飛鳥了

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飛鳥了 - (2019/07/29 (月) 20:21:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/07/19 (月) 01:45:50
更新日:2024/04/09 Tue 09:49:42
所要時間:約 3 分で読めます






【概要】

漫画『デビルマン』の登場人物。
主人公、不動明の親友で、明と並ぶもう一人の主人公。
人類で最初に悪魔の脅威に気付いた飛鳥教授の一人息子で、父の研究を引き継ぎ明をデーモンと合体させ、デビルマンを生み出した人物。
金髪碧眼の美少年で、明からは「天使のようにうつくしい」と表現されている。

1972年のTVアニメ版には登場しないが、永井豪作品を代表するキャラクターであり、氏のスターシステムにより『デビルマン』以降も、主に明と一緒に様々な永井作品に登場している。

CV:水島裕(OVAシリーズ、CBキャラ 永井豪ワールド)/関智一(AMON デビルマン黙示録)/日野聡(サイボーグ009VSデビルマン)/村瀬歩(cry baby)

【人物】

クールで冷静だがエキセントリックな性格でもあり、時に予測不可能な行動を取る。
若干のテレパシー能力らしきものがあるようで、明のピンチを察して駆けつけたりもする。
デーモンと合体しそこなった普通の人間として、世界が「自分が恐怖に思う筋書き通りの破滅」に向かっていることを恐れている。

永井豪の自伝漫画である「激マン!」によると、了は元々すぐに死ぬ予定であったため「アニメ版には了は登場させなくて良い」と、永井自身が東映に指示した。
しかし実際に作中で了を殺したところ「デビルマン」自体の続きが描けないという事態に陥ったため、
「実は生きていた」という設定で執筆を続け、その後も了は最後まで作品の中心におさまることとなった。

作者である永井氏本人も、かなり終盤になるまで了の正体を決めかねていたようで
「デビルマンの本当の主人公は飛鳥了だったのではないか?だとしたら飛鳥了とは何者なのか?」
と自問自答を繰り返しながら、最終的な解答へと導かれていくさまが描かれている。





※これ以降ネタばれが含まれています





何を悲しんでいる明、これでいい、これでまた世の中が変わるのだ


愚かな人間どもが汚す前の地球に、人間のいない、美しいデーモンの星に



その正体はデーモン族の首魁大魔神サタン

更に言えば、物語その物の発端でもあるが、その願いは何処までも純真である。
元々は『神』に仕える天使だったが、神が自らが創造した地球に発生した、他の生物を取り込みながら異形の姿と強大な力を得ていくデーモン一族を醜いという理由で亡ぼそうとしたこたから離叛して堕天使となり、デーモン側につく。
デーモンの軍団を指揮し、神の軍勢を地球から放逐した事により、悪魔王ゼノンの更に上に立つ者、大魔神としてデーモン達に崇拝されている。
元天使らしく12枚の輝ける翼と両性具有の体、そして極めて強大な力を持つ美しい存在。

神との再戦に備え眠りにつくが、200万年の時を経て目覚めた彼が観たものはデーモンに代わる新種族「人間」によって汚染された地球であった
自分達が必死になって護ってきた地球を汚された事に激怒したサタンは人類を滅ぼす事を決意。
サイコジェニーという極めて強力な精神操作能力をもつデーモンの力を用いて飛鳥了という人間の記憶を手に入れ、「人間」として人間社会に潜伏する。
これは人間の事を深く知る為の策略であったのだが、その最中にサタンは予想もしていなかった事態に遭遇してしまう。
それは、心優しい人間の青年、不動明に惚れてしまった事
サタン=飛鳥了は人が滅びた後のデーモンの時代にも明が生き残れるよう、彼をデーモンと融合させる事を目論む。
その目論みは成功し、明は勇者アモンの力を得るが、それはデーモンの新たなる敵対者「デビルマン」を生み出す事に他ならなかった。
明と共に幾多のデーモンと戦うものの、デーモンは人類への総攻撃を開始。
人の弱さ愚かさを知った了の思考・思念をサイコジェニーが受け取り、人類同士で争うように作戦が遂行され、了自身も自分の考えたとおりにデーモンが行動する事に疑問を感じ、やがて自分の正体を知る。

デーモンの支配者として覚醒しても尚、明の事を諦め切れずにいたが、それ故に明の怒りや悲しみの深さを知りデーモンとデビルマンの戦いが避けられない事を悟るのであった。
サタンは戦いにこそ勝利したものの、己の行いがかつての神の傲慢と同じであった事を悔やみ、その胸の内を死に行く明に語る……

月だ……美しい……あの月だけは数百万年前と変わっていないよ……地球はあの月より美しかったのに……

この小宇宙は、私たちの親が創ったんだよ。君たち人間は、神と呼んでいたね。

神は、この辺境の小宇宙に生命を吹き込んだ。地球は生命に満ち溢れ、色んな生物が育っていった。

数億年ののち、生物の進化の様子を見に戻った神は異様な生物を発見した……それがデーモンだったんだ。

デーモンの醜さを、その異常な進化を、その飽くこと無い闘争心を神は恐れ、忌み嫌った。

神はこの小宇宙を無に帰すことに決めた。全てを消し去ることで、自分たちの失敗を償おうとした。

私は怒り、反抗した。自分たちの生み出した生命だから、勝手に殺していいと言うのか?

地球上の生命は生まれたくて生まれたんじゃない、だが生きている!自分の意志で、自分の心で、必死に生きている

私はデーモンと共に神と戦った。君が人間を守るために戦ったように、デーモンと、デーモンの星、地球を守るために。

……そして……勝った。

次なる神の攻撃に備え、我々は200万年の眠りに入った。サタンは神によって氷に閉じこめられたのではなく、戦いのために自ら氷に閉じこもったのだ。

眠りから醒めた時、地球は変わっていた。美しいはずの地球は汚れきっていた。人間という新しい生物のために……

私は許せなかった!私が命をかけて守った地球を汚してしまった人間たちを!

私は……人間たちを滅ぼすことにした。……だがそれは、神がデーモンを滅ぼそうとしたことと同じ行為だった……力の強いものが、強いからといって弱者の命を、権利を奪ってよいはずはないのにな……

許してくれ明……私は愚かだった……

明?

……ねむったんだね……明。永劫のやすらぎのねむりに……。


【その他の登場作品】

デビルマン以外では『バイオレンスジャック』と『デビルマンレディー』に登場。
戦いの後、世界を再創世したサタンであったが、己の愚行や愛する明を殺した後悔などから、地獄地震という大災害を引き起こして関東を孤立させ。
サタンは分裂しスラムキング・ズバ蛮に、天使だった部分はハニー達に。
また、己を苛む心が人犬という形で具現化しており、スラムキングに徹底的に貶められている。

悪たるスラムキングに、善なるハニーたちが勝てるかどうかで世界の命運を決めようとする。
また、自らを止め得る存在として不動明=デビルマンを求めており、明=デビルマンはバイオレンスジャックとして顕現し、サタンの悪夢たる混沌の世界の秩序を破壊していた。
物語の最後にサタンが自我を取り戻すと、三人に別れていたジャックも一つとなりデビルマンに。
この復活により、デビルマンはサタンの願いにより、全知全能たるサタンと同じ力を持つ存在へと進化したとされており、その後の両者の邂逅により『バイオレンスジャック』の世界はようやく閉ざされることとなった。

『デビルマンレディー』の世界では二つに分かれ、それぞれがアスカ蘭不動ジュンになった。
この世界ではデビルマンは全知全能となりながらも魂のまま地獄に囚われていたが、不動ジュンとの出会いにより新たに創造された地上へと干渉し始める……そして。


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