JX-25シリーズ(フレームアームズ)

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JX-25シリーズ(フレームアームズ) - (2019/06/25 (火) 22:04:01) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/09/14 Fri 21:04:54
更新日:2024/03/07 Thu 13:12:09
所要時間:約 14 分で読めます




概要

JX-25シリーズ」とは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」の一部。

SX計画の成果として生み出された地球防衛機構の新型主力量産機。設定上はYSX-24 バーゼラルドの量産仕様となる。悪役量産機っぽいとか言われてるけど味方です。

本項目では系列機種も取り扱う。


目次




JX-25F ジィダオ


防衛機構上層部の無茶振りに始まる紆余曲折の末量産化にこぎ着けたSX-25カトラスだったが、OEM先である東アジア防衛機構の開発チームによって更なる改装(外見含む)が加えられ「JX-25F ジィダオ」と名を変えた派生型が存在した。
もはやバーゼラルドの面影もないほど見た目が変わったが生産性・性能共に申し分ない機体として仕上がっている。


改設計の内容は主に各部のモジュール化であったとされ、これによって後述のレイダオのような大胆な組み替えも可能となり、さらに既存機体の補修・強化パーツにもなるという別の意味での汎用性も獲得するに至った。

初期のバーゼラルドと比較して生産性・装甲強度が大きく改善した*1にも関わらずスペック上の機動性・運動性能はほぼ据え置き、かつ宇宙・地上の双方で運用可能な汎用性を持ち、 VTOS の採用により新兵でもその性能を充分に引き出せる操作性をも獲得。
総じて量産機に必要な要素を兼ね備えた次世代機の名に恥じないFAとなっている。
推進機の数を減らし総重量も増加している関係上、実際に動かした場合の機動特性や操縦応答性はバーゼラルドからかなり変化しているものと推測されるが、月軌道上の戦闘ではNSG-XM*2を相手に優勢を保っていたらしいことからもその高性能ぶりは伺える。その後戦った相手が悪すぎたのはまた別の話であろう。

欠点としては構造上脚部に動力系・推進系の重要なパーツが集中していることが挙げられ、足がもげると大幅に弱体化する可能性がある。しかし正面に限ればスラストアーマーの装甲があり、フレームについても元来強度を求められる部位であるためそう簡単には破壊できないものと思われる。
重量と強度のある足でのブースト蹴りはさぞ強力だろうと妄想するファンもおり、いずれにせよ間違いなくこいつの足は飾りではない。


◇武装
  • IR-M13SG
カトラスのIR-P13を東アジア防衛機構が再設計したレールガン
オリジナルよりも射程を重視した調整が施されている。

  • スラッシュシールド
大きめの手持ち盾。
滑らかな曲面で敵弾を弾く・逸らすことを意識しているとされる。
後述のレイダオの胴体部装甲を転用したもの。
機関砲を内蔵しているが、向きの関係でジィダオではほとんど使われないらしい。

  • スラストアーマーtype-V
ジィダオでは脚部に設置される推進機内蔵の増加装甲。
バーゼラルドのもの同様電気推進式で見た目より軽く、被弾による誘爆の危険も低い。
バーゼラルドでは全身に推進機を配置していたが、先述の通りJX-25シリーズでは装甲と機動性を両立するために推進機の数を減らし、このスラストアーマーに推力の多くを依存している。しかも全体の重量は増えたにも関わらず機動性は据え置き…という強力な推進ユニット。
ただしその分消費も大きいようで、後述のレイダオではジェネレーター・セルからの動力供給がないため(最大推力での)稼働時間が短いとされる。
元々は脚部に固定されていたが東アジア防衛機構の都合でモジュール化され、移設・増設が容易になった。
装甲強度についてははっきりしていないが、重要なパーツが集中する脚部を守っていることや本来固定式だったことを鑑みてもそれなり以上の防御力を持っているものと推測される。

  • ジェネレーター・セル
ジィダオの脚部に搭載された高性能の電源装置。脹脛の丸いパーツと思われがちだが、側面の楕円形のパーツも含むらしい。
装甲と推進力を強化するにあたり機体の出力を高めるために増設されたもので、スラストアーマーtype-Vの主動力源でもある。これがない場合、活動時間・航続距離は相当に制限されるとのこと。
名前が「ジェネレーター(発電機)」なのに解説では「バッテリーユニット」とされており、どちらなのかはっきりしていない。
それ故かファンの間でも
  • CC年代の電力源ならUEユニットが一般的なはずだが当時の防衛機構はT結晶の供給源を持っていないため、T結晶の消費を抑えるためにバッテリーにした可能性
  • ピーク出力を高めるためのキャパシタのような機能を内包する制御装置であり、航続距離の延長はパワー消費の効率化によってもたらされるのではないか
  • そもそもバッテリーという表現自体が単に「外装式の電源」という意味で、深い意味は無いのでは
等々、色々な解釈がなされている。
またヤクトファルクスのSSでは敵の目前でパージした後にライフルで撃ち抜いて爆発させ目眩ましにするといった描写があり、被弾時には危険が伴う模様。*3


◇キット
定価4,200円。デザイナーは輝鎚も手掛けた稲葉コウ氏。
成形色は量産機らしいモスグリーン&赤。
ほぼ色分けされており、センサーの赤やスラストアーマーの内側、各部の帯状マーキングなどごく細かい部分が足りない程度。
可動性はそこそこで、肩アーマーの形の関係上肘が正面に曲がらなかったり、足が後ろに振れないなど少々癖がある。
レイダオとは付属品が異なり、レイダオの腕部レーザー砲部品が付属しないためレイダオのようには組み立てられない。
コトブキヤ直営ではレイダオと共通の初回特典として、レイダオのフレームカラーのハンドパーツとライフルが付属した。
…あれ?これジィダオ買う必要無いんじゃ…レイダオを二個買いする者もおり血の涙を流したとかなんとか。



JX-25T レイダオ


ジィダオをベースに腕部一体型の大型レーザー砲を搭載した派生機体。用途としては火力支援機となる。
元々東アジア防衛機構は艦載用レーザー砲を生産しており、対TCS兵器としてFAが携行できるサイズを目標に小型化を試みていた。
フレズヴェルク=ルフス鹵獲による技術革新でどうにか試作兵装「ACS-14」が完成したが動力の確保に難儀していたところへ、オリジナル・カトラスの製造依頼が舞い込む。
彼らはオリジナル・カトラスのジェネレーター・セルに目を付け、その動力をレーザー砲に割り振ることで実用化に成功。
航続距離と稼働時間を犠牲にしたものの、殆どのパーツと製造ラインをジィダオと共用していることからあっさり制式採用に至った。

先述の東アジア防衛機構による改設計要求(パーツの細分化・モジュール化)はそもそもこのレイダオを作るために行われたとされ、OEM生産の依頼は東アジア防衛機構にとってまさに渡りに船だったと言えるかもしれない。
上層部のロマンを振り切った防衛機構技術陣だったが、そこに待っていたのは東アジア防衛機構のロマンだった…


◇武装
  • ACS-14GP
腕部に内蔵された大型レーザー砲。ACS-14の制式版。
同様のレーザー兵器としては過去に試作された「X-YN8イオンレーザーキャノン」などがあるが、ACS-14はそれらとは異なり電源を内蔵していなかった。それにジェネレーター・セルを一体化…というより、ジィダオの足にACS-14のほうを組み込む形で完成を見たと言うべきか。
速射性や射角などの制限は大きいものの、TCSを強引に突破しうる破壊力を誇る。
…はずなのだが、Z0シリーズの戦闘描写を見るに少々怪しいところがある*4
レイダオの開発時点において防衛機構が確認していたTCSバリア搭載機はXシリーズのみであるため、あくまで「XシリーズのTCSを貫く」ことを基準に開発されていて、Z0シリーズのTCSがより強化されていたと考えるのが自然と思われる。

  • バーストショットカノン
胸部に設置された機関砲。接近された際の対処に使用する。
下を向いているのはACS-14GPの死角をカバーするためだとのこと。


◇キット
定価4,200円。
設定通りと言うべきか、殆どのランナーがジィダオと共通となる。成形色は装甲がグレー&赤、フレームが白。
結構なハイヒールになっているが自立性は意外と高い*5
手持ち武器とハンドパーツが付属せず、かわりにレーザー砲のパーツが追加されている。また頭部の角など細かい部分が異なっており、色違いのジィダオを作ることはできない。
ただし先述のコトブキヤ限定初回特典を利用することで殆どジィダオのように組み立てることが出来た。レイダオを2個買いしてすまない…




JX-25E ジェンタオ


T型(レイダオ)を長距離狙撃仕様として改修した機体。
技術復興連盟 (G.A.F(ガフ))と R.V.L.T の武力衝突が本格化した際、ガフが初期の対リベルタ戦に投入した。

リベルタの襲撃に備えての哨戒任務のために大掛かりな長距離レーダーシステムを搭載して索敵機能を充実させたほか、ACS-14GPにも調整を加え、早期発見とアウトレンジによる迎撃を可能にした。
しかし元々機動性に難のあるレイダオに追加装備を施しているため、接近戦は不得手。
近接防御用のバーストショットカノンも標準装備から外されており(オプションとして搭載することは可能だが)、搭乗者には遠距離で確実に敵を仕留める狙撃戦の腕前が要求される。

これらの仕様は「レイダオの本来の姿」と言うべき、東アジア防衛機構がレイダオを提案した当初の仕様に近いものとなる。
元々レイダオはACS-14GPを用いた敵拠点(≒月面プラント建造物)への直接攻撃をも視野に入れた長距離狙撃機体…いわば全領域用輝鎚・乙として設計されたが、主に防衛機構側の意向で高価な長距離レーダーシステムを取り除き生産性を優先したT型が制式化された、というのが実態だった。

後にガフによって「ジェンタオ」として制式配備された機体は月面プラント攻略戦後に残存していたレイダオを、残された試作パーツで補修・改造したものとされている。

ショートストーリーではレイ・ハンの手によって一体がリベルタに横流しされ、下記のジィダオ EA仕様のサージショックドライバの原形になったと推測される。またその過程で水没による機能不全を起こしており、JXシリーズが宇宙・地上両対応といってもそのままの状態では水中戦に対応していない模様。拠点防衛用と考えれば環境対応能力は必要ないので自然な話ではあるが…


◇武装
  • ACS-14GP
レイダオと共通のものだが、リベルタが配備している機体が主にTCS非搭載機であることを意識してか、一射あたりの威力よりも速射性と射撃回数を重視した調整が施されている。

  • VBL-96LS
両肩のパルス送信機、胸部のパルス受信機+補助CPU、頭部の強化FCSからなる索敵システム(キット取説では肩のユニットがVBL-96LS、胸部と頭部はボディユニットと表記)。
それぞれ単体では機能しないものの、組み合わせることで遠距離から敵機体の探知・識別、精密射撃、広域地形探査まで可能にする性能を持つ。

  • ETS-07PB
上記のVBL-96LSの胸部受信機を流用した手持ち式レーダーユニット。原型と異なり単体で機能する。
他の機種が哨戒任務に就く際に携行するためのもので、ジェンタオが使う必要は無い(というか持てない)。
ポッド部とセンサー部は分離でき、機体に組み込んで手を塞がないようにすることもできる。
サイズの関係上、VBL-96LSに比べて性能は限定されるものと思われる。


◇キット
定価5,400円、コトブキヤショップ限定品。レイダオ+追加ランナーで箱のサイズは倍以上になる。
上半身のゴテゴテっぷりが凄まじく、レイダオより一層トップヘビーな姿に。肩や腰にかかる負荷も相応に高いため関節強化が推奨される。
成型色はパープル、ダークイエローにオレンジとホワイトの4色。アーキテクトはダークイエロー成形。
追加パーツや胸部ポッドなどのフィン先端、センサーパーツのレンズ部分は色分けされていないため、気になるなら部分塗装が必要。
レイダオにはついていなかったハンドパーツが付属するのは嬉しい変更点と言える。
公式ブログでもアナウンスされていたとおり、ETS-07PBは分解してセンサー部をアーキテクトの頭部として設置することができる。




JX-25F/RC ジィダオEA仕様


リベルタの手で改造されたジィダオ。名前の「EA」は「Electronic Attack」、型番の「RC」は「R.V.L.T Custom」の略だと推測される。
もとより反体制側のリベルタだったが、本格的に活動を開始するにあたりあらゆる手段で地上のFAパーツをかき集め、戦力強化を図っていた。
特に大戦末期の主力量産FAであるJX-25シリーズは廃棄されたジャンクパーツを含め残存数が多く、それなりの数のジィダオ/レイダオが継ぎ接ぎ状態ながら稼働に至っていたとされる。
そうしたリベルタのFA群の中でも、特に純正の状態に近いのがこの「EA仕様」と呼ばれるバージョンで、ジィダオを電子戦用にカスタマイズした仕様となる。
電子戦用と呼ばれるFAは「漸雷EM仕様」やレヴァナントアイなど従来から存在しているが、主に警戒管制やECM/ECCMの提供を目的としたそれらの機体群とはEMP兵器による電子攻撃を主体としている点で趣を異にする。
こうした仕様になった理由としては、リベルタが戦力を増強するにあたって各地に残存していた「 はぐれFA 」や敵機体を可能な限り無傷で捕獲するという目論見があった模様。

フルスペック状態の本機と通常のジィダオとの相違点としては、指揮官用*6頭部ユニットや肩に増設された「サージショックドライバ」などが挙げられるが、これらの装備はJX-25シリーズのオプションとして戦中に採用されていたものや、開発時に試作で終わった純正装備を流用・改造している。さらに内装系やソフトウェアにも手を加えられており*7、その性能は原型機と同等以上とされる。


◇武装
  • MWC-18PR
手持ち式のコジマライフル指向性エネルギー兵器。強力な電磁パルスを照射し、対象の電子機器をダウンさせる。
効果を発揮させるためには一定時間敵を照準に捉え続ける必要があり、実用性が疑問視されてお蔵入りしていたが、後にリベルタが入手し多少の改造を施して実戦投入した。
球体の砲身部を機体に直付けしても使用可能。

  • サージショックドライバ
両肩に据え付けられた大型のEMP兵器。
試作型レイダオ(後のジェンタオ)のレーダーシステム「VBL-96LS」のパルス送信機を改造したものと思われる。*8
ごく短い時間の照射で有効範囲内の機体を停止させることができ、上記のMWC-18PRに比べ射程・範囲も広い。
かなり重量がかさむほか、範囲内であれば無差別に効果を発揮してしまうため使い勝手は悪いらしい。


◇キット
定価5,400円。追加部分のデザインは引き続き稲葉コウ氏によるもの。
頭部と肩が変わり武装が追加されたくらいで、基本的にはジィダオと共通。ライフルとシールドもある。
ただし元の頭部パーツがなく、グレーのジィダオにはできないので注意(肩アーマーはあるので頭以外は元の状態に戻せるが)。
ジェンタオと違い肩アーマー変更の恩恵が大きく、干渉がなくなったことで肩と肘の可動域が改善されている。
成型色はライトグレー、ダークグレー、ブラウン、ホワイト、イエローに、頭部センサーのクリアレッド。アーキテクトはダークグレー成形。
サージショックドライバの黄色やMWC-18RPの球体部分など細かいながら色の足りない部分は多め。
MWC-18RPの球体部分は取り外して頭部に据え付けることができ、その見た目はこれとかこれとかを思い出させる。
ただしジィダオの頭部パーツの下半分と合体させる形になるため、球体部分だけではフレームと接続することができない。




余談

  • 各機体の命名法則はバーゼラルド系から引き続き刀剣・刃物の名称から。
    ジィダオは「直刀」ないし「戟刀」(某無双ゲーで三国最強が振り回しているアレ)、レイダオは「雷刀」の中国語読みとなるが、こちらは伝承・実在共に確認できず。レーザーの中国語訳である「雷射」に由来しているとの説もある。ジェンタオは恐らく「はさみ」を意味する中国語「剪刀」か。なんか格落ちしてね?

  • ジィダオはヴァイスハイトに、レイダオはコボルドに酷似した構造を持ち、加えて「パーツの配置変更で複数機種を産み出せる」という特性そのものが従来の防衛機構のFAよりもむしろNSGシリーズに類似している…というかレイダオ実現のために実際に参考にして開発されている。

  • 初回生産時点でリニューアルアーキテクトが導入されるようになった初のキット。故に以降のラインナップは再販品を除いて「:RE」の表記が無い。


追記・修正、お願いします。

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