グレイズ・フレームMS

登録日:2015/11/17 (火) 08:28:41
更新日:2024/11/20 Wed 07:54:47
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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するモビルスーツ(MS)シリーズ。
本項目では姉妹機の「シュヴァルベ・グレイズ」、特殊機「グレイズ・アイン」などの派生機についても解説する。

また、先代機種である「ゲイレール」に関しても暫定的に記載する。



EB-06 グレイズ



どこから持ってきたのかは知らんが、そんな旧世代のモビルスーツ……
このギャラルホルンの「グレイズ」の相手が出来るとでも!?


型式番号:EB-06(一般機) / EB-06s(指揮官機)
全高:17.8m / 重量:30.2t / 動力源:エイハブ・リアクター

デザイナー:海老川兼武

機体概要~もしかして現行最強機?~

武力組織ギャラルホルンのP.D.323年時での主力モビルスーツ(MS)。
その源流は厄祭戦末期に開発されたヴァルキュリア・フレームであり、先代の主力MS「ゲイレール・フレーム」にマイナーチェンジを施して更に設計を洗練させ、汎用性を重視して製造されたフレームの完成度は非常に高く、装甲換装による多方面への対応力、携行武装の豊富さ、そして高い整備性を実現している。
テイワズの主力機・百錬とは互角以上に渡り合うことができ、旧世代の怪物たるガンダム・フレームと1対1(恐らくパイロットの技量等の条件が同じという前提)でやり合っても勝率はこちらの方が上という破格のポテンシャルを持つ。

特に整備性の高さは素晴らしく、MSの運用実績がゼロ、なおかつ満足なMS知識どころか就学経験を持つ者がいない鉄華団整備班でも
鹵獲機を「ニコイチ」でレストアしたり、すぐさま本体固定式の武装を追加したりしている。
操縦性も良好らしく、やはりMSの操縦経験がゼロのモビルワーカー(MW)乗り、昭弘・アルトランドは、すぐに阿頼耶識システム無しの操作に馴染んでいる。

基本のカラーリングはやや暗めの緑。宙戦仕様は暗い青紫と、リーオーっぽい。所属によって様々な塗装が行われている。
特徴的なのはその頭部。カメラアイは小さい縦長の長方形でやっぱりリーオーっぽいが、索敵時にはその上部のカバーが展開して巨大なモノアイとそれを中心にX字に配置されたラインセンサーを備えたセンサーボールユニットを開く
モノアイが前方にせり出す長距離観測仕様のセンサーボールも存在する。
頭部にブレードアンテナを装備した指揮官機は、一般機の約2倍の通信能力を持つ。

高機動・高出力を追求した姉妹機のシュヴァルベ・グレイズに対しては扱い易さと安定性で勝負しているが、
このノーマルグレイズも重力下での飛行こそ出来ないものの、同じグレイズ一機(約30t)を抱えて地表をホバリング移動出来る程度のスラスター推力は備えている。
グシオンハンマー2本抱えて飛んでいるのと同じ。もっと言えばウイングガンダム4機分)
なお、メインスラスターを備えたバックパックは重力環境の変化における重心バランスの変動を考慮し、地上戦仕様では腰部に、宙戦仕様では背部に装着され、推力配置を適切なものにする。

主力機として十分な基本性能・共通フレームによる高い対応力・良好なコストパフォーマンスと、量産機の鑑といっても過言ではない名機。
実際、そのあまりにも高い完成度故に、ギャラルホルン内部ではこれ以降の新型機の開発に否定的な声も出る程であった。
しかし、ガンダム・フレームを有する鉄華団の奮戦とそれに伴うギャラルホルンの影響力低下により、世界各地でMS戦力が爆発的に増加していく状況を受け、ギャラルホルンは新型機の開発を慌てて決定。グレイズ・フレームを更にパワフルにした次期主力機・レギンレイズの建造計画が始まる。


余談

  • 型式番号が「06」
  • 緑系のカラーリング
  • 主兵装が120mm速射砲・格闘武器が斧
  • (一応)モノアイを搭載
  • 指揮官機は角付き
……これだけ聞くとザクⅡである。海老川氏を初め、製作スタッフはリーオーとザクⅡ、泥臭い名機の雄姿をグレイズに重ねたのかもしれない。



カラーリング

●ダークグリーン:地上戦型。火星支部等で用いられている。
●ダークスレートブルー:宙戦型。火星支部本部「アーレス」所属機や地球外縁軌道統制統合艦隊の所属機など。
●ミディアムシーグリーン:月外縁軌道統合艦隊「アリアンロッド」所属機がこの塗装。エリートらしい特別カラーである。
●サンドブラウン:ダインスレイヴ装備型。通常はほとんど使われない。
●ダークグレー:太平洋方面防衛部隊の地上戦特化仕様機。
●ライトコーラル:ドボルベルク亜種みたいな色。エドモントン防衛に配備された地上戦特化仕様機。
●コバルトブルー :マクギリス率いる革命軍によって運用された機体。特に通常にグレイズと変わりは無い。
●グレー:イオク専用機、カラーリングは専用のレギンレイズと同色。鉄華団本部包囲作戦で前述のレギンレイズが大破した為使用。

※色は編集者の主観によるものです。色名とプラグインは 原色大辞典 より引用※


オプション・各種武装

※後述するバリエーション機の武装もまとめて記載する

●GR-E03 地上用追加ブースターユニット
ノーマルグレイズの腰部スカートを挟む形で装着される大型の追加推進器。
後方のメインスラスター2発の推力は重力下での単独飛行を可能にするほど高く、グリップ付近の制動・後退用スラスターで運動性も損なわれていない。
これの上から更に通常の地上用スラスターを重ねて装着することも可能。
装備するとサイドアーマーのマウントラッチが塞がるため、予備武装を懸架する際は背部にスラスター付きのマウント用マルチラック・バックパックを増設して対応する。

●GR-Es01 フライトユニット
シュヴァルベ・グレイズに標準装備されている増加推進装置一式の総称。
構成は背部可動式メイン2発、腰背部固定式サブ1発、肩部旋回・姿勢制御用6発、大腿部正面制動用2発、大腿部側面大型複合2基。
各スラスターは惑星間航行艦の技術を転用した高推力モデルを採用しているため、重力下での単独飛行をも可能にし、無重力下でもその恩恵を十分に発揮した多彩なマニューバが行える。
グレイズ・アインにはメインスラスターの可動アームがアックスのマウントラッチとして流用されている。

●GR-W01 120mmライフル
120mm×25口径長速射砲。末尾がそのままグリップとなっており、それを左右の弾倉で挟み込むような形状のブルパップ式
装弾数はボックスマガジンで左右計30発。
銃身交換によって短銃身化も可能。連射する際は3点バースト射撃が行われる。
精密射撃時にはフォアグリップを使うが、グリップ部の手首固定機構のおかげで、片手持ちでも地上を走るMW程度ならば射的の的にできるだけの精度を持つ。

●GR-W02 320mmバズーカ
自己噴進弾を発射する大型砲。ロケットランチャーである。何時までバズーカの名前が使われるのだろうマガジン1つの装弾数は5発。
マウントレールが設けられた専用の肩部装甲と合わせて使用される。これを併用することでグリップを保持せずに発射が可能となる。

ダインスレイヴ
MSフレームの素材でもある高硬度レアアロイ製の徹甲弾を撃ち出す大型電磁投射砲。
ナノラミネートアーマーを突破可能な唯一の長距離砲撃兵装で、強襲装甲艦の正面装甲にぶっ刺さる程の過剰火力を持つため、専用砲弾の使用禁止条約が締結されている。
見た目は巨大なバリスタのような冷却・放電用バックブラスト・ベーンが特徴的で、砲身後部に装弾口と回転式の激発装置を持つ。
砲弾自体も長大なため単発式にならざるを得ず、連続発射には装填手となる補助機の存在が欠かせない。

●90mmマシンガン
フレック・グレイズ向けに生産されているコンパクトな機関銃
フォアグリップだけでなくメイングリップも可動し、携行時の利便性が高められている。

●GR-H01 9.8mバトルアックス
対ナノラミネートアーマー用の近接戦用武装。片手持ちの片刃斧。
バルバトスの巨大メイスや百錬の大型ブレードと比較すると流石に見劣りしてしまうのはやむなしか。

●GR-H02 バトルブレード
オプション装備として用意されている両刃の直剣。重力下での運用のために開発された。
アックスより軽量で取り回しに優れ、姿勢制御プログラムにも過剰負荷をかけない安心設計。それでいて装甲を叩き割るに十分な破壊力も有する逸品。
クリーンヒットすれば重装甲機のコクピットすら粉砕……とはいかないが、それでもパイロットを容易に押し潰す。

●GR-H06 スタンスティック
打撃時に電気ショックを与える小型の杭。
対装甲用の破壊装備ではなく、駆動系やセンサー系を無力化するための武装。

●GR-Hr01 ナイトブレード
グレイズリッター専用の剣。式典での見栄えを考慮して鍔や柄尻が金に装飾され、見た目が豪華になっている。性能自体はバトルブレードと差は無い。

●GR-Hs01 16.5mランスユニット
シュヴァルベ・グレイズの固有装備。本編ではガエリオ・ボードウィン機が装備している。
短銃身ライフルに下から被せる様な形で装着される近接戦用騎兵槍型武装。シュヴァルベの高推力を活かした突撃戦法で装甲の一点集中突破を狙う。
精密射撃用のフォアグリップも装着されている。

●ハルバード
バトルアックスに穂先とロンググリップを追加して作られた、グレイズ・シルト用の武装。

●小型アックス
フレック・グレイズ向けの格闘用装備。ノーマルモデルよりも更にコンパクトで使いやすい。

●GR-E01 8.8mシールド
ナノラミネートアーマー加工が施された手持ち型の盾。バズーカ用マウントレールでも懸架できる。

●大型シールド
グレイズ・シルトが装備するシールド。
ノーマル仕様のシールドと基部は共通だが、上下に大型装甲板を装着して機体全高に匹敵するほどのサイズになっている。

●MS滑空用グライダー
軌道上からの強襲降下作戦の際に用いる大気圏突入用超大型シールドモジュール。
突入時の断熱圧縮による空力加熱をものともしない耐熱性と頑強さを誇り、制御可能高度まで降下してしまえば、放棄して攻撃目標に落着させる戦法も取れる。

●GR-Es02 ワイヤー接続式クロー発射機
シュヴァルベ・グレイズの左腕に標準装備される有線兵器。敵機の捕縛や、障害物に撃ちこんでの機体固定及び急激な軌道変更に用いられる。
簡易盾として使えるほどに頑丈で、正しい防御姿勢を取ればグレイズのバトルアックスを受け止めることもできる。


バリエーション


ダインスレイヴ搭載機


ダインスレイヴの運用に特化したカスタマイズ。
左肩から腕部にかけてのフレームと背部スラスターユニットを取っ払ってレールガンを直付けし、砲身に流す莫大な電力を賄うために腰背部に追加の補助動力も装着している。
頭部センサーボールは長距離望遠のカメラレンズ型に換装され、超長距離砲撃を可能にしている。
強化されたセンサーによる凄まじい命中精度と、純正弾体を使用すれば戦艦をも数発で戦闘不能にする破壊力を待つ恐るべき狙撃兵だが、推進器がふくらはぎの内蔵スラスターしか無いので機動力は無に等しい。

EB-06j グレイズ地上戦仕様


地上運用に特化したカスタマイズを施した陸戦仕様の機体。
一般仕様のスラスターユニットはオミットし、代わりに大腿部にスラスターパックを装備。
背中のマルチラック・バックパックにはバトルブレードを懸架できるようになっている。
足はホバーを内蔵した幅広の物に換装されており、地上での高速移動と、設置面積を大きくする事による格闘戦に於ける安定性の向上を両立している。

EB-06Q グレイズ・シルト


アリアンロッド艦隊の一部で使用されているグレイズ。シルトは独語で「盾」の意。
カラーリングはカルタ時代のグレイズリッターに近く頭部に赤ラインが入っており、メインカメラ周りにフェイスガードが追加されている。
統制の取れた集団戦闘をするために高い練度を持つパイロットに配備され、都市や拠点の制圧に用いられる。


EB-06N グレイズ・シュタッヘル


全高:18.6m / 重量:32.0t

「月鋼」に登場するグレイズで、ギャラルホルン内部統制部隊「オレルス」が駆る隠密作戦用のカスタム機。シュタッヘルは独語で「棘」の意。
頭部にはメインカメラの左右に暗視用のサブカメラを備え、肩部、膝部、足部に装備された固定用のクローと小型化された左腕のワイヤークローを用いて
障害物を利用した通常のMSでは不可能な変則的アクションを行える。
脚部ショックアブソーバーの強化で静穏性も高められており、目標に忍び寄っての一撃離脱を主目的とする。

EB-06r/EB-06rs グレイズ・リッター



長蛇の陣! 疾風怒濤!

全高:18.7m / 重量:32.1t(指揮官機)

地球外縁軌道統制統合艦隊司令カルタ・イシュー一佐直属のイケメン親衛隊が駆る、低軌道対応カスタム機。「リッター」は独語で「騎士」の意。
頭部にトサカのようなブレードアンテナを標準装備し、重力下での機動力強化のため肩口にスラスター付きの大型装甲を装着。ソール部は一段嵩増しされている。
地上運用の際は地上戦仕様と同じ大腿部スラスターパックを追加し、推力配置を脚部に集中させ、ホバー走行時の機動力と安定性をより向上させている。
白兵武装はバトルアックスに代わり、より取り回しやすいナイトブレードを装備。
カルタ機は一般機では白いラインの部分に赤線が描かれ、肩部側面装甲を延長・アンテナを大型化・コクピットハッチに保護装甲板を追加した、指揮官用のs型仕様。

その名の通り騎士然とした外見はギャラルホルンの洗練された高潔さを表しており、式典への参列や編隊飛行の披露も任務の一環。
対して実戦への出撃記録は皆無に等しく、高性能なカスタム機のわりに運用データ収集といった技術蓄積に全く貢献できていないのは悲しい。
その後、マクギリス・ファリドがカルタの後任司令となったことで性能の見直しがなされ、鉄華団との地上戦闘で得られたデータから推進器を中心に改良がされた。

機体カラーはライト・シーグリーン
マクギリスによる部隊再編後は指揮官機のベースカラーはブルーでラインはゴールド
一般機はラインは白で変わらないがベースカラーはライトブルーグレーに改められている。

EB-06t グレイズ(訓練機)


全高:17.8m / 重量:30.2t

EB-06/tc グレイズ改



俺はあいつに任されたんだ……
ここは引けねえ…! 引く訳には、いかねえんだよぉ!!

全高:17.9m / 重量:28.2t

鉄華団が、鹵獲した2機の地上型グレイズ(+アイン・ダルトン機の左腕)を混ぜて修復した機体。
ベースとなっているのはクランク・ゼント機で、コクピット内には未だに彼の血糊がこびり付いている。

完全に破損した頭部・胸部と、ガンダム・バルバトスの補修用に持って行かれた両肩には手作りの白い装甲をくっ付けている。
強度はオリジナルより低い。白いのは白のナノラミネート塗料が最も安価なため。*1
腰部スラスターユニットは外されている(整備できなかったのだろう)が、代替品として背部には単発の大型ブースターが増設されている。
装甲の軽量化もあって、宇宙空間での機動力はオリジナルをごく僅かだが上回っている。
名称は「改」だが実態としては「鉄華団仕様」的な状態である。

元々は転売予定だったものの、緊急事態に際して昭弘をパイロットにして実戦投入されることになる。
武装は回収した120mmライフルとバトルアックス、バズーカ。バズーカの入手シーンは描写されていないが、公式ツイッター曰く第5話の戦闘のどさくさに紛れて奪取したらしい。突っ込みどころ満載だがカッコいいから問題ない


EB-06/tc2 グレイズ改弐「流星号」



ノルバ・シノ、「流星号」!
行くぜオラァァァ!!!

全高:18.9m / 重量:31.2t

全身をバイオレットピンクに塗り替え、頭部には動物の瞳と牙を模したノーズアートが施されたグレイズ改。
後頭部にはブレードアンテナが追加され、肩部装甲とリアスカートは百錬のスラスター付装甲に換装されている。操縦系も阿頼耶識システムを導入。
本来、グレイズ・フレームは阿頼耶識システム非対応の為交感情報や操縦管制性能はガンダム・フレームは勿論、ロディ・フレーム等にすら劣る状態ではある。
昭弘が機体を乗り換えた為、メインパイロットは変わってノルバ・シノが担当し前述のハンデが有るものの乗りこなしていた
勿論機体色は彼の好みで、機体名に至っては勝手に宣言しているだけ。本来なら白に塗られるはずだったがブルワーズからの押収品に赤い塗料があったため、これ幸いと混ぜたらしい。
ちなみに故クランク氏の部下アイン君は「下品な色」と断じている。彼の立場からすれば「チンピラに殺された上司の形見のパトカーを奪われ、散々いじくられた挙句族車にされていた」様なものだから当然っちゃ当然か。
因みに「流星号」としてはこのグレイズが2代目にあたる(初代はモビルワーカー)。


EB-06/T2C リーガルリリー


全高:19.2m / 重量:32.8t

外伝「月鋼」に登場するタントテンポの幹部、ジャンマルコ・サレルノが使用するカスタム機。
黄色いボディカラーに所々を紫色の装甲で覆っており、図太い脚部と二本の角が生えた特徴な頭部のせいで、一見グレイズだとは分からない程に見た目のイメージが変わっている。
これは身の丈を超える巨大な鈍器「ベロウズアックス」を振るうために脚部を中心の改修を加えたためで、よく見ると上半身は若干装甲を足されただけでグレイズ改より余程グレイズそのままだったりする。
火星圏で鉄華団が回収したグレイズをテイワズ経由で買い取りカスタマイズした機体で、恐らくはメイス被害者第一号オーリス機がベースになっていると思われるが、グレイズ改の追加装備の時の様な鉄華団の手癖の悪さを考えると火星離脱戦で鹵獲した他の機体かも知れない。


系列機

EB-05s シュヴァルベ・グレイズ



ガエリオ・ボードウィンだ!!
火星人は……火星に帰れぇーーッ!!!

全高:18.1m / 重量:32.5t

高出力リアクターを搭載した試作段階のグレイズ「EB-05」を元に調整した上級指揮官機。
現在のグレイズにとっては同じ原型から分岐した姉妹機に当たるが、組織内では事実上の上位機種として扱われている。
操縦者に高い練度を要求することが原因でEB-06に正式機の立場を譲った05を、06以上の性能を欲したマクギリスとガエリオ・ボードウィンが自分達用に調整した機体である。
マクギリス→石動機は●ブルーに、ガエリオ→アイン機は●パープルに塗装されている。
機体各部にEs01フライトユニットを配置したことで自力での重力圏内飛行を実現した。
指揮官用通信アンテナは標準搭載され、メインカメラは上下並列型のラインタイプに変更。内蔵センサーボールはそのまま。
当然ながらグレイズの武装は全て使用可能。更に左腕にはワイヤー連結式のクロー射出装置を新たに搭載。

機動力もさることながら、高出力リアクターが生み出すスタミナによって、戦闘が長期化するほど優位に立てる機体。
一方、例によって操縦難度はノーマルと段違い。
長期戦に備えて推進剤の消費も気にせねばならず、飛行状態も推力で無理やり飛ばしているだけなので、パイロットには高い練度と戦術性が要求される。
更に機体各部は最高のパフォーマンスを維持していることを前提に調整されているため、起動直後のウォームアップ状態では100%の性能を発揮できず
また機体損傷の影響が他機体より大きいという弱点がある。


EB-AX2 グレイズ・アイン


全高:22.2m / 重量:38.6t

ギャラルホルンのとある研究施設に保管してあった機体を完成させた特製MS。
ベースこそグレイズ・フレームだが、改修に伴う四肢の大型化で全高は20mを超え、原型機の意匠を漠然としか残さぬ禍々しいシルエットを構築している。
頭部や胴体は通常サイズのままなので余計に「歪み」が強調されている。
頭部には2対のアンテナを持ち、センサーボールは半露出式。腕部は巨大な関節駆動部が備え付けられ、MSを片手で空高くブン投げることすらできる。
脚部は脛部分が延長され、足首は4本爪のクロータイプに。歩行には適さない形状だが、足裏からのホバー走行でカバーする。
「アスリートが心臓をふたつに増やした」のがガンダム・フレームなら、この機体は「四肢を徹底的に鍛え上げた(改造した)」と表現できるか(手足とコクピット回り以外はオリジナルのグレイズのまま)。
また、モノアイも内部とカバーの双方のデザインが変更されたせいか、カバーを展開している状態が多いのもあって、その面構えは(アングル次第ではあるが)どことなくザクIIを彷彿とさせる。

固定武装として両肩部に格納式40mm機銃を搭載。MWを1~2発で爆散させる威力で、グレネード弾頭を迎撃するCIWSとしても機能する程に高精度。
大型化したマニピュレーターも堅牢で、回転させて殴撃の威力を上げるコークスクリュー機能を搭載。
更には脚部クローをも収斂・回転させてナノラミネートを抉り取るドリルとして使用する事も可能。
手持ち武器としては二振りの大型バトルアックスをバックパックに懸架する。両下腕部には使い捨てのパイルバンカーユニットも装着。
ガンダムのボス機体としては数少ない、派手な射撃兵装に頼らないストイックな戦闘スタイルの機体である。




アードラ


全高:22.4m / 重量:41.3t

外伝『月鋼』に登場。ロザーリオ・レオーネがヴィルから提供されたグレイズ・フレームをベースにして独自の改修を施した機体。
脚部フレームの延長によってグレイズ・アインと同等の大きさになり、全身の装甲も換装して見た目は別物と化している。
かなりヒロイックな見た目で、第一印象を言い表すなら別の世界観の主人公機。
武装は120mmライフルとバトルブレード。更に対MSクローを備えたシールドも新調している。


AEB-06L フレック・グレイズ


全高:13.8m / 重量:25.2t

民間にも卸されている廉価版グレイズ。フレーム構造が一部簡略化され、安価に仕上がっている。所謂モンキーモデル。
デカいブロック状の頭部・肩部・大腿部の大型装甲が目を引く一見ゴツいシルエットをしているが、バイタルパート以外の守りは薄い極端な装甲配置をしている。
脚部が短縮されているため全体の大きさもオリジナルより一回り小さく、その印象はどうにもずんぐりむっくりでマスコット的。
メインスラスターにはグレイズ地上戦仕様と同型のスラスターパックを腰背部に装着しているが、やはり戦闘力的に優れた機体とは言い難い。

その分操作性は明快で、練度が低いパイロットにも扱い易く仕上がっている。
更にはコクピットブロックは分離して小型モビルワーカーになる脱出機構を搭載し、パイロットの生存性も高い。
その点を評価され、新規発足したアーヴラウ連邦防衛軍の主力機の座に就任しており、鉄華団地球支部にもいくつか卸されている。ギャラルホルン内では砲兵補助や工兵任務などの支援を担当。
コストや汎用性を無視して性能を追求し、大型化したグレイズ・アインとはある意味対極の機体とも言える。

武装は90mmマシンガンと小型アックスに加え、頭部にミサイルランチャーを4門備える。


ガンプラ

HGは全種が「ガンダムバルバトス&長距離輸送ブースターセット」に含まれるクタン参型とのドッキングが可能。
流石にアインは膝から下を外すなり通常のグレイズに換装するなりしないといけないが、不可能ではない。



EB-04 ゲイレール



「出せるMSは全部出せ! とにかくスピード優先だ、急げ!!」
「あっ!この音…!」「誰だ!?」
「速えっ!」

あれってガランさんの「ゲイレール」か!?


型式番号:EB-04
全高:17.9m / 重量:29.8t / 動力源:エイハブ・リアクター

デザイナー:海老川兼武


機体概要~老兵~

グレイズの先代機に当たるギャラルホルンの量産型MS。本編第一話の時点で第一線を退いている。
ギャラルホルン内部では辺境支部でもグレイズへの機種転換が完全に済んでいるため実戦配備となるケースは皆無であり
マトモに稼働している機体は訓練学校で使われている教導機くらいのものである。
スタイルはグレイズと比べるとひょろく、よく言えば武骨でシンプル、悪く言えば野暮ったくて頼りない。
だがレストア機が殆どな他の勢力のMSと戦う分には、まだまだ十分な性能を有している。

退役して傭兵に転身したOBにも払い下げられており、実戦に出ている機体は全てこの類のもの。
本編に登場するガラン・モッサ搭乗機は外見こそ正規仕様の指揮官機だが、
特殊工作のため機体の出所が分からないようにエイハブ・ウェーブの固有周波数や製造番号などがデタラメに偽装されており、
致命的に損傷して廃棄処分された個体や、試作機として製造された初期ロットの個体など、
ギャラルホルンの管理データベース上では欠番になっている複数の個体から使えるパーツを寄せ集めて作られていて
ガラン機は更にコクピットの操縦インターフェースのみグレイズの物にアップデートしているとの事。
また自爆機能も有しているがこれはあくまで「自壊する事で機体や搭乗者の出自に繋がる情報を隠滅する」事が主目的であり
幾つかの他作品で採用されている様な「爆発する事で周囲敵機を巻き込んでの道連れ撃破を目的とする」物ではない。


オプション・各種武装

●大型ホバーブースターユニット
腰背部に装着される大型の増加推進ユニット。グレイズのフライトブースターの前身と思われる。

●110mmライフル
小型の単発砲に見えないこともない実弾銃。機関部と銃身の間に小型シールドが一体化している。
GR-W01の短銃身モードと同じ規格と思われるドラムマガジンを機関部側面に装着する。
このドラムマガジンはシャルフリヒターのクロウシールド裏面に一基搭載可能。

●ハンドグレネード
円筒形の手榴弾。クロウシールドの裏面に2発まで搭載でき、攻撃の他撹乱にも使える。

●ピッケル
露天堀の工夫さんが持っているようなアレ。
敵機の白兵装備に引っ掛け易い構造で、武装解除能力に長けている。
●ランドメイス
ピッケルを大型化したツルハシ型の武装。元々は土木・建設作業用の工具。

●シールドアックス
短い柄に展開式の刃を備えた片刃/両刃斧。刃部を割り広げて前腕に装着すればバックラーシールドになる。

●クロウシールド
シャルフリヒターの肩部増加装甲。下部から裏面に長爪が折り畳まれている。
予備マガジンやハンドグレネードを懸架できるが、その際はクローを展開できない。

バリエーション


EB-04jc4 ゲイレール・シャルフリヒター

全高:17.9m / 重量:33.5t

重装甲・重装備をコンセプトに設計されたゲイレールのバリエーション。シャルフリヒターはドイツ語で『死刑執行人』の意。
箱型から円盤状に変更された頭部形状、追加装甲が増設された両肩部および前腰部と原型機からはシルエットは大きく異なるものとなっている。
ゲイレール同様ギャラルホルンでは退役済みの旧式機ではあるが、やはり同じく払い下げによって各地に流出しており、混戦する状況下で真価を発揮する機体特性から傭兵たちには珍重されているという。

ガンプラ

●HG IBO
ガラン機として発売。HG IBOのMSでは初めてクリアパーツを使用したキットである。
グレイズのフレームを一部流用しているため、装甲やオプションを付け替えたりできる。
付属武器はライフル、シールドアックス。更にホバーブースターユニットも同梱される。

シャルフリヒターの再現用に、オプションセット8にはクロウシールド(ただし一個だけなので完全再現するには二個買いか部品注文が必要)、9には頭部とフロントアーマーが付属する。
放送終了後にはプレミアムバンダイでランドマン・ロディとのセットが限定発売された。こちらはちゃんとクロウシールドが2個分付属する。
頭部はそのまま付けると頭が浮いて離れた状態になるので模型誌等でも首の短縮化作例がされるケースが多いが
手軽にやりたい場合はデザイナーの海老川氏が行っている「頭部側の受けを削って高さを下げる」のがやり易い。

ゲーム

●機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2
プレイアブル機での参戦はいずれのグレイズもないが、1人用モードではCPU専用キャラで数種類登場する。
中でも特筆すべきはボス機体のグレイズ・アイン。
アニメ本編まんまの高速変態機動でプレイヤーを追い詰めてくる強敵で火力も非常に高い。特に覚醒してから掴み攻撃を食らうと一気に400近く減らされるので他の機体以上に距離に気を使う必要がある。
因みにグレイズ・アインのターゲットマークには普通あるはずのパイロット名は記載されておらず、カットイン絵も存在しない。

SDガンダムGジェネレーション クロスレイズ
初期生産機にフレック・グレイズが存在し、ここから開発を重ねる事でゲイレール(シャルフリヒター含む)や各種グレイズへと繋がる。
が、生産登録数に応じてアリアンロッド艦隊機、革命軍機、決闘仕様(クランク二尉が搭乗したマント付き)などが自動で登録されるのでフレックから作りすぎても逆に無駄になってしまう。
宇宙仕様はガエリオ用シュヴァルベを通じてキマリス系列に、革命軍機はマクギリス用シュヴァルベを通じてグリムゲルデからバエルに、決闘仕様は二代目流星号を通じて三代目(獅電)から四代目(フラウロス)に…と、いずれのグレイズも将来性が高いのでじっくり育てよう。

アーセナルベース
ゲームにおいては、敵側の機体は参戦作品全体から見てもあまり実装されない傾向があるが、本機体に連なるMSは割と参戦している。
Season01ではグレイズ、グレイズ(指揮官機)、流星号(グレイズ改弐)、シュヴァルべ・グレイズ(ガエリオとマクギリス機)。
Season03ではシュヴァルべ・グレイズ(アイン機)。
LINXTAGE02では、グレイズ・アインとグレイズ・リッター(カルタ機)が参戦。
特にグレイズアインは最高レアリティのUレアで8コストの重めのコストで登場したが、スペックは高く、更にアビリティの特攻の効果も合わせて
凄まじい数値で敵機を殴り倒す。
しかし、ただ殴り合うだけなら強力だが一気にHPを削られると弱く、同弾のルプス相手だと撃滅と戦術技で殴り合う
暇もなく一気に倒されてしまう。
なお他のダムゲー同様裏面の搭乗者は表記がなく、アインを乗せても戦術技発動時に特に専用セリフもない。



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最終更新:2024年11月20日 07:54

*1 但し強度が低いのは単純に装甲材質自体の差であり、ナノラミネート塗料には色による性能差は殆どないとされる。

*2 なので本来のグレイズ・フレームと違い阿頼耶識システムに完全対応している