SCP-520-JP

登録日:2020/03/06 Fri 00:54:12
更新日:2024/03/25 Mon 09:15:11
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-520-JPはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはSafe。


特別収容プロトコル

本オブジェクトの特別収容プロトコルはかんたんで、「非活性状態であることを確認して」
「密封性のタッパーに入れ」「保管サイト-81██内のロッカーに保管」というザ・Safeと言わんばかりのプロトコル。
一応、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可なしに実験できず、
実験以外での摂食……じゃなかった接触は禁止である。

……厳密に言えば、摂食でも誤字ではないしトマトも飛ばない。
なぜならこれは、食い物だからだ。

概要

ということで、本オブジェクトは非活性状態では横に切れ目の入った9cm四方の油揚げに見えるSCPである。
この状態では-120℃以下の低温および1200℃以上の高温によってのみ無力化が可能である。

この中に加熱調理を施した米か米料理……要はご飯か炊き込みご飯を入れると、活性化する。
この油揚げは、芋虫のように全身を動かしながら動くいなり寿司となるのである。

なので、オブジェクト名は「いなり虫」。
活性化状態では、動いていなければいなり寿司とSCP-520-JPを区別することは不可能である。
なお、ご飯は時間とともになぜか消費される。

活性化状態では、食っても特に人体に影響がなく、普通のいなり寿司として摂食可能。
一方、非活性状態で食った場合、摂食からおよそ30分後に体中の水分が全て消失し、皮膚がミイラ状になって死ぬ。
そして24時間後に皮膚がすべてSCP-520-JPになる。つまり増える。

厄介なのが、活性化状態のSCP-520-JPを食うと依存症に陥り、重度の依存になった場合は
そのオブジェクトの知識を有していても、非活性状態のSCP-520-JPを食べようとしてしまう。
しれっと麻薬より危ないことになってる
このため、同じDクラスをSCP-520-JPの実験で使うことは禁止されている。

実験

実験記録520 - い
対象: 非活性化状態のSCP-520-JP個体(SCP-520-JP-1と指定)。

実施方法: 対象に加熱処理を施した餅を挿入する。

結果: 対象は活性化し、容器内を周囲の様子を探るように動き回った。

分析: 加熱処理をしていれば米の形を保っていなくても活性化することが判明。
好き嫌いはしないタイプらしい。―██博士
餅でもいいらしい。

実験記録520 - ろ
対象: 対象: 非活性化状態のSCP-520-JP個体(SCP-520-JP-2と指定)。

実施方法: 対象に調理されたビビンバを挿入する。

結果: 対象は活性化し、実験用の容器の壁に体当たりをするなど攻撃的な行動をとった。対象が非活性化した際、具材であるホウレン草、人参、豚肉は内部に残留したままであった。

分析: 入れる物体によってSCP-520-JP個体の性格が変化すると見られる。
興味深い、あくまで米のみが原動力なのも面白い。―██博士
入れたものの味で性格が変わるとかどこのカティ・フラムだよ。

実験記録520 - は
対象: 非活性化状態のSCP-520-JP個体(SCP-520-JP-3と指定)。

実施方法: 対象に七分粥を挿入する。

結果: 対象は活性化したが、自分から積極的に動こうとはせず、動く速度は通常のSCP-520-JP個体のものを下回った。

分析: 入れる物体は対象の性格だけではなく、身体能力にも影響を及ぼすと見られる。
お粥だとのろまになるらしい。

実験記録520 - に
対象: 非活性化状態のSCP-520-JP個体(SCP-520-JP-4と指定)。

実施方法: 対象に、水の代わりに飴湯を用いて炊飯処理を施した米を挿入する。

結果: 対象は活性化。通常のSCP-520-JP個体よりも移動を行わなかった。実験を閲覧した研究員によると「落ち着いているようだ」とのことである。

分析: 現在までの実験の結果から、SCP-520-JP個体の性格は入れた物体の味に、運動能力は形状に依存していることが推測される。
甘いとおっとり系になるらしい。

実験記録520 - ほ
対象: 活性化状態のSCP-520-JP-2,SCP-520-JP-3,SCP-520-JP-4。

実施方法: 全ての個体を同一の容器に入れて、反応を記録する。

結果: 終始SCP-520-JP-2がSCP-520-JP-3を攻撃し、SCP-520-JP-4がそれを止めようとするような動作を行っていた。開始から5分後にSCP-520-JP-3が破壊されたため実験を終了。

分析: これらの反応は社会性を持つ動物に見られるものである。
強者が弱者を虐げるという典型的な動物としての反応を示したというのは興味深い。しかしこいつらは果たして生き物と言えるのだろうか?―██博士
のろまはいじめられる。我々の世界と同じである。つらい。

実験記録520 - へ
対象: 活性化状態のSCP-520-JP(炊飯処理を施した白米を挿入済み、SCP-520-JP-5と指定)個体およびD-5201。

実施方法: SCP-520-JP個体をD-5201と触れ合わせることによって一般的なSCP-520-JPが人間に対してどのような反応を見せるのかを実験する。

結果: SCP-520-JP-5はD-5201の手にじゃれるように触れ、人間に対して警戒心を全く見せなかった。D-5201がSCP-520-JP-5に対して愛情を抱く恐れがあるため実験を中止。

分析: 一般的なSCP-520-JPは人間に対する警戒心が全く無い事が判明した。
こいつらは人間に食べてもらいたいのか、それとも可愛がってもらいたいのか、いったいどっちなんだ?―██博士
一見するとかわいいのだが、こいつの特性上「食ったら依存する」「依存しすぎると油揚げ状態でも食いたくなる」
「油揚げ状態で食われるとそいつを殺して繁殖する」ので、その特徴からすれば警戒心などいらないんじゃないかとは思える。
というか食ってもらったほうが繁殖に有利だし。

発見経緯

もともとは財団のとある博士がとある寿司屋で買ったいなり寿司を食おうとした際にいなり寿司が動いたことで収容に至っている。
財団職員はまともな寿司屋との縁がつくづくなさすぎる。

なお当該寿司屋は「普段と違うところから油揚げを購入した」と話しており、寿司屋自身はあくまでクロではないらしい。
……が、身元不明の業者から油揚げを購入するあたりシロとは正直言えない*1ので監視下に置かれている。








追記・修正は、食べようとしたいなり寿司が動き出した人にお願いします。


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最終更新:2024年03月25日 09:15

*1 なにしろ住所も業者名もあるにも関わらず財団ですら身元を特定できないような業者なのである