redEyes

登録日: 2009/06/04(木) 02:37:09
更新日:2021/05/04 Tue 23:30:55
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redEyesは神堂 潤が描くマガジンGREATにて連載を開始し、同誌が休刊後はマガジンイーノ、それがまた廃刊になって以降はマガジンプラス、そして現在は
単行本描き下し掲載の青年漫画(単行本1~25巻絶賛発売中)




この巨大な行為の中で

一人の兵士の生命に

何の意味があるだろう…



【あらすじ】
国家間総力戦における高度電子戦の破綻、制御不能な過去の遺産・オービターアイズ(多目的軍事衛星群)により、戦争形態が有視界戦闘・白兵戦へと退化した世界にて……。


統合暦182年7月7日、レギウム共和国軍はドラグノフ連邦軍に対して和議を申し入れ、2年8ヶ月余りに渡って続いたレギウム・ドラグノフ間の戦争はレギウム共和国の実質的な敗北で終結した。
終戦から3ヵ月後、レギウム軍最強の特殊部隊ジャッカル隊長であったかつての英雄グラハルト・ミルズは、死刑執行の日を迎えていた。
最後の戦場で部下の裏切りにより、敵国に内通した反逆者の汚名を着せられ拘束されたミルズだったが、護送の為にきた海兵隊を殺害して脱走、汚名を着せたクレイズに復讐するべくたった1人の戦争を開始した。


  • 登場人物
【レギウム国民軍】
●グラハルト・ミルズ
レギウム軍最強の特殊部隊ジャッカル隊長にして、戦場の死神(ジェノサイド)と呼ばれる英雄
クレイズの策略より、国を裏切った反逆者とされてしまうが、処刑当日に護送の海兵隊を皆殺しにし脱走。裏切りの真相を知る為に行動する。
和解したレイニーと共に、抵抗を続ける第三軍(国民軍)に合流後、第1特殊機装兵大隊 大隊長に任命され、その際大尉から少佐に昇進している。
冷酷非情な殺戮兵器の仮面の下に、自分を表現する事が苦手な優しさを持った男。なので指揮そのものは苦手
つまりツンデレで最強。
特技はナイフ投げ。

●レイニー・クルーガー
元ジャッカル隊員
戦場の死神に最も近いと目される男
接近戦ではミルズと同等か凌駕する腕前から『ブレード使いのレイニー』と呼ばれている。
終戦後はクレイズの指示でドラグノフの新型SAA”FR-A12 ゼブラ”のテストをしていた。
慈悲を持って相手を殺す、との信念を持っている。
ちなみに、ミルズを裏切った理由は妹をクレイズに人質に取られた為
元はミルズ、バロスとレインジャー連隊での同僚であると同時に親友だったが、ミルズが先に指揮官になった後は、上官として、兵士として絶大な信頼を寄せる
国民軍に身を寄せて以降は一応ミルズが不得手な指揮統率・小隊隊長役を同期のザナルディと共に第1特機では務めている。

●ゼップ・ジベルノウ
終戦後も上官でもあり、育ての親からの命令を守り、独りで戦い続けていた『亡霊』、ゲリラ戦のプロ。
ミルズが育ての父の遺書を持ってくるまで自陣営の軍人までボコってた。
第三軍に復帰後はハワードが逃亡時にAGIから持って来た(社の備品をパクった)日本製と思われるSAA
”ヤガミ重工カシワザキ事業所(YHI)製F3A 鬼神(キシン)”を装備する。
その戦闘力は日本刀型TCVブレードで軍用の強構造の建造物の天井をキレイに丸くで切り抜いたり戦車の主砲を鉄パイプか何かの様に両断したり
TCVブレードを振り回して迫りくる銃弾を全て弾いて防ぎきるなどミルズと同等の人外っぷり。

●クラウス・ガードナー
元ジャッカル隊員
情報収集・操作の天才
ミルズを裏切った理由は、自分の戦争を終わらせる為裏でクレイズと繋がっているなど目的に謎が多い。
数多くの無人兵器を同時に操り最後は誘いこんだホテルビルごと爆破する事で機装中隊を壊滅させるなど、ジャッカル隊員の本気を見せる。
が、クレイズと通じていた事を告白し自害、オービターアイズに連鎖自滅とクレイズの潜む拠点を攻撃させ残った軍事衛星を使用不能にする「置き土産」を遺した。

●サヤ・ハミルトン
ミルズに付き従う戦災孤児、ミルズの事は戦時中の戦意高揚番組で知った。
ミルズの役に立ちたいと、SAAの整備の手伝いをする事になった
数少ない女性(?)

●アンソニー・ハワード
AGI社SAA設計開発主任、通称『ハカセ』。
なんだかんだでミルズにサインを断られたり人間臭い発言をして呆れた顔をされたりする。
ミルズに自作の最高傑作Mk-54を全くの私怨で渡す。その後AGIを脱出しついでに会社の備品だったYHI製SAA「F3A 鬼神」を盗んでいく。
国民軍合流後、ミルズに銃(45口径)で脅迫されたり、レイニーに絡まれ、サヤにイジメられ、ジベルノウには髪を切られたりと、ロクな事がない苦労人。
原因は周りが筋肉バカしかいない上にハカセ本人も空気読まない発言するから。流石にそれより理不尽なヘイデンの暴力は他のメンバーから止めてもらえている。
マッドサイエンティストでありMk-54を息子と呼ぶなど危なそうなキャラである。
しかし、国が違えば開発に至る設計なども違うのだが、それらをひっくるめてエース達のSAAをカスタマイズできる程の腕の持ち主であるためその頭脳と技術は本物。

●レオン・リーダス
レギウム国民軍の作戦課長で大佐。知略に長けた天才軍師だが変人気味。
身形にかなり無頓着で常に軍服をだらしなく着崩し、小説「犬神家の一族」等に出て来る名探偵・金田一耕助の如くボサボサの長い髪を何時もボリボリ掻いている。
身なりが無頓着故に少将から小言を言われるも、その上の大将から見逃してやれと言われ信頼されてる程知略に長け、僅か26歳という若さで参謀本部付大佐になってる程。
自衛隊の1等陸佐の平均年齢が40代過ぎと言えば、その昇進速度が理解できるだろう。
無論本人は文句タラタラだが身形を整え正式な場に出る事は普通に可能である。
本作ではミリタリ物では珍しい「正規の軍隊の正式な降伏手順」が描写されておりそこでリーダス達が軍隊の正式な手順に則った降伏受諾を受けている描写も注目ポイントの一つ。
彼のその戦略と戦術が最高に達したのが「レントの奇跡」と言われるもので、かいつまんで話すと、たった8機のSAAを護衛に自ら偵察に赴き情報をまとめた結果自分たちがいる最前線のレントの村が抑えられると味方が分断されると即座に判断、その後に8機のSAAを指揮してなんと大隊規模の敵を実に2日間に渡って阻止したというウルトラCであった。そしてその指揮した8機のSAAが後のジャッカルであり、彼はミルズ達からすれば自分たちを指揮した上官でもある。化け物戦力が悪魔的な頭脳を得るととんでもない結果をもたらすという例であった。
彼の初登場である4巻巻末に詳細な経歴と「レントの奇跡」を含めた戦記があるので是非とも読んでおくことをお勧めする。



【レギウム共和国】
●ユリアン・クレイズ
元ジャッカル隊副隊長でありながら、ドラグノフのスパイ
ミルズを貶めた張本人

ディヴァン(旧ルーミス王国貴族の末裔)にも参加しており、『混沌への再生』の執行人
しかし、レギウム、ドラグノフ、ディヴァンすら自分の目的遂行の為の要素としか考えていない。

その正体はルーミス王国王族の末裔。
オービターアイズの制御コードを手に入れ、世界の掌握を目論んでいる。


●アラン・クルサード
初代『戦場の死神』
レギウム軍国防軍の英雄
ミルズの潜在能力を見出し軍隊に入隊させた人物
レギウム軍の現状の体制に反感を持ち、反乱を起こす(本当の目的はミルズを「覚醒」させる事)が、ミルズによって倒される。
ミルズにとっては、初めて殺した人物でもあり、決して忘れる事の出来ない存在

●バロス・ウォード
元ジャッカル隊員
『審判の矢を射る者』の異名を持つ凄腕スナイパー
ミルズを裏切った理由は、病弱な弟に最先端の治療を受けさせる為だったが、弟は死んでしまい
戦後退役し山奥で静かに暮らしていたが、ミルズとレイニーの第三軍合流を援護し、帰らぬ人となる。



【ドラグノフ連邦】
●カーレル・シュワンツ
ドラグノフ軍最強の特殊部隊COBRAの第7(107)戦隊の隊長
その戦闘能力は元ジャッカル隊員であるレイニーを圧倒するほど
数少ないミルズと交戦して生き延びた人物。ダークナイツとの戦いでガチギレ、カットスロートで中の人をぶっ殺し
自爆用AIに対し「私にとって予測可能な行動以上の事が出来ない機械人形など相手に値しない」と容易く倒していた。


【ルーミス騎士団】
●ルドルフ・チェカ
ルーミス騎士団団長。敵だけでなく味方でさえ精神に異常をきたすほどの戦闘能力の高さから『悪夢』と呼ばれている。
どこの格ゲーキャラだよ言いたくなるレベルの白兵格闘を見せ付ける。ちなみに本人の担当はあくまで”隠密・暗殺”である。



【用語説明】
●『SAA』
Special Assault Armor(スペシャルアサルトアーマー)の略称。歩兵の対弾用装備から発展・進化した特殊強襲用装甲、白兵戦に退化した当世界に於ける戦場の花形。
所謂パワードスーツの一種だがこの世界では人外生物とか人型ロボットとかが居る世界でも無い為、どっちかと言えば歩兵を機甲車両達と同等にして連携運用出来るようにする装備。
また基本的にこの手の兵器によって淘汰された設定になりがちな既存の機甲車両兵器や攻撃ヘリなどの相手は苦手寄りで地形や装備、装着者の技量などの補正でギリギリ対等になるレベル。
歩兵装備だと基本的に対機甲車両用の兵器(RPG・アンチマテリアルライフル等)か専用の重金属徹甲弾を用いないとそのメイン装甲は抜けない。
しかも歩兵を少し大きくした程度の大きさで機甲車両並みの速度で機敏に動き回るので動きをどうにかして止めないと歩兵用火器では倒せない。
ちなみに本装備を装着する兵士は「機装兵(クラダー)」という兵科に属している。

【AGI製】
◆APF-175mod "バルディッシュ改"
レギウム軍主力機。
量産型機としては高い性能を誇り、国力で勝るドラグノフに互角に戦えたのもこの機体の存在による。
作中では改になる前の機体どころか先行量産型(XPF-175)や強襲用装備など豊富な改造・換装などによる仕様変更機体が見られる。

◆ASP-177e "スワッシュバックラー"
バルディッシュの後継機(APF-177)として開発されたが、高い製造コストと戦時後期の財政難の為、先行量産機16機のみロールアウトし
その後ジャッカル隊用に特殊部隊仕様の機体が8機生産配備された。
大戦後期の傑作機。

◆XSP-180 ”Mk-54”
スワッシュバックラーの後継機として次期主力量産型として開発された試作機。AGI社製。
スワッシュバックラー同様の生産コストの高さと極めてピーキーな性能故、誰にも乗りこなせなかったため「失敗作」と酷評されていた。
量産機原型(そもそも次期量産機コンペに出す機体だった)なのに開発者のハカセが常人に扱えないレベルの機体にしてるのが悪いだけだが。
ただし化け物なミルズの使うワンオフ機としては申し分ない機体で今作の主役機と言っても過言では無くミルズと共に戦場を駆け抜ける。
なお外部装備等はAGI系規格の物を転用換装出来る模様。
フルカスタムチューンが為された機体が首都攻略戦参加し、その際の武装は一応市街戦用になっていた。
ルーミス軍との戦闘に於いてはスワッシュバックラー野戦仕様に似た重駆逐型(ヤークト)仕様で参戦している。

【GAF製】
◆FR-A4 バルメ
ドラグノフ軍現用主力機。
性能的には決して低い物ではないが、戦時中はより高性能なバルディッシュに大きく水を空けられている。
バルディッシュとの性能差は有るものの、狙撃タイプ、重装甲拠点防衛タイプ、寒冷地仕様タイプ(スキー板装備)、市街地戦用軽装型と
実に7機種近くもバリエーションがあるのが特徴であるので性能が低くとも様々な場面に対応できる拡張性を持った傑作機と言えよう。
俗称『ドンガメ』
ちなみにやられる時の台詞は「ダカッ(半角)」「ガハッ(半角)」など名言となっている。

◆FR-A5M2 コブラⅡ
ドラグノフ軍特殊部隊COBRAの指揮官機を乗り手のシュワンツのオーダーで軽量化カスタムしたもの。
ベース機である"FR-A5 コブラ"が存在する筈なのだが現状では作中に出ていない。
軽量化により圧倒的な機動性を得る代わりに対弾性と安定性が犠牲になってる。
作中でダミーを乗せ頭をミルズにより対SAA用ハンドガンで頭部装甲を普通に撃ち抜かれた描写から装甲はかなり薄い、もしくは無い様子。
特技は壁走り。

◆FR-A12 ゼブラ
ドラグノフ軍次期主力機。
バルディッシュを凌駕し、かつスワッシュバックラーと同等以上の性能を量産機で実現することを目標として設計されている試作機で
実質的にレギウムのAGI系技術とドラグノフのGAF系技術の融合の「合いの子」機体であり性能も平均的に向上された量産機原型として申し分ない性能の機体。
レイニー中尉によってMKー54と共に奪取されるが、後にドラグノフで正式に採用された先行量産型(FR-A13M1)が現れる。
もっともその時点でレイニー機はハワ-ドによるカスタマイズ(脅迫されてやったが別に手抜きはしていない)がされていたが。

【YHI製】
◆F3A 「鬼神」(きしん)
先述の通りハワードがAGIに機体開発時の参考用として日本のヤガミ重工カシワザキ事業所(作中では「極東のメーカー」としか記されていない)から輸入していた物をジベルノウ用に充てた機体。
出力自体はGAFのゼブラと同等だが機体の操作追従性を極限まで追求しており0.01ミリレベルの駆動部調整を要する代物なのだが
代わりに装着者に「SAAを着てる感覚が全くない」と言わしめる程その機体の操作に対する追従性が高い。
武装も日本系機体らしく日本刀型TCV(熱伝振動)ブレードを背面右側に担ぎ、反対側の左にはハンドガンを装備している。
腰の部分に柄頭部分を交換する形式のTCVブレード用予備バッテリーホルダーが有る。
TCVブレードには出力変化スイッチが付いており表記は「弱/強」の日本語表記。
またバックパック中央内部には射出式アンカーを装備している。

◆F4CS 「修羅」(しゅら)

◆F5 「羅刹」(らせつ)


【その他】
◆ダークナイツ
クレイズ殿下の王宮騎士団用SAA
抗弾マントを被って柄頭に銃口が付いて剣身の真ん中にカシメの様な丸い折り畳み部分を持つ珍妙過ぎるデザインの剣を持つ。
脛には空中散布型散弾ユニットの射出装置、両腕アーマーにグレネードランチャーと火炎放射器を持つ。
派生機種として汎用量産型の「ブラックナイツ」や重野戦用の「タクティカルナイツ」などが存在する。



【余談】
フィクションでありながら、細かく設定された世界間や巻末の戦記や、リアルな戦場模様が描かれている。(女性兵士が殆ど出てこないなど)
尤も一般兵が爆発等で手足や頭が簡単にポロリしたりヘッドショットで脳漿ぶちまけたりよく切れる包丁の宣伝に使われる野菜みたいにTCVブレード系でスパスパ身体ぶった切られたりするetc
のが日常茶飯事なのでグロリョナ好きのニーズに応える位しか女性兵士を出す意味が無い
(逆に女性の一般兵なんか出したらグロ死回避補正かかってる存在なのがバレバレで面白味が無い)のも理由ではあるが……

尤もそんなやられ役の一般兵の皆さんがこの作品では生き生きとした人間味のある存在なのがこの作品のいい所、冗談言って場を和ませたり一生懸命必死で戦っているのが分かったり
そのおかげで本作のエース格の皆さんの化け物度合いがより強調されいい塩梅に仕上がっている。

上記のSAAと呼ばれる独特な兵器などが登場するが、上記のバルメのように量産機ながら様々なバリエーション、両軍のエース級が身に纏うカスタム機…決して兵器にも手を抜かない。
戦争マンガ好きな人は興味があったら、是非一度読んで頂きたい作品である。

難点は掲載していた雑誌がほぼ季刊状態で書店で取り扱ってる率も低い事やその刊行の遅い掲載誌に留まっていた理由の一つである執筆速度の遅さがある。
というのも神堂先生は他の漫画家のアシとかの経験を経ず独学我流(芸大系出身の為、絵画系技法寄りの描き方をしているらしい)で描いており
他の漫画描きが一般的に用いる早く描く(悪く言えば早さの為に手を抜く)手法を使って無い為描くの自体も遅いが
アシも簡単に足せない(先に述べた通りアシスタントは後々自分が連載する為の経験を積む場でもある為あまり応用が利かない手法を採る先生の元へ行きたがるアシ志望は少ない)
のが理由である。

…16刊表紙がガンダムのラストシューティングにしか見えない







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最終更新:2021年05月04日 23:30