カエル(クロノ・トリガー)

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カエル(クロノ・トリガー) - (2022/02/25 (金) 15:27:02) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/05/27(水) 09:24:51
更新日:2024/04/14 Sun 22:09:55
所要時間:約 4 分で読めます






共に戦ってくれ、サイラス!

カエルはクロノ・トリガーの登場人物。

◆人物(?)像

本名はグレン。中世に登場する、カエルの顔をした剣士。

過去に親友サイラスを魔王に殺されており、その時に魔王によりカエルへと変えられてしまう。

テーマ曲「カエルのテーマ」のかっこよさやその生き様から、彼を世界一かっこいいカエルと評するプレイヤーは後を絶たない。
登場シーンからかっこよさ全開。

尚、ステータス画面の顔グラフィック等を見るとトノサマガエルかダルマガエルであると思われる。

◆戦闘面

能力は物理重視な万能型といったところ。
水属性魔法が使える、回復魔法も習得できる等魔法も頼りになる。
ただし、物理技はジャンプ切りは終盤では火力がやや心許なく、カエル落としはHP依存で使いどころを考える必要があるため注意が必要。連携などで補うと良いかも。

武器には特定種族に対して攻撃力増加等の効果を持つものがあり、ハマるとかなりのダメージを叩き出す。
専用アクセサリの勇者バッジを装備すると最終武器のグランドリオンのクリティカル率が上昇する。
また、グランドリオンは強化前と後でクリティカル演出が微妙に違ってたりする。

因みに、グランドリオンは、唯一周回プレイの際に持ち越せない最終武器である*1
そのため、2週目以降は強化イベントをこなすまで他の武器で戦わざるを得ず、他のキャラより火力に悩まされがち。

◆ストーリー

出会いは中世。誘拐された本物のマールディア王妃(中世)を探して修道院へと侵入し、シスターに化けていた魔物を倒して一息ついていたところ、背後から奇襲されたルッカを颯爽と助ける。
「最後まで気をぬくな、勝利によいしれた時こそスキが生じる」

ルッカはカエル嫌いで仲間になるのも嫌がるのだが、2人で探索するにも不安だったこともありカエルと行動を共にすることに。
そしてこの出会いから少しずつ心を開いていく。
「……。カエルも悪くないもんね」

次に出会うのは、未来および現代で得た「ラヴォスは中世の魔王が生み出した」という情報を元に中世にやってきた時。
クロノたちはパレポリ村の酒場で飲んだくれているカエルを目撃するのだが、泥酔しているカエルには気づかれず、カエルは立ち去ってしまう。
その時落としていった「ゆうしゃバッジ」から、魔王討伐のために必要なグランドリオンを代わりに取りに行くことになる。

足りない素材を得るために原始時代にまで赴いてグランドリオンを修復したクロノは、お化けガエルの森の奥に住むカエルに会いに行く。
グランドリオンとゆうしゃバッジをカエルに手渡し、共に魔王討伐に向かおうと持ちかけるが、カエルは一晩考えさせてほしいと保留。

そして出した答えは…

サイラスよ、俺は行く。
お前の志を継ぐため……。
それが……お前への最後のはなむけだ!

我が名はグレン!
サイラスの願いと志、そしてこのグランドリオン、
今ここに受け継ぎ、魔王を討つ!!

魔王城がある大陸に唯一通じるとされる洞窟、魔岩窟。
その入り口は大岩で塞がれており侵入できない。
この大岩の前までやってきたカエルは、地面に突き刺したグランドリオンを前に少しの沈黙を挟んだ後、
グランドリオンを手に取り、上記の決意の叫びと共にグランドリオンを天高く掲げる。

カエルの決意に呼応したグランドリオンから光の奔流が天高くあふれ出し、それはそのまま刃となって大岩を真っ二つに断ち切った。
セリフの沈黙に合わせてBGMも止まり、カエルの叫びと共に「カエルのテーマ」が流れ出す演出は作中屈指の名シーンの一つ

なお、魔王はグランドリオンを持つ勇者しか倒せないと言われているが、ゲームの都合で実際に戦う時は別に無くても倒せる
ただ、魔王戦はダークマター準備中を除き、弱点属性の魔法で攻撃するのがセオリーであり、
追加効果で魔法防御をダウンさせるグランドリオン*2は実際に魔王戦のキーとなる。


魔王討伐においてゲートに飲み込まれて別の時代に飛ばされて以降は、カエルが中核に関わるストーリーはしばらく無く、脇役状態が続く。
一方で、古代にてグランドリオンの誕生の経緯をが明かされる。
元は魔神器を破壊するために作られた赤きナイフが、魔神器のエネルギーを受けて変化しグランドリオンが誕生したのだった。

次にカエル本人がクローズアップされるのは、古代で魔法王国が崩壊した後。

海底神殿でクロノがラヴォスの攻撃から味方を庇って消滅した後、崩壊する海底神殿からサラの最後の力で辛うじて脱出した一行は、
僅かに残った陸地に流れ着いていたが、そこで魔王と出会う。
自身の半生を語る魔王に対し、プレイヤーは2つの選択肢から選ぶ事ができる。

一つは、この場で魔王と決着をつける事。
魔王もラヴォスに恨みを持つものとはいえ王国を苦しめた仇敵である事には変わりがない。
そして、この時のメンバーにカエルがいると、魔王とカエルの一騎打ちになる。
実際の戦闘モードに入るが、魔王は別に強化されている訳でもなく、カエル一人で十分勝てる強さ。
ここで勝利するとクロノを生き返らせる可能性とカエルにかけた呪いはいずれ解けることを言い残し、魔王は絶命する。

二つ目は、魔王との決着を後回しにして手を組む事。
「今ここでお前を殺しても何にもならん」と敵意を理性で抑えたカエルは、
クロノのために仇敵の魔王と一時的に協力関係を結ぶ事を選ぶ。
以降、魔王が実際にパーティメンバーとして加わる。
この場合もクロノを生き返らせる方法について普通に聞くことができる。


次にカエルのストーリーがあるのは、クロノを復活させて最終盤の各地のサブストーリーが開放されてから。

世界地図で言う所の南東の大陸、チョラス村の北にある廃墟には幽霊が出るという噂があり、その真相を確かめに行く。
現代のチョラス村廃墟でその幽霊と遭遇するがそれは

他でもない、サイラスその人だった。

勇者としての力を持ちながら魔王を倒す事ができず、友人を助ける事もできず、国を救う事もできず、
無念のまま業火に身を包まれて命を落としたサイラスは怨念となって400年以上彷徨い続けていたのだ。
見境なく襲ってくるため一旦は戦闘になるものの、あまりに強すぎる無念からかどんな攻撃も通用しない。
中世に戻って彼の魂を鎮めなければ永遠にこのままだと悟ったカエル達は、中世のチョラス村に向かう。

大工道具を無くして困っている中世チョラス村の大工を助けた後は、
モンスターを討伐しては廃墟の修理の依頼を繰り返し、北の廃墟の最奥部まで入る。
そして最奥部にあるサイラスの墓を前にして、カエルは自らの心の中を吐露し始める。


元々争いが嫌いだった彼は、喧嘩しても「殴り返したら向こうだって痛がる」と無抵抗なイジメられっ子だった。
剣の腕そのものはサイラスも一目置くほどだったが、実戦では震え上がってしまうと吐露する等臆病な人物であった。
そのため、イジメられるたびにサイラスに助けられる日々が続いていた。

そしてそれは魔王との戦いでも同じことを繰り返してしまう。
サイラスがグレンを庇って魔王の炎に焼かれ、命を落としてしまったのだ
そのため、表には出さなかったがずっと彼に負い目を感じていて、罪滅ぼしの為に戦っている面があった*3
魔王討伐の際にはっきりとサイラスの意思を継ぐと決意して剣を手に取ったが、
それでもまだ心の奥底では吹っ切れておらず、迷いのある心のまま戦っていたという事になる。

グランドリオンが伝説の剣でありながら中盤以降の一般武器にも劣る能力しか無かったのは、
ゲーム的な都合だけでなく、このカエルの精神面での迷いが原因であったと明かされた

しかしここにきてサイラスの怨霊に遭遇し、自らのトラウマに向かい合い、今度こそ過去を断ち切る決意をする。

「勇者の強さは心の強ささ」
「罪滅ぼしの為なんかじゃない」
「あんたの意志が、今、本当の強さをもったのさ」
「これで心おきなくボクらも力を出せるね兄ちゃん!」
「そうだな、リオン!」

「このみなぎる力……これが……」
「これがグランドリオンの本当の姿なのか!!」

デナドロ山の山頂で戦った「グラン」と「リオン」は聖剣を守る妖精などではなく、聖剣そのものである。
カエルの決意に呼応してグランドリオンが「グラン」と「リオン」の姿に戻り、カエルに真実を教える。
そして再び合体して剣の姿になった時は、見違えるほどの輝きを放つ剣になっていた。
真の強さを得た事で、彼は紛うこと無き勇者としての力を手に入れたのだ。グランドリオンの刀身と同じく、眩しい輝きを放つ心を持って。

覚醒したグランドリオンは攻撃力220と、完全に終盤最強装備レベルの強さを手に入れる。
特殊効果は無いが、ゆうしゃバッジのクリティカルアップ効果は依然として有効。

ちなみに、この時に魔王(サイラスを殺した本人)が仲間にいると終始横を向いている。



グランドリオンを覚醒させた後の更なる小ネタとして、
デナドロ山は途中にフリーランサー(モンスターの一種)が反対側から石を投げつけて邪魔してくるエリアがあるのだが、
今までは誰で行っても石をぶつけられるとその場で驚いて落下してしまう。
しかしグランドリオン覚醒後のカエルを先頭にしてここに行くと、

「見切ったりフリーランサー!俺はもう、今までの俺とは違うぜ!」

として投げられた石をキャッチして防ぐ。
石をキャッチするとフリーランサーはビビッてどこかに行ってしまうためもう石を投げられなくなる。

そしてこの時キャッチした石は「きんのいし」と言うアイテムとして手に入る。
これはグランドリオンを構成する意思「グラン」「リオン」「ドリーン」の3人が具現化され画面全体を薙ぎ払うという連携技。
カエル・ロボ・マールの3人が必要で、3人のうち誰かが「きんのいし」を装備している必要がある。
ただかっこよくはあるのだが、HPが減るほど威力が上がる=HP満タンで使っても大した威力にならず、あまり使い勝手は良くない。


また、黒の夢で戦う魔神器に対してはグランドリオンの誕生の経緯から特殊効果があり、
グランドリオンで攻撃することでエネルギーを吸収してカエルのHPを回復することができる。


エンディングでは前述の「魔王と戦うか手を組むか」の選択が影響する。
カエルとの一騎打ちでもそうでなくても、魔王と戦う事を選んで勝った場合、魔王はそこで死亡している。
この状態でエンディングを迎えると、時間差でカエルの呪いが解けて人間の姿に戻る。
人間の姿の「グレン」はルッカもイケメンとして惚れそうになるくらいだそう。

魔王を倒す事を選ばなかった場合はカエルのままであるが、
カエルのままであってもリーネ王妃と結ばれるエンドが存在する。
PS版以降では魔王を倒さなくても人間に戻るエンドも存在する。

◆余談

2021年の夏に開催された東京オリンピックで、彼のテーマBGMである「カエルのテーマ」が、「ロボのテーマ」と共に選手入場曲として使用された。



我が名はアニヲタ!
冥殿の願いと、志、そしてこの項目達……
今ここに受け継ぎキーを打つッ!

追記・修正してくれ、サイラス!

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