子ども表記(日本語問題)

登録日:2010/04/11 Sun 00:55:58
更新日:2025/02/03 Mon 22:57:44
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子ども表記とは、子供の「供」の字が差別用語にあたるとして、漢字と平仮名を混用して表記しようとする事である。

元来「子供」とは「子」に接続詞「供」を付け、複数形にしたものである。ちなみに複数形を作る字としては他に「等」や「達」が存在する。
現に「子等」「子達」という呼び方も、方言によっては存在する。

そんな中、「供」という字には「お供え物」「従う」という意味を孕んでいるため、子供を差別・軽蔑・侮辱するようなニュアンスになってしまうという見解が生じ、「子ども」と表記する人や企業が増えている。
だが実際は、今日において「子供()」と書く事が可能である事から分かるように、最早「供」に上記のような複数形の意味はなくなっている。
よってこれは、ただの当て字のような位置付けになっているのが現状なのだ。

だが、やはり差別的な意味を内包しているので直感的に受け付けられず、子ども表記を選ぶ人も多い。
また一方で、個人的使用に留まらず、軽蔑的な意味があるから改変するべきだ、などと教育機関等に訴えるケースも目立つ。
幼稚園等で「子ども」表記を強制されているという実例もある。教科書がどちらの表記になっているかは出版社によって違う。

もっとも、「供」は小学校6年生で習う漢字なので(「子」は1年生)、子供用の店や低学年の教科書では子ども表記も多い。

また、子ども表記の教科書で育った人間は子ども表記に慣れてしまい、結果「子供表記」に違和感を抱くという現実も。(これは極小数なのだが)

子供の供の軽蔑的意味は今となってはもう限りなく薄まった、という弁明を国会に送ったら、逆に「誤解される危険性のある言葉をわざわざ使う必要がない」という返答が来たという話も。

低学年向けだとか、語感が柔らかいといった理由での使用もあるので、一概に差別的だとか決め付けるのは困難。
また先の理由で「供」を使うのが不適切だとすると、例えば「男」という漢字も「オトコに力があるというのは女性差別だ」などと多数の漢字が不適切になってしまう。


余談だが「ら致」「誘かい」「ねつ造」「覚せい剤」等は、常用漢字ではないという理由なので、子ども表記とは根本的には違う。


アニヲタの皆さんはいかがお考えだろう?
日本語の項目にもあるように、我々の使う言語は難しく美しいものである。
それがどう変化していくかは、今を生きる我々の手の中にあるのだ。子供達の将来の為にも、御一考願いたい。


追記・修正お願いします、アニヲタども。

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最終更新:2025年02月03日 22:57