2025-07-19 23:49:54) #comment #areaedit(end) }