ゾンビ

登録日:2011/08/28 Sun 10:57:03
更新日:2025/04/21 Mon 00:06:45
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やつらは何者なの?(What the hell are they?)

地獄が満員になったのさ(There's no more room in Hell)



地獄が一杯になると、(there's no more room in Hell...)

溢れた死者が地上を歩き出すんだ(When The dead will walk the Earth.)

George Andrew Romero: "Dawn of the Dead" (1978)











カチャッ…バタン

タッタッタッ







wiki籠りの日誌

May 9, 1998

ゾンビとは、死亡しているにもかかわらず動き回る、「生きた死体」のことである。

元々「ゾンビ」という言葉は、アフリカ・コンゴで信仰される「不思議な力を持つもの」という意味の「ンザンビ」という神の名前がルーツ。
その言葉が、コンゴ出身の奴隷が各地に渡る際、「ゾンビ」という言葉に、意味も「お化け」「妖怪」と変わっていったのである。
新大陸への移民達も其処から呼び名を知った。

尚、ゾンビという名前については上記の由来の通り。
だが、肝心のホラーキャラクターとしてのゾンビの核となる生き返った死者の伝説と恐怖、嫌悪は元々は白人達により欧州地域から新大陸に持ち込まれたもの。
元々は吸血鬼とルーツを同じくとしている……というか、現在の“夜の魔物”としての吸血鬼像は創作の世界の中で姿を変えていったもの。
これに対して、より民間伝承や言い伝えの中での吸血鬼の姿に近いのが現在“ゾンビ”と呼ばれているものの源流なのである。

詳細は下記に記すが、ゾンビとは“生き返る死者”というキーワードのみで、そのおぞましい怪物の通称(呼び名)として広まっただけである。
実際のアフリカ・コンゴ移民が南米でも広めた、ブードゥーの呪術で使役されるゾンビと乖離した特性を持つのはそれが理由である。

そして、1932年の映画「恐怖城」を発端に、ゾンビはホラー・ファンタジー作品における人気モンスターとして名を馳せるようになった。
この頃の「ゾンビ」は呪術師によるゾンビパウダーで仮死状態となり、埋葬後に呪術師に蘇生させられ意識のないまま使役される廃人だった。
しかしジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ(映画)からは、上記の様にブラム・ストーカー等のドラキュラ(映画)の発表以後は吸血鬼とは別の流れを汲むようになる。
因みに、使役型の人間が変身させられたゾンビは1939年に公開された最初の『バットマン』映画にも登場したりしている。

尚、ロメロの定義していたゾンビとは、主の救済の行われる前に地獄から溢れ返った者達である。*1


■架空のゾンビ


いかにしてゾンビ化するか

昔はヴードゥー教の奴隷ゾンビの作成法など、魔法や呪術によるものが一般的だった。
近年ではウィルス、寄生虫、遺伝子操作など科学的な要因でゾンビ化する、という設定が多い。
特にホラー作品において、リアリティを持たせるために疑似科学を使うものは非常にたくさんある。
また、ゾンビに噛みつかれるなどの怪我を負わされると怪我をした方もゾンビになるという設定もある。

この場合、ゾンビ化が瞬く間に広がっていき、終いには生き残った人間が追い詰められていくというサバイバルホラーなストーリーになることが多い。

ゾンビの特徴

  • 医学的にはすでに死亡している
 た、確かに死んでいたのに! 

死亡しているのに動く、この矛盾がゾンビの持つ一番の恐怖である。
大前提であり、どんなゾンビも最低限ここだけは抑えている……と言いたい所だが実はそうでもない。
広義では「何らかの疾患・魔術によって人間性を失い、動く死体のような振る舞いをするもの」もゾンビと呼ぶ。*2
事実、起源であるヴードゥ教の奴隷ゾンビ自体がそもそも死者ではないので間違いではない。
また、死んでいるタイプもいくつか種類が存在するが、昨今では疑似科学として
「ウィルスまたは寄生生物により動いてる死体」が通例化しているので、最近はそれ以外のタイプは少ない。

ちゃんと死んでるゾンビ

種類は数多くあるが、単純に言えば「支配して動かしている原因」が違うだけと思えば良い。

タイプ1:感染型死者
近年もっともオーソドックスなタイプのゾンビ。この項目のゾンビの特徴はこれをベースにしている。
増やしやすいので便利。感染する原因はウィルスだったり菌だったり、または細胞、、薬物、呪いなど割と何でもあり。
タイプ2:寄生型死者
何かが人間の死体を支配、利用しているタイプ。感染型に次いで多く、下記の憑依型と違い心霊的なものではない生物によるもの。
感染型より増殖率が低いが、寄生生物自体が高い戦闘力を有している場合が多い。人体に潜伏したり人間に擬態したりもする。
タイプ3:憑依型死者
「死霊のはらわた」「デモンズ」などに登場する、悪魔や悪霊に体を乗っ取られたタイプ。死後系では割りとメジャーで、生前から憑依される事もある。
生前憑依のものは死後に復活する他、頭部の損傷でも停止しない事が多い代わりに、原因となった呪いの解呪や聖なる物に弱い。
ファンタジーでいうマミーやスケルトン系のようなアンデッドモンスター。動きが機敏で戦闘力も高い事が多い。
特に憑依した悪魔や霊次第では超常現象を巻き起こすなど、単体でも脅威になりうる。
タイプ4:魔術型死者
上の憑依型の人為版。「キョンシー」や「フレッシュゴーレム」などがある。
死体を呪術や魔法の力で動かして特定の役目を与えられている事が多い。その為、手当たり次第に人を襲うとは限らない。
また、使役目的ではなく魔法や呪術で蘇生させようとしてこうなる場合も多い。その際は普通のゾンビか、自我を持ったまま体は死人という状態になる。
タイプ5:機械型死者
脳味噌、またはそれ以上を機械に置き換えられたタイプ。要するにサイボーグの逆。古いSFホラーでは散見されたが、近年では滅多に見ない。
人造人間との違いは主に無自我で無機質、主従関係でしか動かない所。人間を演じており、防腐処理により腐食などもしない場合が多い。
その形態故、本能などは存在しない為、命令以外で人間を襲うことはほぼないし、感染などで勝手に増える事もない。
タイプ6:召喚型死者
魔術型の亜種で、死者を地獄から召喚したもの。
召喚というシステムの関係上ファンタジー系に多いが、「ゾンビ屋れい子」や「デッドマキシマム」などバトル物にも採用される。
地獄から召喚するだけあって特殊能力をもった超越的存在である事が多い。基本的に召喚士に従属するが、意図した召喚でないと敵になる。
タイプ7:不滅型死者
むしろ「バタリアン系」とでも言うべきある意味例外中の例外。
一応感染系ではあるが何をしても滅ぼせない。脳どころか肉片だけでも動けるほぼ無敵で不死身の存在。
基本的に生前から記憶や知能レベルが変わっていないのが厄介。(例外的に凶暴化したような奴も居るが混乱状態なのかもしれない。)
「不死者」との違いは(未確認だが)再生能力がない所。バラバラにさえできれば蠢きはすれど無力化はできる。
不滅に一応理由付けがあるタイプだと星新一のショートショート「骨」((単行本『さまざまな迷路』収録))に登場する男の、
「死ぬと思うから死ぬ、自分は修行で自分が絶対死なないと考えるようになったから死なない。」という気合で解決というのがあった。
(再生能力は持てなかったらしく、自分から殺されるように仕向けた後「体が腐ってきたからミイラにしてくれ」と頼み込んでくる場面がある。)
タイプ8:ギャグ型死者
萌えマンガやギャグマンガ補正を受けたゾンビ(のような存在)。
「もう死んでるからバラバラになっても死なない」、「腐臭や食人衝動らしきものもちらつくが意識も生前と全く変化ない」などが特徴。
ご都合主義の塊で出来ている為、後出し設定と矛盾の宝庫で基本的にやりたい放題なタイプ。ある意味「バタリアン」における不滅型死者もこれに含まれる。
タイプ9:不明型死者
ロメロゾンビに代表される、『ゾンビ化原因が一切不明』というタイプ。科学かオカルトかすら不明。
基本特性は感染型に酷似するが、ロメロゾンビはゾンビに噛まれたりしなくても、死ねば何故かゾンビになってしまう。
ただ、たまに設定を深く考えるのを放棄して不明にしてしまっている作品などもある。

死んでないゾンビ

死んでいないタイプは「感染者」タイプ、「寄生型」タイプ、「洗脳型」タイプなどが挙げられる。
死んでいるタイプより元ネタとなる例が実在する為、よりリアリティのある設定に用いられる事が多い。
タイプ10:感染者
28週後…』など。自我を失い襲ってくるが、不死性がなく脆い。反面、走ったりでき一定の知性が残っている事も多い。
むしろ感染以前より身体能力が向上している事もある。狂牛病や狂犬病、バキュロウイルスなどが元ネタ。
死んでいないタイプの八割はこれと言っても過言ではないぐらい多い。『バイオ』のゾンビもこれ。
タイプ11:寄生型生者
バイオ4の『プラーガ』など、寄生はされているが宿主が死んでいないタイプ。創作では意外と少ない。
ロイコクロリディウムやハリガネムシ、エメラルドゴキブリバチにタイワンアリタケなど現実には数多く存在する。
タイプ12:洗脳型生者
催眠術や薬物を用いて自我を奪われゾンビと化している。死んでないし二次感染もしない。ヴードゥー教の奴隷ゾンビもこれにあたる。
ようするに廃人でありこれが元祖ゾンビなのだが、ロメロゾンビが流行ってからはほとんど見かける事はなくなった。
様々な要因で「ゾンビのような状態」で生活している現代人にも当てはまる……のかもしれない。
タイプ13:改造人間
脳改造した人間を従属させる。死んではいないが生きているだけで、自我はなく魔術型や機械型と同じ存在。ロボトミー手術が元ネタ。
ナチゾンビや仮面ライダーショッカーライダーなど、悪の組織が手っ取り早く尖兵を増やす時に作る。大体殺してやるしか解放する方法はない。
二次感染しない上に知能も戦闘能力も高いので、扱いやすく非常に重宝するが、たまに自我を取り戻す場合もある。
タイプ番外:社会的死者
禁断の呪文により社会的に抹殺されたが、身体的には死亡していない人。カワイソス。

『死んでいないタイプ』に憑依型魔術型がいないが、そもそも生きてる人間を操る魔法霊によるものをゾンビとは呼ばない。

『死んでいるタイプ』はもちろん生命活動はしていないので、怪我をしても自然治癒力がないので治る事はない。(但し何故か出血は止まる)
加えて劣悪な環境である事が多く腐乱しやすい…もしくは既に腐乱しているケースも多い。腐敗が進行しない極寒冷地でも大体腐敗している。
さっき死んだばかりのはずの新鮮なゾンビ(?)でも、何故か服まで経年劣化した様にグズグズのズダズダな場合もある。
映画やマンガなどでも、シーンが変わっただけで腐敗してボロボロになっているケースも少なくない。
だが殆どの場合、腐り切って微生物に分解されたり、腐食生物の侵食で滅びたりはせず、必ず人型を保っている。
中にはTRPGの『GURPS』等、「年月が経つと肉も腐り切ってスケルトンと化す」とされている作品もあるが。

また、視覚については何故か目が無い状態でも人間を視覚で察知可能なことが多いが、判断力がないせいか見失うことも多い。
嗅覚・聴覚などはあまり無いか人間と大差ないなど優れていないこともあるが、逆に血や生者の臭いや物音だけを頼りに人間を探す者もいる。
痛覚は基本的には無いとされるのだが、触覚はあるらしく攻撃に反応したり色々したりする。何だか意外と複雑である。
人間の高度な情報処理能力をどこまで原始的な機能に退化させるかというのが、ゾンビのデザインの肝なのかもしれない。
死んでいないタイプは原因を取り除けば元の人間に戻せる可能性があり、その辺が人類存続の活路や仲間を助けられる希望として描かれる事が多い。



  • 知能が低下している
 どうやら連中、ハシゴは登れないようだ 

思考を司る脳が損壊している場合が多いため、あるいは魂=理性が存在しないためか、知性や知能が存在しない。
喋ることが出来ず動きが鈍かったり、簡単な罠に掛かったり、道具が使えなかったりする。ドアノブも回せない。
またハシゴなどの使い方が分からないのか登れなかったり、川やでは泳げないので沈むか流されたりする。
それどころか物を手に取ることすらできない事が多い。但し生前握ってた物はなかなか手放さない。
多くの作品では動きが遅い傾向にあるが、これは主に死後硬直により関節部の動きが悪くなっているせい。
なのに何故か二足歩行に拘りがあるのか、立ってから動こうとする傾向にある。そのせいで余計に遅い。
このような特徴からゾンビは雑魚キャラ扱いされることが多いが、作品によっては道具を持ってアグレッシブに襲ってくる者もいる。
近年増えてきた「萌えゾンビ系」の美少女モノなどでは、知能や意識が生前のままの物も多い。但しゾンビの食人欲などは見え隠れする。
また、寄生型タイプの場合は寄生した生物に知性があれば知能が低下しない傾向がある。(寄生獣物体Xなど)
機械型死者の場合も、インストールされた人工知能次第でロボット同様の働きをすることができる。

ちなみに開祖であるロメロの「ゾンビ」ではを嫌がる習性がある。(本能的な忌避で反応するらしい)
また、ロメロゾンビはハシゴも普通に登れるし、それどころか石や鈍器を拾って振り回す程度のことはできたりする。
痛覚がなく理性による抑制がないので、怪力として描かれることが多い。但し、代償として肉体の破損も起こりうる。(ZQNなど)


  • 大抵は頭部が急所、弱点は火か電気
 頭を狙うの、常識でしょう? 

主な弱点は頭…より具体的に言えば脳味噌であり、中枢神経系を構成する重要な部位が集まる脳幹。
前二つと矛盾しているように思えるが、肉体の生死にかかわらず大体のゾンビに当てはまる。
ただし肉体を動かしているものが脳に依存しない憑依型魔術型召喚型死者は例外になりやすい。
基本的にはお約束としてスルーされるが、場合によっては説明がある場合もある。(例:『ジョジョの奇妙な冒険』*3
逆に弱点が頭部じゃないケースは例外的な扱いなので、キチンと説明が入る場合が多い。
そして物語の登場人物は何故かこれが判明するまでヘッドショットを避けるかのように狙わない事が多い。
この条件を満たしているゾンビは切断された頭部だけでも活動したりするので、油断していると死亡フラグ
完全に停止させるには、頭部や背骨などのゾンビにとっての急所を破壊するか、燃やし尽くす必要がある。
但し人間の体に寄生するタイプの場合、宿主となっている人体の方が弱点になる場合もある。
また、腐敗と死後硬直などで脆くなっているのか、バットのフルスイングなどで殴られた頭部が吹っ飛んだりもする。*4

頭部を破壊しなくても全身を燃やす事で炭化させれば、筋肉が凝固し収縮しなくなるので物理的に動けなくする事も可能。
菌やウィルスが原因なら熱消毒による感染防止にもなるので汚物は消毒だ~!!だが、バタリアン辺りは灰にしない限り動く。
さらにトンデモないのだと星新一の「骨」には、最初は普通のゾンビだが小屋ごと焼かれて骨になっても追いかけてくるというのもいる。
もっともこういうのは本当にレアケースではあるが。

炭化してしまえば特例条件がない限りはまず確実に滅ぼす事ができるので、大量のゾンビには火炎放射が有効な範囲攻撃となる。
また、体を動かす神経は人間の物を流用している事もあり、電撃もかなり有効な場合が多い。特にバタリアンゾンビは唯一の弱点。
寒冷地などではそのまま氷漬けになったりもするが、そういう場合は大抵解凍すると再活動を始める。
更にある程度まで腐食が進むとそれ以上は腐らなくなる事が多い為、自然に風化・劣化などで倒すことはまず不可能。
原動力も不明な事が多く、エネルギー切れや餓死などで滅んだりもしないことが多い。


  • 体液混入などにより、怪我を負わせた相手もゾンビ化させる
 ゾンビといえば、増殖能力が付き物だろう? 

先述したが、これも特徴のひとつ。こうなると、ゾンビはねずみ算にふえていくことになる。同じ土着信仰をルーツとする吸血鬼を思わせる特徴である。
ロメロのゾンビ映画により、ホラーとして秀逸な要素である事が証明されこの設定が定着化していき、キョンシーなどにも採用された。
昨今ではデフォルト設定のようなものになっており、わざわざ感染しない説明がない限り原因がなんだろうがゾンビ化する。
前述のタイプ9:不明型死者の、「ゾンビ自身に感染能力が無くても、とにかく範囲内で死ぬとゾンビになる」という設定も
項目冒頭の通り、ロメロゾンビも元々は「地獄に逝き場がなくなり、この世に戻ってきてしまう」という世界のため。
生きたまま喰い殺される恐怖に加え、死んだらゾンビになるという事が、ただ死ぬよりもさらにおぞましい絶望として生存者を追い詰めるのである。
その為、もう助からないと確信した者はゾンビになりたくない一心で、自ら頭を撃ち抜き自殺をはかる事も多い。
同様の理由からゾンビ化する事が分かった相手を人間のうちに一思いに殺してやるのも、群像劇の中での登場人物達の葛藤を垣間見る事になる。
作品によってはゾンビ化防止ワクチンなどが用意される事もあり、舞台装置として大きなキーアイテムになる事が多い。
ちなみに体内に混入した体液を排除したり、全身に回る前に怪我の箇所ごと体を切断してゾンビ化を防ぐといったケースも散見される。


  • とにかく人間を襲い、そして食べようとする

お約束として大体理由はスルーされるが、これと前述の性質が組み合わさって感染拡大を招く。
食欲か使命感かは分からないが、人間を襲うことにかけてはとことん情熱的でひたむきな様子を見せる。
不思議なことにゾンビ同士での共食いはやらないか、優先順序が極めて低いことが多い。
作品によっては人を襲う理由が捕食じゃないこともあるが、何かしらの理由で襲ってくることには変わりない。
これらの性質によって基本的に明確な人類の敵として描かれる。場合によっては食性を理性で抑えつける者もいる。
特に純粋にエネルギーとして捕食するタイプは、食べなければそのまま活動停止してくれる場合もある。

逆にこの部分さえ解消できれば前述の全ての問題がなくなる為、そういうゾンビは労働力として重宝される。
これはいわばヴードゥー教の奴隷ゾンビへの先祖返りであり、こうなると人類との共存共栄の道が出てくる。
動物の肉を食べるか食べないかは作品次第であるが、生きた人間がいたら基本的に優先して人間を襲う。
ちなみにバタリアンゾンビは脳しか食べないが、これはゾンビは体中に激痛が走っているが、生きてる人間の脳を食べると痛みが和らぐから。


その他の特徴
  • 血ではない謎の体液を流す
稀なケースとして、攻撃の手段、もしくは発作的な症状で謎の液体を吐き出してくることもある。
ウイルス感染によるゾンビ化が起こる作品なら感染する要因になるので相当危ない。傷を負うと緑や紫の血とは思えない液体が出る者も多い。
感染源以外にも何がどうなったのか、浴びたものをたちまち溶かす強酸性の溶解液のようなものを放つ場合もある。
何で吐く前の体が溶けないのかは永遠の謎だろう。
液体を吐瀉する以外にも、体そのものから謎の微粒子を放出している場合もあり、これもやはり感染源になる。

  • ずっと活動を続ける無限エネルギー
普通、生き物だけに限らず動く為にはエネルギーが必要になる。運動エネルギーがない限り、絶対に物体は動かない。
これは物理法則の基本にして原則だが、多くのゾンビは何故か何も食べられない、水も飲まない状態でも活動できる。
更に腐食しているにもかかわらず、腐肉食生物に食い尽くされることも、腐食が進んで土に還ることもない。劣化はするけど滅びない。
蛆が涌いたりするが、それが死肉を食らい尽くすことはまずない。どこからエネルギーを得て、どうやって保湿状態を維持しているのかは永遠の謎だろう。
そもそも遺体は数ヶ月もすれば、湿気の多い日本ならバターのように溶け、乾いた土地なら干からびてしまう。眼球などはすぐ萎み落ちる。
特にゾンビは水をゴクゴク飲んだりして水分を摂取しようとしないのにカラカラに乾かないのは、ゾンビ化するより不思議な話だがつっこんではいけない。
最近ではようやく時間経過で風化する設定を盛り込んだ作品もちらほら。

ゾンビを題材にした作品

20世紀に誕生したゾンビという分野は、B級サブカルのホラー映画かゲームのザコぐらいしか認知されず、映画オタクのカルト趣味のような不遇な扱いを長らく受けてきた。
しかし「バイオハザードシリーズ」の大ヒットを受け、21世紀を迎えた昨今では世間一般に浸透し、映画、漫画、ゲームを問わず人気のあるジャンルとなった。

映画・ドラマ

『ベラ・ルゴシのホワイト・ゾンビ』という邦題もある1932年にアメリカで製作された映画。ゾンビをテーマとしたホラー映画の元祖。
これにより「ヴードゥー教の奴隷ゾンビの実話」が世間に取り沙汰されたが、作品のヒットには至らなかった。
何かの方法で廃人にした人間なので、人間を襲ったりはしない。


  • 怪奇 江戸川乱山(1937)
    <タイプ:魔術型死者
日本におけるゾンビ映画の草分け。流石に江戸時代が舞台のため作中でゾンビと呼称されてはいないが、死した侍が魔術とも呪術ともつかぬ形で動く死体となって蘇る。
日本の復讐譚の流れを汲んでいるからか、関係のない人間を襲ったりはせず、同心に撃たれても斬られても反撃はしていない。


  • 私はゾンビと歩いた!(1943)
    <タイプ:魔術型死者
原題そのまま"I WALKED WITH A ZOMBIE"。
ちゃんと死んでいるゾンビの映画としては恐らくこれが初。『ブードゥリアン』とかいう邦題をつけられたこともある。
ある人物が怨みを抱きヴードゥー教のに祈ったことで、怨まれた相手がゾンビ化してしまったという話。
ゾンビ化するとずんずんと歩くだけで心は無く、で刺しても血も出ない。人は襲わないただ悲しいだけの存在。


ゾンビを語る上で絶対に外す事はできない原点にして元祖エンターテイメントゾンビ。
1968年公開の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』から続く、ジョージ・A・ロメロによるゾンビ映画シリーズ。
詳細な設定や作品一覧はこちらのページを参照。


上記ロメロの映画2作目『ゾンビ』のパラレルワールドとして作られた作品。トライオキシン245という物質により死体がゾンビ化する。
本家の真逆を目指したもので、上述の「ゾンビと言えば」のお約束を真っ向無視というスタイルを取った怪作でコメディの要素もある。
本作のゾンビは「意識があって普通にしゃべる」「走る」「感染しない」、そして何より『細切れになろうと死なない』
脳などなくても腕一本でも勝手に動く。焼却炉で完全に灰にしてやっと倒せるが、それをすると…?
人を襲う理由は、死の苦痛から逃れるために生きた人間の脳(の麻薬物質)を求めているため。
増えるのに感染しないというのは矛盾しているように見えるが、これはゾンビ自体が感染源ではないという意味。
保存容器から流出したトライオキシン245に感染して死ぬと、ゾンビからの傷の有無に関わらずバタリアンになる。
但し感染後は脳が無くても動くくせに、死亡時に脳が無事でないとバタリアンにはならない。


  • サンゲリア(映画)
    <タイプ:不明型死者
1979年のイタリア・アメリカ合作映画でルチオ・フルチ監督のゾンビホラー映画。
勝手に『Zombi 2』という題名で作られたが、もちろんゾンビ(映画)の続編じゃない。
フルチのグロテスク描写の技術力を如何なく発揮し、とんでもなくグロテスクなゾンビが多数登場する。特に腐乱ゾンビ。
ゾンビ化の原因が不明で、ヴードゥー教の呪いのような描写もあれば、噛まれて感染したり、数百年前の死体が蘇ったりもする。
但しロメロゾンビと違い、死んだら自動的にゾンビになるわけではない。まあ要するに初期モノに多い定義がブレブレというやつである。


  • 死霊のはらわた(映画)
    <タイプ:憑依型死者
サム・ライミ監督の長編デビュー作。80年代のスプラッターブームを発生させた作品と呼ばれるカルト映画。
今では珍しくなった憑依型ゾンビの元祖で、悪霊に体を乗っ取られた事で人間に襲い掛かり、死後もゾンビ化して蘇る。
死者の書と復活の呪文が録音されたテープレコーダーで死霊の森に封じられた悪霊を呼び出すので、召喚型とも言えなくもない。
また、死者の書は一作目では「ナチュラル・デ・モント」という本だったが、2からクトゥルフ神話でおなじみの「ネクロノミコン」の本になった。


  • ナイトメア・シティ
    <タイプ:感染者
1980年公開のイタリア・スペイン合作のカルトホラー映画。
『バタリアン』より5年早く、初めて全力で走るゾンビを描いた作品と言われている。
…いや、そもそも走るどころか武器も使うし車も運転するし人間のフリして軍隊を騙すしで好き放題。
特殊な放射能によって汚染され怪物化した感染者で、感染から間もない者は普通の人間と全く見分けがつかないという。
上記のように知恵は人間同様、放射線の影響で身体能力が超人並に跳ね上がっているが、体組織自体は壊れていき人間の血肉でそれを補う。
ゾンビのメイクが滅茶苦茶雑なことでも有名。ちなみに銃撃にちょっとだけ耐えるが普通に死ぬ。


  • 霊幻道士シリーズ
    <タイプ:憑依型死者魔術型死者
キョンシーで有名なアクションホラーコメディ。地味に人気のシリーズで2018年まで新作が作られている。
キョンシーとは恨みや憎しみ、または風水的に間違って弔われた死者が蘇ったもの。そのほか、符呪師や道士の符呪や儀式により使役する事もできる。
視力がない代わりに吐く息を嗅覚で察知するので、隠れる際は息を止めなければ見つかってしまう。
死後硬直が進んでいるので体が硬く、関節がこわばっているのが特徴。映画などでは手を前に出した直立姿勢でピョンピョン跳ねて移動する。
また、ゾンビにインスパイアされたのか本来なかった噛まれると感染してキョンシーになってしまう設定も付与された。
ちなみに弱点はと日光。銃や剣も効かず、ゾンビと同じ使役される下級アンデッドとしてはかなりの戦闘力を誇る。


  • パラダイム
    <タイプ:憑依型死者
ジョン・カーペンター監督作のホラー映画。「黙示録三部作」の二作目と言われている。
ある司祭が廃墟になった教会で緑色の液体が入った棺を発見するが、それが700年前に封印された悪魔だと発覚する。
この緑色の液体が体内に入ることによって感染するのだが、実は浴びていない浮浪者や虫なども悪魔に憑りつかれ操られている。
尚、死後緑色の液体によりゾンビ化して蘇った者は、ほぼ止まっているかの如く棒立ちで非感染者を睨み付けるだけで襲ってきたりはしない。


2007年とあまり古くない年代には珍しい憑依型ゾンビ(悪魔憑き)が出る。聖水、十字架、神父の詠唱などに弱い。
憑依されるとかなり強くなり、また憑依タイプなのに感染者の側面も持ち、噛まれると伝染する。
但し噛むだけで食べようとはせず、感染はしても死には至らない。感染後に致命傷を負った場合のみ憑依型死者に変化する。
理由は不明だが、最初に通報されて駆けつけた警官と消防士を噛み殺した半裸の老女は特に強い。


例でも出しているように、感染してゾンビのようになった生きている人間が登場する。不死性はないが走る。
恐ろしいのはその感染率と発症時間で、ほんの一滴でも体内に入れば感染、感染から発症まで約20秒という史上最速の早さ
それ故、感染したと分かったら何の躊躇もなく殺さねばならない。攻撃されると怯むが、感染した者の身体能力はやや上がる。
ただし耐久力は常人と変わらないので出血多量でも死亡するし、飲食もしないのでそのうち餓死する。


前述した『ゾンビ』のリメイク作品。こちらも原因は不明だが、感染型であり死んだだけではゾンビにはならない。
ファンからは賛否両論の『走るゾンビ』であり、木製のドアや車のフロントガラスを拳で平然と叩き割るなどかなり強い。
タフさもとんでもなく、拳銃程度では怯みもしないし、その上動物程度の知能まで持っている為、銃火器で武装しても侮れない。
全力疾走で追ってくるその様はまさに恐怖。但し足の速さは生前と大差ないので、車などで振り切れる。


爆発的大ヒットした海外ドラマ。通称TWD、アメリカを舞台にしたゾンビアポカリプス物。
ゾンビとしてはオーソドックスなクラシックタイプで、シカやウシなどの動物の生肉も欲する。
ゾンビという概念が存在しない世界なのか、なぜか「ゾンビ」という呼称を頑なに使わない。
(例:ウォーカー、バイター、感染者、腐れ人、ローマー、グーラーなど)
また、感染型死者であると同時に全人類がすでに感染者でもあり、噛まれなくても死ぬとゾンビになる。
そういう意味ではロメロゾンビを正しく踏襲しているが、一応ウィルスが原因である事は判明している。
珍しく腐敗分解が進行するタイプで、動けなくなるとやがて黴や苔が生えるなどして次第に土に帰っていく。


  • Zネーション
    <タイプ:感染型死者
上述の「ウォーキングデッド」の大成功を受けて作られた二匹目のどじょう狙いの二番煎じ海外ゾンビドラマ。
ゾンビに噛まれてもゾンビ化しなかった唯一の男からワクチンを開発して人類を救う為、アメリカ横断の旅をする。
一話完結式のB級ゾンビ物でほとんどコメディと言っていい。尚、新鮮なゾンビは走る。
ちなみにキーパーソンの男はゾンビ化していないというより、半分ゾンビで半分人間の状態で半分不死身。ゾンビを操ることができる。
ファイナルシーズンでは死んでるけど変異せず、普通に話すことができる新種ゾンビ「トーカー」が登場する。*5


和製ゾンビアポカリプス漫画のヒット作。
「ZQN」と呼ばれる「走る」「喋る」「常軌を逸した戦闘力」というバタリアンクラスのゾンビが発生する。
棒なし走り高跳びでショッピングモールの屋上までジャンプしたり、果ては集合体になり巨大な人型になったりと好き放題。
実写映画版は所謂漫画原作ものの中でも近年稀にみる良作に仕上がっているが、肝心の原作マンガの方は…Amazonで最終巻のレビューを見るといい。
気になるならレンタルかマンガ喫茶で読むことをお勧めする。


同名の有名ホラーアクションゲームの映画版。
とはいえ登場キャラに名残がある程度でストーリーも設定も展開も全く別物なので、これはこれで別物として楽しめる。
バイオハザードⅡ アポカリプスでは本編ではまず登場しない子供ゾンビやストリッパーゾンビも出る。
また、一切のエネルギーを必要とせず10年以上行動ができるなど、かなりのご都合主義の塊となっているが、
本家の方でもゾンビ以外のクリーチャーにはそういうのがしばしばいるので気にしてはいけない。


1951年の『遊星よりの物体X』のリメイクで、『人間の体を乗っ取るクリーチャー』が登場する。
同化した相手の記憶、知識、身体構造を完全にコピーして真似するので分かりにくいが、寄生型ゾンビの一種。
ただし最終的に完全に同化すると元の体は失われ、それをベースにしたクリーチャーと化す。
潜伏した生物を徐々に浸食しつつ、宿主を殺して操り成り代わり、新たな生物を探し寄生して増えていく。
寄生生物自体は知能が高い上に非常に生命力が強く、完全に殺すには細胞の一片まで焼き尽くすしかない。
最終的にゾンビではなく全身が寄生生物そのものになる(人間だった部分は融合して食われる)という、ちょっと珍しいタイプ。



マンガ・アニメ・小説

マンガやアニメではオーソドックスなゾンビよりも、より実験的なタイプのゾンビが多い。映画なとど比べ制作費が安いからできるとも言える。
また、何をやっても死なないという特性がギャグとの相性が良く、ギャグ型死者が重宝されている。

  • 魔界ゾンべえ
    <タイプ:ギャグ型死者
月刊コロコロコミックにて1986年に掲載された玉井たけしによるゾンビコメディ。同氏は後に霊幻キョンべえというキョンシー物も描いている。
購買層の小学生にはショッキングすぎるグロテスク描写をギャグでやり切っている怪作。当然PTAや保護者からクレームが相次いだ。


  • ゾンビ屋れい子
    <タイプ:召喚型死者
本作は昔ながらのシャーマニズム系ゾンビ。「ゾンビ召喚術」という呪文により地獄から死者をゾンビとして甦らせる。
但し蘇らせられるのは基本一人一体で、ゾンビが生前持っていた特性を活かしたスタンドバトルに近いバトル漫画。
また、れい子は主従関係に無い単なる死体でも呪文さえ唱えればその場でゾンビ化させる事が可能。(但し無差別に復活する)


改造ゾンビという脳改造まで施された機械型ゾンビの同級生達を巨乳スケバン中学生がチェーンソーで立ち向かう。
体のほとんどを機械化しており、生前の記憶や性格を残してはいるが脳改造により創造主に忠実…のはずだが割と自由意思。
人造人間に近い機械式のため、感染型や寄生型とは違い創造主に手術を受けない限りゾンビ化はしない。


  • 黒鷺死体宅配便
    <タイプ:魔術型死者召喚型死者
死体をゾンビ化して一時的に動かせる能力を持った主人公が、死体達の声を聞き事件を解決していく社会風刺色の強いマンガ。
死体に触るとその死体の声(残留思念)が聞こえ、自身に憑く謎の霊「やいち」の力を借用して死体を動かせる。
生前の魂を召喚している場合もあれば、単にうごめくゾンビとして復活させたりもする。


寄生生物パラサイトに寄生された人間は頭を喰われ、パラサイトに乗っ取られる。バイオ4のプラーガの元ネタとも言える存在。
寄生型タイプとしては「遊星からの物体X」のクリーチャーとよく似ているが、こちらは意思疎通ができ、頭部以外に侵食はしない。
但し首から上を完全に挿げ替えているので、寄生前の宿主の人格はない。加えてパラサイトは共通して冷徹かつ人間を滅ぼすことを目的としている。
このため悪意を持った怪物が友人知人に成り済まして人間社会に潜伏しているという、ある意味ゾンビ以上に恐ろしい存在。
また、頭部(寄生体)は意のままに変形できるので、簡単に別人に成りすましたり、鉄並の硬度にして人体を容易く輪切りにできる。
生命活動の主軸を人間のボディの方から享受している為、人体が致命傷を負うと死んでしまう。劇物にも弱い。
更に生殖活動ができず一代限り(人間の肉体で性行為をしても生まれるのは人間の赤ん坊)なので増える事もない。
頑張れば140歳ぐらいまで生きれるようだが、逆に言えば150年後には勝手に絶滅しているという事である。


  • バイバイ人類
    <タイプ:寄生型生者
「奴ら」と呼ばれる謎の存在。襲われた人間は数分で体を乗っ取られてしまう。乗っ取られた後は他の人間も「奴ら」にすべく人間社会に溶け込んで襲う。
「奴ら」だけにしか解らない言語も話し、走る速度は時速30キロ以上と身体能力が極めて高いが、不死性はない。普段は巧妙に人間に化ける。
また、自分達の存在が公けに知られる事を避け、ターゲット以外の目撃者がいるような場所では襲ってこないなど狡猾。
知性まで乗っ取られているが既寄生者の血液から作った血清で元に戻すことができる。「奴ら」の正体は人類の進化系(自称)。


壊れた世界を直視できず精神崩壊&幼児退行した挙句、目の前から「いなくなった」先生の幻影と普通に話すようになった
天然少女をメインにした、ガールズスカウトゾンビサバイバル漫画。
ある意味「ゾンビだらけの世界における人間の精神疲労」を忠実に描いた作品とも言える。ゾンビ自体はオーソドックス。


亡くなった少女達がゾンビとして蘇生されそのままアイドル活動をするという変わり種のアニメ。ゾンビィじゃろがい!という意見はスルーします
彼女らを蘇らせた巽幸太郎「ゾンビ映画みたいな感じ」と物凄くフワッとした説明しかしていない
そのため具体的にどういうタイプのゾンビなのかは不明だが、実際の人物を人為的に蘇生させた存在である事は確か。
主人公達は生前と同じ自我を持っているため、たえを除けば基本的に人に噛み付いたりはしないのだが、些細な事で頭が取れたり体がバラバラになる。
正体がバレるとゾンビ映画のごとく迫害されかねないため、いかにゾンビであることを隠すかというのが話のキモの一つになっている。
また、彼女らとは別に「ロメロ」という犬のゾンビも存在している…
…が、こいつに関しては正直主人公達以上によくわからない。とりあえず肉(とゲソ)食。

謎の秘薬でゾンビとして蘇生した少女との触れ合いを描いた漫画。早い話がゾンビと恋をする漫画である。
ラブコメ漫画としながらもゾンビとしての性質をきちんと描いており、ギャグ型のようなご都合主義はない。
愛しのヒロインが傷を糸で縫って修復し、防腐処理を施すシーンは多分他では見られない。
だが腐敗に伴ってヒロインの言動にも徐々にゾンビ染みたものが増えていき……。


フランケンシュタインの怪物のような屍体蘇生術が普及した19世紀の世界を舞台とするスチームパンクSF
人間の遺体に「ネクロウェア」というソフトウェアを挿入することで人為的に蘇らされたゾンビ「屍者」が登場する。
「屍者」は作中において「劣化版・フランケンシュタインの怪物」的存在の労働力。
ネクロウェアの設定を弄れば誰でも好きなように動かせるが、逆に命令した通りにしか動かないロボット同然の存在である。
人間が本来持ちうる「21gの魂」が抜けた死体に擬似霊素を入れて擬似的に生かしているに過ぎないので、生前の人格が戻ってくることもない。
そんな彼らを真の意味で蘇らせ、生前の人格を取り戻す手法を見つけることが本作の目的となる。

性質上こいつらに噛み付かれてもゾンビ化はしないし、そもそも理由がなければ人を襲うこともない。
が、誰でも自由に操れるということは悪意ある人間が操ることもあるということ。
用は使う人次第ということで、人を殺すよう調整され、人に襲いかかる個体ももちろん存在する。
作中でもたびたび登場する、腹の中に爆弾を仕込み、ターゲットを見かけると人混みに紛れて駆け寄り自爆する暗殺用屍者という悪意を感じさせるゾンビは本作の象徴である。

人間の死体さえあればローコストで量産できるため需要は大きく、作中世界の産業は労働力として起用された彼ら「屍者」によって支えられており、兵士なんかもこれで賄われている。
あんまり利用価値が高いので、作中世界にはわざわざ墓を掘り返して死体を盗んでいく闇業者まで存在するらしい。


  • マーベル・ゾンビーズ
    <タイプ:感染型死者
マーベルのスーパーヒーロー達が主役も敵もゾンビとして描かれているトンデモコミック。
ゾンビ化したヒーローが全人類を喰い尽くし、ギャラクタスが地球まで喰おうとしたので他のヒーローが喰い殺した。
そしてより多くの食糧源(他の生命体)を捜し求めるために宇宙へと旅を始める。喰う為に。


  • Z ~ゼット~
    <タイプ:感染不滅型死者
「かってにシロクマ」で有名なギャグ漫画家の相原コージによるゾンビ漫画。ゾンビがバタリアンのような珍しい不滅型。
一話完結式で雑誌の方針からか性的なネタばかり描かれている為、趣味が分かれる作品。


  • 就職難‼︎ ゾンビ取りガール
    <タイプ:感染型死者
ゾンビが脅威ではなく「迷惑な存在」程度に扱われている世界で、零細ゾンビ回収会社で働く社員を描いた漫画。
この作品のゾンビは暴れる酔っ払い程度の存在なのだが、極まれにとんでもない戦闘力のゾンビが発生したりする。


  • アポカリプスの砦
    <タイプ:感染者
この作品のゾンビは感染型生者だが脳破壊以外ならどんなダメージでも耐え、ゴリラ並の怪力を持つ。但し機敏性はない。
生前の生活習慣を繰り返すなど、「アイアムアヒーロー」のZQNに近い。ボコールという変異種がいる。


  • インフェクション(漫画)
    <タイプ:寄生型死者/:感染型死者
「保菌者」と呼ばれる、蛆のような小さな生物に体の中を埋め尽くされて死んだ寄生型ゾンビ。身体能力は生前のまま。
物語が進行していき、新たに「感染者」と呼ばれるタイプも出現していく。内容はとにかくエログロ。


  • シカバネ☆チェリー
    <タイプ:ギャグ型死者
超強力細胞活性化液という薬を一気飲みし、その状態で死んだ為に肉体は新鮮だが心臓は停止したゾンビになった主人公の話。
すでに死んでいるが何の問題もなく日常生活が送れる他、どんな傷を負っても死なずに復活する。但し薬の効果は永続せず、効果が切れると死ぬ。


  • 異骸-THE PLAY DEAD/ALIVE
    <タイプ:感染者特殊ケース「周期的に人間に戻る」
突然高校の中で人が人を食い殺そうとする事件が発生するというよくあるゾンビパニックホラー…だが、ゾンビがかなり特殊。
感染型だが一定時間が経つと正気に戻る。しかしまた一定時間が経つとゾンビになる。感染時の時間差は関係なく、一斉に正気を失い食人行動を起こす。
この為、正気に戻ったとしても非感染者による感染者差別が起きる事になり、同時に感染者自身が意図的に自主隔離をしたりする。
また、意識は元に戻るが生命活動は行われていないような描写があり、痛覚はあるが本来なら致命傷の怪我でも平然と行動できる。
但し内臓のほとんどを食い荒らされたり、脳を撃ち抜かれたりした者は、そのまま死亡する。


  • ビンゾー
    <タイプ:感染型死者特殊ケース「肉体だけゾンビ」
主人公が早々にゾンビになるが、意思を保ったまま人も襲わない体だけゾンビと化す。ゾンビなのでゾンビに襲われない。
但し肉体がゾンビなので、喋れない、走れない、まともに体が動かないなど「ゾンビのデメリット」が付きまとう。
肉体的には生命活動はしていない。ゾンビ側の視点で描かれているという点では、映画「ゾンビヘッズ」や「ウォームボディーズ」にも近い。
尚、主人公ともう一人以外のゾンビは普通のオーソドックスな感染型ゾンビ。


  • かくう生物のラブソング
    <タイプ:不明型死者
被災地が舞台のゾンビ日常系漫画。第二次関東大震災が発生し、多数の死者を出し復興はこれからという所に今度は謎の巨大隕石が落下。
但し隕石が原因でゾンビになって、みんな“帰還”したから死者数ゼロ。ゾンビではあるが変わらぬ日常生活を送れるが、偏見と差別に苦しまされる。
原因は隕石の「何か」が人間の死体に反応して侵入する事で、身体機能を回復させて魂までも復元される。(但し体温や脈拍はない)
見た目が生前と全く変わらない者もいれば、目が飛び出たり胃が口から飛び出すような者もいて、回復深度には個人差が大きい。


小林泰三氏による推理小説。
ゾンビ化の原因はウィルス(実際にはブリオンに近いらしい)…なのだが、何と作中では地球上の全生命がゾンビウィルスに感染している
が、このゾンビウイルス(仮)は世で言うところの「日和見感染症」のようなタイプで、感染しても何も起こらない。
宿主の免疫が働いている内はウィルスは不活性だが、免疫が弱る(=死ぬもしくは重症を負う)とゾンビになってしまう。
内臓等は正常に動くものの脳が破壊され知性や自我を完全に失う。発症するのは哺乳類のみだが家畜も当然アウトなため、この世界では一時食肉が消えた。
その結果、人々はゾンビ化した人間を「猿肉」として食べている。ゾンビの蘇生は出来ないので、法的にはゾンビ化した時点で死者として扱われる。
ゾンビは食事も何もしないので、活動できるのは死亡時の筋肉や脂肪を使い切るまでの数ヶ月(ウィルスの作用により死体は腐敗しない)
逆に言えばそれまで脳や心臓を破壊しても活動をやめない。解体する、拘束して火葬する、肉を掴み取って踊り食いするなどすれば流石に止まる。
この不死性に目を付けて、体の一部のみがゾンビな人間、パーシャルゾンビを作るという研究がなされている。
ゾンビ黎明期は対処も取られていたらしいが、処分には金がかかるので現代では国も対処を諦めゾンビは倒れるまで放置され、普通に街中を徘徊している
死後硬直などで動きは鈍く、噛まれればすぐゾンビになるようなこともないため囲まれでもしない限りはあまり脅威にならない。
よって社会が崩壊しないしすでに皆感染者なので、酔っ払い程度の存在。ゾンビを好んで狩る者もおり、違法だが黙認されている。

なお本作はゾンビの研究者が、密室で何者かによって致命傷を受けた事でゾンビとなって出てくるという不可解な事件で始まる。

  • はじめてのゾンビ生活
<タイプ:不明型生者
電撃文庫から発売されたライトノベル…というか、『火星年代記』を思わせる短編連作形式で千年にも及ぶ人類の歩みの光と影、「地球人」の歴史の終わりとその先の微かな希望を描いたSF(スペキュレイティブ・フィクション)。
22世紀頃から宇宙から降り注ぐ未知の素粒子によって、人々の一部が生殖能力の喪失・再生機能の向上と耐久力の上昇・生食の不適化と腐敗または熟成食品への適応・腐臭漂う「瘴気」発生等異様な特性を持つ「ゾンビ」化。
だが変化しても体質以外は変化前と同じ知性と寿命を保ち普通に老衰で死に、変化すると耐久力の他に運動能力か知力が変化前より上昇する可能性も存在。
最初は伝染病と思われていたが、原因の判明で隔離・退治しても根本的解決にもゾンビ化拡大阻止にもならない事が分かり年々変異者も増加していったため、いつしか彼らは「人間の亜種」として定着。
ついにはゾンビが社会に組み込まれても色々な理由で根深く続く差別の是正のため、ゾンビ系ゲーム等サブカル全般をも規制してまで世界は「ゾンビ」という言葉を封印。体質変化者は「旧人類」と対する「新人類」と呼ばれるようになった。
ちなみにゾンビこと新人類の旧人類との相違点には、「目が赤くなり、青空を紫色として認識するようになる」なんてのがあり、地球もまた増え続ける新人類が纏う瘴気によって、地球の外から見ると千年期の終盤頃には紫に染まっていたという…。





ゲーム

ゾンビはコンピューターゲーム創世記以前、1974年に発売されたTRPGの元祖『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の時点から登場している。
しかし、彼らをメイン題材としたゲームは1984年の『Zombie Zombie』が初。

日本のゲームからはじまったシリーズ。実写映画化もされ、世界中で人気がある言わずと知れた名作。
ウイルスで感染が起こる、体の腐敗が進んでいる、知能が低下している、捕食するために人を襲うなどお約束要素を多く抑えている。
よく誤解される事が多いが、バイオのゾンビ死者ではなく厳密には感染者である。(但し生命活動停止後に変異復活する者もいる)
その他、設定が非常に込み合っている為、様々なゾンビの形態を生み出すきっかけになったとも言える。
バイオ4からは寄生型ゾンビのプラーガも加わり、更にバイオ6でゾンビの次世代型も生み出している。
近年のゾンビブームの火付け役であり、未だゾンビゲーム界隈の第一線を担っている。

こちらもゲームのシリーズ。非常に自由度が高い事が知られる。ババアインパクトの起源?
但しこの作品のゾンビは『脅威』というより「障害物」程度の扱いで、多彩な方法でオモチャにされる役である。
見た目は感染型死者に見えるが、実際は家畜飼育用に作られた特殊な蜂に卵を植え付けられ、その幼虫に寄生される事でゾンビ化する。
基本的にはオマージュになってるゾンビ(映画)に忠実なロメロ系ゾンビで、舞台もショッピングモール。
なぜか夜7時を過ぎると瞳を赤く光らせフィーバーし、能力が上がり凶暴化する。(但し耐久力が落ちる)
女王蜂を潰すと連鎖反応により、女王に近い一定範囲内のゾンビが全て即死する。犬ゾンビやインコゾンビも登場する。

  • Left 4 Dead
    <タイプ:感染者
感染者系ゾンビの群れから生き延びる事が目的のFPSゲーム。ゾンビがパルクールばりに異常に素早くて強い。
但し感染者系だからか耐久力自体は普通の人間。その代わり、一度に襲ってくる数が尋常じゃない事になっている。
これは全てオンラインでの協力プレイを前提に作られている為、常人が単騎で立ち向かう相手ではない。

  • 7Days to Die
    <タイプ:感染者/感染型死者
第三次世界大戦後を舞台にしたオープンワールドでボクセルベースのサバイバルRPG。通称「7DTD」。感染者と感染型死者がどちらも敵で登場。
大雑把に説明するなら「ウォーキングデッド+マイクラ」。空腹度、水分、体力だけでなく気温と体温の設定まである。
本作のゾンビは日中はノロマだが日没後に活性化し、なんと壁を這いハシゴも登る。そして見た目のバラエティがやたら豊富。

地味に20年以上の歴史を誇るアーケードのガンシューティングで有名なゲームシリーズ。
序盤から雑魚ゾンビがわらわら出てくるが、大半は人間を襲うために作られたミュータントという設定。
なので元々人間でもないし襲われても基本感染はしないのだが、たまにゾンビ化した元人間も出てくる。
ゾンビに襲われて感染するかと思いきや、勝手に投身自殺した者までゾンビになるなど原因は未だ不明。

ネクロモーフと呼ばれる、人間や動物の死体に謎の微生物が寄生して怪物に変わった存在。
ゾンビと言えばヘッドショットだが、この作品では頭はただの飾り*6で、破壊しても倒せない。
本体である微生物は「活動できなくなると自壊する」という特徴を持っており、四肢を全て破壊して行動不能にすれば本体も自壊して倒すことができる。
ホラー界隈でも禁じ手の一つ、『赤ん坊系ゾンビ』『小児系ゾンビ』が登場するみんなのトラウマ。人間だけではなく犬や虫などあらゆる生物に寄生する。
基本的に機敏で異常なまでに強く、丸腰の人間では瞬殺されるしかなく対人間用の兵器も効果が薄い。
( 圭)「ネクロモーフの解体はエンジニアの仕事だ」

龍が如くシリーズの外伝(正確にはナンバリングとも外伝とも違うらしい)。ゾンビ如きじゃ神室町は崩壊しなかった。
ゾンビは感染型のオーソドックスで、個人差があるが感染から数分後にはゾンビ化する。ゾンビ化すると目が赤く光り犬歯が伸びて牙となり肌が灰色に変色する。
知性はないが生前の習慣を模倣し、道具を扱うことぐらいはできる。原因は細菌兵器によるもので、進化した「変異種」と人為的に作られた「実験体」も存在する。
ストーリー終盤でゾンビが人を襲う理由が明らかになる。*7

  • お姉チャンバラ
    <タイプ:人型クリーチャー/感染型死者
テンガロンハット+ビキニ姿のお姉ちゃんがゾンビを斬って斬って斬りまくるゲーム
SIMPLEシリーズから人気が出てフルプライス化という、地球防衛軍シリーズと同様の歴史を歩んでいる。
ゾンビである屍霊(しりょう)は負の力でできた人型クリーチャーだが、体液により人を感染型ゾンビに変える。ゾンビとしてはオーソドックスタイプ。

  • LOLLIPOP CHAINSAW
    <タイプ:感染型死者
近年登場したチアガール姿の少女がスタイリッシュにゾンビをチェーンソーで狩るゲームである。
ハートやお星様をちりばめキラキラ宇宙をバックにチェーンソーを振り回すキュートなPOPnゾンビ殺戮ゲー
何言ってるのか分かんない人は、動画でも検索して見よう。頭痛がしてくるゾ☆

  • SIREN
    <タイプ:感染型死者
昭和の日本を舞台としたホラーゲーム。
『赤い水』を多少なり体内に取り込んだ人間が(基本的に)死後に変異する、『屍人』というアンデッドの敵が登場する。
特筆すべきはその不死性で、ある特殊な炎で焼かれる以外で死ぬことはなく、バラバラに解体されてもどうにかして蘇生して行動を再開するほど。
生命力も高く、何も摂取せずとも行動が可能で、さらに彼らの目には世界が素晴らしい光景に見えており、
プレイヤー(生きている人間)を見つけると襲い掛かるのも、食べるためなどではなく死なせて自分たちのいる素晴らしい世界に迎え入れるため。
生前の行動を繰り返したり、生前の知り合いを認識し、場合によっては会話が可能なほどの知性を有する個体もいるが、
時間経過やさらに上位の屍人に変異するなどの要因で、だんだん知性は失われていく。

  • SIREN2
    <タイプ:憑依型死者
前作のその後、未だに『昭和』の元号が使われているが、少し平成よりの日本を舞台にしたホラーゲーム。
前作同様に『屍人』と呼ばれるアンデッドの敵が登場するが、こちらは『屍霊』と呼ばれるモノが人間の死体に取り憑いた存在で、
死亡した人間が蘇生して変異する前作の『屍人』とは根本的に異なる存在として設定されており、
不死性についても、「倒して死体に憑いた屍霊を払っても、別の屍霊がその死体に入って行動を開始するから」という前作とは異なる理由。
また、いわば屍霊が死体を操っている状態であるが、強い執念を抱いて死んだ者の死体に入ると、逆に屍霊がそれに引っ張られてしまうこともある。
物語中盤からは新たに『闇霊』と呼ばれるモノが人間の死体に取り憑いた『闇人』という敵も登場。
闇霊は屍霊よりも明確な自我を持っているため、「ガタがきてる」等の自身が取り憑いた死体への所感を呟く者もいる。

  • 姦染
    <タイプ:感染者
ゾンビ物を題材にしたエロゲ。
「UNKNOWN-LV4」というウィルスが本体で、感染すると普通のゾンビと同様の特徴のほか性欲も強くなり、男女問わず淫乱化する。
傷からウィルスが入るなどの場合は数日掛けて徐々に感染し、風邪のような初期症状を経てカテコラミンの生成により不安や痛みを感じなくなり定期的に眠くなる等の症状が起こる。
そしてそのまま大脳新皮質の破壊が進行し、知能や倫理観低下、言語・運動障害、食欲・性欲の異常増大してしまう。
性病と同様にセックスによっても感染し、この場合は非常に早く感染の進行が進むため、セックスが終わる頃にはどっぷりと感染してしまう。
多くは抵抗するも感染者の強化された腕力で抑えつけられて強姦され、やがて感染して快楽に目覚める形となる。
ウィルス自体の致死性は99パーセントと非常に強力で、発病から早いものは7時間、平均で2日も経つと脳破壊により感染者は死亡する。
しかし、時系列での『3』や『5』のウィルスは毒性が弱まり、感染者が何日経っても死亡しない変種のウィルスが登場する。
強姦(or輪姦)、逆レイプ、洗脳等の大量の属性を備えており、特殊性癖持ちのニッチ層にもお勧めな作品。外伝も含めると既に8作出ている長寿シリーズ。
2015年以降は新作が途絶えていたが、9年ぶりに2024年に新作が発売されるなど、シリーズは現在も継続中。

プレイヤーがゾンビ少女限定という異色のTRPG。
プレイヤーはネクロマンサーによって作られた「ドール」と呼ばれる意志を持ったゾンビ少女を駆り、
様々な障害を突破しながらドール自身の記憶を取り戻すのが主な目的。
この世界のゾンビは科学技術の結晶である特殊な粘菌によって蘇生した死者で、人間の「心」持たせることすら可能。
一方で感染系の能力は持たない。
軍事兵器として使った挙句ゾンビで殺した死体を片っ端からゾンビとして蘇生しつづけてたせいで世界滅んだけど
ゲームとしてはHPの概念がなく、ダメージを追うと攻撃手段や「ほね」「めだま」といったのパーツそのものが失われていく。
とりあえず「はらわた」からぶちまけるのはお約束。
敵としてもゾンビが存在し、こちらは意志を持たないタイプから会話可能なものまで様々。

  • Cataclysm:DDA
    <タイプ:寄生型死者/寄生型生者
近未来のニューイングランドで起きたゾンビ大発生直後からひたすら生き延びるローグライクゲーム
原因は異世界からのスライム*8で、これに寄生(感染)された後に死亡するとゾンビとして復活する。
多様なゾンビが登場するが共通しておそらくスライムであろう「黒い粘液」が身体から垂れ落ちているという描写が見られる。
知能は一般的なゾンビ相応ではあるが、一部のゾンビは人間の頃の知能をある程度維持しており、火に立ち入らない、移動に面倒な地形は避けれるなら避ける、階段、はしごを駆け上ってくるなどの行動をする者もいる。
スライムに寄生されてから死亡すれば人間だけでなく動物もゾンビ化し、定番の犬だけでなく馬や牛、果てはビーバーなんかもゾンビ化している。
というか設定上プレイヤー含めてほぼ全ての生物が既にスライムに寄生されている思しき記録がある。
実際、死んだ仲間やそこら辺に転がってる野生動物の死体を放っておくとゾンビ化して復活する。

そして一度ゾンビ化すればゾンビとして「死亡」しても時間が経てば再び「復活」して活動を再開する。
ただし寄生先が激しく損壊している場合は復活が出来ないため、ゾンビ化及びゾンビの復活を防ぐために死体を損壊させることが有効となっている。ゲーム的には叩いて破壊、ナイフでバラバラにする、車で轢く、超火力で死体そのものを残さず粉砕と無駄に選択肢が多い
またゾンビ化の原因が体内(血中)のスライムなのでゾンビは血液を失い過ぎると行動できなくなる。そのためかなり珍しい失血死するゾンビとなっている。それでも本体が損壊していなければそのうち復活するのだが。

また通常死亡前はゾンビ化しないのだが、どういうわけかスライムに寄生された影響で死亡前でありながら理性を失い、ゾンビからは仲間だと見なされる「狂人」と呼ばれる存在になったものもいる。立ち位置としては人間とゾンビの中間的な存在。
人間に近いためか一般的なゾンビよりも知能が遥かに高く、武器や道具を扱う、石を投げる、危険な地形を露骨に避ける、扉を破壊せずに開ける、階段を積極的に上り下りして回り込むといった戦術的な行動をとりながら生者(狂人化・ゾンビ化していない人間)に襲い掛かってくる。
こちらも死亡後に放っておくと完全にゾンビ化して復活する。


ゾンビボンビーというキャラが登場。顔だけでたミイラに釘がぶっ刺さったような風貌。プレーヤーである社長自身には取り憑かないが、プレイヤーの所持品であるカードを腐らせ、有用なカードを有害なカードに変える。


ゾンビも出てくる作品

近年ではメジャーなカテゴリーとなり、ホラーのみならず様々な作品に登場するようになった。
人型クリーチャーが登場する作品なら7~8割の確率で登場する。

  • ファンタジー作品全般の「ゾンビ」
    <タイプ:憑依型死者魔術型死者
くさったしたいなど、中世ファンタジー作品では必ずと言っていいほど「アンデッド」のモンスターとして登場する。これらはほぼ「憑依型」か「魔術型」の2種。
但しそれ以外、魔法や悪霊がない世界ではほぼ感染型ゾンビとなる。これはパニックホラー、特にアクションにおいてゾンビが重宝される所以*9
容量が少ない時代から色を変えるだけでゾンビ化(強化)して登場させられたりと重宝する存在だった。

上述のファンタジー作品の中でも特に珍しい特徴として、Ⅴからは状態異常としての「ゾンビ」がある。
但しどのような状態になるかは作品によって大きく異なる。
登場初期の作品では
「操作不能になり、味方或いは敵味方問わず誰かを通常攻撃」
「HPが0になるので全員ゾンビになるとゲームオーバー
「肌が緑がかって白目を剥く」と、かなりゾンビー!している。
しかし以降の作品では「回復が反転する」という効果になり、回復でダメージを受け蘇生で即死するようになるという、敵のアンデット系モンスターと同じ特性を得る効果にされている。
但し作品によっては即死耐性で防げたり、即死攻撃が効かなくなったり属性吸収で蘇生はできないが回復したりできるため、使いこなせば便利。

余談だがゾンビと類似する効果として、同社のサガフロンティア2
「味方全体を回復してくれるが、これにより蘇生した場合のみ状態異常を解除する術以外で解除されない魅了状態になる」
という技をラスボスが使用している。


  • 魔導物語&ぷよぷよ「ゾンビ」
    <タイプ:ギャグ型死者
コンパイルの人気落ち物パズル「ぷよぷよ」の人気キャラ。しかし初登場の「魔導物語1-2-3」ではトラウマ級のグロキャラ。
MSX版では最初はお馴染みの二頭身だが、なんと頭や腕や足などが取れ、そのまま追いかけてくる。
しかも、そのたびに差分CGが用意されているこだわりよう。何なんだこのコンパイルの熱の入れようは。
「内臓がないぞう」というギャグの為に腹部がなくなったゾンビを用意するのはこの作品くらいだろう。
おまけにエピソード1には主人公が幼稚園児だからとミニゾンビという子供型のゾンビを用意している。むしろミニの方が怖い。
更にはラスボス戦直前に、友達や先生達が腐って溶けていく幻まで見せプレイヤーのSAN値を削ってくる。
移植作のPC-98版ではキャラクターがリアル調のグラフィックになった。もちろんゾンビもリアル調。
エピソード1は成人のゾンビに差し替えられたが、代わりにエピソード2に女性のゾンビが追加。
3エピソードすべてでゾンビが登場するし、やっぱり頭や腕や足などが取れ、そのまま追いかけてくる。
ついでにいうとエピソード1と3のゾンビは色違いだが、体の崩れ方が違うというこだわりよう。
他にもドロドロに腐っている「腐人」という、倒すと体が膨張して破裂、中から巨大寄生虫が出てくる敵もいる。
更にはラスボスまでも「腐導師」というゾンビ魔導師で、やっぱり幻を見せてくる。
そしてシェゾ首チョンパされ生首になる。そして宙に浮いた生首が襲い掛かってくる。
他にもデュラハンが普通の女剣士として登場し、倒すと斬首された上で蘇り、血塗れの生首を抱えて襲ってくる。
ゲームギア版でも魔導物語Iではミニゾンビが再登場して頭から順に崩れていたが、これが差分を採用した最後の作品となった。
つづく魔導物語IIでは女性型ゾンビがゾンビっこの名称で登場するも、倒されたときに体が崩れるだけで差分は不採用となった。
なおゲームギア版Iがガラケーに移植された際は、容量の都合なのか自主規制なのか不明だが体全体がそのまま縮小されるという風に変更された。
ちなみに攻撃手段は基本的にパンチやキック。腕や足が取れてもテキストはそのままでパンチやキック。
攻撃力が低くなるとかそんなこともない。そもそもなんで足がなくなると宙に浮いているんだ。
「ぷよぷよ」以降はアニメーションが強化されていった時代でもあるので、そのあたりも差分が廃止された一因と思われる。


<タイプ:ギャグ型死者不明型死者
ゾンビ襲撃イベントで追加された属性。紫色をしており体中が継ぎ接ぎだったり骨が見えていたり溶けていたりする。
ゾンビになった理由はまちまちで、大方がよく分からない理由でゾンビ化している。

固有能力として「潜伏*10」「蘇生*11」を持つ。
それ以外にも妨害を持っている個体もおり結構手強く、そしてうっとおしい。

対抗策として対ゾンビ妨害やゾンビキラー*12、魂攻撃*13を使うとよい。


ゲッコー・モリアのカゲカゲの実の能力によって生み出された「動く死体」。
Dr.ホグバックが作り出した改造死体「没人形(マリオ)」に、カゲカゲの実の能力で生者から引き剥がした
「生者の影(もう一つの魂)」を憑依させる事で完成する。
ゾンビは入れられた影の持ち主の人格と戦闘能力を反映し、痛みも感じなければ死にもしない不死身の兵士となる。
かなりややこしいタイプのゾンビなので詳しくは項目を参照。


石仮面をかぶった吸血鬼にエネルギーを吸い取われた人間は屍生人(ゾンビ)として蘇る。
また、屍生人に襲われるなどしてエキスが体内に入る事でもゾンビ化する。身体能力は人間を超えるが、太陽と波紋に弱い。
知性はそこまで落ちないが残虐性が増し、人を殺して食らうようになる。第二部でも登場する。
肉が溶け腐敗していくが、通常の腐敗とは比較にならないほどの速度で腐っていく者もいれば、腐敗しない者もいる。痛覚などはない。
300年前に死亡して肉体がない者も記憶や知性(魂?)、生前の肉体をそのままにゾンビとして復活させる事ができる。*14

エンヤ婆が操る霧状のスタンド『正義(ジャスティス)』により操られた死体人形。死体に空けた穴にスタンドの霧を通して操り人形の如く操る。
能力行使は死体に限らないので、傷さえつければ生きている人間でも操れる。
また、白骨死体であろうと霧のスタンドで表面を覆って普通の生者のように化けさせる事も出来る。

ディアボロとの初戦にて瀕死の重傷を負うも、ジョルノスタンドで治療された…のだが、息を吹き返したわけではなかった。
以降は飲食をしなくなり、深い切り傷などを負ってもあまり出血しない代わりに怪我が治癒せず、体温もなく死体のように肌が冷たくなっていた。
また、時間が過ぎるにつれて感覚が鈍くなっていき、コロッセオに着く頃には視覚、触覚、聴覚共にほとんど機能を失ってしまう。
またこのことを知ったディアボロに付け込まれ*15、コロッセオで待つ男に自分たちよりも早く接触されてしまった。
なお、動いていることを除けば身体的には死体そのものらしく、生きているモノなら発症するグリーン・ディの殺人カビの影響を受けない。
こうなったのは、治療しようとしたジョルノのスタンドが注ぎ込んだ生命力が死体を動かす『ガソリン』のように作用したとブチャラティは推測している。
但し劇中で詳しくは説明されておらず、当人も「奇跡」と称していた。
最終盤ではとあるスタンドの影響で近くにいた人々の精神が入れ替わるという事態に襲われ、ブチャラティの身体にはドッピオの精神が入ったが、
既にこの時点でブチャラティの肉体はほとんど活動停止状態だったようで、ドッピオは入れ替わり直後、死体同然の肉体に引きずられるように息を引き取っている。

スポーツ・マックスのスタンド『リンプ・ビズキット』は死体から「透明なゾンビ」を作り出す能力。
ゾンビになった者はスタンド使いにも見えず知性を失い狂暴化し、女性や小動物でも人体を破壊するパワーを持つようになる。
さらに上下などの概念が無くなり壁や天井をも歩き回る為、屋内においては攻撃を受けるまでゾンビの位置を把握する事は難しい。
但し見えないだけでスタンド使い以外でも普通に触る事はでき、表面に何か液体が付着したりすれば常人が視認することもできる。
この透明ゾンビが傷付くと、そのダメージは死体の方にも反映され、死体がある程度破壊されると同時にゾンビも消滅する。
本体がゾンビ化した場合は知性は失われる事無く、首を取り外したりすることも可能。(但しゾンビとしての飢えや渇きから脳味噌を求める)
尚、ゾンビに噛み殺されても魔術型なので感染はしない。「死体を残したまま、別個体のゾンビを生成する」という非常に珍しいタイプである。

アクセル・ROのスタンド「シビル・ウォー」は、その人物の「捨てた」過去を引きずりだす空間を構築し、「過去」を以って攻撃するスタンド。
相手が捨てたものが生物なら、ゾンビとして召喚して襲わせることができる。
このゾンビ達は捨てた人物の過去から召喚されるものなので実体はなく、術者か相手が死亡すれば消滅する。

ドロミテのスタンド『ブルー・ハワイ』はドロミテの「体液」に触れた者の意識を消し、「標的」に向けてひたすら追跡させる能力。
致命傷を負っても追跡をやめず、ゾンビ化した者の血液などに触れると能力が触れた者に移り、新たな追跡者となる。
人間だけではなく動物にも感染し、作中では最小でハエまでもゾンビ化、殺虫剤で死んでも引力が働いているかの如く転がって向かってくる。
ゲームの無能NPCの如く障害物には引っ掛かるので、虫サイズをドアに挟んで完全に潰せば(閉じ込めて)恐らく止まる。
体液による感染型だが、ゾンビ化するのは常に最後の一人(一匹)のみ。

  • BLEACH
    <タイプ:改造人間感染型死者
涅マユリによって死体だった者たちを改造を施して蘇生させて私設兵隊として戦いの場に投入している。うち一人は死因になった傷があったままだが…
またジゼル・ジュエルというキャラの能力名は「Zombie」と自身の血を浴びたり、対象者の体内にいれると文字通りにゾンビと化して命令に忠実な兵にさせる。
能力のメカニズムとかでゾンビ化させる条件やゾンビの姿が違うが詳細は当人の項目にて。

6作目『13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた!』で刺さった鉄の柵が避雷針となって、ジェイソンの全身に大量の高圧電流が流れ蘇った。
但しいわゆるAEDによる蘇生ではなく、死後埋葬され数年経過し腐乱した死体がジェイソンの怨念+雷で甦った化け物。
本人の腐乱死体に憑依した憑依型死者ともとれるが、後のシリーズで寄生型になったり、まあ勢いだけの適当設定である。
基本的には何をしても不死身で、本体は脳ではなく心臓でありこれが他人に寄生して支配する事もできる。川底に沈むと活動を停止する。
後の作品では機械型のメタルジェイソンになったりとややこしく忙しい。


  • HELLSING「食屍鬼(グール)」
    <タイプ:感染型死者
吸血鬼に血を吸われた者が非処女・非童貞であった場合、人の肉を好んで喰らうグールとなり、グールに襲われた者もまたグールとなる。
血を吸った吸血鬼の支配下に置かれ、自由意志を持たない生ける屍。知能はないが鈍器ぐらいなら使える。


生きた人間を材料に、死者をあの世からこの世に口寄せする禁術中の禁術。
甦った者は不死身でどれだけ強力な術を連発しようとチャクラが枯渇しないというチート中のチート術。
術者を殺しても解除できないので封印か解術、または陰陽遁を使うしか対処する方法はないという作中でも最悪の技である。


作中舞台である街「ホール」では年に一度、死者がいっせいに蘇り、ゾンビとなって街中を闊歩する日がある。
これは魔法使いが分泌する物質「魔法のケムリ」が街中に充満することで起きる現象で、はっきり言えば公害の一種。
ゾンビとしては人に襲い掛かったり噛み付いたりするストレートにホラーチックな、いわゆるオーソドックスなタイプ。噛まれて死んだ者もゾンビ化する。
だが、毎年毎年蘇る上にゾンビとか以前にそもそも作中世界の治安が終わっているのでホールの住民達も完全に慣れ切っており、恐れる描写は殆どない。
むしろ、この日蘇った死者をまた殺して埋め直すお祭り「リビングデッドデイ」が開かれたりしている。
ぶっ殺したゾンビの数に応じて景品が貰えたりするあたり、住民からはお祭りの出し物として扱われている節がある。
存在していられるのは夜の間だけであり、朝日と共に死滅してしまう。直接的な攻撃だけでなく、毒によって仕留めることも可能。


  • フランケン・ふらん「被害者?」
    <タイプ:改造型…生者?or寄生型生者
タイトルや主人公のデザインから分かるようにフランケンシュタインの怪物をモチーフにしたギャグマンガ。
体にまつわる問題を抱えた依頼人が毎回現れ、彼女がその外科技術を以って問題を解決する。
まあ人体改造なわけだが、場合によっては死者蘇生(ゾンビ)などもやってのける…もっとも毎回バッドエンド一直線だが。
また作中でのゾンビパニック回では犠牲者にまだ意識があり(=助けられる状態)ながら寄生生物に操られ、ゾンビ扱いで生存者に退治された。
オチではその事実に気づいた主人公がゾンビものの展開を皮肉るような台詞を呟いている。


死体にニンジャソウルを憑依させる事で誕生するゾンビー(ズンビー)・ニンジャが登場。
肉体のリミッターが外れているため、通常のニンジャより強力な筋力を誇る。
また人間(ニンジャも含む)が呼吸によって戦闘のリズムを刻んでいるのに対し、死体であるゾンビー・ニンジャは呼吸をせず、
なおかつ関節の可動域も常人のそれとは異なるため動きが予測しづらいという特徴もある。
他作品のゾンビと同様、基本的に知能は低いが、中には常人と変わらない知能を持つゾンビー・ニンジャも存在する。
作中屈指の人気キャラであるジェノサイド=サンも、このゾンビー・ニンジャの一人である。
これとは別に死体をゾンビ化、アンデッド化させて操るジツ*16を持つニンジャも登場し、病原菌やネクロマンシーなど原理も様々。
また人間が変貌したわけではないが、作中に登場する生物兵器・バイオスモトリも、その外見や行動など、ゾンビに通ずるものがある。
もっとも、こちらは武装した一般市民にゲーム感覚で狩られる雑魚なのだが。


SODOM編にて登場。人間に天堂地獄の遺伝子を送って作ったという設定で、外観は紫色でゾンビというよりクリーチャーっぽい。
いずれは肉体が腐敗して朽ちる運命にあり、SODOM研究者からは自我を持たない化け物として扱われている。
その中でも「ゼット」と呼ばれる個体は奇跡的に自意識の残っており、ゾンビのように死にたくないという一心で抵抗剤の為に「貯蔵庫」の番人をしている。
また、天堂地獄に素質を持たぬものが触れると呪われ、死ぬこともできず永遠に苦しみ続けるゾンビと化す。
他にも魔道具により精神を乗っ取られたタイプの機械型ゾンビも登場する。*17


DG細胞に感染した人間が、脳や生命器官を侵食された事で変異した、チューブまみれになったゾンビ兵が登場。
この状態になると自我や知性は消失し完全なゾンビと化すが、あくまでもパイロット用なのでゾンビ自体が人を襲ったりはしない。
デスアーミーなどはデビルガンダムの操り人形だが、DG細胞に感染してもそれを凌駕する精神力と生命力があれば克服さえできる。
感染者状態でも洗脳状態に近いだけで知性は低下せず、むしろDG細胞の影響で身体能力が跳ね上がる。
また、死者を蘇らせる(ナノマシンで肉体を再構築する)ことが可能だが、その場合は生前の人格は全くなくなる。*18

死体の脳を加工して生前の人格や技術を取り戻させたうえで、英霊団(エインヘリヤル)に操られる存在。

マイクラの世界でもっとも頻出するモンスター。人間が感染してゾンビが登場するのではなく、光源のない暗い場所であれば何処でも湧き出てくる
ゾンビに殺されたモブ村人などはゾンビ化してしまう。他にも子供ゾンビ、砂漠ゾンビ、溺死ゾンビなどバリエーションが無駄に豊か。


MOTHER2 ギーグの逆襲」に登場する町。墓場から甦らされたゾンビやゴーストが徘徊している。
基本的に人語を解し普通に会話もでき、自分達を生き返らせてくれるゲップーの命令で人間を監禁して町を占領している。
なおゾンビ犬やオバケなどもおり、なんと「ゾンビワールド」という新聞まで刊行しているという変わり種。ゾンビ保険もある。
ゾンビに噛まれたら噛みなおせば治るという科学的根拠のない俗説が流れているが、そもそも噛まれてもゾンビにならないのでご安心ください。
後にゾンビホイホイというアイテムで捕獲され、檻に閉じ込められて町は平和を取り戻すが、何故か彼らは墓にも戻らずゾンビのまま。
マザーの雰囲気に合わせて愛嬌があり非常にユニークで人間みのあるゾンビ達である。


行き倒れていたカイザルを助けてくれたリタという少女の住む町。
一見普通の人々にしか見えないが、実は町は200年前に魔獣に襲撃されてすでに滅んでおり、魔法の霧で幻を見せたゾンビが暮らす街。
ゾンビに噛まれた者もゾンビ化してしまうが、ネクロマンサーの書を燃やすとゾンビ達は塵に還る。
但しネクロマンサー自身は呪いで不死者化している為、ゾンビに噛まれても完全なゾンビにはならない。


感染者の死体をゾンビ化させるウイルス。また、ゾンビに襲われた人もゾンビ化する可能性がある。
感染者を治療できる薬が完成してもゾンビが元の人間に戻ることはないが、ゾンビは時間経過で腐敗し、ただの死者となる。
他のゾンビゲームと違う点は、ゾンビを操って人類を倒すゲームであるということ。
プレイヤーはゾンビ達を強化したり、死者のゾンビ化・ゾンビの移動などのアクションを活用したりして地球の人類を絶滅させるのがゴール。
特に人類の対ゾンビ組織「Z COM」は強敵。
生半可な強さや数のゾンビは簡単に駆逐してしまう上、結成されるのはゾンビ被害が少ない地域なのに放っておくと他国に支部を作り出すという厄介な相手。


「死体操作(ネクロマンシー)」の能力者により、死んだ人間をゾンビ化させることが可能。
そのまま能力を行使するだけの場合はオーソドックスな非感染ゾンビになるが、うまく工夫すれば人間そっくりに化けさせる事も可能。会話もできる。
またネクロマンシーの能力ゆえゾンビ達は能力者の命令に忠実に従い、更に能力者であればその能力を発現させたり死体の視界をジャックできる。
但し操るにはその人の生前の遺品が必要で、ゾンビも太陽を浴びると元のただの死体に戻ってしまう。


  • 木曜の怪談・怪奇倶楽部「寄生虫」
    <タイプ:寄生型生者
第一期・小学生編の13話『夢遊病院』にて『人間に寄生して宿主を操る新種の寄生虫』が登場する。
寄生されると左手の平に目玉が出来上がり、その目が発する光を相手に浴びせて催眠状態にしてしまう*19
寄生している左手を相手に押し付けるだけで仲間を増やせるが、卵を産み付けて即座に成虫になるという恐るべき特徴がある。
昼間は左手の平を隠したまま日常生活を送るが、夜になると夢遊病患者のように左手の目を突き出しながら徘徊する。
寄生虫は亜酸化窒素が弱点で、これを浴びせられると宿主は無傷で解放される。
舞台となる病院内の医師や患者はおろか、主人公の赤星登以外の主要メンバーたちまでもが全員寄生されてしまい、大ピンチに陥ってしまう。


特殊な病原菌に感染する等して、死後も肉体活動は停止していながら生者のように活動する者たち。
その成り立ちからして生前は普通の人間だった者も含まれるが、劇中世界では「リビングデッド(ゾンビ)」という他種族として扱われている。
脳や肉体に防腐処理を施し、心臓と血液を人造のものに取り換える等することで、よほど肉体・脳が腐敗していなければ生前同様の姿で生活できるが、
怪我は治らず、痛覚もなく(触覚や性感はある)、就寝前後にストレッチをしないと肉体が死後硬直を起こして動けなくなる等の死体故の不便さもある。
一方で知性に関しては生前同様の明晰さを保っているが、ある程度は欲望に忠実になったり、複雑なことを考えるのが苦手になったりするらしい。
また、彼らに噛まれた(彼らの歯に傷付けられた)人間も彼ら同様のリビングデッドになってしまうため、当人も周囲の人間も注意が必要。
劇中ではオーソドックスなリビングデッドのゾンビーナと、死後硬直が強すぎて関節が硬いキョンシーのシィシィが登場している。


  • LOVE&DEAD「庄司園美」<タイプ:ギャグ型死者
学園編3作品での選択によって「SF編」「殺人鬼編」「ゾンビ編」の3ジャンルに分岐するエロゲ。
タイトルは「ラブ・アンデッド」にかけてあり、攻略対象ヒロインのひとり庄司園美はゾンビ。知性があり自分がゾンビである事も自覚している。
キャラクター名も「庄司ロミオ→ジョージ・ロメロ」「飛井風太→トビー・フーパー」「佐村海→サム・ライミ」等ホラー映画監督のもじりになっている。
ヒロインも「米尾羽里→バイオハザード」「四位葉月→シーバーズ」「秦理音→バタリアン」など映画作品もじり。


映画『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』に登場する死者蘇生兵士による傭兵集団。
NEVERとはNECRO OVER(ネクロオーバー)=「死者を越えたもの」の略称で、化学薬品とクローニング技術によって蘇生された死者の集まり。
知能は人間と変わらずに生前のままで、体温のない不死身の肉体と、卓越した身体能力を持つという危険な存在だが、
細胞維持酵素の注入を怠ったり、逆に細胞分解酵素を注入されると体組織が崩壊してしまう。
また、仮面ライダーのマキシマムドライブのようなキャパシティを超える攻撃を受けるなどで組織細胞が崩壊まで追い込まれても塵と化す。
ちなみに、NEVERとなった者の姿はその人物が死亡した時のもので、時間が経過してもその肉体が成長したり、逆に老化したりはしない。
なお、知能は生前と変わらないが、NEVERとなった者は時間が経つごとに生前の記憶が失われていくという特性を持ち、
最初の被検体としてNEVERになった大道克己は、元々は心優しく、ピアノが得意な少年であったが、
このNEVERの特性と、最初の被検体故に過酷な実験などを行われたことで、冷徹で残忍な性格に変貌してしまった。


第11話「第47格納庫」に登場するマッドサイエンティスト・ノルバーグは精神科医を装い患者を洗脳し、世界征服のための私兵として操っていた。
洗脳された患者は脳死状態にされて文字通りの生ける屍と化し、ノルバーグの命令通りに行動する。
劇中でもゾンビ呼ばわりされているが、描写を見る限りでは殴られて気絶したり仲間同士で会話をしたりと、人間性自体は至って普通である。
拉致されたジーン・エコー隊員を救出するために潜入した主人公のジャック・シンドーも洗脳装置にかけられるが、
ウルトラマングレートと一体化している彼には効果がなく、ジャックは洗脳された振りをしてスパイとして潜り込むことに成功した。

静岡県北川市に打ち上げられた全長60mの謎の腐乱死体が、GUTSによる撤去作業中に誤って落下させられた衝撃で息を吹き返した怪獣。
生命反応はないが感覚などはあるらしく、眩しい光などを嫌がる素振りを見せている。
腐っている影響かその肉体はゼリーのように非常に柔らかく、エネルギー源である天然ガスのガスタンクなどを身体で直接吸収できる他、
肉体が残っていればどんな攻撃を受けても再生できる異常な再生能力も有しており、生体の常識に囚われない身体特性でウルトラマンティガやGUTSを翻弄した。
最後はティガのゼペリオン光線を吸収した結果、取り込んだ天然ガスに引火して内部から跡形も残らないほどの大爆発を起こし、消滅した。
なお、シーリザーが蘇生した詳しい理由は不明で、別名こそ「ゾンビ怪獣」だが、一部書籍では「元々そういう生態の怪獣である(=死体が蘇生したわけではない)」可能性も示唆されている。

全長9mの小型宇宙怪獣。単体の戦闘力は低いが、他の怪獣の死体に寄生し、操る能力を持つ。
寄生する目的は怪獣の体内に卵を産み付け、自爆することで反物質爆発を起こし、卵を宇宙に拡散する事。
寄生された怪獣は再生能力を持つようになり、さらにいつ爆発するか分からない火薬庫と化すため、非常に危険。
劇中では仮死状態にあった怪獣、グロッシーナの死体に寄生したが、生きている通常の怪獣に寄生する事も可能と思われる。


  • DOOM「ゾンビ/ポゼスド」
    <タイプ:憑依型死者
地獄から現れたデーモンに殺された、あるいは憑依された人間の成れの果て。
登場するほとんどのゾンビは元戦闘員で、生前に所持していた武器…ライフルやショットガン、果ては チェーンガンなどの重火器 を容赦なくプレイヤーに向けてぶっ放してくる。
とはいえ元は人間なので、他のデーモンと比べれば生命力も攻撃力も大したことはなく、 単体では そこまでの驚異とはならないことが多い。
「3」以降のシリーズでは非戦闘員のゾンビも出現し、そちらは引っ掻きや鉄パイプによる殴打など比較的「ゾンビらしい」原始的な攻撃方法を行う。


おばけたちが仲良く住んでいる村が舞台の児童文学で、初期からアンデッド系はミイラ「ラムさん(とその妻マミさん)」や、がいこつ「ガチャさん」などがいたが、
第13巻目でゾンビの「ビショビショ」という女性が登場する…のだが、一般的なイメージのゾンビとは大きく違い、緑のウェーブがかった髪に真っ黒な顔や手。
この黒い部分は皮膚ではなく全身についた泥で、少なくとも顔には肉がないらしく、雨で泥が流れ落ちた際、前述のガチャさんから同族と間違えられる展開もある。

なお、ビショビショに限らず本作のおばけたちは大半の出自が説明されず*20、彼女がいかなる理由でゾンビ化したのかは不明。


シリーズに登場する魔術系統の一種で、魔法により死体に仮初めの命を与えて支配下に置くというもの。
死体であれば損壊の度合いは問わず、テンプレの様な腐ったゾンビから死んで間もないフレッシュなゾンビまで作る事が可能。
だが、同時にその道徳的観点から一般的には忌避されやすく国によっては限定条件下での許可から使う事自体が違法と基本はグレーゾーンの魔術。

この魔法で蘇らされた死者は経年劣化もせず、半永久的に術者へ従うが知能は次第に低下していき、
最終的には指示待ち君と化してしまうが、そもそも術の用途から見ればその方が都合が良いとされる。

また、ゾンビにされた者は当然ながら生死・輪廻の理から外れた者となる為、対アンデッドの術や武具に弱くなる他、
一度ゾンビにされた者が再び死んだり、殺されたりすると、その死体は灰化し、二度と蘇生が出来なくなってしまう。
主な用途としては検死や遠方で死んだ者を故郷へ送り返すまでの間の長期保存や、
生ある者が入り込むにはあまりに危険過ぎる場所での作業に元死刑囚の死体を使って作業させる、
更には蘇らされた死者を大量に用意して一種の結界を作るといった感じである。
…が、法を遵守する真っ当な魔術師なら兎も角、魔法を極める為なら道徳心を投げ捨てた違法な魔術師にとっては、
この魔法は不老不死や想い人との再会を成し遂げる為の最も近い道であり、そうした不心得者らが引き起こす重大事件は後を絶たない。


「凶刃」の異名を持つ作中でも最強格とされる「七つ星」魔人の一角。
自身の完全不死能力に加えて、人間・魔人問わず生物をゾンビ化させる能力を持つ。
ヒスタリオの手によってゾンビ化された者は知能も理性もない動く死体となる。
だが部下のドクター・ギリリによる改造手術を行うことによって生前の自我や技能を保有したまま、
ヒスタリオの洗脳下に置いて活動することができる上に、肉体も頑強なものになる。


notゾンビ

ゾンビのようだけどゾンビじゃないタイプ

仮面ライダーエグゼイド』にて檀黎斗が変身する仮面ライダーゲンムのホラーゲーム『デンジャラスゾンビ』をモチーフとした強化形態。
このゾンビゲーマー・レベルXおよびゾンビアクションゲーマー・レベルX-0は本来なら死ぬはずのダメージを受けても、ゲームの性質上死亡しない。
よって正確にはゾンビではないが、前者は「体力が常に0」「ダメージを受けた瞬間の無敵状態を常時維持」という不死身の特性を持つ。
後者では、黎斗がデータ生命体 となって99の命を得てからは、ちょくちょく死んでは生き返るので、ある意味ゾンビみたいなものかもしれない。
S級ヒーロー8位『ゾンビマン』。進化の家の実験により不死身に近い肉体にされた男。脳改造はされていない。
非常に高い不死性と再生能力を持っているが、ゾンビのような欠点(腐敗・知性の欠如)や弱点(頭部破壊)はない。
もちろん肉体が腐ったり感染もしないので、実質はゾンビというより吸血鬼やジェイソンのような不死身の存在。
名前こそゾンビマンだが実質的には科学式人造擬似アンデッドといった感じだろうか。
自我も知性もしっかりしており、誰にも何にも使役されていないので、どちらかと言えば不死者に近い。
ちなみに作者によるとミキサーでペースト状にまで細切れにすれば死ぬ(かもしれない)らしい。
ゾンビというより吸血鬼に近い存在。日輪刀で首を斬られるか日光に当たらない限りどうやっても死なない。
人間を主食とするが、始祖以外の鬼に噛まれたりしても感染しないし鬼になっても知能も人間時のまま残る(基本的に人間の頃の記憶は無くなってしまうが)。
吸血鬼サバイバルギャグマンガ。出てくる連中も吸血鬼でありゾンビではない。
但し血液を定期摂取できなかった吸血鬼は亡者になり、知性を失ってさ迷い歩くようになる。
亡者は悪臭を放ちいくつもの顔が生えてきて、膿を噴き出しながら無限増殖するなど不死性は吸血鬼を超える。
主食は森の中の虫などであり、動きも鈍く人を捕えて食べられるほどの戦闘力はない。自力で歩けない者もいる。
マモーの正体はアレ(ネタバレ伏せる)だが、端末となっているクローン達は脳にチップを埋め込まれた操り人形。
大脳に機械式の制御チップを埋め込まれ、機械的制御とマモー自身が持っている超能力で操縦している。
また、世話役の劣化コピー体には一部自我のようなものが見受けられる者もいた。ゾンビというよりは有機的人造人間の範疇と思われる。
「巨人化する薬」を注射または経口投与されたエルディア人(ユミルの民)。
不死性、無知性、食人衝動、活動永続、行動を支配されるなど「無垢の巨人」がゾンビ的な特徴を備えている。
但しゾンビのように腐ったりせず、不死性もうなじを切られない限りあらゆる傷をたちどころに修復再生するなど非常に高い。
大地の悪魔との契約が原因なため、魔術型の生者(非ゾンビ)、呪われた人間と見た方が正しい。
主人公の相川歩が「ゾンビ」と呼ばれるが、なった経緯が「超越者による人為的な変化」なため知能低下をはじめとしたゾンビらしさは一切ない。
日光に弱いが腐食もしないし、どちらかと言えば描かれ方としては広義の吸血鬼のような「アンデッド」に近い。
  • 屍鬼「屍鬼」「人狼」
死亡後に蘇生し、超常的な力を得た人間。吸血鬼。人狼は屍鬼の持つ弱点のほとんどを克服している存在。
あれ、ゾンビ?バタリアンだっけ?ヘルレイザーだったか?死霊のはらわた、だった気もしてきた。
「サンゲリアですよトリコさん!」
ゾンゲだ!ゾンゲ!/


著名なゾンビ





■ゾンビ作品の歴史



ゾンビがゾンビの特徴を備えるまで

1968年にジョージ・A・ロメロが自主製作に近い状態から作り上げた映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は、現在で言うゾンビ映画の礎と言われるが、
実はこの頃はまだリビングデッド(=甦った死者)のことをゾンビとは呼んでおらず、元の伝承に近い「食屍鬼(グール)」や「新鮮な死体(フレッシュ・ボディ)」等と呼んでいる。
また、この時の甦る死者のイメージは、1954年リチャード・マシスンのSF小説『I Am Legend』(旧邦題:吸血鬼、地球最後の男)に登場するウイルスにより人間が転じた吸血鬼の姿が元となっている。
但し、この作品の吸血鬼は名前こそ吸血鬼だが、描写としては人を喰わないゾンビであり、
このイメージに食人、増殖、更には腐敗や無知性の属性を加えたのが“ロメロのゾンビ”だったのである。

また『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のゾンビはウイルスではなく、原因は不明だがある日突然、死者がゾンビ化するように世界が変質したという設定であり、
前述の通り別に噛まれなくても死ねばゾンビになる。ただ、噛まれると毒で衰弱死するため、結果としてゾンビに噛まれるとゾンビ化することになる。
後続作品では『アイ・アム・レジェンド』の吸血鬼の設定と『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のゾンビのビジュアルを併せ持つような怪物が「ゾンビ」と呼ばれるようになった。


ゾンビ作品のルーツ

尚、ゾンビ=吸血鬼と聞くと随分と遠い物がごっちゃにされてる印象だが、実は元々の“甦った死者のイメージ”は土葬習慣のある欧州地域広範から、
英国からの移民が建国したアメリカまでの欧米人が持っている共通の概念であり、ゾンビも吸血鬼も共にそこから生まれている。
土葬の習慣があり、深い森に囲まれた欧州では埋められたばかりの墓が狼などに掘り返されることは珍しくなく、
腐敗したガスが体内に溜まり、生前よりパンパンに膨らんだ、紫色の見ようによっては血色のよくなった生前とは似ても似つかない醜悪な顔を晒す遺体も少なくなかった。
それを、たまたま墓場に来た人間が見つけ、その怪物の様な姿を狼などによる家畜被害と結びつけ、こうした誤解が“甦る死者”を元にした怪物のイメージに変じていったのである。
理解出来ないものを教会が“悪魔憑き”や“吸血鬼”と呼んで説明付けたこともあり、こうした存在は民間伝承や人々の記憶に永く留まることになったのである。

また、古い時代は医学が未成熟で死亡判断も曖昧だった為に仮死状態で埋葬されてしまう“早すぎた埋葬”の例もあった。
偶さか、埋葬場所を替えるべく掘り返した所、死体が生き返り棺から出ようとしたおぞましい痕跡が見つかることもあり、これもまた“吸血鬼”の伝説へと繋がった。
無論、この“早すぎた埋葬”は不幸な偶然の合わさった悲劇であり、これ自体も土葬地域での恐怖になってはいるのだが、
そうした生きた人間側の過失から目を背けたいという意識もあるのか、神の与えた安らぎから逃れて墓から甦り家畜や人を襲う死者=駆逐すべき怪物としての属性となっていったのである。
元々の吸血鬼は、この様に現在でいう“ゾンビ”に近い、単なる甦った死者であった。
そのイメージを一変させたのがブラム・ストーカーの『ドラキュラ』に代表される創作世界の吸血鬼であり、
これらの作品が、吸血鬼を単なる“蘇る死者”から、夜の世界に生きる魔人というイメージを定着させていったのである。

やや前置きが長くなったが、この原型となる民間伝承の中の“甦る死者”に、
新大陸で南米から伝え聞いた魔術で使役される“甦る死者”=ゾンビの名を与え復活させたのが、アメリカ移民達が作った前述のホラー映画であったのである。
前述の様にブードゥのゾンビと、欧米人の意識の中に根付いていた吸血鬼は全く別の属性の物だったのだが、
それが“甦る死者”と云う共通項だけで、一つに結びついてしまったのである。

こうして、人を襲う“甦る死者”というフォークロアは、新たな名と属性である“感染”と云うキーワードにより、文字通り世界中に広がっていくことになったという訳である。


■実際のゾンビ

さて、ここでは実際のアフリカ社会におけるゾンビについて説明しよう。

伝承のゾンビ

ゾンビの正体。それは死者の弔いを疎かにした場合に起こるとされる、日本で言う所の「化けて出た」死者である。
但し、死者が自ずからこの世に舞い戻ったというわけではなく、「ボコ」とよばれる黒魔術士によって無理矢理、魂を壺などに封じ込められてあの世に行けなくされた状態でもある。
こうしたゾンビはボコの操り人形と化し、彼らの思うがままに働かされてしまう。
ボコは誰かの依頼を受けて動くこともある。また、きちんと墓の見張りを立てたり然るべき対策をすれば防止できることから、恨みを買うことの恐ろしさと弔いの大切さを表した信仰が「ゾンビ」なのである。

薬理的なゾンビ

ボコは墓から掘り起こした死体に対して、「ゾンビ・パウダー」と呼ばれる薬を使うともいわれる。
これはバリエーションがあるものの、毒性のある動植物を用いることから、それが「動く死体」の化学的メカニズムを生み出すのではないかという仮説もある。
つまり、仮死状態で誤って埋葬された生者に対して用いることで人間性を奪い、その後に蘇生させて使役するのだ。

特に材料のフグ*21は筆頭とされ、神経毒のテトロドトキシンが呼吸障害を招き、酸欠から部分的な脳死を引き起こすという説がある。もっとも、創傷などから摂取させた所で効果はないとする反論もある。
またチョウセンアサガオもしばしば用いられ、神経毒のスコポラミンが意識障害を引き起こす。こちらは脳死の切っ掛けとはならないので、催眠暗示などに有効なのかもしれない。

病理的なゾンビ

より「リアルな」ゾンビは毒物を用いずとも誕生する。
ゾンビの伝承が伝えられる地域は、残念ながらあまり生活環境がよいとはいえないため、精神疾患・知的障害が多く見られる。
こうした患者が時に、「ゾンビ」として認識されるという。
ゾンビはもちろん人間として扱われないため、患者は社会的な死者となってしまい、以後の人生を苦しむことになるのだ。



■余談


哲学的ゾンビ

哲学における概念で、「物理的化学的電気的反応としては、普通の人間と全く同じであるが、意識(クオリア)を全く持っていない人間」を指す。
要するに「見た目も生物的にも人間そのものだけど魂的なものや自我が存在しない、外部からの刺激に反応しているだけ」というロボットみたいな存在のこと。
ちなみに見た目は人間だけど「生物的には人間ではない」、SF映画にでてくる精巧なアンドロイドのような擬似人間は「行動的ゾンビ」と呼ぶ。
「行動的ゾンビ」は見た目からは普通の人間と区別できないが、解剖したりすれば人間でない事がわかる。しかし哲学的ゾンビは物理主義の観点からは絶対に区別ができない。
すなわち物理的化学的電気的反応としては普通の人間とまったく同じであり区別できない存在で、自分以外の誰かが「哲学的ゾンビではない」ことを確かめる方法は存在しない。
(極端に言えば、この項目を見ているあなた以外の人間、いや全生物が、哲学的ゾンビではないと証明する方法はない)
ゾンビの概念を用いて物理主義を批判するこの論証のことをゾンビ論法、または想像可能性論法と呼ぶ。


企業のゾンビ

アンブレラ社のようなゾンビを作る企業……ではなく、経理的・社会的には死んでいるのに会社としては存続している企業を指す。
会社が金が稼げないという病にかかった結果、借金で借金を返す状態に陥り、時には利子さえも借金で返すようになってどんどん赤字が膨らみながらも生き永らえていくようになる。
こういった会社は会社が無くなるという恐怖に取り付かれており、更に社内では閉塞感が増すので社員の知能が低下しやすく、それによって粉飾決算などの違法行為に走って更に大きな借金を背負うこともある。
これらは死ぬ時に倒産という形で爆発を起こし、膨れ上がった債権が焦げ付いたり株の価値がなくなったりして債権者の財布に怪我を負わせ、最悪の場合新たなゾンビや倒産の連鎖を生んだりする。

また、規模を大きく縮小することで生き永らえ、過去の版権などを手放さず名前だけの存続をしたりしていくこともある。
この状態に陥った場合、会社の送り出した作品に捉われたファンは新作を待望するゾンビのような状態となる。
ファンの症状は新作を出すことで一時的に緩和させることができるが、こうなった会社は管理費を払えずいずれは倒産し、その際版権が散逸してしまったりするため、そうなればファンは新作を求め永久に彷徨える完全なゾンビとなってしまう。

サバイバルゲームのゾンビ

プレイヤーがヒットされたのにゲームを続行する或いは、ヒットされたように装い不意うちしたりすることもゾンビと呼ばれる。※当然反則行為で嫌われる
最悪、フィールドの出入り禁止やブラックリスト入り等もあるそうです。
君がッ ヒットコールするまで 撃つのをやめないッ!」と、更なるマナー違反の呼び水になることも…。
それ以前に、悪質なルール違反なので、決してやらないように!

ゾンビアタック

主にゲームなどでの戦術の一つ。簡単に言えば「死んでもやり直して倒すまで繰り返す」というもの。「ゾンビ戦法」とも呼ばれる。
死んでも復活する対戦ゲームにおいて、死ぬ前提で捨て身で攻撃を行い死亡、復活しては前線にすぐ戻る戦い方。
アクションゲームなどで自分のプレイ技能不足であったり、単純に必要レベルに達していなかったりする際のゴリ押しにも用いられる。


他のアンデッド(不死者)との違い

吸血鬼などはゾンビと共通点があるが同じものとしては扱わず、どちらかと言えば上位種のような関係にある(吸血鬼に血を吸われるとゾンビ化するなど)
ゾンビは基本的に何らかの支配物に肉体を使役される、いわば「従属物」でありアンデッドの中でも最下級のものとして扱われる。
これは他の不死者とは違いゾンビは単純に腐っていくので完全な不死者とは成り得ない、不死者としては出来損ないのような部分も大きい。
同じく西洋妖怪御三家のフランケンシュタインの怪物のような「死体を材料にした人造人間」も普通ゾンビには入れない。なぜならそもそもこの怪物は生きているから。
よく勘違いされるが、フランケンシュタインの怪物は死体を材料に使っただけで、新たに錬金術と科学で造り出された新生物である*22
昨今多い、ギャグ補正で生前の意思や人格そのままでゾンビと言っている作品が増えたのが誤解の原因かもしれない。
不死者は基本的に『死を超越した者』であるが、ゾンビは『死んだ体に縛られた死にぞこない』なのである。

ゾンビに近しい存在とするなら、同じく従属物とされるスケルトンキョンシーだろうか。マイナーどころではフレッシュゴーレムなども比較的近い存在と言える。
逆によくごっちゃにされるグール(食屍鬼)実はアンデッドでも何でもない。グールは食人鬼の一種であり、そもそも死んでない。そういう種族であり知性もそれなりにある。
ゾンビを集合(というか合体)させた存在として、女神転生ではコープスという悪魔が登場しているが、本来はゾンビの別名のようなものであった。(「リビングデッド」のようなもの)


有名な不死者の一例

ファンタジー物などでは『上級アンデッド』の様に区分けされることもある。詳しくは不死の項目を参照。

  • 吸血鬼:一番メジャーで有名な不死者の一例。
  • リッチ:スケルトンの上位種で高位の魔術師が自分自身を不死化した者。
  • デュラハン:自分の首を抱えた騎士。本来は妖精の一種。
  • 仙人:人魚の肉を食べて不老不死になった尼僧「八百比丘尼」などが有名だが、仙道を極めて不老不死になった者もいる。
  • ネクロマンサー:死者を操る死霊魔術師。多くは普通に死ぬが、死後の自分自身を操っている場合もある。リッチの下位互換。
  • 超越者・超越存在の多く:そもそも『死』という概念さえ無い者が多い。
  • 西遊記』の孫悟空:太上老君の作り上げた不老不死の金丹を食べて不老不死になった猿。

※なお上述で触れたように「フランケンシュタインの怪物」は不死者ではない。

かゆうま

バイオハザードに「かゆうま」と呼ばれる有名な日記がある。
次第にぞんびとかしてく過ていがこくめ に しるされ


May 21, 1998

こ なところ か
みょ に あつ それに かゆ とまらな


4

つい・しゅうせ おねが ます




▶ EXIT

wiki籠りの日誌をファイルにとじました
















ガタッ
ヴゥゥ…ウウウ…

うわっ!?う、後ろから…
うぎゃっ…ウアアアアアアアア




You are dead

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最終更新:2025年04月21日 00:06

*1 キリスト教で云う“復活”のこと。故に、キリスト教の文化圏である欧米では甦る死者とは本来は存在自体が不浄でおぞましい存在なのである。詳しくは後述。…そんな話も今は昔で、現在では欧米でもポップなモンスターに化してる感があるが。

*2 『28日後…』など「死んでないタイプのゾンビ」をゾンビと呼ぶと、『ゾンビっぽいだけで厳密にゾンビではない』と論争が起こりがちだが、有名なバイオシリーズのゾンビも死んでないし、元祖ゾンビ自体が死者ではないので間違い。

*3 元々始祖に当たる吸血鬼が「脳を石仮面の針で刺激され超人化」し「その吸血鬼のエキスでやはり脳を刺激された人間」が「屍生人(ゾンビ)」。よって力の源の脳を破壊されれば死ぬ。

*4 当たり前だが人間の頭を殴っても首から上だけが千切れ飛ぶような事はまずない。一瞬でやるなら電車ぐらいの速度と質量がいる。

*5 ちなみにある材料を使った「ゾンビビスケット」を食べる事で理性を保っており、これの供給がなくなると狂暴化する。中身はお察し。

*6 但し視覚を奪う事にはなるので、こちらを捕捉できなくなる。その代わりに手当たり次第に大暴れする。

*7 人間に噛みつく動作を行うのは捕食のためではなく、感染したときに快感が得られることを他者(非感染者)に伝えるためである(本来の目的は「タナトス」が子孫を残すため)

*8 かつてはブロブ呼称だったが開発版で呼称が変更され安定版0.H時点でスライムになっている。

*9 「動きが緩慢」「反応が鈍い」「知恵がない」「大量に出しやすい」「恐怖を煽る」など、『普通の生き物ならこう動く』『アクションで的になるほど鈍いのになぜ脅威なのか』を、正当な理由で理論付けできる為、非常に便利なザコ敵として使えるから

*10 地に潜って前線を回避する

*11 体力を0にしても屍になり、一定時間で復活する

*12 ゾンビを屍にすることなくきっちり倒す

*13 屍に直接攻撃できる。ただし前線に進めなくなる場合もある

*14 他にもウインドナイツ・ロットの墓場に眠っていた騎士達が蘇っている。彼らも含めて剣や鎧までも真新しい状態で再現されている。

*15 ブチャラティが魂の形や声を知覚していることに着目し、娘であるトリッシュと自身の魂の似た部分を抽出してトリッシュだと思い込ませ、待ち合わせ場所に道案内させた。

*16 術。ニンジャの持つ超能力的なもの

*17 アニメとマンガで差異があり、漫画版は死体を操る魔道具、アニメ版ではその魔道具の使い手が死にかけた際に魔道具に憑依したもの。

*18 なおシュバルツ・ブルーダーはネオドイツ代表の遺体を利用し、彼をベースにDG細胞のナノマシンを利用し造ったキョウジの人格を上乗せしたクローニングハイブリッド生命体である。

*19 実際には目玉のように見えるのはゴキブリのような寄生虫の背中

*20 子供が出てくるのでそういう種族だったり、「生前の話」から元人間と分かるものも一部いる。

*21 Diodon hystrixなどハリセンボン科の有毒魚

*22 いわゆる「ホムンクルス」に該当する。ちなみに墓場から盗んだ死体が主原料だが、足りなかった部位には普通の食用肉なども使い混ぜられている。知性もあり人間の心を持ち、自分で考えて行動している。生み出された直後に創造主に真冬の雪山に放置されるも、人間を超越した体力により生き延びた。