富野由悠季

登録日:2010/06/10 Thu 00:35:55
更新日:2021/01/11 Mon 10:31:26
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この項目は、とても見れたものでは
ありませんから

見てはいけません!!




富野(とみの)由悠季(よしゆき)とはアニメ監督である。他にも作詞や小説などもよく手掛ける。本名&旧名義は富野喜幸(読みは同じ)。
神奈川県小田原市出身。日本大学芸術学部映画学科卒。
かつては、虫プロダクションに所属し、日本アニメの草創期から知る、アニメ業界の中でもかなりの古株である。
主にロボットアニメの作品を担当する事が多く、その中でも代表作である機動戦士ガンダムはあまりにも有名。

上記の通り、監督をする他に、作詞、脚本、絵コンテ、演出、小説等も手掛け、幅広く活躍している。
若手時代は異様なほどの描画スピード&作業量を誇る原画マンとして知られ、ジャンルを問わず多種多様なアニメ作品に携わる“コンテ千本切りの男”として業界内に名を馳せた。
監督以外の仕事をする際は様々なペンネームを使い分けており、作詞家としては井荻麟(いおぎりん)*1
絵コンテ、演出家としては斧谷(よきたに)(みのる)として活動している。
また、『Gレコ』では井荻翼として声優デビューも果たしている。

役者の人選センスもかなりのもので、
今では実力派と称される池田秀一、戸田恵子、中原茂、矢尾一樹、川村万梨阿、大塚芳忠、平松広和、飛田展男阪口大助、白鳥哲、朴ロ美といった名だたる面子を一躍有名人にしてみせた(中には、アニメ未経験だったり新人だった頃に抜擢されて大成した者までいる)。
そのキャスティングの絶妙さは、当初は視聴者に『キャラに合わない』『違和感がある』等と評されていたとしても、作品が最終回を迎える頃には結局『このキャラの声はこの声優じゃないと』と言わせてしまうほど。

アフレコ現場には必ず立ち会って直々に演技指導をしている。
その指導は非常に厳しく、要求に応えられない役者にはブースに駆け込んで罵声を浴びせたりする事もあり、阪口大助や浅川悠新井里美らは、それで泣き出してしまったという。
特に阪口は鉄拳制裁もしょっちゅう食らっていた。(アムロ役の古谷徹もよく殴られたらしい。)が、阪口自身はラジオで否定していた。
渡辺久美子は『機動戦士Vガンダム』でのアフレコで、富野から罵声を浴びせられ続けた事で激怒し、
逆に「うっさいハゲ!」などと罵声を浴びせ返したらしい。
しかし、その過激なまでの指導を受けて急成長を遂げた声優は多く、上記の4人はその一例である。

作風は大きく二つに分けられる。
一つ目は主要キャラが次々に死んでいく、常にシリアスな展開が続く作風で、Zガンダム、Vガンダムやイデオン、ザンボット3、ダンバイン等が当たる。
あまりにもシリアス過ぎる展開や凄惨な演出が目立つため、『黒富野』や『皆殺しの富野』と呼ばれることも。
しかし、むやみやたらとキャラを殺してるわけではなく、声優の出演料をケチったスポンサーが口減らしのためにキャラの死亡退場を要求してきた時は断ったという。

もう一つは主要キャラが殆ど死なず、コミカルな展開やほのぼの展開が続く作風で、主にダイターン3、ザブングル、ZZガンダム、∀ガンダム、ブレンパワード、キングゲイナー、Gのレコンギスタ等がこれに当たる。
こちらでは『白富野』と呼ばれ、近年はこの作品が多い。しかし、この作風に属する作品であっても後ろ暗い要素を含む場合もある。

言語センスが非常に独特であり、彼の監督作品では、普通の日常会話ではまず出てこないようなセリフ回しが出てきたり、キャラとキャラとの会話が噛み合っているように見えないという演出がしばしば見受けられる。
これについては、本人の志向が実写…というか表情アップでの感情表現などのない舞台劇のためではないかとも言われ、
ファンからは「富野節」「富野台詞」と呼ばれている。

例:
「悲しいけどこれ、戦争なのよね」
エゴだよ、それは!
死ねよや!
「オーガニック的な何か」
とち狂ってお友達にでもなりに来たのかい?
このターンX凄いよォ!さすがターンAのお兄さん!
鈴木君には政治を司る新しい聖戦士をやってくれ!
「海賊をやるなんてやめなさいよ!」

また、ガンダム等に登場するメカやキャラクターの名前をしばしば考案しているが、これもまたセンスが独特であり、ダジャレを巧みに活かしたネーミングは一度聞いたら忘れられないと評価が高い。


トリアーエズ(取り敢えず)
TINコッド(男の股間のアレ)
ザンネック(斬首→ザン・ネック)
コンティオ(男の股間のアレの文字並び替え)
マラサイ(今更→マラサイ)
アッシマー(あっ、しまった!→アッシマー)
メタス(目、多数→メタス)
ボリノーク・サマーン(森のくまさん)

ネーミングに留まらずメカのデザイン原案も手掛けており*2、中には原案のまま採用されたものもある。(ビグ・ザム、ジオングなど)
本人曰く、(自分と同年代の名だたるアニメーターに比べたら)絵はヘタな部類に入り、実力ではとても敵わないので、純粋な画力に依らない“質より量”のスタイルで生きていくことにした…とのことで、彼が手掛けたコンテやデザイン原案は「確かにヘタだ」「言うほど悪くはないのでは?」等と評価が分かれている。


アニメ監督でありながらアニメ嫌いを公言して憚らず、このサイトを見ているようなアニオタを激しく敬遠していることでも有名。
御大曰く、「アニメは子供が親に隠れてこっそり見るもので、大人になったら綺麗サッパリ忘れて道徳を学べ!」とか。
このことについては、御大が生きてきた時代背景やそこから来る経歴が関係している。
というのも、彼自身本来は映画業界を志望していたが、富野の大学卒業前に大手映画会社は既に大学新卒者の採用をやめており、
学部の関係上、就職口が虫プロしかなく「志望していた演出の仕事ができるならばこの際なんでも構わない」という気持ちでアニメ業界に進んだという。
当時アニメは子供のものという認識しかなかったため、大の大人が“おもちゃ屋の宣伝番組”であるアニメの仕事をやるのは非常に恥ずかしかったと述べている。
それ故に、アニメにハマる大人に対して強い嫌悪感を抱いているのかもしれない。
実物大ガンダム竣工式でのスピーチなど"おもちゃ"に対する複雑な感情があったと読み取れる発言も多い。
ちなみに、本人は現在でも出来るものなら実写ドラマの監督がやりたいという野心があると語っている。

自らをオタク嫌いと豪語するだけあって、萌え要素が多い現代のアニメを「新人や若手の声優たちを汚染した元凶。」と、Gのレコンギスタの制作発表会において痛烈に批判し、そのGのレコンギスタに関しても「オタクには観てほしくない。観ても内容を理解出来ない。」とまで断言したエピソードはあまりにも有名。
Gのレコンギスタのアフレコにおいて、嶋村侑がアイーダを演じた際、所謂「萌え声」で演じたのを目の当たりにして、「相当な危機感を感じた。まずはこの子たちを現代のアニメから浄化する作業から始めないといけないなと思った。」と語っており、嶋村に対して作り声ではなく地声で演じるよう指導したらしい。

しかし、後述にもあるマンガ「トミノ伝」でも書かれている通り、ガンダム放映時にアニメファンからの支持があったにもかかわらず同作が打ち切りになった際、
彼は敢えてアニメ雑誌に打ち切りに事を掲載し、アニメファンの力を借りる事で同作の知名度アップに成功した。
故に、アニメ文化をよりメジャーなものに確立した事を考えると「アニメオタク文化を確立させた張本人があんたなのに、何をいまさら」と突っ込みたくなる。
だが逆に言えば、自身はあくまでアニメ文化のメジャー化を望んだだけだったのにそれが思わぬ方向に行った事に対して、ある意味責任を感じたからなのかもしれない……。
また、「ブレンパワード」以降キャラが次々に死んでいく「黒富野」の要素をあからさまに表に出さなくなった点は、
一説には『イデオン』や『Vガンダム』に影響を受けた『新世紀エヴァンゲリオン』の、当時としては異様な完結に、自身の暗い作風の悪影響の大きさを知って考えを変えた、とも言われる。
確かに「ブレンパワード」のキャッチコピー「頼まれなくたって生きてやる」は劇場版エヴァを意識させるものだが、この情報源はたまに出回るコピペなので、真偽は定かではない
キャッチコピーに関しては、「ブレンパワード」放送前に公開されて大ヒットを記録したジブリの『もののけ姫』のキャッチコピー「生きろ。」を意識したものとも言われている。


2014~15年には、『∀ガンダム』以来久しぶりに富野氏が総監督を務めたガンダムシリーズのTV作品『ガンダム Gのレコンギスタ』が放送。
発表前のインタビューには、
今までの『ガンダム』を否定する『ガンダム』があってもいい。そんな作品をもう一つやらせてもらえたら、と思っています」と答えており、
ファン等から様々な反響を寄せられている。
そして2014年3月に、ジ・オリジンのアニメ化発表と同時に、『ガンダム Gのレコンギスタ』の映像を公開した。
2クールアニメとはいえ全話脚本を務め、更には最終話において「井荻翼」名義で声優デビューなど、70代になっても成長し続けるのである。

ツッコむ気すら失せるレベルで物凄くエキセントリックなエピソードが豊富で、同時に道徳を学べ、等の説教臭くもある発言をしばしばするのでその辺から嫌う人も珍しくない。
女性スタッフや女性声優にセクハラ、上記の通り暴力を振るう、放送禁止用語や下ネタを好んで使う(おま○こ、セックス)など……
『重戦機エルガイム』のファンネリア・アム役を演じていた本多知恵子さんは、美人で低身長(144cm)だったためかお禿によくケツを触られていたらしく、
撃退法を井上遥さんに相談したこともあったらしい(wikiより)。


ファンからの愛称は「御大」、「御禿」、「禿」だがハゲと呼ぶとブチ切れる。
何故かというと、本当はハゲではなく元々薄毛だったのがある時期を境に急激に進行したのを機に定期的に剃るようなったからである
この辺は自身が書いた人生相談本『富野に訊け! 』(文庫版では感嘆符が1個増えている)に載っている「ハゲてる人からのお悩み」への回答でカミングアウトしていた。

そして大和田秀樹作「機動戦士ガンダムさん」内にて、富野氏を主役に据えた『トミノ伝』という形で初代ガンダムの制作秘話などが漫画化された。
漫画内での名前は富野ヨシユキとなっている。
ガンダム以外の富野に関するエピソードや劇場版完成後のエピソードなどをまとめた作品で、
富野ヨシユキ以外のキャラクターも実在の人物がモデルだが、一部オリジナルキャラクターも登場する。
作品として好評だったのか、後にこのトミノ伝のみを収録したコミック【「ガンダム」を創った男たち。】として上下巻で発売されている。
ちなみに連載に辺り大和田がとあるパーティーで冨野に直談判をしたところ、いきなり冨野から頭突きを食らって了承を貰ったらしい。


小説執筆活動もしており、『機動戦士ガンダム』などの初期のガンダムシリーズのノベライズは監督が自ら務めていた。
映像がないこともあってか生々しい性描写があったり、アニメ版に比べて登場人物の死亡描写が壮絶になるなど、「アニメ作品の小説版は原作に比べて内容が重くなる」というイメージを確立させるのに一役買ったことは間違いない。
氏の手掛けた小説は、登場人物たちの会話が主で人物描写・背景解説などの所謂『地の文』が少なく、漫画のような擬音を多用するなど癖の強い文体で知られているが、これには事情があり、小説を書いたのは生活費を稼ぐためであり氏には元々小説を執筆するようなノウハウは無かった*3
ただでさえ特異な言語センスを持つ監督が我流で書いているということもあり、彼が手掛けた各種書籍は、ファンであっても「文章力は気にするな」と生暖かい目で評価する者が多いが、もちろん純粋に高く評価している者も少なくない。




●小説
小説版ガンダム
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
ガイア・ギア(立派なガンダムシリーズだが黒歴史)
アベニールを探して(ガンダムシリーズ?)
オーラバトラー戦記
リーンの翼(フェラリオをドライバーで…)

●作詞
翔べ!ガンダム
砂の十字架
哀・戦士
めぐりあい
銀色ドレス
シャアが来る
一千万年銀河
いくつもの愛を重ねて
ひなげしの旅のむこうに
ダンバインとぶ
みえるだろうバイストン・ウェル
スターライト・シャワー
復活のイデオン
疾風ザブングル
乾いた大地
等 

●解説書

映像の原則

アニメを含む映像分野における制作技術について書かれた指南書。
映画、TV、CM、MV、CG…etc、そして、実写・アニメーションにかかわらず、
すべての映像における演出の原則は同じであるという観点から、
映像制作の原則について詳しく説明している。
言い回しがわかり難い、文章が読み辛いという欠点もあるが、
アニメ黎明期の分野から映像業界に関わってきた人だけあってその解説には確かな理論性がある。

「これを読んでも内容が分からないという人は、映像業界に就く事はオススメできません」

とバッサリ断じているように、映像業界を志す人であれば一度は目に通しておくことをお奨めしたい1冊。

2002年に初版が、2011年に改訂版が出ている。
改訂版の方はわかり難かった文章が読みやすく改定されているのでそちらをお奨めする。

【モチーフにしたキャラ】
小説家ヨシユキ・トミノ(機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス)
スパイトミーニョ/モンスターウルフマン(黄金神話(ゴールドサーガ)編(SDガンダム外伝))

【余談】
先述した「Gレコ」最終話に登場した富野監督が声を演じた老人だが、ゲーム『スーパーロボット大戦X』ではまさかの隠しキャラとして登場。
あるステージにおいて富野作品の主人公(アムロ、カミーユ、ジュドー、シーブック、ベルリ。残念ながらルート分岐の都合、万丈やショウは不在)かシャアを特定のマスに置くと、
「戦いを見ている…ずっと長い間…」と寂しげに答えた後、出会った記念としてアイテムをくれる。
なおその際、アムロは「この感じ…まるで父さんみたいだ…」と呟いている。


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最終更新:2021年01月11日 10:31