史上最大の侵略(ウルトラセブン)

登録日:2011/10/24 Mon 06:16:26
更新日:2020/01/15 Wed 01:25:37
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アンヌ、僕は…


僕はね……人間じゃないんだよ!


M78星雲から来た


ウルトラセブンなんだ!!




びっくりしただろう……?


ううん…


人間であろうと宇宙人であろうと、


ダンはダンに変わりないじゃないの


たとえ、ウルトラセブンでも


ありがとう、アンヌ!



「史上最大の侵略」とは『ウルトラセブン』48話そして最終回の49話の前後編からなるエピソード



【ストーリー】

●「史上最大の侵略 前編」
相次ぐ戦いにより、ダン九十度近い高熱が襲う。
意識が朦朧し、目の焦点が合わない程。
その為、ダンはセブン上司から体を治す為、M78星雲への帰還命令を言い渡される。

ダンの疲労により、地球に侵入したゴース星人は“史上最大の侵略”を開始。
ゴース星人の援軍が地球に向かっていることを察知したステーションV3が緊急通信をウルトラ警備隊の作戦室に届ける。
だが、夜勤担当のダンはまともに受理できず、緊急招集を遅らせてしまう。

地上から撃墜した宇宙船を攻めるウルトラ警備隊だが、ゴース星人の奇襲により、アマギがさらわれ、パンドンが出現。

弱った状態ながらも、ダンはセブンに変身し、パンドンに挑む………

●「史上最大の侵略 後編」
辛うじて、パンドンに勝利したものの、さらに体を酷使したことで苦しむダン。
身体検査をされれば、宇宙人であることがバレてしまう為、メディカルルームを抜け出す。
一方、ゴース星人はアマギを通じて、地球防衛軍に降伏勧告を行う。
地球防衛軍は降伏せず、ウルトラ警備隊はゴース星人の切り札・地底破壊ミサイルを止める為、敵の拠点を捜し当てる。
無人のマグマライザーによる自爆作戦が立てられるが、それは、アマギの命と引き換えのものだった。

ビデオシーバーから事情を知ったダンは、ウルトラアイを見つめ、セブン上司の制止を振り切ろうとする。
だが、そこに事情を聞こうとするアンヌがやって来て、ダンは自らの正体を告白。
それを受け止めたアンヌに別れを告げ、ダンはセブンに変身し、アマギを救出。
ゴース星人は基地もろとも散ったが、改造パンドンが姿を現す。



【概要】

ハードなSF設定とメカニズム、そして人類VS侵略宇宙人という図式を最後まで突き通し、地球人以上に地球を愛し、救った『ウルトラセブン』の全てが集約されている。
また、基地が襲われる、主人公がまともに戦えないといった危機的状況に陥る等、最終回ならではの盛り上がりをみせた。
ちなみにウルトラシリーズで正体をばらすのはこれが初めてである。


【登場人物】

モロボシ・ダンウルトラセブン
今までの戦いによる疲労により、高熱(脈拍360、血圧400、熱が90度近く)を出し、マトモに警備もできず、失態をしてしまう。
また、セブンとしてもエネルギーが足りず、エメリウム光線すら放てない状況に陥る。
それでも、地球を守る為、最後の戦いに挑む。
一峰大二版では倒れて検査された結果地球人でないことが知られてしまうという展開になっている。

●キリヤマ
アマギの命と人類全体を天秤に掛け、人類全体を選び、ゴース星人基地破壊を行う。
ダンの正体を知った後、人類の手で地球を守るため、部下たちと共に、セブンを援護する。

一峰大二氏の漫画版ではダンの正体を知った際、セブンに変身してパンドンを追い払うよう命令するという、
一見すると血も涙もないと取られても仕方のないような冷徹な言動に及んでいるが、
キリヤマも満身創痍のセブンに頼らざるを得ない状況に心を痛めての苦渋の決断であり、
自分自身もピンチに陥ったセブンを救うためにパンドン相手に決死の攻撃を単身敢行している。

●フルハシ・シゲル
ダンのためにも全力でパンドンに攻撃する。
ダンが去った後も彼は生きていることを信じ続け、『平成ウルトラセブン』で再会を果たす。

●ソガ
気分の悪そうなダンに勤務を交代しようとしたり、ガムを渡し、ダンを嘲笑うクラタに反論するなど、ダンへの気遣いが伺える。
アマギを見捨てようとするキリヤマたちに対し、自分がアマギを助けに行くと進言するも、
クラタに「人間一人の命にかまっている場合じゃない。彼だって自分の命よりも人類全てのことを大事に思うだろう」と却下される。

●アマギ
ゴース星人に拉致され、人質兼通訳機にされる。
セブンに助けられた後、仲間たちと共に、セブンを援護する。

●友里・アンヌ
ダンの身を案じ、休ませようとする。
最後の告白ではダンを受け入れ、ウルトラ警備隊メンバーにダンが自分を犠牲にしてまで戦ってきたことを伝える。

●クラタ
ミスを連発するダンに憤り、行方不明になった際はウルトラ警備隊の恥さらしとして嘲笑う。
これだけを見れば嫌な上司に見えるかもしれないが以前の話でダンを評価して信頼していただけに「体調管理もできず勤務中に居眠りをして
(クラタはそう思っていた。実際は上記の過労で意識朦朧としていたためだが)侵略者の侵入を許し、あまつさえ職務放棄して失踪する」
という、あまりの行動に失望も大きかったのだろう。また、姿を消した事への嘲笑も、軍人の見地からすれば明らかな脱走行為で、ダンの正体や事情を知らなかった為、やむ得ない面もある。
だが、最終決戦の際は今までダンが苦しんでいたことを知って嘲笑したことを謝罪しながら、セブンを援護する。M78星雲へ帰還するセブンを他の警備隊メンバーと共に仲間である「モロボシ・ダン」として見送った。

『モロボシ、許してくれ』

●ヤマオカ長官、マナベ参謀、タケナカ参謀
ゴース星人の降伏勧告に冷静さを欠く隊員達を鎮め、各国首脳部を集めて、対策会議の真似をする事で、ウルトラ警備隊がミサイル基地を探すための時間稼ぎを行う。

●アキオ
たまたま、さまよっていたダンを発見し、秘密基地にかくまった少年。
注射が嫌い。

●ユミ
アオキの姉。
ダンのために救急車を呼びに行こうとするが、ダンに止められる。

●セブン上司
体調不全のダンにテレパシーを送り、M78星雲に帰還を推奨するが無視するダンに警告の為ウルトラアイを鳩時計に引っかけている。
また、最終決戦前にも登場し、ダンを説得する。
セブン上司がダンに語った「侵略者たちとの激しい戦い」のセリフのシーンでは、ガブラ恐竜戦車アイロス星人ギラドラスキングジョーガッツ星人エレキングワイアール星人ナースベル星人との戦いの映像が、ゴジラキングギドラレッドキングの鳴き声と共に流れる。
当初はゾフィーとたいして変わらないポジションだったが、ウルトラ兄弟となり、良くも悪くも現在まで活躍する彼とは違い、
知名度はかなり低い(姿がまんまセブンということやセブンが恒星観測員からウルトラ兄弟になったなどのことがネックなせいか)。
シナリオでの表記は「M78星雲人」で、現在の名前は後付けである。また公式でビックセブンという名前が設定された時期もあった。

一峰大二の漫画版ではアイスラッガーがぎざぎざになっており、セブンを帰還させる為に上司が送ったエネルギーがパンドン撃破のきっかけになった。
彼もアイスラッガーを使えることになるが威力は不明。

……が、一説によるとセブン上司は存在しないんじゃないか?というものがある。ダンとセブンのあの会話は自問自答のシーンなんじゃないかと。まあ、そこまでセブン上司が重要ではないからどうでもいいんだけどね。


【敵】

●幽霊怪人 ゴース星人
ポイント580方面から侵入、火山噴火口に基地を築く。地底ミサイルで三十億人の人質をとり降伏を薦める。この数は番組制作当時(1968年)の世界人口とほぼ同じである。
爆弾を積んだマグマライザーにより全滅した。
複数存在し会話の際は宇宙語を話すが、地球人の言語話せずウルトラ警備隊に宣戦布告する際はアマギを使った。
だが、こいつらの会話をスロー再生すると……

親分、殴りこみです 
一体どうしましょう
何?殴り込みだと? こんボケェがぁ
なんやと なめくさりよって
となる

なぜ関西弁なのかは突っ込まないでおこう。

当初は総統が巨大化して戦う予定でデザイン画も存在している。

●ゴース星人宇宙船
ウルトラホークやステーションホークと交戦する。

●ゴース星人地底ミサイル
熊ヶ岳の地底で大量に建造されたミサイル。
降伏勧告への返事が無い事に怒ったゴース星人により4発が使用され、モスクワ、ニューヨーク、ロンドン、パリを破壊。
さらに30分後に返事がなければ東京を破壊すると予告された。
基地ごと粉砕

●双頭怪獣 パンドン
ゴース星人の操る怪獣。
頭が二つあり、赤いトンカツの様な姿をしている。
詳しくは項目にて。

作中では一応『ラスボス』的立ち位置なのだが、蓄積された疲労で十全に力を発揮できないセブンに倒されたことから、作中での最弱怪獣ではないかと言われている。

ちなみにウルトラセブンの歌の二番の歌詞に『倒せ火を吐く大怪獣』とあるが、パンドンは作中で唯一火を吐く怪獣である。

また、『ウルトラセブン EVOLUTION』ではネオパンドンが、劇場版『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、キングパンドンが登場。
どちらも首がきちんと分かれている。

名前はパンドラの箱から。

●双頭怪獣 改造パンドン
ラスボス。セブンに斬られた左腕と右足に義手義足を装備し再戦。
セブン渾身のアイスラッガーをキャッチし投げ返すが、ウルトラ警備隊の攻撃で怯んだところを、セブンのウルトラ念力によりアイスラッガーを返され、首を切断されて倒された。



結末

ゴース星人の地底ミサイルにより世界が破壊される中、ウルトラ警備隊はゴース星人の基地がクマガタケの地下にあることを知る。そこには翻訳機として拉致されたアマギが捕まっているが、地球全てを彼一人と引き換えにはできない、と苦渋の決断を下したクラタにより、マグマライザーによる爆破が決行されることが決まる。
消耗極まるダンはアキオ少年の作戦本部に匿われていたが、ビデオシーバーを通じてこの事態を知り、今まさに地球のために見捨てられようとしているアマギを救いに向かう。
だがその矢先、姿を消したダンを探しに来たアンヌと出くわす。

自分こそがあのウルトラセブンであることを明かしたダンは、アンヌに別れを告げる。


「さっき言った通り、僕はM78星雲に帰らなければならない。」

「西の空に、明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んでいく……」

「それが僕なんだよ。さよなら、アンヌ!」

「待って! ダン、行かないで!」

止めるアンヌを「アマギ隊員がピンチなんだよ!」と振り切り、ウルトラセブンに変身するダン。
全速力で空を飛ぶセブンはギリギリのタイミングでゴース星人の基地に突入し、マグマライザーとすれ違う形でアマギの救出に成功した。
だが直後、失った手足を義肢で補い強化された、改造パンドンが出現する。

もはや戦う力など残っていないにも関わらず、セブンは改造パンドンに立ち向かう。
なぎ倒され、打ち払われ、それでもなお立ち上がり地球人よりも地球を愛した戦士の姿が、そこにあった。

追い詰められていくセブンの姿に、堪り兼ねたアンヌはついに、ダンの正体を警備隊に明かす。

「ウルトラセブンの正体は、私たちのダンだったのよ!」

「M78星雲から、地球を守るために遣わされた平和の使者……自分を犠牲にしてまで、この地球のために戦っているんだわ」

「でも、もうこれが最後の闘いよ……ダンは自分の星に帰らなければならないの!」

幾度となく自分たちの前に現れ、窮地を救ってくれたあのヒーローの正体は、苦楽を共にし友情を育んだ仲間だった……。
その事実に呆然とする警備隊だが、いち早く我に返ったキリヤマが叫んだ。


……行こう! 地球は、我々人類が自らの手で、守り抜かなくてはならないんだ!


そして、ウルトラホーク3機が空を駆ける。
改造パンドンに熾烈な銃火を浴びせながら、ウルトラ警備隊が叫ぶ。

「ダン、離れるんだ! 怪獣はオレに任せろ!」

「ダン!」

「ダンは死ぬ気で戦っているんだわ……!」

「体の具合が悪ければ悪いで、なぜはっきり言ってくれなかったんだ…!」

「モロボシ、許してくれ……!」

アイスラッガーを放つが、改造パンドンはそれを易々と掴みとる。
後のなくなったセブンだが、そこにクラタの決死の攻撃が改造パンドンを襲う。ウルトラホークの猛攻にパンドンも思わず怯み集中力をかき乱してしまう。
隙を見せた改造バンドンはアイスラッガーを投げ返すが、この隙をついてセブンは体勢を立て直しており待ち構えていたセブンはそれをウルトラ念力で即座にコントロール、改造パンドンの首を斬り飛ばしパンドンも今度こそ本当に絶命した。

ゴース星人の侵略は水際で阻止された。
フラつきながらも立ち上がったセブンは、名残を惜しむかのように地上を見渡し、そしてあけもどろの空へと飛び立った。
光に包まれて故郷へと帰っていく、その姿を地上から見送るウルトラ警備隊。
ソガが、ぽつりと呟いた。


ダンは死んで帰っていくんだろうか……

もしそうなら、ダンを殺したのは俺たち地球人だ。

ヤツは傷ついた体で最後の最後まで、人類のために戦ってくれたんだ!

ダンを殺したのは俺たちなんだ……あんないいヤツを……!


だが、フルハシも言う。


そんなバカな! ダンが死んでたまるか!

ダンは生きてる、きっと生きてるんだ!

遠い宇宙から、俺たちの地球を見守ってくれるさ。

そしてまた、元気な姿で帰ってくる!

隊員達が明けの明星を見つめるその先には、まるで微笑んでるかのごとくダンの顔が浮かび上がっていたのだった…


「アニオタwikiの正体は、私たちの建て主だったのよ!」

「アニオタ星雲から、項目を守るために遣わされた平和の編集者……自分を犠牲にしてまで、この項目のために戦っているんだわ」

「でも、もうこれが最後の追記・修正よ……建て主は自分のアニオタサイトに帰らなければならないの!」


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