フランケンシュタイン(Fate)

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フランケンシュタイン(Fate) - (2017/09/04 (月) 18:18:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2013/08/12 (月) 01:47:16
更新日:2024/03/12 Tue 17:46:31
所要時間:約 11 分で読めます




Fate/Apocrypha』に登場する黒陣営のサーヴァント

クラスはバーサーカー。
設定担当は星空めてお。

真名はフランケンシュタイン
メアリ・シェリーの小説『Frankenstein: or The Modern Prometheus』に登場する人造生命体、「フランケンシュタインの怪物」である。
下記にもあるが、フランケンシュタインとは人造生命体を生み出した博士の名であり、このサーヴァントの元の存在自体の名ではない。
この怪物が実在したかは別として、ある意味、伝承等の概念そのものに想念が集って生まれたサーヴァントの一種と言える。

◇プロフィール
身長:172cm
体重:48kg
スリーサイズ:B74・W53・H71
属性:混沌・中庸


◇ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
C B D D B C


◇クラス別スキル
  • 狂化:D
筋力と耐久のパラメータをランクアップさせる。言語能力が単純になり、複雑な思考を長時間続けることが不可能になる。

◇保有スキル
  • 虚ろなる生者の嘆き:D
狂化時に高まる、いつ果てるとも知れない甲高い絶叫。
敵味方を問わず思考能力を奪い、抵抗力の弱い者は恐慌を起こして呼吸不能になる。
彼女の唸りには意味がこもっているが、スキル発動時は狂気しか感じられない。

  • ガルバニズム:B
生体電流と魔力の自在な転換、および蓄積。
魔力による実体のない攻撃を瞬時に電気へと変換し、周囲に放電することで無力化する。
また、蓄電の量によって肉体が強化され、ダメージの修復の速度も上がる。
生命活動を肉体に宿る電気で説明するガルバニズムの概念は錬金術のカテゴリーに属する。

  • オーバーロード:C
『FateGO』にて使用。
自身にダメージを負うことを承知とする意図的なブーストアップ。
彼女の場合はガルバニズムで集めた魔力を許容量以上に電気変換、それらをすべて出力に使用することで宝具の攻撃力を跳ね上げる。


宝具
乙女の貞節(ブライダル・チェスト)
ランク:C
種別:対人宝具/レンジ:1/最大捕捉:1人

樹の枝状の放電流を纏う戦槌(メイス)。普段は打撃武器として使用する。
先端の球体は彼女の心臓そのものであり、戦闘時以外にも常に持ち歩いている。
尾部と本体側頭部のフィンによって電力の供給が行われる仕組み。
自分や周囲から漏れる余剰魔力を吸収する機能があり、
魔力を効率的に回収、蓄積し、周囲に余剰の魔力が発生し続ける戦闘時には、ガルバニズムと合わせて疑似的に“第二種永久機関”の動作をする。
魔力消費が激しいバーサーカーのサーヴァントにとってはこの上なく有用な宝具。


磔刑の雷樹(ブラステッド・ツリー)
ランク:D~B
種別:対軍宝具/レンジ:1~10/最大捕捉:30人

『乙女の貞節』のリミッターを解除して行う全力放電。リミッターを外さずに使用することもできるが、威力はC~Dランク相当まで落ちる。
聳え立つ大樹のシルエットで降り注ぐ、拡散ホーミングサンダーである。
放電後、全ての電力を放電し尽くした使用者は完全に活動を停止する。つまり、使えば死ぬ
僅かな確率で第2のフランケンシュタインを生む可能性がある。


◇伝承

完全な人間を作り出すという妄執に取り憑かれた科学者、ヴィクター・フランケンシュタインによって作られた人造人間。
だが完成した人造人間は醜い怪物であり、ヴィクターは怪物を解体して逃走した。
しかし解体されてなおその怪物は生きており、自分の体を繋ぎ合わせて逃走を続ける生みの親を追い続けた。
怪物は孤独を嫌ったが各所で迫害されたせいで耐えられなくなり、ヴィクターに伴侶となる自分と同じ存在を創って欲しいと懇願した。
作ってくれれば人の前には表れないという条件付きで。
だが、彼は怪物たちが人類の敵になった場合のことを鑑みてそれを拒絶し続けたため、そのせいで怒った怪物から復讐され、友人と妻、ひいては父を失う。
その後、怪物への復讐を誓ったヴィクターは怪物をあと一歩まで追い詰めるも叶わず、救出してくれたウォルトン船長に事のあらましを語った後、北極で狂死した。
そして博士の死を見定めた後、怪物もまた、北の果てで自らの体を業火で燃やし尽くして最期を迎えた。


と、ここまでがフランケンシュタインの怪物の伝承。
しかし今作に登場するのは、美少女である


美少女である

大事なことなので(ry

なお、これをもって「博士は目が腐っている、美的感覚がおかしい」と称するファンもいるが、
そもそも彼は「完全な人間」を作成したいと願っていたので、
「容姿」ではなく「機能の欠如」をもって醜いと称した可能性が高い。




◇『Apocrypha』でのフランケンシュタイン

“黒”のバーサーカーとして登場。マスターはカウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア。触媒は理想の人間の設計図。

サーヴァントの召喚上限数を倍化させたこの聖杯大戦においては、
本来なら魔術師としての技量も三流レベルのカウレス*1には大聖杯のバックアップ不足によって過剰な負荷がかかり、
単独では満足な魔力供給も出来ないがその分をホムンクルスからの供給と彼女自身の能力により補っている。
だが彼女自身が近代の英霊であるため、黒の陣営の中では最も格が低く、ステータスも強化されるバーサーカーにしては特に目立つ所もない。
一応味方とは言え、相談もなしに黒の陣営の面々に真名をばらされたことでカウレスに対しては不機嫌な態度だったが、
それを素直に謝罪して語り合ったことで信頼関係を結んでいる。


言葉を話すことなく、頷く、首を横に振るなどのジェスチャーでコミュニケーションを取っているが、しゃべることができないだけで人格はある。
こまめに節電をする性格であり、設定の段階では『よくマスターが入ったトイレの電気を消す』キャラ付けだったが、
小説ではカウレスが電源を入れたままにしていたPCのコンセントを引っこ抜いた。

彼女の願いは伝承と同じく自分の伴侶を得ること。
彼女なりに拘りがあるらしくフランケンシュタイン博士によって作り出された人造人間でなければダメらしい。
願いに対する執着は強く、マスターであるカウレスが弱気な発言した際には不機嫌になったりする。

ヘラクレスから始まり、ほとんど強大な英霊を弱体化させるバランス調整でしかなかった『狂化』スキルが、初めて本来の形で運用された事例。
宝具の性質も相俟って、未熟なマスターでも問題無く運用出来る、バーサーカークラスに極めて適性の高いサーヴァントと言える。

元々フランケンシュタイン博士は「完全な乙女(イヴ)」を作り出そうとしていたらしいが、
彼女は感情が乏しく、血や臓物を美しいと感じる歪んだ感性を持って生まれた。
博士は彼女を狂った怪物と罵り、彼女は正常になるために家族を必要とし、伴侶を求めた。

しかし博士は最期まで拒絶し続け、愛されることも憎まれることもなく、ただ愛を求めた彼女は孤独なまま死を迎えた。

そして赤の陣営と黒の陣営の総力戦の際、シェイクスピアが『国王一座』によって作り出した博士と対面。
死んだはずの彼の登場に動揺し、彼が自分を『娘として扱った』ことで狂乱してメイスで殴打をくり返し、撲殺(破壊)してしまう。
偽物と理解しつつも『愛する人を想うままに殺してしまった』ことで茫然自失になってしまうも、カウレスの「落ち着け」という令呪によって冷静さを取り戻す。

その後、アストルフォを追い詰めていたモードレッドに令呪のブーストを受けて攻撃を仕掛けるが、
直撃したにも関わらず鎧が損傷しただけで無傷という尋常ではない耐久性と、「魔力放出」を全開にした攻撃の前に一蹴される。

そして心臓を貫かれ消滅していく中、『磔刑の雷樹』の使用を決断。
その意志を汲んだカウレスの令呪によるブーストを受け、全開で宝具を発動させ、消滅した。

モードレッド自身は令呪による転移によって直撃を免れたが、その雷撃の影響を受けたことでジークが復活。
結果的に彼とアストルフォの命を救うことになった。

ちなみに、父親には恵まれなかった彼女ではあるがマスターには恵まれたらしく、
カウレスはフランケンシュタインのために令呪を2画使っただけでなく、その消滅を心から悼み、そうさせざるを得なかったことを後悔している。
後にケイローンは「彼女もあなた(カウレス)のようなマスターと契約出来てよかったと思っているでしょう」と語っていた。


◇『Fate/Grand Order』でのフランケンシュタイン

2015年12月28日に四章「死界魔霧都市ロンドン」の実装と同時にガチャに追加。
クラスはバーサーカーで、レアリティは☆4(SR)。担当絵師は『Apocrypha』と同じく岡崎武士氏。

担当声優は野中藍氏。攻撃時のまさしくバーサーカーと言うべき鬼気迫る叫び声と、マイルーム時のどことなく可愛らしい唸り声のギャップがすごい。
(なお実装当初とその後のアップデートで戦闘ボイスが大きく変わっており、当初のボイスの方が遥かに怖く痛々しい)
四章には生前、つまりヴィクター・フランケンシュタイン博士に作られたばかりの彼女が登場しており、殺る気満々でメイスを構えているように見えるが戦わない。
…人造人間でも太刀打ちできない(はず)のサーヴァントと互角に渡り合っていた生前のどこぞのローマ皇帝っていったい…

ステータスは同じく☆4のバーサーカーであるヘラクレスランスロットよりもやや低めだが、十分に一線級。
NP獲得量を上げる「ガルバニズム」、敵にスタンと防御力ダウン効果を付与する「虚ろなる生者の嘆き」、宝具の威力上昇と自分にやけどを付与する「オーバーロード」と3つのスキルを持ち、
前述した2体やタマモキャットとは異なり、清姫のように宝具で敵を一網打尽にすることに特化したタイプである。

宝具は『磔刑の雷樹(ブラステッド・ツリー)』が採用されており、敵全体にかなり強力な攻撃とクリティカル率ダウン効果を与え、自身には2ターンのスタンを付与する。
流石に原作や某「ステラァァァァァ!」のように使用後消滅はしないが、
それでも元々打たれ弱い仕様であるバーサーカーに2ターンのスタン付与は辛く、もし仕留めきれなければまず倒されるだろう。
しかしその分ダメージは高く、自分のスキルを総動員して撃つだけでも同属性・全体攻撃のランスロットの『騎士は徒手にて死せず』以上のダメージを与えられる。
無駄撃ちはせず、ここぞというタイミングで発動させよう。

マスターへの態度は唸り声しか上げられないこともあって分かりづらいが、絆レベルを上げた場合の声色から友好的に接してくれている様子。
頑張って「綺麗」と言ったりすることもある。
更に絆レベルを最高レベルまで上げていたり、最終再臨まで果たすと「ス…キ…」「アリ…ガ…トウ…スキ……ダイ…スキ……フフ……」と主人公に好意を抱いて接してくる。
宝具強化のキャラクエスト「11月の物寂しい夜の出来事」では、「すごくつかれる」らしいが、たどたどしくても一応言葉が話せることが判明。
話す時はどうしても言わなければならないことを伝えたい時のようで、そう考えるとマスターに向けた「スキ」は彼女の中で非常に大きな感情であったことが推測できる。

『Apocrypha』では伴侶を求めつつもヴィクター・フランケンシュタイン博士が造った人造人間でなければいけないとし、
既に故人である博士を呼び出すために聖杯を求めて召喚されていたが、
伴侶を求めるのは『まっとうな人間でありたい』という彼女の倫理観に基づくものでどうしても人造人間でなければならないというわけではなく、
人間を愛せないというわけではないらしい。
心を開いた相手であればそれが人間であっても構わないというのが彼女の恋愛観らしいので、絆を深めたマスターに対して彼女が言う「スキ」という言葉の真意は、つまり…。

また、メデューサ等と同じく、最終再臨イラストが非常に可愛いと評判のサーヴァントでもある。


追記・修正お願いします。

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