Dクラス(SCP Foundation)

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Dクラス(SCP Foundation) - (2020/03/11 (水) 21:28:16) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2017/05/13 Sat 01:58:25
更新日:2024/02/24 Sat 00:33:18
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もし試験の手続きに参加してくれるなら、一ヶ月後には解放いたします。
ただし、全面的に協力してくれた場合の話ですよ。いい取引のように思えるでしょ? だれが断ると言うんです?


ここでは、シェアード・ワールドSCP Foundationの項目で散々出てくる、
Dクラス職員(D-Class Personnels)について解説する。



概要

財団は今日も明日も、新しいアノマリーをどこからか拾ってきては、その特性を調査することを試みる。
だがアノマリーというものは、度々想定外が発生する非常に危険なシロモノである。
というか、だから「Anomaly」って言うんだけど。

そういったものを調べる際に、博士たちが自ら調べていたら命がいくつあっても足りない。
といって、善良な市民をモルモットにするなんて財団の倫理委員会が首を縦に振るはずもない。
財団は冷酷であれ、むやみに残酷になるわけではないのだ。疑わないでください。あなたの忠誠心を疑いますよbyO5

そこで、財団は各国の死刑囚や終身刑の囚人などに対して、「一ヶ月後にシャバに解放する」ことを条件に、協力を取り付けるというわけである。
従う限りは必ず解放しますよ――という甘言のままに最前線に投入されていくのだ。

なお実際に一ヶ月後に解放されるかはヘッドカノンにもより、ぶっちゃけ正直にシャバに解放するヘッドカノンの採用率は低い。
かつては一ヶ月後にガス室送りでこの世から開放する、なんてのが主流だった時期もあるが、
「いくらなんでもこの世に死刑囚がいくらいても足りねえよ」というツッコミが多くなったことから、
現在主流のヘッドカノンは「一ヶ月後に記憶処理」だったりする。
とはいえ、Dクラスというどう扱っても創作的には美味しい題材である以上、新たなヘッドカノンは生まれており、
ひとりの著者が複数のヘッドカノンを著作ごとに使い分けることも珍しい話ではない。
それこそ、マイナーなTaleでは「Dクラスとして雇用して運動能力などを見定め、偽の記憶を植えて財団エージェントにする」というのもある(『月例解雇 D-3382』)。

また、老若男女ありとあらゆるDクラスが、人種・性別・学歴・職歴・主義・嗜好なんでもござれと存在するため、
本当に死刑囚だけなのかという意見すらある。双子のDがほしけりゃ許可され、若いねーちゃんのDもすぐに数が揃い、
日本にいてもドイツ人のDが手配され、しまいにはカニバリストのDも手配されるのだ。
Tale『D-2000』では1250人のDクラスを手配してくれと要請したら本当に手配され驚愕した博士がいたりする。
「オーストラリアの終身刑を受けている受刑囚より多い」という理由で。
浮浪者や孤児、死刑囚ではないが刑期の長い囚人など、他の方法でも集めている疑惑もある。

なお、実際死刑囚や終身刑ないし無期懲役の囚人以外にも

  • 凶悪犯罪を犯すも、精神鑑定の結果責任能力無しと判定された者(Tale-JP『やさしい人々』)
  • 詐欺師や轢き逃げ致死の犯人など、死刑や終身刑などになっていなさそうな犯罪者(SCP-036-JPなど)
  • SCPオブジェクト由来の人間(SCP-217-JPなど)
  • 財団に対する重大な背信行為を働いた元職員(Tale-JP『サイト管理者のための面接試験――エージェント・カナヘビによる面接』など)
  • 超常的な、一般社会の警察等では立証できない犯罪を犯した者
  • 財団により確保された要注意団体構成員

などがDクラスとして雇用されている場合も見られる。
ちなみにSCP-2669ではオブジェクトをどうにかしようとなりふり構わなくなったのか、命名すらされていない赤ん坊がDクラスになっている。おいおい。

職員によるDクラスの扱いも異なる。こちらはヘッドカノンどころか、職員の性格にもより、
Dクラスであれば人でないかのように扱う職員もいれば、Dであっても人としてちゃんと扱う職員もいる。
記憶処理という設定が主流になってからは、Dクラスであっても治療を受けさせるようになったことも多くなっている。
(下手にDクラスを媒介に病気が撒き散らされたりしても厄介だろうとかそういうのもあるのかもしれない。)
SCP-409の実験の際には、特性上そのままほっとくとインタビューすらできないためとはいえ、
なんとSCP-500を投与されたDクラスまでいる。
で、さっきから隣でウッキーウッキーうるさいけどさ、ブライト? 決して『残機』って表現することは認められてないからな? OK?

で、さっきから協力協力言っているが、協力方法というのはオブジェクトと実際に触れ合っていただくことである。
そして、「結果が99%予測できる」としても、それを100%にするために実験するのだ。
それこそ「こういう使い方したら死ぬよな」って思っても、それを確定させるために死なせる。
必要のない浪費はされないが、99%を100%にするのは「必要だから」やる。
そして死んでも、特に誰かの記憶に残ることはない。記録に多少残るだけである。
DもDで、大半はあまり褒められた言動をしない(そりゃまともな人がそうそうDになるはずがないわな)。
ただ、時々SCP-544-JPSCP-1983などのような例もあるが。

他にも、生贄が必要なオブジェクトなんかでは使われる(SCP-115-JPSCP-790-JP)。
あと世界が世界だけに、Dクラスがアノマリー化してしまうこともある(SCP-181SCP-2963)。

…まあ、要するに。
Dクラス職員とは、モルモット兼生贄兼捨て駒ってわけである。

本家ではDクラスコンテストなんてものもあった。
世界観は広がったが、より多くのヘッドカノンが登場し、確立よりもむしろ多様化した。


「D」

Dクラスはしばしば、「使い捨て(Disposable)のD」と呼ばれる。
しかし、本来のDはあくまで上から4番目というだけに過ぎない。

財団においては、オブジェクトとどれだけ触れ合うかのクラス分けとしてA~Eの5段階があり、Dは4番目である。
一番上のAはO5評議会メンバーやサイト管理官など、Bは高位の研究者や実績の長いエージェント、Cは低位の研究者やその他職員、
そしてD。「じゃあEは?」と思うだろうが、Eは収容中に巻き込んだ一般人を便宜的に割り当てるもの。
当然Dと違って下手に殺せないので(偽装工作などで面倒くさいことになる)、財団内で最底辺なのがDなのである。

――というのが基本的な設定なのだが、財団だけに「むしろそれこそがカバーストーリーである」という設定もある。
SCP-1851-EXでは「DクラスのDはもともと「ドラペトマニア」のDだ」という話が出てくるほか、
「財団がDisposableのDではないと主張するためにあとからA~Eを設定した」という説も根強い。
実際どうなのかはわからないし、メタ的には敢えて決めようともしない。


Dクラスをメインテーマにしたオブジェクト

SCP-2439 - [SLOT UNLOCATED] ([スロット割り当てなし])

Dクラスがいる「油を滴らせ続けるランプ」の部屋にある、誰が書いたのかわからない『報告書』。
彼らはミームと戦い続ける。それは愛する人のためなのか、それとも彼らなりの嫌がらせ、なのか。


SCP-2193 - Monthly Termination (月例終了)

「Dクラスを月末に終了させたくなる」ミーム。
このオブジェクトのヘッドカノン上では月末にDを殺すという「資源を無駄にする」行為はしないことになっているが、
SCP-2193に感染した人は月例終了は適切なプロセスであると信じ込むようになる。
Dクラスの過剰消費に目を瞑れば、このミームに感染したサイトの効率や業績は並外れて良くなる。

ただし、月例終了方法は手順書に明記されておらず、不審に思った研究者が感染サイトの監視映像を見ると、
終了対象のDクラスが集められて、次の瞬間スイーッ…と天高く飛び上がって行方不明になっていた。
しかもどういうわけか一緒にいた保安職員はその後「携行武器で終了した」と事実と異なることを発言している。


SCP-1224-J - Duck-Class Personnel (カモクラス人員)

なぜか複数のオブジェクトの試験に適した異常な性質を有するカモ。
ずっと所有し続けると危険だということがわかっているが、大量に確保できるため大量に捕まえては試験に使っている。
毎月末にクロウ博士*1の監督のもと、反乱の防止、機密漏洩の可能性、追加の腿肉のために終了される。おい最後。

O5-7の覚え書き:
クロウ博士、月例終了の際にSCP-1224-J実例を撃ちそこなった機動部隊-ΝΕΣの隊員を笑うのを止めていただきたい。不愉快だ。


SCP-2959 - What We Did, What We Were(かつての我らとその使命)

「Dクラスなるものはどこからやってきたのか?」
「そもそもそんな無益な人体実験をやろうとするのはなぜか?」
「倫理委員会はなにしてんだ?」
そう、このオブジェクトの世界では上の概要はミームの影響である。
ある日突然あらわれる人型実体を、何の疑いもなく「Dクラス」というそれまで財団になかったカテゴリの職員として扱い、
一向にオブジェクトの性質解明に繋がらない実験を繰り返し、彼らを殺す。


DクラスをメインにしたTale


「Dクラス職員への職務割当及び職務後処理基準書」

「Dクラス職員の雇用と利用、管理の方法について」


日本支部で作製されたDクラスの取扱に関する財団内部規定という体裁のTale。
Dクラスの雇用や配属などについて細かく記載されている。
もっとも、カノンというわけではないのでこれが全面的に正しくこれと食い違うものは全部間違い、というわけではない。

活躍したDクラス職員


さて、上記の通り基本的にはさくっと死んだりどえらい目にあったりするDクラス職員だが、中には主人公じみたヒロイックな活躍をする者も。

D-14134(SCP-1983)


SCP-1983の内部探査に派遣されたDクラス職員。詳しくは当該記事参照。
具体的に彼がどのように、何をしてこのオブジェクトを無力化したかは語られていない。
そればかりかセリフの1つも無く、彼の人となりを感じさせるものすらない。
ひとつ確実なのは、彼は死後勲章を追贈されたDクラス職員2名のうち1名となった事である。

D-1104(SCP-544-JP)


「俺は犯罪者だから償いをしなくちゃダメなんだ。でも皆は俺を忘れちまっただろうから、代わりにお前に償う事にする。」

SCP-544-JP(閉店したデパート。内部では謎のアナウンスが流れ、そのアナウンスに呼ばれるごとに入った人間は忘れられていく)の調査のため派遣されたDクラス職員。
当初は周囲から忘れられる事を気楽に考えていたようだが、次第に苦痛になっていく。
しかし彼はすべての人に忘れられた後、腹を据え「償い」をする決意を固めた。

D-0442(SCP-213-JP)


「定期的にサバイバル・パックをトランクに入れてくれ それと新品のバールがあると助かる」

SCP-213-JP(異常なトランクを持つクライスラー。入ると消失する)の調査のため派遣されたDクラス職員。
Dクラスには珍しく、その犯歴が語られている。曰く「妹の暴行殺人に関与した6人の殺害及び刑務所・拘置所からの4度の脱走」。おそらく後者が見込まれ彼が起用されたのだろう。
そんな彼はトランクに入れられ消失。そしてその4日後、SCP-213-JPの先に存在する収容所とその看守について詳細に書かれた彼からの手紙が発見され、財団に貴重な情報をもたらす。
それだけでなく、彼は監禁されている人々の救出や、他のSCP-213-JPの破壊工作まで行っている事が判明。
今も彼は財団の支援を受けつつ、収容所に潜み救出と破壊工作を行っている。

D-8556(SCP-035-JP)


「ここだけは何があっても変わらなかった。清潔で、広くて、「それ」がある。」

SCP-035-JP (回している間、上半身が異常な空間にワープするフラフープ)の実験に志願した、フラフープ元プロのDクラス職員。
一歩間違えれば別空間に消えてしまうこのオブジェクトを扱うのに最適な人材。
記事からその人となりはわからないが、TALE 「回す。」にてその独白が聞ける。
実験を繰り返すうちに異常な世界を見過ぎて認識災害に犯され、見るものの認識が狂ってしまったようだ。





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