登録日:2010/05/01(土) 15:40:31
更新日:2026/06/21 Sun 10:11:20
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概要
これまでのAUGUSTの
ゲームの明るいイメージから一転。
スラム街、暗殺者、娼婦、上位貴族の策謀など、
ニトロでやれ的な暗いイメージが並ぶが、ちゃんとAUGUST製作である。たぶん……
……実はスタッフロールを見ると、一部のムービーの3Dモデルにニトロプラスのスタッフは関わってたりする。
ちなみに完全な
ファンタジー世界なのに反して、
魔法みたいなものは殆ど存在しないというよく考えると変わった世界観でもある。
2011年3月25日に発売予定だったが、3月11日に発生した
東北地方太平洋沖地震の影響で4月28日に延期となった。AUGUSTが延期するのはこの作品が初めて。
と言うか、時勢と本作の内容を考えると、ひと月の延期で出せたのはかなり僥倖だろう。
略称は特に決まっていないが、冒頭のキャッチコピーを略して「またがる」などと言われることも。
後にAUGUSTスタッフ監修のドラマCDが全6巻発売された。
それぞれのヒロインの過去の話だが、同時に本編の前日譚にもなっており、1巻からシナリオが繋がっている。
内容はどれも本編にも増してシリアスで重い。本当にエロゲのドラマCDなのかと小一時間問い詰めたくなるが、聴きごたえも抜群。
本編では故人だったり出番が殆ど無かった≪不蝕金鎖≫の前代頭や国王、クルーヴィスやフィオネの兄といった人物の活躍も描かれる。
2014年6月に、PSVita移植版『穢翼のユースティア Angel's blessing』が発売。
2022年6月にはPS4/Swtich版も発売。タイトルは元の『穢翼のユースティア』に戻った。
登場人物
※CVはPCゲーム/CS版&ドラマCD
主人公
カイム・アストレア
CV:大石恵三/
近藤隆
大崩落で全てを失い牢獄にたどり着いた男。
幼少期は物乞いをして飯をくれた男に騙され娼館に売られ、生来の女顔から男娼候補として娼館リリウムで下働きをしていたが
≪不触金鎖≫の先代頭に度胸と運動能力を見込まれ、暗殺者になることを選択し、生きて来た。
先代頭の死を期に暗殺から足を洗い、次代の頭となったジークや≪不蝕金鎖≫の手伝いをする用心棒兼なんでも屋として生計を立てている。
かなり稼いでおり、エリスを身請けしたりほぼ毎日ヴィノレタに通い詰めるくらいリッチな生活を送っている。
名前こそカイムだが別に
ヒロインにドラゴンはいないし、声を失ってたりはしない。
また、他の作品と違って童貞ではない主人公。他にもフルボイスであるなど歴代作品の主人公としては違う要素が多く、エロゲ主人公としては異質なほどキャラの立ち方が強い。
見た目に反して不愛想でツンケンしているが面倒見は良い。だが仕事になると一転して冷徹。
裏稼業の依頼を粛々こなし頭の回転も良く、後ろ向きなヒロインたちを理路整然と口説き続ける様から一見成熟したタイプの主人公だが…?
ドラマCDで暗殺者時代の彼が描かれるが、ゲーム本編の彼すら温厚に見えるくらい荒んでいた。君本当にエロゲの主人公?と問いたくなること請け合い。
後半から徐々に取り沙汰されてゆくのだが、ヒロイン達に各章で自立を促す割に一番自立出来ていないのは彼だったりする。終盤はルキウスから嫌と言うほど突きつけられるが、コレットやジークからもかなり早い段階で見抜かれている。
加えて話が進むごとに明かされる真実に打ちのめされることがとにかく多く、本作で酷い目に遭わされるキャラ筆頭でもある。ぶっちゃけ最終章はティアというより実質彼メインのストーリーである。
ヒロイン
ユースティア・アストレア
CV:森保しほ/
南條愛乃
身長:149.6cm
体重:39.1kg
3サイズ:B79(C)/W54/H80
血液型:A
羽化病に冒された少女。本作のタイトルの通りメインヒロイン。
上層の貴族の使用人であったが虐待され続けた挙句クビになって 『牢獄』の娼館に売り飛ばされそうになり、とある事情からカイムに引き取られる。その関係で対外的には妹という扱いであり、カイムと姓は同じだが血縁があるわけではない。
下級の召使いとして使役されてきたために家事は万能であり、家事がからっきしなエリスに目の敵にされている。
今迄の経験から非常に自己肯定心が低く、事あるごとに謝罪をしたり自罰的に捉えがちであったが本来は明るく朗らかな性格で、カイム曰く「脳味噌に向日葵が群生しているような女」で、皮肉などではなく心の底から『牢獄』を好きと断言する唯一の人物。
あだ名は「ティア」で、作中でユースティアと呼ばれることは少ない。ほとんどない。
登場直後から特異な力を操ったり、自らに使命を説く天使の声を朧気ながら夢で見たりしているが、そんな彼女の出生に隠された秘密は…
その正体は人から天使になった初代聖女イレーヌ・アナスタシアにより、自らを裏切り道具として利用し続ける人類への復讐のためにとある人物を利用して生み出された人類抹殺の代行者。
最初は自らの使命に気づいておらず、元来の性格やカイム達との触れあいの中で寧ろ献身的なくらいなのだが、終盤に意図的に天使に近づく為の過酷な実験を受ける中で徐々にイレーヌの声を明確に知覚出来るようになり…。
彼女の結末はこれまでのAUGUST作品を知っていたファンに良くも悪くも衝撃を与えた。
エリス・フローラリア
CV:篠宮聖美/浅川悠
身長:158.8cm
体重:46.3kg
3サイズ:B92(E)/W56/H85
血液型:B
娼館街を中心に医者を生業としている女性。カイム曰く古井戸のような瞳が特徴的。
娼婦にされそうだったところをカイムに身請けされ、手に職をつける為医術を学ばされた。
本人曰く医者は副業で本業はカイムの妻(自称)…だが、カイムは彼女に独立して生きてほしい為振り続けている。通妻を気取る割に家事能力は非常に残念。
基本はドライで面倒臭がりだが、愛する主人公の治療には情熱を燃やす。
その情熱…否、妄執ぶりは、主人公が死ねと言うと本当に死にかねないほどで、カイム曰く「まず自分の頭をなおした方がいい女」。
ヒロインの中では確実に一番ぶっ飛んだ人物。少なくとも歴代のAUGUST作品と同じノリで見ていると確実に衝撃を受ける人物像である。
本気で「
ヤバイ女」を地で行くヒロインであり、故に成長する後半の章ではその違いが顕著。
声優は
夜明けなのカレンさんと同じ方。
18禁シーンに眼鏡を掛ける掛けないを選択できるという素晴らしい仕様がある。
かつては大崩落後に火事場泥棒から地上げ屋紛いの事業で財を成した成金商人の娘で、強盗に襲われて死んだことになっていたが実際は館の隠し部屋で文字通り「人形」であることを強要されており、自分の意思で生きる事を全く知らなかった。不蝕金鎖の初代頭の命を受けたカイムに両親が暗殺され、後始末を請け負ったベルナドに連れ出された時は脚の筋肉がやせ衰えて歩けなかった。
カイムが彼女を身請けしたのは、彼女の両親を殺めてしまったことへの贖罪から。
カイムへの妄執は恋愛感情なんて甘いものではなく、自分に命令を与え「人形」としての存在意義を果たす為の願望に過ぎなかったのである。序盤からカイムの所有物アピールをするのも比喩でも何でもない。自分に独立を促すカイムの言葉は自身の存在意義を否定する苦痛以外の何物でもなく、ある展開が切欠でストレスが限界を超え、緩慢な精神年齢の逆行と疑似的な二重人格状態を引き起こしてしまい、わざと有り得ない失態を繰り返したりしてカイムの関心を引こうとする。
カイムが両親の仇である事を聞かされても意に介さず、自分の命令者であるカイムに殺される事すら、カイムに自分という存在を永遠に刻み付けられるならばと渇望する。
ドラマCDではカイムの所有物になるまでの経緯が描かれるが、カイムの危篤に発狂し続けるエリスの場面は本気でヤバく、メルトは勿論ジークですら言葉を失った。その際の渾身の絶叫も浅川氏の喉が本気で心配になるレベルで凄まじい。
聖女イレーヌ
CV:遠野そよぎ/
岡嶋妙
身長:155.3cm
体重:42.7kg
3サイズ:B80(B)/W55/H82
血液型:A
大崩落の責任を取り処刑された先代に代わり空中都市を留めるために祈りを捧げる盲目の少女。29代目だがそれまでの聖女の中でもとりわけ人気が高い。
性格は純粋で論理的。
シニカルな物言いをするため、きつい性格だと取られることも多い。天使の声をよく夢で聞くそうだがやはりというか信じられていない。
やはりキャラ設定・見た目からは想像もつかないぐらい面倒くさい女であるので、良くも悪くも本作が挑戦作・異色作なのを感じさせてくれるヒロインである。
本名はコレット・アナスタシア。かつては浮浪児でラヴィリア共々行き倒れていたところを先代聖女に助けられ聖職者としての道を歩む。
先代聖女が大崩落を引き起こした罪で処刑され、次代聖女に指名されたラヴィリアが重責に耐えかねて辞退した代わりに彼女が自ら立候補した。
姓の通り、初代聖女の血縁者でもある。ゆえに彼女の声を聞くことができていた。
リシア・ド・ノーヴァス・ユーリィ
CV:海老原柚葉/
中村繪里子
身長:146cm
体重:37.7kg
3サイズ:B73(A)/W52/H76
血液型:AB
王家の第一王女で継承権一位。
現王が病に伏せている現状から代理として政務を取り仕切っているため、一部貴族からは「無冠の女王」と揶諭されている。
性格は明瞭で活力に溢れるが、育ちのよさからか世間知らずで打たれ弱い一面もあり、初登場時は執政公ギルバルトの傀儡であった。
人気投票において一位を獲得している。
また、AUGUSTの姫様系ヒロインはなんだかんだ有能なお姫様ヒロインだった中で、実は初めての「世間知らずで役立たずのお姫様」だったりする。彼女メインの4章はそんな彼女が成長していく物語であるが、場数に対して残酷なまでに状況が重すぎる感が拭えない。
実は王の血を引いていない不義の子。父親は暗示こそされるが不明。
過去を描くドラマCDでは、かつて貴族の使用人であったティアと何度か交流を持っていた事が明らかに。
フィオネ・シルヴァリア
CV:橘桜/斎藤佑圭
身長:162.6cm
体重:48.9kg
3サイズ:B87(D)/W57/H83
血液型:O
羽化病に冒された人間を半ば強制的に治癒院に送る組織「羽狩り」の牢獄部隊の隊長。
真面目で融通がきかない性格だが、信頼のおける人間の忠告には耳を傾ける柔軟性も持ち合わせてはいる。
娼婦等倫理的によろしくないとされる存在に対しては嫌悪感を持つ。
『黒羽』事件で成り行きでカイムとコンビで犯人捜索にあたる中で少しずつ『牢獄』でのやり方を学び、娼婦たちへの見解も少しずつ変えていくが…?
年齢がほぼ確定しているヒロインであり、過去を描いたドラマCDによると20~21歳と思われる。
彼女ルートのエンディングを迎えない正規ルートだと『黒羽』事件直後に盛大に喧嘩別れをしてしまい、それ以降はつんつんした態度しかとってくれないヒロインでもある。
事件を通して意気消沈しかけたフィオネを無理やりにでも立ち直らせる為カイムはあえて嫌われ役を演じたとはいえ、仲直りせず終わってしまう事には批判が少なからずある。
サブキャラ
ジークフリード・グラード
CV:四季路/
三木眞一郎
牢獄の暗部を取り仕切る組織「不触金鎖」の当代頭で、主人公の昔なじみ。
ノリが良く義に厚いが、裏切りや掟に反することをした相手には冷酷になるという、明暗はっきりした性格をしている。
ある意味、一番読めないキャラ。
あだ名は『ジーク』で、ティアと同じく作中では基本あだ名呼びである。
また最終章での彼の台詞などから、ある意味カイムのもう一つの可能性ともいうべき人物である。
メルト・ログティエ
CV:赤白杏奈/麻見順子
娼館街の入口にある酒場「ヴィノレタ」を一人で切り盛りしている女性。
元は最も人気のある娼婦だったが、『不触金鎖』の先代頭に身請けされ、酒場を任されるようになった。
カイム達とは顔なじみで、彼らの母親のような姉のような存在。
カイムとジークの初めての相手でもある。
心優しく世話好きだがそれ以上に口八丁かつしたたかで、時にジークすら手玉に取るほど。
何故か攻略できない。
作中中盤で起きた崩落にヴィノレタごと巻き込まれてしまい、死亡。
これを切欠にカイムとジークのスタンスが別れだし、最終的にほぼ決裂状態に陥るなど、大きな影響を与える。
しかもこの崩落は終盤でカイムの兄であるルキウス(もといアイム)が意図的に起こした事が分かり、ただでさえ憔悴していたカイムの心にこの上ない追い打ちを与えた。
クローディア
CV:風華/本間ゆかり
娼館「リリウム」で現在最も高い売り上げを上げる娼婦。
血の繋がらない他の娼婦達を妹と思い面倒を見ることで、明日の光さえ見えない牢獄の暮らしにわずかな光を見出だしつつ、身請けされる事を狙っている模様。
牢獄に似合わない優雅な言葉遣いや立ち振る舞いが印象的だが、その口から過去が語られることはない。本当に一切不明。
その優雅な振る舞いに反して実はドS。ドラマCDでは「お客様が悶えてる姿にしか興奮しない」とのこと。果たして、そんな彼女を身請けできる男気と財力溢れるドM王子が現れる日は来るのだろうか…。
リサ
CV:波奈束風景/中島沙樹
娼館「リリウム」の娼婦。
明るく親しみやすい性格だが半分は演技で、希望を持てない未来から目をそらすために馬鹿な振りをしているらしい。
とにかく騒がしく、おしゃべり好き。
アイリス
CV:雪都さお梨/深田愛衣
娼館「リリウム」の娼婦。
客商売に向かない性格をしており、ロビーの隅でぼんやりしていることも多い。
カイムに対しても辛辣な言動が目立つが、どことなく構って欲しがっているようにも見える。
余談ではあるが次回作のとあるシーンで彼女のHシーンのCGが登場していたり。
実は元貴族。一家が執政公ギルバルトに粛清され娼婦に落ちぶれた。彼女の諦観や辛辣な言動は牢獄に来た経験に由来するもの。中盤アイリスが告白するまで長い付き合いであるカイムやエリスも知らなかった。
ギルバルト打倒後は新国王に即位したリシアから一家の復興を打診されたがすげなく断った。
ドラマCDではかつての貴族時代の彼女が僅かながら描かれた。ドライなのは昔からだった模様。
ラヴィリア
CV:桐谷華/
種﨑敦美
聖女側近の女性。
優しく純粋な性格をしているが、気が弱く、また騙されやすい。
本人は『親切にしてくれた』と思っていても、実質はナンパや身体目当ての男の下心満載の行為だったりする。
ちなみに彼女にはルートがあり、条件はとあるヒロインを抱かないこと。
お酒に弱い。
実は羽化病で、それを気取られない為に定期的に自分の羽を切断して誤魔化していた。彼女がこの状態だったことが発覚する辺りから作品のえげつなさがどんどん加速する。
彼女が本来の第29代聖女イレーヌに指名されていたが重圧に耐えかねて辞退し、コレットが身代わりに聖女に就任した為深い負い目も感じている。
ルキウス・ディス・ミレイユ
CV:沖野靖広/高橋英樹
改革派の旗手として名声を得ている若き貴族。
防疫局…通称「羽狩り」の指揮を取る立場についている。
若手の改革派で若いながら王女や執政公とも関りを持つ一方、貴族としては珍しく牢獄の現状を心から憂い、≪不蝕金鎖≫とも積極的に連携して少しでも改善しようと尽力している。
とある一件以降カイムとは協力関係になるが、彼をきな臭いと揶揄する者も少なからずいるようだ。
本作の実質的なラスボス。そしてその正体は大崩落に巻き込まれた死したと思われていたカイムの実兄・アイム。カイムと対照的に華やかな生活を送っていると思われていたが、実際はカイムと別の意味で凄惨な環境を耐えて生き抜いてきた。
システィナ・アイル
CV:藍きっか/武田華
ルキウスの片腕として付き従う女性。
洗練された物腰や話し方から、貴族ではないかと思われる。
氷の如く沈着冷静で、ルキウスに忠誠を尽くしている。
ルキウス以外には全く心を開く事がなく、カイムに対しても終始全く取りつくシマを見せなかった。
ツンデレとかではなく、本当に無関心。攻略どころではない。
ちなみに初回特典冊子のスタッフコメント曰く、
某水星の戦士がデザインの裏モチーフらしい。
オズ
CV:上別府仁資
≪不蝕金鎖≫の頭ジークの腹心の中年男性。
先代の時から組織を支えてきた重臣で、ジークもカイムに並んで彼を信頼している。
仕事や部下の統率ぶりは見事だが加虐趣味があり鞭さばきも一流。
序盤からの事件や抗争、終盤の崩落も乗り越えて最後まで生き残ってジークを支え続けた凄い人。
ベルナド
CV:睦月勇人/伊藤健太郎
≪不蝕金鎖≫と勢力を二分する組織≪風錆≫の頭。およそ45歳前後。
元々は≪不蝕金鎖≫の前代頭ボルツの召使いの子にして副頭で、その実力と忠誠心から次代頭の最有力候補でジークも強く推薦していたが、前代頭は正妻の子であったジークを次代頭に任命し、母親の違いで将来の道まで理不尽に左右された屈辱に耐えきれず自分の腹心たちを連れて離反し≪風錆≫を設立。部下への金払いの良さや前代頭が禁じた麻薬の流通を行う事で急激に組織を成長させ、執政公ギルバルトによる匿名での『福音』入りの麻薬支援と彼の腹心であるガウを宛がわれ、≪不蝕金鎖≫への本格的な攻撃を開始する。
ギルバルト・ディス・バルシュタイン
CV:長浜壱番/
藤原啓治
ノーヴァス・アイテルの政界の頂点に立つ執政公。「執政公」という称号は国家への関心が薄い牢獄ですら知られている程。
国王が病に伏してからは王女であるリシアを傀儡にする事で事実上国政を掌握し、教会とも深いかかわりを持つ。敵対する勢力をあらゆる手段を用いて排除し、自身に盛んに接触してくるルキウスの動きにも注視し様々な策をもって彼を牽制している。
底知れない雰囲気を醸し出しており、ルキウスの敏腕を以てしても容易に手を出せない大物。
ルキウスと双璧を成す後半の大ボスで、かつては前執政公であったネヴィル卿の片腕にして優れた研究者であり、恋人クルーヴィスと共にノーヴァス・アイテルの謎を研究していた。
しかしある日、ネヴィルにクルーヴィスを実験台にされ殺されてしまい、絶望と慟哭の末にネヴィルを失脚させ、クルーヴィスを蘇生させる為にノーヴァス・アイテルを浮かせている天使の力を大量に引き出したが失敗に終わり、「大崩壊」を引き起こしてしまう。
引き続き彼女を蘇生手段を模索し続け、その中で実験台となる『羽付き』確保の為防疫局を設立し、ベルナドに匿名で天使の力を凝縮させた薬『福音』を混ぜた麻薬を送って『牢獄』そのものを実験台にするなど悪逆の限りを尽くす。
彼の狂気に至るまでの経緯はドラマCDで描かれるが、かつては心からノーヴァス・アイテルの安寧の為尽力する信念に篤い学者であった。
ガウ
CV:海原エレナ/氷青
ギルバルトの腹心である凄腕の短剣使いの女。彼女を知る者は『バルシュタインの狂犬』と呼ぶ。
その実力は凄まじく、システィナを全く寄せ付けず経験豊富なカイムを半ば不意打ちだったとはいえ一方的に圧倒し、カイム&ルキウス&システィナ3名を同時に相手どっても優位に立つ程。
大崩落で『牢獄』に堕ちた身で娼婦にされかけたが客や教育係を皆殺しにしてからは殺し屋で生計を立て、その中でギルバルトにスカウトされた。
殺しに全く躊躇が無いどころか少しでも多くの人間を殺せる機会を渇望する危険人物で、戦いを起こす為ならコウモリにもなるし雇い主だろうが平然と欺くイカれきった女。
何故か攻略……出来てたまるか。
ドラマCDでは牢獄の製薬施設に侵入しようとしたフィオネの兄クーガーを捕えたりカイムを不意打ちで半殺しにする、前代頭であるボルツの暗殺が仄めかされるなど物語の裏で相当暗躍しており、ギルバルトにスカウトされる場面も描かれる。
用語
浮遊都市
かつて、神々が世界を創世し、人々は当初こそ神々に感謝と祈りを忘れなかったが文明を発達させた人間は神への敬意と信仰を忘れて増長していった。神々はそれに見切りをつけたのか500年前に突如地上が「混沌」なるものに覆い尽くされ人々が死にゆく中、敬虔な聖女イレーヌが神々に許しを請い、それに応えた神が人々を許し「混沌」から救い出すため浮き上がらせた人類最後の都市。代々の聖女の祈りで空中に留まっている。
浮遊大地であるにも拘わらず水脈や肥沃な土壌が保たれ続けているのも聖女の奇蹟によるもの。
ちなみに今現在では地上は「下界」と称され、「混沌」に覆われて人間どころか生物そのものがが住める場所ではなくなっており、都市からはたまに雲海から漆黒に覆われた一部が覗き見える。
故に、罪人を下界に落とす死刑や娼婦などの葬式のひとつ「空葬」が存在する。
かつては王侯貴族や聖女をはじめとした聖職者が住まう『上層』、一般市民の住居である『下層』の2つに分かれていたが、大崩落以降は《特別被災地区》…通称『牢獄』という新たな区画が生まれた。
…というのは人間が都合よく編纂した神話に過ぎず、500年前に地上が「混沌」に覆われ初代聖女イレーヌが神々に救いと許しを請うたまでは事実だが、それに対して神はイレーヌが自ら天使となって人々を導くよう命じ、天使となったイレーヌは人々に信仰を説いて人々が己の過ちを悔い改めたなら「混沌」を浄化するつもりでいたが、人間は彼女を拘束して彼女の天使としての力を動力源に浮遊都市を生み出し、それを隠すために偽りの神話をでっちあげ、救世主としての象徴と万一浮遊都市の機能に支障をきたした場合民衆の憎悪の的にする為のスケープゴートとして『聖女』の選定をはじめた。水脈や土壌も天使の力によるもの。
イレーヌの力は徐々に枯渇の一途を辿っており、十数年前の執政公ギルバルトの恋人クルーヴィス蘇生実験の為大量に天使の力を使った事で『大崩落』が発生し、以降は地震が頻発し徐々に収穫量が落ち始める。後半以降は少しずつ井戸水が汚染され物価が上昇の一途を辿り、果ては徐々に高度そのものが落ちて地上の「混沌」が少しずつ浮遊都市に触手を伸ばし始めるなど、浮遊都市滅亡待ったなしの状況に追いやられてしまう。
『牢獄』
『上層』『下層』に続いて生まれた新たな区画の通称。シナリオでメインとなる舞台。
国家からは《特別被災地区》と称されている。
元々は大崩落によって沈下した下層の一部で、下層と高い絶壁で隔てられてしまい国家からの援助も殆ど無く住民は飢えと疫病に苦しんだが、ボルツ・グラードが荒くれ者をまとめて《不蝕金鎖》を組織し、人々に独自の秩序と生活の平定をもたらした。
言うなればマフィアが支配するスラム街で、スリや乞食、道端に死人が転がるのも日常茶飯事。上〜下層の排水などもここに溜まりやすいため治安も衛生状況も最悪の一言。特に深部は《不蝕金鎖》すらまともに立ち入らない危険地帯。ただし麻薬は《不蝕金鎖》が固く禁じているため極めて限定的に抑えられている。
下層とは断崖絶壁に隔てられており、登る為の唯一の関所は厳重に警備されているが、危険を承知で行くなら限られた人間のみが知る裏道もある。
長らく《不蝕金鎖》の独裁体制が続いていたが、後半のある出来事を切欠にルキウス卿の計らいにより国家からの積極的な支援が行われるようになる。
何故国家が殆ど介入をせず、下層との往来すら極端に制限していたのかというと、近い将来天使の力の枯渇による都市機能低下に備え、意図的に一部を崩落させる都市機能『解放』の実施地点であった為。いずれ一時の都市延命のための間引かれる地域だったのである。
大崩落
十数年前、ノーヴァス・アイテルを襲った
未曾有の崩落災害で、カイムの
トラウマでもある。
突然都市の一部が浮力を失い崩落、多数の犠牲者を出し、貴族の住む上層、平民の住む下層に加えて絶壁に阻まれた最下層の『牢獄』を生み出した。
実は自然災害ではなく、執政公ギルバルトが恋人クルーヴィスを蘇生させる為、都市浮上の動力源として拘束している天使(初代聖女イレーヌ)の力を大量に使った結果発生したもの。つまり完全な人災である。
そして作中中盤で二度目の崩落が発生。メイン登場人物が犠牲になる展開に驚いたファン多数。
しかも実はこの崩落は『解放』という都市維持機能として人為的に起こせることも後に判明する。終盤では兵器のような扱い方までされるというプレイヤーにもトラウマ展開がある。
終わりの夕焼け
『大崩落』と同時にノーヴァス・アイテルの空を照らした薄桃色の光のこと。大崩落と共に人々の記憶につい先日の事のように深く焼き付けられている。
時折ティアが放つ輝きもまさにこれと同じ色であるらしいが…。
天使となった初代聖女イレーヌの力が発動された時の輝きで、ギルバルトの蘇生実験で大量に天使の力を行使した為ノーヴァス・アイテル中を照らす輝きを放った。彼女から生まれたティアも必然、同じ力を扱える。
羽化病
いつのころからか、一部の人間に見られるようになった背に羽が生えるという謎の病気。罹患者は『羽付き』と呼ばれる。
感染経路や治療方法は一切不明で、発症すれば最期、やがては衰弱して死に至る。
世間からも病原体として爪弾きにされ、たとえ美人であっても『牢獄』ですらまともな娼館では雇われず、働き口にありつけず多くが浮浪者として野垂れ死ぬか羽狩りに保護されるかである。
中にはヤケになって「天使の生まれ変わり」と称して犯罪に走る者も居るようだ。
何故発生したのか、どういう症状や感染経路なのかの具体的なところが殆ど語られずに終わったが、羽は天使であるティアの力を受けると黒い粘液になってからティアの羽に浄化され、下界を覆う混沌はこの粘液そのもののように扱われている事から、混沌…もとい羽は神々の人間に対する怒りや失望が形状化したものである可能性があり、『大崩落』直後から罹患者が現れはじめている事から、力を大量に搾り取られた初代イレーヌが自分を極限まで苦しめる人間への怒りや絶望を人々に影響を与えたからかもしれない。
羽狩り
正式名称は『防疫局』だが、牢獄では専ら蔑称として『羽狩り』で呼ばれる。
その俗称が示す通り、『羽化病』、通称『羽つき』となった人々を半強制的に治癒院という施設へ連行&邪魔者を武力排除する強力な権限を持ち、それを仕事としている。
感染症である『羽化病』の罹患者を増やさず、罹患者の治療も行うためには当然の処置、と理解はされているものの、治癒院に保護された羽付きが誰一人戻ってこない事、荒事上等な関係上隊員には粗暴な人間も少なくなく拉致紛いの連行をすることもあって嫌われている。
世間でも相当な汚れ仕事の部類で、良家の子息・ご令嬢であるシルヴァリア兄妹も防疫局に志望した時は家族や周囲から猛反対されていた。
ドラマCDによると内部は徹底された実力主義で、相応の成果を上げれば入隊して半年~1年の女性でも隊長格への昇進が見えてくる他、これでも前隊長であるクーガーの活躍で相当秩序が保たれていたようだ。
防疫局の人間には知らされていないが、元々はギルバルトが実験素材である『羽付き』を効率的に集める為に作られた組織。
保護とは対外的な名目でしかなく、実際は連れていかれた人々は羽化病解明のための人体実験などに使われほぼ全員殺害され、死体は秘密裏に下界に遺棄されている。『黒羽』ことフィオネの兄クーガーはこの実験の被害者。
『黒羽』事件後からルキウスの方針で徐々に活動が縮小され、ギルバルト打倒後は事実上その存在意義を失うものの、いきなり防疫局を無くすことで『羽付き』絡みの混乱を招くリスクを考慮して最終的には希望者のみ保護する形に落ち着いた。
この段階で保護された『羽付き』は人体実験には使われず、ティアの天使化促進の一環で彼女の治療を受けている。
特徴
明るい雰囲気が特徴のAUGUST作品の中でシリアスが前面に押し出されているのも特徴的な本作だが、他にもいくつか特徴がある。
まず、主人公(カイム)にCVが付いている。これは同社の作品としては初めてである。
ちなみに、エロシーンではボイスが消せるという空気を読んだ仕様もついている。
また、従来の恋愛アドベンチャーゲームは目当てのヒロインと積極的に関わることで仲良くなるのが基本的な流れだが、
本作はそうではなく、主人公(カイム)が様々な謎を追っていく話(メインシナリオ)の節目節目でそのシナリオのメインとなるヒロインと関わり、好感度の度合いによってそのヒロインのルートに派生するかどうかが決まる、というものになっている。
わかりにくい、という方はG線上の魔王を思い浮かべて欲しい。あんな感じである。
各ヒロインの好感度を必要以上に上げないでいることでメインシナリオであるユースティアルートを進めることができるが、必要以上に上げないというのは嫌われる選択肢を選ぶのではなく、各ヒロインに自立を促す選択肢を選ぶことを指すため、別段嫌な気持ちになることはない…と、思われる。
1幕:フィオネ
2幕:エリス
3幕:イレーヌ
4幕:リシア
5幕:ユースティア
となる。当然、後のほうのヒロインのシナリオのほうが明かされる事情などは増えていくので順番に攻略推奨。
ちなみに第二OPはティアルート突入時に流れる。
また、基本的に重苦しい話ではあるが流石にAUGUSTだけあってあまりヒロインがハードな目に遭うこと(ヒロインが凌辱される等)は流石にないため、そのテの話が苦手な人も大丈夫。
とはいえ明かされていく真実は結構…というかかなりエグイものが多いので(例としては「羽狩り」の真実・大崩落の真実等)一応注意しておこう。
ちなみに、後の『千の刃濤、桃花染の皇姫』も似たようなルート分岐になっている。
本編はひたすら重くキツイ話が続くのでその羽休めとしてか、本来のAUGUSTらしいシリアスとは無縁な各ヒロインとのラブラブシナリオもおまけに収録されている。
本編のシリアスさに疲れた人は、ちょっと寄り道して2828してみてはいかがだろうか。
また、
サブヒロインの娼婦三人娘のR18シーンもこちらに収録されている。
三人娘のHシーンを付けたことが評判が良かったため、次回作『
大図書館の羊飼い』でのサブヒロインにも個別シナリオが付いたそうな。
恒例のロゴクリックはちゃんとあり、また王がストである。本編が散々シリアスだった影響もあるので腹筋崩壊に注意。
追記・修正お願いします。
- カイムのかーちゃんのセリフはわりと心に残ってる、あれ初めて見たときはっとさせられたよ -- 名無しさん (2013-08-18 14:16:02)
- ホントに声優豪華だなw -- 名無しさん (2014-01-31 23:53:44)
- なんでメルト攻略できないんだ・・・小説版でも行為自体はぼかされてるし -- 名無しさん (2014-02-01 00:20:47)
- ・・・移植されること自体に驚いた、ぽしゃらなきゃいいけど・・・あと公式サイトのラヴィリアの欄、なんで公式でネタバレがあるんやwww -- 名無しさん (2014-02-28 19:02:58)
- タイトルなんて読むの、マジで。 -- 名無しさん (2014-03-09 06:44:18)
- 略称はアイスティーで決まりだな。 -- 名無しさん (2014-03-09 07:45:36)
- ↑「あいよく」 -- 名無しさん (2014-03-15 15:47:15)
- これはすごかった -- 名無しさん (2014-04-11 11:21:29)
- 面白かったけど尻すぼみ感がする。リシア編が良かっただけに最終章が…… -- 名無しさん (2014-04-11 11:34:00)
- ティア編あってこそだろ -- 名無しさん (2014-04-21 08:48:15)
- 普通に面白かった、でも辛い、色々な意味で -- 名無しさん (2014-04-21 12:05:07)
- 大図書館にヴィノレタ出てきてワロタ -- 名無しさん (2014-07-19 22:24:22)
- リシア編で終わっとくのが一番ハッピーエンドっぽいのはいったいどういうことなんですかねぇ。 -- 名無しさん (2014-08-22 17:15:59)
- リシアエンドだとティアは…というかどのルートでもティアはいずれ不幸になるっていう -- 名無しさん (2015-01-19 19:46:32)
- 面白い位に最終ルートではカイムに各章でヒロインに投げ掛けた正論が跳ね返ってくるこの構成は素晴らしいと思った。そして実はジークの言ったあれは割と検討外れなんだよね -- 名無しさん (2015-02-22 20:32:32)
- だいぶ忘れてるけどカイムがひたすら精神的にボコボコにされていった印象しかない。終わり方はビターだけどわりと好き -- 名無しさん (2015-03-24 13:24:45)
- 作品自体は好きだけどこれ以外の八月作品は糞とか八月はずっとこの路線で行けとかうるさい信者は嫌い -- 名無しさん (2015-04-08 23:39:15)
- 王ガストww -- 名無しさん (2015-10-02 19:09:31)
- 売上と賛否(主に最終章)からするとさすがに最高傑作は持ち上げすぎでんでん現象とまで言わんけど この路線を望むのは初めて8月に触れたユーザーや他社のシナリオゲーファンと既存ファンとでどっちのが多いんだろうな -- 名無しさん (2016-02-04 00:01:21)
- 最終章でヘタレすぎなんだよなぁ。あと色々死に過ぎ。ロリっ娘のルートが一番名有りキャラの死者少ないってどういうことなの。 -- 名無しさん (2016-02-05 02:21:18)
- ヘタレてたカイムが辿り着くのが最終章なんじゃねえの? -- 名無しさん (2016-08-30 19:49:16)
- 最終章でヘタレるとは言うが、カイムってエリスや兄貴に引け目を感じていたり、ジークやメルトに一歩引いた態度をしていたりで最初から言うほど強くないよね? -- 名無しさん (2016-11-30 10:38:06)
- 大図書館まではやったが、穢翼がオーガストの中で一番かな。ただ評価は分かれるのも無理はない。 -- 名無しさん (2019-09-11 12:11:56)
- 既出だと思うけどアストレア兄弟の名前の元ネタってソロモン72柱の悪魔? アイム 26の軍団を指揮する序列23番の地獄の大公爵。 蛇、額に星を2つ付けた端正な男性の姿をした人間、猫の3つの頭を持ち、毒蛇にまたがった人間の姿で召喚者の前に現れる。 手に火のついた松明を持ち、その松明で城砦や都市に火を放つ。人を賢明にし、また、隠された物事に関する質問に対して真摯に答えてくれる。 カイム 72人の魔神の一人で、30の軍団を従える序列53番の大総裁。元は天使の階級であったとされる。 ツグミまたはクロウタドリの姿で現れるが、鋭い剣を持った人間の姿も採る。羽飾りをかぶって、孔雀の尾をつけた人間の姿で現れることもあり、 剣を持った鳥の姿と鳥の着ぐるみを着た男のような姿の2種類がある。 人間の姿では、燃え盛る灰もしくは石炭の中で答えるという。 鳥、牡牛、犬、その他の動物の言葉、さらには水の音までも理解できるようにする力を持つ。 また、未来の出来事に対する最良の対応を教えてもくれる。 堕落する前は最下級の天使だった。 -- 名無しさん (2022-06-04 17:17:51)
- ライン付きの青字のネタバレが、キャラ紹介のあちこちに目立つ形で載っているのはまずいのでは?未プレイ者に配慮する形で、収納か後半にまとめる等しておいた方がいいのでは? -- 名無しさん (2024-11-14 15:58:42)
- この作品がコンシューマ移植出来るとは思ってなかった -- 名無しさん (2024-11-14 16:35:30)
- 巫山戯たいのか真面目に解説したいのか、よくわからん項目だなあ -- 名無しさん (2026-03-31 20:33:43)
最終更新:2026年06月21日 10:11