シェルビー・M・ペンウッド卿

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シェルビー・M・ペンウッド卿 - (2020/08/05 (水) 13:47:03) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/07/19(火) 20:22:03
更新日:2024/05/02 Thu 22:21:01
所要時間:約 4 分で読めます




シェルビー・M・ペンウッド卿とは英国の守護神である。
迫り来るナチの兵士共をちぎっては投げちぎっては投げ、まさに英国無双といったありさまで近づく敵を片っ端から真っ2ツにして最終的に全身に爆弾をくくりつけて敵の空中戦艦全艦ごと吹き飛んだそうな。
インテグラの左目の傷も彼の必殺剣の巻き添えによるものである。

本当です。すごく本当です。






-王立国教騎士団-





-私は無能かもしれんが、卑怯者ではないよインテグラ-

シェルビー・M・ペンウッド卿とは『HELLSING』の登場人物。円卓会議の構成員であり海軍中将。
作中屈指の漢にして、世界一カッコイイ無能である。
ぶっちゃけ一言一言が名言。


◆人柄
苦労人の一言に尽きる。
と言うのも、作中を追うと、

  • インテグラの父(アーサー)に無理難題を吹っ掛けられたり
  • 娘のインテグラにもいろいろ要求されたり
  • 部下にいつのまにか裏切られていたり

etcetc……、とかなり散々。
しかし人望は高い。
☆死地に残った時に多くの部下が命を棄てると分かっていながら着いてきた。
「いつも通り座っててください。仕事の邪魔ですから」
☆円卓会議構成員の友人も卿のために仇討ちを決意。
「彼は無能だ、だが男の中の男だ」「 裏切るくらいなら、彼はきっと自殺してしまうよ」「…許せん。俺達の大事な友達をよくも。俺達の大事な仲間をよくも!」
円卓の若手には、彼に疑いをかけた者もいたが。


  • 作中の活躍。
初登場は二巻。ルークの迎撃に居合わせたりしたが、正直影が薄い(セラスが落とした排気口のフタを頭にぶつけていたのが彼。OVAではセラスの尻も降ってきた。うらやましい)。
だが、んなこたぁ良いのだ。ペンウッド卿が最も輝くのは五巻から六巻だからである。
最後の大隊の襲来にインテグラは脱出を進言したが、確実に死ぬと分かっていながら死地に残り、与えられた職務を全うし、
そして最後は大量の吸血鬼を巻き込んで自爆という最後はまさに漢と言うに相応しい。
また別れ際にインテグラから護身用として法儀礼済み銀弾頭装填済みの愛銃(フレームに細かい傷がある)を渡されている。
命懸けでペンウッドに従った部下たちも、吸血鬼になることをおそれ自決。ペンウッドも逃げようと思えばいつでも死を持って逃げられた。
それでもペンウッドは使命を果たすために最後まで生きていなければならなかった。
自爆装置を何度も押そうとし、その度に躊躇し、手は震えていたが、家督を継いだばかりのインテグラとの邂逅を思い出せば、自然と手の震えは止まり躊躇もなくなった。

そして、最期の瞬間に幻視したのは、インテグラと初めて出会った時の記憶だった。

かなり熱く、涙腺の弛くなるシーンなので是非漫画を読んでみてほしい。
恐らく旦那が知ったらキュン死して残機が減る事請け合い。
(作中でカウント可能な吸血鬼撃破数では、ペンウッド卿はアーカード・アンデルセン・セラスに次いで4番目に君臨している)


またOVAで彼が死亡した巻のEDでは、先代ヘルシング卿であるアーサー・ヘルシング、同じく円卓会議構成員のアイランズ卿、そしてペンウッド卿の3人が若かりし頃が描かれている。
第二次大戦前後からの腐れ縁同然の関係だったが、アーサーからナチスの吸血鬼化実験の書類や写真を見せられ、
これらの打破を持ち掛けられたものの、他国の人間だったアイランズ卿は吸血鬼に対する反抗組織設立の許可状への署名を渋っていたが、
ペンウッド卿は涙を流しながら許可状をひったくり署名をした
きっと、真っ直ぐで優しい彼にとって非人道的な研究が日夜行われている事が許せなかったのだろう。

この署名をした書類こそが、吸血鬼を掃滅し殲滅するための組織、HELLSING機関設立のための書類である。

署名後、アイランズ卿と何か言葉を交わしている描写があり、その横顔は無能のそれではなく、1人の「漢」としての横顔だった。

その後階段を登っていくアーサーとペンウッド卿、ペンウッド卿から投げかけられた笑顔に墓前で笑い返しているアイランズ卿の描写があるが、
「階段を登っていく(天国へ昇って逝く)ペンウッド卿の視線の先に階段の下にいるアイランズ卿がいる」という解釈がなされている。
またOVA独自の描写ではアイランズ卿もインテグラ同様、ペンウッド卿からの最後の通信を傍受しており、きっといずれ「階段を登っていく」事を笑いかけて伝えたのだろう。

余談ではあるが。
そのEDの曲名は「Requiem~追憶~」となっており、墓前で3人分のカップに酒を注ぐアイランズ卿の「追憶」とペンウッド卿への「Requiem」のダブルミーニングとなっている。



◆名言

―私は無能かもしれんが卑怯者ではないよインテグラ。

―もしかしたら…もしかしたら通信が回復して命令が伝達するかもしれない。
どこかの基地が敵を撃退して我々の指示を待っているかも知れない。
わ、私はここの指揮者だ。
ここが生きている限り離れる訳には、い、いかないだろう。
インテグラ私は駄目な男だ。無能だ。臆病者だ。
自分でも何故こんな地位にいるかわからん程駄目な男だ。
生まれついての家柄と地位だけで生きてきたも当然だ。
自分で何もつかもうとしてこなかった。
いつも人から与えられた地位と仕事(つとめ)をやってきた。
だから、せ、せめて仕事は、この仕事は全うしなきゃならんと思う…んだが…。
行きなさい。
行ってくれ。
インテグラ。
君には君ら(ヘルシング)には君らにしかできない仕事がある。


―抵抗し、義務(つとめ)を果たせ。


◆以下本部に乗り込んできた敵兵士と卿のやり取り

「手こずらせたな能無し共」

ニィッ…

「何がおかしい? 人間」

「無能なこ、このわ、私より
無、無能なきッ貴様らがだよ」

(部屋中に設置された爆弾に気付く)

「さ、さよ、さようなら イ、インテグラ
わ、私も楽しかったよ」

「やッ、やめろォォ!!」
(二発の銃弾が左右の肩を打ち抜く)

「嫌だ!! そんな頼み事は聞けないね!!」





ヘルシング一族の無理難題をいつも断れなかったペンウッドだったが、最後の最後で使命を全うする形で無理難題を拒否したのである。

ペンウッド卿は自身を無能と言っていた。

事実、部下にも「仕事の邪魔」と言われ、盟友にも無能と呼ばれていたし、実際そうであったのかも知れない。

しかし、死が迫る瞬間…文字通り最期まで職務を全うした彼は本当に単なる無能なだけの男だったのだろうか。

この作品の中では自身に限界を感じ、また単純に力を欲して人間を辞めていった者が数多くいる。
毅然と人間であり続けた卿は真に無能だったのだろう。



やはり人間は素晴らしい



なお、卿にも孫がおりやっぱり苦労人であった。



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