追加ターン(TCG)

登録日:2015/03/03 Tue 16:21:57
更新日:2024/04/08 Mon 22:18:50
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さあ、もう一回! ― 船室係のゴブリン、スクイー





追加ターンとは、ゲームにおいて本来であれば自分のターンが終了し相手にターンを渡すところで、さらにもう一度自分のターンを行うこと。
ここでは、トレーディングカードゲームにおける追加ターンについて説明する。


概要

通常カードゲームというものは、「自分のターン→相手のターン→自分のターン」というようにゲームが進行する。
だが特定のカードは、自分のターンのあとに、もう一度自分のターンを行えるようにしてくれるものがある。
これらのカードで得られるターンを「追加ターン」あるいは「エクストラターン」と呼ぶ。

追加ターンを得られる効果の主なメリットとして、

  • 追加ターンでもドロー出来るので、実質的に2枚引ける。
  • 相手が手札の対抗できるカードやコストを使い尽くした状態でターンを行えるので、通常のターンより行動がスムーズになる。
  • 特定のカードを利用せずとも追加行動ができる(ターン自体が増えているので)

…などがある。

当然ながらこんなアドバンテージは、TCGの中でも最も強いと言われるものであり、故に基本的にはカードデザインが難しいとされる。
歴代の追加ターンを得られるカードに、有名なカードが多いことでもそれがわかるであろう。

逆にデメリットとして、「強力な効果である分、当然コストが重い」と言うのが挙げられる。
その重いコストに見合っただけの利益を追加ターンで得られなければ、損をする事となる。

極端な例だが、「2回攻撃すれば勝てる」状況の追加ターンは勝利と同義である一方、
「使えるカードが追加ターンを得るカードしかない」状況の追加ターンは手札1枚を交換するのと変わらない。
状況によって強さが大きく変わるのが追加ターンの特徴である。

なお、「相手のターンをスキップする」と言うのも、連続で自分のターンが来るのと同じなので、広義では追加ターンに挙げられる。


追加ターンを得られるカードの例


Magic the Gathering

アルファですでに《Time Walk》が登場している。謎の肉付き骸骨3体が妙な雰囲気を醸している。
この《Time Walk》なのだが、唱えるのにわずか2マナとあまりに安いことから追加ターンを得られるカードでも特に有名であり、後にパワー9に数えられた。

そののちに3マナだが追加ターンの終わりに敗北する《最後の賭け》が登場したがデメリットが大きすぎたため人気は出ず、
その後は《時間のねじれ》を元に、《荊州占拠》のような亜種がもりもり登場する。
ただしどれもコストが重いため、きちんと専用構築をしなければ使いにくく、採用率はそこまで高くない。
時間停止》も効果は派手(「ターンを終了する」)だが、使われているかというと…。
壊れカードと騒がれた《時間の熟達》は、一部プレイヤーにとって忘れたい黒歴史であろう。

しかし追加ターンの得られるアドバンテージが莫大なのは事実であり、専用構築が組めるような環境であればトーナメントで見かける機会も多い。
基本セット2019で収録された《運命のきずな》を使用した【ターボネクサス】(基本セット2019~基本セット2020期スタンダードデッキ)や、イニストラード:真夜中の狩りの《感電の反復》で追加ターンを得る《アールンドの天啓》をコピーしまくる【イゼット天啓】(同時期スタンダード)が有名。

ミラディンでは《精神隷属器》なる伝説のアーティファクトが登場。
これは「ターンを飛ばす」どころか相手ターンを乗っ取るとんでもない効果を有する。しかもアーティファクトなため使い回しも容易であり、無限ターンより酷いことができ、エクテンやモダン・エターナルでも活躍した。

Time Vault》のエラッタが外された関係もあってヴィンテージでは《通電式キー》とのコンボが1ターン目に決まることさえありうる。

追加ターン持ちのクリーチャーには《引き裂かれし永劫、エムラクール》という化け物が存在するが、大体コスト踏み倒し手段を用いて戦場に出てくるので、能力を発揮する機会は意外と少ない。ウルザトロン? 《全知》? なにそれ?

またMtGには《時エイトグ》なる相手に追加ターンを与えるカードも存在する。
「相手にターン与えてどうすんだ?」と思われるが、《停滞》(アンタップフェイズを飛ばす)+《宿命》(カードをタップ状態で出させる)で相手をロックしターン開始時のドローを繰り返させて自滅させるコンボデッキが存在する。
通称クロノステイシス。

デュエル・マスターズ

聖剣炎獣バーレスク》が初出。
だがなんと言っても往年のプレイヤーの間で話題となるのは《無双竜機ボルバルザーク》であろう。
登場してすぐはネタカード扱いだったが、後に採用事例が増え始め、やがて2年間に渡るTCGでも例を見ない長さの暗黒期「第一次ボルバルマスターズ」を引き起こす。

その後も【カイザーフェニックス】などで活躍した《ザ・ユニバース・ゲート》、攻撃すればほぼ確実に追加ターンが得られる《勝利宣言 鬼丸「覇」》、封印が解かれて追加ターンが得るまでは除去がほぼ効かない《禁断機関 VV-8》、大型クリーチャー4体を踏み倒したついでに追加ターンを得る《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》、ボルバルザークとVV-8の悪魔合体《禁断竜王 Vol-Val-8》など、デュエル・マスターズはどこかおかしい追加ターン持ちが多い。

というかバーレスク以外大体自重してない。

また、自重していない連中の特徴として「フィニッシャーに追加ターンの能力がついている」事が挙げられるだろう。
概要で述べた通り、「使えるカードが無いと生かせない」のが追加ターンの弱点であるが、コイツらは追加ターンを得るカード自身が「勝負を決められるカード」を兼ねており、最大の弱点を自ら補っているのである。
それに加えて、デュエマは相手ターンに干渉する手段が乏しく(S・トリガー等はあるが、運が絡んだり無効化される事もある)、追加ターンそのものの価値が高いという点も挙げられるだろう。

それ以外にも、自分ではなく相手に追加ターンを与えるという《正体不明》と言うクリーチャーが存在する。まあ追加ターンのついでに《完全不明》などを踏み倒せるので相手がまともに動けるかというと……
なお、こちらはこちらで相手に決して勝利することのない無限のターンを与える事でターン開始時のドローによるライブラリアウトで勝利するというこれまたよく分からないコンボが可能。

あまりに追加ターン持ちが横行したせいか、とうとう3マナで「誰も自身のターンを続けて行うことはできない」というエクストラターンメタ効果を内蔵したクリーチャー、《侵略者 ランドヘッド》が登場。まあ限定的すぎるから使いにくいんだけどね。

WIXOSS

タマとユキが融合した姿の《創世の巫女 マユ》と《再会の巫女 マユ》が追加ターン能力を持っている。
前者は「本来使わないルリグを1枚余分に入れる」「追加ターンを得るまでの隙が大きい」とかなりの縛り・弱点を設けているが、
ターン追加能力以外にも「既に使用したアーツを回収できる」「相手のシグニの能力を無効化できる」能力を持っていることから、多くのプレイヤーに使われた。

後者は「特定のキーをコストにする」「コインを扱う為一部カードの恩恵を受けられない」「追加ターン中の行動に制限が掛かる」とこちらも厳しい縛りがある。
こちらはキーセレクション用に調整されている為地味だが、レベル5シグニが3体配置できるリミット15は創世には無い長所である。

ただ、融合前のタマやイオナでも十分戦えるレベルであり、追加ターン能力しか強みが無いマユはファンデッキに近いのが実情である。

クルセイドシステム

キングゲイナーを筆頭に、様々な作品が追加ターン効果を持っている。
中には場に出るだけで即座に追加ターンを得る兄貴のような非常にらしいものもある。
結果を残したカードでいうならば、やはり攻撃を通せばジェネシック・ヘルアンドヘブンによる追加ターンを、攻撃を防げばゴルディオンクラッシャーによる場の殲滅を行うジェネシックガオガイガーだろう。
安定感のある勇者デッキの切り札として、2013年のシーズンを暴れまわったぼくらの勇者王。

バトルスピリッツ

バンダイのオリジナルカードゲーム。
限定的なステップ追加を行うカードは複数存在している(アタックステップを2度行い2回攻撃する、ターン終了時にリフレッシュステップを行いフルアタック後に相手ターンに備えるなど)
純粋な追加ターンは断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニスが所持しており、1ゲームに1度のみ、ジャッジメントがアタックしたターンの終了後にもう一度ターンを行う。
コスト10という膨大なサイズ故に性能は強力で、アタックの瞬間に追加ターンが確定するのが何よりも強み。そのためアタック宣言後にジャッジメントを始末しても無意味。
ジャッジメント自身はBP+と激突を持った対スピリット戦特化の性能でライフを奪うには向かないため、フィニッシャーは他のスピリットに任せたい。
バトスピのシステム上、追加ターンは攻める側にはコア・ドロー・リフレッシュ・メイン・アタック全てのステップ追加の恩恵が大きく、守る側は攻撃を終了させるウォールマジックを2枚消費する上にブロッカーも回復できないと多大なダメージを受ける。
その分ジャッジメントの召喚コスト・維持コストともに重いため、赤緑連鎖などの赤が絡みコアを十分用意できるデッキで最後の詰めとして採用され、公式大会で猛威を振るった。

アニメ「バトルスピリッツ ソードアイズ」ではラスボスであるガルドスの切り札として登場。
このシリーズは各ステップ宣言を律儀に行うのが特徴なのだが(少年突破バシン及び究極ゼロ除く)追加ターンのお披露目回となったガルドスVSヤイバでは「ウィンドウォール」でガルドスのターンを凌いだヤイバを嘲笑うように、ガルドス役・速水奨のドスの効いた声で「スタートステップ!」「コアステップ!」「ドローステップ!」「リフレッシュステップ!」「メインステップ!」と全てのステップ宣言が行われ、ヤイバを絶望に追い込むというカードゲームアニメならではの演出がなされた。

のちに2枚目の追加ターンを行えるカードとして恐龍覇者ダイノブライザーが登場。
煌臨元3枚というコストを要する点とコストの準備の段階で相手の妨害を受けてしまう可能性がある点でジャッジメント・ドラゴニスに劣る。
しかしながらこちらは1ゲームに1度の制約等がないため、うまくいけば2回以上効果を発揮できる。
が、同じだけの手間で相手のライフを削りきれるカードも豊富なため、あまり流行していない。
その後も赤の特性として多く登場しており、特に断罪ノ滅刃ジャッジメント・ドラゴン・ソードや創界神ゼウスは公式大会でも活躍した(前者は禁止カードにまでなっている)
コラボカードでは仮面ライダーカブト ハイパーフォーム[2]が追加ターン効果を持つ。

その一方でターンをスキップする効果は長らく登場していなかったが、真・転醒編で《時冠超神シン・クロノス》が登場。既存の追加ターンメタの影響を受けないのが特徴。ゲーム中1度かつカウントエリアのコア6つをボイドに戻すという厳しい条件で発揮する……のだが、直後の契約編でカウントエリアの増加速度に大幅に上がったせいで発揮がお手軽になり、禁止カードになってしまった。

遊戯王

相手のターンをスキップするカードが極少数だけだが存在している。歴史の長いカードゲームにもかかわらず、「追加ターンを得る」と書かれたカードは1枚も存在しない
遊戯王OCGはコストの概念が薄い都合上、ゲームスピードが早く1ターンにできることも多いので当然ではあるが。
1ショットキルすら簡単に行える環境でそんなカードがホイホイ出て来たらぶっ壊れもいいところである。
バトルフェイズを追加で発生させることができるカードはごく少数存在するが、禁止カードだったり実用性が無かったり相手のを増やしたりと使いようがない。

数少ないターンスキップを行えるカードが《アルカナフォースXXI-THE WORLD》、《星守の騎士 プトレマイオス》、《忍の六武》《時の女神の悪戯》(次の自分バトルフェイズ開始時)、《ギャンブル》の5枚。
なお、前者2つはターンスキップを狙う効果を活かすには専用の構築が必要になる。
THE WORLDは「モンスターを2体生け贄に捧げれば、相手ターンをスキップできる」。
(召喚時にコイントスを成功させなければならない制限はあるが)他のカードに比べればまだ実現可能な内容で、専用デッキを構築すればある程度渡り合うことができる。
THE WORLDはドグマブレードのギミックを応用し無限ループによって時間切れまで相手のターンをスキップし続けることで、
TODを狙い事実上先攻1ターン目でマッチに勝利する【ワールドトランス】というデッキが存在する(現在は構築不可能)。
対戦相手どころか大会の運営にも支障を起こしかねない凄まじいデッキなので詳しくは項目を見てほしい。

ちなみにプトレマイオスの方はと言うと、もう一つの効果の汎用性が高すぎた為禁止カードとなってしまった。ターンスキップ効果の方は見向きもされずに
当時の環境では見ない日は無いと言っても良いぐらい凄まじい採用率を誇ったカードだが、ターンスキップ効果を見た事がある人は稀だろう。
というよりもう一つの効果が発動条件が軽い割に強すぎるため、重すぎるターンスキップ効果を狙う必要もなく勝てる。
一般的なデッキでも狙えなくは無いが、ターンスキップを狙う場合は専用の構築が必要になるだろう。

忍の六武は自分フィールドにそれぞれ属性の異なる六武衆6体居る時に発動可能、とかなり厳しい条件*1が課されており、罠カード故に発動ターンより前に伏せなければならず、
そもそも6体も六武衆を揃えられたのならば追加ターン使わずとも大体勝てると言うのもあり、ファンデッキの域を出ない浪漫カードとなっている。

《時の女神の悪戯》は自分フィールドのモンスターが「ワルキューレ」モンスターのみの場合に自分バトルフェイズ終了時に発動でき、
次の自分ターンのバトルフェイズ開始時まで ターンをスキップする」効果を持つ。
ドローこそできないが、事実上の全モンスター2回攻撃は魅力的。相手の場ががら空きであれば、勝利も夢ではない。
アニメに登場した時は発動条件が無い鬼畜極まりない効果であった(なおDMの状況はOCGでも再現可能)。

ギャンブルはコイントスが外れた際に相手ではなく 自分の ターンをスキップする。
当たった場合は3~4枚引けるが、ハズレの場合のデメリットは非常に痛い。
それ故に環境デッキ使用される事はほぼ無いが、使用の際は必ずフォローできるカードを投入したい。

……ターンをスキップする効果はこれだけであるが、擬似的に相手ターンのスキップを行う手段はある。

例えば《八汰烏》や《混沌帝龍-終焉の使者-》を組み合わせた【ヤタロック】である。これは相手のフィールドと手札のカードを全て捨てさせた後にドローロックを行うものである。墓地から動けるカード無い時にこのコンボが決まってしまうと、敗北がほぼ確定する。
しかも誰でも使えるお手軽コンボだったため、当時の遊戯王OCGを本当に終わらせかけたという決闘者はおろかコナミ自身も思い出したくないであろうデッキである。
現在はキーカードが規制ないしエラッタされているので、このデッキは構築出来ない。

相手に行動をさせないということであれば、カードのプレイができるメインフェイズをスキップさせるという手段もある。
メインフェイズは必ず行う1とバトルフェイズの後にのみ行う2が存在するため、メインフェイズ1とバトルフェイズ、もしくはメインフェイズ1とメインフェイズ2をスキップすれば、相手はドローこそすれど何もできないままターンを終えることになる。
これを可能にする代表的なカードが《タイム・イーター》で、前述の【ヤタロック】消滅後長い間唯一のターンスキップ手段だったためかなり研究が進んでいる。
相手のターンをスキップするのに戦闘破壊しなければスキップができないというジレンマを抱えているが、後に出た《虚竜魔王アモルファクターP》《燃え竹光》よりは発動しやすい。
現在では、バトルフェイズのスキップができる《地縛神 Chacu Challhua》、メインフェイズ2のスキップができる《端末世界》も登場したため、竹光orタイム・イーター+チャクチャルアor端末世界で専用デッキを組むのが一般的。

また、《サイキック・ブロッカー》を使い回してコンボに必要なカード以外の全てのカードのプレイ*2を禁止することで、
事実上相手のターンを消滅させるというものが提唱されている。
(《サイキック・ブロッカー》の効果は特定のカード一つのプレイを禁止するものである)
こんないい意味で頭おかしいことを考えつくのは当然あいつら
なお、実際に行おうとした場合、コンボの完成に時間が掛かりすぎるので実用性は無い。*3

上記のコンボほど強固な物では無いが、相手の行動を妨害するカードを大量展開する事で、事実上相手の行動を不可能にする戦術もある。
こうした戦術は「制圧」とよばれ、環境ではビートダウンと並んで一般的な戦術となっている。

shadowverse

ウィッチクラスの《次元の超越》というスペルカードがエクストラターンを追加する効果を持つ。
ターンを握ってない側のプレイヤーが出来ることが殆ど無いこのゲームにおいて、エクストラターン追加は非常に強力な効果だが、
それ故に、おいそれとは使えないように制限がかかっている。

増やせるPP(他のカードゲームでのマナ)の上限が10なのに対して、このカードのコストは20*4
つまり、ただ引いただけではこのカードは絶対に使うことができない。
スペルブースト(手札にある時にスペルを使用すると累積する効果)を繰り返してコストを下げる(1回ごとに-1される)ことで、ようやく使うことができるようになる。

そのため、このカードを使いたいなら出来るだけ早く手札に保持し、
スペルを使ったり、「スペルブーストを行う」効果持ちのフォロワーを用いてガンガンコストを下げなければならない。
また、勝利に直結させるにはフィニッシャーになりうる大型スタッツ持ちのフォロワーも同時に確保する必要がある。

上手く行った場合、コスト0になった《次元の超越》と、《フレイムデストロイヤー》とか《ギガントキマイラ》といったフィニッシャー(同じようにコストが下がるものや、逆にスタッツの方が強化されるものが存在する)を悠々とプレイし、余ったコストで壁フォロワーを処理したりしつつ、難なくリーダーに攻撃を叩きつけて勝利することができる(仮に倒しきれなくとも、0とは言わず10以下まで下がった2枚目があれば追加使用などということもできる)。
前述の通り相手が干渉できないゲームであることもあって強力であり、このカードに特化した【超越ウィッチ】は初期から環境の一角に君臨し、低速デッキの天敵となっている。
とはいえ、キーカードを抱えたまま相手の攻撃を捌き続けることが要求されるため、決してお手軽なカードではない。
大量展開は処理が追いつかないために苦手としており、高速デッキからはカモにされている。

そんな忙しい手札のやり繰りが病みつきになるのか、愛用者も多いデッキ。
一方で、前述の通り手札に干渉する手段が一切なく上手く回されてしまえばケアのしようがないため、一ニを争う勢いで嫌われているタイプのデッキでもある。

なお、《次元の超越》は最初期から実装されているカードであり、その点はなかなか異質と言える。
立場の似たものはここで挙げている中でも《Time Walk》があるが、《Time Walk》はそもそもTCG自体の黎明期であることを鑑みると同一視はしにくい。
現在はスタン落ちにより、このデッキが使えるのは「アンリミテッド」のフォーマットのみ。

Hearthstone

メイジクラスの《ウェイゲートの開門》というカードの効果によって《次元湾曲》という追加ターンを得る呪文を得られる。
《ウェイゲートの開門》はクエストカードと言うカードパック「大魔境ウンゴロ」によって追加されたカードで、『最初のマリガンで必ず候補に来る。』・『書いてある条件を満たすと報酬としてカードが手札に加わる』という性質を持つ。
《ウェイゲートの開門》の条件は『デッキに入っていない呪文を6枚使うこと』、つまり効果で生成した呪文を6回使うことが必要。

方法としてはランダムに選ばれた呪文3つの中から好きなものを手札に加えてコストを(2)減らす《始原の秘紋》、メイジの呪文の中からランダムに3枚を手札に加える《カバル教団の魔導書》によって条件を満たす準備を整える。
そして、呪文のコストを(1)減らす《魔法使いの弟子/Sorcerer's Apprentice》を4体と*5、呪文使用時に4コスト6点火力の呪文《ファイアーボール》を加える《大魔術師アントニダス》を追加ターンを駆使して並べ無限に《ファイアーボール》を撃てる状態にすることで勝利すると言った流れ。
または、《魔力の巨人》*6や《溶岩の巨人》*7のいずれか2体を5コストに抑えて召喚し、追加ターンで相手リーダーの体力を15にする《アレクストラーザ》を召喚することで勝利する型も存在する。

最新弾にてプリーストクラスにテンポラスというカードが追加された。こちらは出してから相手が2ターン分行動でき、その次に自分が2ターン分行動できるというもの。先に相手に2ターン分の動きをさせてしまうので、そのままゲームセットになってしまう状況が多く扱いが難しい。

カードファイト!!ヴァンガード

時間を操作する、というズバリな特性を持つクラン「ギアクロニクル」が存在するが、その中でも追加ターンを得るカードは《時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン》しか存在しない。そのうえ能力を発動するには運要素が高すぎ、コストも重いので全く現実的ではないのが実情である。いわゆるロマンカード。
ただ、それ以前からでもほぼ追加ターンを得るに近い能力である「場に存在する全てのユニットを再行動させられる」カードはいくつか存在し、現在ではその手のコンボは最早珍しくもなんともなくなっている。
そのインフレ故に追加ターン自体が他TCGと同じく非常に強力な能力となっていることは否めず、今後も追加は難しいと思われる。

なお、この唯一追加ターンを得られるカード《時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン》は「ギアクロニクル」が最初に世に出た構築済デッキに収録されていた。
初心者向け商品に収録するには凄まじく使い勝手の悪いカードだが時を操る「ギアクロニクル」の能力の実感をプレイヤーに持たせやすくするために、あえて収録されたのだという。

WAR OF BRAINS

《慟哭のジル・クライハート》の効果で手札に加えられる専用スペル3枚の内の1枚、《運命の逆転》が追加ターンを得る効果になっている。
メモリー(マナ)上限が8のこのゲームで最も重い8コストであることや発動時に《慟哭のジル・クライハート》が場に居なければ相手も追加ターンを得るというデメリットも存在する。
しかしこちらの追加ターンが先であることや、メモリーを使い切っていてもメモリーの最大値をコスト分破壊することで一度だけユニットを出すことができるオーバーヒートのシステムにより発動時は勝負を決める場面がほとんどでデメリットが発動する場面はあまり見受けられない。
ニュートラルなので全ての国家で使用することができ様々な運用方法があるが、オーバーヒートで出したユニット+ソウルバーストにより召喚されるゲーム中最大のユニット《シヴァ》で一気に相手を相手を倒すシェドのタイプが一番使われているだろう。

そして最新のB1パックにてタオシンに追加ターン関係のカードが複数登場した。
1コスト3/3の《皇帝兵 リトルブラザーズ》、5/5ガーディアン、場に出したときユニット1体に5ダメージの《爆炎鬼鎧 ゴルゾン》、高コスト順にユニットを3体復活させる《フェイロン計画》
これらはいずれも高いスタッツや強力な効果を持っているがプレイした時に相手が追加ターンを得る効果を持っている。
強力といってもこれら単体で相手に渡す追加ターン以上の恩恵が得られる状況はなかなかなく相手のメリットが上回るのがほとんどと思われる。

ではなぜこのようなカード群が存在しているかという理由が《裁卿皇帝 ビッグブラザー》の存在である。
このカードは対戦中の相手のターン数に応じてコストが2ずつ減る効果(初期コスト24)、そして対戦相手が行った追加ターン数だけ自分に追加ターンを得る+リトルブラザーズを出す
という効果を持っている。もう一度言おう、対戦相手が行った追加ターン数だけ自分に追加ターンを得るのである。なにかがおかしい。
効果の内容とスタッツが0/1であることからただ出すだけでは本当に一切のメリットが得られないため、なるべくうまいタイミングで相手に追加ターンを与えるという普通では考えられないプレイングをすることになる。公式生放送ではディスターン戦略と呼ばれた。
相手に追加ターンを与えるカードは今までのカードゲームにも存在していたが、相手に追加ターンを渡して初めて効果を発揮するカードは前代未聞だと思われる。デザインした人あたまおかしい

ポケモンカードゲーム

ディアルガGX》の技「タイムレスGX」の効果により、150ダメージを与えるとともに追加ターンを得る。
鋼エネルギー3つと任意のエネルギー2つが要求され、対戦中1回しか使用できないという制約こそあるが、高い威力に加えて絶大なアドバンテージの差を生み出すことができる。
対面した相手を一気に倒し、あわよくばそれ以上の損害を与えてそのまま勝負を決めにいくことも。
鋼エネルギーについても、《ドータクン》や《メタグロスGX》等サポートには困らないだろう。

また、《トゲピー&ピィ&ププリンGX》の技「シュープリームGX」はフェアリーエネルギー2個で追加ターンを得る。こちらも対戦中1回のみの使用で、またダメージも与えられないが、この技には「追加でフェアリーエネルギーが14個ついているなら、相手のベンチポケモン全員を相手の山札にもどして切る」という恐るべき効果がある。
これで相手ポケモンを1匹にした後、追加ターンで残りの1匹を倒せればそのまま勝ててしまう。ポケモンカードでも屈指のロマン技である。

《チャーレムV》の「ヨガループ」は「この技でポケモンをきぜつさせたら追加ターンを得る」という効果を持つ。ダメージはわずか20だがダメージ調節が得意な連撃ポケモンということもあり、環境で猛威を奮った。
この技には回数制限がないため終盤に数ターン連続で持っていくこともある。

《オリジンディアルガVSTR》は《ディアルガGX》を彷彿とさせる追加ターン技「スタークロノス」を持つ。
鋼エネルギーの数だけダメージが上昇する強力な技「メタルブラスト」も持っており、その分《ディアルガGX》の時より使い勝手がよくなっている。
エクストラレギュレーションで《ディアルガGX》と組ませてみても面白いだろう。お互いの技で連続3ターン分行動することもできる。

余談

MTGとDMでは複数カードが登場しているが、兄弟のようなTCGなのにも関わらず、追加ターンを得られる色の役割が異なっていた(MTGは青に、DMは火文明(赤)に偏る)。
MTGの場合は「時を操る秘術を使いこなす叡智」、DMの場合は「誰にも止められない業火の如き勢い」という感じだろうか。
とはいえ近年では水文明(青)に追加ターンを得るカードが多数登場しており、火文明関連の追加ターンは元から存在した追加ターン持ち「の派生種や、大きなリスクを背負う《鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ》といったものに限られている。


なおこの追加ターンを得られるカードで延々と追加ターンを得ることを「ずっと俺のターン」とか言ったりするが、
元ネタの遊戯王の場合は王様がHA☆GA相手に1ターン中に無限に攻撃し続けたり、THE WORLD! 時よ止まれとかしただけで別に追加ターンを得たわけではない。
原作漫画初期にあった、ターン進行の描写の曖昧さやルールの不備で片方のプレイヤーのターンが連続しているように見える展開を揶揄して生まれた言葉であると言われている。

亜種に「ずっとお前のターン」もある。詳しくは端折るが相手の呪文を使えなくしてこちらのターンを飛ばし続ける。そうすると相手だけライブラリを引ききって負けるというもの。一度決まれば抜ける手段は無いのだが、墓地に落ちた時にライブラリを修復する系のカードが混ざると双方どうしようも無くなったりする。

他のTCGでバディファイトに《大魔法 マイ・グランファーザークロック》が存在する。


《追記・修正》を発動!ずっとWiki篭りのターン!

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最終更新:2024年04月08日 22:18

*1 メインモンスターゾーンには5体までしか出せないのでEXモンスターゾーンにも六武衆を揃える必要がある

*2 プレイの範囲は分かりづらいのだが、召喚、反転召喚、特殊召喚、セット、(魔法・罠・ペンデュラムモンスター)カードの発動、(効果外テキストを除く)効果の発動、各種素材への使用(別カードのコストやリリースは可)、攻撃宣言、表示形式の変更が出来なくなる。詳細は公式データベースで確認を。

*3 コンボの完了までに丸1日以上掛かると言われており、特にOCGの大会規定ではプレイの省略が認められていないので大会で披露する事は事実上不可能。やっても制限時間に引っ掛かってしまい、それ以前に遅延行為として失格になる恐れもある。

*4 修正前は18

*5 通常2枚までしか入れられないが、ミニオンのコピーを場に出す《鋳像》等を駆使することで可能

*6 12コスト 8/8 呪文を使った回数分コストを1減らす

*7 25コスト 8/8 リーダーが受けているダメージ分、コストを1減らす