ユウナ・ロマ・セイラン

登録日:2011/11/28 Mon 12:37:14
更新日:2021/05/29 Sat 11:50:50
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……よーし、ダルタロスの暁作戦開始!
ちょっとカッコいい作戦名だろ?





CV:野島健児

概要


オーブの五大氏族セイラン家の跡取り息子でカガリ・ユラ・アスハフィアンセ

フィアンセといってもお互いの同意の上での婚約ではなく、いわゆる政略結婚だが、ユウナ自身はカガリのことを愛している……らしい。
内心見下しているような振る舞いも見せているのでかなり怪しいが。

劇中での活躍


序盤


予期せぬ形でミネルバに乗って帰国したカガリを迎える形で登場。
ブレイク・ザ・ワールドに世界が揺れる中、父ウナトと共に大西洋連合との同盟に向けて動いており、
代案を出せないカガリを諫めて会議で孤立させ連合との条約締結を認めさせる一方、フィアンセとして味方面してみせている。

その後、連合への手土産と言わんばかりにミネルバ出港の情報を漏らし、再寄港を防ぐために軍を出動させる。
首長のカガリに無断で行われたこれらの行為は明らかに国内外の法的にアウト(上記の条約すら、一応まだ締結前の可能性が高い)なのだが、
非難するカガリを

「国は貴女のオモチャではない! いい加減感情でものを言うのは止めなさい!」


……と一喝する。
この段階でミネルバを庇おうものなら同盟締結がフイになるのはほぼ確実であり、連合とプラントのどちらがオーブにとって身近な脅威かを
鑑みればユウナの言い分は間違いではない。指令室にいた軍人も非難するような目線をカガリの方に向けている。酷な言い方をすれば、義理を通す程の力がないカガリが悪かったのである。

しかし、結局カガリを説得するには至らず、海上のトダカ達もミネルバに砲撃を当てる気は全くなかった。
この分裂を解消するどころか気づいていなかった節もあるところがユウナの限界と言える。

そして、ここをピークにユウナの切れ者な政治家として側面は失われていくのであった。

中盤


カガリを強引に説き伏せて迎えた結婚式当日、キラが駆るフリーダムにカガリを誘拐される。
男としての面子を潰されるのと引き換えに事実上の首長代理に上り詰めたユウナは、
連合の要請を受けたオーブ軍を率いて黒海に向かう。

戦場をゲーム感覚で考えているようで、空母で船酔いしたりカッコ良い作戦名を考えたりしてトダカたちを呆れさせた挙句、
ネオ・ロアノークの口車に乗って先陣を切る(事実上盾と捨て駒扱い)羽目に陥る。

フリーダムによるミネルバ攻撃と数の差を頼みに当初の戦況を有利に進めるが、
そのフリーダムが両陣営を攻撃するわ、戦場にストライクルージュに乗ったカガリが場違いな停戦を呼び掛けるわで戦場は混乱。
ユウナもネオに「あのカガリを名乗る人物の発言はどういうことなのか」と問い詰められ、「偽者だ!」と収拾を図ることに。

言い方も相まって非難を浴びることもあるこの偽者発言だが、
本物と認めてしまえば直後にユウナが「背中から撃たれるぞ」という通り条約違反と見なされるか、
国家代表が国外逃亡して好き勝手やっている事実を認めてしまうかの2択であり選択の余地は無かったと言える。

その後のクレタ沖でもミネルバを追い詰めるが、艦隊司令官のトダカ初めとしたアスハ派軍人の士気低下も著しく(ページ末のAAも参照)、
結局インパルスの猛攻の前に艦隊を壊滅させられ命からがら帰国することになる。

この頃から既に落ち目になりかけていたり、道化的な存在になりつつあったが一応国家代表代理の仕事をしてはいた。
しかし、戦況がザフトに傾いたユウナはいよいよ化けの皮を剥がしていくことになる。

終盤


虎の子のデストロイもヘヴンズベースもミネルバ隊の活躍で喪失した上、ロゴス暴露で社会的にも追い詰められたロード・ジブリールを匿い、
プラントの引き渡し要請に対し

「オーブ政府を代表して通告に対し回答する。貴官等が引き渡しを要求するロード・ジブリールなる人物は我が国内には存在しない」
「また、このような武力を以ての恫喝は一主権国家としての我が国の尊厳を著しく侵害する行為として大変遺憾に思う。よって直ちに軍を引かれること要求する」

と間抜けな回答を返すという暴挙に出てしまう。
結果、ザフトは「オペレーション・フューリー」を発動し、オーブを再び戦火に晒す。
ジブリールの保護はウナトとジブリールの個人的な関係に拠る所が大きく、オーブとしては何のメリットも無かっただけに「国はあなたの玩具ではない」という言葉がブーメランになって返ってきた形である。

戦力不足な上に一般国民の避難も進んでいないという醜態をさらし、
現場の軍人に当たり散らし、責任を押し付けようとまでしたため、憎悪の目で見る・舌打ちする者まで出て来る始末。

情けない姿を見せたところで、アカツキを駆って現れたカガリを本物の代表と認めた瞬間、国家反逆罪に問われて捕縛された。
ちなみにこの時、今までユウナが散々やらかしてきた鬱憤が爆発しただろう部下たちによって、日頃の怨みと言わんばかりにフルボッコにされている。

最期は、連行されている途中に逃亡を謀ろうとするが、上空から落ちてきたグフイグナイテッドの頭に潰されるという、あまりに呆気無いかつ情けない最期を迎えた…(因果応報と言えなくもない)。


視聴者からの評価


「想いだけでも力だけでも現実は変えられない」というテーマに対し、オーブ国内の権力という「力」を引っ提げて現れたところ、
彼なりにオーブの安全を考えていた*1ところまではともかく、
いざ話が進んでみると

  • 無断で軍を動かしたうえに連合にミネルバの情報を漏洩する。
  • 相手にも国民にもメリットが少ない政略結婚を推し進める。
  • ジブリールの顔を窺うばかりに、自国の軍を損耗させる策を受け入れる。
  • ジブリールの言い分を丸呑みし、連合の優勢を疑わっていないことを明かす。
  • 敗戦処理の事も全く考えていない。

等々、主体性と大局的な視点に欠けた言動を繰り返していく。政情が難しかったとはいえ、ここまで来ると擁護は厳しいレベル。
やむなくとは言え長らく国を空けてしまったカガリがすんなりオーブの国民に迎えられたことは、元々のカガリの人気もそうだが、これも確実に影響していることだろう。

おそらくユウナ(とウナト)は理想主義的なカガリや生前のウズミ、尖った実力主義的なサハクとは違った日和見的(よく言えば現実主義)の政治家であり、
現実を突きつけることでカガリやアスランの前(間)に立ちふさがるキャラクター……になるはずだったと予想できる。
しかし、シンやデュランダルを中心にしたドラマと平行して、世界の行く末を案じるアークエンジェル一行やラクス、己の責務に悩むアスラン、そして一国の指導者としての責任を思い知り成長するカガリ……を全部描くには至らなかった結果、しわ寄せを受けてしまったシナリオの被害者と言える。

あるいは、終盤の姿が本来のもので、序盤は正論を振りかざしてそこそこ有能「っぽかっただけ」という可能性もあるにはあるが……

なお、『SEED』と『SEED DESTINY』間のオーブ本国の描写は殆ど無い為、オーブ復興にあたってセイラン父子がどの程度関わっていたのかは不明。
一定の地盤を築いていたことや、戦後の新五大氏族に収まった以上全く関与なしということはないと思われるが、
「2年で焼け野原からオーブを復興して見せた立役者の一人」と見なす程の根拠はない。
小説版に至っては復興に尽力した政治家は復興後、責任を取って辞めたと書かれていることと両者共に現役であることからセイラン家は何もしておらず、上手く立ち回って後釜に座ったという可能性が高い。

原作外の描写


ゲームでも、脇役でなおかつ敵だったためにこれといった救済は無かったが、
スーパーロボット大戦Kにおいては何故かスパロボ補正でかなりまともな人物となり、さらにカガリの副官として大活躍する。

…が、実は「カガリが留守中に勝手に連合と同盟を結ぶ」という原作以上の大失敗をやらかしており、この件でカガリをマジ切れさせた。
そのため、カガリからは手腕と人格を評価されつつも終始ぞんざいな扱いを受けていた。
次作に当たるスーパーロボット大戦Lでも、行動そのものは原作準拠でカガリに殴られて逮捕されてしまうのは同じだが、
周囲からは結果的に失敗してしまったとはいえ、彼なりにオーブを守るための行動であったとフォローされている違いがある。

久織ちまき氏によるTHE EDGEでは、カガリが連合との同盟を頑なに拒否していた時は叱責したり、
「後退しろ」と叫ばれた時はトダカたちが鵜呑みにしそうになったなか、ネオに言及されたのもあって戦闘継続を選択するが、
「はいそうですかと引き下がれるか!」と連合に後ろから撃たれるのを避けるために継続を選んでいたりと、いくらかフォローされている。

おまけ



PHASE-28より



    カオス→・ ・←フリーダム
           ・
           ↑セイバー


● ●
 ● ●      ・←アビス
  ● ●     ・     ●←ミネルバ(甲板にレイのザク)
 ● ●      ↑インパルス
● ●
 ↑地球軍&オーブ艦隊


トダカ「敵の守りが厚くてムラサメ隊がミネルバに攻撃できません」

. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: どこまで無能だ貴様等…
    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 敵の対空砲は潰したし
   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 護衛機なんて固定砲台同然
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::: のMS1機しか無いじゃないか
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::: 友軍MSと連携すれば
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 敵MSも敵艦も
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::  ムラサメで総攻撃すれば一網打尽じゃないか・・・
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
        ↑オーブ軍人の無能さに絶望するユウナ



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最終更新:2021年05月29日 11:50

*1 開戦も前に連合との同盟を決めたのは軽率だが、組まなければデストロイを向けられていたのはオーブだった可能性も0ではない