SCP-1047-JP

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SCP-1047-JP - (2020/03/18 (水) 21:20:15) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/03/18 Wed 17:05:48
更新日:2024/04/13 Sat 23:42:14
所要時間:約 4 分で読めます






おいしい たべて すし



SCP-1047-JPはシェアード・ワールドSCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはEuclid。
項目名は『Data食う寿司もムキムキ』。


概要……の前に

本項目の項目名の元ネタはことわざ「蓼食う虫も好きずき」から来ている。
このことわざを知らない人に説明すると、蓼というのは湿地に生える草であり、
苦味があり普通の人はよほどお腹空いていないと食わない草である。
しかしこの蓼しか食わない蓼虫という虫がいる。
中国南宋期の随筆集『鶴林玉露』では『氷蚕不知寒、火鼠不知暑、蓼虫不知苦、螂蛆不知臭』とあり、
日本では狂言の『縄綯』に「たで食う虫もすきずきと申すが」とある。
要は「人の好みは千差万別である」ということ。

あなたが嫌いなジャンルも、他の人は好きかもしれないし、その逆もまた然りという、
アニヲタwikiやSCP Foundationを閲覧し、楽しむ上においては重要な考え方であろう。
「なんでこんな作品に信者がつくんだ」とか「この作品は円盤爆死してるだろうに」とかいう心無い言葉を吐くのではなく、
「俺はこれが好き、あなたはそれが好き」と互いに尊重し合うことが重要であろう。

ちなみに人間も蓼は食ったりする。やっぱ好きなんすねえ。

ということで、改めて概要……の前に特別収容プロトコル

SCP-1047-JPの各個体は強化プラスチック製のケースに収容され、
食餌として「機密性のない文章をA4用紙に印刷したもの」を6枚程度与えることになっている。
SCP-1047-JPの収容個体数は1種類につき5体を上限とし、実験により余剰分が生じた場合は焼却処分となっている。

蓼食う虫も好きずきから言葉を取っている以上、虫かなにかだろうが、寿司というのが気にかかる。

概要

ということで、やっと概要に移行できたが、このアノマリーは握り寿司に用いられる食材に酷似した生物、である。
……分かりづらいだろうからもっと噛み砕いて(食べ物だけに)説明すると、「握り寿司のネタに擬態した虫」である。
とある県のほにゃらら市で「出前の寿司が動いた」というパワーワードすぎる通報を受けて発見され、収容された。
出前を提供した企業については異常性はなかったらしく、SCP-1047-JPの起源は不明という状況である。
……もう財団世界で寿司食うのやめたほうがいいんじゃないかな。

SCP-1047-JPには外見の異なる種が存在するが外見以外に目立った差異はない。
それぞれ鮪の赤身、サーモン、イカ、アジ、エビ*1となっている。
ほぼ全身が筋肉質となっており、内蔵や感覚器と思われるものは存在していない。
またDNAは魚類よりはむしろ人類に近いと言うことがわかっている。寿司なのに。
また、このSCP-1047-JPは、一般に「データ」と呼称できる概念を食べることで活動エネルギーを得ているとみられ、
紙面上のものであれば塗料が滲んだように広がり、電子データの場合はファイルが破損し、
いずれの場合も元のデータは復元不可能になってしまう。
故に、機密性のない文章を印刷して「食わせている」のである。

また、体内や体表には、タンパク質由来の未知の物質が含まれ、これらは人間の筋肉の成長を促す作用をする。
消費したデータが鮮明であるほど、この物質も増加する。

食餌されていないときは以下のような行動を取る。
  • 身体の一端を固定し、全身の曲げ伸ばしを繰り返す
  • 全身を使って飛び跳ね回る
  • 別個体と体を絡ませ合う
  • 物体を引き裂いたり折り曲げるようにして破壊する

性質

佐藤研究員の調査で、本オブジェクトは少しの知性があることが判明している。
知恵の輪をただそれだけ与えた際はひんまげたり伸ばしたりするだけだったが、
解法の書いた紙を与えると、解法通りではまったくないが、ひんまげて2つに分離した。
何をするかはわかるようだが、その方法までは読み解いて記憶は出来ないようだ。

醤油皿を置くと静止し、箸で掴むと静かになる。
よって食われたがっているようだが、1500kPa以上の圧力に耐える強度を誇るらしく、食えないと判定された。
しかしローマ字専用の入力装置を与えてインタビューを行っても、
「おいしい たべて すし」などと質問内容に関係なく食え食え言ってくる。
ならば食ってやろうじゃないかと財団はDクラスに食わせてみた。

するとDクラスの口内で寿司が暴れはじめる。
驚いて噛みしめるとDクラスの歯が折れ、それと同時に吐血しながらDクラスは昏倒する。
その後、意識を取り戻したが経歴や現状を忘却し、しまいには文法も、はては赤ちゃんみたいにあーうー言うだけになった。
Dクラスの血液中から高濃度のSCP-1047-JP-Aが検出、これにより筋肉が膨張し、不規則に脈動を開始する。
そしてDクラスの体を突き破り、196体のSCP-1047-JPが湧き出してきた。
後の調査で、昏倒した際に寿司は頭蓋を突き破り進入していたと推測されている。

……ようは、いなり虫と同じで、人間に食われることで増殖できる寿司である。
やっぱり財団世界で寿司食うのやめたほうがいいんじゃないかな。

なお、Dクラスは全身の筋肉を失い、記憶の回復も不可能なため、終了された。
これでも食おうと口に入れなければ向こうから無理やり入ってこないだけ、マシなのかもしれない……。








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