redEyes[レッドアイズ]

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redEyes[レッドアイズ] - (2022/06/02 (木) 21:38:09) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/06/04 Thu 02:37:09
更新日:2024/04/09 Tue 13:04:49
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この巨大な行為の中で

一人の兵士の生命に

何の意味があるだろう…



目次



【概要】


redEyesは神堂 潤の青年漫画作品。
近未来を舞台にした国家間の戦争と、それに纏わる激動の時代を描くSF戦記である。
マガジンGREATにて連載を開始し、同誌が休刊後はマガジンイーノ、それがまた廃刊になって以降はマガジンプラス、そして現在は単行本描き下し掲載となっている。
単行本1~26巻絶賛発売中(2022年3月地点)。


◆あらすじ
統合暦182年7月7日、レギウム共和国軍はドラグノフ連邦軍に対して和議を申し入れ、2年8ヶ月余りに渡って続いたレギウム・ドラグノフ間の戦争はレギウム共和国の実質的な敗北で終結した。
終戦から3ヵ月後、レギウム軍最強の特殊部隊ジャッカル隊長であったかつての英雄グラハルト・ミルズは、死刑執行の日を迎えていた。
最後の戦場で部下の裏切りにより、敵国に内通した反逆者の汚名を着せられ拘束されたミルズだったが、護送の為にきた海兵隊を殺害して脱走、汚名を着せたクレイズに復讐するべくたった1人の戦争を開始した。




【特徴】


本作品でまず目を引くのが、地上戦主体のパワードスーツの戦争である。
世界は高度電子戦の破綻と制御不能な過去の遺産により、戦争形態が有視界戦闘・白兵戦へと退化している。
これにより戦車などの旧来兵器とともに『SAA』と呼ばれるパワードスーツが新たに戦争の花形として登場。

フィクションでありながら、細かく設定された世界設定や巻末の戦記が濃密で、これだけでも読みごたえがある。
やられ役の一般兵がこの作品では生き生きとした人間味のある存在なのがこの作品のいい所でもあり、リアルな戦場模様も見所。*2
冗談言って場を和ませたり一生懸命必死で戦っているのが分かったり、そのおかげで本作のエースの化け物度合いがより強調されいい塩梅に仕上がっている。
SAAにも後述するバルメのように量産機ながら様々なバリエーション、両軍のエース級が身に纏うカスタム機…決して兵器にも手を抜かない。

映画を含めた戦争ものを好きな皆様が喜びそうな描写・ネタも多い。
また、人間ドラマやさり気ない心理描写、戦闘も後から読み返すと深い部分が多く、気付きにくい隠し要素のようなもの*3もあり、スルメ作品要素がある。
SF戦記マンガ好きな人には是非一度読んで頂きたい作品である。


難点は掲載していた雑誌がほぼ季刊状態で、その刊行の遅い掲載誌に留まっていた理由の一つである執筆速度の遅さがある。
というのも神堂先生は他の漫画家のアシとかの経験を経ず独学我流*4で描いており、他の漫画描きが一般的に用いる早く描く(悪く言えば早さの為に手を抜く)手法を使っていない為、アシも簡単に足せない(先に述べた通りアシスタントは後々自分が連載する為の経験を積む場でもある為あまり応用が利かない手法を採る先生の元へ行きたがるアシ志望は少ない)とされる。

…15刊表紙がガンダムのラストシューティングにしか見えない。




【用語設定】


<多目的軍事衛星群『オービターアイズ』>

戦争が有視界戦闘に退化する原因となった、舞台の根幹をなす設定の一つ。
これはかつて地球の大半を統一した超大国サーカム(C.P.D.U.)が所有していた24基の衛星群で、極めて高度な情報収集・解析能力と地表を焼き尽くす超高出力のレーザー兵器を併せ持った究極の兵器である。
特にレーザーはその圧倒的な破壊力でサーカムの成立と世界統一に貢献したが、同国の長年に渡る独善的な支配によって世界中の人々の不満は高まる一方であり、ついには反乱によってサーカムは崩壊していく。
問題はその混乱のさなかにオービターアイズの制御方法が失われてしまった事で、衛星群は 「許可なく成層圏を脱するものは全て撃墜」 という自動命令を実行するだけの、人類を地球に押し留めるくびきのような存在となってしまった。

成層圏──つまり衛星を利用した様々なシステムは利用できず、弾道ミサイルさえも撃墜される。
気象衛星すら存在を許されない過酷な環境であり、有視界戦闘に退化せざるを得なくなったのである。
こうして技術は歩兵の強化に舵を切る事となり、下記の『SAA』へと派生していく。


<SAA>

Special Assault Armor(スペシャルアサルトアーマー)の略称。
歩兵の対弾用装備から発展・進化した特殊強襲用装甲で、白兵戦に退化した当世界に於ける戦場の花形。

白兵戦が主になるにつれ、各国は自然と歩兵の強化を目指すようになり、耐弾装甲を持たせる設計思想からSAAの概念が生まれた。
言い換えれば歩兵を機甲車両と同等にして連携運用出来るようにするものと言える。
本装備を装着(クラッド化)する兵士は「機装兵(クラダー)」という兵科に属する。


◆基本設計
細かい仕様は各国によって異なるが、概ね共通して以下の特徴がある。
伸縮式のフレームとアジャスト式装甲板を持ち、文字通りクラダーはSAAを「装着」する。
フレームの伸縮によりクラダーの身長は170-210cmまで対応。

機体の駆動は各部に分散配置された大容量バッテリーとモーターによって行われる。
各部の筋反応センサーとそれらの情報を処理するOS・プロセッサの働きによってSAA側が人体の動きに追従。
高性能なSAAとクラダーに合わせた設定が正確になされていれば「SAAを装着している感覚がない」と言わしめるほど人体の動きを再現可能である。

背部にはランドセルのようなバックパック装備を背負ったタイプが多い。ここには主にブースターや主電源などが内蔵されている様子。
また脚部の靴底面にはローラーがあり、車輛のような高速移動が行える。
背部ブースターを使用した際はさらに速度が上がり、一時的ではあるが人体では考えられない大ジャンプまでも可能で、総じて戦車や歩兵より優れた機動力を発揮できる。
ただ廃熱機構に負荷がかかるため、負担が大きくなると緊急冷却とシステムリブートを必要とする。

頭部のヘルメット部分は様々なスコープを搭載し、赤外線カメラなどの特殊スコープを必要に応じて切り替えることで様々な状況に対応。
さらにカメラは視線入力によるOS制御や、ミサイルなど各種兵装と連携する火器管制システム全般を兼ねている。


◆武装
パワーアシストにより、SAAは歩兵には扱えない重火器を携行できる。
ただし重火器の多くはオプション装備で携行弾数が少なく、標準装備はその殆どが徹甲重機か対人機銃のみ。*5


オプション装備には以下のような種類が登場している。
  • 背部バックパックに装着する大型の火器(ミサイルポッド、小口径砲等)
  • 使用時はその都度手に持って行う火器(対機甲ライフル、ロングレンジライフル、対戦車ロケット等)
  • 内臓もしくは格納する接近戦用武器(熱伝振動(TCV)ブレード、ハンドガン等)

これに加え、全てのSAAの標準ではないが「アームガン」の普及率も高い。
これは腕部に火器をぶら下げている(トンファーを持っているようなイメージの)形の一体型の武器を指す。
主に徹甲重機や機銃、グレネードランチャーがマウントされているほか、その外側はシールドを兼ねている事も多い。
SAAによってはブレードや小型機銃をアームガン化しているものもある。

また以上の点は大まかに共通している点であり、実際にはさらに各国のメーカーによって個性がある。


◆性能と運用
装甲を纏っている事から分かるだろうが、歩兵装備ではSAAに対抗するのは至難である。
SAAの持つ特殊複合装甲の防御力は圧倒的で、20mm以下の重機に対してほぼ完璧な防御力を有するとされるほど。*6

対機甲車両用の兵器(RPG・アンチマテリアルライフル等)か専用の重金属徹甲弾でなければ装甲を抜けないが、前述したように機甲車両並みの速度で機敏に動き回るので当てる事すら難しい。そのくせ歩兵を少し大きくした程度の大きさである。歩兵にとっては絶望しかない。
中には旋回性能を向上させ武装も取り回し重視にした対人特化(暴徒鎮圧等)SAAもある。


一方でSAAもまた自身より強固な兵器を相手にするのは専用装備を必要とし、決して万能というわけではない。
例えば相手が戦車の場合、弾数が少なく重量もかさむミサイルポッドや対戦車ロケットなどをあらかじめ携行していなければ破壊は困難。
もちろんその装備を選択したなら他の装備は持ち込めない。
一応は装甲の薄い戦車上部を狙うトップアタックという戦法もあるが、戦車の火線を潜り抜けつつ飛び乗らねばならず、非常に危険である。

また、技術革新が進んだとはいえ大容量バッテリーの持続時間は標準タイプでも7時間がせいぜい(当然フル稼働時は半分未満)。
このため常に装着を維持し続ける事はできず、必然的に機甲車輛と同じく企図した戦略に沿って投入する運用が主となる。
無駄な電力消費を抑えるため臨機応変に着脱していると思しき場面もみられる。
一応、SAAを装着したままでも各所のバッテリーの充電は可能だが、装着し続けるクラダーの疲労もあり臨時に限られる。

装甲も完全に人体を覆っているわけではなく、関節部分などの可動域はどうしても装甲を薄くせざるを得ないし、頭部も露出している口周辺やスコープ部分は小口径の拳銃でも貫ける弱点となっている。
もっとも動き回るSAAのそんな所を平気でバンバン狙えるのは一握りの化け物だけだが…。


こうした事から、この手の兵器によって淘汰された設定になりがちな既存の機甲車両兵器や攻撃ヘリなどを相手にするにはやや苦手寄りとなっており、地形や装備、装着者の技量などの補正でギリギリ対等になるレベルに留まっている。




【国家勢力】


〈レギウム共和国〉

旧ルーミス王国崩壊後に成立した国家。正確には王国はレグトス人のナショナリズム高揚による革命によって瓦解し、他は三国に分裂、後に合併しドラグノフ連邦となる。
プロローグにてドラグノフとの戦争に敗北。
形式的には和平文書への調印だが事実上の降伏であり、さらに治安維持を名目としたドラグノフ軍の駐留、及び駐留軍のトップに「内政干渉に抵触せず政策提言できる」権限を付与され実質的に植民地状態にされる。
政府もドラグノフに追従する傀儡政権が発足した事で怨嗟が渦巻いている。

かつては強大な軍事力と経済力と国際社会での発言力を併せ持つ、世界で五指に数えられる程の強国であった。が、力の均衡を重んじる時代の流れにより領土の返還と軍縮を迫られ、自衛のための戦いすらままならない弱小国となり現在に至る。

地政学的には領土中央を「>」の字で走る2つの峻険な山脈(上半分=ハーパシア山脈、下半分=ランスバール山脈)によって分けられ、東部に首都ソルグレンがある。
西部はかなり広いオルフェルド平野があり、今次大戦の第二の激戦区となった。


◆レギウム国民軍(第3軍)
ドラグノフとレギウムの戦争は首都での降伏調印によってドラグノフの勝利に終わったが、西方のオルフェルド戦線を担当していたレギウム国防陸軍第3軍は開戦から終戦に至るまで決定的な敗北を喫しておらず、本国からの降伏・武装解除命令には不服だった。
第3軍は議論の末、戦線を縮小して要衝アルバ・ユーリアにこもり、「降伏拒否」「徹底抗戦」を掲げ『レギウム国民軍』を自称、ドラグノフへの徹底抗戦を選択する。

今次大戦におけるドラグノフ側の損害も戦勝国としては絶望的なものがあり、未だ相当な兵力を保持している第3軍を覆滅しうる戦力の抽出が困難である事はもちろん、勝って終わったはずなのにまだ戦争を続けなければならない現場の兵士の士気はダダ下がり、本国の厭戦感情も最高潮…と解決は困難を極めた。
物量差によって圧殺しようにもベホル山地とランスバール山脈に挟まれた天然の要害に大軍の展開はできず、ドラグノフ司令部は仕方なく消極的な包囲に留めて第3軍のリソース枯渇を待つ事になるのだが…。莫大な戦費からくる再編成・兵員削減とそれに伴う包囲網の疎により、レギウム脱走兵や補給などが第3軍へ到達してしまう事件が頻発する。
こうした要素が重なり、第3軍の残存戦力でもなんとかドラグノフと拮抗できている状況となる。

後に主人公グラハルト・ミルズらエース級クラダーの人材が集結。
ドラグノフの委託駐留軍から首都を奪還すべく、一大作戦が開始される…。


◆ジャッカル隊
第1軍麾下、機甲教導師団司令部直属のSAA特殊部隊。
量産が見送られた高性能なSAA"スワッシュバックラー"の改修機を用いて高い野戦打撃力を発揮したが、戦後は解体。
グラハルト・ミルズは濡れ衣を着せられて極刑を言い渡され、他の隊員も様々な経緯を経て各地に散っていった。
ちなみに同師団自体が戦車・機装兵の最新鋭のテスター集団である。


統合レインジャー連隊(JRR)
回想編にて登場。レギウムの陸海空のエリートを集めた戦略強襲部隊。
3個大隊という大規模な戦力かつ、今次大戦以前から唯一の実戦経験を持つ正規軍でもある。
陸海空という三軍統合の性格からトップは准将が努める。「英雄」ことクルサード大佐も在籍?しているが、彼はJRRの客分のような存在。
戦争が勃発するとJRRは単なる戦力の一翼として投入される事となり、各軍団への補充として編入され、最終的には消耗によって書類上のみの存在となり消滅した。


国民突撃梯団(フォルクス・カイル)
極右政党-レグトス人民戦線 (LPF) の私兵組織。
狂信的な民族主義者による組織でその思想は極めて過激な一方、愛国心の深さも本物であり心酔している部下も多い。
部隊長はイグナチオ・クリヴィーレ少佐。
当然ながらドラグノフへの追従を続ける現傀儡政権に強く反発しており、後にレギウム国民軍へ合流する。



〈ドラグノフ連邦〉

エストン人の住むアクライア・パルセン・スロータルの三国からなる連邦。首都はアクライアのガイエ・ボリスパル。
三国にレギウムを加えた四国を旧ルーミス領と呼び、連邦はこの旧ルーミス領の再統一政策(つまり事実上の併合宣言)を決議したためにレギウムから猛反発を受ける。
その後、民族保護を名目にレギウムに進駐。当時のレギウムは弱腰な外交でこれを黙認するかのように見えたが、結果は国民軍の項で記した通りである。

旧ルーミス領再統一政策の決議によってレギウムを警戒させて準備期間を与え、進軍の足並みに悪影響が出る冬季を開戦時期に選び、レギウムを併合せず直前で停戦、第3軍に余力を残させてしまい抵抗され続ける……後世では暗に愚策と言われているも同然のドラグノフ首脳陣の行動は、全てディヴァンの思惑通りであった。


◆委託駐留軍
元は遠征軍総司令パウエル上級大将(戦後元帥)率いる軍団。
今次大戦の和平調印はレギウムの首都目前で行われており、当時遠征軍は首都まで攻め入っていなかった。
その後、傀儡政権による自作自演のような治安維持・対外安全保障の要請を受けて首都進駐が行われ、以後駐留軍となる。
軍政本部は首都に、駐留軍司令部は首都郊外にそれぞれ置かれている。


◆COBRA
ドラグノフ連邦軍最高司令部直属の特殊部隊。全軍の精鋭から選抜された、事実上の連邦最強の部隊である。
1-7(101-107)戦隊が存在し、市街戦を得意とする107戦隊はカーレル・シュワンツ大尉が率いている。
Commanndo of Braves(勇士達の突撃隊)の略だが、激戦地に投入される事で人員の損耗率が異常に高いことから、Commanndo of Bloody Replaceable Arms(血塗られた取替えのきく人間兵器たちの突撃隊)とも畏怖をもって揶揄される。
終戦後はオルフェルド州でレギウム第3軍に対処するオルフェルド駐留軍直属となり、一時的に102・107戦隊が投入された。



〈ルーミス・ディヴァン〉

サーカム崩壊後、世界にいくつもの国家の隆盛する中、現在のレギウム・ドラグノフ両国の存在する東ルミラン一帯を治めていた『シルバイン朝ルーミス王国』という国家があった。王朝はやがて滅び、4国に分裂し現在のレギウム・ドラグノフの形に推移していく。
ディヴァンとはそのルーミス王朝の貴族の末裔たちで構成される秘密結社のような存在。

元を辿ればシルバインはサーカム時代にオービターアイズの製造・運用に莫大な資金を出資した一族で、実は失われたと思われていたオービターアイズの制御コードを秘密裏に回収しており、世界動乱に乗じて衛星群の情報収集能力のみを使って王国を築いていた。
ディヴァンこと「ルーミス王朝の貴族の末裔たち」とは、このルーミス王朝建国の際に功あった貴族らのこと。
その配下はレギウム・ドラグノフ両国の様々な階層に軍人・在野問わず扶植されており、とある計画のために今次大戦を引き起こして両国を疲弊させる。


◆ルーミス騎士団
シルバインに忠誠を誓う狂瀾の軍団。クレイズの配下で秘匿され、騎士団長はルドルフ・チェカが務める。
ディヴァン以上に秘密裏に両国の社会に身を沈めており、ディヴァンの評議員でも一人を除きその事実を知らない。
その全兵員数は1個師団に届くが、病的なまでに徹底した選抜と過酷な修練、その成果を子に伝え代々ルーミスに仕えてきた精兵で構成されており、戦力的には1個軍に匹敵するという。



〈その他〉


◆ザンテダル社会共和国
東レリア大陸にある歴代軍事独裁政権。主な財源は麻薬と軍需産業。


◆東ルミラン地方
作中では設定のみ、戦略上の解説に記述されている。
レギウム南方に接するディナ・セルバル国とマウーラ連邦共和国、ドラグノフ北部に接するラントル王国とルーシャス国が存在している。
レギウムは今次大戦勃発前にラントル王国などにドラグノフの後背を突くよう参戦要請を行っていた。




【登場人物】


<レギウム国民軍>


●グラハルト・ミルズ
「俺の戦争は──まだ終わっていない!」
本作の主人公。階級は大尉、後に少佐。
レギウム軍最強の特殊部隊『ジャッカル』の隊長にして、戦場の死神(ジェノサイド)と呼ばれる英雄。
クレイズの策略より国を裏切った反逆者の汚名を着せられてしまうが、処刑当日に護送の海兵隊を皆殺しにし脱走。裏切りの真相を知る為に行動する。
その後和解したレイニーと共に第3軍(レギウム国民軍)に合流。少佐に昇進し第1特殊機装兵大隊 大隊長に任命される。
当初はクレイズに復讐する事が目的だったが、自身と周囲の状況、特に国民軍の窮状やレギウム首都奪還というかつて果たせなかった戦争を前にそちらに注力するようになり、首都奪還後は英雄としての復活、反逆者の汚名が完全に濯がれた事もあってクレイズへの執着は薄れている。
冷酷非情な殺戮兵器の仮面の下に、自分を表現する事が苦手な優しさを持った男*7*8。なので指揮そのものは苦手。
つまりツンデレで最強。
特技はナイフ投げ。

孤独な復讐者から再び英雄へ。台詞も変化した。
「我々の戦争はまだ終わっていない!」*9


●レイニー・クルーガー
元ジャッカル隊員。戦場の死神に最も近いと目される男。
接近戦ではミルズと同等か凌駕する腕前から『ブレード使いのレイニー』と呼ばれている。
慈悲を持って相手を殺す、との信念を持っている。ミルズを裏切った理由は妹をクレイズに人質に取られていた為。
終戦後はクレイズの指示でドラグノフの新型SAA”FR-A12 ゼブラ”のテストをしていたが、ミルズとの戦闘の末に離反。再びミルズの部下として復帰する。
元はミルズ、バロスとレインジャー連隊での同僚であると同時に親友だったが、ミルズが先に指揮官になった後は、上官として、兵士として絶大な信頼を寄せる。
国民軍に身を寄せて以降は隊長役が得意ではないミルズに代わって部隊指揮を務めている。


●ゼップ・ジベルノウ
終戦後も山脈南方の戦線ブレハン・ゲベアにて独りで戦い続けていた、通称『亡霊』。ゲリラ戦のプロ。
上官であり育ての親でもあるファビオ・マセッティ少佐(物語開始時点で故人)を尊敬しており、最後に受けた命令を守り続けている。
その服従ぶりは凄まじく、ミルズがマセッティ少佐当人の遺書を持ってくるまで自陣営の戦争終結の報すら信じず、そればかりか使者をボコボコにして返却するなど、狂犬と呼ばれるにふさわしいヤバイ人。
元々戦場で戦う事が全てという信条で、上官の行おうとした叙勲や昇進を蹴り続けている。
ミルズと同じく上層部が苦手とするタイプの人物と言える。

国民軍の首都奪還作戦のための部隊長不足から白羽の矢が立ち、紆余曲折を経て国民軍に復帰後はハワードが逃亡時にAGIから持って来た(社の備品をパクった)日本製と思われるSAA”ヤガミ重工(YHI)カシワザキ事業所製F3A 鬼神(キシン)”のクラダーとなる。
戦闘力は日本刀型TCVブレードで軍用の強構造の建造物の天井をキレイに丸くで切り抜いたり戦車の主砲を鉄パイプか何かの様に両断したり、TCVブレードを振り回して迫りくる銃弾を全て弾いて防ぎきるなどミルズと同等の人外っぷり。
かつてはジャッカルの隊長候補だったというのは伊達ではない。

なお、狂犬とはいうものの公私ともに誰彼構わず噛みつくような粗暴な性格ではない(そこが恐ろしい所でもある)。
上官の命令に忠実で、容赦なく敵を蹴散らし、攻撃してきた相手は命乞いもスルーしてあっさり絶命させる。しかもスルー時に命乞いをBGMに収刀しながらポーズをキメていたのが話題に
その様子は部下からも「おい・・新しい隊長ヤバすぎないか?」とまで言われてしまうほど。


●クラウス・ガードナー
元ジャッカル隊員で情報収集・操作の天才。
ミルズを裏切った理由は自分の戦争を終わらせる為。終戦間際の勝つ見込みのない、いわば意味のない戦争を恐れたと説明している。
終戦後は脱走して第3軍に合流し、国民軍の抵抗に尽力している。本人曰くこちらは「勝つ見込みのある戦争」とのこと。
だが裏でクレイズと繋がっているなど目的に謎が多い。
数多くの無人兵器を同時に操ったり、最後は誘いこんだホテルビルごと爆破する事で機装中隊を壊滅させるなど、ジャッカル隊員の本気を見せる。
※この時の館内放送でのマジ説教*1からの全員爆殺はビル内外が地獄絵図と化し、大勢のド軍兵士がとても気の毒な事になっていた。

後にクレイズと通じていた事を告白し自害、オービターアイズに連鎖自滅とクレイズの潜む拠点を攻撃させ残った軍事衛星を使用不能にする「置き土産」を遺した。

「その先に理想世界があるのなら喜んで・・・・罰を受けよう」

ミルズ及び英雄への思いを知ったうえで5巻でのミルズとのやり取りを見ると味わい深い。
初読ではミルズを威嚇・牽制したり、悪い事企んでそうな表情してるなーとか思ってましたごめんなさい
また、5巻地点(現実時間で12年以上前)で既にガードナーの心情面などの設定がしっかりしていた事が窺える)


●サヤ・ハミルトン
ミルズに付き従う戦災孤児、ミルズの事は戦時中の戦意高揚番組で知った。
ミルズの役に立ちたいと、SAAの整備の手伝い(ハワードの助手)をする事になり、恐らくこの時点で正式にレギウム国民軍所属になったと思われる。
数少ない女性レギュラーキャラ。
初期は絵柄が微妙に安定しないので話によっては別人のように見えたが最近は安定してきた


●アンソニー・ハワード
AGI社SAA設計開発主任、通称『ハカセ』。
マッドサイエンティスト…ではないが、自身の兵器研究が全てというろくでもない人物で、兵士をSAAの部品としか思っていない節があった。
終戦後、ドラグノフ側のGAF社とAGI社で次期ドラグノフ主力量産SAAの競作が行われたが、量産という大事な部分をすっとばして高コスト高性能を追求しまくったため採用されず敗北。*10そりゃそうだ。
そんな折、元ジャッカル隊の居場所を探して基地を強襲したミルズにこれ幸いとばかりに自作の最高傑作Mk-54を渡す。
「GAFのゼブラより私のMk-54の方が優れている事を証明してくれ!」
この際にミルズに諭された事で考えを同時に改めており、人間臭い発言をして呆れた顔をされたりするようになった。

「ミルズ大尉に襲われて強奪された」という言い訳こそあったものの、反逆者に最新SAAを渡した事実は変わらない。
このためさくっと会社の備品だったYHI製SAA「F3A 鬼神」を盗んでAGIから脱走。とはいえ本当はMk-54が心配だったようだ。
レギウム国民軍に合流後はメインスタッフとして重用されているようで、Mk-54だけでなくエースクラダーのために様々なSAAやパーツを用意、まさに天才と呼ぶにふさわしい縁の下の力持ちとして活躍。
国が違えば開発に至る設計なども違うのだが、それらをひっくるめてエース達のSAAをカスタマイズできる程の腕の持ち主であるためその頭脳と技術は本物と言える。

一方でミルズに銃(45口径)で脅迫されたり、レイニーに絡まれ、サヤにイジメられ、ジベルノウには髪を切られたりと、色々とロクな事がない苦労人としても活躍(?)。
原因は周りが筋肉バカしかいない上にハカセ本人も空気読まない発言するので…。
流石にそれより理不尽なヘイデンの暴力は他のメンバーから止めてもらえている。
Mk-54を息子と呼ぶなど危なそうなキャラである。


●レオン・リーダス
レギウム国民軍の作戦課長で大佐。知略に長けた天才軍師だが変人気味。
身形にかなり無頓着で常に軍服をだらしなく着崩し、小説「犬神家の一族」等に出て来る名探偵・金田一耕助の如くボサボサの長い髪を何時もボリボリ掻いている。
身なりが無頓着故に少将から小言を言われるも、その上の大将から見逃してやれと言われ信頼されてる程知略に長け、僅か26歳という若さで参謀本部付大佐になっている程。
自衛隊の1等陸佐の平均年齢が40代過ぎと言えば、その昇進速度が理解できるだろう。
ただ(本人は文句タラタラだが)身形を整え正式な場に出る事は普通に可能である。

本作ではミリタリ物では珍しい「正規の軍隊の正式な降伏手順」が描写されており、そこでリーダス達が軍隊の正式な手順に則った降伏受諾を受けている描写も注目ポイントの一つ。
彼のその戦略と戦術が最高に達したのが「レントの奇跡」と言われるもので、かいつまんで話すと、たった8機のSAAを護衛に自ら偵察に赴き情報をまとめた結果自分たちがいる最前線のレントの村が抑えられると味方が分断されると即座に判断、その後に8機のSAAを指揮してなんと大隊規模の敵を実に2日間に渡って阻止したというウルトラCであった。そしてその指揮した8機のSAAが後のジャッカルであり、彼はミルズ達からすれば自分たちを指揮した上官でもある。化け物戦力が悪魔的な頭脳を得るととんでもない結果をもたらすという例であった。
彼の初登場である4巻巻末に詳細な経歴と「レントの奇跡」を含めた戦記があるので是非とも読んでおくことをお勧めする。


●エドワード・ハメル
第3軍およびレギウム国民軍司令官。大将。
元国防陸軍大学校長を務め、慎重で思慮深い性格でありながら必要な時には大胆にも勇猛にもなれる。人格的魅力による高い統率力を持つ。
クリヴィーレも一目置いており、国民突撃梯団の国民軍への合流を検討するきっかけの1つとなった。
陸軍大学校長時代、在学中のリーダスを目に留め、後に前参謀長キャラダイン中将にその詳細を伝えた事が、リーダス作戦参謀転属の決め手となり、第3軍、ひいてはレギウムの運命を左右する事となる。

「私はもう戦死する兵士を見たくない」など、平時は犠牲が出る事に特に心を痛めている様子だが、戦死者が出てリーダス含め司令部全体が大きく動揺し始めた際は「まだ戦闘中だ。我々は感傷に浸っている暇はない」と一瞬で場を引き締め、即座に前を向くよう発破をかけた。
普段は影が薄・・そこまで目立たず、部下達に任せ(必要最低限の意見は述べつつ)、いざという時はリーダーシップを発揮する。身なりが酷くても笑顔で許し、「惰弱な政府」等、言う時は言う。素晴らしい上司もとい司令官。


●ホルスト・パールマン
国民軍参謀長。中将。
参謀としての能力は作中で見られる範囲でもかなり低く、事あるごとにリーダスに問題を丸投げしている。
設定資料には前任の参謀長と比べて著しく見劣りするとまで書かれているほど。
実際、的を射ている発言が「狭い場所では機動力の高いSAAは却って不利なのではないか?」「口車に乗ってはなりません!力で脅して見せて上納金をせしめる方便です!」「これは国家ではない!ならず者の集団です!」など、数えるほどしか無い*11
…狭い場所でも壁を走れる高機動なお方は除外で*12

ただこの手の無能な上司役としては自己保身や私利私欲に走って自滅するタイプではなく、リーダスの作戦案を握り潰したりはしないし、むしろ積極的にリーダスに頼るなど比較的話の分かる人物ではある。
隊長級の戦死者が出た際は最も感情をあらわにしていたりと、意外と良いおじいちゃんかも知れない。
よく焦ったり慌てたりしているが、某場面ではクレイズ殿下の方がずっと慌てていた。


●トニオ・ザナルディ
レイニーと同期で仲良し。階級は少尉。初登場時は前線で歩兵として小隊長を務めていた。
立ち位置としては準レギュラーの脇役で、ネームドの強敵相手には歯が立たないが、隊長の役割をしっかり果たす一般的な(常識的な)人。
首都奪還作戦やルーミス強襲作戦ではクラダーとなって機装兵隊を率いる。
他のエースクラダーのような特殊なSAAこそ与えられていないものの、装着しているバルディッシュはきちんと隊長機仕様なのが分かる。


●カーリー・ホプキンス
国民軍の部隊長の一人。階級は少尉。
部下からの信頼が厚く「カーリーの旦那」と呼ばれるなど親しまれていたが…。



<レギウム共和国>

国民軍やその協力者を除くレギウムの軍人・職員・国民など。


●ミハイル・ウォルドマン
元ジャッカル隊。他の隊員と異なり単純な権力欲によってミルズを裏切った数少ない人物。
おかげで終戦後にレギウム国家憲兵隊即応部隊(GIGN)の特機1班隊長となる。
脱走したミルズへの最初の刺客で、サヤに爆弾をくくりつける作戦を容認したりと外道な事も平然と行う。
反面、ミルズをリスペクトしている節も垣間見える。
激戦の末ミルズに敗れる。
「悪いな・・隊長・・」
JRR時代のどんな汚い手でも使う最低のナイフ使いに容姿を含め少し似ている


●バロス・ウォード
元ジャッカル隊員。『審判の矢を射る者(ジャッジメント・アーチャー)』の異名を持つ凄腕スナイパー。
JRR時代(海軍出身)から狙撃に定評のあるエリートで、レイニーとは親友の間柄。
本来ならレイニーと同じくミルズを裏切るような人物ではなかったが、唯一の肉親である弟に病死が迫ったことで止む無く最先端の治療を受けさせる事を条件にクレイズに加担する事となる。
…だが、弟の病状はもはや人の手にはどうしようもない状態であった。
戦後は退役し、誰とも関わらず山奥で静かに暮らすようになる。
その後脱走したミルズとレイニーに訪ねられた後、二人の第3軍合流を援護した際に帰らぬ人となった
回想編ではレイニーと共にJRRでのミルズとの経緯が描かれている。

補足:戦闘その他について
「SAAです!」「ハァ!?」「11km地点 機甲猟兵(イェーガー)です!!」      
バロスを見て生き残ったドラグノフ兵がいないので、ド軍サイドは一部の者が噂だけでジャッジメントアーチャー*13を知るのみである。


●アラン・クルサード
回想編で登場した初代『戦場の死神』(物語開始時点で故人)。当時のレギウム国防軍の英雄。
ミルズの潜在能力を見出し、軍務経験ゼロの彼をいきなり精鋭JRRに入隊させた人物。
ミルズは当時一般人であり原隊など無いので、ガソリンスタンドに勤めていた前職から「スタンドマン」と呼ばれるようになる。

若かりし頃の「強国レギウム」を愛しているため、内心では英雄と呼ばれる事を嫌忌しており、レギウム軍の現状の体制に反感を持っていた。
後に惰弱な外交政策を続ける当時のレギウム政府に対し反乱を起こす。
だが本当の目的はミルズを「覚醒」させる事であり、計画通りミルズによって倒される。
ミルズにとっては、初めて殺した人物でもあり、決して忘れる事の出来ない存在となった。
「間違っても儂に銃を向けるな」と警告こそするものの、銃を向けた者は民間人であっても容赦しない。(それ以外の暴力には寛容なのか、自分を車で轢き殺そうとした事を咎めなかった)
対し、ミルズが非殺を貫こうとする事に大きな不満を抱く。

※「陰の英雄」との対比がクリヴィーレ少佐の場面でさり気なく描かれる事があるので、後から見比べてみると面白い。
「どうした揉め事か・・・・?」からの民間人とのやり取りなど、全く同じ台詞や同じ様なシチュエーションからの行動が色々と対照的である。


●マリチカ・バデア
平和団体「権力と暴力に抗い続ける市民の会」代表。
TV番組内の討論においてクレイズを希望と未来と愛に溢れる平和の使者であると支持。平和団体代表であるが真っ先に暴言および放送禁止用語を吐き始め、ピー音連発で放送が中断されるハメに。平和を騙り火種となる辺りはクレイズと似ている。(服装の趣味もある意味近い)


●マシュー・ペック
軍事評論家の壮年の男性。レギウム国民軍が駐留ドラグノフ軍と戦っていた時期に、テレビに初登場した。
テレビに呼ばれるだけはあり、軍事知識は豊富なのだが……どうも上から目線の言葉が多く*14アナウンサーの女性をムッさせる事がしばしばある。
各専門家を集めた対談放送では(上述のマリチカ・バデアなどを集めた)、お花畑発言を連発するマリチカに激怒し、売り言葉に買い言葉でピー音連発の暴言を連発する放送事故も起こしてしまった。




<レギウム国内勢力>

ここではレギウム側の私兵組織やレジスタンスなど、正規軍や市民でない人物をまとめる。
なおレジスタンスは単なるパルチザンの寄せ集めではなく、大部分が国民軍の首都奪還作戦のために長い準備を経て指揮系統も一本化されており、中には復員兵や正規軍すら混じっている。
組織の性質上、作戦成功後は幾つかの人員が国民軍に合流している。


●イグナチオ・クリヴィーレ
国民突撃梯団(フォルクス・カイル)部隊長。少佐。
熟練の老兵を思わせる風貌とそれに見合った驚異的な戦闘力を持つ。
性格は紳士的だが、ミルズをクルサード大佐の後継者と知るなり実力を試そうとするなど脳筋な面も。
※ミルズ戦に関しては大佐への想いの強さと、大佐の教え子同士(この時のサブタイトルがピューピルズ)という点も大きな動機であると思われる。一番の理由はヘイデンを心配したから

クルサード大佐との対比で決して表に出る事の無い極秘任務を数多く遂行してきた「陰の英雄」とも呼ばれる。
その実力はミルズにも引けを取らず、首都奪還作戦ではハンドガンで敵SAAを軽々と連続撃破するほど。
レギウムでは「SAA非装着の単独歩兵が複数機のSAAを撃破した実戦記録」を持つのはミルズとロビンの二人だけとされており、クリヴィーレが含まれていない事からも秘匿されている様子が窺える。それ故かクレイズもジェノサイド級の存在である事を把握出来ていなかった。
ハンドガンでSAAを撃破している時の国家愛*15の熱弁は本物で、メンバーからの信義が篤いのも頷ける。

かつて、JRRこと統合レインジャー連隊(ミルズ達一部ジャッカルメンバーも所属)の創設期のメンバーで天才と称された過去も持つ。
その際に模擬屋内戦でクルサードと対戦し、慢心していた己を殺されたと語る。
「私より上の人間なら戦場にゴロゴロいる」と早速謙虚な発言をするも、この発言が事実の場合、作中のパワーバランスがあまりにおかしな事になったり、ルーミスの盾(笑)になってしまいかねないレベルの作中屈指の戦闘力を誇る。(ただし、とある理由でオヤジと呼ぶと殺気あるいは凄みのある怒気を放ちつつ怒る)

過去の回想を見た後、首都奪還作戦時の市民達(老夫婦、若い女性、ヒャッハー)とのやり取りを読み返すと違った視点で見れ、もっとオヤジを好きになる・・かも知れない。


●ヘイデン
兵士としての誇りも倫理も規律も何も持っていない野獣(ビースト)
衝動のまま殺戮を続け、最後には悪態をついた上官をも殺害して収監された経緯を持つ。
ミルズやクリヴィーレと同じの刑務所(ソルグレン郊外メルヴィル軍刑務所)に入れられていたが、武装蜂起の混乱に乗じてクリヴィーレ少佐に解き放たれ、その際の「躾」によって服従。粗暴ながらも一応兵士として働き始める。
性格は熱くなりやすく弾を無駄に消費する脳筋単細胞。(戦車一両相手にミサイル全弾を使った時は、同じ部隊に居たレイニーから「死ねば良かったのに」、とさえ言われた。)
一般兵士相手には滅法強いのだが、周りがエース級の化け物ばかりのためある種の癒し系ともいえるポジションであり、弄られ役だったハカセから、その座を奪い取った*16になってゆく。
恐怖もあるのだろうが、基本的に強い人間には従う。野獣と呼ばれるのも納得。
本人曰く無敵モードのようなものがあるらしい。


●ロビン・ストーナー
レギウム軍の退役大尉(敗戦後レギウムの軍人の多くは兵員削減を名目に強制退役させられていた)。
イケメン。レジスタンスとして登場し、レギウム首都奪還後は国民軍に合流した。
パルスアーム (詳細はリンク先を参照)を唯一使いこなした人物でもあり、『ゴッドハンド』の異名を持つ。

生身でもミルズやジベルノウと同じく化け物じみた戦闘能力の持ち主だが、性格は至って正義感の強い紳士。
また可能な限り不殺を心掛けており、彼が「殺さずでは済まない」と判断したのは今のところルーミス騎士団の小隊長のみである。
出自にはルーミス騎士団が関係し、そちらには嫌気が差していた事も示唆されている。
その正体は最強最悪のルーミス騎士団長、ルドルフ・チェカの関係者

追記:化け物じみた戦闘力について
未来も希望もない世界に生きていたと語る。その際、騎士団の部分をパルスアーム部隊に差し替えても違和感ない程にパルスアームでの戦闘も大概*17で、案の定ロビン以外全滅した。だがロビンはハカセにSAAを勧められた際も「長年同じスタイルでいるとその方が楽になるものさ」と発言。(そんな装備で大丈夫か? 大丈夫だ、問題ない)
そして通常より遥かに高性能なSAAと対峙するも、舐めプの末フルボッコ(不殺狙いのため翻弄するような動きをしていた。密着間合い含めて)。相手の方が「こんな装甲(SAA)に守られていても意味がない」と思い知らされていた(色々とおかしい)。体術やハンドガンの技量が卓越しておりCQCでは圧倒的な強さを誇る。
恐らく、装備を減らした方が強くなるタイプ。某裸忍者や某モンクのように


●ミック・シマオカ
元レギウム陸軍所属の退役曹長。パルチザンを率いてレジスタンス活動を行う。
暴徒鎮圧に投入されたレギウム正規軍*18に押されていた所をロビン・ストーナー退役大尉に仲裁され、以後まとめて彼の指揮下に入る。
通称シマさん。


●レナード・ヒギンズJr
レジスタンスグループの一つを束ねるリーダー。恐らくは国民軍の指揮下で動いていると思われる。
親のヒギンズ大尉は回想編で登場し、クルサード大佐が最も信頼していた部下*19だった。
息子であるJrもその遺伝子を受け継いでいる。


●ラウール・マルケス
元レギウム正規軍。性格は謙虚で我慢強く、狙撃を得意としている。
実はミルズらと同時期のJRR隊員でもあり、「昔から彼らは特別だった」と羨望を語る。
スナイパーとしてバロスの足元にも及ばないと謙遜はするものの、元JRRだけあって実力は確かで機装兵化への順応も早い。
初登場時はレジスタンスに参加しており、国民軍の指示によって駐留軍司令部の思惑を打破、その後国民軍に合流しルーミス強襲のとある重要作戦の中核を担う。
階級は国民軍所属時に曹長。


●ファーガス・ヘイルウッド
レギウム国防軍第1師団第4戦車連隊付中佐。
正規軍人だが、武装蜂起の混乱に伴い国防軍より離反。国民軍を支援した。
代々軍人の家系であり「国益と国民、おまえ達を守りたいから戦う」という父の心意気を受け継ぎ、叛逆者と罵られようが国民のために戦い死なんと、志願兵を募る。
「軍人として恥じる事ない戦争を始めよう」


●ケニー・ウォーデン
レギウム国防軍第1師団第4戦車連隊本部総務。大尉。
クールな外見だが熱い男。上官同様、家族や守るべき者のために命を懸けられるなら本望とする。ヘイルウッド中佐が志願兵を募った際
「志願兵なら既に1名ここにおります」と即答した。


●ダン・チャップマン
ミルズ達がレンジャー部隊の訓練生の時の鬼教官。階級は軍曹(後に准尉に昇進)。
役割やセリフなどからおそらくモデルはこの人
回想編のキャラクターだが、後に本編にも少しだけ登場した。
教官キャラとして特に良い所は無く、ミルズに原隊を聞いた時は「ガソリン・スタンド」と馬鹿正直に答えられたのをからかわれたと勘違いしてミルズを殴りつけたり、真っ赤な顔をタコ・チャップマンと言われて話のネタにされたりした。
クルサード大佐の反乱が鎮圧された時には「俺は最初から、英雄気取りの怪しい奴だと思ってたんだ!」と失言をして、ミルズの逆鱗に触れ「今度、大佐を愚弄したら、殺すぞ!」と強烈な殺意をくらって失禁。
そして時は経ち、レギウム国民軍が駐留ドラグノフ軍と戦ってる時期に再登場。その時は、内国治安維持部の集積庫の防衛に付いていた。
ジャッカルの部隊とジェノサイドのミルズが、反乱軍に居る事に怯える部下達に、

「フッ…あのクソ虫が怖いだと…?あいつ(ミルズ)に戦い方を教えたのはこの俺だ!」
「世間じゃ『戦場の死神』と恐れられてるが、あんなものは噂が独り歩きしてるだけだ。」
「本当のあいつは俺が一睨みいれて怒鳴りつければ、小便漏らしてひっくり返るようなチキン野郎だった!」
「ジェノサイドもジャッカルも恐れる足らん、もし奴らが来やがったらこの俺が軽く捻ってやるまでだ!」

などと大法螺をぶっこいて、部下を安心させたのだが、その虚勢はテレビでミルズの姿を見た瞬間に崩れてしまった。*20
またもや失禁。部下から衛生兵を呼ばれる羽目に。そしてミルズ達が反乱に成功した後は、何かに絶望して*21便所で拳銃を頭の横に突き付けている姿を最後に出番は消えた。

しかし、彼の人間的な小ささはともかく、やっている事には間違いはなかったりする。
  • ミルズが軍役もない完全一般人だと分かれと言う方が無理、ふざけているととってもおかしくない(むしろクルサード大佐はなぜチャップマンが聞いた時にフォローしなかったのだろうか…)
  • クルサード大佐は反逆者の大罪人(最初から怪しいと分かっていたとの嘘や、死者を愚弄する発言は頂けないが)
  • 見栄は多分にある大嘘とは言え、部下の動揺を鎮めるために付いた(チャップマンが居ない時にも部下は陰口を叩いたりしてなかったので、最低でも嫌悪されている事は無い模様)




<ドラグノフ連邦>


●カーレル・シュワンツ
ドラグノフ軍最強の特殊部隊『COBRA』の第7(107)戦隊の隊長。大尉。
その戦闘能力は元ジャッカル隊員であるレイニーを圧倒するほどで、作中ではミルズに次ぐ強さを見せつける。
数少ないミルズと交戦して生き延びた人物であり、そして国のためではなく自分の戦争哲学に悩むミルズの同類でもあった。
ミルズとシュワンツの戦闘は殺し合いにも関わらず双方楽しそうというファン必見のバトルである。

その後レギウム首都ソルグレンの武装蜂起(=国民軍による首都奪還作戦)においてドラグノフ幕僚脱出の護衛の任についていたが、介入してきたルーミス騎士団のダークナイツとの戦いで部下を惨殺された事でガチギレ。カットスロートで中の人をぶっ殺し自爆用AIに対し「私にとって予測可能な行動以上の事が出来ない機械人形など相手に値しない」と容易く倒していた。
なんだ、上からすき間狙えば楽勝&瞬殺じゃないか。

機動性特化の戦闘スタイルで反応速度が卓絶しており、ミルズのレールガンをも避け、平然とSAAで壁を走る。
撃たれる毎に癖や弾道を見切って回避力が更に上がってゆき、比例して攻めのギアも上がり、長引くほど手が付けられなくなってゆく。
(接近と回避に専念→回避直後に反撃→回避の真っ最中に連続で反撃…といった具合に)
射撃の精度も極めて高く、高速回避中でさえ小さなジョイントに連射を絡めて百発百中。これは精鋭無比を誇るダークナイツでさえ偶然かと疑うレベルの芸当である。(高速移動・回避中ではなく、単発であれば他のエース達やダークナイツも相当なのだが)

「人間は不完全な生き物だ。間違いも犯せば予測できない行動を取る事もある。不完全であるからこそ限りない可能性を秘めている」自分には感情が欠落していると思い込んでいたが、その割には、、むしろそれが故の言葉であろうか。加えて優しい。
困っていると通りがかって、レーションくれたり治療してくれたりする、お助けキャラ的側面も。
※本作品のレールガンは光速に近い速度とされる。*22


●アレクサンダー・ホレイショ・パウエル
レギウム遠征軍総司令。階級は上級大将、戦後元帥。
サーカムを夢見る侵略心旺盛な人物で、実務能力はもちろんカリスマも併せ持った遠征軍の中核。
だがそれはディヴァンの思惑通りであり、意図的に集中した権力が決定的瞬間に排除された事で駐留軍は大混乱に陥る。


●エル・ヤ・リネウィッチ
委託駐留軍政統合参謀長。中将。
ドラグノフ軍の中でも秀才と称される幕僚で、物語初期からパウエルを支えてきた高級将官の一人。
元帥暗殺を発端とする武装蜂起の混乱を収拾し得る人材だったが、クレイズの暗躍により…。
「私は絶対に逃げない」を選択しておけば・・
COBRAが護衛はフラグ


●ジェラルド・ブラナー
ドラグノフの兵器メーカー・GAF社の重機甲部技術開発マネージャー。
次期ドラグノフ軍主力量産SAAのコンペにおいてAGI社のハワードと争う。
性格は陰湿で、模擬戦の相手にわざわざAGI製の機甲兵器を揃えてみせるなど暇人嫌がらせに長けている。
後にハワードがレイニーの持ち込んだ ゼブラ について「GAFの機体など触りたくもない!」と吐き捨てるのも分かるというもの。

ただ、ブラナー主任にしてみれば戦時中は(レギウムのバルディッシュ改に比べ) バルメ の評判がかなり悪く、後継機はいくつも作ったもののいずれも費用対効果や主力量産機としてバルメを超えるものは最後まで造れなかったので、軍部からボロクソに貶され責められていたであろう事は想像に容易い。
なんせGAF社は形こそ民間企業ではあるが、退役将兵会が株の半分近くを持っている事実上の軍部兵器工廠なので…。
筆頭株主が顧客のOBってこの世の地獄じゃないですかね
AGI社に対する執拗なまでの嫌味もその裏返しであろう。


●ミルチャ・アヴェレスク
バルシア軍団参謀長、少将。
軍政本部のオレグ・プレザン中将の腹心であり、パウエル元帥が暗殺された直後の武装蜂起鎮圧に奔走した駐留軍の事実上の2。
戦争中にリーダスにしてやられ、武装蜂起時もやられっぱなしだったが、敵役ながら正規軍人の誇りを持った魅力的な人物でもある。
駐留軍の師団長アントン・レフ・ゴルデンヴァイゼル少将、ペトロ・スネグル少将、トレバー・ガスパリーニ少将と共に武装蜂起鎮圧にあたる。
その後の去就は不明だったが、クレイズのルーミス同盟宣言の折にオービターアイズの粛清を浴びてゴルデンヴァイゼルが死亡。その報復として(相乗りではあるが)ルーミス強襲作戦に参加し、レギウム国民軍と共闘する。

代表的な台詞および場面に「星持ち事務屋どもに伝えておけ」「私は絶対に逃げない・・・・とな」「これは我々の軍人魂が築く強固な壁だ!」「私は無能者だが部下には恵まれた・・」などがある。
出番の割に熱いシーンが多い。


●オレグ・プレザン
バルシア軍団長。中将。
パウエル元帥暗殺後、武装蜂起の混乱の中で有力な幕僚が首都脱出に失敗し、恐らく臨時・繰り上がりで駐留軍のトップとして軍政本部に鎮座する。
国民軍のハメル大将と同様もしくはそれ以上に寡黙な人物で、比較的温和かつ職務に忠実な軍人でもある。
実際の指揮は腹心のミルチャが行っており、そちらは軍政本部ではなく首都郊外にある駐留軍司令部に移動させている。

本人曰く、かつては権力に強く憧れ、のし上がるためなら汚い手段も厭わなかったという。
努力と根回しと勘により、貧しい出自で幕僚大学も出ていないにも関わらず現在の地位まで上り詰めたが、代わりに周りが敵だらけになった、とも。
その時に部下達に守り支えられた事により考えを改め、共に戦火を潜った部下達を「何より大切なもの」としている。
「世の中とは皮肉なもので優秀な者が優遇されたり生き残るとは限らない」の言葉通り、より優秀な者たちは世を去り、奇跡的な偉業を成し遂げる事となったのはプレザンであった。
首都奪還作戦においては国民軍とレジスタンスに最終防衛ラインを突破され降伏。
その後名目上は人質のような状態であったが、クレイズによるオービターアイズ制御と武力を盾に脅すルーミス同盟の提案により状況が激変、ルーミスの牙城を崩すためにリーダスからドラグノフ本国との仲介を頼まれ、これを快く承諾し尽力する。
ミルチャと同じくかつては敵でありながら魅力的な人格的統率力が窺える人物である。


●トレバー・ガスパリーニ
バルシア軍団72装甲擢弾兵師団長、少将。
眼帯を着けた気骨のある老人。「勝利を掴むのは圧倒的な火力差と兵の鉄の規律だ」を信条とする。
物量で押すドラグノフの精神を形にしたような人物。戦いは数だよ。
単騎に部隊を全滅させられた際は、かなりのショックを受けていた。
上層部は打算か何かの理由で参戦しているのであろうと兵士が噂している頃、当のガスパリーニ達は純粋に同胞達の敵討ちに燃え、報復を誓っていた。

余談だが10巻では、たった2ページで凄まじい勢いでフラグを立てまくり、地雷を設置し続けていった。
●兵力差で勝負→よくある負けフラグ。ついでにコマが眼帯のどアップ。(しかもフラグ立てた当人は平気だった。他の4項目も同様)
●レギウム正規軍を投入すればいい→ミルチャの忠告通りの結果に*23
●幸い、重火器を再装備させていた。すぐにでも使える→フラグ上乗せ、2つ。幸い?
●所詮は軽武装の烏合の衆→ガチ凹みしながら「烏合の衆の戦術と侮った報いか」(しかも凹むのはミルチャ)
●リネヴィッチ中将や急なポスト調整の話→ああ・・

たった6コマぐらい(同志の発言も含めたら9コマの間)での清々しい出来事であった。
しかも力説後の表情がドヤ顔にも見え、
加えて隣のゴルデンヴァイゼルがいかつい顔(不安というか、賛成の「さ」の字も感じさせない顔。普段もこうかも)で見ているのが視覚的スパイスとなっている。

「貴官ら軽挙は慎めよ」直前(1コマ前)のミルチャ先生のお言葉

※本作品はフラグを重要な要素と捉える声も多く、この時のガスパリーニの行動はむしろ絶賛されるべき・・かも知れない。
※元々は普通に真面目なシーンです。特に、先の話を読んでいない初読においては。


●ペドロサ
ドラグノフ軍の機装兵。階級は曹長。
装甲の進化により機装兵の死亡率は大幅に低下したが、その装甲をたやすく切断できるブレード使いこそが最強のSAAであるという信念を持つ。
このため「最強のブレード使い」を自称し、世間的に有名なブレード使いのレイニーを倒す事でそれを確実なものにしようとしていた。
切り裂き魔でシリアルキラーの雰囲気があり、果ては同じ部隊の同僚からも殺人事件の犯人ではないかとまで思われている。ペドロリ曹長と呼んではいけません
装着するSAAはゼブラ先行量産型(FR-A13M1)。ハワードの独自チューンを施したレイニーのゼブラと火花を散らす*24


●シュクロウプ
ドラグノフ軍ジン機甲旅団本部付情報将校。少佐。
「武勲の機会を逃すなよ」
その後ガードナーにビルごと爆破される。


●レブロフ
ドラグノフ軍ジン機甲旅団305機装特務中隊長。大尉。
「英雄になって来い!」
ガードナーの無人兵器部隊に翻弄された挙句、ビル及び中隊ごと爆破される。


●フリオ・バルベラ
バルシア軍団の司令部付き少尉。
狙撃型バルメ・イェーガーを駆り、司令部防衛任務の中でレジスタンスと激戦を繰り広げるが、マルケス曹長との死闘の末敗れる。

任務中にお酒を飲んでいるようにも見えるが、瓶の中身は果たして?




<ルーミス・ディヴァン>

かつてルーミスに仕えていた『旧ルーミス王朝貴族の末裔(ディヴァン)』および『ルーミス騎士団』の関係者。


●ユリアン・クレイズ
「もう終わったのですよ」
本編開始時から一貫して暗躍し続ける黒幕。ミルズに汚名を被せた張本人。
元ジャッカル隊副隊長でありながらドラグノフのスパイを兼ね、さらにはディヴァンの尖兵。
当初からレギウム国防軍内国治安維持部第1課第5室長・少佐と、ドラグノフ連邦軍統帥局情報部第7課付大佐の顔を持つ。

ディヴァンに籍を置いているが、実際には評議員ではなく詳しい素性も明かしていない。
その正体はルーミスの王族シルバイン家の唯一の生き残りで、先述した狂瀾のルーミス騎士団を擁している。
事実を知っているのは評議員の長老(ドイエン)のみ。

ディヴァンは今次大戦を含めた『混沌への再生(グラン・ケイオス)』計画を実行するが、これを立案・執行しているのも基本的にはクレイズ。
レギウム、ドラグノフ、ディヴァンすら自分の目的遂行の為の要素としか考えておらず、オービターアイズの制御コードを手に入れて世界の掌握を目論んでいる。

極めて高い能力を持ち、兵士としての戦闘能力も元ジャッカル隊だけあって規格外。
…なのだがルーミス騎士団にクレイズの影武者が登場したため、実際のところ本人がどれほどの実力を持っているかは不明となっている。
ただ、ジャッカル隊に所属していた頃のクレイズは影武者ではなく本人であるようだ。*25
「本当の戦争はここから始まる!」トリックスター的側面も持つ。


●レイラ・クルーガー
レイニーの妹で、治安維持部としてのクレイズ少佐の副官。階級は中尉。
副官として付き添う傍ら、秘書や情報士官、情事までこなしている。
クレイズに心酔しており、逆にクレイズを危険視し家族愛が重い(いわばシスコンの)兄を疎ましく思っている。
当のクレイズにとっては駒の一つに過ぎないが、一方で自身の出自など重大な秘密を明かしているほか、様々な作戦でオペレータやコントロールを任せるなどかなり重用しており、配下の中でもルーミス騎士団に次いで信頼が厚い事が窺える。


●ロッシ・セリオーニ
元ジャッカル隊。クレイズをして彼に狙われて生き残った者はいない『猛毒』と言わしめる暗殺のプロ。
クレイズとは恐らくレイラと同程度の古い付き合いがあり、終戦後もクレイズの護衛と重大な作戦を遂行する。
ミルズを裏切った理由もクレイズに従っただけだと思われる。

顔には右目の上下に傷があり、鋭い目つきをしている以外は精悍。
性格も冗談を好むが不真面目でもない、ほどほどにバランス良く砕けており、仕えている対象には公私きっちりとした仕事をこなす、まさにプロ。
クレイズについても「困った王子様だ」と評する辺りからおおよその人物像が窺える。
また、ガードナーほど謎の多い人物ではないものの、ドラグノフのシュワンツ大尉とはちょっとした因縁があるなど明かされていないプロフィールがちらほらある。
かつてはJRR隊員で、ミルズの三期上だった。


●ルドルフ・チェカ
ルーミス騎士団の最高位で団長を務める。
クレイズ直属の護衛であり、作中最強の存在である事が示唆されている。
感情が剥き出し気味になるクレイズなどと違いチェカは感情の起伏のなさが際立っており、一人で大部隊を相手に淡々と処理する異常な人物。
敵だけでなく味方でさえ精神に異常をきたすほどの戦闘能力の高さから『悪夢』(ナイトメア)と呼ばれている。
どこの格ゲーキャラだよ言いたくなるレベルの白兵格闘を見せ付ける。ちなみに本人の担当はあくまで”隠密・暗殺”である。


●ダニエル・マードック
ディヴァン評議員の一人。
若手で青臭い部分があり、評議員の中で唯一(表向きは新参者の)クレイズを敵視し、裏工作で始末しようとした。
節々に怪しい言動のあるクレイズを最も警戒していた人物とも言えるが、家紋に頼るボンボンというイメージが強い。
一貴族としての器はともかくとしても喧嘩を売った相手があまりに悪く、工作はことごとく打破され返り討ちに遭う。


●ドミトリー・ラシモフ
旧ルーミス貴族家の当主。
ディヴァン評議員の1人。
眼帯を着けている。ルーミスに対する忠誠心は非常に高い。



<その他>


●アントニオ・リベラ・デ・グレイフ
ザンテダル社会共和国頭領。
核ミサイルを発射し、その利益で世界の中心になろうと目論む。極めて利己的な人物。
「よく出来たCGだ」「ハッキングに長けたテロ国家」といった発言をする。
(ハッカーが暗躍した東の小国といい、東では独裁やハッキングにまつわる設定や構想がいくつかあるのかも??知れない)

ハンドガンで的確にヘッドショットを連発し、約3秒の間に部下を4キルする腕前を持つ。・・・え?!(直前にも1キル。さり気ない部分がしっかりしている事の多い作品なので、実は意外と強い設定・・だったのかも知れない)





【登場SAA】


エーリエル・ガナー・インダストリー(AGI)製>

◆APF-175mod "バルディッシュ改"
レギウム軍の現行主力機。
量産機としては当時の世界水準で見ても高性能を誇り、強大なドラグノフと互角に戦えたのもこの機体の存在によるとされる。
ドラグノフのバルメと比べスマートな外見を持つ。
作中では改になる前の機体どころか先行量産型(XPF-175)や強襲用装備など豊富な改造・換装などによる仕様変更機体が見られる。
なお標準装備は手持ちの12.7mm徹甲重機のみで、かつ本体側に武器が装備されていない。
これは重火器はオプション装備で担い、それぞれ作戦毎に対応する汎用性重視の設計と思われる。

作中で活用された装備はロングレンジライフル、スモークディスチャージャー、ミサイルポッド、対戦車ロケット等。
重装型の中には肩部だけでなく脚部にもミサイルポッドを装備している機体(APF-175mod-AA 強襲用重装備)も登場した。


◆ASP-177e "スワッシュバックラー"
バルディッシュの後継機(APF-177)として開発されたが、高い製造コストと戦時後期の財政難の為、先行量産機16機のみロールアウトした時点で専用機にシフトした。
その後ジャッカル隊用に特殊部隊仕様の機体が8機生産配備された。
大戦後期の傑作機。ただし登場は物語冒頭のみ。

派生機としてバロス・ウォード専用のスナイパー・カスタム(ASP-177scMK-23)がある。
こちらはバックパックに大型スコープとセンサーを搭載し、同じく専用の50mmロングレンジライフルと連携した後方支援用の機体。
射撃精度を上げる為の固定装置などの機構も搭載している。
バックパックとライフル以外は大差ないため、任務次第では通常のeタイプのように使用されたらしい。


◆XSP-180 "Mk-54"
スワッシュバックラーの後継機として、次期主力量産型の競作に提出された試作機。
AGI社製…というよりハワード主任の趣味もとい人生をかけた機体である。
標準装備は両腕のアームガン(ただし度重なる改修によってかなり変更が大きい)で、大型の徹甲重機と小型化に成功したレールガン「ハイパー・ヴェロシティ・アームガン」を持つ。
だがスワッシュバックラー同様の生産コストの高さと、異常に機動力が良すぎて乗り手が機体に振り回される現象が起きる*26と極めてピーキーな性能故、誰にも乗りこなせなかったため「失敗作」と酷評されていた。
優秀とされるクラダーですら「俺の体が持たない」「これは人間が制御出来る代物ではない」と匙を投げたほど。
…そもそも主力量産機のコンペに常人に扱えないレベルの機体を開発したハカセが悪いだけだが。
なおそのコンペの際、MK-54がスペックを全く引き出されず戦死判定されたのに憤慨したハカセは、傍にいたレイニーに試乗を頼んだが……すげなく断られた。
それを根に持ったからか、後に国民軍に合流したハカセはゼブラのカスタマイズを頼まれた時に思いっきり拒否っていた

ただし化け物なミルズの使うワンオフ機としては申し分なく、機種転換訓練すら受けもせずに、静止模擬演習機構のチュートリアルを見ただけで完全に乗りこなして見せた。
ミルズ「さすがに、スワッシュバックラーの後継機だ。しっくりくる」
今作の主役機と言っても過言では無くミルズと共に戦場を駆け抜ける。
なお外部装備等はAGI系規格の物を転用換装出来る模様。


◆改修仕様 "Nk-54 聖騎士(パラディン)"
首都奪還作戦で用いられたMk-54。MがNになっているのはサヤの塗装ミスで、聖騎士もサヤが名付けたもの(当然ハカセは認めていない)。
フルカスタムチューンが為されており、敵地での遊撃(特に継戦能力)を主眼に置いた市街戦仕様となっている。
変更点は多岐に渡るが、外見上もっとも目立つのが左腕付属の大型シールド。またアームガン化していたレールガンをこの内側にマウントしている。
15.2mm徹甲重機も撤廃され、代わりに弾倉の大きいカービンを持つ。カービン自体にもブレードが内蔵されている。

背部にはハカセ謹製の新兵器『タンク・バスター』を装備。
敵中での遊撃を行うには弾数の少ないミサイルポッドは不適であり、それを解決するために開発されたもの。
名の通り対戦車徹甲榴弾を放つ砲だが、携行弾数と貫通力を重視しているため有効射程が極端に短く(約5m)、しかも戦車側面を狙わなければならないピーキーな兵器であった。ハカセ曰く「あんたにしか扱えない兵器…かな?」「トップアタックよりはましだろう」
他に、踵にも格闘用の武器を仕込んでいる。
コンペ当時のMk-54に装備されていた電磁リアクティブ・アーマーも機動性重視のミルズには合っていないためか撤廃された。


◆改修仕様 "MK-54 重駆逐型(ヤークト)"
ルーミス強襲作戦時にミルズが駆ったMk-54。*27
レールガンはかつてのスワッシュバックラー00(ミルズ機)のように大型で背部装着・使用時に手で構える方式に戻っている。
右腕には大型徹甲重機アームガン、左腕には多目的ランチャーとブレードを仕込んだシールド(Nk-54より小型化)を持つ。
シールド表面には排莢口があり、ランチャーにはグレネードの他、敵ミサイル迎撃用の子弾を散布するものが見られる。
その他、背部右側に大口径、左側に6連ミサイルポッドの存在が外見から推察できる。


◆ASP-NC1200R "ブラックバード"
◆ASP-NR770 "ダークホーク"
レギウムのGIGN特別機装隊第1班SAA。ブラックバードは部隊の通称にもなっている。
対人用でテロ等の即応鎮圧を任務とする性質から、旋回性やリフティング装備など対人想定の小回りを重視しているのが特徴。
両腕にアームガン化した小口径(7.92mm)機銃を持ち、さらに手持ちの銃として9mm短機銃や対SAA用重機がある。
物語序盤のほか、後に横流しされたものをカスタムした機体が登場し、クリヴィーレ少佐が使用している。

ダークホークは同部隊の隊長用だが、ブラックバードに似ているのは外観だけで装甲や武装は別物。
アームガンの片方はグレネードランチャーに換装され、装甲も強化装甲になっている。
その耐弾能力は対SAA用の12.7mm徹甲重機をものともしないほどで、作中ではウォルドマンが使用しミルズを苦しめた。


強行偵察型(フォース・リーコン)SAA
ガードナー少佐専用に造られたワンオフ機。
正確にはAGI製ではなくほぼハカセのオリジナルSAAだが、フレームはバルディッシュを流用している。
性能自体はハカセが太鼓判を押す(いつも自信満々ではあるが)ものの、中身や性能の詳細は不明。
多数の無人兵器を同時に制御している事から極めて強力な演算装置を持っていると考えられる。


◆APF-152A3 "ミュルミドン"
レギウム軍でかつて使われていた旧式SAA。
作中に登場したのは博物館に飾られていた骨董品だが、学芸員の適切な維持のおかげで燃料とバッテリーの補助だけで稼働した。
外見は丸みを帯びており鈍重なイメージがある。口元の騎士の甲冑を思わせる列状の縦スリットが特徴的。
使われた武装はアームガン化した対物ライフルで、旧式といえどもバルメの装甲を貫くには十分な威力を持っていた。


ガイエ・アームズ・ファブリク(GAF)製>

◆FR-A4 "バルメ"
ドラグノフ軍現用主力機。
性能的には決して低い物ではないが、戦時中はより高性能なバルディッシュに大きく水を空けられている。
狙撃タイプ、重装甲拠点防衛タイプ、寒冷地仕様タイプ(スキー板装備)、市街地戦用軽装型と実に7機種近くもバリエーションがあるのが特徴であるので、性能が低くとも様々な場面に対応できる拡張性を持った傑作機と言えよう。
レギウム軍からの蔑称俗称は『ドンガメ』。この由来は、バルメの鈍重さをドラグノフ側のクラダーが揶揄して言った事で、レギウム軍はそれに習ったのであった。つまりバルメの機動力の低さは、両軍の共通認識だったりする
と言っても機動力以外は難点がなく、自動小銃ぐらいなら無視して突き進みつつ、塹壕に籠った兵士を上から見下ろしつつ銃撃で処理するなど、まさにSAAの恐ろしさ重点である。
ちなみにやられる時の台詞は「ダカッ(半角)」「ガハッ(半角)」など名言となっている。


◆FR-A4M6/D "バルメ拠点防衛型(ヘビー・ディフェンダー)"
上記バルメの重装甲拠点防衛タイプ。なけなしの機動力を完全に捨て去ったSAA。
ジン機甲旅団502重駆逐大隊『鋼鉄の防壁』所属のSAAで、アームガン(というよりほぼ外付けの)ガトリング式重機関銃Nk-54のものと同程度のサイズのシールド、6連装ミサイルポッド等を装備している。
全身強化装甲であり、重機関銃(HMG)による大火力と汎用対SAA徹甲弾ではビクともしない恐るべき防御力で国民軍の強襲部隊を苦しめた。
なおバリエーション元のFR-A4M6は外見だけならD型とさほど違いは見られない。こちらはルーミス強襲作戦に参加している。


◆FR-A4SⅡ "バルメ・イェーガー"
狙撃型仕様のバルメ。大型スコープ付ロングレンジライフルを持ち、片膝をついた状態で狙撃を行う。
従来のバルメと比べ凹凸の少ない装甲が目立ち、特に頭部スコープの形状がまったく異なる。このためバルメらしさはかなり薄い。
オルフェルド戦線の他、バルシア軍団司令部付きの機装兵隊にも登場しており、ラウール・マルケスと狙撃合戦を繰り広げた。


◆FR-A5M2 "コブラⅡ"
ドラグノフ軍特殊部隊COBRAの指揮官機"FR-A5 コブラ"をシュワンツ大尉のオーダーで軽量化カスタムしたもの。
ベース機のコブラそのものは現状作中には出ていない。
軽量化により圧倒的な機動性を得る代わりに対弾性と安定性が犠牲になっている一点特化タイプ。
その異常な機動力と紙装甲により余人には扱えない機体。
作中でダミーを乗せ頭をミルズにより対SAA用ハンドガンで頭部装甲を普通に撃ち抜かれた描写から装甲はかなり薄い、もしくは無い様子。
特技は壁走り。

本体武装は背部内臓のヒートナイフ一本のみ。
携行武装としてコブラシリーズ専用のアームフィクスト・ライフル"バスターM1"があり、腕部装甲形状にフィットする独特なもの。
12.7mmAP弾と20mmHPEP弾(ショック・バスター)を射出する。

なおシュワンツ大尉のCOBRA107戦隊の部下機も同様に極限まで軽量化されたバルメ(FR-A4LAC)を使用している。
どうやら彼の部隊は基本的に機動性一点特化で占められているようだ。


◆FR-A12 "ゼブラ"
ドラグノフ軍次期主力機。コンペに出されたMk-54のライバル。
バルディッシュを凌駕し、かつスワッシュバックラーと同等以上の性能を量産機で実現することを目標として設計されている試作機で、実質的にレギウムのAGI系技術とドラグノフのGAF系技術の融合の「合いの子」機体。
性能も平均的に向上された量産機原型として申し分ない性能を持っており、当然ながら高コストで量産できないMk-54に勝利する。
だがコンペの評定時にミルズの襲撃があり、どさくさに紛れてレイニー・クルーガー中尉によってMk-54と共に奪取された。
後にドラグノフで正式に採用された先行量産型(FR-A13M1)が現れる。

武装は右腕に12.7mm徹甲重機アームガン、左腕に小型シールド、背部バックパックに大型のミサイルランチャーを4基装備している。
なお設定上ではさらに2基ミサイルランチャーがあり、ミルズとの対決時に実際に使用しているのだが、作中・設定画どちらを見てもどこに搭載されているのか分かりにくい*28。恐らくはシールドの内側だろうと思われるが…。

奪取された機体はミルズらの国民軍合流時点でレイニー専用機となり、後にハワ-ドによるカスタマイズ(脅迫されてやったが手抜きはしていない)がなされた。
このハワードカスタムはフレームでは肩アーマーの形状*29が異なる以外はさほど大きな違いはないが、バックパックは体積の大きいミサイルランチャーから別のオプションが搭載されている様子。
一方で性能は原型とかなり異なり、元がGAF製という事もあってワンオフ機となっている。
整備スタッフすら「元の機体より別物みたいに出力や反応速度が良くなった」と評しているため、当のゼブラをさらに凌駕する性能である事は想像に容易い。


ヤガミ重工製(YHI)

◆F3A "鬼神"(キシン)
先述の通りハワードがAGIに機体開発時の参考用として日本のヤガミ重工カシワザキ事業所(作中では「極東のメーカー」としか記されていない)から輸入していた物をジベルノウ用に充てた機体。
出力自体はGAFのゼブラと同等だが、機体の操作追従性を極限まで追求しており、なんと0.01ミリレベルの駆動部調整を要する代物。
代わりに装着者に「SAAを着ている感覚が全くない」と言わしめる程その機体の操作に対する追従性が高い。
武装も和風な機体らしく特徴的な日本刀型TCV(熱伝振動)ブレードを背面右側に担ぎ、反対側の左にはハンドガンを装備している。
腰の部分に柄頭部分を交換する形式のTCVブレード用予備バッテリーホルダーが有る。
TCVブレードには出力変化スイッチが付いており表記は「弱/強」の日本語表記。
またバックパック中央内部には射出式アンカーを装備している。


◆F4CS "修羅"(シュラ)
エース用にラセツと共にヤガミ重工業から輸入したニューモデル。キシンのモチーフを侍とするなら、シュラは忍者がモチーフと思われる。
確認されている武装は、忍者刀型TCVと思しき武器(長さは平均的な忍者刀より長い)・クナイ状の武器(時限装置及び爆発物を内蔵し腕部から発射)・ハンドガン。


◆F5 "羅刹"(ラセツ)
ハカセ曰く、スピードタイプであるシュラとは逆でパワーがある。
強化装甲を前身にまとう鈍重な重装備タイプで、防御力が非常に高い(中の人共々「まともじゃない!?」)ようで、巨大SAAの砲撃に耐え、近距離なら強化装甲も貫けるとされるダークナイツの大口径弾を弾切れになるまで弾き続けていた。
※中のクラダーへのダメージまで防げる訳ではない
斧の性能も凄まじく(ヘイデンの膂力や技術に因るのかも知れないが)、斬れ味抜群。投擲時もSAAを切断。斬れ味を上げる為か薄刃にも関わらず、耐久性も非常に高い模様。
ヘイデン装着時は重火器類をメインで使用。
クナイ状武器(時限装置及び爆発物を内蔵し前腕部より発射)を搭載。


<その他>

◆"ダークナイツ"
クレイズ殿下の王宮騎士団用SAA。
抗弾マントを被って柄頭に銃口が付いて剣身の真ん中にカシメの様な丸い折り畳み部分を持つ珍妙過ぎるデザインの剣を持つ。
脛には空中散布型散弾ユニットの射出装置、両腕アーマーにグレネードランチャーと火炎放射器を持つ。
強化装甲だが、強化装甲とは思えない速度を出せる。
空中散布型散弾は強化装甲すら貫通する。
派生機種として汎用量産型の「ブラックナイツ」や重野戦用の「タクティカルナイツ」などが存在する。




【その他の兵器】


ここではSAA以外の特徴的な兵器を記す。


155mm装甲重野砲(インヴィジブル・ハンマー)
戦時中レギウム軍を苦しめた、『見えざる鉄槌』と呼ばれる対機甲兵器用精密狙撃砲。
精密狙撃時の有効射程は10kmにも及び、僅か十秒で照準・誤差修正・砲弾自動装填を行い移動目標を正確に撃ち抜く。
陣地に設置された砲門そのものであり移動能力はないが、全身装甲に覆われており、もはや要塞に近い。
作中では第3軍の籠るアルバ・ユーリアへと続くランスバール山脈入口ルートを封鎖していた。


▼ パルスアーム
戦時中、質はともかく生産力で差を付けられたレギウムが苦肉の策で研究していた兵器の一つ。
SAAの腕部をベースに開発された歩兵携行用の対SAA装備で、外見上はそのままSAAの腕部である。
その実体は手に電撃端子を装備し、高圧電流によって敵SAAの駆動部やCPUを破壊するためのもの。
しかし、効果を上げるには敵SAAに直接触れなければならず、当然ながら実戦でそんな事ができる人間はまずいない。
初めて実戦投入された対SAA猟兵部隊において帰還したのはロビン・ストーナー大尉ただ一人だけであった。

ルーミス強襲作戦では大尉専用の特殊装備としてパルスアームの発展型が登場している。
これはハカセに「本当にあんなものでいいのか」と言われたほどの奇妙な発展型装備で、一見すると特殊なスーツの形態のようにも見える。
背中に背骨のようなフレームがあり、上部先端からケーブルで従来の左腕パルスアームへと接続。下部先端の腰部分にはバッテリー・両サイドにモーターと腿部に続く伸縮フレーム、そしてSAAの脚部のようなロングブーツまでがセットになっている。
これにより生身に見えてSAAと同等かそれ以上のスピードで動く事ができ、見方によってはシュワンツ大尉のコブラⅡと同じ機動力特化SAAに近いと言えるかもしれない。
脚部には腕と同じく電撃端子を装備しているほか、予備武装として内部にナイフを格納している。


▼ 新型レーザー兵器
ハワードハカセが戦時中にオービターアイズのレーザー兵器を模倣したもの(オリジナル並みは無理だがマイクロコピーは造れる自信があった)。
当時は基地中の電力を使用しても小型ミサイル一発分の火力しか発揮できなかったが、後にとあるエネルギー源を入手した事によりルーミス強襲作戦に用いられる事となる。


▼ 野戦重装甲二足歩行型兵器 "ティーガー"
現行のSAAの倍近い巨体を持つ機動兵器。
パワードスーツの延長であるため分類上はSAAかそれに類すると考えられるが、便宜的にこちらに記載。
巨体に見合わぬ高い機動力に加え、大口径HMGすら歯が立たない重装甲と様々な重火器を持つ化け物。
ルーミス騎士団のエースが装着し、国民軍の強襲部隊と激突する。









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