登録日:2011/06/19(日) 17:44:30
更新日:2022/03/30 Wed 08:28:15
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諸元
全長 6,400mm
重量
281kg(本体のみ)
1,830kg(弾薬・給弾機構込)
口径 30mm×173
初速 990m/s
連射速度
4200 or 1800発/分(初期型、選択式)
3900発/分(現行型)
製造 ゼネラル・エレクトリック(GE社)
概要
GE社が開発した7砲身
ガトリング砲。1970年代にアメリカ空軍の新型攻撃機プロジェクト「A-X」と並行して開発が進められ、
A-10 サンダーボルトⅡと共に1977年に就役した。
愛称のアヴェンジャー(Avenger)は「復讐者」を意味する。
ちなみに射撃位置は正面から見て左(9時の位置)に砲身が到達したとき。
いったい何に対して復讐するのだろうか…ベトコン?
Q.どんなの?
A.こんなの
この機関砲、A-10の機体の1/3ほどの大きさ、重量の1/4を占めている。
アメリカ軍の航空機搭載機銃のなかで最大・最重・攻撃力最強と敵無し。陸の王者である戦車を木端微塵にしていくガトリング砲。
銃口から機関部までの長さが5.81m、ドラムマガジン単体でも1.82mあり人と同じ大きさである。このマガジンには1,350発の弾薬が入るが諸般の理由から1,174発が一般的な搭載量となっている。
スペック
攻撃力最強でも大事なのは命中精度。公称上の命中精度は
直径20フィート(約6m)の範囲内に80%の弾薬が到達する
となっている。
装甲貫通力は
距離500mで69mm、1,000mで38mm
となっており、1kmでも戦車の中は安全とはいえない。なおかつ、焼夷徹甲弾なので着弾の衝撃で黄燐が飛び散ります。
アヴェンジャー伝説
銃の反動が機体の推進力に匹敵し、速度が低下し墜落する。後方に進みだすといった伝説がある。勿論冗談の域にすぎないが、それほど反動が凄まじいということである。
4200発/分で発射するとその反動は45kNとされており、A-10の最大出力は80kNなので片側のエンジンより僅かに強い程度と言える。飛行機を止める事は出来ないが速度の低下を引き起こすことはできる(致命的な速度の低下ではない)。その為、1〜2秒のバースト射撃をするようにと通達がされている(加熱や弾薬の無駄遣い、砲身の寿命も考えてだが)。
○優しい気配り
こんなに強いのにちゃんと気配りのできる素敵な男。「強くなければ(ry」を見事に体現した素敵なナイスガイである。
例えば
▽薬莢が、従来の真鍮やスチールではなく、アルミ合金製で軽量。搭載量3割増を実現
▽A-10の場合、エンジンに発射ガスが入り込まないように機体の下部を通る様に設計されている
▽A-10n(ry、射撃の前後で機体バランスの悪化を防ぐため空薬莢は全てマガジンに回収
▽(ry、射撃位置と反動の関係で真ん中に居座らず、反動を真ん中で受けるように自ら少し右にずれる心の広さ
成程、とっても親切なナイスガイとなっている。
戦車には親切ではない。
配備・運用
上述のA-10の他、
CIWS(艦載用近接防御火器システム)「ゴールキーパー」に組み込まれている。
ゴールキーパーはオランダ海軍の他、フォークランド紛争でアルゼンチン産対艦味噌が口に合わなかったイギリス海軍の主要艦艇に搭載されている。
他には韓国海軍、アラブ首長国連邦など。
大人気ファランクスと比べて人気がない。
余談
- 現在では生産されておらず、GE社の代わりにロッキード・マーティンによって保守整備されている。
- 比喩表現で「コーラ瓶を音速で発射する」と言われているが、弾薬が173mmなので実際に飛んでいく弾丸はもっと小さい。コーラ瓶にも色々あるが。
- 劣化ウラン弾を用いており健康被害が懸念されているが、現状劣化ウラン弾は有害とも無害とも分かっていない。
追記修正よろしくお願いします
- 直撃すると人間は血霧と化します。墓場は要らずで、直に自然に還れます -- 名無しさん (2013-08-03 09:26:18)
- 身体に直撃すると頭だけはロケットみたいに上にすっ飛んでくとも聞いたな -- 名無しさん (2013-10-30 00:16:09)
- 30mm弾の運動エネルギー量は240000J…20mmでも55000J…12.7mmで15000J…7.62mmで3500J…恐ろしい -- 名無しさん (2013-12-03 17:51:18)
- 着弾してからの屁の音が怖すぎ -- 名無しさん (2014-04-03 03:08:24)
- 弾薬のサイズがホントにコーラ瓶みたいだからおっかねぇ……。あれが全部飛んでいくんじゃないのはわかるが、それでもな… -- 名無しさん (2014-08-02 15:18:24)
- これを運用できる空飛ぶ戦車として設計されたのがA-10であり、逆も然りでこの武装もまた「粘り強く手厚い対地攻撃・火力支援を行う」A-10のコンセプトを支えるメインウェポンでもある。対地ミサイルを撃ち尽くし、ロケランを使うには流石に味方歩兵が近過ぎる状況下でもコイツならOKだ。フルオートでぶっ放すことは稀だから弾持ちも良い。 -- 名無しさん (2016-04-29 10:45:26)
最終更新:2022年03月30日 08:28