早乙女アルト

「早乙女アルト」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

早乙女アルト - (2017/07/31 (月) 12:11:57) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/10/27(水) 13:31:48
更新日:2023/03/19 Sun 21:11:24
所要時間:約 9 分で読めます




「お前達が、俺の翼だ!」


マクロスFの主人公。
CV:中村悠一

フロンティア船団内に存在する学園、美星学園航宙科パイロットコースに通う少年。
7月27日生まれの獅子座。乙女座ではない。初登場時は16歳だが、作中誕生日を迎える。

伝統文化「歌舞伎」の名門、早乙女家の一人息子。
母から美しい容姿を、父から才能を受け継いでおり、10歳で歌舞伎デビュー。その実力をいかんなく発揮し、「早乙女一座の天才女形」として話題になった。

しかし、幼少時から抱いていた「空を飛びたい」という夢を捨て切れず、父と大喧嘩の末に家を出奔。
日頃から父や家に対しても不満を溜め込んでいたらしく、それが爆発した側面もあったようである。
劇場版では「役になりきる内に、自分が分からなくなるのが怖くなった」という本音を吐露していた。
また、小説版では、周囲が評価するのは男である自分が演じる「女」であり、更に性的な視線を向けられるのが苦痛だったと泣き崩れていた。
このように自らの女性的な外見や家庭に対して強いコンプレックスを抱いているせいか、性格はやや捻くれ気味。
また、外見からは想像出来ない程頑固で意固地、負けず嫌い。おまけに向こう見ず。

ルカからはゴーストのAIにその名を取られたことも。ア(頭が悪くても気にしない).ル(ルール無用の大悪党).ト(友達少ないです)。

その出身から「アルト姫」と呼んでからかう同級生ミハエル・ブランに対しては、彼の次席に甘んじている事もあってか、喧嘩腰で接する事も多い。

一方で正義感は強く、意外に面倒見のいい部分もある。なんだかんだで困っている人を見捨てておけないお人好し。
また、思い込んだら一直線に行動するタイプである。

「銀河の歌姫」シェリル・ノームのライブにパフォーマンスとして出場し、事故からシェリルと知り合う。
また、ライブ会場に行く途中で道に迷ったランカ・リーと出会った。

ライブ当日に謎の敵性体「バジュラ」がフロンティア船団を襲撃し、偶然にもS.M.S.所属のヘンリー・ギリアムの死亡時に居合わせた事で、
ランカを守る為にVF-25 メサイアに搭乗。

以後は、S.M.S.スカル小隊の一員としてバジュラと戦っていく。


コールサインは「スカル4」。
パイロットとしては天才的なセンスの持ち主で、転科して僅か一ヶ月で次席にまで昇り詰め、
初搭乗でありながら(パイロットの訓練を受けていたとはいえ)バジュラと戦い、宇宙に吸い出されたランカを微細な操縦で救出した。
ただ実戦経験がない事や、パイロットとしての自分がしっかり定まっていない事が足を引っ張る場面も見られ、
ミハエルにははっきり「そんな気持ちならやめろ」と言われている。

一方で、実力はバジュラとの実戦をこなす内にメキメキと上がり、
終盤では「間に合わせの機体」であるVF-171 ナイトメアプラス(EX)で、
スカル小隊隊長を務めるオズマ・リーの駆るVF-25Sに一矢報いる程の腕前を見せている。

恋愛に関してはかなり鈍感で、シェリルとランカから向けられている好意に気付かない場面が多い。経験もないので、あまりそういったシーンが得意ではない。
声優を務めた中村は、このことで共演した女性陣に非難された事もあったとか…
バジュラとの最終決戦では当初ナイトメアで出撃したが、
グレイス・オコナーに操られたVF-27 ルシファーに搭乗するランカの兄ブレラ・スターンに撃墜されてしまう。

ちなみに中村はこの時、「あ、アルト死んだ」と思い、収録後に「今までお疲れ様でした!」と、まるで最終回後のように言ってしまったとか。

実際には脱出しておりマクロス級ランカの正体を看破。
届けられた愛機VF-25Fに再び搭乗し、戦場を駆けた。

最後は正気を取り戻したブレラと共闘し、亡きミハエルが愛用していた「ドラグノフ・アンチマテリアルスナイパーライフル」でバジュラクイーンの頭部を撃ち抜き、グレイスを葬った。

ちなみに、最終決戦の一連の流れは超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか、ブレラとの共闘部分の機動はマクロスプラスのオマージュが入っている。

最終決戦後にはバジュラ本星に降り立ち、長年の夢だった「本物の空」を思う存分に飛び回った。
尚、最終決戦時に意識内でシェリルとランカに告げた、
お前が……お前達が、俺の翼だ!
は散々彼の迷言として取り沙汰された。

まあ確かにシーンだけ見れば「二股宣言」と取られてもおかしくないセリフだが、
実際には「お前達」というのはシェリルとランカだけでなく、今まで戦ってきた仲間達や、自分の歩んできた道などのすべてを示しているらしい。

一応「歌舞伎の女形」という設定ではあるが、劇中ではあまりそれらしく描かれてはいない。
それらしいシーンといえば、「鳥の人」に出演するランカに対して役者の心構えを教えたくらい。
スタッフ的には反省点らしい。

その部分を考慮してか、劇場版ではアルトの口から役者であった自分に対する思いを語らせている。
また、小説版では物事を歌舞伎に例えて考えている事が多い。死にかけの部下が自分を母親と見間違えた際は母親を演じて看取っている。
また、最終的に役者としての自分を肯定し、歌舞伎の化粧をして決戦に臨んだ。
劇場版では、最初からランカと知り合いだったり、バジュラ襲撃時にシェリルも助けたりといった変更が加えられている。
また、大型バジュラがランカを連れ去った時は、存分に変態機動を披露した。

後編恋離飛翼~サヨナラノツバサ~ではYF-29 デュランダルを駆り、鬼神のごときチート機動と彼自身の「光の舞」を披露。
「あいつ……歌舞いてやがる!」

三角関係に決着を付けるなど、かなり男を上げている。
「もう姫とは呼べないな……」

バジュラクイーンと融合したバトルフロンティアを相手に、実質単身で対話を敢行したが、クイーンと共に、何処かへとフォールドして行方不明となった。
とはいえ、ああいう終わり方なら帰ってくるだろう。
現に関連書籍にて偽名を使ってインタビューを受けている。


『F』自体旧来からのファンからはそれほど受けが良くなく、主人公であるアルトも旧来のファンからの評価は高くない。
まあTV版劇中では未熟な場面ばかりが目立った上、三角関係に決着がつかなかった事から「優柔不断」と見られる事も多いので無理はない。
監督曰く、「実はかなり凄いんだけど、あんまりそう思われていない奴」。

しかし、三角関係については映画のために決着をつけなかったという考え方もある。
現に劇場版は選択したのだし、マクロスシリーズはすべて史実を元にした劇中劇(=結果は同じでも描写が同じとは限らない)なので、
TV版と劇場版を見比べてみても良いかもしれない。


余談だが、アルトの身近な人物には歴代キャラと接点がある者が多い。
特に父・嵐蔵はSDF-1 マクロスを単機で墜としたイサム・アルヴァ・ダイソンと、
兄と慕っていた早乙女矢三郎は2045年に大ヒットした伝説のロックバンド「FIRE BOMBER」の熱気バサラと面識がある。
中でもイサムは嵐蔵が移民船団に乗るきっかけを作っており、もし出会わなかったらギャラクシーに銀河系が支配されていたかもしれない。




スパロボでは『L』が初登場。上記に書かれた性格どおりトゲトゲしているが正義感が強いので、熱血揃いの味方軍にとてもなじんでいる。歌舞伎用語を使って敵に啖呵をきることが多い。以後の作品にもあるが声の似てる人に間違われたりと声優ネタも。

『第2次Z』でグラハムと共演、期待通り特殊戦闘台詞もあった。しかもエースボーナスが移動後変形可能となる、さしずめ「グラハムスペシャル」。
どうにも微妙な能力だが、同じ能力のゲッターチーム達は役割が完全に別れているので有効に使える。アルトェ…
シリウス…もとい杉田氏にも散々な言われようだったので、再世篇からは「特殊能力『分身』を得る」が追加された。

更に部隊の初合流時には早乙女繋がりでこの人との絡みが…。
また熱気バサラとの共演も果たしたが…バサラが歌でバジュラを撤退させる事が出来る事や、彼の存在感によって半ば主役の座を奪われている。
また、パイロットとしての腕もバサラに負けているらしく一方的にライバル視していたりもする。

『第3次Z』ではぽに男に襲われたり、中断メッセージでミカゲにレア・イグラーとしてさらわれそうになった。
今作では選択次第でランカとカップルになることも…。

『UX』では大体原作通りだがバジュラクィーンが助けてくれたので行方不明にはならない。
…そのせいでEDで(シェリルに「あい…」と言いかけたのに)ミシェルから「どっちを選ぶか早く決めろ」と言われ、
オズマとブレラのダブルお兄ちゃんからは「『二人が俺の翼だ』などと言う戯言は許さん」と釘を刺されて閉口するというオチを迎えた。
そしてこの後「二人が、俺の翼だ!」と堂々と宣言する忍者と、二人を俺の翼にすらしない総士病患者が出てくる。

『BX』では劇場版終了後の設定で、プロローグにて行方不明になるが、バジュラと共に半年後の地球圏に移動してきた所を自軍に拾われることになる。
今作では三角関係に決着をつけているので今までのように三角関係をいじられることはなく、歴戦の勇士としての成長後の側面が強く描かれている。


追記・修正・アルト姫

この項目が面白かったなら……\ポチッと/