登録日:2018/07/09 Mon 18:25:37
更新日:2022/10/11 Tue 02:49:53
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2回行動とは、ボスのたしなみである。
概要
RPGでは普通なら1ターンに一度しか動けないのが当たり前である。
互いにその条件の下で技を繰り出し合い、HPを減らし合うのが普通の戦いだ。
だが、ボスと言うのは大抵の場合1体で出てくるのに対し、味方側は
パーティーを組んで挑戦するスタイルになることが圧倒的に多い。
しかし、そうなるとボスは「数の暴力」でフルボッコされてしまうようになってしまうのだ。
これを回避するための方策はいくつかあるが、
強敵に仲間と協力して挑む、という演出としてはいいが、初期のゲーム機だとどうしても数字上の限界がある。
- ボスにお供を付けておき、相手もチームを組んで戦わせる
知能派のボスなら問題ないが、真っ向勝負を望む武人タイプだったり、どう見ても仲間がいるようには見えない野性の猛獣などだと不自然。
……と、どちらにしても問題がある。
そこで、低スペックのゲーム機でも低コストに、違和感なく搭載できる強敵感の演出が「2回行動」なのである。
単純に相手の手数が2倍になるということなので苦戦は必至であり、それでいながら絶望的過ぎるパラメーター差を付けなくても程よい強敵っぽさにできるこの演出は、多くのゲームで踏襲されるようになった
なお、似ているがちょっと違うものに「連撃」「複数回攻撃」などの特性がある。
明確に使い分けられていない場合もあるが、大抵の場合
異なる行動を同じターン内に複数回選択できる
同じターンに同じ行動(大抵は通常攻撃)を2回行う
という違いがある。例えば後者の例はドラクエシリーズの「はやぶさの剣」「キラーピアス」などが挙げられるだろう。
主な2回行動
ドラクエシリーズ
初出は2……と思われがちだが、実は2の頃の敵の2回行動はいずれも「通常攻撃を2回連続で行う」のみであり、厳密には2回行動とは言い難い。
本格的に二回行動を行う強敵が現れるのは3から。
ラリホーなどの補助呪文の有効時間が相手の行動回数でカウントされる都合上、2回行動の敵補助呪文の効きが悪い、という特徴がある。
味方の2回行動ははやぶさの剣などの例外を除くとほとんどないが、6では一部の仲間モンスターが「AIに任せている場合に限り」2回行動する。
ちなみにほとんどの敵は2回行動が限界であり、3回以上動けるボスは9の魔王の地図のボスぐらいしかいないのだが、7の神様などの例外は
理論上無限回行動
してくる可能性がある。
これは、神様の行動パターンが「行動パターンA」と「行動パターンB」をランダムに切り替えながら戦う、というものになっているのだが、行動パターン切り替えの際に
行動回数がリセットされる
という仕様があるため。
例えば「行動パターンA→パターン切り替え→行動パターンB→パターン切り替え→行動パターンA……」を延々やられる可能性がある、ということ。
幸いランダムなのでよほど運が悪くないと4回行動すら稀ではあるが、これで全滅すると理不尽さを感じること請け合いである。
リメイク版ではマックス2回行動になるように調整された。
ファイナルファンタジーシリーズ
ターン制ではなくATB式が主流であり、行動回数を増やすなら単純に「敵の素早さを上げる」が通用するためか、あまり多くない。
ターン制なら3の「2ヘッドドラゴン」など一部の敵が演出として持っている程度。6あたりだと一部のザコやボスに仕込まれている。
「クイック」などの魔法を使うと即座に仲間に行動順を譲り渡し、疑似的に2回行動させることができる。
ローグライクゲーム全般
「1ターンに1度行動できる」が全ての基準となるため、これを覆す2回行動は非常に強力な特性の一つ。
いくつかのパターンがあり、
- 倍速で移動するが、攻撃は1ターンに1度
- 等速で移動するが、攻撃は1ターンに2度
- 倍速で移動し、2回攻撃
などがある。もちろん一番下が最も厄介。
「鈍足化」「倍速化」などの状態異常により、一時的に行動回数を変動させることもできる。
この性質が猛威を振るうのは、ポケダンシリーズの「リングマ」+「アームハンマー」。
「原作の特性は全て両方とも所持する」というポケダンの仕様もあり、リングマの特性は「はやあし」「こんじょう」。
本来なら「アームハンマー」を使うと鈍足の状態異常にかかってしまうのだが、リングマは「はやあし」により鈍足を無効化し、さらに「こんじょう」で火力大幅アップという恐るべきシナジーを発揮する。
シミュレーションゲーム
特に有名なのはスパロボシリーズの2回行動だろう。
シミュレーションゲームでは「移動」と「行動」がワンセットになっていることが多く、2回動けると「移動して殴ってもう一度移動して逃げる」ができるようになり、戦略の幅が大きく広がる。
それだけに2回行動できるユニットはごく限定されており、強力な特性の一つとなっていることが多い。
ただし、近年の作品では1ターン何もしないと精神コマンド「覚醒」の掛かる戦術待機というスキルや、特殊コマンドで使ったターンで敵を倒すと再行動可能になるマルチアクションの導入により全ユニットが二回行動可能となった。
また、このシステムの使い方によれば1ターンに延々と行動を可能にもなる。
また、「2回行動」という敵専用スキルが各参戦作品のボスパイロットの強さを表現するために撒かれている他、上位の「3回行動」やエースボーナス込みの「3回行動+覚醒=4回行動」なんていうのもある。
反撃のチャンスが増えるということでもあるのだが、普通は接近→MAP兵器とかMAP兵器→手負いや優先対象への追撃を警戒するべきである。
トレーディングカードゲーム
いわゆる「
追加ターン」も一種の2回行動と言える。この場合はプレイヤーの2回行動である。
もちろんモンスターが2回行動するパターンも多い。
例えば「首が3本あるから3回行動」の「
真青眼の究極竜」は有名(原作では真が付かない青眼の究極竜から3回行動)。
また、モンスターの元々の能力には書かれていなくてもテクニックを駆使して2回行動させる戦略もある。
例えば、自爆能力を持つモンスターに攻撃させて破壊→蘇生→行動回数リセット→もう一度攻撃……など。
追記・修正は1ターンの間に連続して行ってください。
- 数の暴力回避方法としては、「設定上は1体だがデータ上は複数」というパターンもあるな。ドラクエ6のデスタムーアとか、ソード・ワールド2.0の多部位モンスターとか -- 名無しさん (2018-07-09 18:46:57)
- デュエマも結構な数2回行動できるカードが増えたけどやっぱり自分の中ではボルバルザークが今でも2回行動の筆頭だわ -- 名無しさん (2018-07-09 20:48:47)
- 遊戯王で二回行動といえばウェザー・レポート -- 名無しさん (2018-07-09 20:58:09)