SCP-006-JP

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SCP-006-JP - (2018/12/06 (木) 00:28:43) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/12/04 Tue 00:19:43
更新日:2023/12/22 Fri 20:33:20
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あの扉を開いてはならない。

SCP-006-JPは、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト (SCiP) のひとつ。日本支部に収容されているオブジェクトである。
オブジェクトクラスはEuclid。



特別収容プロトコル

SCP-006-JPは8m×9.5m×5mのコンクリートタイプの収容室中央に収容されており、直立状態に入った際の裏面側方向へと2mずらした定位置へと安置しなければならない。
SCP-006-JPを中心とした半径23m以内のエリアは特別制限エリアに指定されており、SCP-006-JPが活性化した場合に備えて、特別制限エリアへの進入は直近の活性状態終了時から26分以内に行うようにし、26分が経過した場合、特別制限エリアへの進入は禁じられることになっている。

加えて、収容室内になんと死後9日以内の遺体を少なくとも16体も常時安置していなければならない。遺体の腐敗が進行するか、SCP-006-JPの活性時に遺体同士の接触による損壊が起きた場合は、可能な限り速やかにバックアップ用の遺体と交換する必要があるとのこと。バックアップ用の遺体が無い場合は、遺体が補充できるまで代わりにDクラス職員を収容室内に常駐させ、活性時には押さえ込みに参加するよう指示が与えられる。

「活性化」といい、遺体といい、やけに不穏なプロトコルである。

説明

こいつが何かというと、木製と思われる1枚のドアである。素材となった木材の生物学的分類が判別出来ないこと以外に物質的な異常はない。財団の力を以てしても木材の分類が判別出来ない時点で問題な気がするが、まあSCPオブジェクトにはよくあることである。

SCP-006-JPは、とある目的不明の建築物の廃墟内部に存在していたらしい。先の「活性化」現象の現場に定期巡回中のエージェントが偶然その周辺に居合わせたことで、直立していた所を発見され、回収された。発見時、SCP-006-JPは3桁に上る遺体に埋もれていた。なんという地獄絵図。

SCP-006-JPの異常性は先ほどからちょくちょく言及している「活性化」である。この木製の扉は不定期的に活性化し、どのような状態からでも地面または床に対して自動的に直立する。同時に、ドアをノックしているかのような連続した音を発生させる。
SCP-006-JPが発生させる音の伝播は半径23m以内の人間全員に聞き取られ、如何なる遮断や防音、撹乱によっても阻害されない。つまり耳栓をしようが、完全防音しようが、大音量の曲を流そうが半径23m以内にいる限りは聞こえてしまうようだ。この音はSCP-006-JPの表面から発されているが、現在まで裏面側には一切の異常は確認されていない。
このノック音が開始されると、なんと半径23m以内に存在する人間の遺体が蘇生する。蘇生した遺体は肉体の損壊の度合に応じた速度と膂力で行動し、SCP-006-JPの表面に群がり、扉を押さえ付ける。この時あらゆるコミュニケーションや干渉に対して遺体は一切の反応を示さない。
SCP-006-JPが活性化してから7~16分をかけてノック音の間隔はだんだんと短くなり、やがて激しく扉を打ち付けるような音に変わり、SCP-006-JPが音の度に振動し始める。

この時、半径23m以内に生存している人間がいた場合、その人物は激しい恐怖と不安感に駆られる。こうなった人物の行動は即時の卒倒か、恐怖で逃げ出すか、遺体と共にSCP-006-JPへの押さえ込みに参加するかの3パターンに分かれるようだ。これらがミーム的効果なのか、単に恐怖に駆られての防衛反応なのかは不明。

その後、扉を打ち付ける音は約30分かけて徐々に激しくなり、木が軋む音や木が割れるような音が混ざり始め、更にSCP-006-JPが音の度に変形する。この時SCP-006-JPを押さえ付ける遺体の数が少ないと押し負けてしまい、扉が叩かれる度に遺体は後方へ押し戻されるようになる。この段階に入ると、いくつかの遺体は断続的に呻き声をあげる。ゾンビだこれ。

そこから更に7~12分が経過すると、扉を叩く音は唐突に停止。SCP-006-JPは非活性化し、直立状態は解除され、SCP-006-JPを押さえ付けていた遺体はただの遺体へと戻る。このSCP-006-JPの活性化は不定期だが、1度活性状態が終了すると、26分間は再活性化しない。

……逆に言うと、27分後にまた活性化する場合もあるという事であるが。ともあれ、万一扉が開いたら何が出て来るかわからないので、活性化の度に勝手に扉を押さえ付けてくれる遺体が必要不可欠という事で現在のプロトコルになったようだ。

補遺

さて、こいつが活性化した時23m以内に遺体があれば蘇生して押さえ付け、また生存した人間がいても押さえ付けに参加する。ならば財団としては、遺体も人間も存在しない状態で活性化が起きた場合どうなるかを確かめておかねばなるまい。ということでエリア外からカメラと音声解析装置を使用してSCP-006-JPを観察する実験が行われた。

結果、SCP-006-JPから発生するノック音は通常通りに進行し、エスカレートに伴う振動や変形等の物理的反応も通常通り確認された。しかし、活性終了の時間を過ぎてもSCP-006-JPの活性状態は継続し、ノックと軋みは更に激化。はっきりと木材が破壊される音が確認された。が、SCP-006-JPに物理的損傷は認められなかった。
破壊音から28秒後、SCP-006-JPの音の有効エリアが23mから徐々に拡大。エリア外の職員にまで影響が現れ始めたことにより即座に実験の中止が宣言され、ただちに遺体と遺体搬送役のDクラス職員によるSCP-006-JPの押さえ込みが実行された。
この時、SCP-006-JPはノックの度に28体の遺体と11名のDクラス職員全員を収容室の壁際まで吹き飛ばせる状態に入っていた。
その2分後、機動部隊3部隊の投入が承認され、彼らにより52分後にSCP-006-JPが非活性化。SCP-006-JPの音の有効範囲は最終的には半径73mにまで拡大していたと推測されている。幸い、再度の活性時には、有効範囲は23mに戻っていました。
この事案により、3名のDクラス職員が死亡。更に、SCP-006-JPの音の影響を受けた2桁ほどの職員が職務の継続が不可能となるほどの強い恐怖心とストレスに苛まれ、記憶処理による改善も見られなかった事から解雇、隔離治療が施される惨事となった。

この事案を受けてか、それまで実験のみだった遺体の安置が特別収容プロトコルに加えられ、本格的に遺体を用いた収容が実行される事となった。
だが、それについてあるエージェントが懸念を語っている。


これまで実験のために常時遺体を安置してたが、特別収容プロトコルにもその旨が入れられる事になった。だが本当にそれでいいのか? 考え過ぎだと良いんだが、死者達が儚い筋力でこぞってSCP-006-JPに向かう様は、俺には"押し込んでる"というより"縋り付いてる"ようにしか見えないんだ・・・ ──エージェント・████


――扉を叩く何者か。終わらないノック。
そして、扉に群がる死者たち。

彼らは本当に、扉を押さえ付けているのだろうか。

それとも――

SCP-006-JP

あけろ

追記・修正はノックの音が聞こえてからお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-006-JP - あけろ
by locker
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