戦争

登録日:2009/10/14(水) 02:47:11
更新日:2025/02/01 Sat 20:18:17
所要時間:約 4 分で読めます


タグ一覧
WAR この世の地獄の見本市 よろしい_ならば戦争だ ウォー クリーク サイボーグ009 サーシェスの大好物 パワーバランスの崩壊 ビジネス ホント戦争は地獄だぜ! モンティナ・マックス ロード・オブ・ウォー 不景気 人口抑制 人類 全面戦争 内乱 内戦 勉強になる項目 哲学 国家公認 国家犯罪 国策 国防 地政学 地政学リスク 地獄 地獄絵図 地獄絵巻 外交 外交カード 大戦 大戦争 大義名分 大量消費 対義語:話し合い 少佐 少佐殿の大好物 平和を望むなら戦いに備えよ 弱肉強食 弾の数だけカネが舞う 忘れてはいけない 情報戦 戦争 戦争映画 戦争犯罪 戦争犯罪人 戦争犯罪者 戦争論 戦争=ビジネス 戦火 戦略 戦術 手段 技術革新 指導者の判断ミス 文化 明日は我が身 欺瞞 歴史 死の商人 死者だけが戦争の終わりを見た 殺人 汝平和を欲するのなら戦いに備えよ 治に居て乱を忘れず 物不足 犯罪 現実 生きるか死ぬか 科学は戦争で進歩する 税金 税金の無駄遣い 税金泥棒 策略 紛争 経済学 経済戦争 自然な状態 虚しさ 虚無 血と涙が流れる行為 謀略 負けてはいけない 軍事 防衛戦 防衛戦略 騙し合い


戦争は一つの政治的行為である。戦争は他の手段をもってする政治の継続にすぎない。

クラウゼヴィッツ『戦争論』より


百戦百勝は、善の善なる者にあらず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり

孫武『孫子』より


「人間狂って結構」、それが戦争だ。

新機動戦記ガンダムWより 戦争について-ドクターJ-



概要

戦争(せんそう)とは

狭義では国家間の利益調停の最終手段として用いられる外交交渉の一形態。
いわば武力を用いた国家間の闘争、殺し合いである。

政治的観点では国民の不満を回避する為の手段とされることも多々ある。

同じ武力交渉でも国対国でない場合や小規模・局地的・非公認の場合、紛争・事変等と言う。
また、国家の中で複数の武装勢力が衝突している場合は内戦と呼ばれる。
広義ではこれらも戦争に含む場合がある。

転じて人々が激しく争う様を比喩的に表す。



常に人類とともにあった存在だけにとても10000字程度ではまとめられない凄まじいジャンル。
戦争を語ることは人間を語ることに相当するのではなかろうか?


常に戦争は不幸災厄の象徴でもあったが、核兵器の実用化によって大規模な戦争は人類を滅ぼしかねない状況になってゆく。

『人類が戦争を根絶させなければ、戦争が人類を根絶させるでしょう』

現実問題として戦争は人類のいる限り根絶不可能と考えられている。
全人類共通の基準は存在しえず、互いが競争関係にあり、それを仲裁する絶対的存在が不在だからだ。
文化や宗教の違いなどきっかけは様々だが、突き詰めると領土・資源の奪い合い(ないし経済格差)という生存競争の根本に関わる問題がある。

しかし多くの災害・犯罪・事故同様、ある程度の制御は可能であると推測される。

まあ、無きゃ無いにこした事はないが。


戦争の「ルール化」


同一文化圏等の閉鎖的環境においては暫し儀式化することもあったが、
技術が発達し死傷者が激増するとともに、国際法が制定され戦争のルールが明文化されるようになる。

最初の戦争関連国際法は1648年に締結された30年戦争の講和条約であるウェストファリア(ヴェストファーレン)条約とされる。
これ以前はフェードアウトか完全な征服、もしくは
A公「結構死んじゃったけどどうするよ」
B王「そろそろやめようか」
A「そうしよう」
B「領土はどうする」
A「今持ってるとこでいいっしょ」
B「ほいよ、じゃあこれからよろしく。」
といった感じだったようだ。

色々あってWW1後には戦争そのものが違法化され、WW2後にはより幅広く武力による威嚇又は武力の行使そのものが違法化される運びとなった。
ただし完全にすべての戦争が否定されたわけではなく、戦争を行う事態に至った場合のルールの整備は引き続き行われている。
現代の主な戦争に関する国際条約・法は以下の通り。
  • 国際連合憲章
  • 外交関係に関するウィーン条約
  • 宇宙条約
  • 捕虜の待遇に関する条約
  • 集団殺害犯罪防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約)
  • ハーグ陸戦条約
  • 南極条約
  • CTBT



戦争と科学

現代文明を形作ってきた科学技術のほぼ全ては戦争に端を発するか、戦争によって進展してきたといえる。
古くでいえば、鉄は間違いなく戦争と共に発展してきた。
缶詰ナポレオンが遠征のために作らせたものだし、wiki籠り諸兄の目の前にある機械も元は軍事技術である。

また、技術革新には戦争は必要不可欠と唱える者もいる。
しかしながら現代の戦争において(人的資源を含めた)コストがリターンに見合うかは疑問視されている。
過去、戦争が技術を発展させてきたからとてこれからもそうであるという保証はない。
アインシュタインの「第4次世界大戦は石とこん棒で戦うことになるだろう」という言葉が代表的だろう。


また「歴史」がおとぎ話から学問になったきっかけも戦争である。
芸術文化にも多大な影響を与え、時にその惨禍を、時に栄光を知らしめるためにおおいに用いられた。

人の生存本能に直結するこの事象は有史以来、いやおそらくはヒトという存在が生まれたときから人々の関心事の中心にあったのである。


ヲタク(サブカル)と戦争

初の活字印刷が軍学書だったように、昔から極めると社会的地位が確固(軍人や軍事研究家)となる数少ない分野である。
と同時に、そのベタさは学園モノに勝るとも劣らざる作品数を誇る。
人間あるところに戦争あり、ということなんだろうか?

ストーリーの終着点が明確かつ、小道具・イベントに溢れ、様々な人間の織り成す群像劇
主人公の立場・能力・性格によって王道的な成長譚・冒険譚からブラック&ヘビーと非常に応用が効き、
日常と非日常、正気と狂気、整合と矛盾が同居する異常性は人間の内面を考察する「物語」にとってまさに適当な舞台でもある。

日本ではその特異性から、サブカル、趣味でしか「戦争」を取り扱えなかったともいう。


日本においての戦争

現在の日本国では、日本国憲法第9条の規定により交戦権を否認している。
第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

じゃあなんで自衛隊があるの?という疑問は当然である。
一般的な意味での交戦を禁止(=戦闘を一切できない)されているのならば自衛隊は意味がないはずだからだ。

しかしながらこの交戦権、国際的にはほぼ定義付けされておらず曖昧なものである。
そして国家の自衛権は否定されておらず、

この自衛権の行使によって外見上交戦と同じ結果が発生しようとも、それは交戦権の行使とはならない。

というスーパー曲解政府解釈により自衛隊は存在している。


正しい戦争

非戦論的立場と必要悪論で日夜不毛な争いを繰り広げている。日本で言えば所謂9条問題。
日本人の一般人の多くは「戦争とか怖くね」という短絡的な言葉で片付けがちだが非常に重要な問題である。

現状では先述した通り、国連加盟国に課される国連憲章上は「武力による威嚇又は武力の行使」を禁じており、国際法上違法となっている。*1
元々国際法上の「戦争」は宣戦布告等のいくつかの条件が重なった場合のみ認められる状態だったのだが、
実際はその定義に当てはまらない「事実上の戦争」が発生した為、戦争より幅広い「武力」そのものを違法化したという流れになる。

ただし絶対に禁止という訳でもなく、例外も認められている。

1つ目に、国連による集団安全保障措置の実施が挙げられる。
いくら違法化されたとしても、それで武力の行使が0になることはあり得ない。禁止されても違法行為を犯す犯罪者は常に存在するように、である。
そこで現に武力の行使が発生した場合、それを解決するために国連が動くという訳である。
この際、当然丸腰という訳にもいかないので「国連軍」が結成されるがこちらは一度も実行されたことが無い。
代わりに国連により武力の行使を許可された加盟国が有志を募り「多国籍軍」を結成して事態の対処に赴いた事例(湾岸戦争など)はある。

2つ目は自衛権の行使が挙げられる。
武力の行使の中でも「武力攻撃」*2に該当する場合は、軍事力を用いて応戦することが認められる。
ようは前述する国連軍の派遣なり調停なりで停戦するまでの間、やられっぱなしでは被害が拡大するだけなので戦うことを認めるということである。
いわば、警察が到着するまでの犯罪者対被害者の構図に近いか。ただし、人対人であれば逃げるという選択肢もあるが、国家に逃亡は許されないという点が異なる。
なお、自衛権を行使するにあたっては常に「必要性」と「均衡性」を遵守することが求められる。
例えば「対艦ミサイルにより自国の軍艦が一隻被害を受けた」という事象に対し「自衛権を発動して核ミサイルで敵国の軍事拠点をすべて吹っ飛ばしました」では明らかに過剰であることがわかるだろう。
応戦は常に報復ではなく、あくまで身を守る為であることが求められるのである。

戦争のデメリット(~世界大戦)

  • 人的・物的資源の不足化
徴発した何万もの兵士に装備させる兵器、養うための食料を賄う為、国ぐるみで生産力を動員する。
そのせいで長期化すると最終的に枯渇していき、戦争の継続どころか国家の存続すら危うくなる。

また、兵士は基本的に男性が徴発されるので、国内での働き手は女性や子供が担う、慢性的な労働力不足も見られる。
食料に至っては最終的に現地での略奪に発展し、その過程で現地住民の淘汰すらも時として発生する。
その責任は末端の兵士から繋がって軍部、ひいては国家そのものに発生するので、後々賠償義務が生まれる。

  • 兵士のケア
人類が体験するストレスの中で最も極限な戦闘に晒された結果、PTSDを発症して社会問題や事件を引き起こす。
そういった精神的な病に掛からなくとも、戦後に食い扶持が見つからなくなり、犯罪に手を染めたり、社会から掌返しされた怨恨で過激派組織を立てて治安を悪化させたりもする。
ランボーの立て籠りのアレがその類いである。

  • 難民の発生と処理
敵の侵攻先に有る市街地では避難勧告等が出されるが、鉄道が整備されているならまだマシな方で、行き届いていない中東等では徒歩で乾燥地帯を歩いて行き倒れたり、難民キャンプで過ごしたり、他国に押し寄せて国際問題にも発展する。
また難民に紛れてテロを画策する過激派や、戦争を起こされた恨みでテロリスト化する温床にもなる。

また戦闘時の砲爆撃により建造物は破壊され、多少の支援こそ受けられても基本的に戦後処理は現地民の手で行わなければならない。
勝手に戦争を起こされて後始末は押し付けられるので、当事者からすればとんだ良い迷惑であり、結果的に報復的にテロに繋がり、戦争当事国がしっぺ返しを食らう事も。

  • 歴史的資料・造形物の喪失
ヨーロッパ諸国で見られたように、古くから占領地の建造物や本書は古代から纏めて破壊されてきており、当時の文化の再現、解読や検証が行えなくなった事例も多々ある。
この手の破壊行為の大半は浄化と称した『侵略』なので、自国に取り込む過程での異国文化は邪魔な存在でしかなかったのである。
…もっとも現代になって歴史検証するなんて当時の時代の人間が知る由も無いのだが。

  • 環境汚染
至るところで爆撃や鉛弾をブチ込み合い、地形もズタズタにするので土壌汚染も起きるし、密林が邪魔なら敵ごと汚物は消毒したり化学兵器も使うわ、海洋で艦隊戦なんかやれば撃沈された船からオイルやらの有害物質が流出するわで、生態系への影響も無視出来ない。
燃料供給を絶とうとして油田を爆破すれば大気汚染も。
核兵器なんぞ言わずもがなである。


「いったい何が始まるんです?」
「追記・修正だ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 戦争
  • 軍事
  • WAR
  • ウォー
  • 文化
  • 人類
  • 歴史
  • 少佐殿の大好物
  • 科学は戦争で進歩する
  • クリーク
  • よろしい_ならば戦争だ
  • ビジネス
  • 弾の数だけカネが舞う
  • サーシェスの大好物
  • 少佐
  • モンティナ・マックス
  • 犯罪
  • 血と涙が流れる行為
  • 国家犯罪
  • 戦争=ビジネス
  • 戦争犯罪
  • 現実
  • ロード・オブ・ウォー
  • 戦争論
  • 自然な状態
  • パワーバランスの崩壊
  • 平和を望むなら戦いに備えよ
  • サイボーグ009
  • 戦争映画
  • 国家公認
  • 殺人
  • 死の商人
  • 手段
  • 哲学
  • 経済学
  • 経済戦争
  • 不景気
  • 地政学
  • 紛争
  • 内戦
  • 内乱
  • 大戦
  • 大義名分
  • 人口抑制
  • 物不足
  • 技術革新
  • 明日は我が身
  • 謀略
  • 大量消費
  • 戦争犯罪者
  • 戦争犯罪人
  • 戦略
  • 戦術
  • 策略
  • 外交
  • 外交カード
  • 情報戦
  • 負けてはいけない
  • 弱肉強食
  • 生きるか死ぬか
  • 虚無
  • 虚しさ
  • 欺瞞
  • 対義語:話し合い
  • 税金の無駄遣い
  • 税金
  • 税金泥棒
  • 戦火
  • 全面戦争
  • 勉強になる項目
  • 地政学リスク
  • 治に居て乱を忘れず
  • 大戦争
  • 騙し合い
  • 国防
  • 忘れてはいけない
  • 国策
  • 指導者の判断ミス
  • 地獄
  • 地獄絵巻
  • 地獄絵図
  • この世の地獄の見本市
  • 防衛戦
  • 防衛戦略
  • 死者だけが戦争の終わりを見た
  • 汝平和を欲するのなら戦いに備えよ
  • ホント戦争は地獄だぜ!

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2025年02月01日 20:18

*1 ちなみに日本国憲法上の「武力の行使」は国連憲章のそれとはやや定義が異なり、「国権の発動たる戦争」は含んでいない。まあ憲法の条文上わけて書いているからそうなっているだけで、最終的に言っていることはほぼ一緒ではある。

*2 『衆議院議員金田誠一君提出「戦争」、「紛争」、「武力の行使」等の違いに関する質問に対する答弁書』によれば、『「武力攻撃」とは、一般に、一国に対する組織的計画的な武力の行使をいうと考える。』とのこと。