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スポンジケーキ - (2025/10/26 (日) 17:30:57) のソース
&font(#6495ED){登録日}:2010/11/07 Sun 16:05:48
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます
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&tags()
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スポンジケーキは[[ショートケーキ]]とかの中にある黄色い&font(#ffdc00){フワッフワッ}のあれである。
ケーキ作りをする際には避けては通れない登竜門的な存在である。
近年は[[炊飯器]]で簡単に作れたりお店で売ってたりするが、手作りが一番。
自分の手で丹精込めたケーキは自分、友人、愛する人にとって&font(#ff0000){最高のプレゼント}になるからである。
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#contents
*材料
&bold(){【スポンジ生地】}
分量
-卵 3個 ※Mサイズ(正味:約50g)
-砂糖 90g ※微粒子グラニュー糖は癖が無い甘さで溶けやすく、上白糖だと甘みやしっとり感が増す
-薄力粉 90g ※生地をしっとりとさせたい場合は70gまで減量調整可能
-無塩バター 15g ※生地に牛乳を入れない場合は30gまで増量調整可能
-牛乳 大さじ1(15ml) ※無塩バターと一緒に湯煎して温める
これは直径18cmのスポンジ型(6号)を使う前提の分量、そしてあくまで例なので、それぞれ持っている型、レシピに基づいた分量にする。
生地にバニラエッセンスかバニラオイルを加えたりすると香りが良くなる。目安量はメーカーによって異なるので、WEBサイトで確認した方が良い。
ココア風味のスポンジケーキにする場合は、薄力粉を90gから75gに減らして、ココアパウダーを15g加える。ダマになりやすいので、薄力粉とともにふるう。
抹茶風味のスポンジケーキにする場合は、薄力粉を90gから81gに減らして、製菓用の抹茶粉末を9g加える。ココアと同様に、薄力粉と合わせて2~3回ふるう。
コーヒー風味のスポンジケーキにする場合は、製菓用のコーヒーパウダー4.5gか顆粒状のインスタントコーヒー6~9g分を湯煎した牛乳に加えて溶かし入れる。
溶かしバターの温度は、プレーンなスポンジ生地だと50~60℃にすると混ぜ易くなるが、ココアパウダー入りの場合は乳化の都合上45℃程度に抑えた方が良いとされる。
生地をしっとりさせる工夫として上記以外の手段に、砂糖の分量を約1割くらい減らして水飴か[[蜂蜜]]を加える方法もあるが、粘性があるので湯煎して約40℃に温めた方が失敗し難い。
&bold(){【アーモンドパウダーを使用するスポンジ生地】}
分量(※括弧内はパン・ド・ジェーヌ風)
-卵 Mサイズ:3個(Lサイズ:3個)
-グラニュー糖 90g(90g)
-薄力粉 60g(不要)
-片栗粉 不要(50g)
-アーモンドパウダー 30g(90g)
-無塩バター 30g(50g)
-キルシュ 不要(30ml)
薄力粉の何割かをアーモンドパウダーに置き換えたスポンジ生地で、アーモンドパウダーは薄力粉あるいは片栗粉とともに振るう。
油脂分が多くなるのでリッチな仕上がりになるが、油脂分には消泡作用があるので通常のスポンジ生地よりも膨らみ難くなる。
パン・ド・ジェーヌ風は別立て法のスポンジ生地で、キルシュは溶かしバターの後に加えて混ざる。
&u(){※括弧内のパン・ド・ジェーヌ風は配合の分量が異なるため、オーブンの焼成設定は180度で25~30分くらいが目安になる。}
&bold(){【小麦澱粉かコーンスターチを使用するスポンジ生地】}
分量(※括弧内はヴィーナボーデン)
-卵 Mサイズ:3個分(Mサイズ:3個)
-グラニュー糖 90g(75g)
-薄力粉 60g(50g)
-小麦澱粉かコーンスターチ 30g(50g)
-レモンゼスト 不要(0.5個分)
-無塩バター 不要(25g)
-食塩 不要(ひとつまみ)
イタリアのパン・ディ・スパーニャやドイツのビスクイットタイクを参考にしている。
薄力粉の何割かを小麦澱粉かコーンスターチに置き換えた別立て法のスポンジ生地で、小麦澱粉かコーンスターチは薄力粉とともに振るう。
乳製品を入れないので軽い仕上がりになるほか、澱粉を含むことでほろりとした食感に変わり、アンビバージュもよく染み込むようになる。
油脂分が少ないので通常のスポンジ生地よりも劣化が早く、唾液量の少ない日本人にはパサつきを感じられ易くなるという欠点も併せ持つ。
ヴィーナボーデンは共立て法のスポンジ生地で、レモンゼストは卵を泡立てる時に入れて、溶かしバターは粉類と混ぜ合わせた後で加える。
&u(){※括弧内のヴィーナボーデンは配合の分量が異なるため、オーブンの焼成設定は180度で20~25分くらいが目安になる。}
&bold(){【アンビバージュ】}
分量
-水 30ml
-砂糖 15g
-洋酒 15ml ※キルシュ、コアントロー、ブランデーなどから選択する
保湿用のシロップで、スポンジ生地に塗って染み込ませる。
水と砂糖を煮溶かして沸騰してきたら火からおろし、冷ました後で洋酒を加えて作る。
子供用は製菓・製パン用のストロベリーエッセンスないしバニラエッセンスで香りを付けるか、蜂蜜や[[ジャム]]を薄めてシロップ代わりにする。
*調理用具
-泡立て機(ハンドミキサーを使った方が成功しやすい)
-計量スプーン(分量は正確にしないとだめ)
-はかり
-温度計(湯煎時の温度確認用)
-ボール
-ヘラ
-粉ふるい
-スポンジケーキ型
-クッキングペーパー
-鍋(湯煎やシロップ用)
-刷毛(シロップ類を打つ場合や切った時に出る欠片を払う場合)
-金網(ケーキクーラー)
など
*作り方
基本的にスポンジケーキを作る方法は2種類ある。卵を卵黄、卵白別々に泡立てる「別立て」と、そのまま泡立てる「共立て」の2種類。
別立ては「全体的に粗さと軽さがあり、&font(#ffdc00){フワッフワッ}度が高い」。
共立ては「全体的にキメが細かくシットリとしたテイスト」になる。
まぁどちらもプロがやるならいざ知らず素人がやってもそんなに大差はない。両方作ってみて好きな方を決めると良い。
手間と言う部分に関して言えば別立ての方が簡単だが、&font(#ff0000){愛情を持って作る上で「手間」と言う物がどれほどの意味を成すのか}は語らずとも理解できるであろう。
-&bold(){別立て}
1.卵黄と卵白に分け、卵黄に砂糖を加え泡立てる。
注意点として、卵白に黄味が混じらないようにすること。卵白の泡立ちが悪くなること必至。
砂糖は全体の2/3くらい加えるのが妥当。[[マヨネーズ]]みたく白っぽくなるまで充分に混ぜるべし。
2.卵白を泡立て、砂糖を加え、さらに泡立てメレンゲを作る。
使うボールや泡立て器は真っさらな綺麗なものを使う。じゃないと上手く泡立たなくなること必至。
泡立て器を上げた際に「角が立つ」ようになってきたら砂糖を数回にわけて加える。ここで&font(#ffdc00){フワッフワッ}が決まる。
成功か失敗かのターニングポイントと言っても良い。
3.装備を泡立て機からヘラに替える。卵黄を加え、ふるった粉を数回に分けて加えながら混ぜ合わせ、最後に溶かしバターを加える。肝である。
混ぜ過ぎると折角の&font(#ffdc00){フワッフワッ}のメレンゲが台無しになる。練らないように底のほうから「サックリ」混ぜる。
4.型に薄く分量外のバターを塗り、生地を流し込む。
生地の表面を均したら、こぼれないよう注意しながら作業台に2~3回くらい落として余分な空気を抜く。
出来上がった時に型にくっつく場合もあるため、型に油脂類を塗るだけでなく薄力粉を塗すか型紙を敷くのもあり。
オーブンはあらかじめ温めておく。基本。
5.竹串で刺して火の通りを確認したら、10~15cmくらいの高さから作業台に4~5回くらい落として籠った水蒸気を逃がす。
型ごとひっくり返して逆さまにした状態で金網(ケーキクーラー)に置き、粗熱が取れるまで待つ。
これらは冷める間に生地が萎むのを防ぐための処置である。
終了
-&bold(){共立て}
1.ボールに卵を割りいれほぐし、砂糖を加えダマにならないように混ぜ合わせる。砂糖はふるっておこう。
2.湯煎にかけて泡立てる。最難関。お湯の温度は60度くらいがベストそれ以上だと卵に火が通ってしまいダメになる。
砂糖が溶け次第湯から外し冷めるまで泡立て続ける。泡立て時に「ボールの底が見える」のが大体の目安。生地は最初の3、4倍くらいでモッタリしてると良い。
3.ふるった粉を入れつつ混ぜ合わせる。こちらもサックリやろう。
4.以降の工程は別立て法と同じである。
終了
-&bold(){焼く}
大体160~170度くらいで30~35分くらい。ここは各家庭のオーブンの仕様により異なる。慣れるしかない。
家電メーカー側のレシピ集で機種に対応した温度設定や加熱時間の目安を記載している例もあるため、確認できるなら公式に従った方が良いだろう。
竹串で刺して「何も付いて来なかった」が完成の目安。
冷ます時は固く絞った濡れぶきんをかけて、乾燥を防ぐ。型から外すのは触ってもOKなくらいにあら熱が取れてから。慎重に。
出来上がり。
出来上がりなのである。
大事なk(ry
後は好きに切ったりして生クリームを塗りたくるなりしてお好みのケーキを作ると良いだろう。
長崎のシースケーキ、イギリスのトライフル、イタリアのズッパ・イングレーゼといったようにカスタードクリームとの組み合わせも悪くない。
バタークリームも良いが、バター+粉砂糖か加糖練乳+バニラエッセンスのお手軽な作り方だと食べ進める内にくどくなりがちなので、酸味の強い果物も添えた方が無難である。
余談だが隣で作ってる人を見ても手伝わない方が良い。
人によっては自分のリズムを狂わせる邪魔者と認識される場合もある。そう言う時は大人しく待機、全てを終えた人にアフタヌーンティーなどで労おう。
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*海外のスポンジケーキ
スポンジケーキの元祖は、18世紀にジョノヴァ出身の菓子職人が製作し、スペイン王フェルナンド6世に振舞われたパン・ディ・スパーニャの原型とされている。
ただし似たような生地はそれ以前に確認されていて、ポルトガルの宮廷料理人が17世紀の史料に残したビスコウト・デ・ラ・レイナを起源とする説も唱えられている。
ちなみに日本のカステラもビスコウト・デ・ラ・レイナが先祖ではないかと推測している研究者が存在する。
フランスでは別立て法の生地をパータ・ビスキュイ、共立て法の生地をパータ・ジェノワーズに分類している。
辻製菓専門学校((2024年に辻調理師専門学校と統合済み。))監修の『科学でわかるお菓子の「なぜ?」 基本の生地と材料のQ&A231』では、スポンジ生地の解説でバターの配合量について、
共立て法は砂糖の80%、別立て法は砂糖の40%を上限にしているが、ピエール・ラカンや河田勝彦といった高名なパティシエの著書には上限を超えるレシピも記されている((ジェノワーズ・フィーヌ(ジェノワーズ・フォンダント)は全卵16個・砂糖500g・小麦粉500g・溶かしバター500g、マスコット・プラリネ用のジェノワーズは全卵4個・グラニュー糖125g・薄力粉125g・溶かしバター125gという基本配合で、砂糖類と溶かしバターが同量である。))。
#openclose(show=▼スポンジ生地の種類){
|>|~種類|~概要|
|~共&br()立&br()て&br()法|SIZE(12):&bold(){パータ・ジェノワーズ}|SIZE(12):全卵を共立てするスポンジ生地で、フランスでは1970年代まで主流だったという。&br()湯煎にかけて温めることで、卵の表面張力が弱まって泡立てやすくなり、生地の膨らみも増す。&br()基本的な配合比は、全卵1.92:グラニュー糖1:小麦粉1で&footnote(鶏卵は1個につき60g、卵殻7g、卵黄18g、卵白35gを基準にしていて、卵殻を含まない正味量だと配合比は1.696になる。)、バターを入れる場合は小麦粉の20~25%程度が目安量になる。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・オルディネール&br()(ジェノワーズ・コミューヌ)}|SIZE(12):溶かしバターを加えたジェノワーズで、バターの使用量は標準的。&br()基本的な配合比は、全卵1.92:グラニュー糖1:小麦粉1:バター0.5。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・ドゥミフィーヌ&br()(ジェノワーズ・ドゥミフォンダント)}|SIZE(12):溶かしバターを加えたジェノワーズで、バターの使用量がやや多い。&br()バターの添加温度を適度に高めることで、生地の膨化に対する悪影響を緩和させられる&footnote(日本洋菓子界の重鎮に数えられた大谷長吉は「バターを混ぜるときは、熱いくらいのを溶かして混ぜる」とアドバイスしており、日本家政学会誌に掲載された論文『スポンジケーキの性状におよぼすバター添加温度の影響』では同氏のアドバイスを裏付ける記述が確認できる。)。&br()基本的な配合比は、全卵1.92:グラニュー糖1:小麦粉1:バター0.75。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・フィーヌ&br()(ジェノワーズ・フォンダント)}|SIZE(12):溶かしバターを加えたジェノワーズで、最もリッチな配合である。&br()消泡作用を持つバターの使用量が多いため、充分に泡立てる必要がある。&br()基本的な配合比は、全卵1.92:グラニュー糖1:小麦粉1:バター1。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・ア・フロワ}|SIZE(12):湯煎せずに共立てするスポンジ生地で、キルシュを入れることもある。&br()基本的な配合比は、ジェノワーズ・フィーヌと同じ&footnote(『オーボンヴュータンの菓子 ベーシックは美味しい』ではマスコット用の湯煎せず攪拌する生地の配合についてジェノワーズ・オルディネールと記載していたが、『Le mémorial historique et géographique de la pâtisserie contenant 1600 recettes de pâtisseries, glaces et liqueurs』ではジェノワーズ・フィーヌを指定していて、生地の配合もジェノワーズ・フィーヌの方と一致する。)。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・オ・ザマンド&br()(ジェノワーズ・リッシュ)}|SIZE(12):パート・ダマンド・クリュ&footnote(皮を剥いて乾かしたアーモンドに同量のグラニュー糖か純粉糖を加えた非加熱のペーストで、卵白かシロップも加えて滑らかにしている。グルコース、香料、アルコールなどが添加されている場合もある。)ないしタン・プール・タン&footnote(ナッツ類を同量のグラニュー糖か純粉糖と合わせてミキサーで粉砕し、ローラーに掛けて作る。タン・プール・タンはアーモンドが一般的で、皮無しアーモンドを使う場合はタン・プール・タン・ブラン、皮付きアーモンドを使うタン・プール・タン・グリと呼ばれる。なお、数種類のナッツを組み合わせたり、粉末香料を加える例もある。アーモンドパウダーと純粉糖を混ぜ合わせて代用した場合、風味は劣る。タン・プール・タンは、パート・ダマンド・ア・セックやマジパンパウダーとも呼ばれている。)を使用するジェノワーズで、ザマンドはアーモンドを指している。&br()パート・ダマンド・クリュを使う場合は全卵やグラニュー糖と攪拌し、タン・プール・タンを使う場合は小麦粉と合わせる。&br()ジェノワーズ・リッシュは小麦粉の一部をコーンスターチに置き換えている。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・オ・ピスターシュ}|SIZE(12):パート・ド・ピスターシュ&footnote(ピスタチオペーストのことで、無糖タイプと加糖タイプがある。)ないしプードル・ド・ピスターシュを使用するジェノワーズで、ピスターシュはピスタチオを指している。&br()パート・ド・ピスターシュを使う場合は小麦粉と混ぜた後に加え、プードル・ド・ピスターシュを使用する場合は小麦粉と合わせる。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・オ・ノワ}&br()&bold(){ジェノワーズ・オ・ノワゼット}|SIZE(12):タン・プール・タン・ノワ&footnote(胡桃と砂糖を同割で細粉状に挽いた混合物。)、あるいはタン・プール・タン・ノワゼット&footnote(ヘーゼルナッツと砂糖を同割で細粉状に挽いた混合物。)かパート・ド・ノワゼット&footnote(ヘーゼルナッツペースト。)を使用するジェノワーズ。&br()パート・ダマンド・クリュやマイゼナ(コーンスターチ)と併用すれば、小麦粉を入れない生地も作れる。|
|~|SIZE(12):&bold(){ジェノワーズ・オ・フリュイ・コンフィ}|SIZE(12):刻んだ果物の砂糖漬けを生地に混ぜたジェノワーズ。&br()基本的な配合比は、全卵1.92:グラニュー糖1:小麦粉1:バター0.8:果物の砂糖漬け0.4。|
|~別&br()立&br()て&br()法|SIZE(12):&bold(){パータ・ビスキュイ}|SIZE(12):卵白を別立てするスポンジ生地で、メレンゲ作りの時に乾燥卵白や塩を加える場合もある。&br()粉類を加えた時、パータ・ジェノワーズは生地を押し出すようにして混ぜるが、パータ・ビスキュイは生地を切るようにして混ぜる。&br()基本的な配合比は、全卵2.16:グラニュー糖1:小麦粉1&footnote(鶏卵は1個につき60g、卵殻7g、卵黄18g、卵白35gを基準にしていて、卵殻を含まない正味量だと配合比は1.908になる。)。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール}|SIZE(12):コーンスターチ入りの生地を棒状に絞り出し、純粉糖を二度振ってから乾かすように焼き上げる。&br()シャルロットやイタリアのティラミスなどで使用したり、円形に焼き上げた生地はクリームやムースなどを挟むこともある。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・ルーレ}|SIZE(12):ガトー・ルーレ(ロールケーキ)用のスポンジ生地で、軽い食感にする時は小麦粉の一部をコーンスターチに置き換える。&br()丸口金付きの絞り出し袋で生地を絞り出して敷き詰め、純粉糖を振ってから焼く場合もある&footnote(生地を分けて、片方にココアパウダーを混ぜて、2種類の生地を交互に絞り出せば、ビスキュイ・パナシェと呼ばれる縞模様の生地も作れる。)。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・ビエノワ}|SIZE(12):タン・プール・タンを同量の卵黄と合わせてから卵白とともに攪拌する生地で、小麦粉は入れない。&br()後で加えるメレンゲには酒石酸(クリームオブタータ)を使用して、固めに仕上げる。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・ジョコンド}|SIZE(12):タン・プール・タンを全卵や小麦粉とともに攪拌する生地で、オペラなどで使用される。&br()伝統的な製法だとメレンゲ作りにグラニュー糖を加えないが、アンビバージュがよく染み込むよう気泡を大きくするためである。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・オ・ザマンド}|SIZE(12):SIZE(12):パート・ダマンド・クリュを全卵・卵黄・純粉糖とともに攪拌する生地で、ビスキュイ・ジョコンドよりも小麦粉やメレンゲの量が多い。&br()パータ・ビスキュイの製法に準じて、小麦粉の一部をアーモンドパウダーに置き換えて作る場合もある。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・ア・ラ・ピスターシュ}|SIZE(12):パート・ド・ピスターシュとビスキュイ・ジョコンドないしビスキュイ・オ・ザマンドを組み合わせた生地。&br()タン・プール・タンやパート・ダマンド・クリュを使用せず、通常のパータ・ビスキュイを基にする場合もある。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・サッシェ}|SIZE(12):ドイツ語で表記するとザッハー・マッセ、すなわちザッハー・トルテの土台となる生地である&footnote(フランスのサッシェは、コアントロー入りのアンビバージュを生地に塗り、アプリコットジャムをガナッシュで代用するレシピがある。)&footnote(チョコレートバタースポンジとして紹介される例は多いが、バターを入れないレシピもある。)。&br()パート・ダマンド・クリュやクーベルチュール&footnote(製菓用チョコレートの一種で、カカオ分35%以上(※カカオバター31%以上、カカオマス2.5%以上)かつ代用油脂5%未満の製品が該当する。カカオバターが40%程度だとコーティング、50%程度だと細工に向いていて、ガナッシュやガトーショコラなどでも使用される。)ないしココアパウダーと組み合わせる。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・オ・ショコラ・サン・ファリーヌ}|SIZE(12):サン・ファリーヌは小麦粉を入れない生地で、パート・ダマンド・クリュやクーベルチュールないしココアパウダーと組み合わせる&footnote(パート・ダマンド・クリュをコーンスターチで代用するレシピもある。両方とも加えずに作ることも可能だが、生地はだれやすくなる。)。&br()ガトー・ルーレ(ロールケーキ)にも使用される。|
|~|SIZE(12):&bold(){ビスキュイ・オ・フリュイ・セック}|SIZE(12):アーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、胡桃などの刻んだナッツを混ぜたビスキュイ生地。&br()フリュイ・セックは原義だとドライフルーツも包含しているが、ここで使用するのは種実類に絞っている。|
}
サヴォワ型で焼成するビスキュイ・ド・サヴォワやガトー・ド・サヴォワは別立て法の生地で、小麦粉だけでなくコーンスターチも入れている。
ドイツのビスクイットタイク(ビスクイットマッセ)やヴィーナボーデン(ヴィーナーマッセ)は小麦澱粉(浮き粉)を併用することもあり、ビスクイットタイクは油脂類が含まれない。
イタリアのパン・ディ・スパーニャはコーンスターチを使用する別立て法の生地で((パン・ディ・スパーニャはスポンジ生地の総称としても使われていて、共立て法の生地でも呼ばれることは珍しくない。))、油脂類を入れる共立て法の生地はパスタ・ジェノベーゼやパスタ・マルゲリータと呼ばれている((スパゲッティの料理名と被っているが、誤記ではない。単品で焼いて仕上げに粉砂糖を振った場合は、トルタ・パスタ・ジェノベーゼやトルタ・マルゲリータと呼ぶ。))。
欧米と日本ではスポンジケーキに配合する小麦粉が異なっていて、日本は肌理細かく製粉した灰分の少ない薄力粉で癖が少なくしっとりふんわりした生地を作るが、
欧米は中力粉に近い小麦粉を使う傾向があり、日本と比較して小麦の風味や旨みは強い代わりに肌理が粗く口解けも悪いものの香り付けしたシロップをたっぷり打って対策している。
#openclose(show=▼フランスにおける一例){
エコール・リッツ・エスコフィエでディプロムを取得した藤野真紀子が、受講中の体験談として以下のエピソードを語っている。
>リッツの場合は、日本でよくするようにジェノワーズ生地の最後に溶かしバターとか牛乳を入れませんから、仕上がりは当然のことながら、ややドライ。
>ですから、じかにクリームを塗ったら、食べたときに口の中でパサつき、モサっとした感じになってしまいます。
>そこで「bien bien imbibez(よーくしみ込ませての意味)」となる訳で、
>リキュールのたくさん入ったアルコール分の多いシロップを刷毛にたっぷりしみ込ませて、ジェノワーズがビショビショにぬれるくらいまで塗らないと気に入ってくれません。
>とくに端っこの、一段と乾いた部分にシロップをつけ忘れてしまったら、もう大変。
>まるでこの世の終わりのようなジェスチャーで、「非常に、非常に残念だ」と落胆されてしまいます。
&bold(){出典:『パリに行って、習ったお菓子』,藤野真紀子,鎌倉書房,1991年,P48}
}
日本では薄力粉と強力粉をブレンドして本場の再現を試みるパティシエもいたが、完全に代替できる訳ではなく、エクリチュールといった製菓用小麦粉の誕生に繋がった。
海外では、古くなった生地をティプシーケーキやプンシュトルテなどに調理したり、削ぎ落とした生地をケーキクラムに加工してデコレーションや菓子の素材に転用する。
なおアメリカのイエローケーキやホワイトケーキ、イギリスのヴィクトリア・サンドウィッチ、スペインのソバオ・パシエゴやビカ・デ・カストロ・カルデラス、
などもスポンジケーキとして紹介されることはあるが、シュガーバッター法を採用したバターケーキ生地であるため、本項目のレシピは流用できない。
&bold(){ビスキュイ・ド・サヴォワ/ガトー・ド・サヴォワ}(フランス)
サヴォワ伯国/公国(イタリア王国の前々身)で誕生したが、14世紀のレシピでは卵黄や澱粉類が使用されておらず、現在の形になったのは18世紀とされている。
サヴォワ型によって焼成される別立て法の生地で、香り付けにはレモンゼスト(ライムゼストで代用可能)、オレンジフラワーウォーター、バニラのいずれかを使用する。
主な材料は卵、グラニュー糖、小麦粉、コーンスターチ(他の澱粉で代用可能)で、仕上げに泣かない粉糖(プードルデコール)を振るか、糖衣(グラス・ロワイヤル)掛けされる。
基本配合はパータ・ビスキュイに近いが、卵黄とグラニュー糖は泡立て器を用いずに木杓子で混ぜていて、粉類には澱粉類も使用し、薪窯で焼くことによって食感の差を生んでいる。
イタリア統一運動でフランスへ割譲されたサヴォワ地方では日常的に食べられていると言われているが、今日では観光客相手に細々と提供されているに過ぎないという話もある。
イギリスやアメリカにも伝わっていて、ティプシーケーキやそのバリエーションで生地にアーモンドを刺し込んだヘッジホッグケーキの土台となった。
澱粉を混合した油脂未使用の生地であるため、洋酒が染み込み易く、軽い食感からカスタードやホイップクリームと組み合わせても重くなり過ぎない点が良かったのだろう。
もっともティプシーケーキは残り物の活用という側面もあるので、ローフケーキ(パウンドケーキ)やイエローケーキといったバターケーキ生地が土台にされることも珍しくない。
ビスキュイ・ド・サヴォワから派生した焼き菓子もあり、1842年にパリのメゾン・フェリックスで誕生したのがガトー・マンケ(ビスキュイ・マンケ)である。
卵白に油脂が混入して泡立てるのに失敗したため、生地に溶かしバターを混ぜて焼成し、プラリネを被せて商品として提供したところ、評判になったと言い伝えられている。
当初はブリオッシュ型で焼成していたが、後にマンケ型と称される型が使用されるようになった。
基本配合は以下の通り、派生元と差がある。
#openclose(show=▼ビスキュイ・ド・サヴォワとガトー・マンケの分量例){
|~比較対象|~卵黄|~卵白|~グラニュー糖|~小麦粉|~澱粉類|~バター|~レモン|
|&bold(){ビスキュイ・ド・サヴォワ}|16個分|16個分|500g+50g|250g|250g||1個分|
|&bold(){ガトー・マンケ}|14個分|14個分|500g|375g||180g||
&bold(){出典:『洋菓子 基礎と応用』安井寿一,柴田書店,1978年,P25&P28}
}
&bold(){ビスキュイ・ド・ランス}/&bold(){ビスキュイ・ド・シャンパーニュ}/&bold(){ビスキュイ・ローズ}(フランス)
1690年頃にランスの職人が創始したとされるシャンパーニュ地方の郷土菓子で、シャンパンに浸して食される。
長方形のフィンガービスケットで、ビスキュイ・ア・ラ・キュイエールと同様にスポンジ生地((別立て法で作られることは多いが、共立て法のレシピも存在する。))を使用するが、生地の配合や製法が異なる。
基本配合は卵1個あたり、キュイエールはグラニュー糖25g・小麦粉20g・コーンスターチ5g、ランスはグラニュー糖50g・小麦粉50g・着色料(赤)で、ランスの方が乾燥材料の量は多い。
ランスの生地はバターと蜜蠟を塗り広げて小麦粉も塗した専用の型へ絞り詰めるが、キュイエールの生地は天板に敷かれた紙の上に絞り出すだけで専用の型は使わない。
もっとも日本で製造する場合は専用の型を用いず、キュイエールと同様に焼かれることも多い。キュイエールの生地に着色料を加えただけという例すらも見られる。
ローフケーキタイプのレシピも存在する。
澄ましバターを塗り、コーンスターチと純粉糖の混合物を塗したローフケーキ型に、別立て法の生地を注いで均し、焼成後に粗熱が取れたら泣かない粉糖を振る。
ただし生地の配合はフィンガービスケットタイプと異なり、着色料も使用しない。
&bold(){パン・ド・ジェーヌ}/&bold(){ビスキュイ・ジェノワ}(フランス)
菊型で焼成するスポンジケーキだが、原型はピティヴィエ・フォンダンかピティヴィエ・フィユテとされている。
ピティヴィエ・フォンダンはバターケーキ生地で、パン・ド・ジェーヌよりもバターの比率が高く、生地はバターを常温に戻してから他の材料と混ぜ合わせて作る。
俗説ではフォヴェルがピティヴィエ・フィユテ用のアーモンドクリームを基に考案したとされていて、彼のレシピはアーモンドパウダーと小麦粉が同割の配合だったという。
ちなみに、1850年当時はアンブロワーズと命名していたが、1852年にジェノヴァ包囲戦の逸話から編み出された現在の呼称へと変更された。
ラム酒かキルシュで香り付けするが、バニラシュガーやオレンジフラワーウォーターやグラン・マルニエなども使用される例がある。
パート・ダマンド・クリュと全卵を練り合わせて攪拌し、ふるった粉類(コーンスターチのみかコーンスターチと小麦粉の混合)、溶かしバターの順に混ぜてから焼く。
ローマジパンの代わりにアーモンドパウダーを用いる時は、攪拌する際に純粉糖も加える。なお別立て法で作る場合は、メレンゲを最後に混ぜる。
仕上げに緩めたアプリコットジャムを塗ってグラス・ア・ローで表面を覆うか、焼成して粗熱が取れた後で粉砂糖を振る。
アーモンドスライスを貼り付けることも多い。
&bold(){コロンビエ}(フランス)
プロヴァンス地方で&ruby(パントコート){聖霊降臨祭}の日に食される伝統菓子。
パン・ド・ジェーヌの一種として扱われる例もあるが、発祥はマルセイユとされている。
当たった人に幸運が授けられると言い伝えられる鳩形の&ruby(フェーブ){陶器}を中に仕込むか、中央にマジパン細工の&ruby(コロンブ){白い鳩}を添える。
パート・ダマンド・クリュを卵黄や全卵で延ばしてから攪拌し、ふるったコーンスターチ、メレンゲ、溶かしバター、果物の砂糖漬け、洋酒の順に加えて混ぜる。
生地はバターを塗ってアーモンドスライスも貼り付けた型に流して焼成し、粗熱が取れたら緩めたアプリコットジャムを塗り、乾いてから洋酒入りのグラス・ア・ローで表面を覆う。
洋酒はグランマルニエやラム酒などが用いられる。
なお、パン・ド・ジェーヌも含めてバターケーキに分類することもあるが、バターが多い例でもジェノワーズ・フィーヌと同程度であるため、スポンジケーキの一種として採り上げた。
&bold(){ビスキュイ・デックス}(フランス)
エクス・アン・プロヴァンスの銘菓に数えられている伝統菓子で、フランス国内の気候だと1週間くらい保つ。
生地は、卵黄とグラニュー糖をすり合わせて白くモッタリするまで泡立てて、アーモンドパウダーとレモンゼスト、固く泡立てたメレンゲ、小麦粉の順に混ぜて作る。
バターを薄く塗ってクリスタルシュガーが塗された型に流したら、150度のオーブンで焼き、型から外して網台で冷ます。
鶏卵の量はビスキュイ・オ・ザマンドの3/4と少なく、溶かしバターは入れない。
&bold(){アニョー・パスカル}(フランス)
&bold(){ベラーネック}(チェコ)
復活祭に向けて焼かれる仔羊形のスポンジケーキ。
アニョー・パスカルはアルザス地方の伝統菓子で、アニョー・ド・パックやラマラとも称している。
アニュー・パスカルもベラーネックも別立て法のスポンジ生地で、アニョー・パスカルは澱粉類を加えることが多く、ベラーネックは油脂類を多めに入れる。
バターを塗った陶器製の型で焼成し、粗熱が取れたら泣かない粉糖(プードルデコール)を振り、リボンで飾り付ける。
なお糖衣掛けしたり、チョコレートでコーティングする例もある。
同種の菓子としてドイツのオースターラムも挙げられるが、こちらはバターケーキ生地を使用する例が多く、発酵生地の物もあるという。
ちなみにイタリアのシチリア島では、アニェッロ・パスクアーレという仔羊形の菓子を用意するが、ピスタチオペースト入りのマジパンで作られている。
&bold(){パン・コンプレ}(フランス)
ナントの菓子で、外観は全粒粉で作る同名の丸形パンに似せている。日本では、パン・ビーとも称する((藤野賢治氏による造語で、pain biscuitをpain-bisに短縮している。オリジナルとやや異なり、クレーム・ムースリーヌが挟まれている。パン・コンプレも該当するが、現在は中に挟むクリームが多様化している。))。
小麦粉の一部を澱粉に置き換えた別立て法のスポンジ生地を使うが、アーモンドクリームが詰められた折り込みパイ生地にマジパン生地を被せたタルト・オランデーズ風も存在する。
スポンジ生地を絞り出して成形し、格子状の模様を付けて打ち粉も振ってから焼き、冷めたら横半分に切ってプラリネ風味のバタークリームを挟み、仕上げに泣かない粉糖を振る。
バタークリームは牛乳の代わりにクレームフレーシュを用いたクレーム・アングレーズとイタリアンメレンゲを組み合わせたタイプで、プラリネペーストやキルシュも加える。
スポンジ生地は本来ならばオレンジフラワーウォーターで香りを付けるが、バニラやレモンゼストで代用しても良い。
&bold(){ダイエットブレッドケーキ}(英米圏)
19世紀の文献で確認されているスポンジケーキの一種で、ローフ型(パウンドケーキ型)を使用する。
文献によって内容が錯綜していて、生地作りの段階における作業手順がスポンジケーキと入れ替わっている例もある。
主な材料は、卵、小麦粉、砂糖、水(※卵にシロップを入れて泡立てる場合のみ)で、ローズウォーター、レモンゼスト、バニラエクストラクトなどで香り付けされることもある。
生地にキャラウェイシードを加えたり、焼く前に少量の砂糖を振ったり、仕上げで糖衣掛けするレシピも存在する。
小泉八雲の『ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本』(原題『La Cuisine Creole』)にも“BOILED SPONGE CAKE”(邦訳「煮込んで作るスポンジケーキ」)という呼称で登場する。
レモンの表皮を煮出したシロップに、泡立てた卵黄と卵白を入れてよくかき混ぜ、小麦粉を加えてさっくり混ぜ、油を塗って紙の敷いた型に流し、予熱したオーブンで焼くという工程で、
数種類のパターンが存在するダイエットブレッドケーキの作り方と一致している。
&bold(){エンジェルフードケーキ}(アメリカ)
シフォンケーキの原型とされるホワイトスポンジケーキで、卵黄も油脂類も使用しない。
主な材料は、卵白、グラニュー糖、純粉糖、薄力粉、コーンスターチ、バニラエクストラクトで、メレンゲ作りで塩やクリームタータ(酒石酸水素カリウム)を足すと失敗し難くなる。
クリームタータはレモン果汁による代用も可能で、レモンを絞るついでにゼスト(表皮)も削ぎ落とし、バニラエクストラクトとともにメレンゲへ加えたら卵臭さをマスキングできる。
純粉糖も含めた粉類を数回に分けてふるい入れて、メレンゲと混ぜ合わせたら、エンジェルフードパン(シフォン型)に優しく注ぎ、予熱したオーブンで焼いて冷ましたら完成する。
&bold(){ホットミルクスポンジケーキ}(アメリカ)
&bold(){ホイップクリームケーキ}(アメリカ)
両者に共通するのは、卵の配合が普通のスポンジケーキよりも少なく、必ずベーキングパウダーを使用する点である。
ホットミルクスポンジケーキは、卵(Largeサイズ)1個につき中力粉60g・ベーキングパウダー1.5g・グラニュー糖100g・塩少々((g換算だと0.5~0.7gで、入れないレシピもある。))・牛乳60ml・バター13g・香料2.5ml((バニラエクストラクトかレモン果汁で、入れないレシピもある。))の配合で、
共立て法で作った生地に、沸騰寸前まで温めたバター入りの牛乳をヘラで受けつつ端の方から注いで混ぜたら、急いで型へ流して摂氏180℃相当に予熱したオーブンで焼くと出来る。
ホイップクリームケーキは、卵(Largeサイズ)1個につき薄力粉90g・ベーキングパウダー1.5g・グラニュー糖100g・塩少々・生クリーム((普通のスポンジケーキと違ってバターを使わないので、乳脂肪分40%以上の濃厚なホイップクリームが推奨されている。))120ml・バニラエクストラクト2.5mlの配合で、
卵黄と卵白を別立てし、バニラエクストラクト入りのホイップクリームに卵黄、卵白、ふるった粉類の順番で混ぜたら、型へ流して摂氏180℃相当に予熱したオーブンで焼くと出来る。
ちなみに卵のサイズは米国基準で、Largeだと1個あたり2オンス(約56.7g)とされていて、日本の基準ならMSサイズ(52~57g)とMサイズ(58~63g)の中間に相当する。
&bold(){ソッケルカーカ}(スウェーデン)
ソッケルカーカ型(サバラン型やエンゼルケーキ型で代用可能)に分量外のバターとパン粉(ストローブロード)を塗して焼く共立て法のスポンジケーキ。
基本的な材料は卵1個につき、グラニュー糖85g(1dl)、中力粉50g(1dl)、ベーキングパウダー4g(小さじ1)、バニラシュガー4g(小さじ1)、バター25g、牛乳100mlで、
マーブル模様のティーゲルカーカにする場合は生地を分けてココアパウダー6g(大さじ1)、カルデムンマカーカにする場合はふるう前の粉類に粗挽きカルダモン1g(小さじ1)を加える。
なお上記の分量は一例で、フィールミョルク(サワーミルク)や柑橘類のゼストも足したり、シュガーバッター法で作るバターケーキに近いレシピも存在する。
&bold(){シルヴィアカーカ}(スウェーデン)
ファッティマンツカーカにバターソースとココナッツ(フレークorファインorロング)を組み合わせたケーキ。
ファッティマンツカーカはソッケルカーカの前身に相当するスポンジ生地で、牛乳ではなく熱湯を使用していて、油脂類も入れていない。
バターソース(有塩バター+グラニュー糖+バニラ+卵黄+レモン果汁)を広げた後で、オーブンに入れて生地の表面をキャラメリゼ化させる場合もある。
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*スポンジケーキが好きなキャラクター
-不和真綿([[僕のヒーローアカデミア]])
-フウジン([[モータルコンバット]])
*余談
-&bold(){ジェノワーズ法}
湯煎にかけて温めた全卵とグラニュー糖を合わせてリュバン状(泡立て器を持ち上げた時に、卵液が帯状のまま途切れず落ちる状態)になるまで泡立てる手法。
例外もあるが、通常は湯煎にかけない別立て法との対比から温製法(ホットスポンジミックスチュア)と呼ばれることもある。
スポンジケーキだけではなく、パウンドケーキ(カトル・カール)やバタークリーム(クレーム・オ・ブール)でも採用する例がある。
パウンドケーキでジェノワーズ法を採用した場合、オール・イン・ワン法と違って肌理が細かく、シュガーバッター法やフラワーバッター法より膨らんで軽い食感になるが、しっとり感は薄れる。
※オール・イン・ワン法はジェノワーズ法と同一視される例もあるが、上記の比較では卵の起泡性もバターのクリーミング性も利用しない膨張剤頼りの製法を指している。
ジェノワーズ法で作るバタークリームは、クレーム・オ・ブール・ア・ラ・ファソン・ジェノワーズ、あるいはクレーム・オ・ブール・エクスペディテブと呼ばれている。
パータ・ボンブ(卵黄+117~120℃のシロップ)やカスタードソースをベースにした物よりも軽く仕上がるが、イタリアンメレンゲをベースした物ほどあっさりはしていない。
卵を使用しながらも十分に加熱できないため、カスタードソースを使用する製法よりも長持ちせず、衛生面でもリスクを抱えてしまうせいか、今日では見かける機会が減少している。
ジェノワーズ法で作るバタークリームの長所は、夏季でも比較的溶け難く、手早く作れる点にあったとされている。
-&bold(){ジェノワーズとビスキュイの分類}
当項目では本邦の慣習に則って、共立て法のスポンジ生地をジェノワーズ、別立て法のスポンジ生地をビスキュイとして紹介しているが、異なる分類もある。
共立て法か別立て法かは不問で、溶かしバターが入るスポンジ生地をジェノワーズ、溶かしバターの入らないスポンジ生地をビスキュイに分類する例も存在する。
*関連項目
:[[カステイラ]]|英語圏では、ジャパニーズスポンジケーキと呼ばれることもある。見た目と工程が概ね似ており代用されることもあるが、グルテンと糖分が多く低温で長時間焼いてモチモチしているカステイラに対し、スポンジケーキは牛乳と油脂が多く高温で短時間焼くのでふんわりしている。
:[[ホットケーキ]]|パンケーキとも言い、フライパンで焼き上げるケーキ。形状や触感はだいぶ異なるが、糖分を加えてオーブンで焼き挙げればホットケーキミックスでスポンジケーキを作ることも可能だという。
:[[たぬきケーキ]]|スポンジケーキなどを土台にした創作ケーキで、バタークリーム、[[パータ・グラッセ>チョコレート]]、アーモンドスライスと組み合わせて狸を象る。
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- 卵白に水分が入ると泡立たなくなるから、洗った泡立て器やボウルを拭く事も書くべきじゃないかと -- 名無しさん (2017-03-25 17:33:26)
- うちの親父はケーキ焼くのが好きで得意で、特に上手なのはパウンドケーキなんだけど、スポンジケーキも焼いてくれたことある。おいしかった。 -- 名無しさん (2020-04-14 17:13:39)
- スポンジケーキは作るのが難しかったからホットケーキを作って代用してたな -- 名無しさん (2024-12-12 14:44:24)
- スポンジケーキのまわりについてるクリームが好き -- 名無しさん (2025-07-25 15:09:33)
- 全卵と卵白の重量を取り違えるというミスを犯していたので、配合比の数字を訂正しました。本当に申し訳ございません。 -- 名無しさん (2025-09-15 14:46:16)
- 生クリームとの相性が抜群すぎる -- 名無しさん (2025-09-21 11:17:11)
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