穢翼のユースティア

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穢翼のユースティア - (2021/06/12 (土) 12:48:44) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/05/01(土) 15:40:31
更新日:2024/04/28 Sun 22:14:02
所要時間:約 7 分で読めます




また一人、少女が散る…

AUGUSTの第八作として発表された作品。
これまでのAUGUSTのゲームの明るいイメージから一転、暗殺者、娼婦などニトロでやれ的な暗いイメージが並ぶがちゃんとAUGUST製作である。たぶん……


2011年3月25日に発売予定だったが、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で4月28日に延期となった。AUGUSTが延期するのはこの作品が初めて。

略称は特に決まっていないが、冒頭のキャッチコピーを略して「またがる」などと言われることも。
後にAUGUSTスタッフ監修のドラマCDが発売された。

2014年6月にPSvita移植版、「穢翼のユースティア Angel's blessing 」が発売。


登場人物 CVはPCゲーム/ドラマCD
主人公
カイム・アストレア
CV:大石恵三/近藤隆
大崩落で全てを失い牢獄にたどり着いた男。
幼少期は生来の女顔から男娼候補として娼館リリウムで下働きをしていたが、『不触金鎖』の先代頭に運動能力を見込まれ、暗殺者になることを選択し、生きて来た。
先代頭の死を期に暗殺から足を洗い、次代の頭となったジークや『不蝕金鎖』の手伝いをするなんでも屋として生計を立てている。
名前こそカイムだが別にヒロインにドラゴンはいないし、声を失ってたりはしない。
また、他の作品と違って童貞ではない主人公。他にもフルボイスであるなど歴代作品の主人公としては違う要素が多く、キャラの立ち方が強い。

精神的に強そうに見えて実際のところガタガタになっているタイプの主人公なので、話が進むごとに打ちのめされることがとにかく多く、本作で酷い目に遭わされるキャラ筆頭でもある。

ヒロイン
ユースティア・アストレア
CV:森保しほ/南條愛乃
身長:149.6cm
体重:39.1kg
3サイズ:B79(C)/W54/H80
血液型:A
羽化病に冒された少女。
とある事情からカイムに引き取られる。
幼い頃から下級の召使いとして使役されてきたために家事は万能であり、家事がからっきしなエリスに目の敵にされている。
性格は明るく朗らかでカイム曰く「脳味噌に向日葵が群生しているような女」。
あだ名は『ティア』で、作中でユースティアと呼ばれることは少ない。
そんな彼女の出生に隠された秘密は…
その正体は人から天使になった初代聖女イレーヌ・アナスタシアにより人類に復讐するため生み出された人類抹殺の代行者。


エリス・フローラリア
CV:篠宮聖美/浅川悠
身長:158.8cm
体重:46.3kg
3サイズ:B92(E)/W56/H85
血液型:B
娼館街を中心に医者を生業としている女性。
娼婦にされそうだったところをカイムに身請けされた。
本人曰く医者は副業で本業はカイムの妻(自称)…だが、家事能力は非常に残念。
基本はドライで面倒臭がりだが、愛する主人公の治療には情熱を燃やす。
その情熱は、主人公が死ねと言うと本当に死にかねないほどで、カイム曰く「まず自分の頭をなおした方がいい女」。
ヒロインの中では確実に一番ぶっ飛んだ人物。少なくとも歴代のAUGUST作品と同じノリで見ていると確実に衝撃を受ける人物像である。
声優は夜明けなのカレンさんと同じ方。

聖女イレーヌ
CV:遠野そよぎ/岡嶋妙
身長:155.3cm
体重:42.7kg
3サイズ:B80(B)/W55/H82
血液型:A
大崩落の責任を取り処刑された先代に代わり空中都市を留めるために祈りを捧げる盲目の少女。
性格は純粋で論理的。
シニカルな物言いをするため、きつい性格だと取られることも多い。
本名はコレット・アナスタシア。姓の通り、初代聖女の血縁者でもある。

リシア・ド・ノーヴァス・ユーリィ
CV:海老原柚葉/中村繪里子
身長:146cm
体重:37.7kg
3サイズ:B73(A)/W52/H76
血液型:AB
王家の第一王女で継承権一位。
現王が病に伏せている現状から代理として政務を取り仕切っているため、一部貴族からは「無冠の女王」と揶諭されている。
性格は明瞭で活力に溢れるが、育ちのよさからか世間知らずで打たれ弱い一面もある。
人気投票において一位を獲得している。
AUGUSTの姫様系ヒロインはなんだかんだ有能なお姫様ヒロインだった中で、実は初めての「世間知らずなお姫様」だったりする。

フィオネ・シルヴァリア
CV:橘桜/斎藤佑圭
身長:162.6cm
体重:48.9kg
3サイズ:B87(D)/W57/H83
血液型:O
羽化病に冒された人間を半ば強制的に治癒院に送る組織「羽狩り」の牢獄部隊の隊長。
真面目で融通がきかない性格だが、信頼のおける人間の忠告には耳を傾ける柔軟性も持ち合わせてはいる。
娼婦等倫理的によろしくないとされる存在に対しては嫌悪感を持つ。
ストーリー上仕方ないのだが、作中後半などではつんつんした態度しかとってくれないヒロインでもある。

サブキャラ

ジークフリード・グラード
CV:四季路/三木眞一郎
牢獄の暗部を取り仕切る組織「不触金鎖」の当代頭で、主人公の昔なじみ。
ノリが良く義に厚いが、裏切りや掟に反することをした相手には冷酷になるという、明暗はっきりした性格をしている。
ある意味、一番読めないキャラ。
あだ名は『ジーク』で、ティアと同じく作中では基本あだ名呼びである。
また最終章での彼の台詞などから、ある意味カイムのもう一つの可能性ともいうべき人物である。


メルト・ログティエ
CV:赤白杏奈/麻見順子
娼館街の入口にある酒場「ヴィノレタ」を一人で切り盛りしている女性。
元は最も人気のある娼婦だったが、『不触金鎖』の先代頭に身請けされ、酒場を任されるようになった。
カイム達とは顔なじみで、彼らの母親のような姉のような存在。
カイムとジークの初めての相手でもある。
何故か攻略できない。
物語中盤で……


クローディア
CV:風華/本間ゆかり
娼館「リリウム」で現在最も高い売り上げを上げる娼婦。
血の繋がらない他の娼婦達を妹と思い面倒を見ることで、明日の光さえ見えない牢獄の暮らしにわずかな光を見出だしている。
牢獄に似合わない優雅な言葉遣いや立ち振る舞いが印象的だが、その口から過去が語られることはない。本当に一切不明。

リサ
CV:波奈束風景/中島沙樹
娼館「リリウム」の娼婦。
明るく親しみやすい性格だが半分は演技で、希望を持てない未来から目をそらすために馬鹿な振りをしているらしい。
とにかく騒がしく、おしゃべり好き。

アイリス
CV:雪都さお梨/深田愛衣
娼館「リリウム」の娼婦。
客商売に向かない性格をしており、ロビーの隅でぼんやりしていることも多い。
カイムに対しても辛辣な言動が目立つが、どことなく構って欲しがっているようにも見える。
余談ではあるが次回作のとあるシーンで彼女のHシーンのCGが登場していたり。
実は元貴族。彼女の辛辣な言動は牢獄に来た経験に由来するもの。

ラヴィリア
CV:桐谷華/種崎敦美
聖女側近の女性。
優しく純粋な性格をしているが、気が弱く、また騙されやすい。
本人は『親切にしてくれた』と思っていても、実質はナンパや身体目当ての男の下心満載の行為だったりする。
ちなみに彼女にはルートがあり、条件はとあるヒロインを抱かないこと。
お酒に弱い。
実は羽化病。彼女がこの状態だったことが発覚する辺りから作品のえげつなさが加速する。

ルキウス・ディス・ミレイユ
CV:沖野靖広/高橋英樹
改革派の旗手として名声を得ている若き貴族。
「羽狩り」の指揮を取る立場についている。
若手の改革派で牢獄の現状を変えるために行動している。
とある一件以降カイムとは協力関係になる。
本作の実質的なラスボス。そしてその正体はカイムの実兄・アイム。

システィナ・アイル
CV:藍きっか/武田華
ルキウスの片腕として付き従う女性。
洗練された物腰や話し方から、貴族ではないかと思われる。
氷の如く沈着冷静で、ルキウスに忠誠を尽くしている。
何z(ry
ちなみにスタッフコメント曰く、某水星の戦士がデザインの裏モチーフらしい。


用語

空中都市
正確にはノーヴァス・アイテルと呼ばれる人類最後の都市、代々の聖女の祈りで空中に留まっている。

大崩落
「グラン・フォルテ」と読む。
数年前、ノーヴァス・アイテルを襲った未曾有の災害で、カイムのトラウマでもある。
突然都市の一部が浮力を失い崩落、多数の犠牲者を出し、貴族の住む上層、平民の住む下層に加えて絶壁に阻まれた最下層の牢獄を生み出した。

羽化病
いつのころからか、一部の人間に見られるようになった背に羽が生えるという謎の病気。
感染経路や治療方法は一切不明で、発症したらまともな生活は送れなくなるという。

羽狩り
正式名称は『防疫局』だが、牢獄では専ら俗称である『羽狩り』で呼ばれる。
その俗称が示す通り、『羽化病』、通称『羽つき』となった人々を半強制的に施設へ連行できる権限を持ち、それを仕事としている。
感染症である『羽化病』の罹患者を増やさないためには当然の処置、と理解はされているものの、誘拐紛いの連行をすることもあって嫌われている。

特徴

明るい雰囲気が特徴のAUGUST作品の中でシリアスが前面に押し出されているのも特徴的な本作だが、他にもいくつか特徴がある。

まず、主人公(カイム)にCVが付いている。これは同社の作品としては初めてである。
ちなみにエロシーンではボイスがなくなるという空気を読んだ仕様もついている。

また、従来の恋愛シミュレーションゲームは目当てのヒロインと積極的に関わることで仲良くなるのが基本的な流れだが、
本作はそうではなく、主人公(カイム)が様々な謎を追っていく話(メインシナリオ)の節目節目でそのシナリオのメインとなるヒロインと関わり、好感度の度合いによってそのヒロインのルートに派生するかどうかが決まる、というものになっている。

わかりにくい、という方はG線上の魔王を思い浮かべて欲しい。あんな感じである。

各ヒロインの好感度を必要以上に上げないでいることでメインシナリオであるユースティアルートを進めることができるが、必要以上に上げないというのは嫌われる選択肢を選ぶのではなく、各ヒロインに自立を促す選択肢を選ぶことを指すため、別段嫌な気持ちになることはない…と、思われる。

ちなみに、各シナリオのメインヒロインは

1幕:フィオネ
2幕:エリス
3幕:イレーヌ
4幕:リシア
5幕:ユースティア

となる。

また、基本的に重苦しい話ではあるが流石にAUGUSTだけあってあまりヒロインがハードな目に遭うこと(ヒロインが凌辱される等)は流石にないため、そのテの話が苦手な人も大丈夫。
とはいえ明かされていく真実は結構…というかかなりエグイものが多いので(例としては「羽狩り」の真実・大崩落の真実等)一応注意しておこう。

ちなみに、後の『千の刃濤、桃花染の皇姫』も似たようなルート分岐になっている。

本編はひたすら重くキツイ話が続くのでその羽休めとしてか、本来のAUGUSTらしいシリアスとは無縁な各ヒロインとのラブラブシナリオもおまけに収録されている。
本編のシリアスさに疲れた人は、ちょっと寄り道して2828してみてはいかがだろうか。
また、サブヒロインの娼婦三人娘のR18シーンもこちらに収録されている。

三人娘のHシーンを付けたことが評判が良かったため、次回作『大図書館の羊飼い』のサブヒロインにも個別シナリオが付いたそうな。

結末は今までのオーガストらしかぬ終わり方なので、賛否両論である。
少なくとも単純なハッピーエンドではない。

恒例のロゴクリックはちゃんとあり、また王がストである。本編が散々シリアスだった影響もあるので腹筋崩壊に注意。


追記・修正お願いします。

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