ラヴォス

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ラヴォス - (2020/03/04 (水) 22:07:51) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/01/14(土) 21:21:27
更新日:2024/04/27 Sat 03:46:56
所要時間:約 7 分で読めます






天からふりそそぐものが世界をほろぼす



ラヴォスとはRPG「クロノ・トリガー」に登場するラスボス。

クロノ一行が現代ガルディアの森にあったタイムゲートを通り抜けると、そこはまるで全く別の世界に出たのかと思う程荒廃した場所。
何もわからぬまま探索を進めたどり着いた「アリスドーム」で、マールがスイッチを入れたモニターで再生された映像記録は…地底から出現した謎の生物によって地球が破壊されていく様子であった。


その映像記録の題名は「A.D.1999 ラヴォスの日」。
つまり、自分たちが今いる荒廃した世界は別の世界でもなんでもなく、ある日突然滅ぼされた自分たちの世界の未来の姿だったのだ。
ラヴォスとは、この時地底から出現した、世界を滅ぼした元凶の事を示す。

こうして、この星の末路を知ったクロノ一行は未来を救うためにラヴォス打倒を目指す事になる。


ラヴォスの活動

作品の時系列順に見ていくと以下のようになる。

・B.C.65000000
ラヴォスが地球に向かって飛来してくる。
最初は赤い星として視認されており、恐竜人の長アザーラはこれを「巨大な火の玉」などと表現しており、これを聞いた人類は「ラヴォス」と呼んだ。
ラヴォスとは、この時代の人類の口語で「ラ」は「火」、「ヴォス」は「大きい」の意味である。つまり、この時ラヴォスの落下を見た人類が「ラヴォス(巨大な火」)と名づけ、後世に伝えたということ。
後に恐竜人の居城「ティラン城」に落下。地球の底深くに潜り込む。

・B.C.12000
ラヴォスの落下によって地球は過酷な氷河期を迎える。
生き残った人類は地下で暮らし、太陽石や虹の貝殻といった星の力を蓄えた素材で文明を築いていたが、
地底に眠るラヴォスから力を取り出すことができる「魔神器」の開発により一代にして高度な魔法文明を築き、日光が差し込む遥か雲の上に大陸を浮かべて生活するようになった。
この文明を統べる女王ジールはラヴォスの力に心を取り込まれて正気を失い、ラヴォスを「ラヴォス神」として崇め、その力に傾倒していく。
しかし、さらに大きな力を引き出すため地底のラヴォスにより近い深海に建造された海底神殿にて、ジールとその娘サラが儀式を行ったためにラヴォスが覚醒。放たれた光によって魔法都市は粉々に粉砕され、人々は地上に引きずり降ろされてしまう。
だが、その光は地上を覆っていた氷を溶かし、空を覆っていた厚い雲を吹き飛ばした。陸地の大部分は水没してしまうが、ラヴォスの目覚めにより長く続いていた氷河期は終わりを告げた。

クロノたちが介入した歴史では、儀式を邪魔するタイミングがちょうど良かったのか、女王ジールは滅ぶことなくラヴォスから力を得ている。ラヴォスも自分サイドの存在になったと認識しているのか、ジールには攻撃を仕掛けなかった。
そしてラヴォスの力に満ちた海底神殿あらため「黒の夢」は上空に転移、以降未来永劫存在し続ける。
この歴史改変により、後の時代には黒の夢は「いつからかは分からないが、元々そこにある」あって当たり前の存在として人々に認識されて存在し続けることになった。

ただの空飛ぶ海底神殿ではなく巨大なゲート反応があり、あらゆる時間と次元を越えて流れるその名の通りの黒い夢。
一行個人個人のありえるかもしれない可能性が捕捉され黒い夢に帰結しており、「黒の夢」を止めない限り一行の個人個人の未来もない。

マール「私達を、呼んでるみたい……。」
ルッカ「な! なんてそんざい感! 見てるだけで吸いこまれそう……。」
カエル「し……死者の船か? おむかえに来たってのか!?」
ロボ「巨大デス、とてつもなく! 強大な精神エネルギーが測定出来マス!」
エイラ「アレ にくんでる! エイラ達 にくんでる!!」

・A.D.600
ラヴォスは眠りについているままだが、魔王が再び目覚めさせようとしている。
クロノたちが介入しない本来の歴史での詳細は不明だが、魔王がラヴォスを召喚しようとした目的は結果的には失敗に終わったようで、魔王軍は敗北した。

クロノたちが介入した歴史では、魔王の儀式が邪魔されたことで召喚は中途半端になる。
ラヴォスが姿を現す事は無かったが、巨大なゲートが発生し魔王やクロノたちを呑み込んだ。

・A.D.1000
魔族の間でのみその存在が言い伝えられており、魔王が産み出した邪神として崇められている。

・A.D.1999
ラヴォスの日到来。
今度は自発的に目覚め、地上を破壊し尽くした。

・A.D.2300
文明は発達を止め生態系は崩壊し、わずかに残った人類もただ死を待つだけとなっていた。
ラヴォスはいなくなったが(ルッカは「子供をあの死の山で生み、また別の星へ……」と言っているが旅立ったか地底から子供を生み続けているかは不明)、死の山にプチラヴォスという幼体がたくさん住み着いている。
また黒の夢の中にも死の山のプチラヴォスより育ってるっぽいプチラヴォスRが住み着いている。

黒の夢発生後は当然この時代にも黒の夢は存在しているが、この時代では「既にラヴォス様が地上の全てをも手に入れた後」として、侵入しようとしても相手にしてくれなくなる。


ラヴォスの正体と目的って?

ラヴォスは宇宙からやってくる生命体であり、星に住み着いてその遺伝子情報を食らう「寄生虫」のようなものである。
飛来したラヴォスは、まずその星の地下深くへと潜り込む。
その後、原始の時代から数万年、数億年という膨大な時間をかけてその星の遺伝子の情報を吸い上げ、それが終わると地上に姿を現し、その星を破壊する。
そして幼体であるプチラヴォスをその星に産み落とし、やがて成長したプチラヴォスは宇宙へと飛び立ち、また別の星へ寄生する。
地球にやってきたラヴォスもその内の1匹に過ぎず、1匹のラヴォスがプチラヴォスを何匹も産む事から、宇宙にはまだ多数のラヴォスとそれによって滅亡した惑星が存在すると思われる。

ラヴォスにとっては恐竜人も魔物達も、人類とそれらが築き上げた高度な文明も、自らが食らう餌にしか過ぎないのだ。なんとも大掛かりな食事である。

後述のラヴォス最終形態と対面した時、連れているメンバーはそれぞれ固有のセリフを喋るが、
キャラによってはラヴォスの正体をある程度以上に察した事を言う。
一番具体的なロボは「ラヴォスが地球上の今までの全ての生物の遺伝子を所持している」事を知り、
ラヴォスが「遺伝子を食って自分自身を進化させるのが目的であった」ことを看破する。



ラヴォスとの戦い

クロノ達は複数のルートからラヴォスと戦う事ができる。

・時の最果てのバケツゲート、またはラストダンジョン「黒の夢」の最奥部からラヴォスの元に向かう。(第一形態戦後にセーブ&脱出可能)

・シルバードを使ってA.D.1999のラヴォスの日へ飛ぶ。(飛行可能になっている場合第一形態を無視できるが後戻り不可&EDに影響)

・リーネ広場の物質転送マシンのゲートからラヴォスの元に向かう。(強くてニューゲームのみ)

・古代海底神殿での初戦(通常より強化されているので、普通は負けイベント。2周目などで強化していれば撃破は可能で、特殊エンドになる)。

そうしてラヴォスの元にたどり着くと戦闘に突入する。

ラヴォス(外殻)

上記とは別にストーリー進行上で一度必ず戦う事になるが通常よりも強化されており、このときは全滅で話が進む。(倒すこともできる)
遺伝子情報を吸って地上に現れたラヴォスは、これまでにクロノ達が戦ったボスをコピーして攻撃してくる。
その数は実に10連戦にも及ぶ(黒の夢から向かった場合は魔神器、ジールとも戦うため実質13連戦)が、ボスのパラメータもそのままコピーしているため攻略法も同じ・・・というか黒の夢を突破できる実力があれば、ブラックティラノ&アザーラ形態くらいまではほぼ消化試合と化す。

それらを突破すると、いよいよラヴォス自身との戦闘になる。ラヴォスは主に次の手段で攻撃してくる。

・天からふりそそぐものが世界をほろぼす
A.D.1999ラヴォスの日に世界を滅ぼした技で、ラヴォスの代名詞。背中の殻から無数の光を飛ばす。
強力な全体攻撃で開幕と同時にぶっ放してくる。まずはこれを凌ぐのが第一関門。

・カオティックゾーン
電撃を帯びた暗黒空間を展開する全体攻撃。
威力は低めだが混乱の付加効果つき。

・ラヴォスニードル
単体攻撃で威力もそれなり。特に気にしなくてよい。


これらを凌いで撃破するとラヴォスの頭部が消滅。外殻の内部に侵入する事になる。
体内を進んでいくと、無数の管に繋がれたロボットのような姿(ドラゴンボールのセルに若干似てる)をしたラヴォス第二形態が最深部に鎮座しており、戦うことになる。

ラヴォス(本体)

この第二形態は本体と両腕に分かれており、まずは両腕を破壊しないと本体に攻撃が通りづらい。攻撃方法は以下の通り。

・ソニックブーム
第二形態の通常攻撃。

・光波《両腕が、破壊の扉を開く》
両腕があるときに使用。胸の装甲を開いてビームを放つ強烈な全体攻撃。
開幕ぶっ放しでのパーティー壊滅は皆が通る道。

・守封
対象の装備によるステータス異常防止を無効化する。
この後のラヴォスコアも使ってくる地味に危険な技。

・邪  気
・ 影  殺
・  闘  炎
邪影闘気殺炎
不自然に字間の空いた&少しずつズレた表示の「邪気」「影殺」「闘炎」という3つの攻撃の後に「邪影闘気殺炎」が放たれる。
上から順に全体魔法+混乱、全体魔法+毒、単体火魔法、全体無属性魔法。
恐らくこれをプレイした小学生時代には難しい漢字が多くて読めないが、とにかくカッコイイ名前の技というのは分かる。
所謂中二病っぽい名前だが、それに恥じない演出と威力。


これも撃破すると、宇宙服を着た異星人のような生物と、そいつが掲げた両手から二つの丸い物体が姿を現す。
これが最終ボス、ラヴォスコアである。

ラヴォスコア

そのどこかマヌケな外見とは裏腹に、2種類のビットを使役して強力な攻撃を次々に繰り出してくる難敵。

ちなみに最初に現れた人型がラヴォスコアと当然思うだろうが、
これはセンタービットと呼ばれるラヴォスビットのひとつで、支援役であり倒しても復活する。
では本体はどこかと言うと、人型の左右に出現した「ビットらしきもの」のうち、画面向かって右のものが本体「ラヴォスコア」である。
なお、左のビット(全く同じ外観)は本当にただの支援用ビットである。初見殺しにもほどがある。

役割分担は以下のとおり。

レフトビット
主に回復。魔法は吸収されるが強い物理技なら一撃で倒せる。

・交撃
コアとの連携技。センタービットだけが倒れている状態でないと使わないので見る機会は少ない。

センタービット
攻撃担当。

・天泣
雷で攻撃する天の魔法。単体攻撃だが驚異の4桁ダメージでオーバーキルされる。

・時空転換
背景が各時代のものに変わっていく。

・巨岩
太古のときに使用。アザーラがサイコキネシスで岩を瞬間移動させていた攻撃の強化版。
センタービットが放つ最大物理攻撃。威力が桁違いなのですぐに防御を固めよう。

・邪光
古代のときに使用。
ビットが全て揃っている時に使用する大技。全体に大ダメージを与え、更にスロウ状態にする。
……が、連携技なのでビットが倒されていると使えないのは当然であり、しかもセンタービットも棒立ち状態となって大きな隙ができる意外な盲点がある。

・魔星
中世のときに使用。
パーティ全体に現在HPの半分のダメージを与える攻撃。軽減手段が無く厄介。

・呪声
現代のゴンザレスが元。なんでそんな物を・・・。
演出はセンタービットがスポットライトを浴びながらノリノリで歌うという完全にギャグな技。
パーティ全体にランダムステータス異常を与える。

・夢無
未来のときに使用。
センタービットが放つ最大魔法攻撃。巨岩と並ぶ死因。

ラヴォスコア
ビットの復活担当。

・命活
せっかく倒したビットをラヴォスコアが復活させるウザい技。

ラヴォスコアは普段は防御を固めており、物理・魔法問わず殆どダメージが通らないが、
この技を使うための準備をしている間およびこの技を使った直後のインターバルのみ、防御を解く。
ここを狙わないとコアにはろくなダメージを与えられない。


ちなみに、ラヴォスは中盤からでも戦おうと思えば戦える珍しいラスボスである。一周目では決してオススメはしないが。
さらにつよくてニューゲームなら、物語開始から2分程度の時点で戦える(一人またはマールと2人で)。倒すとスペシャルEDが…

またラヴォスに敗北すると「BUT…THE FUTURE REFUSED TO CHANGE」(しかし…未来は変革を拒んだ)という文と共に崩壊する地球の映像と、ラヴォスの咆哮が流れる。みんなのトラウマ。



余談

大本の元ネタはノストラダムスの予言のアンゴルモアの大王。
当時ノストラブームだったのが影響している。
また共通点が多いことからFF7ジェノバの元ネタではないかとも言われているが、どちらもノストラブーム下で作られた敵なので偶然の可能性もある。
一応FF7候補の作品が『クロノ・トリガー2』の予定だった開発チームによって作られているというかなり遠いつながりはある。そちらのラスボスは人工物だが共通点も割とある。

クロノ・クロスでは、魔神器、魔神器を破壊するために使った赤いナイフが変化した聖剣グランドリオン、サラのペンダントなどの素材であった赤い石ドリストーンは本体より一足早く星に降ってきたラヴォスの欠片であり、ドリストーンの影響で猿が人間に進化した、という設定が後付けされた。
「何千万年もの昔、人の祖先がふと手にした不思議な赤い石のかけら……。そこからすべては始まったのだ。
 人の知を超えた力は夢をはぐくみ愛とにくしみを生んだ……。
 それがどのような終わりを見るか…… 時だけがそのこたえを知っていよう。」
クロス設定に沿えば、クロノトリガーで古代の魔術都市カジャールにあった理の賢者ガッシュが書いたこの本の文章も、違う意味で捉えることが可能。



[天からふりそそぐものが全てを修正する]

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