SCP-123-J

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SCP-123-J - (2018/07/06 (金) 20:08:35) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/07/06 Fri 20:08:35
更新日:2023/08/24 Thu 23:17:27
所要時間:約 8 分で読めます







これがバターじゃないなんて信じられない!





SCP-123-Jはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)。
オブジェクトクラスはSafe。

概要

SCP-123-J-1は“バターじゃないなんて信じられない!(I Can't Believe It's Not Butter)”という文字が記されたプラスチック容器であり、
その中に充填された、可食物質として形成された油脂化合物をSCP-123-Jに指定している。
財団はこの製品の製造会社に調査を試みたが、いかなるオカルト組織との関連も見つからなかった。

このSCP-123-JをSCP-123-J-2の上に塗り広げて食用すると、食べた人は一様に「バターのような味である」と報告する。
そこでSCP-123-Jが天然バターでないことを伝えると、食べた人はそれに懐疑的な意見を示すようになる。

とある財団エージェントはメリーランド州のスーパーマーケットでこれを購入し、SCP-123-J-2を使用して
別のエージェントにそれがバターであるかを確認させた。すると手渡された方のエージェントはSCP-123-J-2をすべて食べた後、
財団に警報を発した。当初は誤報を疑われたが、後に二人共昇進したという。

Dクラスに摂食させたときのインタビュー記録はこちら。

インタビュー対象: D-6539

インタビュアー: Dr. █████

端書き: D-6539はSCP-123-J-2上に塗られたSCP-123-Jをたった今摂食した。

<記録開始>

Dr. █████: どんな具合かね?

D-6539: まるで一日に推奨される量の栄養素やビタミンをめっちゃ安上がりに摂取できたように感じるよ!

Dr. █████: SCP-123-Jが実はバターではないと言ったらどうする?

D-6539: それマジ? (防犯カメラ1へ向き直る) これがバターじゃないなんて信じられない!

Dr. █████: (小さく含み笑いする) ところがそうなんだ、SCP-123-Jは実際には植物油から構成されている。天然バターに見られる厄介な飽和脂肪酸をまったく添加していないから、慣れ親しんだ味を提供してくれるSCP-123-Jは信頼できるんだ。しかも非常に低価格で、心臓の健康にも役立つ!

D-6539: ワーオ!

<記録終了>

末尾陳述: なお、D-6539は月末解雇のために移送されましたが、SCP-123-Jのおかげでコレステロール摂取量が健康的な標準値まで減少したという自信を持って去りました。

そうなのである。SCP-123-Jはバターに似た味でありながらバターではない。
そして植物油から構成されているためにSCP-123-Jはバターよりも健康にいい。
パン食文化のSCP-ENでは特に助かるアノマリーであろう。

こんなにすごいアノマリーをほうっておいては財団の名がすたる。
そこで財団はスーパーマーケットでSCP-123-Jを確認次第、それとともにSCP-123-J-2を複数一緒に購入することを推奨されている。
なお、使用は財団職員の自由であるが、室温より高い気温に晒されると塗布するのに向かなくなるので、
冷蔵庫での保管が推奨されている。







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さて、SCP-123-Jは末尾にJがついていることから、
SCPに慣れ親しんだ読者ならこれがジョークオブジェクトであることはお分かりいただけているであろう。
ではこれはなんなのか。












登録日:2018/07/06 Fri 20:08:35
更新日:2023/08/24 Thu 23:17:27
所要時間:約 8 分で読めます




マーガリンとは、植物性脂肪から作られる加工食品である。
熊本県のローカルタレントでスザンヌの妹もマーガリンだが、この項目では扱わない。



概要

元々ナポレオン3世が安価なバターの代用品を戦争準備のために求めたところ、
メージュ・ムーリエ・イポリットが牛脂に牛乳などを加え硬化したものを考案。
これをオレオマーガリンと呼んだ。マーガリンとはマーガライト(希:真珠)から来た言葉で、
真珠のように輝くからマーガリンという名前をつけたのである。輝くかなあ?

このオレオマーガリンの時点ではまだバターとは製法が違うに留まっていたが、
ニッケル触媒を用いる水素添加反応で植物油が硬化することが発見されると、
牛乳を全く使わない代用品の完成。これが現在のマーガリンである。

動物性脂肪ではなく植物性脂肪から作られるために、バターに比べるとあっさりした味になる。
しかし製法如何によってはバターと遜色ない味を出すことができるので、
代用品として安価で安定供給が可能、そして健康志向の人間やヴィーガンなどには好まれることになる。

また昨今では単なる代用品としてではなく、マーガリン自体の強みを活かした商品も販売されている。
中にはマーガリンにバターを足した物質も出てきている。

日本では単純に塗るだけでなく、小倉餡のコッペパンなどにマーガリンを入れるなどすることも多い。

マーガリンは危険?

しばしば、日本においては「欧米に比べてマーガリンの規制が進んでいない」という声が見られる。
SCP-123-Jのインタビューではマーガリンはバターに比べて健康的という印象を受けるが、
実際のところ、バターにはないトランス脂肪酸がマーガリンには存在し、これが心臓疾患の原因としてよく持ち出される。
WHOも摂取量を全エネルギーの1%以下に留めることを勧告しており、これに伴い
トランス脂肪酸の削減政策を行う国もある。

…が、日本人はそもそも主食といえばパンより米である米食文化に生きており、
かつトランス脂肪酸の吸収を抑えるリノール酸をサラダ油や菜種油などの油から摂取することが多い日本人にとって、
トランス脂肪酸はそもそもWHOの勧告以下の摂取量であり、実は日本で騒ぐ理由は全く無かったりする。
しかもそうであるにも関わらず、日本企業はよりマーガリンの品質向上のために日夜奮闘し、
トランス脂肪酸の含有率を低減させているのである。

シナモンだって水だって過剰摂取すれば死ぬ。でも、普通の人は過剰摂取しない。
マーガリンも、普通の人にとっては過剰摂取などかなり遠い前提である。
あなたが欧米人だったり、日本人だけど焼きたてジャぱんしてるならともかく、普通の人はことさらに騒ぐまでもない。

ちなみに「マーガリンは食べるプラスチックと呼ばれている」というのも有名な話だが、
実はあれは「可塑性油脂」と訳すべきところを「プラスチック油脂」と誤訳してしまったところからくるデマ。
熱によって柔らかくなり、冷えると固まる性質のことを「可塑性」と言う。
プラスチック(名詞)もまさにその意味でプラスチックと呼ばれているのであり、
身近なところではチョコレートもこの性質を持つが、だからといってきのこの山をプラスチックという人はまさかおるまい。

もっと言えばそれこそバターも可塑性油脂である。

ファットスプレッドとマーガリンの違い

ファットスプレッドは、マーガリン類とされる食品の中で、油脂の占める割合が80%未満のものを指す。
80%以上だとマーガリンというわけである。

で、昨今は上述のような理由からトランス脂肪酸を減らしているが、そもそも健康志向を目指すために
マーガリンが作られたこともあり、より脂肪を少なくしようという方向に動いているので、
現在主流なマーガリンは、実はファットスプレッドだったりする。
マーガリンと違い、バターの代用として料理に使うのには向いておらず、
ほぼほぼ塗るためのものである。

SCP-123-Jはつまり


マーガリンの宣伝である。

ちなみにSCP-123-J-2はマーガリンを塗るためのパンのことである。
確かにパンがないとマーガリンだけあっても困るもんね?

ちなみに『I Can't Believe It's Not Butter』は実際に米国に存在するマーガリンのブランドである。


SCP-123-J - Amazing Butter-like Substance!(素晴らしきバター様物質!)


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