登録日:2025/10/30 Thu 18:55:15
更新日:2025/10/31 Fri 22:44:07NEW!
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本項目では、これらによって発動する「マジックコート状態」についても説明する。
データ
タイプ:
エスパー
分類:変化
威力:-
命中率:100→-(
第4世代以降)
PP:15
範囲:自分
接触:×
優先度:+4
効果:そのターンに自分へ使われた変化技を相手に跳ね返す。
Zワザとして使用すると特防が2段階アップする。
効果:戦闘中、常時「マジックコート状態」になる。
概要
「マジックコート」は上述の説明通り、
相手が自分に向けて使用してきた変化技を無効化し、そのまま跳ね返してしまうというもの。
優先度は+4と「
まもる」並に高いので、あらゆる変化技を使用不可にしてしまう「ちょうはつ」を反射して逆に相手の行動を封じることができる。
ただし「まもる」と同じく
使用したターンにしか効果がないため、相手が攻撃技を使ってきた場合は不発に終わってしまうが、逆に言えばターン終了時まで効果が継続するので、
ダブルバトルで相手2匹が自分に向けて変化技を使ってきても、ちゃんと2匹分跳ね返す。
第4世代までは特性『プレッシャー』のポケモンに対して技を跳ね返した場合「マジックコート」のPPは2減っていたが、
第5世代以降では1だけ減るようになった。
第4世代以降は教え技としてエスパータイプ・
フェアリータイプをはじめとする多くのポケモンが習得できたが、
第9世代で技が廃止されたため、SV時点では後述の『マジックミラー』でしかマジックコート状態になることができない。
『マジックミラー』はその特性版で、場に出ている間は常に「マジックコート」を発動している状態になる。
技を使わずいつでも反射できるので一見すると上位互換のように見えるが、『
かたやぶり』や『
きんしのちから』を持つ相手の変化技は貫通し、『
かがくへんかガス』持ちが場にいれば効果がなくなるなど、
特性ゆえに特性を貫通・無効化するポケモンの影響を強く受けてしまう。
また、『マジックミラー』持ちおよび「マジックコート」を使用した相手にこちらが変化技を放った場合、跳ね返ってきた技の効果を再び跳ね返すことはできない(これは逆も同じ)。
強力な特性ゆえか、第9世代現在に至るまで
隠れ特性もしくは
メガシンカ限定の特性となっており、通常特性で所有しているポケモンはいない。
言うまでもなく、反射するのはあくまで「
変化技限定」なので『
いかく』などの特性や「攻撃技によって発生する追加効果」は反射できない点には注意。
マジックミラーを所有するポケモン
※ ★は隠れ特性。
マジックコート状態について
マジックコート状態は相手が使用してきた変化技を跳ね返すと度々記したが、厳密に言うと、
「相手の変化技を無力化した上で、その技を自分がそのまま相手に繰り出す」
という効果になっている。
そのため詳細な仕様や例外が存在する(これらはダブルバトルで実践した方がわかりやすい)。
① 相手のタイプや特性次第では技を跳ね返しても効果はない
たとえば、
ほのおタイプの相手が放つ「おにび」や
くさタイプの相手が放つ「キノコのほうし」を跳ね返しても、ほのおタイプは「
やけど状態」を、くさタイプは粉・胞子系の技を無効化するタイプ特性を持つため、相手は「やけど」や「
ねむり」にならない。
同じ理由で『
クリアボディ』を持つ相手が放つ「こわいかお」を反射しても相手の能力は下がらず、『マイペース』持ちの「
いばる」の場合は、
攻撃2段階上昇の効果を受けるだけで「こんらん状態」にならないので逆にピンチに陥ってしまう。
② 複数のポケモンを対象にした技を受けた場合、マジックコート状態のポケモンのみが技を跳ね返す
マジックコート状態はあくまで
「自分のみ」を対象にしているので、ダブルでその状態ではない味方は、相手の「
なきごえ」や「かいふくふうじ」といった相手全員が対象の技の影響を受けてしまう。
なお、「まきびし」や「ステルスロック」などの
撒き技は例外で、味方1体がマジックコート状態であれば反射して相手の場にトラップが撒かれる。
③ 反射後の技の命中判定は「自身の命中率」と「相手の回避率」により決まる
実はマジックコート状態は命中率・回避率に大きく影響する。
そのため、たとえ技を跳ね返したとしても、自分の命中率のランクが低いほど(相手の回避率のランクが高いほど)外れやすくなる。
ただし、反射前のマジックコート状態のポケモンに対して技の命中判定は行われないため「さいみんじゅつ」等の命中率の低い技でも必ず受ける。
またマジックコートで跳ね返した技が命中判定によって外れた場合、マジックコート状態のポケモンが持つ「
からぶりほけん」が発動する。
④ 技を引き寄せる特性や技の効果は、マジックコートより優先される
『ひらいしん』『よびみず』を所有しているポケモンが対応する(
でんき・
みず)タイプの変化技を受けたり、「このゆびとまれ」などによって発動する「ちゅうもくのまと状態」だと、たとえマジックコート状態でも相手の変化技を反射せずに受ける。
ダブルバトルにて横にいる味方がこれらの特性や状態だと、自分がマジックコート状態でも味方側に技が引き寄せられるので跳ね返すことができない。
これは逆も同じで、ダブルで片方の相手が『ひらいしん』『よびみず』か「ちゅうもくのまと状態」だと、(対応するタイプの)技を跳ね返しても技を放った側ではなくそちら側に引き寄せられる。
⑤ 自分の特性・状態よりもマジックコートが優先され、技を跳ね返すことができる
『マジックミラー』の場合は特性に限れば考慮する必要はないが、「マジックコート」を使用した場合、特性とマジックコートを両立している状態になる。
この状況だと以下の特性や状態よりマジックコートの効果が優先される。
    
    
        - 『クリアボディ』『かいりきバサミ』等のステータスのランク低下を無効化する特性
- 『そうしょく』『もらいび』等の特定のタイプの技を無効化する特性
- 『はやおき』『めんえき』等の特定の状態異常を軽減・無効化する特性
- 『ぼうおん』『きゅうばん』等の特定の系統の技を無効化する特性
- 『ミラクルスキン』のような技の命中率に影響する特性
- 「みがわり状態」
- 「しろいきり状態」
- 「しんぴのまもり」「エレキフィールド/ミストフィールド」等で(特定の)状態異常を無効化する状況下
- 「ぼうじんゴーグル」「クリアチャーム」「とくせいガード」等のもちもの所有時
- じめんタイプに対する「でんじは」(第7世代以降)
- でんきタイプに対する「でんじは」、どくタイプに対する「どくどく」等のタイプ特性による無効化
- すでに状態異常になっているポケモンに対する状態異常技
- すでに同じ状態変化になっているポケモンに対する状態変化技
- すでにステータスランクが最低なために効果がない能力下降技
- 野生戦でレベルが高いポケモンに対する「ふきとばし」「ほえる」
 
 
逆に以下の特性と状態はマジックコートよりも優先され、これらで無効化される変化技は跳ね返せない。
- 『じょおうのいげん』『サイコメイカー』等の先制技を無効化する(もしくはその状況を発動する)特性
- 「ワイドガード」等の「まもる」系の効果がある技を使用した状態
- 「ふんじん状態」
⑥ マジックコート状態のポケモンの特性は基本的に有効となるが、逆に元の技の使用者のタイプや特性は考慮されない
若干①と重複するが、反射した技の仕様によっては特性の効果が加わることがある。しかしそれ故の弊害もある。
『
うるおいボイス』のポケモンが跳ね返した技が音技だった場合、その技はみずタイプになる。同様に『すりぬけ』持ちなら「みがわり状態」を無視する。
ただし技を放った相手のタイプや特性は考慮されないため、『
いたずらごころ』のポケモンが
あくタイプのポケモンが放つ変化技を跳ね返した場合、反射した技は無効となってしまう。
同じく『うるおいボイス』持ちが音技を反射した際、技を放った相手が『ぼうおん』持ちなら効果はなく、『ちょすい』だと回復、『よびみず』だと特攻1段階上昇とともに無効化される。
なお、『かたやぶり』と『へんげんじざい/
リベロ』は例外で、反射した技は相手の特性を無視できず、また跳ね返した技のタイプに変化しない。
⑦ 全ての変化技が跳ね返せる訳ではない
変化技によっては跳ね返せない技がある。
    
    
        - 「天候・フィールド変化技」「○○ルーム」等の全体の場が対象の技
- 「しんぴのまもり」「おいかぜ」等の味方の場が対象の技
- 「ねがいごと」等の自身を対象とする変化技(他の味方が使用した「ねがいごと」は使用者が場にいたとしても跳ね返さない)
- 「いやしのすず」「いのちのしずく」等の味方全員が対象の技
- 「ほろびのうた」「おちゃかい」等の自分を含む全員が対象の技
- 「てだすけ」等の味方1体が対象の技
- 「へんしん」「いたみわけ」「じこあんじ」等の対象の状態を参照にする技
- 「トリック/すりかえ」「スキルスワップ」等の対象の道具や能力を入れ替える技
- 「おさきにどうぞ」「さいはい」等の行動に関する技
- 「あくむ」
- 「おきみやげ」
- 「こころのめ・ロックオン」
- 「そうでん」
- 「たこがため」
- 「デコレーション」
- 「のろい」
- 「フラフラダンス」
 
 
マジックミラーと類似する特性
第8世代から登場した特性で、自身に対するステータスランクを下げる効果を相手に跳ね返す。
 
簡潔に言うと「
能力ランク限定のクリアボディ兼マジックミラー 」とでも言うべき効果を持っており、第9世代時点では
アーマーガアの
専用特性かつ隠れ特性となっている。
しかも能力ランクを下げるものであれば、変化技だけでなく
『いかく』などの特性の効果や攻撃技の追加効果も反射するが、「
ひっくりかえす」「パワー/ガード/
ハートスワップ」などで能力ランクを逆転されたり、既に低下しているステータスを押しつけられた時は発動しない。
ちなみに『マジックミラー』を持つポケモンが『ミラーアーマー』持ちからランクを下げる変化技を受けた場合、反射した効果はさらに『ミラーアーマー』で跳ね返される。
逆に『マジックミラー』のポケモンが『ミラーアーマー』持ちのランクを下げようとした場合、『ミラーアーマー』で反射された効果は跳ね返さずに受けてしまう。
第9世代に登場した
サーフゴーの専用特性で、他のポケモンから受ける変化技を無効化する。
「変化技を受けない」という点は同じだが、こちらは反射せずに終わる。そのため『マジックミラー』の下位互換のように見えるが、マジックコート状態では跳ね返せない「トリック」や「スキルスワップ」、さらには「おきみやげ」「のろい」も無効化するなど適用範囲が異なっている。
欠点は「自分に向けられた変化技であれば、相手味方関係なく無効化する」こと。
なのでマジックコート状態でも受けられる味方の「てだすけ」も受けつけないほか、撒き技も無効化しないなど、細かい点でマジックコート状態と違いがある。
ほぼ全ての変化技を無効化するので勘違いされがちだが、
実は特性のコピーや上書きができる。
そのため対面した相手が『トレース』を持っていると特性をコピーされ、『
さまようたましい』を持つポケモンに直接攻撃をした時や『かたやぶり』持ちから特性を変える技を受けた際、『おうごんのからだ』は別の特性に変更される。
余談
- マジックミラーとは、反射と透過の両方の特徴をもつ鏡のこと。詳細は鏡の項目にあるが、表が鏡で裏側がガラスのように見えるのにはちゃんとした理由がある。
 マジックミラーは和製英語であり、英語では「one‐way mirror」と呼ばれる。厳密には「magic mirror」という単語自体はあるが、これだと白雪姫に登場する魔法の鏡を指す。
 ちなみに特性の方の英語名は『Magic Bounce』と呼ばれる。
- 『マジックミラー』の通称は「マジミラ」だが、ネットで調べる際に「マジミラ」のみで検索すると別の検索結果が出てくるため、きちんと「マジックミラー ポケモン」と入力することを推奨。
- 8世代のダイマックスしている時でも当然発動する。ダイマックス時は変化技は「ダイウォール」しか使えないが、これで跳ね返せば貴重なダイウォール以外の変化技を使うダイマックスポケモンが見られる。
追記・修正は変化技を跳ね返せる人がお願いします。
    
    
        
-  技の方は不遇すぎた故か、7世代ではZワザ化させたら全能力1段階アップ効果が付与されるんだよな  -- 名無しさん  (2025-10-30 18:56:49)
-  昔持ってたポケモンシールで、アブソルがこの技を使ってるやつがあったな。すごくかっこよかったけど、実態がこんな不遇とは知らなかった  -- 名無しさん  (2025-10-30 19:56:21)
-  ピクシー?と思ったけど、あっちは「マジックガード」だった  -- 名無しさん  (2025-10-31 00:02:19)
-  メリットしかないように見えてすてゼリフ撃たれると強制退場しちゃうのが困る。そのせいでダブルのブリムオンがガオガエン実装後トリルもダイマもできなくなった。  -- 名無しさん  (2025-10-31 00:10:47)
-  確かフラフラダンスだけは防げなかったはず  -- 名無しさん  (2025-10-31 08:06:16)
 
 
最終更新:2025年10月31日 22:44