A-10 サンダーボルトⅡ

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A-10 サンダーボルトⅡ - (2015/11/26 (木) 15:33:56) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/05/29(日) 17:15:20
更新日:2024/02/17 Sat 22:54:08
所要時間:約 6 分で読めます




フェアチャイルド・リパブリック社が開発したアメリカ空軍の近接航空支援専門の対地攻撃機。アメリカ海軍のA-3と同じ双発の攻撃機である。
愛称はサンダーボルトⅡ(Thunderbolt II)または非公式愛称のウォートホッグ(Warthog:イボイノシシ=速度が遅いから)。
オーシア国防空軍第108戦術戦闘飛行隊サンド島分遣隊ウォードッグとは間違えないようにしよう。
間違えたら家にA-10が襲来します。

かのドイツの戦車破壊王ハンス・ウルリッヒ・ルーデル閣下が設計に携わった機体。
むしろルーデル閣下を攻撃機として設計したんじゃないか?
特徴としては異常なまでの頑丈さと、機首下部に装備されたGAU-8アヴェンジャーによる絶大な破壊力。
そして7tのペイロードという圧倒的な積載量を持つこと。
さらに攻撃を受けた空軍基地のような悪条件下でも離着陸が可能で、整備性も良いという、至れり尽くせりな素晴らしい機体である。

速度が遅いのが弱点だろって?
A-10はそもそも地上物を破壊する対地攻撃機なので同僚の猛禽類や戦う隼のような速さは必要ないのだ。
それにこの機体はルーデル閣下並に頑丈なので問題ない。

これらの仕様は「近接航空支援」に主眼を置いたもの。
つまり大量の対地攻撃兵器を抱えて長時間飛び続け、地上部隊からの要請に応じて速やかに敵(特に戦車)を粉砕すること。
戦闘機やワイルド・ウィーゼルの皆さんによって事前の露払いをしてあるのが前提とはいえ、必然的に敵の攻撃に晒されやすくなる。
そのため

  • ゆっくり、長時間飛べること
  • 強力な対地攻撃力
  • 信頼性
  • 被弾しても簡単に落ちないタフさ

といったものが求められた。

何度も言うようだがこのA-10は恐ろしく頑丈であり、
  • 湾岸戦争では約140機が出撃したが、被弾約70機に対し被撃墜6機。
  • 機銃を384箇所に食らって帰還した機体もいたが、数日で任務に復帰した。
  • イラク戦争では地対空ミサイルに右エンジン吹っ飛ばされながらも帰還した。
  • ランディングギアが降りずに胴体着陸→さすがA-10、胴体着陸してもなんともないぜ→そしてそのまま離陸。
  • 空軍高官は「A-10なんていらねぇ!もっといい爆撃機はあるんだよ!」とかなんとか言って、A-10を拒否していたが、その爆撃機の原型機だったF-16が湾岸戦争での爆撃成績でA-10に大敗、しかもアメリカ軍機の総合被撃墜のうち約3~4割を占めるという大失態。
  • A-10とトーネードが空中衝突→トーネードはパイロットの脱出後墜落したが、A-10は無事に着陸した。
といった逸話がある。

よくよく調べてみたら装甲の総重量は1010kgに及び、機体重量の17%を占めるんだってさ。
そりゃ撃墜されないわけだ。


遅くなってしまったが、GAU-8アヴェンジャーについて。
最初に言っておくが、こいつはガトリング砲である。

その性能は毎分High4200/Low2100発の30mm徹甲弾(劣化ウラン弾)を発射可能というもので、地面を抉り、敵を粉々に消し去る。
人間なんて肉片すら残らないだろう。
1200mの距離でも戦車の上面装甲を打ち抜く。
1350発を機関砲システムの最後部に収納します。

ちなみに、バルカン砲とガトリング砲は全くの別物。
もう一度、バルカン砲とガトリング砲は全くの別物。
大事なことなので(ry

アヴェンジャーを馬鹿にするor威力を見てみたいのなら某動画サイトで掲載されているので一度視聴してみることをお勧めする。
それでもバルカン砲とガトリング砲を一緒にした場合、毎分3900発で30mm徹甲弾の雨が降り注ぎます。

あまりにも威力が高すぎる為か、銃の反動が機体の推進力に匹敵し、飛行速度が機関砲の発射によって落ち、撃ち続けると機体が失速して墜落してしまうとか、機体が後方に進みだすといった伝説がある。
実際そんなことはない。



『以下おまけ(一部の人向け)』
米軍恒例トライアウトでは強力なガトリング砲が決め手になったり。


『年表』
・1975年初飛行
・2001年に近代化・延命改修決定!
A-10Cになりました。
・2007年A-10Cが初度作戦能力(IOC)を獲得。
・2009年会計年度までに最大125機をA-10Cに改修する計画で進めており、最終的には保有する356機すべてをA-10Cに改造する計画。
・2028年まで運用が可能に。

F-35就役に伴い経費削減の為、一部もしくは全機退役させる可能性があると国防省が発表した
お空がF-35だらけになるね!


『搭載可能武装一覧』
・攻撃
JDAM(GPS誘導爆弾)
Mk82通常爆弾(500ポンド)
レーザー誘導爆弾
光学誘導爆弾
各種ナパーム弾
各種クラスター爆弾
各種ロケット弾ポッド
AGM-65 AGM(空対地ミサイル)
AGM-114 ATM(対戦車ミサイル)

・自衛
AIM-9L/M/X AAM(空対空ミサイル)
ECMポッド(型番省略)
計7,257kgの武装が搭載可能です。



A-10に纏わる伝説から2ちゃんねる等ではA-10ネタになると以下のコピペが貼られる。

「お早うクソッタレ共!ところでジョナスン訓練生、貴様は昨夜ケンカ騒ぎを起こしたそうだな?言い訳を聞こうか?」
「ハッ!報告致します!磯臭いF-18乗り共がアヴェンジャーを指して『バルカン砲』と抜かしやがったため
7砲身パンチを叩きこんだ次第であります!!」
「よろしい。貴様の度胸は褒めておこう。いいか、低空で殴りあうには1にも2にもクソ度胸だ。
曳航弾をクラッカー程度に感じなければ一人前とは言えん。今回のジョナスン訓練生の件は不問に処そう。
だがアヴェンジャーを知らないオカマの海軍機乗りでも士官は士官だ。訓練生の貴様はそこを忘れないように。
ではA-10訓、詠唱始めッ!!!!」
何のために生まれた!?
――A-10に乗るためだ!!
何のためにA-10に乗るんだ!?
――ゴミを吹っ飛ばすためだ!!
A-10は何故飛ぶんだ!?
――アヴェンジャーを運ぶためだ!!
お前が敵にすべき事は何だ!?
――機首と同軸アヴェンジャー!!!
アヴェンジャーは何故30㍉なんだ!?
――F-16のオカマ野郎が20㍉だからだ!!
アヴェンジャーとは何だ!?
――撃つまで撃たれ、撃った後は撃たれない!!
A-10とは何だ!?
――アパッチより強く!F-16より強く!F-111より強く!どれよりも安い!!
A-10乗りが食うものは!?
――ステーキとウィスキー!!
ロブスターとワインを食うのは誰だ!?
――前線早漏F-16!!ミサイル終わればおケツをまくるッ!!
お前の親父は誰だ!?
――ベトコン殺しのスカイレイダー!!
音速機とは気合いが違うッ!!
我等空軍攻撃機!機銃上等!ミサイル上等!被弾が怖くて空が飛べるか!!(×3回)


また、『みにくいアヒルの子』や『マッチ売りの少女』といった童話を元ネタにしたコピペも存在する。


『みにくいアヒルの子』

あるところにみにくいアヒルの子がいました。
そのみにくさから、みんなからばかにされ、いじめられていました。
「おお、なんてみにくいんだろう。A-7Dがあるのに必要ないではないか!?」
「F-16のほうがつかえる子ではないかね?あんなみにくい子はいらないだろう」
「近接航空支援なんか、AH-64 にまかせればいいだろう。あんなみにくい子はどっかにやってしまえばいいんだ」
と、さんざんでした。
はじめのうちは、みにくいアヒルの子をかばっていた空軍も、しまいには、
「ほんとうにみにくい子。いっそ、陸軍と海兵隊へいってくれたらねえ」
と、ため息をつくようになりました。
キーウエスト合意があったため空軍にのこることにはなりましたが、せっかくのLASTEもなかなかじっしされず、
冷戦終結もあいまってついに空軍州兵や空軍予備役に追いやられてしまいました。
みにくいアヒルの子はそのまま活躍も無く消え去ると思われました。
しかしやがて湾岸戦争がはじまりました。
するとどうでしょう。
砂漠環境での機械的トラブルに悩まされたAH-64や、ろくに活躍できず被撃墜数の多かったF-16を尻目に、
撃破数戦車987両、装甲兵員輸送車約500両、指揮車両等249台、トラック1106台、砲兵陣地926ヶ所、対空陣地50ヶ所、SAMサイト9ヶ所、レーダーサイト96ヶ所、
指揮所など28ヶ所、塹壕72ヶ所、スカッド発射台51基、FROG発射台11基、燃料貯蔵タンク8ヶ所、航空機地上破壊10機、Mi-17ヘリコプター撃墜2機という大戦果をあげました。
気がつけばもう、みにくいアヒルの子をばかにするものは誰もいませんでした。
なんと、2028年まで運用が延長されることが決まったのです。
みにくいアヒルの子は、りっぱなルーデルの子だったのです。


『match売りの少女』

寒い時代が終わり、人々の顔には笑みがこぼれ、皆こころはずんでいました。
しかし、少女のおうちは違いました。
お仕事が減ってしまい、生活が苦しくなってしまったのです。
ある日空軍父さんが少女にいいました。
「うちはいま、生活が苦しいんだ。おまえは陸軍と海兵隊にいきなさい」
しかし少女はキーウエスト合意により、陸軍と海兵隊にいかなくてすみました。
おこった空軍父さんは少女を空軍州兵や空軍予備役へ追い払いました。
元気よくとびまわるF-16を見ながら少女は、「ああ、私はもうこのままなんの活躍をすることもなく消えてしまうのかしら・・・」
と悲嘆にくれていました。
しばらくすると空軍父さんが尋ねてきて、少女をある場所へつれていきました。
そして少女に一本のGAU-8をわたし、「こいつをうってきなさい。ぜんぶうってくるまでかえってくるんじゃないぞ!」
と言いました。

少女はとほうにくれ、あてもなくさ迷いました。
もうもうとたちこめる砂塵、はげしく身をうつ対空砲火・・・
身も心も疲れ果てた少女は、ついGAU-8の引き金を引きました。
するとどうでしょう、戦車が吹き飛び、地面に大輪の炎の華が咲きました。
ああ、なんて美しいんでしょう・・・
少女はまた引き金を引きました。
すると今度は砲兵陣地が吹き飛び、巨大な炎の柱がたちました。
ああまただわ・・・、でもすぐに消えてしまう・・・
少女はつぎからつぎへとGAU-8の引き金を引きました。
そのたびに装甲兵員輸送車や指揮車両・トラックなどが穴だらけになり、
対空陣地、SAMサイト、レーダーサイト、指揮所などが吹き飛び、
塹壕、スカッド発射台、FROG発射台、燃料貯蔵タンクなどが炎に包まれました。
さいごにMi-17を撃ち落としたときのことです。
目の前に立派な制服に身を包み、襟元には光り輝く勲章を下げた将校があらわれました。
「ああ、ルーデルさま、ルーデルさまなのね!?」少女がといかけました。
将校はにっこりほほえむと、ゆっくりと消えていきました。
「まってください!私も・・・つれてってください・・・」
少女は消えゆくルーデルを追って急上昇をかけました。
そして気がついたときには、翼を3分の2も吹き飛ばされながらも基地に帰還していました。
少女の耳にはなぜかルーデルの声が残っていました。
『だいじょうぶだよ、おまえはもうしあわせをその手につかんでいるんだから・・・』
少女がC型に改修を受け、2028年まで運用が延長されることにきまったのは、そのあとすぐのことでした。


何故これほど強い攻撃機をアメリカ軍以外が採用しないか?
別にF-22のように輸出を禁止されている訳でもない。
それは、制空権の確保がA-10無敵の条件であるからだ。
即ち、アメリカ空軍のように圧倒的な戦力を持たなければ運用は難しいという事である。実際、スリランカが民族紛争に使うために購入を希望したらしいが、実現しなかったという。
まあ、だだっ広い海と違って大地で制空権を確保することは大した苦労をしないと思いますがね。

皮肉であるが、アメリカ軍の航空戦力が最強だからA-10は最強なのである。

ただでさえ使いづらい機種であるのに加え、携SAMの発展普及に伴い、かつてほどの優位はなくなっている。
しかし、その割り切りまくった設計思想や、凄まじいタフネス、そしてなにより、かのルーデル閣下が関わったというネームバリューは
ミリオタの心をがっちりとつかみ、今なお熱心なファンが存在する。
中には自衛隊が買えだの、海保が買えだのと世迷言をつぶやく連中もいるのが困りものだが。


ちなみにアイマス痛機では音無小鳥仕様の機体が登場する。彼女のあだ名(ピヨちゃん)にひっかけて、「サンダーボルピヨ」なる非公式ペットネームがついている。




ルーデル「これはいい機体だ。
これなら休む必要はないな。さぁ出撃!」
(^q^)やめてくださいしんでしまいます
ガーデルマン「A-10に後部機銃手の座席が無い事は、大勢の人間にとって幸運な事でした。」


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