アクシズ・ショック

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アクシズ・ショック - (2020/02/24 (月) 18:46:07) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/06/19(火) 23:56:50
更新日:2024/05/01 Wed 08:12:49NEW!
所要時間:約 8 分で読めます





ふざけるな!
たかが石っころ一つ、ガンダムで押し出してやる!


アクシズ・ショックとは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』終盤にて起きた超常的現象である。
なお名称自体は『機動戦士ガンダムUC』にて付けられたもので、逆襲のシャア劇中ではこの名称は使われない。
『UC』以前は単に「サイコ・フレームの共振」と言ったような呼ばれ方をされていた。



◇概要

『逆襲のシャア』本編中の戦闘にて、地球に向けて降下を始めたアクシズの後ろ半分(前半分はロンドベルの尽力により爆砕・分離を成功した。
ただしその時の爆破の威力が強すぎたために後ろ半分は減速してしまい地球に引力に引かれる事となった)の軌道を変更する為、
アムロの駆るνガンダム・連邦軍のMS隊、更にはアクシズ落としの為に作戦に参加していたはずのネオジオンの部隊までもがアクシズを押すという行動に出た。
当然小惑星をMSの推進力程度で動かす事などできるはずがなかった・・・のだが、突如νガンダムを中心として広がった緑色の光によってアクシズは包まれ、その軌道を変える事となった。

その普通ではありえない現象、特にその時印象的だった謎の緑の発光の事を指す。


◇原因

この現象の要因としてまず『サイコ・フレーム』と呼ばれるMS構造材がある。
これはサイコ・コミュニケーター(通称『サイコミュ』)の基礎能力を持つコンピューターチップを金属粒子レベルで鋳込んだ素材で、
高出力のメイン・プロセッサと合わせることにより高効率かつ高密度のサイコミュ・システムとして機能する。

これによりNTの脳波をミノフスキー粒子を介して伝達し武器への信号命令とするのがファンネルを代表とするサイコミュ兵器の仕組みである。
また追記事項として、NTでない人間でも微弱な脳波を発している。

それに加えて戦闘宙域に高濃度のミノフスキー粒子が散布されていた。
(作中でもその濃度が特に高いという事が繰り返し表現されていて、
戦艦に搭載されている通信システムすら機能しないので有線でケーブルを持参し作戦行動を行う描写がされていた)

これらによって、その場にいた人たちの「アクシズの落下を食い止めたい」という思いが一つのベクトルとなり、宙域一帯のミノフスキー粒子に作用したと考えられている。


◇なお

福岡美術館で開催された『富野由悠季の世界展』の公式図録内のインタビューにて、CCAのラストシーンのアクシズの押し返しについてこうコメントを残している。

(―――では『G-レコ』から連想しつつ、他の作品についても聞かせてください。先程「宇宙エレベータがあり得ない」というお話がありましたが、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のサイコ・フレームの存在も「ありえない」存在で、そこに中々インパクトがありました。)
「サイコ・フレームについての指摘は、厳しいですね。映画のクライマックスにあれを持ち出したというのは、窮余の一策でも何でもない。「こういうことをやらなければSFっぽく見えないよね」っていうことだけです。だからその部分を拡大してシリーズを作るということは絶対にできないという自覚があった。もしそこを拡大して描いていったら、虚像を拝むカルトと変わらないことになってしまうからです。」


・・・色々妄想を膨らませるのは結構だが、監督本人としてはただの舞台装置として用意した物であり掘り下げるほどの物はないと断言している。
解釈違いをして過剰な文脈を盛ってしまうと笑われるので注意しよう。



◇関連人物



そうだよ、そうなんだ!
誰にだってわかってることじゃないか!
こんなところで地球に育む生命の歴史を終わらせちゃいけないってことぐらい!

『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』主人公で、かつてNT抹殺のための蒼い機体に乗っていた過去を持つ男。
ゲーム三作を最高成績でクリアした場合に限り彼はアクシズ落としの現場に居合わせ、他の兵士たちとともにアクシズを押し返そうとした。上述のベストエンディングを元にした小説版及び漫画作品「ガンダムレガシー」では弾かれたギラ・ドーガの手を掴んだジェガンが彼だとされている。



  • ボッシュ

私は欲しかったのだよ
“ガンダム”の力が!

ネオ・ジオン第二の反乱の時、俺は見た
νガンダムから放たれた光を!
そして思った、いつかこのガンダムの力を手にしてやろうと

これがガンダム……悪魔の力よ!

機動戦士ガンダムF90』に登場。
火星ジオン軍『オールズ・モビル』と内通し“ガンダム”を手にしようとした男。
シャアの第2の反乱の際は連邦軍でジェガン(シドへ語った話ではジムⅢ)に搭乗しアクシズ・ショックを目撃。νガンダムの放った光に魅了されガンダムに強く執着するようになる。

しかし『第二次ネオ・ジオン抗争』以前からも度々『ガンダム怖い』『ニュータイプ怖い』と疑心暗鬼に陥る人間がいたのは事実であり、アクシズ・ショックのあまりの異常性を『暴力(ちから)』と解釈するのも無理らしからぬことである。


  • ミノル・スズキ
機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』に登場。地球からの肉眼なのでνガンダムは見えていなかったと思われる。
シャアの隕石落としを見たことで連邦軍人を志して「連邦の青い閃光」と呼ばれるほどのMSパイロットまでになったが、大きい戦乱が起きなかったので作中が初実戦。
主に教官として活躍しており、コスモ・バビロニア建国戦争で多くの教え子が亡くなってしまったことと、地球連邦に愛想がつきてサナリィに移ったとのこと。

相手の新型+エースを相手に撃破こそできなかったが、やや旧くなってきた機体で持ちこたえたりトビアの絶体絶命を救うなどその腕前は確か。
基本的には温厚だが、説得しようと熱弁するトビアを制して冷静に作戦立案したり最後まで諦めずに援護したり後進を守ろうとするなど、腕前だけでなく人格的にも優秀で教え子からかなり慕われている。
レコードブレイカーの3人のパイロットや、「連邦の青い閃光」の二つ名を受け継いだハリソン・マディンは彼の教え子であり、
クロスボーン関連の作品において色々と影響が及んでいる。



地球を包んだあの虹を見ても、人は変わらなかった

これからも変わることはない

ネオ・ジオン軍残党『袖付き』の首領。
シャア・アズナブルと似た雰囲気を持つもシャアを『敗北者』と切って捨てる“赤い彗星の再来”。その正体はモハナン・バハロに用意された強化人間。
シャアの半生が語られる『赤の肖像』終盤において、アクシズの光とそれを見ても変わらない人類への失望と取れる言葉を述べている。




人の心を、哀しさを感じる心を知るものなら……
ガンダム!俺に力を貸せ!

『機動戦士ガンダムUC』主人公。
人の心の在りようを想い、人を想って涙を流す優しさを持った少年。
彼の操るユニコーンガンダムはバナージの精神的成長にともない『ニュータイプ殲滅』という意図から外れ、いつしか『人の心の光』を示す燐光を放つようになる。



◇ゲーム作品において

クロスオーバー物のゲームではよく取り上げられる。

Another Century's Episode 3 THE FINALではアムロの頑張りを見て、
フォッカー、イサム、ゲッターチーム、ドラグナーチーム、ガロード、ゲイナー、レントン&エウレカ、そして主人公たちが次々と駆けつけた。

この展開は専用のムービー&それぞれのセリフのおかげで最高に熱い。

スパロボでもこの展開になった際には自部隊の機体が続々駆けつける
……んだが、近年の作品だとアルマゲドン1分の1で強制終了普通に敵ユニットとして破壊とかやらかす。

また、落下には成功したものの何者かの手で地球が消滅した(と見せかけた)際に一緒に破壊されたこともある。

なお、クロスオーバー作品で行われる場合大概シャアだけが行方不明になるが、上記スパロボで無理矢理破壊した作品はどちらもシャアが味方である(むしろ逆シャア版で率先して破壊した例も

時には時空修復の要である「大特異点」として登場することもあり、破壊したら時空修復ができず積む。
更に次元力によるブーストがかかっているのでガンバスターやグレンラガン、真ドラゴンですら押し出すパワーもある。
特異点であるシャアはアムロ達と協力して時空修復を敢行し、フロンタルによる落下を阻止した。

スーパーヒーロージェネレーションではオリ敵を追って別世界に飛んだら偶然アクシズに出くわし、成り行きでνガンダムに協力。
戦闘中にオリ敵が別世界に逃げたので、降下中のアクシズを放置して敵を追っていった事もある。
…多分その世界では落ちたんだろう。νガンダムもアクシズ放置して自軍についてくるし(しかも参入イベントなし)。
ちなみに、この世界のネオジオンは酷く残念な有様で、点火に必要な燃料すら確保できておらずたまたま拾ったオリ敵のエネルギーで点火しようとした。
作中では戦闘イベントを進めると点火されるのだが、このゲーム、実は最終ターゲットをさっさと落とせば途中のイベントはスキップされる。
何が言いたいかというと、最終ターゲットのサザビーを速攻で落とせばアクシズは点火されずに終了し、地球に向かうことなく宇宙に放棄される。酷ぇ。


◆余談

富野監督はアムロとシャアの死を明言した事はない。
その一方で機動戦士ガンダムUCの作者である福井監督はこの二人を既に死んだものとして扱い「こんな大事な事を冨野監督本人でもないのに勝手に決めるな」とファンから大バッシングを受けた。
確かにあの状況で生きてるとは考えにくいが、ガンダムシリーズの看板ともいえるアムロやシャアの行く末を、それを描き続けて来た冨野監督以外が勝手に設定するのは傲慢という物だろう。
それを受けて監督は「あれ(作中で出てきた二人の魂)は生霊かもしれませんね」と慌てて描写を濁すコメントを出した。


宇宙世紀0200年台を舞台とした小説『ガイア・ギア』では第5巻でこの事象について触れている。
その時代ではシャア・アズナブルは伝説の人物として語り継がれていた。曰く、「シャアの人徳とニュータイプとしての才能は、地球を汚染する恐れのあった隕石を回避させ、それでシャアは死んだ。その際にシャアの意思は光となって地球を包んだ」と伝えられている。
シャアが核兵器を積んだ隕石を落とし地球を汚染しようとしたのは紛れもない事実だが、実際サイコフレームを意図的にアムロの陣営へと流出させなければこの奇跡的な現象は起こらなかったはずであるし、小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 後編』ではシャアがアムロに対し「地球を汚染する怖さを償いたいという気持ちがあって、それをアムロの力に賭けた」と赤裸々に述懐しているので、シャアの人徳とニュータイプの才能が隕石の激突を回避させたという解釈は半分は当たっている。また小説『機動戦士ガンダム ベルトーチカ・チルドレン』ではアムロがアクシズを押し返している最中に「シャアの力を吸い取ってでもアクシズを阻止する、余分な命はいらない俺とシャアだけで」と言っているのであのアクシズから放たれた光はシャアの意思であるというのも半分は本当なのだろう…。
小説『ガイア・ギア』で後世にアムロの方がどう語り継がれているかは不明である。



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