ユウナ・ロマ・セイラン

「ユウナ・ロマ・セイラン」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ユウナ・ロマ・セイラン - (2020/01/10 (金) 15:46:28) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/11/28 Mon 12:37:14
更新日:2024/03/22 Fri 20:17:30
所要時間:約 6 分で読めます







……よーし、ダルタロスの暁作戦開始!
ちょっとカッコいい作戦名だろ?





CV:野島健児

オーブの五大氏族セイラン家の跡取り息子でカガリ・ユラ・アスハフィアンセ

フィアンセといってもお互いの同意の上での婚約ではなく、いわゆる政略結婚だが、ユウナ自身はカガリのことを愛している……らしい。

政治家としては、大西洋連合との同盟を代案を出さずに反対しかしないカガリとは対称的に、常に落ち着いた様子で対応していた。

一方、成り行きでカガリを保護し、送り届けてくれたミネルバに対して修理まで行っておきながら、
ミネルバ駐留中に大西洋連合と条約を結んだことを理由に、ミネルバ出港の際に港外へ大西洋連合の軍隊を呼び出している。
タイミング的に止むを得ない部分はあるものの、相手国に対して敬意を払っていないと見做されがちで、わざわざ戦闘行為を強いるやり方も回りくどい。
通常ならば見逃すのが筋であり、効率的な手段は他にもあるし、連合への体面を保ちつつザフトへ最低限の敬意を払う方法だってあったはずだった。



しかし、それに怒るカガリに対して……


「国は貴女のオモチャではない! いい加減感情でものを言うのは止めなさい!」


……と、確かに感情的ではあるもののこの件については実はおかしくもなんともなかったのだが、一喝した(のちに、盛大なブーメランとして撥ね返るとは露知らずに)。
ちなみにこの場面では、カガリの物言いも悪かったためか実はセイラン家に近しかったのかは不明だが、周囲の兵士たちもカガリに対して敵意を込めた視線を叩きつけていた。



その後――政略結婚する予定だったカガリがキラが駆るフリーダムに誘拐されたことで、
事実上のトップになったユウナは、連合の要請を受けてオーブ軍の総司令官として戦場に立つことになる。

戦場をゲーム感覚で考えているようで、空母で船酔いしたりカッコ良い作戦名を考えたりしてトダカたちを呆れさせるが、
連合と連携してミネルバを追い詰めるなど、戦力差があり過ぎたことが最大の原因だが、作中全体通した中でのミネルバ最大の危機(後述)は彼らの手腕によるところが大きい。

途中、戦場に乱入したストライクルージュに乗ったカガリからオーブの理念から「戦いを止めろ」と言われてもなお戦闘を続けたことから、アスハ派であったトダカたちに咎められる。
しかし、ここでカガリの言う通りに退いてしまえば今度は同盟を組んでいる連合からなんらかの報復を受ける危険性もあったため、
ユウナの判断もあながちおかしいとは言えないのだが、自国の国家元首を完全無視するのもまた問題で何とも言い難い。
一応補足すると、カガリたちの主張も通るか通らないかは別として、おかしな話ではない。

結局――その場はミネルバを落とすことに失敗したが、続くクレタ沖海戦でも圧倒的戦力でミネルバを撃沈一歩手前まで追い詰めた。

物語終盤、敗戦濃厚で落ち目のジブリールを匿うという暴挙に出てしまい、結果、ザフトのオーブ侵攻戦「オペレーション・ヒューリー」の引き金を引き、オーブを再び戦場にしてしまう…。
しかもこの事態を想定していなかったらしく、2年前のオーブ防衛戦の時と同様にオーブ国民の避難も完了しておらず、さらには防衛戦力も揃えてなかったと情けない姿を晒してしまう。
そして部下たちに当たり散らし、責任を押し付けようとまでしたため、憎悪の目で見る・舌打ちする者まで出て来る始末。
情けない姿を見せたところで、アカツキを駆って現れたカガリから国家反逆罪に問われて、捕縛された。
ちなみにこの時、今までユウナが散々やらかしてきた鬱憤が爆発しただろう部下たちによって、日頃の怨みと言わんばかりにフルボッコにされている。

最期は、連行されている途中に逃亡を謀ろうとするが、上空から落ちてきたグフイグナイテッドの頭に潰されるという、あまりに呆気無いかつ情けない最期を迎えた…(因果応報と言えなくもない)。


ちなみに、前作SEEDにてオーブが理念を貫き連合にもプラントにも付かぬまま中立を貫き通そうとした結果、連合との戦争に突入し国を焼かれた過去から、
本作でもオーブは難しい情勢になっていたため、彼らが連合に近付いた判断に関してだけは安易に正解とも間違いだったとも言えない。
その度合(ザフトへの敵対行動含む)やセイラン家の事情などについては別問題だが。


他の氏族たちと協力したのだろうが、焼け野原になったオーブをたった二年で復興させるなどの功績から、「SEEDの世界の政治家では結構優秀な部類じゃないか?」という意見もある。
ジブリールと関係性が深く、その後彼を匿まったのも元々は父のウナトであり、ユウナは最初については責任が無い。

ただし、実際にはどの媒体においてもユウナやセイラン家がオーブ復興に尽力した描写は無い。
小説版に至っては復興に尽力した政治家は復興後、責任を取って辞めたと書かれていることと両者共に現役であることからセイラン家は何もしておらず、上手く立ち回って後釜に座ったという可能性が高い。
無論、DESTINY以前のセイラン家に関する描写や設定が明かされていないこともあり、どちらの意見も視聴者及び読者による推測でしかないのだが。


ゲームでも、脇役でなおかつ敵だったためにこれといった救済は無かったが、
スーパーロボット大戦Kにおいては何故かスパロボ補正でかなりまともな人物となり、さらにカガリの副官として大活躍する。

…が、実は「カガリが留守中に勝手に連合と同盟を結ぶ」という原作以上の大失敗をやらかしており、この件でカガリをマジ切れさせた。
そのため、カガリからは手腕と人格を評価されつつも終始ぞんざいな扱いを受けていた。
次作に当たるスーパーロボット大戦Lでも、行動そのものは原作準拠でカガリに殴られて逮捕されてしまうのは同じだが、
周囲からは結果的に失敗してしまったとはいえ、彼なりにオーブを守るための行動であったとフォローされている違いがある。


久織ちまき氏によるTHE EDGEでは、カガリが連合との同盟を頑なに拒否していた時は叱責したり、
「後退しろ」と叫ばれた時はトダカたちが鵜呑みにしそうになったなか、ネオに言及されたのもあって戦闘継続を選択するが、
「はいそうですかと引き下がれるか!」と連合に後ろから撃たれるのを避けるために継続を選んでいたりと、いくらかフォローされている。


しかし、否定的な部分を取り上げると

  • 結果的にとはいえなにも成し遂げておらず、国益を損なっただけに終わっている。
  • 前述の通り「オーブの復興に尽力した政治家」にセイラン家が入っているという可能性はあるが、ソースは皆無。小説版の設定では件の政治家は「復興後に辞職している」ので、少なくとも現役のウナトやユウナではありえない。
    • 仮に尽力していたとしてもオーブにとってはほとんど仇敵で、そしてそれ以上に思想がオーブにとって危険なジブリール(ブルーコスモスやロゴス)との関係が深かったことから、彼らと何もなかったとは考えづらく何かしらの利益供与があった可能性も高い。そうすると資金や資材をブルーコスモスから流用していただけという可能性も出てくる。経緯が描写されていないので何故それほど親しかったのかは実際不明だが。
  • 現実には「正論を言っている=有能」という訳ではない。「正論」を言うだけなら誰でもできるが、それを実際に「結果」に繋げられるかはあくまで別問題。
    • そもそもユウナ自身も発言や行動が感情的なものが多くてダブルスタンダードである。…クレタ沖海戦については仕方ないところだが。また、セイラン家が有力な家柄であること、オーブの理念を無視した連合頼りのお陰で一見理知的っぽくなっているように見えるため、相対評価なら優れているとも断言し辛い。
    • クレタ沖海戦でも「落とせるところまでいったけど落とせなかった」のはあくまで結果論であり、「なんらかの不測の事態でミネルバを落とせなかった場合」のことをまったく考えてなかった。 そもそも落としたあとの展望も連合頼りを除くとどう打開していく気だったのか不明。また、同盟締結後の命令からここまでの流れの時点で後のジブリールの件とは無関係にザフトに報復される下地が形成される。
  • ジブリールとの深い関係性とその思惑(オーブを連合のために利用、最終的に併合させたい目的があったのは疑いようがない)から、原作最初の時点からウナトか彼に操られていたに過ぎない可能性がある。
    • 操り人形ではなかったとしても最初のころからすでに連合にばかり迎合しており、ジブリールの意向そのままである。一方的な要求で自国の利益のために突っぱねるべき場面ですら丸呑みしている。そのまま進むと仮に諸々の出来事が起きずとも連合にオーブが吸収されるか、政策の拙さやオーブの理念に反することから内乱が勃発していた可能性が高い。作中でも実際に、職業軍人として真っ当に働いていたトダカが最後には真のオーブとしてカガリとアークエンジェルに部下を委ねた。
  • 最終的に以前の恩義やユウナの意向によって多数の損害が出たことからミネルバに肩入れしたトダカの暴走と犠牲を招いたり、逮捕前にはオーブ軍から暴力を振るわれるなど、人望も薄かった。
  • 混迷した状況とは言え、連合に媚を売りそして無駄にザフトに喧嘩を売った結果、特に利益も無いまま多数の損害と死傷者を出した*1
  • 親の支援のお陰でムリヤリ派手な政略結婚を押し進めたが、説得の理由に言うほどの合理性が見当たらない。オーブ存続に関わる大変な時期であるにも関わらずカガリ側は勿論としてオーブとしてもメリットがあるかどうか微妙なものに見える*2。ある意味やり手と言えるが、オーブ国民視点からすると微妙な行動と言える。
  • カガリをオーブに居辛くさせたのはほぼセイラン家にある(政略結婚の件もだが連合との関係性やオーブ軍を牛耳っているため)。他にも今までカガリの意見を全否定してきた上、オーブ軍の兵たちをオーブにとって無益と言える戦いで散らせたり、ジブリールを匿い続けて両勢力から狙われる事態に陥らせたとあっては糾弾されることは当然である。
    • しかもジブリールを匿い続けたことは政治的なものではなくジブリールの脅迫を断れる度胸は無かったためであり、将来のリスクより今現在の自らの身の安全を選択した。
  • 前述のようにザフトに非常に失礼な形で喧嘩を売っておきながら、中立国だからと攻め込まれるとは露にも思っておらず、防衛網すらロクに構築してなかったことは無能としか言いようがない。
  • 結局、自分たちが国を玩具にしてしまってる。


などなど、難しい政情だったことは確かだがそれが言い訳に出来ないほどに、実はかなりの大失敗をしている。
やむなくとは言え長らく国を空けてしまったカガリがすんなりオーブの国民に迎えられたことは、元々のカガリの人気もそうだが、これも確実に影響していることだろう。

オーブを保たせていたと言えば聞こえは良いが、連合に媚びを売っていただけとも言い換えられる。
あのまま実権を握り続けていたら、どちらにしろ連合の都合や大戦に巻き込まれてオーブも大打撃を受けたり、
オーブで広く支持されているオーブの理念を無視しまくっているので良くて失脚だが、最悪内戦が勃発することも予想され、下手すると滅んでいた可能性も高い。

ユウナは本来なら小物でアスランの恋敵という、視聴者からの嫌われ役になるはずが、序盤にカガリの一国のトップとして未熟な面が強調された結果、
彼女を否定するために正論も言うキャラになってしまい、最初の内は有能とも無能ともつかぬ中途半端なキャラになったと言える。
(連合との同盟締結直後にザフトに対して非常にまずい形で喧嘩を売った件からも、序盤の序盤に限っても有能だとは言い難いが)
中盤~後半については完全に小物・噛ませ犬であり、その点はハッキリしている。



「項目はあなたのオモチャではない! いい加減感情で追記・修正するのは止めなさい!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/