ループ(小説)

登録日:2011/05/10(火) 23:35:26
更新日:2020/04/11 Sat 05:40:32
所要時間:約 5 分で読めます




ループは映画化やドラマ化された鈴木光司のホラー小説三部作の完結小説。

「身近な恐怖」「ラストのどんでん返し」で話題を呼んだ「リング」、
医学的視点で書かれた科学サスペンスの「らせん」と作品毎に毛色が変わっていったシリーズで、当然「ループ」も期待を集めていた。

内容としては読者の想像の遥か上を行くものとなっており、何と言うかもう「ホラー」ではなく、死生観、宗教観、進化論を問う壮大なものでもうSFの領域である。
こんな斬新な方向転換をしたからか、評価としては賛否両論である。

シリーズの中で唯一映像化されていない作品でもある。
ストーリーの壮大さや、リングのようなホラーテイストを期待する観客を裏切るような内容、映画会社との折り合いなどが原因とされている。
映画「らせん」の尻切れとんぼな終わり方や、映画「リング2」が上映されたのはループが映画化出来なかったためである。


◆あらすじ
舞台は近未来。二見馨は重力異常ポイントに住む人々が長寿であると気づき、科学者の父と共に重力異常ポイントであるアメリカ、ニューメキシコに行く約束をする。
しかし父はその直後、現在猛威を振るっている「転移性ヒトガンウィルス」に感染していることが発覚する。

馨は病院で礼子と言うシングルマザーと恋仲になる。礼子は馨の子どもを身籠るが、「転移性ヒトガンウィルス」のキャリアだった。

そんな中、馨は重力異常ポイント、所謂「長寿村」に行った者がヒトガンウィルスを克服した情報を得る。
父、礼子、そして新しく生まれる命のために馨はアメリカに旅立つが驚愕の事実を知ることになる……。


◆登場人物

二見馨
人工生命プロジェクト「ループ」研究員の秀幸の息子。終盤にその驚きの出生が明らかになる。

杉浦礼子
馨と出会ったシングルマザー。ヒトガンウィルスのキャリア。後日談である「ハッピー・バースデイ」でも登場する。

クリストフ・エリオット
ループプロジェクト最高責任者。本作品のキーとなる人物。


以下ネタバレ含む
















◆前作との関連
「リング」の貞子の呪いは「らせん」にてリングウィルスと名付けられた。
らせんにおいて貞子の呪いはビデオに留まらず、小説やテレビ、果てはインターネットなど様々なメディアに伝染し、
さらに「生理中の女性が伝染するとウィルスは心臓に向かわずに子宮に行き卵子と結合し貞子が生まれる」ようになった。
生まれた貞子は生前の記憶を持ち、完璧な半陰陽者で自らの精子と卵子で新たな貞子を生み出せると言う生命体へと進化していった。

世界の全ての生命体は貞子の遺伝子に収斂していくことになった。

簡単に言えば貞子は自家発電で子どもが産めるようになって、増え続け、
映画「マトリックス」みたいに世界の生命体が貞子だけになったて感じ(マトリックスよりこっちのが早く出版されたが)。
本作は序盤で前作「リング」、「らせん」の世界が、
128万ものスーパーコンピュータで作られ、人類の進化と可能性をシミュレーションするプログラムの世界「ループ」であることが発覚する。
進化は偶然に左右されるはずだから、二つと同じものは出来ないはずなのに、ループの世界の進化は、現実世界とあまりにも酷似し過ぎていた。
リングの主人公である高山竜司は死ぬ間際に自分の住む世界が仮想世界だと気づき、「そっちへ連れて行ってくれ」と懇願。
ループプロジェクト最高責任者であるエリオットはその願いを聞き入れて、現実世界での蘇生を図る。
そうして生まれたのが「二見馨」であり彼は「高山竜司」でもある。

しかし現実世界に甦った「二見=高山」の体内の「仮想世界で感染したリングウィルスが現実世界で転移性ヒトガンウィルスとなり」人類を脅かすようになる。
だが同時に彼の体はリングウィルスにもヒトガンウィルスにも抗体があった。

「二見=高山」はウィルスのワクチンを作りループを、ひいては現実世界を救うために、再稼動したリングウィルスの蔓延する前のループへと戻る。




追記、修正お願いします。

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